JP2000001346A - スラグの重金属溶出防止方法 - Google Patents
スラグの重金属溶出防止方法Info
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- JP2000001346A JP2000001346A JP16204398A JP16204398A JP2000001346A JP 2000001346 A JP2000001346 A JP 2000001346A JP 16204398 A JP16204398 A JP 16204398A JP 16204398 A JP16204398 A JP 16204398A JP 2000001346 A JP2000001346 A JP 2000001346A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 スラグを埋立て等の処分に利用した際に、ス
ラグ内に含有されている重金属が外部に溶出することが
ないようにする。 【解決手段】 重金属を含有する焼却灰13を溶融炉1
により溶融処理してスラグを生成する際に、焼却灰13
と共に硫黄14を溶融炉1に供給し、スラグ生成過程で
重金属の硫黄化合物を生成させて安定化することによ
り、スラグ処分時における重金属の溶出を防止する。
ラグ内に含有されている重金属が外部に溶出することが
ないようにする。 【解決手段】 重金属を含有する焼却灰13を溶融炉1
により溶融処理してスラグを生成する際に、焼却灰13
と共に硫黄14を溶融炉1に供給し、スラグ生成過程で
重金属の硫黄化合物を生成させて安定化することによ
り、スラグ処分時における重金属の溶出を防止する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スラグを埋立て等
の目的で処分する際に、スラグから重金属が溶出するの
を防止するようにしたスラグの重金属溶出防止方法に関
するものである。
の目的で処分する際に、スラグから重金属が溶出するの
を防止するようにしたスラグの重金属溶出防止方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】ゴミ焼却炉からの焼却後の灰や飛灰、或
いは高炉からの焼却後の灰等の焼却灰は、溶融炉により
溶融させて固化するようにしており、このように固化し
て安定化、無害化した固形物はスラグと称されて、適宜
処分するか或いは再利用されている。処分の方法として
は一般に埋立て等に利用することが考えられており、又
再利用の方法としては、路面材として用いたり或いは高
炉スラグセメントのようにセメント原料の一部として利
用することが考えられている。
いは高炉からの焼却後の灰等の焼却灰は、溶融炉により
溶融させて固化するようにしており、このように固化し
て安定化、無害化した固形物はスラグと称されて、適宜
処分するか或いは再利用されている。処分の方法として
は一般に埋立て等に利用することが考えられており、又
再利用の方法としては、路面材として用いたり或いは高
炉スラグセメントのようにセメント原料の一部として利
用することが考えられている。
【0003】表1は、ゴミ焼却灰によって生成されたス
ラグの組成の一例を示したものであり、スラグは、アル
ミニウム(Al)、ケイ素(Si)、カルシウム(C
a)等を主体に含有しており、同時に鉛(Pb)、銅
(Cu)、亜鉛(Zn)等の重金属を含んでいる。
ラグの組成の一例を示したものであり、スラグは、アル
ミニウム(Al)、ケイ素(Si)、カルシウム(C
a)等を主体に含有しており、同時に鉛(Pb)、銅
(Cu)、亜鉛(Zn)等の重金属を含んでいる。
【0004】
【表1】
【0005】表1中Aは、ゴミ焼却炉から出る焼却灰を
コークスベッド式灰溶融炉で処理したスラグの一例であ
り、Bはゴミ焼却炉の飛灰をコークスベッド式灰溶融炉
で処理した際の飛灰のスラグの一例であり、Cはゴミ焼
却炉から出る焼却灰を直流抵抗式電気炉で溶融処理した
スラグの一例であり、Dはゴミ焼却炉から出る焼却灰を
内部溶融炉(ゴミを未燃分を残した状態で燃焼させてお
き、溶融時にその未燃分の発熱量を利用して溶融させる
炉)で処理したスラグの一例である。
コークスベッド式灰溶融炉で処理したスラグの一例であ
り、Bはゴミ焼却炉の飛灰をコークスベッド式灰溶融炉
で処理した際の飛灰のスラグの一例であり、Cはゴミ焼
却炉から出る焼却灰を直流抵抗式電気炉で溶融処理した
スラグの一例であり、Dはゴミ焼却炉から出る焼却灰を
内部溶融炉(ゴミを未燃分を残した状態で燃焼させてお
き、溶融時にその未燃分の発熱量を利用して溶融させる
炉)で処理したスラグの一例である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記したような鉛、
銅、亜鉛等の重金属を含んでいるスラグは、埋立て等の
処分に利用した際に、スラグ内の重金属が外部に溶出す
ることが考えられ、環境に対する重金属の悪影響が懸念
されている。
銅、亜鉛等の重金属を含んでいるスラグは、埋立て等の
処分に利用した際に、スラグ内の重金属が外部に溶出す
ることが考えられ、環境に対する重金属の悪影響が懸念
されている。
【0007】本発明は、かかる従来の問題点を解決すべ
くなしたもので、スラグを埋立て等の処分に利用した際
に、スラグ内に含有されている重金属が外部に溶出する
ことがないようにしたスラグの重金属溶出防止方法を提
供することを目的としている。
くなしたもので、スラグを埋立て等の処分に利用した際
に、スラグ内に含有されている重金属が外部に溶出する
ことがないようにしたスラグの重金属溶出防止方法を提
供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
重金属を含有する焼却灰を溶融炉により溶融処理してス
ラグを生成する際に、焼却灰と共に硫黄を溶融炉に供給
し、スラグ生成過程で重金属の硫黄化合物を生成させて
安定化することにより、スラグ処分時における重金属の
溶出を防止することを特徴とするスラグの重金属溶出防
止方法、に係るものである。
重金属を含有する焼却灰を溶融炉により溶融処理してス
ラグを生成する際に、焼却灰と共に硫黄を溶融炉に供給
し、スラグ生成過程で重金属の硫黄化合物を生成させて
安定化することにより、スラグ処分時における重金属の
溶出を防止することを特徴とするスラグの重金属溶出防
止方法、に係るものである。
【0009】請求項2記載の発明は、硫黄が硫化鉱石で
あることを特徴とする請求項1記載のスラグの重金属溶
出防止方法、に係るものである。
あることを特徴とする請求項1記載のスラグの重金属溶
出防止方法、に係るものである。
【0010】請求項3記載の発明は、硫黄の添加量は、
予め測定した焼却灰中の重金属の量に対して等モル以上
であることを特徴とする請求項1又は2記載のスラグの
重金属溶出防止方法、に係るものである。
予め測定した焼却灰中の重金属の量に対して等モル以上
であることを特徴とする請求項1又は2記載のスラグの
重金属溶出防止方法、に係るものである。
【0011】本発明では、焼却灰を溶融炉により溶融処
理してスラグを生成する際に、焼却灰と共に硫黄を供給
し、スラグ生成過程で重金属の硫黄化合物を生成させて
安定化させるようにしたので、スラグを埋立て等の処分
に利用した際に、スラグ内に含有されている重金属が外
部に溶出することを完全に防止できる。
理してスラグを生成する際に、焼却灰と共に硫黄を供給
し、スラグ生成過程で重金属の硫黄化合物を生成させて
安定化させるようにしたので、スラグを埋立て等の処分
に利用した際に、スラグ内に含有されている重金属が外
部に溶出することを完全に防止できる。
【0012】硫黄として硫化鉱石を用いると、コストを
低減することができ、又硫黄の添加量を予め測定した焼
却灰中の重金属の量に対して等モル以上とすると、すべ
ての重金属を効率良く硫黄化合物に変えることができ
る。
低減することができ、又硫黄の添加量を予め測定した焼
却灰中の重金属の量に対して等モル以上とすると、すべ
ての重金属を効率良く硫黄化合物に変えることができ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を図面に基づいて説明する。
を図面に基づいて説明する。
【0014】本発明者らは、表1に示したように、ゴミ
焼却灰から生成したスラグに含有されている銅(C
u)、鉛(Pb)、亜鉛(Zn)の重金属の夫々におけ
る酸性条件下での溶出挙動について実験を実施し、その
結果を図3〜図5に示した。
焼却灰から生成したスラグに含有されている銅(C
u)、鉛(Pb)、亜鉛(Zn)の重金属の夫々におけ
る酸性条件下での溶出挙動について実験を実施し、その
結果を図3〜図5に示した。
【0015】図3〜図5では、硝酸、硫酸、塩酸、酢酸
によるpHを7.0から徐々に低下させ(酸性度を強
め)た際における銅、鉛、亜鉛の各元素の溶出濃度(m
g/l)を測定し、その結果を折線にて示した。
によるpHを7.0から徐々に低下させ(酸性度を強
め)た際における銅、鉛、亜鉛の各元素の溶出濃度(m
g/l)を測定し、その結果を折線にて示した。
【0016】この時、硝酸は空気中の窒素酸化物(NO
x)を吸収した酸性雨を想定し、硫酸は空気中の硫黄酸
化物(SOx)を吸収した酸性雨を想定し、塩酸は工場
等からの塩化水素ガス(HCl)を吸収した雨、酢酸は
腐葉土、有機酸等による酸性土壌から染み出た水を夫々
想定したものである。
x)を吸収した酸性雨を想定し、硫酸は空気中の硫黄酸
化物(SOx)を吸収した酸性雨を想定し、塩酸は工場
等からの塩化水素ガス(HCl)を吸収した雨、酢酸は
腐葉土、有機酸等による酸性土壌から染み出た水を夫々
想定したものである。
【0017】図3の銅元素と図4の鉛元素における溶出
挙動から明らかなように、銅元素と鉛元素は、何れもp
H4.5〜4の近傍で溶出が発生し、pH4〜3の近傍
で溶出濃度がピーク値Pを示し、その後pH2の近傍で
は溶出がなくなることが判明した。
挙動から明らかなように、銅元素と鉛元素は、何れもp
H4.5〜4の近傍で溶出が発生し、pH4〜3の近傍
で溶出濃度がピーク値Pを示し、その後pH2の近傍で
は溶出がなくなることが判明した。
【0018】このように、pH4.5〜4の近傍で重金
属の溶出が発生し、ピーク値Pを示した後に重金属の溶
出が生じなくなるという現象は、次の理由によるものと
考えられる。
属の溶出が発生し、ピーク値Pを示した後に重金属の溶
出が生じなくなるという現象は、次の理由によるものと
考えられる。
【0019】即ち、ゴミ焼却灰から生成したスラグが酸
性雨等の影響を受けると、スラグから重金属が溶出する
と同時に、硫化水素ガス(H2S)が発生することが知
られており、この硫化水素ガスは、溶出した重金属と接
触すると直ちに反応して安定した硫黄化合物を生成して
沈殿する。この時、水中に溶出した重金属に硫化水素ガ
スが有効に接触できないために一時的に溶出濃度は上昇
してピーク値Pを示すようになるが、その後pHを低下
させて行くと、硫化水素ガスの発生量が増加することに
よって溶出する重金属のすべてが硫黄酸化物となり、こ
れによって水中には溶出した重金属の存在はなくなる。
性雨等の影響を受けると、スラグから重金属が溶出する
と同時に、硫化水素ガス(H2S)が発生することが知
られており、この硫化水素ガスは、溶出した重金属と接
触すると直ちに反応して安定した硫黄化合物を生成して
沈殿する。この時、水中に溶出した重金属に硫化水素ガ
スが有効に接触できないために一時的に溶出濃度は上昇
してピーク値Pを示すようになるが、その後pHを低下
させて行くと、硫化水素ガスの発生量が増加することに
よって溶出する重金属のすべてが硫黄酸化物となり、こ
れによって水中には溶出した重金属の存在はなくなる。
【0020】一方、図5の亜鉛元素における溶出挙動に
ついて見ると、pH5〜4の近傍で溶出が発生し、その
後はpHの低下に伴って亜鉛元素の溶出濃度は増加して
いる。
ついて見ると、pH5〜4の近傍で溶出が発生し、その
後はpHの低下に伴って亜鉛元素の溶出濃度は増加して
いる。
【0021】この亜鉛元素の場合は、亜鉛元素が溶出す
ると同時に硫化水素ガスと反応して一部は硫黄酸化物と
なっているが、溶出する亜鉛元素に対して硫化水素ガス
の発生量が少ないために、反応して硫黄酸化物に成るこ
とができない重金属の量が増えて濃度が上昇するためで
ある。
ると同時に硫化水素ガスと反応して一部は硫黄酸化物と
なっているが、溶出する亜鉛元素に対して硫化水素ガス
の発生量が少ないために、反応して硫黄酸化物に成るこ
とができない重金属の量が増えて濃度が上昇するためで
ある。
【0022】従って、上記実験から、重金属の溶出時
に、充分な硫化水素ガスが存在していれば、重金属の溶
出は防止できるという知見を得た。
に、充分な硫化水素ガスが存在していれば、重金属の溶
出は防止できるという知見を得た。
【0023】本発明者らは、上記知見に基づき、次のよ
うな方法によってスラグから重金属が溶出するのを防止
することに成功した。
うな方法によってスラグから重金属が溶出するのを防止
することに成功した。
【0024】即ち、重金属を含有する焼却灰を溶融炉に
より溶融処理してスラグを生成する際に、焼却灰と共に
硫黄を溶融炉に供給し、スラグ生成過程で重金属の硫黄
化合物を生成させるようにした。
より溶融処理してスラグを生成する際に、焼却灰と共に
硫黄を溶融炉に供給し、スラグ生成過程で重金属の硫黄
化合物を生成させるようにした。
【0025】このとき、溶融炉に硫黄を供給する方法と
しては、硫黄を含む鉱石(例えば硫化鉄鉱)等を焼却灰
に予め混合しておいて溶融させるようにするか、又は、
焼却灰の溶融時或いは出滓時に溶融スラグに硫化水素ガ
ス(H2S)を供給する方法等を用いることができる。
しては、硫黄を含む鉱石(例えば硫化鉄鉱)等を焼却灰
に予め混合しておいて溶融させるようにするか、又は、
焼却灰の溶融時或いは出滓時に溶融スラグに硫化水素ガ
ス(H2S)を供給する方法等を用いることができる。
【0026】硫黄の添加量は、予め焼却灰中の重金属量
を測定しておき、この焼却灰中の重金属の含有量に対し
て等モル以上とすると良い。
を測定しておき、この焼却灰中の重金属の含有量に対し
て等モル以上とすると良い。
【0027】前記表1に示したスラグ1kg当たりの
銅、鉛、亜鉛からなる重金属の含有量を求めたところ、
合計で約150ミリモルであった。これらの重金属の元
素を硫黄化合物にするためには、計算では同じ約150
ミリモルの硫黄が必要である。この硫黄を硫化鉄によっ
て供給する場合には約14グラムの硫化鉄が必要であ
り、又硫化水素で供給する場合には標準状態で約3.4
リットルの硫化水素ガスが必要である。
銅、鉛、亜鉛からなる重金属の含有量を求めたところ、
合計で約150ミリモルであった。これらの重金属の元
素を硫黄化合物にするためには、計算では同じ約150
ミリモルの硫黄が必要である。この硫黄を硫化鉄によっ
て供給する場合には約14グラムの硫化鉄が必要であ
り、又硫化水素で供給する場合には標準状態で約3.4
リットルの硫化水素ガスが必要である。
【0028】図1は、本発明の方法を実施するスラグ製
造装置の一例を示したものである。
造装置の一例を示したものである。
【0029】図1中、1は、コークスベッド式の灰の溶
融炉であり、該溶融炉1は例えば炉蓋1aを開ける等の
方法により炉本体1b内にコークス2を供給してコーク
スベッドを形成するようになっており、炉本体1bの下
部からは空気供給管3を介して空気4が供給されて燃焼
が行われるようになっており、且つ炉蓋1aには排ガス
5を導出するための排ガスダクト6が接続されている。
融炉であり、該溶融炉1は例えば炉蓋1aを開ける等の
方法により炉本体1b内にコークス2を供給してコーク
スベッドを形成するようになっており、炉本体1bの下
部からは空気供給管3を介して空気4が供給されて燃焼
が行われるようになっており、且つ炉蓋1aには排ガス
5を導出するための排ガスダクト6が接続されている。
【0030】又、前記溶融炉1の底部には、溶融スラグ
7を取り出すための出滓口8が設けられている。出滓口
8は通常時は所定の閉塞手段によって閉じられており、
溶融炉1から溶融スラグ7を取り出すときのみ出滓口8
が開けられるようになっている。
7を取り出すための出滓口8が設けられている。出滓口
8は通常時は所定の閉塞手段によって閉じられており、
溶融炉1から溶融スラグ7を取り出すときのみ出滓口8
が開けられるようになっている。
【0031】上記構成において、出滓口8及び該出滓口
8から取り出される溶融スラグ7の外部を包囲できるよ
うにしたカバー9を設けると共に、該カバー9と前記排
ガスダクト6とを接続する循環ダクト10を設けて、焼
却灰13の溶融時に生じる硫化水素ガスを含んだ排ガス
5の一部を出滓口8に循環して供給するようにしてい
る。この時、必要な場合には循環ダクト10に循環ファ
ン11を設ける。
8から取り出される溶融スラグ7の外部を包囲できるよ
うにしたカバー9を設けると共に、該カバー9と前記排
ガスダクト6とを接続する循環ダクト10を設けて、焼
却灰13の溶融時に生じる硫化水素ガスを含んだ排ガス
5の一部を出滓口8に循環して供給するようにしてい
る。この時、必要な場合には循環ダクト10に循環ファ
ン11を設ける。
【0032】更に、前記排ガスダクト6における循環ダ
クト10の接続部の下流側位置には、排ガス5中の硫化
水素等の成分を分離するためのガス浄化装置12を備え
るようにしている。
クト10の接続部の下流側位置には、排ガス5中の硫化
水素等の成分を分離するためのガス浄化装置12を備え
るようにしている。
【0033】上記図1の溶融炉1を用いて本発明を実施
する際には、溶融炉1にコークス2を供給すると共に、
ゴミ焼却炉からの焼却後の灰や飛灰、或いは高炉からの
焼却後の灰等の焼却灰13に、硫黄14として硫化鉄鉱
等の硫化鉱石を混合したものを溶融炉1に供給する。こ
の時、焼却灰13中の重金属の量を予め測定しておき、
この測定した重金属の量に対して、少なくとも等モル量
の硫黄14となるような量の硫化鉱石を混合する。この
時、硫黄14として硫化鉄等を用いることもできるが、
精製処理した硫化鉄を用いるのはコストの面で無駄であ
り、何ら処理されていない安価な硫化鉱石を用いるのが
好ましい。
する際には、溶融炉1にコークス2を供給すると共に、
ゴミ焼却炉からの焼却後の灰や飛灰、或いは高炉からの
焼却後の灰等の焼却灰13に、硫黄14として硫化鉄鉱
等の硫化鉱石を混合したものを溶融炉1に供給する。こ
の時、焼却灰13中の重金属の量を予め測定しておき、
この測定した重金属の量に対して、少なくとも等モル量
の硫黄14となるような量の硫化鉱石を混合する。この
時、硫黄14として硫化鉄等を用いることもできるが、
精製処理した硫化鉄を用いるのはコストの面で無駄であ
り、何ら処理されていない安価な硫化鉱石を用いるのが
好ましい。
【0034】続いて、所要の方法でコークス2に点火
し、空気供給管3から空気4を供給してコークス2を赤
熱させ、約1100℃〜1400℃前後の温度で焼却灰
13を溶融させる。
し、空気供給管3から空気4を供給してコークス2を赤
熱させ、約1100℃〜1400℃前後の温度で焼却灰
13を溶融させる。
【0035】この時、焼却灰13中の重金属は、硫化鉱
石の硫黄14と反応して硫黄化合物となり、安定する。
石の硫黄14と反応して硫黄化合物となり、安定する。
【0036】溶融スラグ中の重金属は、硫黄14と反応
し易く、しかも溶融炉1には重金属と等モル以上の硫黄
14が供給されており、更に加熱によって生じる硫化水
素ガスの一部は循環ダクト10を介して再び溶融炉1内
に循環されるようになっているので、焼却灰13中の重
金属はすべてが硫黄化合物となる。
し易く、しかも溶融炉1には重金属と等モル以上の硫黄
14が供給されており、更に加熱によって生じる硫化水
素ガスの一部は循環ダクト10を介して再び溶融炉1内
に循環されるようになっているので、焼却灰13中の重
金属はすべてが硫黄化合物となる。
【0037】余剰となって排ガスダクト6に導かれる排
ガス5中の硫化水素ガスは、ガス浄化装置12にて除去
され、清浄となった排ガスは外部に排出される。
ガス5中の硫化水素ガスは、ガス浄化装置12にて除去
され、清浄となった排ガスは外部に排出される。
【0038】上記図1においては、硫黄14として硫化
鉱石を焼却灰13に混ぜて溶融炉1に供給する場合につ
いて例示したが、図1中破線で示すように、循環ダクト
10に硫化水素ガス供給管15を接続し、該硫化水素ガ
ス供給管15から硫黄14として硫化水素ガス(H
2S)を供給するようにしても良い。このとき、排ガス
5の一部を循環ダクト10で循環させているので、硫化
水素ガスの使用量を節約することができる。
鉱石を焼却灰13に混ぜて溶融炉1に供給する場合につ
いて例示したが、図1中破線で示すように、循環ダクト
10に硫化水素ガス供給管15を接続し、該硫化水素ガ
ス供給管15から硫黄14として硫化水素ガス(H
2S)を供給するようにしても良い。このとき、排ガス
5の一部を循環ダクト10で循環させているので、硫化
水素ガスの使用量を節約することができる。
【0039】上記により溶融炉1で溶融された溶融スラ
グ7は、出滓口8を開けることによって外部に取り出さ
れ、冷却することにより、処分或いは再利用が可能なス
ラグとなる。なお、溶融炉1から溶融スラグ7を取り出
す際に、前記硫化水素ガス供給管15を介して硫化水素
ガスを供給しながら循環ダクト10により排ガス5の循
環を行うようにすると、硫化水素ガスの少ない使用量に
て重金属を効率良く硫黄化合物にすることができる。
グ7は、出滓口8を開けることによって外部に取り出さ
れ、冷却することにより、処分或いは再利用が可能なス
ラグとなる。なお、溶融炉1から溶融スラグ7を取り出
す際に、前記硫化水素ガス供給管15を介して硫化水素
ガスを供給しながら循環ダクト10により排ガス5の循
環を行うようにすると、硫化水素ガスの少ない使用量に
て重金属を効率良く硫黄化合物にすることができる。
【0040】上記によって得られたスラグは、重金属が
硫黄化合物になっているために安定性が高く、よって図
3及び図4に示したような酸性状態での溶出挙動実験を
行っても、重金属の溶出は全く生じなかった。
硫黄化合物になっているために安定性が高く、よって図
3及び図4に示したような酸性状態での溶出挙動実験を
行っても、重金属の溶出は全く生じなかった。
【0041】従って、本発明によれば、スラグを埋立て
等の処分に利用した際に、スラグ内に含有されている重
金属が外部に溶出することを完全に防止することがで
き、よって環境を重金属で汚染する問題を確実に防止す
ることができる。
等の処分に利用した際に、スラグ内に含有されている重
金属が外部に溶出することを完全に防止することがで
き、よって環境を重金属で汚染する問題を確実に防止す
ることができる。
【0042】図2は、本発明の方法を実施するスラグ製
造装置の他の例を示したものである。
造装置の他の例を示したものである。
【0043】図2中、16は、直流抵抗式電気炉による
灰の溶融炉であり、該溶融炉16は例えば炉蓋16aを
開ける等の方法により炉本体16b内に焼却灰13を供
給して電極17により焼却灰13を加熱溶融させるよう
になっており、従って、図1の空気供給管3は備えてお
らず、その他の構成においては図1の場合と同様である
ので、詳細な説明は省略する。
灰の溶融炉であり、該溶融炉16は例えば炉蓋16aを
開ける等の方法により炉本体16b内に焼却灰13を供
給して電極17により焼却灰13を加熱溶融させるよう
になっており、従って、図1の空気供給管3は備えてお
らず、その他の構成においては図1の場合と同様である
ので、詳細な説明は省略する。
【0044】図2の場合も、焼却灰13に硫黄14とし
ての硫化鉄鉱等の硫化鉱石を供給するか、或いは循環ダ
クト10に硫化水素ガス供給管15を接続して該硫化水
素ガス供給管15から硫黄14として硫化水素ガスを供
給するようにしている。
ての硫化鉄鉱等の硫化鉱石を供給するか、或いは循環ダ
クト10に硫化水素ガス供給管15を接続して該硫化水
素ガス供給管15から硫黄14として硫化水素ガスを供
給するようにしている。
【0045】上記図2の形態例において生成されたスラ
グも、前記図1の場合と全く同様の作用を奏することが
できる。
グも、前記図1の場合と全く同様の作用を奏することが
できる。
【0046】尚、本発明は上記形態例にのみ限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内におい
て種々変更を加え得ることは勿論である。
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内におい
て種々変更を加え得ることは勿論である。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、焼却灰を溶融炉により
溶融処理してスラグを生成する際に、焼却灰と共に硫黄
を供給し、スラグ生成過程で重金属の硫黄化合物を生成
させて安定化させるようにしたので、スラグを埋立て等
の処分に利用した際に、スラグ内に含有されている重金
属が外部に溶出することを完全に防止でき、よって環境
を重金属で汚染するという問題を確実に防止できるとい
う優れた効果を奏し得る。
溶融処理してスラグを生成する際に、焼却灰と共に硫黄
を供給し、スラグ生成過程で重金属の硫黄化合物を生成
させて安定化させるようにしたので、スラグを埋立て等
の処分に利用した際に、スラグ内に含有されている重金
属が外部に溶出することを完全に防止でき、よって環境
を重金属で汚染するという問題を確実に防止できるとい
う優れた効果を奏し得る。
【0048】更に、硫黄として硫化鉱石を用いると、コ
ストを低減することができ、又硫黄の添加量を予め測定
した焼却灰中の重金属の量に対して等モル以上とする
と、すべての重金属を効率良く硫黄化合物に変えること
ができる効果がある。
ストを低減することができ、又硫黄の添加量を予め測定
した焼却灰中の重金属の量に対して等モル以上とする
と、すべての重金属を効率良く硫黄化合物に変えること
ができる効果がある。
【図1】本発明の方法を実施するスラグ製造装置の一例
を示す概略断面図である。
を示す概略断面図である。
【図2】本発明の方法を実施するスラグ製造装置の他の
例を示す概略断面図である。
例を示す概略断面図である。
【図3】銅元素の溶出挙動を実検した結果を示す線図で
ある。
ある。
【図4】鉛元素の溶出挙動を実検した結果を示す線図で
ある。
ある。
【図5】亜鉛元素の溶出挙動を実検した結果を示す線図
である。
である。
1 溶融炉 13 焼却灰 14 硫黄 16 溶融炉
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G012 JL01 JL03 JM04 4G048 AA04 AA05 AA07 AB01 AC08 AD03 AE02 4G076 AA03 AB28 BA38 BB01 BC10 BE20 CA36 DA30
Claims (3)
- 【請求項1】 重金属を含有する焼却灰を溶融炉により
溶融処理してスラグを生成する際に、焼却灰と共に硫黄
を溶融炉に供給し、スラグ生成過程で重金属の硫黄化合
物を生成させて安定化することにより、スラグ処分時に
おける重金属の溶出を防止することを特徴とするスラグ
の重金属溶出防止方法。 - 【請求項2】 硫黄が硫化鉱石であることを特徴とする
請求項1記載のスラグの重金属溶出防止方法。 - 【請求項3】 硫黄の添加量は、予め測定した焼却灰中
の重金属の量に対して等モル以上であることを特徴とす
る請求項1又は2記載のスラグの重金属溶出防止方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16204398A JP2000001346A (ja) | 1998-06-10 | 1998-06-10 | スラグの重金属溶出防止方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16204398A JP2000001346A (ja) | 1998-06-10 | 1998-06-10 | スラグの重金属溶出防止方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000001346A true JP2000001346A (ja) | 2000-01-07 |
Family
ID=15747014
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16204398A Pending JP2000001346A (ja) | 1998-06-10 | 1998-06-10 | スラグの重金属溶出防止方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000001346A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104386765A (zh) * | 2014-10-20 | 2015-03-04 | 安徽工业大学 | 一种带有硫化铝外壳的硫化亚铁纳米粉末材料及其制备方法 |
WO2020255462A1 (ja) * | 2019-06-20 | 2020-12-24 | 三菱重工業株式会社 | 添加剤供給量決定装置及びこれを備えた燃焼設備並びに燃焼設備の運転方法 |
-
1998
- 1998-06-10 JP JP16204398A patent/JP2000001346A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104386765A (zh) * | 2014-10-20 | 2015-03-04 | 安徽工业大学 | 一种带有硫化铝外壳的硫化亚铁纳米粉末材料及其制备方法 |
WO2020255462A1 (ja) * | 2019-06-20 | 2020-12-24 | 三菱重工業株式会社 | 添加剤供給量決定装置及びこれを備えた燃焼設備並びに燃焼設備の運転方法 |
JP2021001701A (ja) * | 2019-06-20 | 2021-01-07 | 三菱重工業株式会社 | 添加剤供給量決定装置及びこれを備えた燃焼設備並びに燃焼設備の運転方法 |
JP7261100B2 (ja) | 2019-06-20 | 2023-04-19 | 三菱重工業株式会社 | 添加剤供給量決定装置及びこれを備えた燃焼設備並びに燃焼設備の運転方法 |
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