JP3356139B2 - 移相器 - Google Patents

移相器

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JP3356139B2
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01PWAVEGUIDES; RESONATORS, LINES, OR OTHER DEVICES OF THE WAVEGUIDE TYPE
    • H01P1/00Auxiliary devices
    • H01P1/18Phase-shifters
    • H01P1/185Phase-shifters using a diode or a gas filled discharge tube

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移相器に関し、特
にマイクロ波帯、ミリ波帯における線路切換型移相器に
関するものであって、フェーズドアレイアンテナの位相
制御素子の一部として利用される。
【0002】
【従来の技術】従来の線路切換型移相器は、複数の切換
線路、高周波スイッチおよび主線路によって構成され、
切換線路の両端は高周波スイッチを介して主線路に接続
されている。したがって、これらの高周波スイッチを操
作して、移相器内部を通過する高周波の位相制御を行う
ことにより、所望の移相量を得ることができる。
【0003】図20は、従来の切換型移相器を示す構成
図である。同図に示すように、従来の切換型移相器は、
主線路ML1,ML2間に接続された2本の切換線路S,
Lと、4個の高周波スイッチSWa〜SWdとで構成さ
れている。したがって、この移相器においては、主線路
ML1,ML2と、長さの異なる切換線路S,Lとの接続
がスイッチSWa〜SWdによって切り換わる。スイッ
チSWa〜SWdは連動しており、(SWa,SWb,
SWc,SWd)=(オフ,オフ,オン,オン)で切換
線路Lが主線路ML1,ML2に接続されて切換線路Sが
主線路ML1,ML2から切り離され、この状態を状態L
とよぶ。また、(SWa,SWb,SWc,SWd)=
(オン,オン,オフ,オフ)で切換線路Sが主線路ML
1,ML2に接続されて切換線路Lが主線路ML1,ML2
から切り離され、この状態を状態Sとよぶ。これらの切
り換わりにより切換線路長の差に相当する移相量を実現
する。しかし、この方式では下記の理由により、移相量
周波数特性が悪いという問題点があった。
【0004】また、図20に示す線路切換型移相器は、
2つの長さの異なる切換線路を切り換えて位相差を得る
ので、高周波スイッチが4個必要であった。しかし、他
の形式の移相器(例えば、線路装荷型移相器は2個の高
周波スイッチで実現できる)と比べると、高周波スイッ
チの数が多いという問題があった。
【0005】・線路切換型移相器の移相量周波数特性が
悪い理由図21はマイクロストリップラインで構成され
た90゜線路切換型移相器を示す平面図であり、図22
はその説明を簡単にするための説明図である。図21と
図22とは、電気的には等価である。これらの図におい
て、切換線路長をL=λg0 /2,S=λg0 /4とし
ているため、設計移相量は切換線路長の差L−S=λg
0 /4に相当するΔΦ=90゜となる。
【0006】図23は、この90゜切換線路型移相器の
移相量周波数特性(シミュレーション値)である。ただ
し、縦軸の移相量Δφは、状態Lを基準とした状態Sの
移相量、すなわちΔφ=φS−φL(φL,φSはそれ
ぞれ状態L,Sにおける通過位相)を表している。前述
の伝送線路長L,Sは、中心周波数f0 における波長λ
0 を基準にして設定される。つまり、図22に示すよ
うに、L=λg0 /2S=λg0 /4として、L−S=
λg0 /4となるよう設定されるので、その電気的経路
差は中心周波数f0 においてΔΦ=90゜となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、中心周
波数f0 よりも高い周波数では波長がλg0 よりも短く
なるので、その周波数においては電気的経路差が90゜
以上となり移相量が大きくなる。逆に、低い周波数で
は、波長がλg0 よりも長くなるので、電気的経路差が
90゜以下となり移相量が小さくなる。その結果、図2
3に示されているとおり、移相量周波数特性は全体とし
て正の傾きをもつ直線になり、中心周波数f 0 において
はちょうど90゜となっているが、中心周波数から離れ
るにしたがい移相量も90゜から離れて誤差が大きくな
るという問題がある。本発明は、このような課題を解決
するためのものであり、線路切換型移相器の移相量周波
数特性の広帯域化を図るとともに、従来よりも高周波ス
イッチの個数を減らすことができる移相器を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明に係る移相器は、高周波信号をデジタ
ル的に移相する移相器において、第1の主線路と、この
第1の主線路の一端から所定距離だけ離間して配設され
た第2の主線路と、前記第1および第2の主線路の間に
配設された第1の切換線路と、前記第2の主線路と接続
された第2の切換線路と、前記第1の主線路と前記第1
の切換線路との接続および切り離しを行う第1のスイッ
チと、前記第2の主線路と前記第1の切換線路との接続
および切り離しを行う第2のスイッチと、前記第1の主
線路と前記第2の切換線路との接続および切り離しを行
う第3のスイッチとを備えたものである。
【0009】
【0010】また、前記第1の切換線路の線路長を4分
の1波長とし、前記第2の切換線路の線路長を2分の1
波長として90°移相器を実現してもよいし、前記第1
の切換線路の線路長を2分の1波長とし、前記第2の切
換線路の線路長を1波長として180°移相器を実現し
てもよい。また、前記主線路および切換線路は、マイク
ロストリップライン、スロットライン、コプレーナーラ
インまたは同軸線路の何れかであってもよい。また、前
記スイッチは、PINダイオード、FET、機械的リレ
ーまたはマイクロマシンスイッチの何れかであってもよ
い。さらに、前記スイッチは、前記主線路に対して所定
のオフセットを有した状態で設けられてもよい。
【0011】このように構成することにより本発明は、
従来の線路切換型移相器の切換線路の一部または全部を
主線路に直接接続し、オープン・スタブを構成すること
により、移相量周波数特性を改善し、移相誤差を改善す
ることが可能である。また、そのとき高周波スイッチの
数を減らすことも可能である。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明の一つの実施の形態
について図を用いて説明する。図1は、本発明の一つの
実施の形態を示す回路図である。同図に示すように、本
実施の形態に係る移相器は、従来の線路切換型移相器の
切換線路部の一部または全部が常に主伝送線路に接続さ
れ、接続された切換線路が主線路にならないときに、オ
ープン・スタブとして動作することにより、移相量周波
数特性を改善することが特徴である。また、主線路につ
ながる切換線路の長さを1/2波長の整数倍にすること
により、線路が主線路に常に接続されていることによる
反射損特性・通過損特性の影響をなくすことを可能とす
る。さらに、従来の線路切換型移相器と比べて、高周波
スイッチが1〜2個少ないことも特徴である。
【0013】
【実施例】[第1の実施例]図1を参照して、本発明の
実施例について説明する。本実施例による線路切換型移
相器は、同図に示すように、切換線路S,L、高周波ス
イッチSWa〜SWcおよび主線路ML1,ML2によっ
て構成され、切換線路Lの一端は主線路ML2 に直接接
続され、他端は高周波スイッチSWcを介して主線路M
1 に接続される。切換線路Sの両端は、高周波スイッ
チSWa、SWbを介して主線路ML1 ,ML2 に接続
される。
【0014】このように、同図に示す移相器は、2本の
切換線路と3個のスイッチとで構成されており、図20
に示した従来の線路切換型移相器よりも1個少ないスイ
ッチで済むという利点がある。なお、本移相器の切換線
路および主線路としては、マイクロストリップライン、
スロットライン、コプレーナーライン、同軸線路など任
意の伝送線路で構成することが可能である。また、高周
波スイッチとしては、PINダイオード、FET、機械
的リレー、マイクロマシンスイッチなど任意の種類のも
のが使用できる。
【0015】従来の線路切換型移相器と同様に、高周波
スイッチSWa,SWb,SWcは連動している。(S
Wa,SWb,SWc)=(オフ,オフ,オン)では切
換線路Lが主線路ML1 に接続され、切換線路Sは主線
路ML1,ML2から切り離され、この状態を状態Lとよ
ぶ。また、(SWa,SWb,SWc)=(オン,オ
ン,オフ)で切換線路Sが主線路ML1,ML2に接続さ
れ、この状態を状態Sとよぶ。このとき、切換線路Lの
一端も主線路ML2 に接続されたままになっているのが
本実施例の特徴である。したがって、この切換線路Lは
オープン・スタブとして動作し、結果として移相量周波
数特性を改善する。
【0016】これらの状態S,Lを切り換えることによ
り、切換線路長の差(L−S)に相当する移相量を実現
する。切換線路長L,Sを選ぶことにより、任意の移相
量を実現することが可能だが、ここでは移相量ΔΦ=9
0゜とし、L=λg0 /2,S=λg0 /4とする。こ
こで、λg0 は設計中心周波数f0 における伝送線路上
の伝搬波長である。
【0017】・オープン・スタブを付加した伝送線路の
特性について 図2は、オープン・スタブを付加した伝送線路を示す回
路図である。このオープン・スタブのリアクタンスX
は、以下の式で表される。 X = −Zs cot(2πθ/λg) ここで、Zsはスタブの特性インピーダンス、θはオー
プン・スタブ長、λgは伝送線路上での波長である。
【0018】このようなリアクタンスが装荷されること
によって生ずる通過位相の変化量(スタブを付加したこ
とによる通過位相の変化量)を図3,図4に示す。図3
はオープン・スタブの長さθが0.08λg0 〜0.1
9λg0 の場合を示しており、図4はオープン・スタブ
の長さθがλg0 /2,λg0 の場合について示してい
る。これらの図に示されているとおり、通過位相の変化
量は周波数に対して負の傾きをもっており、スタブ長が
長くなるにつれて傾きも大きくなっている。後述するよ
うに、本実施例はこの負の傾きを利用して、前述した従
来移相回路の正の傾きをもった周波数特性を補正してい
る。なお、オープン・スタブを付加すると、一般的には
図3に示されているように、通過位相は全帯域で0゜か
らずれてしまい、また(図示はしていないが)不整合が
生じて反射特性が劣化する。しかし、後述するように、
この位相ずれをあらかじめ考慮した移相回路設計を行
い、かつ別途整合回路を設けることにより、この問題は
解決できる。あるいは、オープン・スタブの長さをλg
0 /2の整数倍に選べば、図4に示されているように通
過位相は中心周波数f0 において0゜となるので位相ず
れを考慮する必要もなくなり、かつ(図示はしていない
が)整合の問題も解消される。
【0019】・本実施例の構成について 以上の説明から分かるように、状態Sのときのみオープ
ン・スタブが接続された状態にすれば、従来の移相器が
もっていた移相量周波数特性(正の傾き)にオープン・
スタブの通過位相特性(負の傾き)が加算されることに
より、位相特性はより平坦となり、使用可能帯域を広げ
ることができる。そこで、本実施例の線路切換型移相器
(図1)のように、切換線路Lの一端を直接主線路に接
続すれば、状態Sのときに切換線路Lがオープン・スタ
ブとして主線路に接続される。
【0020】以下、伝送線路としてマイクロストリップ
ラインを用いた例で説明する。簡潔化のため、伝送線路
の曲がりの影響、伝送線路同士の結合の影響、高周波ス
イッチなどの影響を無視して説明する。
【0021】図5は本実施例に係る90゜移相器を示す
平面図、図6はその動作の説明を簡単にするための説明
図である。図5および図6は電気的には等価である。図
5に示すように、切換線路長をL=λg0 /2,S=λ
0 /4とし、90゜の移相器を構成している。また、
状態Sのときにのみ切換線路L(長さL=1/2λ
0 )がオープン・スタブとして主線路に接続される。
このとき、オープン・スタブ長、すなわち主線路に接続
されている切換線長Lが1/2λg0 の整数倍なので、
オープン・スタブによる位相ずれや整合の問題は回避さ
れる。よって、従来の切換線路型移相器の持っていた移
相量周波数特性(正の傾き)にオープン・スタブの傾き
(負の傾き)が加算されて移相量周波数特性が改善され
る。
【0022】図7は、本実施例の移相器(図5)の移相
量周波数特性のシミュレーション値を示すグラフであ
り、従来の線路切換型移相器についても示している。同
図に示されているとおり、オープン・スタブを付加して
も中心周波数f0 での移相量は90゜のままであり、移
相量周波数特性の傾きだけが補正されていおり、傾きが
ほぼ0となる。このとき、広帯域にわたって移相誤差は
ほぼ0であり、広帯域化が実現される。なお、図7はオ
ープン・スタブの長さθがλg0 /2の整数倍の場合の
特性なので、図23に示した従来の移相器の特性(中心
周波数f0 での移相量は90゜)と図4に示したオープ
ン・スタブの通過位相特性(中心周波数f 0 で0゜)が
加算された特性となり、中心周波数f0 での移相量は9
0゜となった。
【0023】しかし、オープン・スタブの長さθがλg
0 /2の整数倍でない場合は、図3に示すような通過位
相特性、つまり中心周波数f0 において0゜ではない特
性が加算されるので、移相器全体の最終的な移相量とし
ては90゜からずれてしまう。また、図示されていない
が、オープン・スタブを付加したことにより不整合が生
じ、反射特性が劣化する。しかし、オープン・スタブを
付加したことによる中心周波数f0 での通過位相変化分
をあらかじめ把握し、移相回路の設計時にこの変化分を
考慮しておけば、全体として所望の移相特性を得ること
ができる。また、反射特性劣化の問題も、別途整合回路
を設けることにより、解消することができる。
【0024】以上説明したように、従来の線路切換型移
相器の切換線路の一部または全部を主線路に直接接続
し、オープン・スタブを構成することにより、移相量周
波数特性を改善し、移相誤差を改善することが可能であ
る。また、そのとき高周波スイッチの数を減らすことも
可能である。
【0025】[参考例] ここでは、180゜移相器の例について説明する。図8
は、図1でL=λg0 /2,S=0としたときの例であ
る。この構成では切換線路Sが存在しないため、2個の
高周波スイッチで実現でき、従来の線路切換型移相器
(図20)と比べ、スイッチ数を2個少なくすることが
できる。スイッチSWa,SWbは連動しており、(S
Wa,SWb)=(オフ,オン)では切換線路Lが主線
路ML1,ML2に接続され、この状態を状態Lとよぶ。
また、(SWa,SWb)=(オン,オフ)では主線路
ML1,ML2の両者が直接接続され、この状態を状態S
とよぶ。このとき、切換線路Lの一端も主線路ML2
接続されたままである。
【0026】図9は、図8の例を説明するための各状態
の説明図であり、電気的には図8と等価である。状態L
と状態Sを切り換えることにより、切換線路長の差(L
−S)=λg0 /2に相当する移相量、つまり移相量Δ
Φ=180゜を得る。また、状態Sのとき、切換線路L
の一端が主線路に接続され、オープン・スタブとして動
作する。オープン・スタブの長さ、すなわち切換線路L
の長さがλg0 /2であるので、スタブを主線路に接続
したことによる通過位相のずれや整合が乱れるという問
題は回避できる。このオープン・スタブは、先に説明し
た90゜移相器の例(図5)と同様に、移相量周波数特
性を改善する。
【0027】[第2の実施例] 図10は、図1でL=λg0 ,S=λg0 /2としたと
きの例を示す平面図である。この構成では、3個の高周
波スイッチで実現でき、従来の線路切換型移相器(図2
0)と比べ、スイッチ数が1個少なくできる。スイッチ
SWa,SWb,SWcは連動しており、(SWa,S
Wb,SWc)=(オフ,オフ,オン)では切換線路L
が主線路ML1 に接続され、切換線路Sは主線路M
1,ML2から切り離され、この状態を状態Lとよぶ。
また、(SWa,SWb,SWc)=(オン,オン,オ
フ)では切換線路Sが主線路ML1,ML2に接続され、
切換線路Lは一端のみ主線路ML2 に接続され、この状
態を状態Sとよぶ。
【0028】図11は、図10の例を説明するための各
状態の説明図であり、電気的には図10と等価である。
状態Lと状態Sを切り換えることにより、切換線路長の
差(L−S)=λg0 /2に相当する移相量、つまり移
相量ΔΦ=180゜を得る。また、状態Sのとき、切換
線路Lの一端が主線路に接続され、オープン・スタブと
して動作する。オープン・スタブの長さ、すなわち切換
線路Lの長さがλg0(λg0 /2の整数倍)であるの
で、オープン・スタブを主線路に接続したことによる通
過位相のずれや整合が乱れるという問題は回避できる。
このオープン・スタブは、先に説明した90゜移相器の
例(図5)と同様に、移相量周波数特性を改善する。
【0029】図12は、本発明の参考例と実施例,図8
(参考例),図10(第2の実施例)の移相量周波数特
性のシミュレーション値を示すグラフであり、従来の線
路切換型移相器についても示している。この図に示され
ているとおり、参考例と第2の実施例ともにオープン・
スタブが1/2λg0 の整数倍なので、中心周波数f0
での移相量は180゜のままで、移相量周波数特性の傾
きだけが補正されている。図10(第2の実施例)の移
相量周波数特性の傾きはほぼ0となる。このとき、広帯
域にわたって移相誤差はほぼ0であり、広帯域化が実現
される。
【0030】しかし、図8(参考例)では、移相量周波
数特性の傾きを完全に補正できていない。これは状態S
時の主線路に接続されるオープン・スタブの長さによる
ものである。具体的に説明すると、図8から明らかなよ
うに90゜移相器の移相量周波数特性の傾きを補正する
には、λg0 /2のオープン・スタブを状態S時に主線
路に接続する必要があることがわかる。一方、図12か
ら明らかなように180゜移相器の移相量周波数特性の
傾きを補正するには、λg0 のオープン・スタブが必要
になる。よって、図10の例では補正できるが、図8の
例では補正しきれないのである。しかし、図8の例は、
移相量周波数特性を完全に補正できないが、スイッチの
数(2個)、コンパクトさという観点では図10の例よ
りも勝る。
【0031】[第3の実施例] 図13のように、状態S時に2本のオープン・スタブが
主線路に接続されるように、図1の切換線路Lを高周波
スイッチSWcを介して分断させてもよい。図14は、
図13をS=1/2λg0 ,L=L1 +L2 =λg0
したときの平面図である。この構成では、3個の高周波
スイッチで実現でき、従来の線路切換型移相器(図2
0)と比べ、スイッチ数を1個少なくすることができ
る。スイッチSWa,SWb,SWcは連動しており、
(SWa,SWb,SWc)=(オフ,オフ,オン)で
は切換線路L1 とL2 が接続され、切換線路Sは主線路
ML1,ML2 から切り離され、この状態を状態Lとよ
ぶ。また、(SWa,SWb,SWc)=(オン,オ
ン,オフ)では切換線路Sが主線路ML1,ML2に接続
され、切換線路L1 とL2 は切り離され、それぞれ一端
のみ主線路ML1,ML2に接続される。すなわち、π型
に2本の切換線路が主線路に接続され、この状態を状態
Sとよぶ。
【0032】状態Lと状態Sを切り換えることにより、
切換線路長の差(L−S)=λg0/2に相当する移相
量、すなわち移相量ΔΦ=180゜を得る。また、状態
Sのとき、2本の切換線路L1 とL2 の一端が主線路M
1,ML2に接続され、それぞれオープン・スタブとし
て動作する。オープン・スタブの長さ、すなわち切換線
路L1 ,L2 の長さがλg0 /2であるので、オープン
・スタブを主線路に接続したことによる通過位相のずれ
や整合が乱れるという問題は回避できる。この2本のオ
ープン・スタブ(長さλg0 /2)が、移相量周波数特
性を改善する。
【0033】図15は、図13の移相量周波数特性を示
すグラフである。状態S時にλg0/2のオープン・ス
タブが2本主線路に接続されるので、周波数特性の傾き
はほぼ補正されている。
【0034】[第4の実施例] 図1、図8、図13では、高周波スイッチSWa,SW
b,SWc(図13のみ高周波スイッチSWa,SW
b)が主線路に直接取りつけられていた。しかし、実際
にスイッチの物理的大きさにより、このような設置が難
しい場合がある。その場合、図16、図17、図18、
図19に示すように、高周波スイッチをオフセット(オ
フセット量Da,Db,Dc,Da1,Da2)して取り
つけるとよい。オフセット量は接続されているスイッチ
に応じて適宜設定すればよい。これらの構成では、切換
線路長が変わって主線路に短いオープン・スタブが接続
されるので、移相器全体の最終的な移相量が設計値から
ずれてしまう。また、オープン・スタブにより不整合が
生じ、反射特性が劣化する。しかし、中心周波数f0
の移相量のずれをあらかじめ把握し、移相回路の設計時
に移相量のずれを考慮しておけば、全体として所望の移
相特性を得ることができる。また、反射特性劣化の問題
も、必要に応じて別途整合回路を設けることにより、解
消することができる。
【0035】[第5の実施例] 上記実施例では、本発明の移相器を基板上にマイクロス
トリップラインで構成した例を示したが、任意の伝送線
路、すなわちスロットライン、コプレーナー線路、同軸
線路などでも実現可能である。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、従来の線路切換型
移相器の切換線路の一部または全部を主線路に直接接続
し、オープン・スタブを構成することにより、移相量周
波数特性を改善し、移相誤差を改善することが可能であ
る。また、そのとき高周波スイッチの数を減らすことも
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一つの実施の形態を示す回路図であ
る。
【図2】 オープン・スタブを接続した主線路を示す回
路図である。
【図3】 オープン・スタブを接続した主線路の移相特
性を示すグラフである。
【図4】 オープン・スタブを接続した主線路の移相特
性を示すグラフである。
【図5】 本実施例(第1の実施例)に係る90°移相
器を示す平面図である。
【図6】 図5に係る90°移相器の各状態を示す説明
図である。
【図7】 図5に係る90°移相器の移相特性を示すグ
ラフである。
【図8】 参考例に係る180°移相器を示す平面図で
ある。
【図9】 図8に係る180°移相器の各状態を示す説
明図である。
【図10】 本実施例(第2の実施例)に係る180°
移相器を示す平面図である。
【図11】 図10に係る180°移相器の各状態を示
す説明図である。
【図12】 図8,図10に係る180°移相器の移相
特性を示すグラフである。
【図13】 本実施例(第3の実施例)に係る180°
移相器を示す平面図である。
【図14】 図13に係る180°移相器の各状態を示
す説明図である。
【図15】 図13に係る180°移相器の移相特性を
示すグラフである。
【図16】 本実施例(第4の実施例(1))に係る9
0°移相器(図1の移相器をオフセットした状態)を示
す平面図である。
【図17】 本実施例(第4の実施例(2))に係る1
80°移相器(図13の移相器をオフセットした状態)
を示す平面図である。
【図18】 本実施例(第4の実施例(3))に係る1
80°移相器(図8の移相器をオフセットした状態)を
示す平面図である。
【図19】 本実施例(第4の実施例(4))に係る1
80°移相器(図8の移相器をオフセットした状態)を
示す平面図である。
【図20】 従来例を示す回路図である。
【図21】 従来の90°移相器を示す平面図である。
【図22】 図21に係る90°移相器の各状態を示す
説明図である。
【図23】 図21に係る90°移相器の移相特性を示
すグラフである。
【符号の説明】
SWa,SWb,SWc,SWd…スイッチ、S,L,
1 ,L2 …切換線路、ML1 ,ML2 …主線路、D
a,Db,Dc,Da1,Da2…オフセット量。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01P 1/185 H01P 1/10 H01P 5/02 603

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高周波信号をデジタル的に移相する移相
    器において、 第1の主線路と、この第1の主線路の一端から所定距離
    だけ離間して配設された第2の主線路と、前記第1およ
    び第2の主線路の間に配設された第1の切換線路と、前
    記第2の主線路と接続された第2の切換線路と、前記第
    1の主線路と前記第1の切換線路との接続および切り離
    しを行う第1のスイッチと、前記第2の主線路と前記第
    1の切換線路との接続および切り離しを行う第2のスイ
    ッチと、前記第1の主線路と前記第2の切換線路との接
    続および切り離しを行う第3のスイッチとを備えたこと
    を特徴とする移相器。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記第1の切換線路の線路長を4分の1波長とし、前記
    第2の切換線路の線路長を2分の1波長として90°移
    相器を実現した ことを特徴とする移相器。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 前記第1の切換線路の線路長を2分の1波長とし、前記
    第2の切換線路の線路長を1波長として180°移相器
    を実現したことを特徴とする移相器。
  4. 【請求項4】 請求項1において、前記主線路および切換線路は、マイクロストリップライ
    ン、スロットライン、コプレーナーラインまたは同軸線
    路の何れかである ことを特徴とする移相器。
  5. 【請求項5】 請求項において、前記スイッチは、PINダイオード、FET、機械的リ
    レーまたはマイクロマシンスイッチの何れかである こと
    を特徴とする移相器。
  6. 【請求項6】 請求項において、 前記スイッチは、前記主線路に対して所定のオフセット
    を有した状態で設けられていることを特徴とする移相
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