JP3373233B2 - 含水殺菌組成物 - Google Patents

含水殺菌組成物

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JP3373233B2
JP3373233B2 JP32728192A JP32728192A JP3373233B2 JP 3373233 B2 JP3373233 B2 JP 3373233B2 JP 32728192 A JP32728192 A JP 32728192A JP 32728192 A JP32728192 A JP 32728192A JP 3373233 B2 JP3373233 B2 JP 3373233B2
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康二 亀田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、工業用の殺菌剤等とし
て有用な含水殺菌組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、特定の構造を有するカーバメート
化合物が、殺菌剤、ダニ防除剤、水性無脊椎動物駆除剤
等として有用であることが知られている。例えば、特開
昭50−31036号公報には、3−ヨード−2−プロ
ピニル ブチルカーバメートなどのカーバメート化合物
を含有する殺菌剤組成物及び塗料組成物が開示されてい
る。
【0003】また、特開昭59−193860号公報に
は、N−アラルキル又はN−置換アリールカーバメート
化合物を含む防藻剤が、特開昭61−17504号公報
には、特定のカーバメート化合物を含む水生無脊椎動物
用忌避剤及び駆除剤が開示されている。さらに、特開平
2−152911号公報及び特開平3−294205号
公報には、3−ヨード−2−プロピニル ブチルカーバ
メートを有効成分とするダニ防除剤が開示されている。
【0004】前記カーバメート化合物を含む薬剤は、油
剤、乳化剤、水和剤、水溶液等として用いられるが、何
れの液剤であっても、これを長期間、特に高い温度条件
下で保存すると、液剤が次第に着色すると共に、活性成
分が徐々に分解し、殺菌効果などが減少する。
【0005】このようなカーバメート化合物の着色を防
止するため、米国特許第4276211号明細書には、
殺菌活性を有するカーバメート化合物及びエポキシ化合
物を含む被覆用組成物が開示されている。この明細書に
よれば、前記カーバメート化合物は有機溶媒に溶解し、
或いは水と乳化させて対象物の表面に塗布される。そし
て、前記カーバメート化合物の有機溶媒溶液として、3
−ヨード−2−プロピニル ブチルカーバメート40重
量%、有機溶媒55重量%及びエポキシ化合物5重量%
とからなる液剤が、トロイサンポリフェーズAF−1
(トロイケミカル社の商品名)として市販されている。
しかし、このような殺菌組成物の溶媒として有機溶剤の
みを用いることは、取扱性、安全性及び衛生上の観点か
ら好ましくない。安全性等を高めるためには含水殺菌組
成物とするのが好ましいが、従来の有機溶剤のみを用い
た液剤に単に水を加えても、カーバメート化合物の水に
対する溶解性が低いため、極めて稀薄な液剤しか得られ
ず、しかも水により前記カーバメート化合物が分解され
やすく安定性が低い。
【0006】そこで、最近、前記カーバメート化合物を
有効成分として含有し、長期間安定でしかも取扱性及び
安全性に優れた含水殺菌組成物が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、有効成分としてカーバメート化合物を含む殺菌
組成物であって、長期間保存しても分解、着色などが起
こらず、安定で且つ取扱性及び安全性に優れた含水殺菌
組成物を提供することにある。
【0008】
【発明の構成】本発明者らは、前記目的を達成するた
め、鋭意検討した結果、カーバメート化合物およびエポ
キシ化合物に加えて特定のグリコールモノエーテル類を
含有する含水殺菌組成物が、予想外にも、高い生理活性
を保持すると共に、均一でしかも安定性及び安全性が著
しく高いこと、したがって、カーバメート化合物を有効
成分とする実用的な工業用含水殺菌組成物として極めて
優れていることを見出だし、本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明は、(1)カーバメート
化合物、エポキシ化合物および式(I)で表されるグリ
コールモノエーテル類を含有する含水殺菌組成物であっ
て、前記カーバメート化合物が式(II)で表される化合
物であり、前記エポキシ化合物が式(III)で表される
化合物である含水殺菌組成物に関する。
【化4】 (式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基、mおよびn
は同一または相異なって、1〜4の整数を示す。R 2
炭化水素基、Xはハロゲン原子、yおよびzは同一また
は相異なって1〜3の整数を示す。R 3 は炭素数4〜1
4の脂肪族基、aは1〜3の整数を示す
【0010】また、本発明は、(2)水100重量部に
対して、カーバメート化合物0.5〜300重量部、エ
ポキシ化合物0.01〜50重量部、およびグリコール
モノエーテル類5〜500重量部を含有する前記(1)
記載の含水殺菌組成物に関する。
【0011】さらに、本発明は、(3)カーバメート化
合物が、3−ヨード−2−プロピニル ブチルカーバメ
ートである前記(1)記載の含水殺菌組成物に関する。
【0012】さらに、本発明は、(4)エポキシ化合物
が、ネオペンチルグリコールグリシジルエーテルである
前記(1)記載の含水殺菌組成物、(5) エポキシ化合物が、2−エチルヘキシルグリシジ
ルエーテルである前記(1)記載の含水殺菌組成物、(6) mおよびnが同一または相異なって2〜4の整数
であるグリコールモノエーテル類を含有する前記(1)
記載の含水殺菌組成物、(7) mおよびnが2であるグリコールモノエーテル類
を含有する前記(1)記載の含水殺菌組成物、および(8) グリコールモノエーテル類が、メチルカルビトー
ルである前記(1)記載の含水殺菌組成物に関する。
【0013】前記カーバメート化合物には、殺菌活性を
有するカーバメート化合物、例えば式(II)で表され
る化合物などが含まれる。
【0014】前記R2 における炭化水素基には、前記z
の値に対応した1価、2価及び3価の炭化水素基が含ま
れる。
【0015】1価の炭化水素基には、メチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブ
チル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、オクタ
デシル、イコシル基などの直鎖又は分岐鎖状のアルキル
基;アリル、イソプロペニル、2−ブテニル、1,3−
ブタジエニル基などの直鎖又は分岐鎖状のアルケニル
基;シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチ
ル、シクロオクチル基などのシクロアルキル基;2−シ
クロペンテン−1−イル、2,4−シクロヘキサジエン
−1−イル基などのシクロアルケニル基;フェニル、ナ
フチル基などのアリール基;ベンジル、2−フェニルエ
チル基などのアラルキル基などが含まれる。
【0016】2価の炭化水素基には、メチレン、エチレ
ン、トリメチレン、テトラメチレン、エチルエチレン、
ヘキサメチレン、デカメチレン基などのアルキレン基;
プロペニレン、4−プロピル−2−ペンテニレン基など
のアルケニレン基;1,3−シクロヘキシレン基などの
シクロアルキレン基;2,5−シクロヘキサジエン−
1,4−イレン基などのシクロアルケニレン基;o−フ
ェニレン、m−フェニレン、p−フェニレン、1,4−
ナフチレン基などのアリレン基、4,4′−メチレンジ
フェニル基などのアルキレンジフェニル基などが含まれ
る。また、3価の炭化水素基には、1,2,3−プロパ
ントリイル基などのアルカントリイル基などが含まれ
る。
【0017】これらの炭化水素基は、メチル、エチル基
などのアルキル基;塩素、臭素原子などのハロゲン原
子;メトキシ、エトキシ基などのアルコキシ基などで置
換されていてもよい。
【0018】好ましい炭化水素基には、炭素数1〜20
の炭化水素基が含まれる。
【0019】前記Xにおけるハロゲン原子には、フッ
素、塩素、臭素およびヨウ素原子が含まれる。これらの
うち、臭素またはヨウ素原子、なかでもヨウ素原子が好
適に用いられる。好ましいzは1または2、特に1であ
り、好ましいyは1である。
【0020】前記式(II)で表されるカーバメート化
合物のうち、好ましい化合物には、前記炭化水素基が1
価又は2価の化合物が含まれる。
【0021】炭化水素基が1価の化合物として、炭化水
素基がアルキル基の化合物、例えば、3−ヨード−2−
プロピニル メチルカーバメート、3−ヨード−2−プ
ロピニル エチルカーバメート、3−ヨード−2−プロ
ピニル プロピルカーバメート、3−ヨード−2−プロ
ピニル ブチルカーバメート、3−ヨード−2−プロピ
ニル t−ブチルカーバメート、3−ヨード−2−プロ
ピニル ヘキシルカーバメート、3−ヨード−2−プロ
ピニル オクチルカーバメート、4−ヨード−3−ブチ
ニル ブチルカーバメートなど;炭化水素基がアルケニ
ル基の化合物、例えば、3−ヨード−2−プロピニル
アリルカーバメートなど;炭化水素基がシクロアルキル
基の化合物、例えば、3−ヨード−2−プロピニル シ
クロヘキシルカーバメートなど;炭化水素基がアリール
基の化合物、例えば、3−ヨード−2−プロピニル フ
ェニルカーバメート、3−ヨード−2−プロピニル 4
−クロロフェニルカーバメート、3−ヨード−2−プロ
ピニル 3−メチルフェニルカーバメートなど;炭化水
素基がアラルキル基の化合物、例えば、3−ヨード−2
−プロピニル ベンジルカーバメートなどが例示され
る。
【0022】炭化水素基が2価の化合物として、例え
ば、ジ(3−ヨード−2−プロピニル) ヘキサメチレ
ンカーバメートなど炭化水素基がアルキレン基の化合
物;ジ(3−ヨード−2−プロピニル) 4,4′−メ
チレンジフェニルカーバメートなど炭化水素基がアルキ
レンジフェニル基の化合物などが例示される。前記カー
バメート化合物は、一種又は二種以上混合して使用でき
る。
【0023】上記カーバメート化合物のなかでも、前記
炭化水素基がエチル、ブチル基などの炭素数1〜5の低
級アルキル基である化合物、特に3−ヨード−2−プロ
ピニル ブチルカーバメートなどの前記炭化水素基がブ
チル基である化合物が好ましい。
【0024】前記式(II)で表されるカーバメート化
合物は、例えば、対応するアルコールとイソシアネート
とから、公知の方法により製造することができる。
【0025】前記エポキシ化合物としては、分子内にエ
ポキシ基を有する化合物であればよく、例えば、式(I
II)で表される化合物などが好適に使用できる。
【0026】前記R3 における炭素数4〜14の脂肪族
基には、前記aの値に対応した1価、2価及び3価の脂
肪族基が含まれる。
【0027】1価の脂肪族基には、ブチル、イソブチ
ル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチ
ル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、2−エチ
ルブチル、ヘプチル、イソヘプチル、オクチル、イソオ
クチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデ
シル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル基などの直
鎖又は分岐鎖状のアルキル基;1−ブテニル、3−ブテ
ニル、2−メチル−1−プロペニル、1,3−ブタジエ
ニル、1−ヘキセニル、1−オクテニルなどの直鎖又は
分岐鎖状のアルケニル基などが含まれる。
【0028】2価の脂肪族基には、テトラメチレン、エ
チルエチレン、ペンタメチレン、2,2−ジメチルトリ
メチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、デカメチ
レンなどのアルキレン基;4−プロピル−2−ペンテニ
レンなどのアルケニレン基;および式(IV)で表され
る基などが含まれる。
【0029】
【化7】 [式中、R4 は水素原子又はメチル基、bは1〜6の整
数(但し、R4 がメチル基の場合は1〜3の整数)を示
す]また、3価の脂肪族基には、例えば、式(V)で表
される脂肪族基が含まれる。
【0030】
【化8】 [式中、R5 は水素原子又は低級アルキル基、cは0又
は1(但し、R5 が水素原子の場合は1)を示す]前記
低級アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル基
等が挙げられる。
【0031】上記炭素数4〜14の脂肪族基のうち、炭
素数5〜10の脂肪族基、なかでも、2−エチルヘキシ
ル基、2,2−ジメチルトリメチレン基などの炭素数5
〜8のアルキル基およびアルキレン基が好ましい。炭素
数5〜10の脂肪族基を有するエポキシ化合物は、特
に、前記カーバメート化合物に対する安定化効果、およ
び水と前記グリコールモノエーテル類との混合溶媒に対
する相溶性等の点で優れている。
【0032】前記式(III)において、好ましいa
は、1及び2である。
【0033】式(III)で表される化合物として、ブ
チルグリシジルエーテル、ペンチルグリシジルエーテ
ル、ヘキシルグリシジルエーテル、ヘプチルグリシジル
エーテル、オクチルグリシジルエーテル、2−エチルヘ
キシルグリシジルエーテル、ノニルグリシジルエーテ
ル、デシルグリシジルエーテル、ドデシルグリシジルエ
ーテル、トリデシルグリシジルエーテル、テトラデシル
グリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシ
ジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエ
ーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテ
ル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリ
エチレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピ
レングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロール
エタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパ
ントリグリシジルエーテルなどが例示される。前記エポ
キシ化合物は、一種又は二種以上混合して用いることが
できる。
【0034】これらのエポキシ化合物のうち、特に、2
−エチルヘキシルグリシジルエーテル、ネオペンチルグ
リコールジグリシジルエーテル等が好適に用いられる。
【0035】一般に、前記カーバメート化合物は、水と
併存すると徐々に分解するため、そのままでは含水殺菌
組成物として長時間保存することができない。しかし、
例えば、上記式(III)で表されるエポキシ化合物を
添加することにより、前記カーバメート化合物の安定性
が著しく向上し、比較的高温下においても、前記化合物
の分解が顕著に抑制される。その結果、カーバメート化
合物を有効成分とする含水殺菌組成物を長期間保存する
ことが可能となる。
【0036】前記式(I)のR1 における炭素数1〜4
のアルキル基には、メチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル
基が含まれる。これらのうち、メチルおよびエチル基、
なかでもメチル基が好適に用いられる。
【0037】前記式(I)中、基−Cn 2n−は、炭素
数2〜4のアルキレン基を表し、エチレン基、トリメチ
レン等の直鎖状のアルキレン基およびプロピレン基、エ
チルエチレン基などの分岐鎖状のアルキレン基の双方を
含む。
【0038】好ましいmは1および2、特に2であり、
好ましいnは2である。
【0039】前記式(I)で表されるグリコールモノエ
ーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノメ
チルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレ
ングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリ
コールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイ
ソブチルエーテル等のセロソルブ類(m=1、n=
2);ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモ
ノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエ
ーテル等のカルビトール類(m=2、n=2);トリエ
チレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレング
リコールモノエチルエーテル等のトリエチレングリコー
ルモノアルキルエーテル類(m=3、n=2);テトラ
エチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレ
ングリコールモノエチルエーテル等のテトラエチレング
リコールモノアルキルエーテル類(m=4、n=2);
トリメチレングリコールモノメチルエーテル、トリメチ
レングリコールモノエチルエーテル等のトリメチレング
リコールモノアルキルエーテル類(m=1、n=3);
プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレン
グリコールモノエチルエーテル等のプロピレングリコー
ルモノアルキルエーテル類(m=1、n=3);ジプロ
ピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレング
リコールモノエチルエーテル等のジプロピレングリコー
ルモノアルキルエーテル類(m=2、n=3);テトラ
メチレングリコールモノメチルエーテル等のテトラメチ
レングリコールモノアルキルエーテル類(m=1、n=
4)などが例示される。上記グリコールモノエーテル類
は一種又は二種以上混合して用いることができる。
【0040】これらのグリコールモノエーテル類のう
ち、特にカルビトール類、なかでもメチルカルビトール
(ジエチレングリコールモノメチルエーテル)が好適に
用いられる。
【0041】前記式(I)で表されるグリコールモノエ
ーテル類は、前記カーバメート化合物をよく溶解すると
共に、水との相溶性が高く、且つ引火点が高い。そのた
め、カーバメートメート化合物およびエポキシ化合物を
含む含水殺菌組成物に、前記グリコールモノエーテル類
を含有させると、均一で安全性が高く、取扱性に優れた
殺菌組成物が得られる。
【0042】また、グリコールモノエーテル類を用いる
と、他の有機溶媒を用いる場合と異なり、本発明の含水
殺菌組成物を比較的高温下に保存しても、前記カーバメ
ート化合物の分解が少なく、着色も生じないという大き
な利点がある。
【0043】本発明の含水殺菌組成物における前記カー
バメート化合物、エポキシ化合物、およびグリコールモ
ノエーテル類の含有量は、殺菌に必要な有効成分量、経
済性等を考慮して適宜選択できる。例えば、前記カーバ
メート化合物の含有量は、水100重量部に対して、通
常0.5〜300重量部、好ましくは1〜100重量
部、さらに好ましくは4〜40重量部程度である。前記
カーバメート化合物が、水100重量部に対して0.5
重量部未満では、殺菌活性が低くなり易く、300重量
部を越えると均一な組成物が得られにくい。
【0044】前記エポキシ化合物の含有量は、エポキシ
化合物による安定化効果が奏される範囲で適宜選択でき
るが、水100重量部に対して、通常0.01〜50重
量部、好ましくは0.1〜40重量部、さらに好ましく
は0.8〜20重量部程度である。
【0045】前記グリコールモノエーテル類の含有量
は、取扱性、安全性を考慮し、且つ前記カーバメート化
合物の溶解性を損なわない範囲で適宜選択できるが、水
100重量部に対して、通常5〜500重量部、好まし
くは50〜400重量部、さらに好ましくは100〜3
50重量部程度である。
【0046】また、特に、安全上の観点から、前記含水
殺菌組成物が消防法上の危険物に該当しないように調製
するのが好ましい。そのため、含水殺菌組成物中の水の
濃度は、好ましくは20重量%以上、さらに好ましくは
25〜50重量%程度である。
【0047】また含水殺菌組成物中のカーバメート化合
物の濃度は、好ましくは0.5〜40重量%、さらに好
ましくは1〜10重量%程度である。
【0048】本発明の含水殺菌組成物は、慣用の方法で
調製することができる。例えば、前記カーバメート化合
物及びエポキシ化合物をグリコールモノエーテル類に溶
解させ、これに水を加えて混合することにより容易に調
製することができる。
【0049】このようにして調製された殺菌組成物は、
水性であるため、従来の有機溶媒を用いた組成物と比較
して安全性が高く、取扱性及び衛生上の点からも好まし
い。また、前記カーバメート化合物は水に対する溶解性
が極めて低いが、本発明ではグリコールモノエーテル類
を併用するため、均一な高濃度の含水殺菌組成物が得ら
れる。さらに、前記カーバメート化合物は水の存在下で
は分解されやすいところ、本発明では、エポキシ化合物
を含有すると共に、グリコールモノエーテル類を含むた
め、分解が著しく抑制され、長期間の保存に対しても極
めて安定である。
【0050】したがって、本発明の含水殺菌組成物は、
工業用殺菌剤等として極めて好適に使用することができ
る。また、本含水殺菌組成物の適用範囲は極めて広く、
本含水殺菌組成物をそのまま、或いは適当な溶媒等で希
釈して、例えば塗料、接着剤、樹脂、建材、家具、セメ
ント、皮革、紙、繊維等に、混入、噴霧、含浸、塗布等
により適用できる。
【0051】本発明の含水殺菌組成物をこれらの分野で
使用する場合、その使用量は、適用する系によって異な
るが、例えば、塗料などの適用対象物に対し、有効成分
であるカーバメート化合物として0.01〜30重量
%、好ましくは0.05〜10重量%、さらに好ましく
は0.1〜5重量%程度である。
【0052】
【発明の効果】本発明の含水殺菌組成物は、殺菌活性を
有するカーバメート化合物、エポキシ化合物、特定のグ
リコールモノエーテル類を含む含水組成物であるため、
均一で安全性が高く、しかも長期間保存しても分解、着
色等が起こり難く、安定性が極めて高い。したがって、
工業用殺菌剤等として好適に用いることができる。
【0053】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳述す
るが、これによって本発明は何等限定されるものではな
い。なお、各実施例及び比較例における部は重量部を示
し、試験例における%は重量%を示す。
【0054】以下に示す割合で、各成分を混合し、各製
剤を調製した。
【0055】実施例1 3−ヨード−2−プロピニル ブチルカーバメート (商品名:トロイサンポリフェーズP100、トロ イケミカル社製、以下同じ) 5 部 メチルカルビトール 69.8部 水 25 部 ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル (商品名:ヘロキシWC−68、ローンプーラン社 製、以下同じ) 0.2部 実施例2 3−ヨード−2−プロピニル ブチルカーバメート 5 部 メチルカルビトール 69.5部 水 25 部 ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル 0.5部 実施例3 3−ヨード−2−プロピニル ブチルカーバメート 5 部 メチルカルビトール 69.0部 水 25 部 ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル 1.0部 実施例4 3−ヨード−2−プロピニル ブチルカーバメート 5 部 メチルカルビトール 68.0部 水 25 部 ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル 2.0部 実施例5 3−ヨード−2−プロピニル ブチルカーバメート 5 部 メチルカルビトール 69.8部 水 25 部 2−エチルヘキシルグリシジルエーテル (商品名:ヘロキシMK−116、ローンプーラン 社製、以下同じ) 0.2部 実施例6 3−ヨード−2−プロピニル ブチルカーバメート 5 部 メチルカルビトール 69.5部 水 25 部 2−エチルヘキシルグリシジルエーテル 0.5部 実施例7 3−ヨード−2−プロピニル ブチルカーバメート 5 部 メチルカルビトール 69.0部 水 25 部 2−エチルヘキシルグリシジルエーテル 1.0部 比較例1 3−ヨード−2−プロピニル ブチルカーバメート 5 部 メチルカルビトール 70 部 水 25 部 比較例2 3−ヨード−2−プロピニル ブチルカーバメート 5 部 ジエチレングリコール 95 部 比較例3 トロイサンポリフェーズAF−1 12.5部 ジエチレングリコール 87.5部 試験例(安定性試験) 実施例1〜7、比較例1〜3で得られた製剤各々8g
を、試料ビンに入れ密栓した後、40℃及び60℃で、
4週間保存した。期間経過後ただちに試料をとりだし、
高速液体クロマトグラフィーにより、有効成分である3
−ヨード−2−プロピニル ブチルカーバメートの含量
を測定し、分解率を求めた。また、目視により着色の有
無を判定した。
【0056】試験結果を表1に示す。
【0057】
【表1】 以上の結果、カーバメート化合物を有効成分とする含水
殺菌組成物において、グリコールモノエーテル類および
エポキシ化合物を含有させると、カーバメート化合物の
分解及び殺菌組成物の着色が著しく抑制され、極めて高
い安定性を示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01N 47/12 A01N 25/02 A01N 31/02 A01N 43/20

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カーバメート化合物、エポキシ化合物お
    よび式(I) 【化1】 (式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基、mは1〜4
    の整数、nは2〜4の整数を示す) で表されるグリコールモノエーテル類を含有する含水殺
    菌組成物であって、前記カーバメート化合物が、式(II) 【化2】 (式中、R 2 は炭化水素基、Xはハロゲン原子、yおよ
    びzは同一または相異なって1〜3の整数を示す) で表される化合物であり、前記エポキシ化合物が、式(I
    II) 【化3】 (式中、R 3 は炭素数4〜14の脂肪族基、aは1〜3
    の整数を示す) で表される化合物である含水殺菌組成物
  2. 【請求項2】 水100重量部に対して、カーバメート
    化合物0.5〜300重量部、エポキシ化合物0.01
    〜50重量部、およびグリコールモノエーテル類5〜5
    00重量部を含有する請求項1記載の含水殺菌組成物。
  3. 【請求項3】 カーバメート化合物が、3−ヨード−2
    −プロピニル ブチルカーバメートである請求項1記載
    の含水殺菌組成物。
  4. 【請求項4】 エポキシ化合物が、ネオペンチルグリコ
    ールグリシジルエーテルである請求項1記載の含水殺菌
    組成物。
  5. 【請求項5】 エポキシ化合物が、2−エチルヘキシル
    グリシジルエーテルである請求項1記載の含水殺菌組成
    物。
  6. 【請求項6】 mおよびnが同一または相異なって2〜
    4の整数であるグリコールモノエーテル類を含有する請
    求項1記載の含水殺菌組成物。
  7. 【請求項7】 mおよびnが2であるグリコールモノエ
    ーテル類を含有する請求項1記載の含水殺菌組成物。
  8. 【請求項8】 グリコールモノエーテル類が、メチルカ
    ルビトールである請求項1記載の含水殺菌組成物。
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