JP4310633B2 - 高周波スイッチ - Google Patents

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Description

本発明は、高周波スイッチに関し、特に、数MHzから数百GHzまでの高周波数帯で用いることができる微小な高周波スイッチに関する。
近年の携帯端末技術の著しい進歩によって、取り扱うことができる信号の量が飛躍的に増大している。しかし、市場がさらに多くのデータを送受信することを望んでいることに応えて、携帯端末はその周波数帯域を増大させるために信号を搬送する周波数の増大が進んでいる。現在、数百MHzから2GHzの周波数が使用されているが、近い将来に数GHzの高周波が広く使用されるであろうと予想されている。また、無線通信では、軌道衛星とのやり取りを行うのにKa帯(20〜30GHz)や自動車通信のミリ波帯(約60GHz)等の高周波がすでに広く使われている。
これら高周波信号を取り扱うスイッチとして、GaAs基板を利用したFETトランジスタが広く知られている。しかし、GaAs基板を利用しなければいけないために高価であるという問題があり、また、高価であることから大きな寸法のコンポーネントにすることができず、他のデバイスと集積化することが実用上困難である。さらに、周波数が数GHz以上となるとエネルギーの損失が大きくなり、携帯端末の低消費電力という要求を必ずしも満足できなくなってくるという問題があった。
他方で、微小電気機械デバイス(MEMS:Micro Electro Mechanical Systems)を利用したスイッチが知られている。基板を選ばないために他のコンポーネントとの集積化が容易であり、さらにエネルギーの損失が著しく小さいために高周波帯での用途が大いに期待されている。しかし、MEMSスイッチは寸法が大きく(100μm角程度)、また駆動に大きな電圧(約20V)を必要とするという問題がある。
以上述べたように既存の高周波スイッチにはそれぞれ欠点があり、これらと異なる新しい高周波スイッチが求められていた。一般にスイッチは、抵抗あるいは静電容量の大きな変化によって回路の中で信号の流れを通過あるいは遮断をするのに使用される。抵抗の大きな変化を起こすデバイスとして、カルコゲナイド半導体を利用したインテル社のOUM(Ovonic Unified Memory)やアクソン社のPMC(Programmable Metallization Cell)等が知られている。
以下、特許文献1(米国特許5,761,115号公報)に開示されているPMCについて述べることにする。特許文献1の中では、メタルの細線が印加電圧によって延びたり縮んだりする現象を利用したデバイスをPMCと呼び、不揮発性メモリーとして利用するアイデアを述べている。この明細書ではPMCを高周波スイッチとして利用することを提案されていないが、PMCは高周波スイッチとして興味深いものである。
図8(a)および図8(b)は、特許文献1に記載されたPMCの実施例の平面図とそのA−A’における断面図である。基板91の上に絶縁のための絶縁層98を介して下部電極93が設けられている。下部電極93は、図8(a)に示すように図面左右方向にパターニングされている。この下部電極93の上、および下部電極93が設けられていない絶縁層98の上には第二の絶縁層96が設けられている。第二の絶縁層96には、この絶縁層96が除去されたビアホール99が設けられており、ビアホール99は下部電極93の表面まで達している。このビアホール99の内部の側壁には高速イオン伝導体層92が作製され、その後、ビア埋め込み層97によって完全にビアホール97の空洞が埋め込まれている。そして、ビアホール99の上には上部電極94が設けられる。上部電極94は、図8(a)に示すように図面上下方向にパターニングされている。
下部電極93を負側にして上部電極94との間に電圧を印加すると金属細線95が下部電極93から始まり、上部電極94の方向に延びていき、ついに上部電極94に到達する。このとき上部電極94と下部電極93との間の抵抗が小さくなる。一方、印加電圧の極性を変更して下部電極93を正側にして二つの電極間に電圧を印加するとき、金属細線95が上部電極94から離れて下部電極93の方向に縮小していく。このとき二つの電極間の抵抗が増大する。特許文献1では、高速イオン伝導体層としてAs23−AgやAgAsS2の銀の硫化物、上部電極(アノード電極)として銀あるいは銀−アルミニウム合金、下部電極(カソード電極)としてアルミニウムが材料として記載された例が述べられている。興味深いのは、このように材料を組み合わせたときには、金属細線が下部電極を負側の極性にして電圧を印加したときにしか延びないということである。
米国特許5,761,115号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたPMCを高周波スイッチとして利用しようとするといくつかの問題があることがわかった。
第一の問題点は、このデバイスは二つの電気配線がスイッチに接続しているだけの構造であり、スイッチを駆動する回路が情報信号を通過させるラインから分離されていないことである。このため、スイッチを駆動させるとき、情報信号とともにスイッチを駆動させる信号を重畳させなければならず、回路の設計に大きな制限があった。
第二の問題点は、上述した第一の問題点を解決するために、情報信号ラインと並列にスイッチの駆動回路を接続した場合に起こる。高周波の導波路回路では、信号が通過する途中のインピーダンス変化に大きな注意を払う必要がある。この場合、スイッチを通過する信号が駆動回路に漏れてスイッチの損失が増大するということが起こる。また、インピーダンス変化によっては、入射方向に反射して信号が出射方向に伝達されないという問題も起こる。
第三の問題点は、第二の問題点を解決するために駆動回路をトランジスタ等のアイソレーション回路を介して信号線に接続したときに生じるものである。確かに低い周波数帯ではトランジスタによって駆動回路が信号線から分離されるために信号の減衰を低減することが可能である。しかし、周波数が高くなるとトランジスタのアイソレーション特性が劣化するために信号の損失が大きくなる。この損失は、数GHz程度から顕著に現れるものである。
第四の問題点は、複雑な駆動回路を必要とすることからスイッチ全体が複雑になるという問題である。上述したトランジスタを仲介する方法では、接続箇所における分岐からの反射の影響を小さくするためにトランジスタをなるべく信号線の近くに設けるという配慮が必要であり、高度の実装技術が要求される。また、トランジスタ等のアイソレーションデバイスをスイッチに搭載することからスイッチ全体の寸法が大きくなり、また駆動回路を集積化するためにGaAs基板が必要となりその結果コストが高くなる、という問題がある。
以上述べたように従来技術に既存の対策を施して改良したとしても以前として解決されない問題点が残っている。本発明は上述したような従来技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、低損失で高いアイソレーション特性を有し、小型で、広い周波数帯域で使用可能であり、さらに低いコストで作製可能な高周波スイッチを提供することを目的とする。
本発明の高周波スイッチは、電流の流れる向きによって抵抗値が大きな第一の状態と抵抗値が小さな第二の状態となる可変デバイスを用いて導波路を通過する信号を変化させる高周波スイッチであって、
前記導波路とともに前記可変デバイスが少なくとも一つ設けられる高周波伝達回路と、
前記可変デバイスが少なくとも一つ設けられる駆動回路と、
前記高周波伝達回路および前記駆動回路に設けられる前記可変デバイスへの電流供給状態を変化させることにより、各可変デバイスの状態を変化させる信号回路と、を有し、
前記駆動回路と前記高周波伝達回路とが電気的に接続されるとともに、該接続点から見て、前記高周波伝達回路に設けられた可変デバイスと前記駆動回路に設けられた可変デバイスの状態が異なるように各可変デバイスが配置されていることを特徴とする。
この場合、駆動回路が、値がほぼ変化しない抵抗を含んでおり、
信号回路は、駆動回路に設けられた可変デバイスを介して高周波伝達回路に設けられた可変デバイスの一端と接続され、前記抵抗を介して高周波伝達回路に設けられた可変デバイスの他端と接続されることとしてもよい。
また、ほぼ変化しない抵抗の値が10kΩ以上であるとしてもよい。
また、駆動回路が、第一および第二の可変デバイスを含んでおり、
信号回路は、駆動回路に設けられた第一の可変デバイスを介して高周波伝達回路に設けられた可変デバイスの一端と接続され、第二の可変デバイスを介して高周波伝達回路に設けられた可変デバイスの他端と接続されることとしてもよい。
また、高周波伝達回路に設けられた可変デバイスの他端にバイアス回路が設けられ、
信号回路は、駆動回路に設けられた可変デバイスを介して高周波伝達回路に設けられた可変デバイスの一端と接続されるとともに、バイアス電位に接続されることとしてもよい。
上記のいずれにおいても、可変デバイスの抵抗が1Ω以下と10kΩ以上の領域の間を変化することとしてもよい。
高周波導波路回路は、通常50Ωのインピーダンスを持つように設計されている。そして、この回路に直列に挿入された抵抗を変化させるとき、その値によって導波路回路を通過する信号の減衰が変化する。例えば、抵抗が1Ω以下のときには減衰量は1%以下であり、抵抗が10kΩのときには減衰量が99%にもなる。これが、可変抵抗を高周波導波路回路に直列に接続した構成をもつ高周波スイッチの原理である。
高周波導波路回路に分岐として接続された回路がこの接続点近くに10kΩの抵抗をもつ場合には、高周波導波路回路を通過する信号の減衰を約1%以下に抑えることができる。すなわち、分岐による影響をほとんど無視することができる。
従来技術で述べたように、あるデバイスでは印加する電圧あるいは電流の方向に依存して抵抗値が大きく変わるものがある。本発明は、このようなデバイスを少なくとも二つ組み合わせて、一つを導波路に直列に配置して情報信号を切り替える高周波スイッチとして用い、他を導波路の分岐と駆動のための電気回路の間に設けたものである。後者の可変抵抗デバイスは駆動回路の制御信号を導波路側に伝達するが、導波路の情報信号が漏れるのを防ぐ働きをもっている。
なお、ここでは可変抵抗デバイスを用いた例で説明を行ったが、本発明はこれに限るものではなく、電気容量、インダクター等が可変のデバイスを用いても実現することが可能である。また、導波路に可変デバイスを直列に配置した例もこれに限ることなく、可変デバイスを並列に配置することによっても高周波スイッチを作製することが可能である。
本発明を用いると、駆動回路をもった高周波スイッチを提供することができる。駆動回路が導波路と分離されているために、このスイッチを回路に利用することが容易である。さらに、この高周波スイッチは、低損失で高いアイソレーション特性をもち、小型で、広い周波数帯域で使用可能であり、さらに低いコストで作製可能である。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明による高周波スイッチの第一の実施形態の構成を示す平面図である。本実施形態は、高周波信号が通過する高周波伝達回路10とその信号の伝達を制御する駆動回路19からなる。高周波伝達回路10は、高周波導波路13aおよび13b、抵抗が電圧あるいは電流の向きによって変化する第一の可変デバイス11から構成されている。
高周波導波路13aおよび13bは、マイクロストリップ導波路回路、コプレナー導波路回路等によって作製されたものであり、高周波信号を損失なく伝達するのに適したものである。例えば、厚さ2μm、40μmの幅の金配線からなる高周波導波路13aおよび13bをガラス等の絶縁性の基板18に設け、基板18の裏面に設けた金属薄膜をグラウンド電位とすることによって構成することができる。
外部の導波路回路(図示せず)の入射側に高周波導波路13a、出射側に高周波導波路13bを金ワイア等の手段によって接続を行う。高周波導波路13aおよび13bは、図示するように第一の可変デバイス11を介して接続している。第一の可変デバイス11は、可変抵抗層113、シリコン窒化膜等の絶縁膜115、上部電極111をこの順に堆積させた構成をもつ。
可変抵抗層113は、高周波導波路13aの上に、例えば200nmの厚さの銅と20nmの厚さの硫化銅を堆積させたものである。上部電極111は、例えば、厚さ2μm、幅30ミクロンの金等の金属から構成されており、絶縁膜115に設けられたコンタクト穴114を介して可変抵抗層113に接続している。また、上部電極111は、絶縁膜膜115に設けられたコンタクト穴112を介して高周波導波路13bに接続している。
第一の可変デバイス11は、高周波導波路13aから13bの向きに電流が流れるような電圧が印加されたときには小さな抵抗となり、その反対の向きに電流が流れるような電圧が印加されたときには10kΩ以上の抵抗をもつ。実際に作製したデバイスを測定したところ、高周波導波路13aから13bの向きに0.2Vの電圧を印加したとき(このとき約100mAの電流が流れる)に抵抗が2Ω以下、逆向きに0.06Vの電圧を印加したとき(このとき約1μA以下の電流が流れる)に100kΩの抵抗をもった。
駆動回路19は、第二の可変デバイス12と約10kΩの値をもつ固定抵抗14から構成されており、外部の信号回路15と接続されている。第二の可変デバイス12は、可変抵抗層123、シリコン窒化膜等の絶縁膜125、上部電極121をこの順に堆積させた構成をもつ。可変抵抗層123は、金属配線17の上に例えば200nmの厚さの銅と20nmの厚さの硫化銅を堆積させたものである。
上部電極121は、例えば、厚さ0.2μm、幅30ミクロンの金等の金属から構成されており、絶縁膜125に設けられたコンタクト穴124を介して可変抵抗層123に接続している。また、上部電極121は、絶縁膜膜125に設けられたコンタクト穴122を介して高周波導波路13bに接続している。この第二の可変デバイス12は、金属配線17から高周波導波路13bの向きに電流が流れるような電圧が印加されたときにその抵抗が2Ω以下と小さくなる。そして、反対の向きに電流が流れるような電圧が印加されたときには10kΩ以上の大きな抵抗となるものである。
一方、固定抵抗14は、電流の向きや電圧の大きさにに依存せず、ほぼ同じ大きさの抵抗をもち、高周波導波路13aと金属配線16の間に設けられている。固定抵抗14は、例えば窒化タンタル等の高抵抗金属を用いて、幅5μm、長さ3mm、厚さ0.1μmの寸法をもつ。この固定抵抗は多重に折り返したパターンを利用すると占有する面積を小さくすることができる。二つの金属配線16および17は、アルミ、あるいは金等の金属からなり、例えば幅20μmで厚さが0.2である。
信号回路15は、二つの金属配線16および17に接続されており、本実施形態の高周波スイッチを切り替える信号を提供する。具体的には駆動回路19に印加する電圧または駆動回路19を流れる電流を制御する信号を出力する。なお、この例では、二つの可変デバイス11および12がそれぞれ接続される高周波導波路13bからみてこの高周波導波路13bに向かう方向が抵抗が小さくなる順方向となっている。
次に、本実施形態のスイッチの動作を図2(a)および図2(b)を用いて説明する。同図において、図1と同じ番号は同様の構成要素を示すものである。
図2(a)は、駆動回路19に右回りの電流(図中)が流れるように信号回路15に制御信号を加えたときの様子を示している。このとき、第一の可変デバイス11は順方向にバイアスされるために抵抗が小さく(r)なるのに対して、第二の可変デバイス12は逆方向にバイアスされるために10kΩ以上の大きな抵抗値(R)をもつ。この状態のとき、高周波導波路13aに入力された高周波信号は、第一の可変デバイス11を低損失で通過して高周波導波路13b側に出射される。そして第二の可変デバイス12が接続されている分岐線側にほとんど漏れないため、高周波信号は高周波導波路13bを低損失で進行していくことができる。この状態は、信号回路15に逆向きの制御信号を加えるまで継続しており、途中に順方向の信号を加えつづける必要がない。
続いて、図2(b)は、駆動回路19に左回りの電流(図中)が流れるように信号回路15に制御信号を加えたときの様子を示している。始めに信号回路15に加えた電圧の約R/(R+R’)だけの値が第二の可変デバイス12に印加される。R’は固定抵抗14の値である。RとR’が共に約10kΩの場合には約半分の電圧が第二の可変デバイス12に印加されることになる。このとき、印加電圧あるいは電流が第二の可変デバイス12と順方向に印加されているために、第二の可変デバイス12は小さな抵抗値(r)に変化する。そして、第二の可変デバイス12の抵抗変化が急激に起こることから、第一の可変デバイス11の両端に大きな逆方向の電圧が印加され、その結果、第一の可変デバイス11は、大きな抵抗(R)を持つように変化する。高周波導波路13aに入力された高周波信号は、第一の可変デバイス11で反射されて高周波導波路13b側にほとんど出射されない。そして固定抵抗14が接続されている分岐線側にもほとんど漏れないので、高周波信号は高周波導波路13bを進行していくことができない。この状態は、信号回路15に順方向の制御信号を加えるまで継続しており、途中に逆方向の信号を加えつづける必要がない。
次に、本実施形態の製造方法について図3(a)〜(d)は、第一の実施の形態を作製する方法を段階的に示す図であり、各図左側部分は平面図、右側部分はそのA−A’断面図である。
最初に、ガラス基板30の裏面を金の薄膜によって覆い、グラウンド301を作製する。ガラス基板30の表側の面には、0.1μmの厚さの窒化クロムにより固定抵抗34のパターンを作製する。続いて、0.3μmの厚さの金で表側の面を覆い、導波路33aおよび33bの領域のみに金メッキにより金を1.7μm堆積する。その後、導波路33aおよび33b、そして、金属配線36および37のパターンをレジストにより作製し、このレジストをマスクにして0.3μmの金をエッチングする。最後に、このレジストを除去する(図3(a))。
上記プロセスに続いて、ガラス基板30の上に0.2μm厚の銅薄膜を堆積させる。その後、この銅表面の一部を硫化する。硫化銅の作製方法の一つを以下に述べる。硫化ナトリウム溶液の中に基板30を入れ、硫化ナトリウム溶液に対して基板30に設けられた銅薄膜が正側にバイアスされるように電源を接続する。この間、約100μAの電流が流れるように設定して、20nm厚の硫化銅を作製する。この後,硫化銅および銅をエッチングしてパターン313および323を導波路33aおよび金属配線37の上にそれぞれ作製する(図3(b))。
さらに、厚さ約0.3μmの窒化シリコン膜を基板30に堆積させて、絶縁膜315および325のパターン作製を行う。絶縁膜パターン315の中には、硫化銅であるパターン313および金である導波路33bの表面が露出するようにコンタクト穴314および312を同時に作製する。また、絶縁膜パターン325の中には、パターン323および導波路33bの表面が露出するようにコンタクト穴324および322を同時に作製する(図3(c))。
続いて、基板30の上に0.3μm厚の金を堆積させ、さらに、電気メッキを用いて上部電極311の領域のみに約1.7μmの厚さの金を堆積させる。そして、レジストをマスクにして金をエッチングし、上部電極パターン311および321を作製する。最後に、このレジストを除去する(図3(d))。上部電極311は、絶縁膜315の中に設けられたコンタクト穴314および312を介してパターン313および導波路33bに電気的に接続している。また、上部電極321は、絶縁膜325の中に設けられたコンタクト穴324および322を介してパターン323および導波路33bに電気的に接続している。
図1の実施例中における第一の可変デバイス11の位置とコンタクト穴112の位置を入れ替えることも可能である。このとき、可変抵抗層113は、高周波導波路13bの上に硫化銅、銅の順に堆積される。このような構成にすると、第一の可変デバイス11の電流の向きに対する変化が変わらない。同様にして、第二の可変デバイス12の位置と他のコンタクト穴122の位置を変化の向きを変えることなく入れ替えることが可能である。
さらに、図1に示した例のように可変デバイス11および12を回路の接続箇所にそれぞれ唯一つだけ設けるという必要はない。上に述べたような構成を用いることによって、電流に対する抵抗の変化を変えることなく、回路の接続箇所の両端に可変デバイスを設けることも可能である。
また、駆動回路19の第二の可変デバイス12を高周波導波路13bに接続させた例だけでなく、この第二の可変デバイス12を上部電極111に接続させることも可能である。この場合には、上部電極111と上部電極121をコンタクト穴を介さずに直接接続させることができる。
上記の例では、二つの可変デバイス11および12がそれぞれ接続される高周波導波路13bからみて、該高周波導波路13bに向かう方向が抵抗の小さくなる順方向となっている。この向きを変えて、接続される高周波導波路13bからみて、該高周波導波路13bに向かう方向が抵抗の大きくなる逆方向に二つの可変デバイス11および12を配置しても本実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
図4は、本発明の第二の実施形態の構成を示す等価回路図である。図中、図2と同じ番号は、同じ構成要素を示している。本実施形態では、固定抵抗44と第二の可変デバイス42の位置が第一の実施形態と入れ替わっている。また、第二の可変デバイス42の順方向の向きも第一の実施形態と反対である。本実施形態のスイッチの動作を図5(a)および(b)を用いて説明する。同図において図4と同じ番号は同様の構成要素を示すものである。
図5(a)は、駆動回路19に右回りの電流(図中)が流れるように信号回路15に制御信号を加えたときの様子を示している。このとき、第一の可変デバイス11は順方向にバイアスされるために抵抗が小さく(r)なるのに対して、第二の可変デバイス42は逆方向にバイアスされるために10kΩ以上の大きな抵抗値(R)をもつ。この状態のとき、高周波導波路13aに入力された高周波信号は、第一の可変デバイス11を低損失で通過して高周波導波路13b側に出射される。また、第二の可変デバイス42および固定抵抗44が接続されている分岐線側にほとんど漏れないため、高周波信号は高周波導波路13aおよび13bを低損失で進行していくことができる。この状態は、信号回路15に逆向きの制御信号を加えるまで継続しており、途中に順方向の信号を加えつづける必要がない。
続いて、図5(b)は、駆動回路19に左回りの電流(図中)が流れるように信号回路15に制御信号を加えたときの様子を示している。始めに信号回路15に加えた電圧の約R/(R+R’)だけの値が第二の可変デバイス42に印加される。R’は固定抵抗44の値である。RとR’が共に約10kΩの場合には約半分の電圧が第二の可変デバイス42に印加されることになる。このとき、印加電圧あるいは電流が第二の可変デバイス42と順方向に印加されているために、第二の可変デバイス42は小さな抵抗値(r)に変化する。そして、この第二の可変デバイス42の抵抗変化が急激に起こることから第一の可変デバイス11の両端に大きな逆方向の電圧が印加され、その結果、第一の可変デバイス11は、大きな抵抗(R)を持つように変化する。高周波導波路13aに入力された高周波信号は、第一の可変デバイス11で反射されて高周波導波路13b側にほとんど出射されない。そして固定抵抗44が接続されているため、この分岐を通って高周波信号が高周波導波路13bに進入していくことができない。この状態は、信号回路15に順方向の制御信号を加えるまで継続しており、途中に逆方向の信号を加えつづける必要がない。
なお、本実施形態では、二つの可変デバイス11および12がそれぞれ接続される高周波導波路13aからみてこの高周波導波路13aに向かう方向が抵抗の大きくなる逆方向となっている。この向きを変えて、接続される高周波導波路13aからみてこの高周波導波路13aに向かう方向が抵抗の小さくなる順方向に二つの可変デバイス11および42を配置しても本実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
図6は、本発明の第三の実施形態の構成を示す等価回路図である。図6中で図2と同じ番号は、同じ構成要素を示している。本実施形態では、固定抵抗の位置に可変デバイス62が設けられており、駆動回路に二つの可変デバイスが設けられている。また、二つの可変デバイス11および12がそれぞれ接続される高周波導波路13bからみてこの高周波導波路13bに向かう方向が抵抗の小さくなる順方向となっている。一方、二つの可変デバイス11および62が接続される高周波導波路13aからみてこの高周波導波路13aに向かう方向が抵抗の大きくなる逆方向となっている。このような構成においても、前述した実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
なお、本実施形態の構成を変えて、二つの可変デバイス11および12がそれぞれ接続される高周波導波路13bからみてこの高周波導波路13bに向かう方向が抵抗の大きくなる逆方向に二つの可変デバイス11および62を配置し、接続される高周波導波路13aからみてこの高周波導波路13aに向かう方向が抵抗の小さくなる順方向に二つの可変デバイス11および62を配置しても本発明と同様の効果を得ることが可能である。
図7は、本発明の第四の実施形態の構成を示す等価回路図である。図7中で図2と同じ番号は、同じ構成要素を示している。本実施形態では、固定抵抗がなくなり、高周波導波路13a側にバイアス回路70が接続されている。バイアス回路70は、例えばバイパスコンデンサ701とバイアスコイル702を図示するように接続したものである。バイアスコイル702の他方の端には、所定のバイアス電圧あるいはグラウンド電位になるように接続がなされている。バイアス回路70は、高周波スイッチの内部に含まれることとしても良いし、あるいは外部に設けて高周波スイッチに接続しても良い。また、信号回路15は、一端が第二の可変デバイス12に接続され、他端がグラウンドあるいはあるバイアス電位に接続されている。本実施形態では、可変デバイス11および12がそれぞれ接続される高周波導波路13bからみてこの高周波導波路13bに向かう方向が抵抗の小さくなる順方向となっている。このような構成においても、前述の実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
なお、上記の構成に変えて、二つの可変デバイス11および12が接続される高周波導波路13bからみてこの高周波導波路13bに向かう方向が抵抗の大きくなる逆方向となるようにしてもよい。
また、本実施形態では、硫化銅を用いた可変抵抗デバイスを利用して可変デバイスを作製した。しかし、この可変抵抗デバイスの可変抵抗層は硫化銅に制限されることなく、広くカルコゲナイド(砒素、ゲルマニウム、セレニウム、テリュウム、ビスマス、ニッケル、硫黄、ポロニウム、亜鉛等)と周期表のIとIIの金属の化合物を用いることが可能である。
本発明の高周波スイッチの第一の実施形態を示す平面図である。 本発明の高周波スイッチの第一の実施形態の動作を示す模式図である。 本発明の高周波スイッチの第一の実施の形態の作製を示す平面図および断面図である。 本発明の高周波スイッチの第二の実施形態を示す構成図である。 本発明の高周波スイッチの第二の実施形態の動作を示す模式図である。 本発明の高周波スイッチの第三の実施形態を示す構成図である。 本発明の高周波スイッチの第四の実施形態を示す構成図である。 従来のスイッチの形態を示す平面図および断面図である。
符号の説明
10 高周波伝達回路
11 第一の可変デバイス
12 第二の可変デバイス
13a,13b,33a,33b 高周波導波路
14 固定抵抗
15 信号回路
16,17 金属配線
18 基板
19 駆動回路
30 ガラス基板
111,121 上部電極
112,114,122,14,312,22,324 コンタクト穴
113,123 可変抵抗層
115,125 絶縁膜
121,311,321 上部電極
301 グラウンド
313,323パターン
315,325 絶縁膜



Claims (6)

  1. 電流の流れる向きによって抵抗値が大きな第一の状態と抵抗値が小さな第二の状態となる可変デバイスを用いて導波路を通過する信号を変化させる高周波スイッチであって、
    前記導波路とともに前記可変デバイスが少なくとも一つ設けられる高周波伝達回路と、
    前記可変デバイスが少なくとも一つ設けられる駆動回路と、
    前記高周波伝達回路および前記駆動回路に設けられる前記可変デバイスへの電流供給状態を変化させることにより、各可変デバイスの状態を変化させる信号回路と、を有し、
    前記駆動回路と前記高周波伝達回路とが電気的に接続されるとともに、該接続点から見て、前記高周波伝達回路に設けられた可変デバイスと前記駆動回路に設けられた可変デバイスの状態が異なるように各可変デバイスが配置されていることを特徴とする高周波スイッチ。
  2. 請求項1に記載の高周波スイッチにおいて、
    駆動回路が、値がほぼ変化しない抵抗を含んでおり、
    信号回路は、駆動回路に設けられた可変デバイスを介して高周波伝達回路に設けられた可変デバイスの一端と接続され、前記抵抗を介して高周波伝達回路に設けられた可変デバイスの他端と接続されることを特徴とする高周波スイッチ。
  3. 請求項2に記載の高周波スイッチにおいて、
    ほぼ変化しない抵抗の値が10kΩ以上であることを特徴とする高周波スイッチ。
  4. 請求項1に記載の高周波スイッチにおいて、
    駆動回路が、第一および第二の可変デバイスを含んでおり、
    信号回路は、駆動回路に設けられた第一の可変デバイスを介して高周波伝達回路に設けられた可変デバイスの一端と接続され、第二の可変デバイスを介して高周波伝達回路に設けられた可変デバイスの他端と接続されることを特徴とする高周波スイッチ。
  5. 請求項1に記載の高周波スイッチにおいて、
    高周波伝達回路に設けられた可変デバイスの他端にバイアス回路が設けられ、
    信号回路は、駆動回路に設けられた可変デバイスを介して高周波伝達回路に設けられた可変デバイスの一端と接続されるとともに、バイアス電位に接続されることを特徴とする高周波スイッチ。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の高周波スイッチにおいて、
    可変デバイスの抵抗が1Ω以下と10kΩ以上の領域の間を変化することを特徴とする高周波スイッチ。
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