JPH11274805A - 高周波スイッチ並びに製造方法、及び集積化高周波スイッチアレイ - Google Patents

高周波スイッチ並びに製造方法、及び集積化高周波スイッチアレイ

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JPH11274805A
JPH11274805A JP10072234A JP7223498A JPH11274805A JP H11274805 A JPH11274805 A JP H11274805A JP 10072234 A JP10072234 A JP 10072234A JP 7223498 A JP7223498 A JP 7223498A JP H11274805 A JPH11274805 A JP H11274805A
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JP
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frequency switch
frequency
movable air
air bridge
thin film
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JP10072234A
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English (en)
Inventor
Shoichi Akiyama
省一 秋山
Kazuhiko Adachi
一彦 安達
Yutaka Yoneda
豊 米田
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01PWAVEGUIDES; RESONATORS, LINES, OR OTHER DEVICES OF THE WAVEGUIDE TYPE
    • H01P1/00Auxiliary devices
    • H01P1/10Auxiliary devices for switching or interrupting
    • H01P1/12Auxiliary devices for switching or interrupting by mechanical chopper
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H59/00Electrostatic relays; Electro-adhesion relays
    • H01H59/0009Electrostatic relays; Electro-adhesion relays making use of micromechanics

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の高周波スイッチ間でで制御信号線を共
用して少ない制御信号線数で多数の高周波スイッチを多
値の制御電圧で制御し、制御信号線により占有される面
積の少ない集積回路を実現すること。 【解決手段】 基板11上の中心導体13と外部導体1
2とから構成される平面型高周波線路CPWの中心導体
13にエアギャップを介して保持されブリッジの所定の
一部が静電気力に応じて可撓するように構成された可動
エアブリッジ18(14,15,16)と、可動エアブ
リッジ18(14,15,16)と平面型高周波線路C
PWとの間に電位差を生じさせるための制御信号線31
とを有し、可動エアブリッジ18が、内部応力の異なる
複数の層を積層した構造の薄膜材料により形成されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波信号の高周
波スイッチに関し、特に、ミリ波からサブミリ波帯域の
高周波信号を対象としマイクロ加工技術により微小な形
状に作成された高周波スイッチのデバイス構造並びにそ
の製造方法、及び高周波スイッチが多数集積された集積
化高周波スイッチアレイのデバイス構造に関する。
【0002】応用分野としては、ミリ波からサブミリ波
の高周波を利用した、またこの周波数帯域を対象とし
た、無線LAN装置の同調回路及び送受切り替え回路、
フェーズドアレイアンテナ、整合インピーダンスが可変
のインピーダンス変換回路、移相量可変の移相器、発振
周波数可変の高周波源など、その他ミリ波からサブミリ
波帯域の高周波信号の切り替えを要する機械装置が考え
られる。
【0003】
【従来の技術】ミリ波からサブミリ波帯域の高周波信号
は利用できる周波数帯域が非常に広く大容量高速情報伝
達の手段として重要であり、この周波数領域における無
線装置の開発が精力的に進められている。
【0004】この帯域では半導体素子の性能が極端に低
下するのでマイクロ波帯域におけるようなストリップラ
インにFETなどを装荷した高周波スイッチではオン状
態及びオフ状態間のインピーダンス変化が小さく信号の
断続が困難となる。
【0005】そこでマイクロ加工技術を利用して機構部
品の変位により大きなインピーダンス変化を生み出し、
高いオンオフ比を実現した高周波スイッチが開発されて
いる。
【0006】従来この種の高周波スイッチを用いた集積
化高周波スイッチアレイとしては、例えば、米国特許5
619061(従来技術素子と呼ぶ)に示すようなもの
がある。
【0007】図4(a)は従来技術素子の集積化高周波
スイッチアレイの等価回路図であり、図4(b)は図4
(a)の集積化高周波スイッチアレイを用いたフェーズ
ドアレイアンテナの等価回路図である。
【0008】米国特許5619061に記載された高周
波スイッチは、高周波スイッチの動作点が可動エアブリ
ッジを形成する薄膜の機械定数によってほぼ定められる
ような構造を有し、制御電圧の変化に対する応答が高速
で、ミリ波からサブミリ波帯域の高周波信号は利用でき
る周波数帯域が非常に広く大容量高速情報伝達の手段に
応用できる。
【0009】一方、実際の応用においては多数の接続点
を切り替える高周波スイッチが必要となることが多い
が、このような要求に応える例としては米国特許512
1089に記載された高周波スイッチがある。
【0010】米国特許5121089に記載された高周
波スイッチは、回転により回路を切り替えるデバイス構
造を有し、制御電圧としてパルス信号を用いているた
め、電極の配置を適宜に定めることにより一つの高周波
スイッチで多数の接続先の切り替えを行うことができる
という特徴を持っている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、米国特
許5619061に記載された高周波スイッチは、制御
電圧の変化に対して高速に応答し、ほとんどの応用に使
用することができるもの、高周波スイッチの動作点が可
動エアブリッジを形成する薄膜の機械定数によってほぼ
定まるため、可動エアブリッジの長さ、幅、膜厚などは
必要な電気的特性(例えば、オン状態のインピーダン
ス)に対して設定される。
【0012】一方、可動エアブリッジの機械定数がほと
んど決められるため、高周波スイッチの動作点(すなわ
ち、オン状態とオフ状態の遷移電圧)を自由に定めるこ
とが難しく、全て同一の動作点を持つこととなるという
問題点があった。
【0013】その結果、多数の高周波スイッチを使用す
るような用途では、制御信号を共用して多値の制御を行
うことが難しく、高周波スイッチ毎に制御電圧を個別に
印加できるデバイス構造とする必要があり、制御のため
の配線数が多くなり、集積回路基板上で配線の占める面
積が増大し、有効に使用できるバルク基板面積が小さく
なってしまうという問題点があった。
【0014】一方、米国特許5121089に記載され
たデバイス構造の高周波スイッチは、回転により回路を
切り替えるので制御電圧がデバイス構造に大きくは依存
しないパルス信号とでき、その電極の配置を適宜に定め
ることにより一つの高周波スイッチで多数の接続先の切
り替えを行うことができるといったメリットがある。
【0015】しかしながら、米国特許5121089に
記載されたデバイス構造の高周波スイッチは、高周波ス
イッチを構成する機構部品の回転により線路の切り替え
を行うため、動作応答時間が長く、フェーズとアレイア
ンテナにおける移相調節のような高速応答が要求される
用途には使用できないという問題点があった。
【0016】本発明は、このような従来の問題点を解決
することを課題としており、特に、複数の高周波スイッ
チ間で制御信号線を共用して少ない制御信号線数で多数
の高周波スイッチを多値の制御電圧で制御し、制御信号
線により占有される面積の少ない集積回路を実現し、更
に加えて、高周波スイッチの動作応答時間が可動エアブ
リッジによるスイッチ動作に対して低下しない高速な高
周波スイッチのデバイス構造並びにその製造方法、及び
高周波スイッチが多数集積された集積化高周波スイッチ
アレイのデバイス構造を提供することを目的としてい
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
成された請求項1に記載の発明は、基板11上の中心導
体13と外部導体12とから構成される平面型高周波線
路CPWの中心導体13にエアギャップを介して保持さ
れブリッジの所定の一部が静電気力に応じて可撓するよ
うに構成された可動エアブリッジ18(14,15,1
6)と、当該可動エアブリッジ18(14,15,1
6)と当該平面型高周波線路CPWとの間に電位差を生
じさせるための制御信号線31とを有し、前記可動エア
ブリッジ18が、内部応力の異なる複数の層を積層した
構造の薄膜材料により形成され、前記制御信号線31を
介して印加された電位差に基づいて生成される静電気力
に応じて前記可動エアブリッジ18の所定の一部を撓ま
せるように変位させ、前記中心導体13と前記外部導体
12との間、または中心導体13に設けられた切断点の
間を一時的に密に結合させることによって線路の開閉を
行うようなデバイス構造を有する高周波スイッチ10で
ある。
【0018】請求項1に記載の発明によれば、高周波ス
イッチ10ごとに異なる内部応力を有する可動エアブリ
ッジ18を作成できるので、その機械定数を個別に設定
することができ、可動エアブリッジ18が変位する閾値
電圧を変えることができる。
【0019】したがって、電気的特性が同一であるが動
作点の異なる高周波スイッチ10を同一基板11上に形
成でき、これらの高周波スイッチ10を同一の制御信号
線31に並列に接続して、多値の制御電圧Vcにより制
御することが可能となる。
【0020】すなわち、制御配線数が少なく基板11に
おいて有効に使える面積を減じることがなく、かつ動作
遅れ時間の点に関しては可動エアブリッジ18を使用し
た高周波スイッチ10の高速応答の特徴が保たれるの
で、回転による高周波スイッチ10のように遅れ時間が
増大することはない、という効果が得られる。
【0021】また請求項2に記載の発明は、請求項1に
記載の高周波スイッチ10において、前記可動エアブリ
ッジ18を形成する薄膜材料が、第1の材料からなる中
間層15を第2の材料からなる上部層14と第3の材料
からなる下部層16とにより挟着した3層構造を有し、
前記第1の材料として金を用い、前記第2及び第3の材
料が、チタンを主組成とし、前記上部層14及び前記下
部層16の各々厚さが、2乃至8nmの範囲にあり、か
つ前記中間層15の厚さに対して100分の1から10
000分の1である高周波スイッチ10である。
【0022】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
に記載の効果に加えて、流通量が多く安価な材料を使用
して取り扱いが容易な薄膜作成法により本発明の高周波
スイッチ10が高信頼性を保ち低コストで製造できるの
で、これを使用した製品を安価に提供できるという効果
が得られる。
【0023】また請求項3に記載の発明は、請求項2に
記載の高周波スイッチ10の製造方法において、前記平
面型高周波線路CPWが形成された基板11上に、真空
蒸着法またはスパッタリングによりチタンを主成分とす
る薄膜を堆積する第1工程と、前記第1工程に続いて、
真空蒸着により金の薄膜を堆積する第2工程と、前記第
2工程に続いて、真空蒸着もしくはスパッタリングによ
り、チタンを主成分とする薄膜を堆積する第3工程とを
少なくとも含み、前記第1工程における真空蒸着または
スパッタリングの雰囲気ガス、及び前記第3工程におけ
る真空蒸着またはスパッタリングの雰囲気ガスとして、
アルゴンガス(Arガス)にN2,NO,N2O,NH3
から選択された一つのガス、またはこれらの中から選択
されたガスのいくつかの混合ガスを加えたガスを使用す
ると共に、当該ガスの分圧を所定の前記層の堆積期間は
一定に保つ製造方法である。
【0024】請求項3に記載の発明によれば、請求項2
に記載の効果に加えて、可動エアブリッジ18の内部応
力が良好に制御されるので、請求項2に記載のデバイス
構造を再現性よく作成することができるという効果が得
られる。
【0025】また請求項4に記載の発明は、請求項1に
記載の高周波スイッチ10を用いた集積化高周波スイッ
チアレイ22において、前記可動エアブリッジ18を形
成する薄膜材料の少なくとも一つの層が異なる膜厚を有
する一つ以上の前記高周波スイッチ10から構成され、
前記デバイス構造を有する複数の前記高周波スイッチ1
0,…,10が同一の制御信号線31に接続されて一群
のユニットとなったデバイス構造を有する集積化高周波
スイッチアレイ22である。
【0026】請求項4に記載の発明によれば、請求項1
に記載の効果に加えて、可動エアブリッジ18の作成手
順は基板11全面にわたって同一であり、後処理として
エッチングの工程が加わるのみであるので、比較的安価
なコストで本発明の構成を実現できる、という効果が得
られる。
【0027】また請求項5に記載の発明は、請求項1に
記載の高周波スイッチ10を用いた集積化高周波スイッ
チアレイ22において、前記可動エアブリッジ18を形
成する薄膜材料の少なくとも一つの層が異なる形状にパ
ターニングされた一つ以上の前記高周波スイッチ10か
ら構成され、前記デバイス構造を有する複数の前記高周
波スイッチ10,…,10が同一の制御信号線31に接
続されて一群のユニットとなったデバイス構造を有する
集積化高周波スイッチアレイ22である。
【0028】請求項5に記載の発明によれば、請求項1
に記載の効果に加えて、高周波スイッチ10の動作点を
細かい分解能で正確に設定することができ、同一の制御
信号線31により制御できる高周波スイッチ10数を増
加することができるという効果が得られる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に示す高周波スイッチ10、
及びこれらが多数集積された集積化高周波スイッチアレ
イ22は、ミリ波からサブミリ波の高周波を利用した、
またこの周波数帯域を対象とした、無線LAN装置の同
調回路及び送受切り替え回路、フェーズドアレイアンテ
ナ、整合インピーダンスが可変のインピーダンス変換回
路、移相量可変の移相器、発振周波数可変の高周波源な
ど、その他ミリ波からサブミリ波帯域の高周波信号の切
り替えを要する機械装置に応用することができる。
【0030】以下に、第1実施形態〜第3実施形態に共
通の高周波スイッチ10の基本デバイス構造を説明す
る。本発明の高周波スイッチ10は、可動エアブリッジ
18が内部応力の異なる薄膜を積層して形成されたデバ
イス構造を有している点に特徴を有している。図1は、
本発明の高周波スイッチの基本構造を説明するための断
面図である。
【0031】図1において、11は基板、12は高周波
線路の外部導体、13は中心導体、14,15,16は
可動エアブリッジ18を構成する薄膜であり、積層され
て一体の薄膜材料となっている(請求項1のデバイス構
造)。高周波スイッチ10は、基板11上の中心導体1
3と外部導体12とから構成される平面型高周波線路C
PWの中心導体13にエアギャップを介して保持されブ
リッジの所定の一部が静電気力に応じて可撓するように
構成された可動エアブリッジ18(14,15,16)
と、可動エアブリッジ18(14,15,16)と平面
型高周波線路CPWとの間に電位差を生じさせるための
制御信号線31とを有し、可動エアブリッジ18が、内
部応力の異なる複数の層を積層した構造の薄膜材料によ
り形成され、制御信号線31を介して印加された電位差
に基づいて生成される静電気力に応じて可動エアブリッ
ジ18の所定の一部を撓ませるように変位させ、中心導
体13と外部導体12との間、または中心導体13に設
けられた切断点の間を一時的に密に結合させることによ
って線路の開閉を行うようなデバイス構造を有してい
る。
【0032】図1では、3層(14,15,16)が積
層されているが、積層数はこれに限らない。このような
デバイス構造によれば積層した薄膜の積層数などをマス
ク蒸着などの方法により高周波スイッチ10ごとに異な
るものとして全体の膜として持つ内部応力を様々に変化
させることができるので、その機械定数を変化させるこ
とができ、可動エアブリッジ18が変位する閾値電圧を
変えることができる。
【0033】したがって、電気的特性は同一であるが動
作点は異なる高周波スイッチ10を同一基板11上に形
成することができる。更に加えて、これらの高周波スイ
ッチ10,…,10を同一の制御信号線31に並列に接
続して、多値の制御電圧Vcにより制御することが可能
となる。すなわち、制御配線数が少なく集積回路基板1
1において有効に使える面積を減じることがない。
【0034】また、可動エアブリッジ18を使用した高
周波スイッチ10であるので、その高速応答の特徴が保
たれ、回転による切り替えのように動作応答時間が長く
なることはない。
【0035】これにより、前述の従来技術おいて問題と
なっていた、高速の高周波スイッチ10は制御のための
配線数が多く無駄なスペースをとること、多数点の切り
替えが一つの高周波スイッチ10でできるデバイス構造
を取ると動作応答時間が長くなること、という二つの問
題が解決される。
【0036】このようなデバイス構造の可動エアブリッ
ジ18を採用することにより、高周波スイッチ10の電
気的特性は同一に保ったまま、換言すれば、その寸法は
同一のままで積層数に限らずさまざまな方法により機械
定数、すなわち動作点を変化させることができるが、ど
のような方法を取るかによって製造の難易、ひいては製
造コストが増減するので、発明者らは種々の手法につい
て実験を行い、いくつかのデバイス構造が適切であるこ
とを見いだした。
【0037】その一つは、可動エアブリッジ18を構成
する薄膜材料の少なくとも一つの層が異なる膜厚を有す
る複数の種類の高周波スイッチ10,…,10を同一基
板11上に形成し、集積化高周波スイッチアレイ22を
構成するデバイス構造である(請求項4のデバイス構
造)。
【0038】通常、フォトリソグラフィにより場所を制
限してエッチングを行うことにより膜厚を変えることが
できる点から、上部層14の膜厚を変化することが望ま
しいが、厚さを変える層はそれに限るものではない。
【0039】このような構成によれば、可動エアブリッ
ジ18の作成手順は基板11の全面にわたって同一であ
り、後処理としてエッチングの工程が加わるのみである
ので、比較的安価なコストで本発明の構成を実現でき
る。
【0040】この、主に上部層14の厚さを変える方法
は、同一の制御信号線31に接続される高周波スイッチ
10の数があまり多くない範囲、おおむね6個以下の場
合は良好な再現性で多値制御ができたが、膜厚のコント
ロールによる機械定数の調節には比較的大きなマージン
が必要であるので、通常の制御電圧Vcの範囲、おおむ
ね0ボルトから40ボルトの範囲では5個を超える高周
波スイッチ10を多値制御により動作させると動作点が
正確に設定されていないことにより誤動作することがあ
った。
【0041】そこで、可動エアブリッジ18の機械定数
をより細かい分解能で再現性よく制御することができる
デバイス構造として、可動エアブリッジ18を構成する
薄膜材料の少なくとも一つの層が異なる形状にパターニ
ングされた複数の種類の高周波スイッチ10,…,10
を同一基板11上に形成し、集積化高周波スイッチアレ
イ22を構成するデバイス構造(請求項5に記載のデバ
イス構造)とした。
【0042】このようなデバイス構造によれば、膜厚を
変化する場合に比べて上部層14の内部応力をより細か
い分解能で変化させることができ、それぞれの高周波ス
イッチ10の動作点をより近接させて設定しても誤動作
することはないという効果が得られた。
【0043】ここでパターニングの形状としては、スト
ライプ幅を変えたり開口率の異なる格子形状などが作成
が簡単で設定した動作点の再現性が良好である。
【0044】このようなデバイス構造によれば上記と同
じ制御電圧Vcの範囲でおよそ2倍の高周波スイッチ1
0を多値制御によりコントロールすることができた。
【0045】以上説明したように、高周波スイッチ10
ごとに異なる内部応力を有する可動エアブリッジ18を
作成できるので、その機械定数を個別に設定することが
でき、可動エアブリッジ18が変位する閾値電圧を変え
ることができる。
【0046】したがって、電気的特性が同一であるが動
作点の異なる高周波スイッチ10を同一基板11上に形
成でき、これらの高周波スイッチ10を同一の制御信号
線31に並列に接続して、多値の制御電圧Vcにより制
御することが可能となる。
【0047】すなわち、制御配線数が少なく集積回路基
板11において有効に使える面積を減じることがなく、
かつ動作遅れ時間の点に関しては可動エアブリッジ18
を使用した高周波スイッチ10の高速応答の特徴が保た
れるので、回転による高周波スイッチ10のように遅れ
時間が増大することはない、という効果が得られる。
【0048】次に本発明の高周波スイッチ10を製造す
るに当たり最適な材料について調べるため、種々の金属
材料、誘電体材料、半導体材料を使用し、種々の組み合
わせの薄膜を種々の厚さで種々の層数積層し、その製造
コスト、動作点の安定性に代表される信頼性を実験によ
り比較した。
【0049】その結果、チタン及び金を用い、積層数は
3層とした請求項2に記載のデバイス構造が、製造コス
トが低く、高い動作信頼性を有していた。この構成は上
部層14のチタン層の膜厚を変化すること及び上部層1
4のチタン層をパターニングすることのどちらの方法に
よっても良好に動作点を変えることができ、集積化して
同一の制御信号線31により多値制御を行う場合にも適
していた。
【0050】次に、このデバイス構造の高周波スイッチ
10を再現性よく製造することができる製造方法を開発
するため、種々の薄膜作成法を用いて種々の条件により
請求項2のデバイス構造の高周波スイッチ10を作成
し、その特性を主に動作点の再現性の善し悪しの点から
比較する実験を行った。
【0051】その結果、チタン層(上部層14)を堆積
する方法として真空蒸着もしくはスパッタリングを使用
し、その雰囲気ガスとしてアルゴンガス(Arガス)に
窒素原子を含むガス(例えば、N2,NO,N2O,NH
3など)から選択された一つのガス、もしくはこれらか
ら選択されたガスのいくつかの混合ガスを加えたガスを
使用し反応性をもたせ、その分圧を層の堆積期間中一定
に保つ製造方法(請求項3の製造方法)を取ると良好な
結果が得られることがわかった。
【0052】作成した薄膜の組成分析から、この方法に
よれば窒素原子(元素記号:N)を含むガスの分圧に応
じた窒化チタン(TiN)が膜中に均一に分布して生成
され、内部応力が制御された薄膜が形成できるためと推
定される。
【0053】以上説明したように、請求項2の発明に記
載した材料と構成によれば、流通量が多く安価な材料を
使用して取り扱いが容易な薄膜作成法により本発明の高
周波スイッチ10が高信頼性を保ち低コストで製造でき
るので、これを使用した製品を安価に提供できるという
効果が得られる。 (第1実施形態)次に、図1の高周波スイッチを集積し
て作成した集積化高周波スイッチアレイの第1実施形態
を説明する。なお、上記の説明において既に記述したも
のと同一の部分については、同一符号を付し、重複した
説明は省略する。
【0054】請求項3の方法により請求項2の構成で上
部層14のチタン層の膜厚を変化した高周波スイッチ1
0を集積化した集積化高周波スイッチアレイ22(請求
項4のデバイス構造)を作成した。
【0055】すなわち、平面型高周波線路CPWが形成
された基板11上に、真空蒸着法またはスパッタリング
によりチタンを主成分とする薄膜を堆積する第1工程
と、第1工程に続いて、真空蒸着により金の薄膜を堆積
する第2工程と、第2工程に続いて、真空蒸着もしくは
スパッタリングにより、チタンを主成分とする薄膜を堆
積する第3工程とを少なくとも実行し、更に加えて、第
1工程における真空蒸着またはスパッタリングの雰囲気
ガス、及び第3工程における真空蒸着またはスパッタリ
ングの雰囲気ガスとして、アルゴンガス(Arガス)に
2,NO,N2O,NH3から選択された一つのガス、
またはこれらの中から選択されたガスのいくつかの混合
ガスを加えたガスを使用すると共に、ガスの分圧を所定
の層の堆積期間は一定に保つ点に特徴を有している。
【0056】本実施形態の集積化高周波スイッチアレイ
22は、可動エアブリッジ18を形成する薄膜材料の少
なくとも一つの層が異なる膜厚を有する一つ以上の高周
波スイッチ10から構成され、デバイス構造を有する複
数の高周波スイッチ10,…,10が同一の制御信号線
31に接続されて一群のユニットとなったデバイス構造
を有する点に特徴を有している。
【0057】作成した回路は米国特許5619061の
従来技術の図33(本明細書中の図4(a)に相当)に
ある移相量可変の移相器と同種の移相器20である。
【0058】これは、図4(b)にあるようなフェーズ
ドアレイアンテナの構成要素の一つとなるものである。
したがって、高速な移相量の切り替え動作とアンテナ全
体を小型に作成するため、移相器20には短い動作遅れ
時間と小さなスペースに作成できるデバイス構造の両方
が求められる。
【0059】半絶縁性のガリウム砒素(GaAs)基板
11上に1μmの厚さの金(元素記号:Au)を真空蒸
着により堆積し、リフトオフ法によって平面型高周波線
路CPWを作成した。外部導体12の間隔は80μmと
し、中心導体13の幅は40μmとした。
【0060】動作周波数を60GHzとして4分の1波
長(1/λ、λは中心波長(単位は[nm]))の間隔
でリアクタンス21A,21B,21C,21D,21
E,21Fを設けた。
【0061】図2は、図1の高周波スイッチを集積して
作成した集積化高周波スイッチアレイ22の第1実施形
態の上面図である。
【0062】本実施形態ではリアクタンス21A,21
B,21C,21D,21E,21Fは合計6個設け、
入力と出力を結ぶ線路との間にそれぞれ請求項2に記載
の構成の高周波スイッチ10(101,102,…,1
06)を設けた。
【0063】下層のチタン層16は、アルゴンガス(A
rガス)に窒素ガスN2を1パーセント添加した雰囲気
ガス内で圧力を1.33×10-4Paに保った真空蒸着
装置内で、チタン(元素記号:Ti)を真空蒸着するこ
とにより堆積した。
【0064】金(平面型高周波線路CPW)は、背圧を
1×10-5Pa以下に排気した後、真空蒸着により堆積
した。
【0065】上部のチタン層14は下部と同様の条件で
作成した。各層の膜厚は下部のチタン層が5nm、金の
層が800nmとなるように堆積した。
【0066】上部のチタン層14は、堆積中に基板11
直前に設置した遮蔽板を素子の入力側から出力側にステ
ップ状に移動させ、入力側に近い高周波スイッチ10
(101,102,…,106)から上部層14の膜厚
が5nm,5.5nm,6nm,6.5nm,7nm,
7.5nmとなるようにした。この積層膜はリフトオフ
法によりパターニングし所定の位置に可動エアブリッジ
18を形成した。
【0067】可動エアブリッジ18の大きさは40μm
幅で橋の長さは200μmとした。高周波線路上面から
の高さは1.2μmとした。
【0068】図3(a)は図2の集積化高周波スイッチ
アレイ22の等価回路であり、図3(b)は図3(a)
の集積化高周波スイッチアレイ22の動作を記録した動
作図である。。
【0069】制御信号線31は中心導体13と兼用して
いる。中心導体13にバイアスティーにより制御電圧V
cを印加し、印加電圧に対する高周波スイッチ10の動
作状態を調べた結果を図3(b)に示す。
【0070】図3(b)において数値“0”は高周波ス
イッチ10がオフ状態(不活性化状態)であることを示
し、数値“1”はオン状態であることを示している。
【0071】制御電圧Vc(図3(b)中のV1からV
6)は、制御電圧印加時にオン状態(活性化状態)とな
った高周波スイッチ10(101,102,…,10
6)が遷移した電圧で、30V(ボルト)から40Vの
間をほぼ均等に分割した電圧であった。
【0072】移相量は1個のリアクタンス21A,21
B,21C,21D,21E,21Fの値を51.4度
に相当する値に設定した。ネットワークアナライザによ
り制御電圧Vcを30V以下から40Vにわたって変化
した際の移相量を測定したところ、順次0から308度
の移相量に変化することができた。
【0073】この素子(集積化高周波スイッチアレイ2
2)は基板11の大きさが5×10mmの中に作成でき
た。また動作遅れ時間は0.1m秒以下であり、通常の
可動エアブリッジ18による高周波スイッチ10の動作
遅れ時間と同等であった。(比較例1)以下に、前述の
第1実施形態と前述の従来技術との性能比較を行った結
果を示す。
【0074】従来の可動エアブリッジによる高周波スイ
ッチ10Aを6個(10A,10B,10C,10D,
10E,10F)設けて第1実施形態と同一の回路の集
積化高周波スイッチアレイ22Aを作成した。高周波線
路及び可動エアブリッジ18Aの構成は可動エアブリッ
ジ18Aを単層の金で作成した他は第1実施形態と同一
の構成で作成した。
【0075】この集積化高周波スイッチアレイ22Aで
は高周波スイッチ10A,10B,10C,10D,1
0E,10Fの各々を個別に動作させるため制御電圧V
cを印加する制御線が6本必要であった。またそれぞれ
の高周波スイッチ10Aの制御電圧Vcを分離するため
各々の高周波スイッチ10A,10B,10C,10
D,10E,10Fと平面型高周波線路CPWとの間に
直流電流を阻止するコンデンサ部が必要であった。これ
らの配線及び素子のために基板サイズが10×10mm
となった。
【0076】このように本発明によれば高速動作の特徴
を無くすことなく制御線の数を減らし、より小さな基板
11内に回路を作成することができた。
【0077】以上説明したように、第1実施形態によれ
ば、可動エアブリッジ18の内部応力が良好に制御され
るので、請求項2に記載のデバイス構造を再現性よく作
成することができるという効果が得られる。
【0078】更に加えて、可動エアブリッジ18の作成
手順は基板11全面にわたって同一であり、後処理とし
てエッチングの工程が加わるのみであるので、比較的安
価なコストで本発明の構成を実現できる、という効果が
得られる。 (第2実施形態)次に、図1の高周波スイッチを集積し
て作成した集積化高周波スイッチアレイの第2実施形態
を説明する。なお、第1実施形態において既に記述した
ものと同一の部分については、同一符号を付し、重複し
た説明は省略する。
【0079】本実施形態の集積化高周波スイッチアレイ
22は、可動エアブリッジ18を形成する薄膜材料の少
なくとも一つの層が異なる形状にパターニングされた一
つ以上の高周波スイッチ10から構成され、デバイス構
造を有する複数の高周波スイッチ10,…,10が同一
の制御信号線31に接続されて一群のユニットとなった
デバイス構造を有する点に特徴とする移相器20であ
り、第1実施形態と同様の移相器20で移相量の分解能
を12とした。
【0080】リアクタンス21A,21B,21C,2
1D,21E,21Fの各々の値を26度に相当するも
のに設定し12個設けた。他は第1実施形態の素子(集
積化高周波スイッチアレイ22)と同様のデバイス構造
とした。
【0081】まず、第1実施形態の作成法と同様に上部
のチタン層14を、5nmから7.5nmの間を11等
分した膜厚となるよう、それぞれの高周波スイッチ10
(101,102,103,104,105,106)
を作成した。
【0082】しかしながら、高周波スイッチ10(10
1,102,103,104,105,106)は、制
御電圧Vcを変化させるとほぼ同じ動作点で同時に2個
の高周波スイッチ10が動作してしまう場合があった。
【0083】そこで、上部のチタン層14の膜厚は5n
mの一定とし、上部層14を堆積した後、各々の高周波
スイッチ10(101,102,103,104,10
5,106)が作成される箇所の開口率が10,15,
20,25,30,35,40,45,50,55,6
0,65%の格子形状を持つようにパターニングして高
周波スイッチ10(101,102,103,104,
105,106)を作成した。
【0084】その結果、各高周波スイッチ10(10
1,102,103,104,105,106)の動作
点は30Vから40Vをほぼ11等分した電圧になり再
現性のよい動作が得られた。
【0085】このように請求項5に記載のデバイス構造
によれば、請求項4に記載のデバイス構造によっては良
好な動作が得られない細かい分解能の多値動作が要求さ
れる場合でも、再現性のよい素子が作成できることがわ
かった。
【0086】以上説明したように、第1実施形態に依れ
ば、高周波スイッチ10の動作点を細かい分解能で正確
に設定することができ、同一の制御信号線31により制
御できる高周波スイッチ10の数を増加することができ
るという効果が得られる。 (第3実施形態)次に、図1の高周波スイッチを集積し
て作成した集積化高周波スイッチアレイの第3実施形態
を説明する。なお、第1実施形態または第2実施形態に
おいて既に記述したものと同一の部分については、同一
符号を付し、重複した説明は省略する。
【0087】本実施形態の高周波スイッチ10は、可動
エアブリッジ18を形成する薄膜材料が、第1の材料か
らなる中間層15を第2の材料からなる上部層14と第
3の材料からなる下部層16とにより挟着した3層構造
を有し、第1の材料として金を用い、第2及び第3の材
料が、チタンを主組成とし、上部層14及び下部層16
の各々厚さが、2〜8nmの範囲にあり、かつ中間層1
5の厚さに対して100分の1から10000分の1で
ある点に特徴を有している。
【0088】請求項2に記載の高周波スイッチ10を作
成する場合、上部層14、中間層15、下部層16の各
層の膜厚には良好な動作が得られる範囲が存在すること
が観測されたので、その最適な範囲を定めるための実験
を行った。
【0089】第1実施形態の集積化高周波スイッチアレ
イ22を種々の中間層15の厚さ、及び種々の上部層1
4の厚さ、種々の下部層16の厚さについて作成し、動
作点の再現性の点からこれら膜厚の最適な範囲を求め
た。
【0090】その結果、上部層14及び下部層16の厚
さは2〜8nmの範囲にあり、かつ中間層15の厚さに
対して100分の1から10000分の1の厚さよりも
薄い厚さとなる場合に良好な動作を行う素子が得られ、
この範囲(請求項2に記載の膜厚範囲)が適しているこ
とがわかった。
【0091】以上説明したように、第3実施形態に記載
した材料と構成によれば、流通量が多く安価な材料を使
用して取り扱いが容易な薄膜作成法により本発明の高周
波スイッチ10が高信頼性を保ち低コストで製造できる
ので、これを使用した製品を安価に提供できるという効
果が得られる。
【0092】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、高周波スイッ
チごとに異なる内部応力を有する可動エアブリッジを作
成できるので、その機械定数を個別に設定することがで
き、可動エアブリッジが変位する閾値電圧を変えること
ができる。
【0093】したがって、電気的特性が同一であるが動
作点の異なる高周波スイッチを同一基板上に形成でき、
これらの高周波スイッチを同一の制御信号線に並列に接
続して、多値の制御電圧により制御することが可能とな
る。
【0094】すなわち、制御配線数が少なく集積回路基
板において有効に使える面積を減じることがなく、かつ
動作遅れ時間の点に関しては可動エアブリッジを使用し
た高周波スイッチの高速応答の特徴が保たれるので、回
転による高周波スイッチのように遅れ時間が増大するこ
とはない、という効果が得られる。
【0095】請求項2の発明に記載した材料と構成によ
れば、流通量が多く安価な材料を使用して取り扱いが容
易な薄膜作成法により本発明の高周波スイッチが高信頼
性を保ち低コストで製造できるので、これを使用した製
品を安価に提供できるという効果が得られる。
【0096】請求項3の製造方法によれば、可動エアブ
リッジの内部応力が良好に制御されるので、請求項2に
記載のデバイス構造を再現性よく作成することができる
という効果が得られる。
【0097】請求項4の発明によれば、可動エアブリッ
ジの作成手順は基板全面にわたって同一であり、後処理
としてエッチングの工程が加わるのみであるので、比較
的安価なコストで本発明の構成を実現できる、という効
果が得られる。
【0098】請求項5の発明によれば、高周波スイッチ
の動作点を細かい分解能で正確に設定することができ、
同一の制御信号線により制御できる高周波スイッチ数を
増加することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高周波スイッチの基本構造を説明する
ための断面図である。
【図2】図1の高周波スイッチを集積して作成した集積
化高周波スイッチアレイの第1実施形態の上面図であ
る。
【図3】図3(a)は図2の集積化高周波スイッチアレ
イの等価回路であり、図3(b)は図3(a)の集積化
高周波スイッチアレイの動作を記録した動作図である。
【図4】図4(a)は従来技術素子の集積化高周波スイ
ッチアレイの等価回路図であり、図4(b)は図4
(a)の集積化高周波スイッチアレイを用いたフェーズ
ドアレイアンテナの等価回路図である。
【符号の説明】
10 高周波スイッチ 11 基板 12 外部導体 13 中心導体 14 上部層 15 中間層 16 下部層 18 可動エアブリッジ 20 移相器 21A〜21F リアクタンス 22 集積化高周波スイッチアレイ 31 制御信号線

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上の中心導体と外部導体とから構成
    される平面型高周波線路の中心導体にエアギャップを介
    して保持されブリッジの所定の一部が静電気力に応じて
    可撓するように構成された可動エアブリッジ部材と、当
    該可動エアブリッジ部材と当該平面型高周波線路との間
    に電位差を生じさせるための制御信号線とを有し、 前記可動エアブリッジが、内部応力の異なる複数の層を
    積層した構造の薄膜材料により形成され、 前記制御信号線を介して印加された電位差に基づいて生
    成される静電気力に応じて前記可動エアブリッジの所定
    の一部を撓ませるように変位させ、前記中心導体と前記
    外部導体との間、または中心導体に設けられた切断点の
    間を一時的に密に結合させることによって線路の開閉を
    行うようなデバイス構造を有することを特徴とする高周
    波スイッチ。
  2. 【請求項2】 前記可動エアブリッジを形成する薄膜材
    料が、第1の材料からなる中間層を第2の材料からなる
    上部層と第3の材料からなる下部層とにより挟着した3
    層構造を有し、 前記第1の材料として金を用い、 前記第2及び第3の材料が、チタンを主組成とし、 前記上部層及び前記下部層の各々厚さが、2乃至8nm
    の範囲にあり、かつ前記中間層の厚さに対して100分
    の1から10000分の1であることを特徴とする請求
    項1に記載の高周波スイッチ。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の高周波スイッチの製造
    方法であって、前記平面型高周波線路が形成された基板
    上に、真空蒸着法またはスパッタリングによりチタンを
    主成分とする薄膜を堆積する第1工程と、 前記第1工程に続いて、真空蒸着により金の薄膜を堆積
    する第2工程と、 前記第2工程に続いて、真空蒸着もしくはスパッタリン
    グにより、チタンを主成分とする薄膜を堆積する第3工
    程とを少なくとも含み、 前記第1工程における真空蒸着またはスパッタリングの
    雰囲気ガス、及び前記第3工程における真空蒸着または
    スパッタリングの雰囲気ガスとして、アルゴンガスと窒
    素原子を含むガスとの混合ガスを使用すると共に、当該
    混合ガスの分圧を所定の前記層の堆積期間は一定に保つ
    ことを特徴とする高周波スイッチの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記可動エアブリッジを形成する薄膜材
    料の少なくとも一つの層が異なる膜厚を有する一つ以上
    の前記高周波スイッチから構成され、 前記デバイス構造を有する複数の前記高周波スイッチが
    同一の制御信号線に接続されて一群のユニットとなった
    デバイス構造を有することを特徴とする請求項1に記載
    の高周波スイッチを用いた集積化高周波スイッチアレ
    イ。
  5. 【請求項5】 前記可動エアブリッジを形成する薄膜材
    料の少なくとも一つの層が異なる形状にパターニングさ
    れた一つ以上の前記高周波スイッチから構成され、 前記デバイス構造を有する複数の前記高周波スイッチが
    同一の制御信号線に接続されて一群のユニットとなった
    デバイス構造を有することを特徴とする請求項1に記載
    の高周波スイッチを用いた集積化高周波スイッチアレ
    イ。
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