JP3374804B2 - 移相器およびその製造方法 - Google Patents

移相器およびその製造方法

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    • HELECTRICITY
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Landscapes

  • Waveguide Switches, Polarizers, And Phase Shifters (AREA)
  • Micromachines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スイッチング素子
のオン/オフ制御により高周波信号の通過位相を切り換
える移相器に関し、特に、スイッチング素子としてマイ
クロマシンスイッチが使用される移相器に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、移相器に使用されるスイッチング
素子について、マイクロマシンスイッチの使用可能性が
指摘されている。このマイクロマシンスイッチは、微細
に機械加工されたスイッチング素子であり、PINダイ
オードスイッチなどの他の素子に比べて損失が少なく、
低コスト・低消費電力であるという特徴を有している。
このマイクロマシンスイッチには、例えば特開平9−1
7300号公報記載のものがある。
【0003】図31は、公知の移相器に前記公報記載の
従来のマイクロマシンスイッチを使用した場合の平面図
である。なお、主線路201を伝搬する高周波信号RF
の波長をλとする。図31に示した移相器は、ローデッ
ドライン形の移相器である。すなわち、主線路201に
は先端開放された2本のスタブ202a,202bが互
いにλ/4離れて接続されており、更に、やはり先端開
放された別の2本のスタブ203a,203bがスタブ
202a,202bの先端と離間して配置されいてい
る。スタブ202a,203a間には、コンタクト21
5を有するマイクロマシンスイッチ209aが配置され
ており、また、スタブ202b,203b間には、同じ
くマイクロマシンスイッチ209bが配置されている。
【0004】マイクロマシンスイッチ209a,209
bがオフであるとき、主線路201にはスタブ202
a,202bのみが装荷される。一方、マイクロマシン
スイッチ209a,209bがオンとなると、マイクロ
マシンスイッチ209a,209bのコンタクト215
を介して、更にスタブ203a,203bが装荷される
こととなる。したがって、マイクロマシンスイッチ20
9a,209bをオン/オフ制御することにより、主線
路201に装荷されるスタブの電気長を変化させること
ができる。
【0005】主線路201側からみたスタブのサセプタ
ンスは、装荷されるスタブの電気長により変化する。そ
の一方で、このサセプタンスにより主線路201の通過
位相が変化する。したがって、マイクロマシンスイッチ
209a,209bをオン/オフ制御することにより、
主線路201を伝搬する高周波信号RFの移相量を切り
換えることができる。
【0006】次に、図32および図33を用いて、図3
1に示した従来のマイクロマシンスイッチ209bの構
成および動作を説明する。図32は、マイクロマシンス
イッチ209bを拡大して示す平面図である。図33
は、マイクロマシンスイッチ209bの断面図であり、
図33(A)は図32におけるC−C′線方向の断面
図、図33(B)は同じくD−D′線方向の断面図、図
33(C)は同じくE−E′線方向の断面図である。
【0007】スタブ202b,203bは僅かな隙間を
有して、基板210上に形成されている。これらのスタ
ブ202b,203bと離間する基板210上の位置
に、下部電極211が形成されている。また、スタブ2
02b,203bの隙間から下部電極211への延長線
上にあたる基板210上の位置に、ポスト212が形成
されている。
【0008】ポスト212の上面にはアーム213の基
部が固定されている。このアーム213は、ポスト21
2の上面から下部電極211の上方を経て、スタブ20
2b,203bの隙間上方まで延在している。アーム2
13は絶縁部材により形成される。アーム213の上面
には上部電極214が形成されている。この上部電極2
14は、ポスト212上から下部電極211上にかけて
延在している。アーム213の先端部下面には、コンタ
クト215が形成されている。コンタクト215は、ス
タブ202bの端部上方から、隙間を跨いで、スタブ2
03bの端部上方まで形成されている。
【0009】さらに、下部電極211には制御信号線2
04が接続されている。下部電極211には、この制御
線路204より、マイクロマシンスイッチ209bをオ
ン/オフ制御してスタブ202b,203bの接続状態
を切り換える制御信号が印加される。
【0010】下部電極211に制御信号として電圧が印
加される場合、例えば正の電圧が印加されると、下部電
極211の表面に正電荷が発生すると共に、対向する上
部電極214の下面に静電誘導により負電荷が現れ、両
者間の吸引力により上部電極214は下部電極211側
に引き寄せられる。これによりアーム213が湾曲し
て、コンタクト215が下方に変位する。そして、コン
タクト215がスタブ202b,203bの両方に接触
すると、スタブ202b,203bはコンタクト215
を介して高周波的に接続される。また、下部電極211
への正の電圧の印加が停止されると、吸引力がなくなる
ので、アーム213の復元力によりコンタクト215は
元の離間した位置に戻る。これにより、スタブ202
b,203bが開放される。
【0011】なお、図31に示したマイクロマシンスイ
ッチ209aも、ここで説明したマイクロマシンスイッ
チ209bと同様の構成を有しており、同様に動作す
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図31
に示した従来のマイクロマシンスイッチ209bは、ス
タブ202b,203b間を接続/開放するコンタクト
215以外に、コンタクト215を支持するためにポス
ト212とアーム213とが必要であり、またコンタク
ト215の変位を制御するために更に下部電極211と
上部電極214とが必要である。このため、マイクロマ
シンスイッチ209bは大きく、立体構造が複雑であっ
た。マイクロマシンスイッチ209aについても同様で
ある。
【0013】このようなマイクロマシンスイッチ209
a,209bを移相器に使用しては、マイクロマシンス
イッチ209a,209bを配置するために大面積が必
要となり、移相器全体の大型化を招くという問題があっ
た。また、複雑な構造を有するマイクロマシンスイッチ
209a,209bを製造するためには多くの工程が必
要であり、移相器の製造プロセスが複雑化するという問
題があった。
【0014】本発明はこのような課題を解決するために
なされたものであり、その目的は、スイッチング素子と
してマイクロマシンスイッチを使用する移相器を小型化
することにある。また、他の目的は、スイッチング素子
としてマイクロマシンスイッチを使用する移相器の構造
を簡単化することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の移相器は、主線路に接続された第1の分
布定数線路と、この第1の分布定数線路と離間するよう
に配置された第2の分布定数線路と、第1の分布定数線
路と第2の分布定数線路との間を高周波的に接続または
開放するマイクロマシンスイッチとを備え、このマイク
ロマシンスイッチの制御により主線路を伝搬する高周波
信号の通過位相を切り換える移相器において、マイクロ
マシンスイッチは、第1または第2の分布定数線路に電
気的に接続されかつ電圧の2値変化からなる第1の制御
信号を印加する第1の制御信号線と、一端が第1および
第2の分布定数線路の一方に固定されると共に他端が第
1および第2の分布定数線路の他方と接離自在となるよ
うに形成されかつ導電性部材を含むカンチレバーと、第
1および第2の分布定数線路の他方とカンチレバーとの
対向領域に形成された第1の絶縁手段と、この第1の絶
縁手段と共に第1の制御信号の電圧値を保持する第2の
絶縁手段とを備えることを特徴とする。マイクロマシン
スイッチのカンチレバーは可動接点としての機能と、可
動接点の支持手段としての機能とを兼ね備えている。し
たがって、このカンチレバーは機能的に見て従来のマイ
クロマシンスイッチにおけるコンタクト215とアーム
213とポスト212とに相当するが、前者は後者に比
べて小さく形成でき、また構造も簡単である。また、第
1の制御信号を第1または第2の分布定数線路に印加し
てカンチレバーの動作を制御するようにしたので、従来
必要であった下部電極211および上部電極214は不
要となり、この点でも小型化できると共に構造が簡単に
なる。その一方で、本発明では容量結合用の第1の絶縁
手段と、制御電圧保持用の第2の絶縁手段とが必須要件
となる。しかし、本発明によりマイクロマシンスイッチ
を使用する移相器を小型化できると共に、その構造を全
体として簡単化できる。
【0016】また、本発明の移相器は、高周波信号が伝
搬する主線路と、この主線路に接続されると共に先端が
開放された第1の分布定数線路と、この第1の分布定数
線路の先端と離間するように配置されかつ先端が開放さ
れた第2の分布定数線路と、一端が第1および第2の分
布定数線路の一方に固定されると共に他端が第1および
第2の分布定数線路の他方と接離自在となるように形成
されかつ導電性部材を含むカンチレバーと、第1または
第2の分布定数線路に電気的に接続されかつ電圧の2値
変化からなる第1の制御信号を印加する第1の制御信号
線と、第1および第2の分布定数線路の他方とカンチレ
バーとの対向領域に形成された第1の絶縁手段と、この
第1の絶縁手段と共に第1の制御信号の電圧値を保持す
る第2の絶縁手段とを備えることを特徴とする。あるい
は、本発明の移相器は、高周波信号が伝搬する主線路
と、この主線路に接続されると共に先端が開放された第
1の分布定数線路と、この第1の分布定数線路の先端と
離間するように配置された接地と、一端が第1および第
2の分布定数線路の一方に固定されると共に他端が第1
および第2の分布定数線路の他方と接離自在となるよう
に形成されかつ導電性部材を含むカンチレバーと、第1
または第2の分布定数線路に電気的に接続されかつ電圧
の2値変化からなる第1の制御信号を印加する第1の制
御信号線と、第1および第2の分布定数線路の他方とカ
ンチレバーとの対向領域に形成された第1の絶縁手段
と、この第1の絶縁手段と共に第1の制御信号の電圧値
を保持する第2の絶縁手段とを備えることを特徴とす
る。これらにより、ローデッドライン形の移相器を構成
することができる。
【0017】ローデッドライン形の移相器が構成される
場合、第2の絶縁手段は、主線路の途中に形成された2
個のキャパシタにより構成され、第1の分布定数線路お
よび第1の制御信号線は共に、2個のキャパシタの間の
主線路に電気的に接続されるようにする。あるいは、第
1の制御信号線は、第2の分布定数線路に電気的に接続
され、第2の絶縁手段は、第2の分布定数線路の開放さ
れた先端により構成されるものとしてもよい。
【0018】また、本発明の移相器は、寸断箇所のある
第1の分布定数線路と、互いに電気長の異なる2本の第
2の分布定数線路と、第1の分布定数線路の寸断箇所を
短絡する第2の分布定数線路を切り換えて高周波信号の
通過位相を変化させるマイクロマシンスイッチとを備え
た移相器において、マイクロマシンスイッチは、第2の
分布定数線路毎に設けられ、一端が第1および第2の分
布定数線路の一方に固定されると共に他端が第1および
第2の分布定数線路の他方と接離自在となるように形成
されかつ導電性部材を含むカンチレバーと、一方の第2
の分布定数線路に電気的に接続されかつ電圧の2値変化
からなる第2の制御信号を印加する第2の制御信号線
と、他方の第2の分布定数線路に電気的に接続されかつ
第2の制御信号と相補な第3の制御信号を印加する第3
の制御信号線と、第1および第2の分布定数線路の他方
と各カンチレバーとの対向領域にそれぞれ形成された第
1の絶縁手段と、これらの第1の絶縁手段と共に第2お
よび第3の制御信号の電圧値を保持する第2の絶縁手段
とを備え、第2および第3の制御信号線により第1の制
御信号線が構成されることを特徴とする。あるいは、本
発明の移相器は、寸断箇所のある第1の分布定数線路
と、互いに電気長の異なる2本の第2の分布定数線路
と、第1の分布定数線路の寸断箇所を短絡する第2の分
布定数線路を切り換えて高周波信号の通過位相を変化さ
せるマイクロマシンスイッチとを備えた移相器におい
て、マイクロマシンスイッチは、第2の分布定数線路毎
に設けられ、一端が第1および第2の分布定数線路の一
方に固定されると共に他端が第1および第2の分布定数
線路の他方と接離自在となるように形成されかつ導電性
部材を含むカンチレバーと、第1の分布定数線路に電気
的に接続されかつ電圧の2値変化からなる第1の制御信
号を印加する第1の制御信号線と、第1および第2の分
布定数線路の他方と各カンチレバーとの対向領域にそれ
ぞれ形成された第1の絶縁手段と、これらの第1の絶縁
手段と共に第1の制御信号の電圧値を保持する第2の絶
縁手段とを備え、各第2の分布定数線路には第1の制御
信号の2状態の各電圧値と同等の定電圧がそれぞれ印加
されることを特徴とする。これらにより、スイッチドラ
イン形の移相器を構成することができる。これらの場
合、カンチレバーは、各第2の分布定数線路の両端にそ
れぞれ設けられるようにしてもよい。
【0019】以上の場合、第1の絶縁手段の一構成例
は、第1および第2の分布定数線路の他方の上面とカン
チレバーの下面の少なくとも一方に形成された絶縁膜で
ある。これにより、第1の絶縁手段を簡単に構成でき
る。
【0020】また、前述した移相器は、第1の制御信号
線に接続されかつ高周波信号の通過を阻止する第1の高
周波信号阻止手段を備えるようにしてもよい。この場
合、第1の高周波信号阻止手段の第1構成例は、第1お
よび第2の分布定数線路のうち第1の制御信号線が電気
的に接続される方に一端が接続されかつ高周波信号の波
長の約1/4の電気長であって第1および第2の分布定
数線路の特性インピーダンスよりも大きな特性インピー
ダンスを有する高インピーダンス線路と、高インピーダ
ンス線路の他端に一端が接続されると共に他端が開放さ
れかつ高周波信号の波長の約1/4の電気長であって高
インピーダンス線路の特性インピーダンスよりも小さな
特性インピーダンスを有する低インピーダンス線路とか
らなり、第1の制御信号線は、高インピーダンス線路の
他端に接続されている。また、第1の高周波信号阻止手
段の第2構成例は、第1および第2の分布定数線路のう
ち第1の制御信号線が電気的に接続される方に一端が接
続されかつ高周波信号の波長の約1/4の電気長であっ
て第1および第2の分布定数線路の特性インピーダンス
よりも大きな特性インピーダンスを有する高インピーダ
ンス線路と、一方の電極が高インピーダンス線路の他端
に接続されると共に他方の電極が接地に接続されたキャ
パシタとからなり、第1の制御信号線は、高インピーダ
ンス線路の他端に接続されている。また、第1の高周波
信号阻止手段の第3構成例は、インダクタンス素子から
なる。また、第1の高周波信号阻止手段の第4構成例
は、第1および第2の分布定数線路の特性インピーダン
スよりも十分大きなインピーダンスを有する抵抗素子か
らなる。この場合、抵抗素子は、第1の制御信号線に直
列に挿入されていてもよい。あるいは、抵抗素子は、一
端が第1の制御信号線に接続されると共に他端が開放さ
れていてもよい。このように第1の制御信号線に上記の
ような第1の高周波信号阻止手段を設けることにより、
第1の制御信号線への高周波信号の漏洩を防止できる。
【0021】また、前述した移相器は、第1および第2
の分布定数線路のうち第1の制御信号線が電気的に接続
されていない方に電気的に接続されかつ静電誘導により
発生する電荷を充放電する第4の制御信号線を備えるよ
うにしてもよい。このように、静電誘導により発生する
電荷が第4の制御信号線を介して充放電されることによ
り、スイッチング動作が安定すると共に、スイッチング
速度が速くなる。
【0022】また、前述した移相器は、第1および第2
の分布定数線路のうち第1の制御信号線が電気的に接続
されていない方に電気的に接続されかつ第1の制御信号
と逆の極性を有する定電圧を印加する第4の制御信号線
と、第1および第2の分布定数線路のうち第4の制御信
号線の電気的に接続される方に形成されかつ第1の絶縁
手段と共に第4の制御信号線より印加される定電圧の電
圧値を保持する第3の絶縁手段とを備えるようにしても
よい。このように、第1の制御信号が印加されない方の
分布定数線路に予め所定の電圧をかけておけば、そのぶ
ん第1の制御信号の電圧の大きさを小さくすることがで
きる。
【0023】これら2形態で、第4の制御信号線に接続
されかつ高周波信号の通過を阻止する第2の高周波信号
阻止手段を備えるようにしてもよい。この場合、第2の
高周波信号阻止手段の第1構成例は、第1および第2の
分布定数線路のうち第1の制御信号線が電気的に接続さ
れていない方に一端が接続されかつ高周波信号の波長の
約1/4の電気長であって第1および第2の分布定数線
路の特性インピーダンスよりも大きな特性インピーダン
スを有する高インピーダンス線路と、一端が高インピー
ダンス線路の他端に接続されると共に他端が開放されか
つ高周波信号の波長の約1/4の電気長であって高イン
ピーダンス線路の特性インピーダンスよりも小さな特性
インピーダンスを有する低インピーダンス線路とからな
り、第4の制御信号線は、高インピーダンス線路の他端
に接続されている。また、第2の高周波信号阻止手段の
第2構成例は、第1および第2の分布定数線路のうち第
1の制御信号線が電気的に接続されていない方に一端が
接続されかつ高周波信号の波長の約1/4の電気長で第
1および第2の分布定数線路の特性インピーダンスより
も大きな特性インピーダンスを有する高インピーダンス
線路と、一方の電極が高インピーダンス線路の他端に接
続されると共に他方の電極が接地に接続されたキャパシ
タとからなり、第4の制御信号線は、高インピーダンス
線路の他端に接続されている。また、第2の高周波信号
阻止手段の第3構成例は、インダクタンス素子からな
る。また、第2の高周波信号阻止手段の第4構成例は、
第1および第2の分布定数線路の特性インピーダンスよ
りも十分大きなインピーダンスを有する抵抗素子からな
る。この場合、抵抗素子は、第4の制御信号線に直列に
挿入されていてもよい。あるいは、抵抗素子は、一端が
第4の制御信号線に接続されると共に他端が開放されて
いてもよい。第4の制御信号線に上記のような第2の高
周波信号阻止手段を設けることにより、第4の制御信号
線への高周波信号の漏洩を防止できる。
【0024】また、前述した移相器は、第1および第2
の分布定数線路にそれぞれの一端が接続されかつ高周波
信号の波長の約1/4の電気長であって第1および第2
の分布定数線路の特性インピーダンスよりも大きな特性
インピーダンスを有する第1および第2の高インピーダ
ンス線路と、一方の電極が第1の高インピーダンス線路
の他端に接続されると共に他方の電極が第2の高インピ
ーダンス線路の他端に接続されたキャパシタとを備え、
第1の高インピーダンス線路の他端は、第1の制御信号
線に接続され、第2の高インピーダンス線路の他端は、
接地に接続されているものとしてもよい。この構成にお
いて、第1の高インピーダンス線路と、キャパシタと、
接地とにより第1の高周波信号阻止手段が構成される。
また、第2の高インピーダンス線路を接地に接続するこ
とにより第2の高周波信号阻止手段が構成される。
【0025】また、本発明の移相器の製造方法は、基板
上に主線路の一部と、この主線路の一部に接続された第
1の分布定数線路と、端部が第1の分布定数線路の端部
と離間する第2の分布定数線路と、主線路の一部に接続
された制御信号線とを形成する第1の工程と、第1およ
び第2の分布定数線路の隙間から第1または第2の分布
定数線路の端部にかけての領域上に犠牲層を形成する第
2の工程と、犠牲層上における第1または第2の分布定
数線路の端部と対向する部分に第1の絶縁膜を形成する
と共に、主線路の一部の両端上に第2の絶縁膜を形成す
る第3の工程と、犠牲層が形成されていない第2または
第1の分布定数線路の端部から犠牲層上の第1の絶縁膜
に至る部分に金属からなるカンチレバーを形成すると同
時に、第2の絶縁膜上から基板上に主線路の他部を形成
する第4の工程と、犠牲層を除去する第5の工程とを備
えることを特徴とする。これにより、前述したマイクロ
マシンスイッチを少ない工程で製造できる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態について詳細に説明する。 (第1の実施の形態)図1は、本発明による移相器の第
1の実施の形態を示す図であり、図1(A)は回路図、
図1(B)は平面図である。また、図2は、図1に示し
た移相器の断面図であり、図2(A)は図1(B)にお
けるIIA−IIA′線方向の断面図、図2(B)は図2
(A)におけるIIB 部の拡大断面図である。また、図3
は、図1に示した移相器の変形例を示す回路図である。
また、図4は、図2に示した第1の絶縁手段の変形例を
示す断面図である。また、図5は、図1に示したカンチ
レバーの変形例を示す断面図である。
【0027】図1に示すように、高周波信号RFが伝搬
する主線路1は、線路1a,1b,1cにより構成され
る。ただし、線路1bの両端にはそれぞれキャパシタ1
5a,15bが形成されており、線路1aと線路1bと
はキャパシタ15aを介して、また線路1bと線路1c
とはキャパシタ15bを介して、それぞれ高周波的に接
続されている。キャパシタ15aは、例えば図1(B)
に示すように、線路1aと線路1bとを上下に重ね合わ
せ、その間にSiO2 などの絶縁膜16aを介挿するこ
とにより構成される。キャパシタ15bも同様に、線路
1bと線路1cとの間に絶縁膜16bを介挿することに
より構成される。
【0028】これらのキャパシタ15a,15bは、線
路1a,1cに接続された他のマイクロ波回路(図示せ
ず)を線路1bから直流ないし低周波的に絶縁する第2
の絶縁手段としての機能を有している。したがって、線
路1a,1cに接続された他のマイクロ波回路に含まれ
る結合コンデンサなどを、第2の絶縁手段として利用し
てもよい。また、第2の絶縁手段は、スタブ2a,3a
の接続時(オン時)に、後述する第1の絶縁手段と共
に、スタブ2a,2bの電圧値を後述する制御信号Sの
電圧値に保持するための機能も有している。なお、図3
に示すように、線路1bの途中に別のマイクロ波回路9
1が接続されていてもよい。
【0029】図1に示すように、主線路1の一部である
線路1bには、先端開放された2本のスタブ(第1の分
布定数線路)2a,2bが互いにλ/4離れて接続され
ている。ここで、λは高周波信号RFの波長である。さ
らに、やはり先端開放された別の2本のスタブ(第2の
分布定数線路)3a,3bが、スタブ2a,2bの先端
と離間して配置されいている。ここで、スタブ2a,2
bの電気長をL1、スタブ3a,3bの電気長をL2、
スタブ2a,2bおよびスタブ3a,3b間の隙間をG
とおく。
【0030】以上の主線路1およびスタブ2a,2b,
3a,3bは、図2(A)に示すように、基板10上
に、例えばAlなどの金属からなるマイクロストリップ
線路により形成される。なお、主線路1およびスタブ2
a,2b,3a,3bは、コープレーナ線路、トリプレ
ート線路およびスロット線路などの他の分布定数線路に
より形成されてもよい。また、基板10には、例えばガ
ラス基板などの誘電体基板、またはSi,GaAs基板
などの半導体基板が使用される。
【0031】スタブ3aの端部(スタブ2a側端部)に
は、Alなどの導電性部材を含むポスト12が形成され
ている。さらにポスト12の上面にはアーム13の基部
が固定されている。このアーム13は、ポスト12の上
面からスタブ2aの先端部の上方まで延在している。ア
ーム13は、導電性を有し、かつ一度湾曲しても元の形
状に復元するような材料で形成される。例えば、Al、
Au、Cuなどで形成される。また、ボロンなどを拡散
して導電性をもたせたシリコンなどを用いてもよい。ポ
スト12とアーム13とを合わせてカンチレバー11a
と呼ぶ。
【0032】ポスト12およびアーム13は、図5およ
び図6を用いて後述するように、同一材料による単一部
材としてカンチレバー11aを構成してもよい。また逆
に、図2に示すように、必ずしもポスト12とアーム1
3とが同一材料により構成される必要はない。さらに、
ポスト12およびアーム13の各々も、必ずしも単一の
材料のみで形成される必要はなく、複数の材料により形
成されてもよい。また、この場合、複数の材料のすべて
が導電性を有している必要もなく、絶縁体が一部に含ま
れていてもかまわない。例えば、アーム13が強度上の
理由などによりAlなどの導体とSiO2 などの絶縁体
とが積層された2層構造となっていてもよいし、ポスト
12も高周波信号RFの伝搬を妨げない程度に絶縁体を
含んでいてもよい。
【0033】図2に示すように、アーム13の先端部下
面、すなわちスタブ2aと対向する部分には、第1の絶
縁手段としてSiO2 などの絶縁膜14が形成されてい
る。アーム13はポスト12により所定の高さを与えら
れており、アーム13に取り付けられた絶縁膜14は通
常(オフ時)、スタブ2aと離間している。逆に言え
ば、絶縁膜14とスタブ2aとが通常離間するように、
ポスト13の高さが決められる。
【0034】第1の絶縁手段は、スタブ2a,3aの接
続時(オン時)に、キャパシタ15a,15bと共に、
スタブ2aの電圧値を後述する制御信号Sの電圧値に保
持するためのものである。したがって、第1の絶縁手段
として、図4に示すような、スタブ2aの先端部上面に
形成された絶縁膜14aを用いてもよい。また、絶縁膜
14と14aとを組み合わせて、第1の絶縁手段として
もよい。なお、スタブ2aの電圧値が制御信号Sの電圧
値に完全一致している必要はなく、カンチレバー11が
制御信号Sに基づいて動作できる程度にスタブ2aの電
圧値が保持されればよい。
【0035】また、図2ではカンチレバー11aのスタ
ブ3a側が固定された構造となっているが、これとは逆
に図5に示すようにカンチレバー11a′のスタブ2a
側が固定された構造となっていてもよい。いずれにせ
よ、カンチレバー11a,11a′は、一端がスタブ2
a,3aの一方に固定されると共に、他端がスタブ2
a,3aの他方と接離自在となるような構造を有してい
ればよい。また、図1に示すように、スタブ2b,3b
側にもスタブ2a,3a側と同様に、カンチレバー11
bおよび絶縁膜14,14aが形成されている。
【0036】また、主線路1の一部である線路1bに
は、第1の制御信号線4を介して制御装置5が接続され
ている。制御装置5は電圧の2値変化からなる制御信号
(第1の制御信号)Sを出力するものである。後述する
ように、この制御信号Sに基づきスタブ2a,2bとス
タブ3a,3bとの接続状態が切り換えられる。なお、
第1の制御信号線4は線路1bに直接接続されていなく
てもよく、例えば後掲の図10および図11に示すよう
に、線路1bに電気的に接続されていればよい。以上に
より、ローデッドライン形の移相器が構成される。
【0037】次に、図1に示した移相器でスイッチング
素子として機能するマイクロマシンスイッチの動作を説
明する。ただし、説明の都合上、制御信号Sは正の電圧
のオン/オフからなるものとする。なお、スタブ2a,
3a側の符号を挙げて説明するが、スタブ2b,3b側
も同時に同じ動作を行うことを断っておく。
【0038】前述したとおり、通常時、アーム13先端
の絶縁膜14はスタブ2aと離間しているので、スタブ
2a,3aの高周波接続は開放されている。このとき、
制御装置5から第1の制御信号線4を介して線路1bに
正の電圧が印加されると、線路1bに接続されたスタブ
2aの表面に正電荷が発生する。これにより、このスタ
ブ2aと対向するアーム13の先端部下面に静電誘導に
より負電荷が現れ、スタブ2aとアーム13との間に吸
引力が発生する。この力によりアーム13は基板10側
に湾曲して、アーム13の先端部に形成された絶縁膜1
4がスタブ2aと接触すると、容量結合によりスタブ2
aとスタブ3aとが高周波的に接続される。
【0039】このとき、キャパシタ15a,15bによ
り線路1bは線路1a,1c、さらには線路1a,1c
に接続された他のマイクロ波回路(図示せず)と直流な
いし低周波的に絶縁されている。このため、線路1bに
与えられた制御信号Sが他のマイクロ波回路へ漏れるこ
とはなく、他のマイクロ波回路に悪影響を与えることは
ない。これと同時に、キャパシタ15a,15bおよび
絶縁膜14に囲まれた線路1bおよびスタブ2aの電圧
値は保持される。一方、線路1bへの電圧の印加が停止
されると、スタブ2aとアーム13との間の吸引力がな
くなる。このため、アーム13は元の形状に戻るので、
再び絶縁膜14はスタブ2aと離間する。これにより、
スタブ2a,3aの高周波接続が開放される。
【0040】次に、図2(B)を参照して、マイクロマ
シンスイッチの各部の寸法の一例を示す。ここで、アー
ム13はAlで形成され、制御信号Sとして40Vの電
圧が印加されるものとする。まず、アーム13の強度の
関係上、所望のバネ定数を得るために、アーム13の厚
みtは0.5μm程度に決められる。また、スタブ2a
の上面からアーム13に形成された絶縁膜14までの通
常時の高さHは5μm程度である。さらに、スタブ2a
とアーム13との対向面積は0.01mm2 程度であ
る。このように諸寸法を設定することにより、前述した
ように動作するマイクロマシンスイッチを実現できる。
なお、ここで挙げた各部の寸法はあくまで例示であっ
て、これに限定されるものではない。
【0041】次に、図1に示した移相器全体の動作原理
を説明する。制御装置5から出力される制御信号Sがオ
フであり、スタブ2a,3aおよびスタブ2b,3bの
高周波接続がいずれも開放されているとき、線路1a〜
1cからなる主線路1には電気長L1のスタブ2a,2
bのみが装荷される。一方、制御信号Sがオンとなり、
スタブ2a,3aおよびスタブ2b,3bがいずれも高
周波的に接続されると、主線路1にはカンチレバー11
a,11bを介して、さらにスタブ3a,3bが装荷さ
れる。このとき、主線路1に装荷されるスタブの電気長
はL1+L2+Gとなる。したがって、制御信号Sのオ
ン/オフにより、主線路1に装荷されるスタブの電気長
を変化させることができる。
【0042】主線路1からみたスタブのサセプタンスは
装荷されるスタブの電気長により変化する。その一方
で、このサセプタンスにより主線路1の通過位相が変化
する。したがって、制御信号Sをオン/オフしてスタブ
2a,3aおよびスタブ2b,3bの高周波接続を制御
することにより、主線路1を伝搬する高周波信号RFの
移相量を切り換えることができる。なお、主線路1の途
中にはキャパシタ15a,15bが挿入されているが、
容量を十分大きくすれば高周波信号RFの伝搬には何ら
支障がない。
【0043】次に、図1に示した移相器の製造方法につ
いて説明する。図6および図7はこの移相器を製造する
際の主要な工程を示す断面図である。これらの図には、
図1(B)におけるIIA−IIA′線方向の断面が示されて
いる。まず、基板10上にフォトレジストを塗布する。
このフォトレジストを公知のフォトリソグラフィ技術で
パターンニングし、所定の位置に溝21aを備えたレジ
ストパターン21を形成する。なお、図6(A)には後
の工程でスタブ2a,3aおよび線路1bが形成される
部分の溝21aが示されているが、スタブ2b,3bお
よび第1の制御信号線4が形成される部分にも同時に溝
が形成されている。
【0044】次に、図6(B)に示すように、基板10
上の全域にスパッタ法でAlなどからなる金属膜22を
形成する。そして、有機溶剤などに溶解させる方法など
によりレジストパターン21を除去することで、レジス
トパターン21上の金属膜22を選択的に除去(リフト
オフ)し、図6(C)に示すように基板10上にスタブ
2a,3aおよび線路1bを形成する。図示しないが、
このとき、スタブ2b,3bおよび第1の制御信号線4
も同時に形成される。
【0045】次に、図6(D)に示すように、感光性を
有するポリイミドを塗布して乾燥させ、基板10上の全
域に膜厚5〜6μm程度の犠牲層23を形成する。そし
て、公知のフォトリソグラフィ技術を用いて図6(E)
に示すように犠牲層23をパターンニングし、スタブ2
a,3aの隙間からスタブ2aの先端部(スタブ3a側
の端部)にかけて(すなわち、図1に示したアーム13
が形成される部分)の犠牲層23を残して、不要部分を
除去する。なお、図6(E)では、スタブ3aの端部を
除く部分にも犠牲層23を残してある。また、図示しな
いが、スタブ2b,3b側の犠牲層も同様にパターンニ
ングされる。ここで、200〜300℃に加熱して、残
された犠牲層23を硬化させる。
【0046】次に、図7(A)に示すように、基板10
上の全域にCVD法またはスパッタ法などの手段により
SiO2 を堆積して、膜厚0.01〜0.3μm程度の
絶縁膜24を形成する。そして、公知のフォトリソグラ
フィ技術とエッチング技術を用いて、所定の箇所を残し
て絶縁膜24を除去する。こうして、図7(B)に示す
ように、犠牲層23上におけるスタブ2aの先端部と対
向する部分に絶縁膜(第1の絶縁膜)14を形成し、ス
タブ2aとの接続点である線路1bの端部に絶縁膜(第
2の絶縁膜)16aを形成する。図示しないが、このと
き、スタブ2b,3b側にも同様に絶縁膜(第1の絶縁
膜)14および絶縁膜(第2の絶縁膜)16bが形成さ
れる。なお、ここで使用されたフォトレジストはアルカ
リ溶剤で除去される。
【0047】次に、図7(C)に示すように、スタブ3
aの端部から犠牲層14上の絶縁膜14まで至る部分に
Alなどからなるカンチレバー11aを、また絶縁膜1
6a上から基板10上をはうようにAlなどからなる線
路1aを、リフトオフ法を用いて同時に形成する。ま
た、図示しないが同様に、カンチレバー11bおよび線
路1cも同時に形成される。最後に、酸素ガスのプラズ
マを用いたドライエッチング法で、図7(D)に示すよ
うに、犠牲層23のみを選択的に除去することにより、
移相器が完成する。ここではカンチレバー11a,11
bを構成するポスト12とアーム13とを同一工程で形
成する方法を示したが、もちろん、ポスト12とアーム
13とを別々の工程で形成してもよい。
【0048】ここで、図1に示した移相器と図31に示
した従来の移相器とを、マイクロマシンスイッチの構成
を中心に対比する。まず、図1に示したマイクロマシン
スイッチのカンチレバー11a,11bは、可動接点と
しての機能と、可動接点の支持手段としての機能とを兼
ね備えている。したがって、カンチレバー11a,11
bは機能的にみて、図31に示したマイクロマシンスイ
ッチのコンタクト215とアーム213とポスト212
とに相当するが、前者は後者に比べて小さく形成でき、
また構造も簡単である。また、カンチレバー11a,1
1bはポスト12とアーム13とにより構成されるが、
図7(C)で示したようにポスト12とアーム13とは
同一工程で形成できるので、カンチレバー11a,11
bの形成は極めて容易である。
【0049】また、図1に示したマイクロマシンスイッ
チでは、制御信号Sを主線路1の一部である線路1bに
印加してカンチレバー11a,11bの動作を制御する
ようにしたので、従来必要であった下部電極211およ
び上部電極214は不要となり、この点でもマイクロマ
シンスイッチを小型化できると共に、マイクロマシンス
イッチの構造が簡単になる。
【0050】その一方で、図1に示したマイクロマシン
スイッチでは制御信号Sの電圧値を保持するために絶縁
膜14,16a,16bが必要になるが、従来のマイク
ロマシンスイッチでも容量結合形の場合にはコンタクト
215の下面に絶縁膜を形成する必要があった。また、
図7(B),(C)で示したように、絶縁膜16a,1
6bを絶縁膜14と同一工程で形成でき、また主線路1
の他の一部である線路1a,1cをカンチレバー11
a,11bと同一工程で形成できるので、製造工程が複
雑になるわけではない。
【0051】以上のように、マイクロマシンスイッチを
小型化できると共に、その構造を簡単化できるので、こ
のマイクロマシンスイッチをスイッチング素子として使
用することによって、従来よりも移相器を全体として小
型化できると共に、少ない工程で移相器を形成できる。
【0052】(第2の実施の形態)図8は、本発明によ
る移相器の第2の実施の形態を示す図であり、図8
(A)は回路図、図8(B)は平面図である。この図に
おいて、図1と同一部分を同一符号をもって示し、適宜
その説明を省略する。図1に示した移相器と図8に示し
た移相器とでは、第1の制御信号線4の接続位置が異な
る。すなわち、図1に示した移相器では、第1の制御信
号線4が主線路1に接続されているのに対して、図8に
示した移相器では、第1の制御信号線4がスタブ3a,
3bに接続されている。
【0053】スタブ3a,3bは先端部が開放されてお
り、他のマイクロ波回路に接続さていない。このため、
図8に示した移相器では、図1に示したキャパシタ15
a,15bのような構成を設けるまでもなく、スタブ3
a,3bの開放された先端部が第2の絶縁手段として機
能する。したがって、図8に示すように構成することに
よって、移相器の構造がより簡単になる。
【0054】(第3の実施の形態)図9は、本発明によ
る移相器の第3の実施の形態の構成を示す回路図であ
る。この図において、図1と同一部分を同一符号をもっ
て示し、適宜その説明を省略する。図9に示した移相器
は、図1に示した移相器の第1の制御信号線4に第1の
高周波信号阻止手段6を接続したものである。第1の高
周波信号阻止手段6は、高周波信号RFの通過を阻止す
るものである。したがって、主線路1を伝搬する高周波
信号RFの制御装置5への流入を阻止でき、移相器の挿
入損失を低減できる。
【0055】また、図1に示した移相器では、第1の制
御信号線4の配線によっては、第1の制御信号線4から
漏洩した電力が他のマイクロ波回路へ結合して、回路全
体の特性に悪影響を及ぼしたり、共振の原因になるおそ
れがあった。しかし、第1の制御信号線4に第1の高周
波信号阻止手段6を接続することにより、第1の制御信
号線4から他のマイクロ波回路への電磁的結合を防止で
きるので、移相器が使用される回路の高周波特性を改善
できる。なお、図8に示した移相器の第1の制御信号線
4に第1の高周波信号阻止手段6を接続しても、同様の
効果が得られる。
【0056】次に、図10〜図16を用いて、図9にお
ける第1の高周波信号阻止手段6の構成例について説明
する。まず、第1の高周波信号阻止手段6の第1構成例
について説明する。図10はこの第1構成例を示す図で
あり、図10(A)は回路図、図10(B)は平面図で
ある。第1の高周波信号阻止手段6の第1構成例は、高
インピーダンスλ/4線路31と低インピーダンスλ/
4線路32とにより構成されるフィルタ30である。
【0057】高インピーダンスλ/4線路31は、電気
長が約λ/4(λは高周波信号RFの波長)であり、主
線路1よりも大きな特性インピーダンスを有している。
また、低インピーダンスλ/4線路32は、電気長が約
λ/4であり、高インピーダンスλ/4線路31よりも
小さな特性インピーダンスを有している。これらの線路
31,32の特性インピーダンスの値は、例えば主線路
1の特性が一般的な50Ωであれば、高インピーダンス
λ/4線路31の特性インピーダンスは概ね70〜20
0Ω程度、低インピーダンスλ/4線路32の特性イン
ピーダンスは概ね20〜40Ω程度であることが望まし
い。
【0058】高インピーダンスλ/4線路31の一端は
主線路1の一部である線路1bに接続され、他端は低イ
ンピーダンスλ/4線路32の一端に接続される。低イ
ンピーダンスλ/4線路32の他端は開放されている。
さらに、高インピーダンスλ/4線路31の他端(すな
わち、線路31と32の接続点33)には、高インピー
ダンスの第1の制御信号線4が接続される。したがっ
て、第1の制御信号線4は、高インピーダンスλ/4線
路31を介して、線路1bに電気的に接続される。
【0059】以下、このフィルタ30の動作原理を簡単
に説明する。上述したように、低インピーダンスλ/4
線路32の他端は開放されている。このため、この他端
よりλ/4経た接続点33から低インピーダンスλ/4
線路32側をみたときのインピーダンスは0Ωとなるの
で、接続点33で高周波的に接地されている状態と等価
となる。したがって、この接続点33に第1の制御信号
線4を並列に接続しても、接続点33でのインピーダン
スは0Ωのままであり、高周波の振る舞いに影響を与え
ない。
【0060】さらに、線路1bは接続点33から電気長
がλ/4の高インピーダンスλ/4線路32を経て接続
されているので、線路1bからフィルタ30側をみたと
きのインピーダンスは無限大(∞Ω)となる。したがっ
て、線路1bからフィルタ30側には高周波は流れない
ので、高周波的にはフィルタ30と第1の制御信号線4
とがない状態と等価となる。ここで説明したフィルタ3
0の構成は、一般にバイアスティーと呼ばれているが、
特定の周波数帯のみ遮断するので、一種の帯域阻止フィ
ルタとして動作する。
【0061】次に、第1の高周波信号阻止手段6の第2
構成例について説明する。図11はこの第2構成例を示
す図であり、図11(A)は回路図、図11(B)は平
面図である。第1の高周波信号阻止手段6の第2構成例
は、高インピーダンスλ/4線路41と、キャパシタ4
2と、接地43とにより構成されるフィルタ40であ
る。図11(A)に示すように、高インピーダンスλ/
4線路41の一端は主線路1の一部である線路1bに接
続され、他端はキャパシタ42の一方の電極に接続され
る。また、このキャパシタ42の他方の電極は接地43
に接続される。さらに、高インピーダンスλ/4線路4
1が接続されるキャパシタ42の一方の電極には、第1
の制御信号線4が接続される。したがって、第1の制御
信号線4は、高インピーダンスλ/4線路41を介し
て、線路1bに電気的に接続される。
【0062】キャパシタ42は図11(B)に示すよう
に、前記一方の電極となる電極44と、前記他方の電極
となる接地された電極43aと、電極44,43a間に
介挿された絶縁膜45とにより構成できる。高インピー
ダンスλ/4線路41は、特性インピーダンスが高く、
電気長が約λ/4(λは高周波信号RFの波長)であ
る。高インピーダンスλ/4線路41の特性インピーダ
ンスの値は、図10における高インピーダンスλ/4線
路31と同様に決められる。
【0063】以下、このフィルタ40の動作原理を簡単
に説明する。キャパシタ42は十分な容量を有している
ので、高インピーダンスλ/4線路41とキャパシタ4
2との接続点は高周波的に接地されているのと等価とな
り、インピーダンスは0Ωとなる。したがって、図10
の場合と同様、この接続点に第1の制御信号線4をさら
に接続しても、高周波的には影響がない。さらに、線路
1bはキャパシタ42から電気長がλ/4の高インピー
ダンスλ/4線路41を経て接続されているので、線路
1bからフィルタ40側をみたときのインピーダンスは
無限大(∞Ω)、つまり線路1bからフィルタ40側に
高周波信号RFが流れない状態となる。ここで説明した
フィルタ40もバイアスティーの一種であり、帯域阻止
フィルタとして動作する。
【0064】次に、第1の高周波信号阻止手段6の第3
構成例について説明する。図12はこの第3構成例を示
す回路図である。また、図13および図14は、第3構
成例の具体例を示す平面図である。第1の高周波信号阻
止手段6の第3構成例は、インダクタンス素子からなる
フィルタ50である。例えば、図13に示すスパイラル
インダクタ51、および図14に示すミアンダラインイ
ンダクタ52などを使用できる。これら誘導性の回路素
子は、直流〜低周波数では低インピーダンスであるが、
高周波数では高インピーダンスを示すので、低域通過フ
ィルタとして動作する。ただし、カットオフ周波数は、
高周波信号RFの周波数よりも低く設定される。
【0065】このような分布定数素子だけでなく、コイ
ルなどの集中定数素子を外付けして利用してもよい。な
お、低域通過フィルタとしては、特性インピーダンスの
異なる線路を多段縦続接続して構成したフィルタなど、
他のタイプのフィルタも利用できる。
【0066】次に、第1の高周波信号阻止手段6の第4
構成例について説明する。図15はこの第4構成例を示
す図であり、図15(A)は回路図、図15(B)は平
面図である。図15(A)に示すように、第1の高周波
信号阻止手段6として抵抗素子61を第1の制御信号線
4に直列に挿入して、高周波信号RFの流入を阻止する
こともできる。
【0067】抵抗素子61のインピーダンスの値は、主
線路1の特性インピーダンスの2倍以上であればよい
が、概ね20倍以上に設定されることが望ましい。すな
わち、主線路1の特性が一般的な50Ωであれば、抵抗
素子61のインピーダンスは概ね1kΩ以上に決められ
る。このように抵抗素子61のインピーダンスを決めれ
ば、主線路1から制御信号線4側をみたインピーダンス
が大きくなるので、第1の制御信号線4への高周波信号
RFの漏洩を抑制できる。この抵抗素子61の作成に
は、例えば真空蒸着法またはスパッタ法により薄膜抵抗
素子を形成する方法、半導体n層またはn+ 層を流用す
る方法などを利用できる。
【0068】第1の制御信号線4への高周波信号RFの
漏洩を防止するために図10〜図14に示したフィルタ
30,40,50を追加するとマイクロマシンスイッチ
の全体寸法が大きくなるが、図15に示した抵抗素子6
1を利用することにより全体寸法を大きくすることなく
上記の目的を達成できる。なお、図16に示すように抵
抗素子61を第1の制御信号線4に並列に接続(つま
り、抵抗素子61の一端を第1の制御信号線4に接続す
ると共に、他端を開放)しても、共振の発生防止には有
効である。
【0069】(第4の実施の形態)図17は、本発明に
よる移相器の第4の実施の形態の構成を示す図であり、
図17(A)は回路図、図17(B)は平面図である。
この図において、図1と同一部分を同一符号をもって示
し、適宜その説明を省略する。図17に示した移相器
は、図1に示した移相器のカンチレバー11a,11b
を、スタブ3a,3bおよび第4の制御信号線4aを介
して接地5aに接続したものである。
【0070】このようにしてカンチレバー11a,11
bを接地することにより、スタブ2a,2bへの電圧印
加開始時にはカンチレバー11a,11bに静電誘導に
より発生する電荷を素早く充電でき、また電圧印加停止
時には蓄積された電荷を素早く放電できる。したがっ
て、マイクロマシンスイッチのスイッチング動作が安定
すると共に、スイッチング速度が速くなる。これによ
り、移相器の移相量の切り換えを確実に、しかも迅速に
行える。なお、図8に示した移相器の主線路1に第4の
制御信号線4aを接続して接地しても、同様の効果を得
られる。
【0071】(第5の実施の形態)図18は、本発明に
よる移相器の第5の実施の形態の構成を示す回路図であ
る。この図において、図9および図17と同一部分を同
一符号をもって示し、適宜その説明を省略する。図18
に示した移相器は、図17に示した移相器の第1の制御
信号線4に第1の高周波信号阻止手段6を接続すると共
に、第4の制御信号線4aに第2の高周波信号阻止手段
6aを接続したものである。ここで、第2の高周波信号
阻止手段6aは、第1の高周波信号阻止手段6と同じ
く、高周波信号RFの通過を阻止するものである。
【0072】このように、高周波信号RFの通過を阻止
する第1,第2の高周波信号阻止手段6,6aが第1,
第4の制御信号線4,4aにそれぞれ接続されているの
で、主線路1およびスタブ3a,3bから第1,第4の
制御信号線4,4aを介して高周波信号RFが漏洩する
ことを防止できる。これにより、移相器の挿入損失を低
減できると共に、高周波特性を改善できる。
【0073】第2の高周波信号阻止手段6aとしては、
第1の高周波信号阻止手段6に使用されるフィルタ3
0,40,50および抵抗素子61を利用できる。特
に、第1,第2の高周波信号阻止手段6,6aを共にフ
ィルタ40と同様の構成とすれば、第1,第2の高周波
信号阻止手段6,6aの構成を簡略化できる。図19
は、第1,第2の高周波信号阻止手段6,6aの両方を
フィルタ40と同様の構成としたときの移相器の構成図
であり、図19(A)は回路図、図19(B)は平面図
である。
【0074】この移相器は、図19(B)に示すよう
に、図11(B)に示した移相器のスタブ3a,3bを
高インピーダンスλ/4線路41aで接地電極43aに
接続するだけで構成できる。ここで、高インピーダンス
λ/4線路41aは、スタブ2aを電極44に接続する
高インピーダンスλ/4線路41と同様の構成をしてい
る。ただし、図19(B)で高インピーダンスλ/4線
路41aは2分岐を有する構成となっているが、この場
合、スタブ3aとの接続点から接地電極41aとの接続
点までの電気長がλ/4となり、またスタブ3bとの接
続点から接地電極41aとの接続点までの電気長がλ/
4となるように設計される。
【0075】図19(A)において、高インピーダンス
λ/4線路(第1の高インピーダンス線路)41と、キ
ャパシタ42と、接地43とにより第1の高周波信号阻
止手段6が構成される。また、高インピーダンスλ/4
線路(第2の高インピーダンス線路)41aを接地43
に接続することにより第2の高周波信号阻止手段6aが
構成される。このように第1,第2の高周波信号阻止手
段6,6aの間で構成部品を共用することにより、マイ
クロマシンスイッチを小型化できるので、移相器を全体
として小型化できる。なお、第1,第2の高周波信号阻
止手段6,6aは、共に同じ構成であっても、異なる構
成であってもよい。
【0076】(第6の実施の形態)図20は、本発明に
よる移相器の第6の実施の形態の構成を示す回路図であ
る。この図において、図1と同一部分を同一符号をもっ
て示し、適宜その説明を省略する。図20に示した移相
器は、図1に示した移相器のスタブ3a,3bに第4の
制御信号線4aを介して定電圧源5bを接続したもので
ある。
【0077】定電圧源5bの出力電圧は、制御装置5か
ら出力される制御信号Sと逆の極性を有している。すな
わち、制御信号Sが正電圧のオン/オフからなる場合、
定電圧源5bからは負の定電圧が出力される。ただし、
カンチレバー11a,11bは制御信号Sに基づいて動
作しなければならないので、定電圧源5bの出力電圧は
それ単独ではカンチレバー11a,11bが動作しない
程度の電圧に設定される。図1で40Vの制御信号Sで
動作するように設計されたカンチレバー11a,11b
に対しては、定電圧源5bの出力電圧を例えば−20V
程度とする。
【0078】カンチレバー11a,11bの下面には共
に絶縁膜14が形成され、またスタブ3a,3bの先端
部は共に開放されている。したがって、スタブ3a,3
bに印加された定電圧の電圧値は保持される。なお、こ
こでは、スタブ3a,3bの開放された先端部が、後述
する第3の絶縁手段の機能を果たしている。
【0079】このように、スタブ3a,3bを介してカ
ンチレバー11a,11bに予め所定の電圧をかけてお
けば、制御信号Sの電圧の大きさを小さくできる。上記
の例では、制御信号Sとして20VのON/OFF信号
を線路1bに印加することにより、カンチレバー11
a,11bを動作させることができる。制御信号Sとし
て大きい電圧を印加すると、サージが発生したり、電圧
の高速変化に基づくノイズが顕著になる場合がある。し
かし、図20に示したマイクロマシンスイッチでは、制
御信号Sの電圧の大きさを小さくできるので、このよう
な問題を解決できる。
【0080】図8に示した移相器で同様の効果を得るた
めには、カンチレバー11a,11bのそれぞれに形成
された絶縁膜14と共に定電圧の電圧値を保持するため
の第3の絶縁手段を特別に設ける必要がある。この第3
の絶縁手段は、例えば、図1に示したキャパシタ15
a,15bを主線路1の同じ位置に形成することによっ
て構成できる。あるいは、主線路1に接続された他のマ
イクロ波回路に含まれる結合コンデンサなどを、第3の
絶縁手段として利用してもよい。
【0081】図21は、図20に示した移相器の変形例
を示す回路図である。この図に示した移相器は、第1,
第4の制御信号線4,4aにそれぞれ第1,第2の高周
波信号阻止手段6,6aが接続されている。第1,第2
の高周波信号阻止手段6,6aは、高周波信号RFの通
過を阻止するものであり、図18に示した移相器と同様
に構成される。第1,第2の高周波信号阻止手段6,6
aを接続することにより、移相器の挿入損失の増加や高
周波特性の劣化といった問題は生じない。
【0082】(第7の実施の形態)図22は、本発明に
よる移相器の第7の実施の形態の構成を示す平面図であ
る。この図において、図1と同一部分を同一符号をもっ
て示し、適宜その説明を省略する。図22に示した移相
器は、図1に示した移相器とは異なるタイプのローデッ
ドライン形の移相器である。これら2つの移相器の構成
上の相違点は、図1に示した移相器がスタブ2a,2b
とスタブ3a,3bとの接続/開放を切り換えるのに対
して、図22に示した移相器はスタブ2a,2bと接地
電極3cとの接続/開放を切り換えるところにある。
【0083】スタブ2a,2bが接地電極3cに高周波
的に接続/開放されると、主線路1からスタブ2a,2
b側をみたサセプタンスが変化する。したがって、図1
に示した移相器で説明したのと同じ理由から、制御信号
Sをオン/オフしてスタブ2a,2bと接地電極3cと
の高周波接続を制御することにより、主線路1を伝搬す
る高周波信号RFの移相量を切り換えることができる。
【0084】図22に示した移相器では、マイクロマシ
ンスイッチのカンチレバー11a,11bはそれぞれ、
スタブ2a,2bの先端部に固定設置されても、接地電
極3cのスタブ2a,2b側周縁部に固定設置されても
よい。ただし、前者の場合はカンチレバー11a,11
bの先端部(アーム13の先端部)がそれぞれ接地電極
3cのスタブ2a,2b側周縁部と接離自在となってお
り、後者の場合はそれぞれスタブ2a,2bの先端部と
接離自在となっている必要がある。なお、本発明では、
接地電極3cを電位が0(ゼロ)の分布定数線路と定義
して、前記第2の分布定数線路に含めることとする。ま
た、第1の制御信号線4に第1の高周波信号阻止手段6
を接続してもよい。
【0085】(第8の実施の形態)以上では、本発明を
ローデッドライン形の移相器に適用した場合の諸形態を
説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものでは
なく、例えばスイッチドライン形および反射形等、他の
タイプの移相器に適用することもできる。ここでは、本
発明をスイッチドライン形の移相器に適用した形態を説
明する。図23は、本発明による移相器の第8の実施の
形態の一構成例を示す平面図である。図23に示すよう
に、主線路(第1の分布定数線路)101には寸断箇所
があり、この主線路101は寸断箇所を挟む2本の線路
101a,101bにより構成されている。そして、こ
れらの線路101a,101bの両方とわずかな隙間を
もって、2本の切換線路(第2の分布定数線路)106
a,106bが配置されている。これらの切換線路10
6a,106bは、互いに異なる電気長を有している。
【0086】線路101a,101bと切換線路106
a,106bとの間の4カ所の隙間にはそれぞれカンチ
レバー111a〜111dが配置されている。より具体
的には、線路101aと切換線路106aとの隙間には
カンチレバー111aが配置され、線路101bと切換
線路106aとの隙間にはカンチレバー111bが配置
され、線路101aと切換線路106bとの隙間にはカ
ンチレバー111cが配置され、線路101bと切換線
路106bとの隙間にはカンチレバー111dが配置さ
れている。
【0087】これらのカンチレバー111a〜111d
は、図1に示したカンチレバー11aと同様の構成をし
ている。このうちカンチレバー111a,111bはそ
れぞれ切換線路106aの両端に固定設置されており、
カンチレバー111a,111bの先端部(アーム13
の先端部)はそれぞれ線路101a,101bのそれぞ
れの端部と接離自在となっているものとする。ただし、
カンチレバー111a,111bがそれぞれ線路101
a,101bの各端部に固定設置され、カンチレバー1
11a,111bの先端部(アーム13の先端部)がそ
れぞれ切換線路106aの両端と接離自在となっていて
もよい。カンチレバー111c,111dと、線路10
1a,101bおよび切換線路106a,106bとの
関係も同様である。
【0088】切換線路106aには、第2の制御信号線
104aが接続されており、この第2の制御信号線10
4aを介して制御信号(第2の制御信号)Sが印加され
る。また、切換線路106bには、第3の制御信号線1
04bが接続されており、この第3の制御信号線104
bを介して制御信号(第3の制御信号)S(バー)が印
加される。第2,第3の制御信号線104a,104b
により第1の制御信号線が構成される。制御信号S,S
(バー)は相補な2信号であり、図23では、電圧Vcc
と0(ゼロ)の変化からなる信号である。ここで、0
(ゼロ)電位は接地電位を示しており、電圧Vccは0
(ゼロ)でない電圧を示している。
【0089】一方、主線路101を構成する線路101
a,101bにはそれぞれ制御信号線104c,104
dが接続されている。線路101a,101bには、こ
れらの制御信号104c,104dを介して、定バイア
スが印加される。この定バイアスは、制御信号S,S
(バー)の2状態の一方の電圧(この場合、Vccまたは
0(ゼロ))であることが望ましい。図23では、定バ
イアスとして接地電位が与えられている。なお、この定
バイアスは、制御信号S,S(バー)の2状態の一方の
電圧と厳密に等しくなくてもよく、制御信号S,S(バ
ー)の状態変化によりカンチレバー111a〜111d
が確実に動作する範囲で許容される。
【0090】また、図示しないが図1に示した移相器と
同様に、各カンチレバー111a〜111dの先端部下
面には第1の絶縁手段として絶縁膜がそれぞれ形成され
ている。ただし、同じ切換線路106a(または106
b)に対して設けられた2個のカンチレバー111a,
111b(または111c,111d)に対応する2個
の絶縁膜のうちの一方は、第2の絶縁手段として機能す
る。切換線路106a,106bにそれぞれ印加された
電圧値は、これらの絶縁手段によって保持される。
【0091】次に、図23に示した移相器の動作を説明
する。切換線路106a,106bの両方に制御信号
S,S(バー)が印加されていないとき(0Vのと
き)、カンチレバー111a〜111dの先端部はいず
れも線路101a,101bの端部と離間しているの
で、切換線路106a,106bは線路101a,10
1bに高周波的に接続されていない。
【0092】この状態で、第2の制御信号線104aを
介して切換線路106aに電圧Vccが印加され、第3の
制御信号線104bを介して切換線路106bに接地電
位が与えられるものとする。線路101a,101bに
は共に接地電位が与えられているので、カンチレバー1
11a,111bの先端部はそれぞれ、線路101a,
101bの端部との間に生ずる静電力によって吸引さ
れ、線路101a,101bの端部と接触する。これに
より、切換線路106aは線路101a,101bに高
周波的に接続され、主線路101の寸断箇所を短絡す
る。一方、切換線路106bは線路101a,101b
と同電位なので、カンチレバー111c,111dの先
端部は線路101a,101bの端部と接触せず、切換
線路106a,106bは線路101a,101bに高
周波的に接続されない。
【0093】次に、第2の制御信号線104aを介して
切換線路106aに接地電位が与えられ、第3の制御信
号線104bを介して切換線路106bに電圧Vccが印
加されるものとする。切換線路106aへの電圧Vccの
印加が停止されると、カンチレバー111a,111b
の先端部と線路101a,101bの端部との間の静電
力がなくなる。このため、カンチレバー111a,11
1bは元の形状に戻るので、切換線路106aと線路1
01a,101bとの高周波接続は開放される。一方、
カンチレバー111c,111dの先端部はそれぞれ、
線路101a,101bの端部との間に生ずる静電力に
よって吸引され、線路101a,101bの端部と接触
する。これにより、切換線路106bは、切換線路10
6aに代わって、主線路101の寸断箇所を高周波的に
短絡する。
【0094】このように、制御信号S,S(バー)によ
り、主線路101の寸断箇所を短絡する切換線路106
a,106bを切り換えることができる。前述したよう
に、切換線路106a,106bは互いに電気長が異な
っているので、主線路101の寸断箇所を短絡する切換
線路106a,106bを切り換えることにより、線路
101aと線路101bとの間の実効的な電気長を変化
させることができる。したがって、主線路101を伝搬
する高周波信号RFの移相量を切り換えることができ
る。
【0095】図24は、本発明による移相器の第8の実
施の形態の他の構成例を示す平面図である。図24に示
した移相器では、切換線路106a,106bには定バ
イアスが印加され、主線路101を構成する線路101
a,101bに制御信号Sが印加されており、この点で
図23に示した移相器と相違する。
【0096】すなわち、図24に示すように、線路10
1a,101bにはそれぞれ第1の制御信号線104
e,104fが接続されており、これら第1の制御信号
線104e,104fを介して制御信号(第1の制御信
号)Sが印加される。制御信号Sは、電圧Vccと0(ゼ
ロ)の変化からなる信号である。
【0097】切換線路106aには制御信号線104g
が接続されており、この制御信号線104gを介して電
圧Vccが印加されている。また、切換線路106bには
制御信号線104hが接続されており、この制御信号線
104hを介して接地電位が与えられている。このよう
に、切換線路106a,106bにそれぞれ与えられる
定バイアスは、制御信号Sの2状態の各電圧(この場
合、Vccまたは0(ゼロ))であることが望ましい。し
かし、これらの定バイアスは制御信号Sの2状態の各電
圧値と同等の定電圧であればよく、制御信号Sの状態変
化によりカンチレバー111a〜111dが確実に動作
する範囲で許容される。
【0098】また、主線路101を構成する線路101
a,1101bはそれぞれ、キャパシタ115a,11
5bが形成されている。キャパシタ115a,115b
は、図1に示したキャパシタ15a,15bと同様に形
成される。これら2個のキャパシタ115a,115b
により第2の絶縁手段が構成される。前述した第1の制
御信号線104e,104fはそれぞれ、線路101
a,101bの端部とキャパシタ115a,115bと
の間に接続される。したがって、キャパシタ115a,
115bとカンチレバー111a〜111d毎に設けら
れた絶縁膜(図示せず)とにより、第1の制御信号線1
04e,104fを介して印加された制御信号Sの電圧
値は保持される。
【0099】このようにして構成された移相器では、線
路101a,101bに制御信号Sとして電圧Vccが印
加されたとき、切換線路106bが線路101a,10
1bに高周波的に接続され、制御信号Sとして接地電位
が印加されたとき、切換線路106aが線路101a,
101bに高周波的に接続される。したがって、制御信
号Sにより主線路101の寸断箇所を短絡する切換線路
106a,106bを切り換えられるので、これにより
主線路101を伝搬する高周波信号RFの移相量を切り
換えられる。
【0100】なお、図23および図24に示した移相器
において、制御信号線104a,104b、104e,
104fに第1の高周波信号阻止手段6を接続し、制御
信号線104c,104d、104g,104hに第2
の高周波信号阻止手段6を接続することにより、主線路
101を伝搬する高周波信号RFの漏洩を防止できる。
【0101】(第9の実施の形態)以上、第1〜第8の
実施の形態で示した移相器により、1ビットのディジタ
ル移相器を実現できる。互いに移相量の異なるこれらの
移相器を縦続接続することにより、2ビット以上のディ
ジタル移相器を構成できる。図25は、2個の移相器を
縦続接続したときの一構成例を示す平面図である。この
図において、図10および図18と同一部分を同一符号
をもって示し、適宜その説明を省略する。
【0102】図25で縦続接続されている移相器19−
1,19−2は共に、図18に示した移相器の一構成例
であり、第1,第2の高周波信号阻止手段6,6aとし
て図10に示したフィルタ30が適用されている。ただ
し、移相器19−1,19−2の移相量はそれぞれ異な
っている。
【0103】フィルタ30を構成する低インピーダンス
λ/4線路32は比較的大面積を必要とする。そこで、
図25に示すように、第2の高周波信号阻止手段6aと
してのフィルタ30については、各移相器19−1,1
9−2で1個の低インピーダンスλ/4線路32aを共
用する。これにより、フィルタ30により構成された第
2の高周波信号阻止手段6aを小型化できる。なお、3
1a−1,31a−2はそれぞれ、移相器19−1,1
9−2の高インピーダンスλ/4線路である。
【0104】また、第1の高周波信号阻止手段6として
のフィルタ30については、移相器19−1の低インピ
ーダンスλ/4線路32−1および移相器19−2の低
インピーダンスλ/4線路32−2を多層化し、低イン
ピーダンスλ/4線路32−1,32−2の間にSiO
2 などの絶縁膜35を介挿する。これにより、2個の低
インピーダンスλ/4線路32−1,32−2の占める
面積を小さくできる。また、各低インピーダンスλ/4
線路32−1,32−2は直流ないし低周波的に絶縁さ
れているので、移相器19−1,19−2にそれぞれ与
えられる制御信号S1,S2が混信することはない。
【0105】図25に示した移相器を製造する場合、図
6および図7を参照すると、線路1bおよびスタブ2
a,2b,3a,3b等を製造する工程(図6(C))
で移相器19−1の高インピーダンスλ/4線路31−
1、低インピーダンスλ/4線路32−1および第1の
制御信号線4−1を同時に製造でき、絶縁膜14,16
a,16bを製造する工程(図7(B))で絶縁膜35
を同時に製造でき、線路1a,1cおよびカンチレバー
11a,11bを製造する工程(図7(C))で移相器
19−2の高インピーダンスλ/4線路31−2、低イ
ンピーダンスλ/4線路32−2および第1の制御信号
線4−2を同時に製造できる。このように、図1に示し
た移相器と同じ工程数で、図25に示した移相器を製造
できる。
【0106】図26は、2個の移相器を縦続接続したと
きの他の構成例を示す平面図である。図26で縦続接続
されている移相器19−3,19−4は共に、図8に示
した移相器と同様に、スタブ3a,3bに制御信号S
1,S2が印加される。このタイプの移相器でも、低イ
ンピーダンスλ/4線路32−1,32−2を多層化し
て、小型化を図ることができる。なお、31aは高イン
ピーダンスλ/4線路である。
【0107】(第10の実施の形態)本発明による移相
器は、他の配線と共に移相器を基板10上に形成しても
よいし、移相器の構成の一部または全部をチップ化して
これを基板10に搭載・実装することによりマイクロ波
回路(またはミリ波回路)を形成してもよい。ここでチ
ップ化とは、単位回路を半導体プロセスなどにより別基
板上に多数一括形成して単位回路ごとに切り出し、さら
に基板に搭載・実装するための加工を施すことをいう。
【0108】図27は、移相器をチップ化したものを基
板10に実装して図10に示した移相器を形成したとき
の平面図である。図27(A)では、主線路1の一部で
ある線路1bと、スタブ2a,2b,3a,3bと、カ
ンチレバー11a,11bと、キャパシタ15a,15
bとがチップ化され、チップ71が形成されている。一
方、予め基板10上には、主線路1の他の一部である線
路1a,1cと、高インピーダンスλ/4線路31と、
低インピーダンスλ/4線路32と、第1の制御信号線
4とが配線されている。この基板10にチップ71を実
装することにより、図10に示した移相器と同等の機能
を実現できる。
【0109】また、図27(B)では、スタブ2a,3
aの端部2aa,3aaとカンチレバー11aとがチッ
プ化されてチップ72aが形成され、スタブ2b,3b
の端部2bb,3bbとカンチレバー11bとがチップ
化されてチップ72bが形成されている。一方、予め基
板10上には、主線路1を構成する線路1a〜1cと、
スタブ2a,2b,3a,3bの端部2aa,2bb,
3aa,3bbを除く部分と、高インピーダンスλ/4
線路31と、低インピーダンスλ/4線路32と、第1
の制御信号線4とが配線されている。この基板10にチ
ップ72a,72bと、キャパシタ15a,15bとし
てのチップコンデンサ73a,73bとを実装すること
により、図10に示した移相器と同等の機能を実現でき
る。
【0110】図27(A),(B)に示したように移相
器をチップ化することにより、チップ71,72a,7
2b単体の不良検査を実施できるので、移相器が使用さ
れる回路全体の歩留まりを向上できるという利点があ
る。
【0111】(第11の実施の形態)図1に示した移相
器では、スタブ2aとスタブ3aとを容量結合する第1
の絶縁手段として、アーム13の先端部下面とスタブ2
aの端部上面との間に介在する絶縁膜14,14aが用
いられる。しかし、第1の絶縁手段は、これらの絶縁膜
14,14aを用いなくても構成できる。図28は、第
1の絶縁手段の他の構成例を示す平面図である。また、
図29は、オフ時の第1の絶縁手段の断面図であり、図
29(A)は図28におけるA−A′線方向の断面図、
図29(B)は図28におけるB−B′線方向の断面図
である。また、図30は、オン時の第1の絶縁手段の断
面図であり、図30(A)は図28におけるA−A′線
方向の断面図、図30(B)は図28におけるB−B′
線方向の断面図である。
【0112】図28に示すように、スタブ2aの端部の
両側に、このスタブ2aと離間して、突起部84a,8
4bがそれぞれ配置されている。突起部84a,84b
は図29に示すように、スタブ2aの厚みよりも僅かに
厚く(高く)形成されている。突起部84a,84b
は、誘電体、半導体、導体のいずれで形成されてもよ
い。一方、スタブ3aの端部上にはポスト82が形成さ
れており、このポスト82の上面にはアーム83の基部
が固定されている。このアーム83は、ポスト82の上
面から隙間を跨いで、スタブ2aの端部の上方まで延在
している。ただし、アーム83は基部よりも先端部の方
が幅広となっており、図28に示すようにアーム83の
先端部は突起部84a,84bの両方と対向している。
【0113】このような構成において、スタブ2aとア
ーム83との間に制御信号Sに基づく吸引力が発生する
と、この力によりアーム83の先端部はスタブ2a側に
引き寄せられる。しかし、突起部84a,84bがスト
ッパとして機能し、図30に示すようにアーム83の変
位は突起部84a,84bの上面で停止する。このと
き、スタブ2aとアーム83との間には薄い空気層84
が形成される。この空気層84が介在することによりス
タブ2aとアーム83とは直流ないし低周波的に絶縁さ
れるが、空気層84の厚みは十分薄いのでスタブ2aと
アーム83とは高周波的に結合される。
【0114】以上、本発明による移相器の種々の形態を
説明したが、この移相器は例えばフェーズドアレーアン
テナなどに使用できる。
【0115】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による移相
器では、マイクロマシンスイッチのカンチレバーを分布
定数線路上に固定設置すると共に、分布定数線路に第1
の制御信号を直接印加してこの分布定数線路をマイクロ
マシンスイッチの制御電極として作用させる。これによ
り、従来のマイクロマシンスイッチで必要であったポス
ト、アーム、および上部・下部電極が不要となるので、
マイクロマシンスイッチを小型化できる。したがって、
スイッチング素子としてマイクロマシンスイッチを使用
する移相器を全体として小型化できる。また、マイクロ
マシンスイッチの構造が簡単であるので、少ない工程で
移相器を製造できる。
【0116】また、高周波信号の通過を阻止する第1の
高周波信号阻止手段を第1の制御信号線に接続すること
により、第1の制御信号線への高周波信号の漏洩を防止
できる。したがって、マイクロマシンスイッチの挿入損
失を低減できる。また、第1の制御信号線から他の線路
への電磁的結合を防止できるので、移相器が使用される
回路の高周波特性を改善できる。
【0117】また、移相器に含まれる第1および第2の
分布定数線路のうち、第1の制御信号が印加されない方
の分布定数線路に第4の制御信号線を接続し、この第4
の制御信号線を介して静電誘導に基づく電荷の充放電を
行う。これにより、マイクロマシンスイッチのスイッチ
ング動作が安定すると共にスイッチング速度が速くなる
ので、移相器の移相量の切り換えを確実にしかも迅速に
行うことができる。また、第1の制御信号が印加されな
い方の分布定数線路に第4の制御信号線を接続し、第1
の制御信号とは逆の極性の電圧をかけておくことによ
り、第1の制御信号の電圧の大きさを小さくできるの
で、サージおよびノイズの発生を抑制できる。
【0118】これらの場合、高周波信号の通過を阻止す
る第2の高周波信号阻止手段を第4の制御信号線に接続
することにより、第4の制御信号線への高周波信号の漏
洩を防止できる。したがって、挿入損失の増加や高周波
特性の劣化といった問題は生じない。また、第1および
第2の高周波信号阻止手段を共にキャパシタを用いたバ
イアスティーで構成する場合、構成部品を共用すること
により、構成を簡略化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による移相器の第1の実施の形態の構
成図である。
【図2】 図1に示した移相器の断面図である。
【図3】 図1に示した移相器の変形例を示す回路図で
ある。
【図4】 第1の絶縁手段の変形例を示す断面図であ
る。
【図5】 カンチレバーの変形例を示す断面図である。
【図6】 図1に示した移相器を製造する際の主要な工
程を示す断面図である。
【図7】 図6に引き続く工程を示す断面図である。
【図8】 本発明による移相器の第2の実施の形態の構
成図である。
【図9】 本発明による移相器の第3の実施の形態の構
成を示す回路図である。
【図10】 第1の高周波信号阻止手段の第1構成例を
示す図である。
【図11】 第1の高周波信号阻止手段の第2構成例を
示す図である。
【図12】 第1の高周波信号阻止手段の第3構成例を
示す回路図である。
【図13】 第1の高周波信号阻止手段の第3構成例の
具体例を示す平面図である。
【図14】 第1の高周波信号阻止手段の第3構成例の
具体例を示す平面図である。
【図15】 第1の高周波信号阻止手段の第4構成例を
示す図である。
【図16】 第1の高周波信号阻止手段の第4構成例の
変形例を示す図である。
【図17】 本発明によるマイクロマシンスイッチの第
4の実施の形態の構成図である。
【図18】 本発明による移相器の第5の実施の形態の
構成を示す回路図である。
【図19】 第1,第2の高周波信号阻止手段の両方を
フィルタ40と同様の構成としたときの移相器の構成図
である。
【図20】 本発明による移相器の第6の実施の形態の
構成を示す回路図である。
【図21】 図20に示した移相器の変形例を示す回路
図である。
【図22】 本発明による移相器の第7の実施の形態の
構成を示す平面図である。
【図23】 本発明による移相器の第8の実施の形態の
一構成例を示す平面図である。
【図24】 本発明による移相器の第8の実施の形態の
他の構成例を示す平面図である。
【図25】 2個の移相器を縦続接続したときの一構成
例を示す平面図である。
【図26】 2個の移相器を縦続接続したときの他の構
成例を示す平面図である。
【図27】 移相器をチップ化したものを基板に実装し
て図10に示した移相器を形成したときの平面図であ
る。
【図28】 第1の絶縁手段の他の構成例を示す平面図
である。
【図29】 図28に示した第1の絶縁手段のオフ時の
断面図である。
【図30】 図28に示した第1の絶縁手段のオン時の
断面図である。
【図31】 公知の移相器に従来のマイクロマシンスイ
ッチを使用した場合の平面図である。
【図32】 図31に示した従来のマイクロマシンスイ
ッチを拡大して示す平面図である。
【図33】 図31に示した従来のマイクロマシンスイ
ッチの断面図である。
【符号の説明】 1,101…主線路、1a〜1c,101a,101b
…線路、2a,2b,3a,3b…スタブ、3c,43
a,44…電極、4,4a,104a〜104h…制御
信号線、5…制御装置、5a,43…接地、5b…定電
圧源、6,6a…高周波信号阻止手段、10…基板、1
1a,11b,11a′,81,111a〜111d…
カンチレバー、12,12′,82…ポスト、13,1
3′,83…アーム、14,14a,14′,16a,
16b,24,35,45,116a,116b…絶縁
膜、15a,15b,42,115a,115b…キャ
パシタ、19−1〜19−4…移相器、21…レジスト
パターン、21a…溝、22…金属膜、23…犠牲層、
30,40,50…フィルタ、31,31a,41,4
1a…高インピーダンスλ/4線路、32,32a,3
2−1,32−2…低インピーダンスλ/4線路、33
…接続点、51…スパイラルインダクタ、52…ミアン
ダラインインダクタ、61…抵抗素子、71,72a,
72b…チップ、73a,73b…チップコンデンサ、
84…空気層、84a,84b…突起部、91…マイク
ロ波回路,106a,106b…切換線路。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01P 1/18 B81B 3/00 B81C 1/00 H01H 59/00 H01P 1/12

Claims (27)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主線路に接続された第1の分布定数線路
    と、この第1の分布定数線路と離間するように配置され
    た第2の分布定数線路と、前記第1の分布定数線路と前
    記第2の分布定数線路との間を高周波的に接続または開
    放するマイクロマシンスイッチとを備え、このマイクロ
    マシンスイッチの制御により前記主線路を伝搬する高周
    波信号の通過位相を切り換える移相器において、 前記マイクロマシンスイッチは 記第1または第2の分布定数線路に電気的に接続され
    かつ電圧の2値変化からなる第1の制御信号を印加する
    第1の制御信号線と、 一端が前記第1および第2の分布定数線路の一方に固定
    されると共に他端が前記第1および第2の分布定数線路
    の他方と接離自在となるように形成されかつ導電性部材
    を含むカンチレバーと、 前記第1および第2の分布定数線路の他方と前記カンチ
    レバーとの対向領域に形成された第1の絶縁手段と、 この第1の絶縁手段と共に前記第1の制御信号の電圧値
    を保持する第2の絶縁手段とを備えることを特徴とする
    移相器。
  2. 【請求項2】 高周波信号が伝搬する主線路と、 この主線路に接続されると共に先端が開放された第1の
    分布定数線路と、 この第1の分布定数線路の先端と離間するように配置さ
    れかつ先端が開放された第2の分布定数線路と、 一端が前記第1および第2の分布定数線路の一方に固定
    されると共に他端が前記第1および第2の分布定数線路
    の他方と接離自在となるように形成されかつ導電性部材
    を含むカンチレバーと、 前記第1または第2の分布定数線路に電気的に接続され
    かつ電圧の2値変化からなる第1の制御信号を印加する
    第1の制御信号線と、 前記第1および第2の分布定数線路の他方と前記カンチ
    レバーとの対向領域に形成された第1の絶縁手段と、 この第1の絶縁手段と共に前記第1の制御信号の電圧値
    を保持する第2の絶縁手段とを備えることを特徴とする
    移相器。
  3. 【請求項3】 高周波信号が伝搬する主線路と、 この主線路に接続されると共に先端が開放された第1の
    分布定数線路と、 この第1の分布定数線路の先端と離間するように配置さ
    れた接地と、 一端が前記第1および第2の分布定数線路の一方に固定
    されると共に他端が前記第1および第2の分布定数線路
    の他方と接離自在となるように形成されかつ導電性部材
    を含むカンチレバーと、 前記第1または第2の分布定数線路に電気的に接続され
    かつ電圧の2値変化からなる第1の制御信号を印加する
    第1の制御信号線と、 前記第1および第2の分布定数線路の他方と前記カンチ
    レバーとの対向領域に形成された第1の絶縁手段と、 この第1の絶縁手段と共に前記第1の制御信号の電圧値
    を保持する第2の絶縁手段とを備えることを特徴とする
    移相器。
  4. 【請求項4】 請求項2または3記載の移相器におい
    て、 前記第2の絶縁手段は、前記主線路の途中に形成された
    2個のキャパシタにより構成され、 前記第1の分布定数線路および前記第1の制御信号線は
    共に、前記2個のキャパシタの間の前記主線路に電気的
    に接続されることを特徴とする移相器。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の移相器において、 前記第1の制御信号線は、前記第2の分布定数線路に電
    気的に接続され、 前記第2の絶縁手段は、前記第2の分布定数線路の開放
    された先端により構成されることを特徴とする移相器。
  6. 【請求項6】 寸断箇所のある第1の分布定数線路と、
    互いに電気長の異なる2本の第2の分布定数線路と、前
    記第1の分布定数線路の寸断箇所を短絡する前記第2の
    分布定数線路を切り換えて高周波信号の通過位相を変化
    させるマイクロマシンスイッチとを備えた移相器におい
    て、 前記マイクロマシンスイッチは、 前記第2の分布定数線路毎に設けられ、一端が前記第1
    および第2の分布定数線路の一方に固定されると共に他
    端が前記第1および第2の分布定数線路の他方と接離自
    在となるように形成されかつ導電性部材を含むカンチレ
    バーと、 一方の前記第2の分布定数線路に電気的に接続されかつ
    電圧の2値変化からなる第2の制御信号を印加する第2
    の制御信号線と、 他方の前記第2の分布定数線路に電気的に接続されかつ
    前記第2の制御信号と相補な第3の制御信号を印加する
    第3の制御信号線と、 前記第1および第2の分布定数線路の他方と前記各カン
    チレバーとの対向領域にそれぞれ形成された第1の絶縁
    手段と、 これらの第1の絶縁手段と共に前記第2および第3の制
    御信号の電圧値を保持する第2の絶縁手段とを備え、 前記第2および第3の制御信号線により第1の制御信号
    線が構成されることを特徴とする移相器。
  7. 【請求項7】 寸断箇所のある第1の分布定数線路と、
    互いに電気長の異なる2本の第2の分布定数線路と、前
    記第1の分布定数線路の寸断箇所を短絡する前記第2の
    分布定数線路を切り換えて高周波信号の通過位相を変化
    させるマイクロマシンスイッチとを備えた移相器におい
    て、 前記マイクロマシンスイッチは、 前記第2の分布定数線路毎に設けられ、一端が前記第1
    および第2の分布定数線路の一方に固定されると共に他
    端が前記第1および第2の分布定数線路の他方と接離自
    在となるように形成されかつ導電性部材を含むカンチレ
    バーと、 前記第1の分布定数線路に電気的に接続されかつ電圧の
    2値変化からなる第1の制御信号を印加する第1の制御
    信号線と、 前記第1および第2の分布定数線路の他方と前記各カン
    チレバーとの対向領域にそれぞれ形成された第1の絶縁
    手段と、 これらの第1の絶縁手段と共に前記第1の制御信号の電
    圧値を保持する第2の絶縁手段とを備え、 前記各第2の分布定数線路には前記第1の制御信号の2
    状態の各電圧値と同等の定電圧がそれぞれ印加されるこ
    とを特徴とする移相器。
  8. 【請求項8】 請求項6または7記載の移相器におい
    て、 前記カンチレバーは、前記各第2の分布定数線路の両端
    にそれぞれ設けられることを特徴とする移相器。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8いずれか1項記載の移相器
    において、 前記第1の絶縁手段は、前記第1および第2の分布定数
    線路の他方の上面と前記カンチレバーの下面の少なくと
    も一方に形成された絶縁膜であることを特徴とする移相
    器。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9いずれか1項記載の移相
    器において、 前記第1の制御信号線に接続されかつ前記高周波信号の
    通過を阻止する第1の高周波信号阻止手段を備えること
    を特徴とする移相器。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の移相器において、 前記第1の高周波信号阻止手段は、 前記第1および第2の分布定数線路のうち前記第1の制
    御信号線が電気的に接続される方に一端が接続されかつ
    前記高周波信号の波長の約1/4の電気長であって前記
    第1および第2の分布定数線路の特性インピーダンスよ
    りも大きな特性インピーダンスを有する高インピーダン
    ス線路と、 前記高インピーダンス線路の他端に一端が接続されると
    共に他端が開放されかつ前記高周波信号の波長の約1/
    4の電気長であって前記高インピーダンス線路の特性イ
    ンピーダンスよりも小さな特性インピーダンスを有する
    低インピーダンス線路とからなり、 前記第1の制御信号線は、前記高インピーダンス線路の
    他端に接続されていることを特徴とする移相器。
  12. 【請求項12】 請求項10記載の移相器において、 前記第1の高周波信号阻止手段は、 前記第1および第2の分布定数線路のうち前記第1の制
    御信号線が電気的に接続される方に一端が接続されかつ
    前記高周波信号の波長の約1/4の電気長であって前記
    第1および第2の分布定数線路の特性インピーダンスよ
    りも大きな特性インピーダンスを有する高インピーダン
    ス線路と、 一方の電極が前記高インピーダンス線路の他端に接続さ
    れると共に他方の電極が接地に接続されたキャパシタと
    からなり、 前記第1の制御信号線は、前記高インピーダンス線路の
    他端に接続されていることを特徴とする移相器。
  13. 【請求項13】 請求項10記載の移相器において、 前記第1の高周波信号阻止手段は、インダクタンス素子
    からなることを特徴とする移相器。
  14. 【請求項14】 請求項10記載の移相器において、 前記第1の高周波信号阻止手段は、前記第1および第2
    の分布定数線路の特性インピーダンスよりも十分大きな
    インピーダンスを有する抵抗素子からなることを特徴と
    する移相器。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の移相器において、 前記抵抗素子は、前記第1の制御信号線に直列に挿入さ
    れていることを特徴とする移相器。
  16. 【請求項16】 請求項14記載の移相器において、 前記抵抗素子は、一端が前記第1の制御信号線に接続さ
    れると共に他端が開放されていることを特徴とする移相
    器。
  17. 【請求項17】 請求項1〜16いずれか1項記載の移
    相器において、 前記第1および第2の分布定数線路のうち前記第1の制
    御信号線が電気的に接続されていない方に電気的に接続
    されかつ静電誘導により発生する電荷を充放電する第4
    の制御信号線を備えることを特徴とする移相器。
  18. 【請求項18】 請求項1〜16いずれか1項記載の移
    相器において、 前記第1および第2の分布定数線路のうち前記第1の制
    御信号線が電気的に接続されていない方に電気的に接続
    されかつ前記第1の制御信号と逆の極性を有する定電圧
    を印加する第4の制御信号線と、 前記第1および第2の分布定数線路のうち前記第4の制
    御信号線の電気的に接続される方に形成されかつ前記第
    2の絶縁手段と共に前記第4の制御信号線より印加され
    る前記定電圧の電圧値を保持する第3の絶縁手段とを備
    えることを特徴とする移相器。
  19. 【請求項19】 請求項17または18記載の移相器に
    おいて、 前記第4の制御信号線に接続されかつ前記高周波信号の
    通過を阻止する第2の高周波信号阻止手段を備えること
    を特徴とする移相器。
  20. 【請求項20】 請求項19記載の移相器において、 前記第2の高周波信号阻止手段は、 前記第1および第2の分布定数線路のうち前記第1の制
    御信号線が電気的に接続されていない方に一端が接続さ
    れかつ前記高周波信号の波長の約1/4の電気長であっ
    て前記第1および第2の分布定数線路の特性インピーダ
    ンスよりも大きな特性インピーダンスを有する高インピ
    ーダンス線路と、 一端が前記高インピーダンス線路の他端に接続されると
    共に他端が開放されかつ前記高周波信号の波長の約1/
    4の電気長であって前記高インピーダンス線路の特性イ
    ンピーダンスよりも小さな特性インピーダンスを有する
    低インピーダンス線路とからなり、 前記第4の制御信号線は、前記高インピーダンス線路の
    他端に接続されていることを特徴とする移相器。
  21. 【請求項21】 請求項19記載の移相器において、 前記第2の高周波信号阻止手段は、 前記第1および第2の分布定数線路のうち前記第1の制
    御信号線が電気的に接続されていない方に一端が接続さ
    れかつ前記高周波信号の波長の約1/4の電気長で前記
    第1および第2の分布定数線路の特性インピーダンスよ
    りも大きな特性インピーダンスを有する高インピーダン
    ス線路と、 一方の電極が前記高インピーダンス線路の他端に接続さ
    れると共に他方の電極が接地に接続されたキャパシタと
    からなり、 前記第4の制御信号線は、前記高インピーダンス線路の
    他端に接続されていることを特徴とする移相器。
  22. 【請求項22】 請求項19記載の移相器において、 前記第2の高周波信号阻止手段は、インダクタンス素子
    からなることを特徴とする移相器。
  23. 【請求項23】 請求項19記載の移相器において、 前記第2の高周波信号阻止手段は、前記第1および第2
    の分布定数線路の特性インピーダンスよりも十分大きな
    インピーダンスを有する抵抗素子からなることを特徴と
    する移相器。
  24. 【請求項24】 請求項23記載の移相器において、 前記抵抗素子は、前記第4の制御信号線に直列に挿入さ
    れていることを特徴とする移相器。
  25. 【請求項25】 請求項23記載の移相器において、 前記抵抗素子は、一端が前記第4の制御信号線に接続さ
    れると共に他端が開放されていることを特徴とする移相
    器。
  26. 【請求項26】 請求項1または2記載の移相器におい
    て、 前記第1および第2の分布定数線路にそれぞれの一端が
    接続されかつ前記高周波信号の波長の約1/4の電気長
    であって前記第1および第2の分布定数線路の特性イン
    ピーダンスよりも大きな特性インピーダンスを有する第
    1および第2の高インピーダンス線路と、 一方の電極が前記第1の高インピーダンス線路の他端に
    接続されると共に他方の電極が前記第2の高インピーダ
    ンス線路の他端に接続されたキャパシタとを備え、 前記第1の高インピーダンス線路の他端は、前記第1の
    制御信号線に接続され、 前記第2の高インピーダンス線路の他端は、接地に接続
    されていることを特徴とする移相器。
  27. 【請求項27】 基板上に主線路の一部と、この主線路
    の一部に接続された第1の分布定数線路と、端部が前記
    第1の分布定数線路の端部と離間する第2の分布定数線
    路と、前記主線路の一部に接続された制御信号線とを形
    成する第1の工程と、 前記第1および第2の分布定数線路の隙間から前記第1
    または第2の分布定数線路の端部にかけての領域上に犠
    牲層を形成する第2の工程と、 前記犠牲層上における前記第1または第2の分布定数線
    路の端部と対向する部分に第1の絶縁膜を形成すると共
    に、前記主線路の一部の両端上に第2の絶縁膜を形成す
    る第3の工程と、 前記犠牲層が形成されていない前記第2または第1の分
    布定数線路の端部から前記犠牲層上の前記第1の絶縁膜
    に至る部分に金属からなるカンチレバーを形成すると同
    時に、前記第2の絶縁膜上から前記基板上に主線路の他
    部を形成する第4の工程と、 前記犠牲層を除去する第5の工程とを備えることを特徴
    とする移相器の製造方法。
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