JP3374697B2 - 粘土複合ゴム材料及びその製造方法 - Google Patents

粘土複合ゴム材料及びその製造方法

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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,弾性率が高く,機械的特性に優
れ,かつ薄物,複雑形状の成形品を作製するに適した粘
土複合ゴム材料及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来より,ゴム材料の機械的特性を改良す
るために,粘土鉱物の添加,混合が検討されている。例
えば,未加硫ゴムオリゴマーを加硫したオリゴマー架橋
体,未加硫ゴムを加硫した高分子ゴム架橋体がある。高
分子ゴム架橋体は,弾性率が高く,機械的特性に優れて
いるため,広く用いられている。
【0003】また,我々は,先に,ゴムの中に粘土鉱物
を均一に分散させた粘土複合ゴム材料を提案した(特願
平8−163941号)。この提案は,具体的には,ゴ
ム材料を,粘土鉱物の層間にゲスト分子を導入させた粘
土複合材料と混練して,ゲスト分子とゴム材料とを架橋
結合させるというものである。この材料は,上記の2種
の架橋体に比べて,ガス,液体等の流動体に対するバリ
ア性及び弾性率がともに高い材料である。
【0004】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記従来のゴ
ム複合材料においては,以下の問題がある。即ち,上記
のオリゴマー架橋体においては,ムーニー粘度が低く,
成形性には優れているが,上記の高分子ゴム架橋体と比
較して弾性率,引っ張り強度等の機械的特性に劣る。ま
た,上記の高分子ゴム架橋体は,ガス,液体等の流動体
に対するバリア性に劣り,弾性率も用途によっては不十
分である。また,本願の発明者らが提案した上記の粘土
複合ゴム材料においては,複雑形状品や,薄物成形品を
製造する材料としては,ややムーニー粘度が高く,改善
の余地がある。
【0005】本発明はかかる従来の問題点に鑑み,弾性
率が高く,機械的特性に優れ,かつ薄物,複雑形状の成
形品を作製するに適した粘土複合ゴム材料及びその製造
方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題の解決手段】請求項1の発明は,有機オニウムイ
オンがイオン結合することにより有機化された粘土鉱物
と,水素結合性の官能基を有する加硫されたゴムオリゴ
マーとを含有してなり,該加硫されたゴムオリゴマーは
その少なくとも一部が上記粘土鉱物の層間に入り込み上
記官能基により粘土鉱物と水素結合を形成し,該粘土鉱
物の層間が50Å以上拡大し,かつ疎水性のスペースを
形成しており, かつ,上記有機オニウムイオンは,ヘキ
シルアンモニウムイオン,オクチルアンモニウムイオ
ン,2−エチルヘキシルアンモニウムイオン,ドデシル
(ラウリル)アンモニウムイオン,オクタデシル(ステ
アリル)アンモニウムイオン,ジオクチルジメチルアン
モニウムイオン,トリオクチルアンモニウムイオン,ジ
ステアリルジメチルアンモニウムイオン,アルキルピリ
ジニウムイオンのいずれかよりなる,飽和炭素鎖を持つ
ものであることを特徴とする粘土複合ゴム材料である。
【0007】本発明において最も注目すべきことは,
記特定の「飽和炭素鎖を有する有機オニウムイオン」を
用いていること,ゴムオリゴマーの少なくとも一部が有
機化された粘土鉱物の層間に入り込んで層間が50Å以
上拡大して疎水性のスペースを形成していること,ゴム
オリゴマーに結合している官能基が粘土鉱物と水素結合
を形成していること,及びゴムオリゴマーが加硫してい
ることである。
【0008】本発明の粘土複合ゴム材料には,ゴムオリ
ゴマーのマトリックスの中に粘土鉱物を分子レベルで均
一に分散,混合しているため,ガス,液体等の流動体に
対するバリア性が高く,弾性率が高い。
【0009】また,ゴムオリゴマーは,加硫している。
そのため,粘土複合ゴム材料は粘性体から弾性体へと変
化して,実用的な弾性率を発揮することができる。ま
た,本発明の粘土複合ゴム材料は,上記従来の高分子ゴ
ム架橋体と比較して,ムーニー粘度が低く,薄物,複雑
形状の成形品を作製するに適している。そのため,ムー
ニー粘度が低く,薄状物や複雑形状品の成形に適してい
る。
【0010】なお,粘土鉱物が,ゴムオリゴマーのマト
リックスの中に分子レベルで均一に分散,混合する理由
は,以下のように考えられる。即ち,図1に示すごと
く,粘土鉱物7は,有機オニウムイオン6がイオン結合
することにより有機化されて,ゴムオリゴマー3が粘土
鉱物7の層間に入り込みやすい状態にある。また,ゴム
オリゴマー3は水素結合性の官能基30を有している。
そのため,ゴムオリゴマー3は,有機化された粘土鉱物
7の層間に入り込み,官能基30と粘土鉱物7との間に
水素結合を形成する。
【0011】それ故,ゴムオリゴマー3は粘土鉱物7の
層間に留まり,層間を50Å以上拡張し,疎水性のスペ
ースを形成する。従来粘土鉱物の分散が困難であったゴ
ムオリゴマー3に対しても粘土鉱物を均一に大きな層間
距離をもって分散させることができる。本発明の粘土複
合ゴム材料200によれば,ガス等に対する遮断性に優
れた成形品を得ることができる。
【0012】また,粘土鉱物7がゴムオリゴマー3の中
で均一に分散することにより,粘土鉱物7のシリケート
層近傍のゴムオリゴマー3の運動が拘束される。そのた
め,粘土複合ゴム材料200の力学的性質に良好な影響
を与える。
【0013】請求項2の発明は,粘土鉱物を,有機オニ
ウムイオンに接触させることにより,上記粘土鉱物と上
記有機オニウムイオンとの間にイオン結合を形成して上
記粘土鉱物を有機化する工程と,上記有機化された粘土
鉱物と水素結合性の官能基を有する未加硫のゴムオリゴ
マーとを混合することにより,上記粘土鉱物の層間に上
記ゴムオリゴマーの少なくとも一部を入り込ませて上記
ゴムオリゴマーの官能基と上記粘土鉱物との間に水素結
合を形成する工程と,上記ゴムオリゴマーを加硫する工
程とよりなり,上記加硫されたゴムオリゴマーの少なく
とも一部が上記粘土鉱物の層間に入り込み上記官能基に
より粘土鉱物と水素結合を形成し,該粘土鉱物の層間が
50Å以上拡大し,疎水性のスペースを形成しており,
かつ,上記有機オニウムイオンは,ヘキシルアンモニウ
ムイオン,オクチルアンモニウムイオン,2−エチルヘ
キシルアンモニウムイオン,ドデシル(ラウリル)アン
モニウムイオン,オクタデシル(ステアリル)アンモニ
ウムイオン,ジオクチルジメチルアンモニウムイオン,
トリオクチルアンモニウムイオン,ジステアリルジメチ
ルアンモニウムイオン,アルキルピリジニウムイオンの
いずれかよりなる,飽和炭素鎖を持つものであることを
特徴とする粘土複合ゴム材料の製造方法である。
【0014】本発明において最も注目すべきことは,
記特定の「飽和炭素鎖を有する有機オニウムイオン」を
用いること,有機化された粘土鉱物の層間に,水素結合
性の官能基を有するゴムオリゴマーを入り込ませるこ
と,また,該官能基と粘土鉱物とを水素結合を形成する
こと,更に,ゴムオリゴマーを加硫することである。そ
して,上記加硫されたゴムオリゴマーの少なくとも一部
が上記粘土鉱物の層間に入り込み上記官能基により粘土
鉱物と水素結合を形成し,該粘土鉱物の層間が50Å以
上拡大し,疎水性のスペースを形成している粘土複合ゴ
ム材料を得ることができる。
【0015】本発明によれば,有機化された粘土鉱物の
層間にゴムオリゴマーを入り込ませて水素結合により層
間に留めることができるため,粘土鉱物の層間が拡張し
50Å以上となり,ここに疎水性のスペースを確保す
。また,ゴムオリゴマーは,加硫するため,粘度が低
くなり,薄状成形品や複雑形状品の成形材料として最適
な粘土複合ゴム材料を製造することができる。従って,
本発明によれば,上記のごとく優れた特徴を有する請求
項1の粘土複合ゴム材料を製造することができる。
【0016】次に,上記請求項1及び請求項2の詳細に
ついて説明する。上記粘土鉱物は,ゴムオリゴマーとの
接触面積が大きいことが好ましい。具体的には,粘土鉱
物の陽イオンの交換容量は,50〜200ミリ等量/1
00gであることが好ましい。これにより,粘土鉱物
は,ゴムオリゴマーとの接触面積が大きくなる。
【0017】一方,交換容量が200ミリ等量/100
gを越えた場合には,粘土鉱物の層間の結合力が強固と
なり,本発明の目的とする効果が得られなくなるおそれ
がある。また,50ミリ等量/100g未満の場合に
は,オニウムイオンの交換が充分に行えず,やはり本発
明の効果が得られなくなるおそれがある。
【0018】上記粘土鉱物としては,具体的には,モン
モリロナイト,サポナイト,ヘクトライト,バイデライ
ト,スティブンサイト,ノントロナイトなどのスメクタ
イト系粘土鉱物,バーミキュライト,ハロイサイト,又
は膨潤性マイカなどがあり,天然のものでも合成きれた
ものでも良い。
【0019】上記有機オニウムイオンは,オニウムイオ
ンを有する有機物である。有機オニウムイオンとして
,ヘキシルアンモニウムイオン,オクチルアンモニウ
ムイオン,2−エチルヘキシルアンモニムイオン,ドデ
シル(ラウリル)アンモニウムイオン,オクタデシル
(ステアリル)アンモニウムイオン,ジオクチルジメチ
ルアンモニウムイオン,トリオクチルアンモニウムイオ
ン,ジステアリルジメチルアンモニウムイオン,アルキ
ルピリジニウムイオンのいずれかよりなる,飽和炭素鎖
を有するものを用いる。上記オニウムイオンは,4級ア
ンモニウム塩であっても,1,2,3級アミンをプロト
ンとして用いたものであってもよい。
【0020】粘土鉱物を有機化する工程においては,例
えば,粘土鉱物を有機オニウムイオンでイオン交換す
る。この操作により粘土鉱物の層間距離は初期よりも拡
大する。例えば,有機化する前の粘土鉱物の層間距離が
12Åの場合には,有機化した後の粘土鉱物の層間距離
は16〜36Å程度に拡大する。
【0021】次に,上記ゴムオリゴマーとしては,合成
ゴムとして使用されている高分子,例えばスチレンブタ
ジエン共重合体,ポリブタジエン,ポリブタジエン,ポ
リイソプレン,ポリアクリロニトリルブタジエン共重合
体,ポリクロロプレン,ポリエチレンプロピレン共重体
ブチレン,ポリアクリル,シリコーン,ポリフッ化ビ
ニリデン,ポリウレタン,天然ゴム等のオリゴマーを用
いることができる。また,ゴムオリゴマーの分子鎖は,
直鎖状,分岐状いずれでもよい。
【0022】未加硫ゴムオリゴマーの分子量は,数百〜
数万程度であることが好ましい。これにより,オリゴマ
ー架橋体の弾性率が高くなり,ムーニー粘度を低くする
ことができる。一方,未加硫ゴムオリゴマーの分子量が
数百未満の場合には,オリゴマー架橋体の弾性率が低下
し,実用的でない場合がある。また,数万程度を超える
場合には,ムーニー粘度が高くなり,成形性が低下する
おそれがある。このうち特に弾性率とムーニー粘度の兼
合で実用的なゴムオリゴマーの分子量の範囲は3000
から10000程度である。しかし,これに限定される
ものではない。
【0023】ゴムオリゴマー分子は,極性官能基,特に
水素結合性官能基を有している。水素結合性の官能基と
しては,例えば,水酸基,カルボキシル基,アミド基,
イミド基,酸無水物,アミノ基,イミノ基,スルホニル
基,ホスホリル基,チオール基等があげられる。上記官
能基は,未加硫オリゴマー分子の末端,分子鎖中いずれ
の位置に結合していても良い。
【0024】上記極性官能基とは,分子内において電子
が局在しており,電荷の偏りが生じたものをいい,完全
に分極したイオン性官能基は含まない。よって,オニウ
ムイオンは,上記極性官能基には含まれない。
【0025】上記ゴムオリゴマーとしては,合成ゴムと
して用いられている高分子,例えば,両末端に水酸基を
含有するポリブタジエンオリゴマー,両末端に水酸基を
含有する水添ポリブタジエンオリゴマー,両末端に水酸
基を含有するポリイソプレンオリゴマー,両末端に水酸
基を含有する水添ポリイソプレンオリゴマー,側鎖に水
酸基を含有するポリイソプレンオリゴマー,水酸基を含
有するポリエステルオリゴマー,水酸基を含有するポリ
エーテルオリゴマーを用いることができる。ゴムオリゴ
マーは,不飽和結合を有している。不飽和結合部位より
架橋結合が形成されて,ゴムオリゴマーが加硫する。不
飽和結合の数は,希望する架橋結合の密度に応ずる。
【0026】有機化された粘土鉱物とゴムオリゴマーと
を混合する工程においては,両者を直接混合するか,あ
るいは適当な共溶媒を用いて混合した後,溶媒を除去す
ることによって混合する。また,上記粘土鉱物とゴムオ
リゴマーとの混合物を加熱することでより効果的に十分
に混合することができる。
【0027】有機化された粘土鉱物のゴムオリゴマーに
対する添加量は,1重量%から50重量%程度の範囲で
あることが好ましい。1重量%未満の場合には,有機化
された粘土鉱物の添加による効果が発揮されなくなる恐
れがある。また,50重量%を超える場合には,粘土複
合ゴム材料のムーニー粘度が高くなるため,成形牲が低
下する恐れがある。
【0028】有機化された粘土鉱物とゴムオリゴマーと
の混合によって,ゴムオリゴマー分子の官能基が上記粘
土鉱物の層間の表面と水素結合を形成する。これによ
り,粘土鉱物の層間に疎水性のスペースが確保され,層
間にゴムオリゴマーの少なくとも一部が進入する。ゴム
オリゴマーの進入により,層間は,約50Å以上拡大す
る。
【0029】有機化された粘土鉱物とゴムオリゴマーと
の複合体のムーニー粘度は約5(MS1+4 ,100℃)
程度である。一方,通常の未加硫高分子や特願平8−1
63941号の発明の粘土複合ゴム材料のムーニー粘度
は20〜50(MS1+4 ,100℃)程度である。従っ
て,本発明の粘土複合ゴム材料は,従来技術に比べてム
ーニー粘度が小さい。このため,本発明の粘土複合ゴム
材料は,従来技術と比較して成形が容易で,薄物,複雑
形状の成形体の作製に適する。
【0030】また,ゴムオリゴマーの加硫は,有機化粘
土鉱物とゴムオリゴマーの複合体に対して混練等の方法
によって加硫剤を混合し,プレス成形や押出成形といっ
た方法で成形した後加熱することによって行なうことが
できる。架橋剤には,一般的なゴムの加硫剤として使用
しうるものであればいずれも使用できる。例えば,硫黄
加硫の場合には,一般に,硫黄,加硫促進剤,加硫助剤
等を加える。また,パーオキサイド加硫の場合に用いら
れる有機過酸化物等も使用可能である。
【0031】
【発明の実施の形態】
実施形態例1 本発明の実施形態例に係る粘土複合ゴム材料について,
図1を用いて説明する。本例の粘土複合ゴム材料200
は,有機オニウムイオン6がイオン結合することにより
有機化された粘土鉱物7と水素結合性の官能基30を有
する加硫されたゴムオリゴマー3とを含有している。ゴ
ムオリゴマー3はその少なくとも一部が粘土鉱物7の層
間に入り込み官能基30により粘土鉱物7と水素結合を
形成している。
【0032】粘土鉱物は,モンモリロナイトを用いる。
有機オニウムイオンは,ステアリルアミンを用いる。水
素結合性の官能基を有するゴムオリゴマーは,LIR5
06(クラレ製)を用いる。LIR506は,分子量が
25000程度であり,両末端に水素基を結合してい
る。
【0033】次に,上記粘土複合ゴム材料の製造方法に
ついて説明する。まず,その概要を説明すると,粘土鉱
物を有機オニウムイオンにより有機化し,次いで,有機
化された粘土鉱物と水素結合性官能基を有する未加硫の
ゴムオリゴマーと混合し,ゴムオリゴマーを加硫する。
【0034】次に,上記粘土複合ゴム材料の製造方法の
詳細について説明する。まず,31gのステアリルアミ
ンを,80gのモンモリロナイトを接触させて,モンモ
リロナイトを有機化した。有機化されたモンモリロナイ
ト7gに,100gのLIR506を加えて,100℃
で20分加熱した。
【0035】次いで,3gのステアリン酸,5gの亜鉛
華#1,3gの硫黄,1.5gの加硫促進剤MSA(N
−Oxydiethylene−2−benzothi
azole sulfenamide),及び1gの老
化防止剤224(Polymerized 2,2,4
−trimethyl−1,2−dihydroqui
noline)を加え,攪拌した。これらを100℃で
1時間真空脱気し,これを厚み2mmのシートに成形し
た。この成形体を160℃で40分ホットプレスし,ス
テアリルモンモリロナイト−オリゴマー架橋体からなる
シートを得た。
【0036】
【0037】
【0038】比較例1 本例においては,粘土鉱物を添加しないで,オリゴマー
架橋体を得た。即ち,オリゴマーLIR506(クラレ
製)100gに,3gのステアリン酸,5gの亜鉛華#
1,3gの硫黄,1.5gの加硫促進剤MSA,及び1
gの老化防止剤224を加え,攪拌後,100℃で1時
間真空脱気し,2mmの厚みのシートに成形した。,そ
の後,このシート成形体を160℃,40分ホットプレ
スして,オリゴマー架橋体からなるシートを得た。な
お,本例で用いたMSA及び老化防止剤は,実施形態例
1と同様である。
【0039】比較例2 本例においては,水酸基変性オリゴマーLIR506の
代わりに,ブチルゴムを用いた点が,比較例1と相違す
る。即ち,ブチルゴム(日本合成ゴムButyl126
8)100gに対し,1gのステアリン酸,3gの亜鉛
華#1,1gの加硫促進剤TT(Tetra meth
ylthiaramdisulfide),及び1.7
5gの硫黄を加え,ロール混練し,これを厚み2mmの
シートに成形した。次いで,シート成形体を150℃,
40分ホットプレスして,高分子ゴム架橋体からなるシ
ートを得た。
【0040】比較例3 本例においては,水素結合性の官能基を有しないゴムオ
リゴマーと,有機化された粘土鉱物とを用いて,DSD
M−Mt−高分子ゴム架橋体を得た。即ち,ブチルゴム
(日本合成ゴムButyl1268)100gに,素練
り促進剤としてのステアリン酸を加えた。次いで,この
中に,ジメチルステアリルアンモニウムにより有機化し
たモンモリロナイト(DSDM−Mt)を無機分で5g
加え,更に,分散剤としてのカレン800(商品名,H
ardman社製)を10g加えた。
【0041】次いで,1gのステアリン酸,3gの亜鉛
華#1,1gの加硫促進剤TT(比較例2と同様のも
の),1.75gの硫黄を加え,ロール混練し,これを
厚み2mmのシートに成形した。その後,シート成形体
を150℃,40分ホットプレスして,DSDM−Mt
−高分子ゴム架橋体からなるシートを得た。
【0042】(実験例) 次に,実施形態例1,比較例1〜3の架橋体について,
弾性率及びムーニー粘度を測定した。弾性率の測定は,
岩本製作所製の粘弾性スペクトロメーターを用いて行っ
た。また,JISK6300に基づいて,100℃にお
けるムーニー粘度(HS1+4,100℃)を測定した。
測定に供した試験片は,各シートを厚み2mm,幅5m
m,長さ50mmに切断したものを用いた。その測定結
果を表1に示した。
【0043】表1より知られるように,実施形態例
,比較例1〜3に比べて,高い弾性率を有し,またム
ーニー粘度は低かった。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】本発明によれば,弾性率が高く,機械的
特性に優れ,かつ薄物,複雑形状の成形品を作製するに
適した粘土複合ゴム材料及びその製造方法を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における,粘土複合ゴム材料の説明図。
【符号の説明】
3...ゴムオリゴマー, 30...官能基, 200...粘土複合ゴム材料, 6...有機オニウムイオン, 7...粘土鉱物,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡田 茜 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (56)参考文献 特開 平1−198645(JP,A) 特開 平8−333114(JP,A) 特開 平10−7418(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 9/00 - 21/00 C08K 3/34 C08K 9/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機オニウムイオンがイオン結合するこ
    とにより有機化された粘土鉱物と,水素結合性の官能基
    を有する加硫されたゴムオリゴマーとを含有してなり, 該加硫されたゴムオリゴマーはその少なくとも一部が上
    記粘土鉱物の層間に入り込み上記官能基により粘土鉱物
    と水素結合を形成し,該粘土鉱物の層間が50Å以上拡
    大し,かつ疎水性のスペースを形成しており, かつ,上記有機オニウムイオンは,ヘキシルアンモニウ
    ムイオン,オクチルアンモニウムイオン,2−エチルヘ
    キシルアンモニウムイオン,ドデシル(ラウリル)アン
    モニウムイオン,オクタデシル(ステアリル)アンモニ
    ウムイオン,ジオクチルジメチルアンモニウムイオン,
    トリオクチルアンモニウムイオン,ジステアリルジメチ
    ルアンモニウムイオン,アルキルピリジニウムイオンの
    いずれかよりなる,飽和炭素鎖を持つものである ことを
    特徴とする粘土複合ゴム材料。
  2. 【請求項2】 粘土鉱物を,有機オニウムイオンに接触
    させることにより,上記粘土鉱物と上記有機オニウムイ
    オンとの間にイオン結合を形成して上記粘土鉱物を有機
    化する工程と, 上記有機化された粘土鉱物と水素結合性の官能基を有す
    る未加硫のゴムオリゴマーとを混合することにより,上
    記粘土鉱物の層間に上記ゴムオリゴマーの少なくとも一
    部を入り込ませて上記ゴムオリゴマーの官能基と上記粘
    土鉱物との間に水素結合を形成する工程と, 上記ゴムオリゴマーを加硫する工程とよりなり, 上記加硫されたゴムオリゴマーの少なくとも一部が上記
    粘土鉱物の層間に入り込み上記官能基により粘土鉱物と
    水素結合を形成し,該粘土鉱物の層間が50Å以上拡大
    し,疎水性のスペースを形成しており, かつ,上記有機オニウムイオンは,ヘキシルアンモニウ
    ムイオン,オクチルアンモニウムイオン,2−エチルヘ
    キシルアンモニウムイオン,ドデシル(ラウリル)アン
    モニウムイオン,オクタデシル(ステアリル)アンモニ
    ウムイオン,ジオクチルジメチルアンモニウムイオン,
    トリオクチルアンモニウムイオン,ジステアリルジメチ
    ルアンモニウムイオン,アルキルピリジニウムイオンの
    いずれか よりなる,飽和炭素鎖を持つものである ことを
    特徴とする粘土複合ゴム材料の製造方法。
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