JP3372332B2 - 半導体ウエハ裏面研削用フィルムの製造方法 - Google Patents
半導体ウエハ裏面研削用フィルムの製造方法Info
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Description
導体ウエハの集積回路が組み込まれた側の面(以下、ウ
エハの表面という)に粘着フィルムを貼付して該ウエハ
の他の面(以下、ウエハの裏面という)を研削加工する
際に破損防止のために用いられる半導体ウエハ裏面研削
用フィルムの製造方法に関する。
単結晶等をスライスしてウエハとした後、エッチング等
により集積回路を組み込み、更に、ウエハの裏面を研削
機を用いて研削し、ウエハの厚さを100〜600μm
程度まで薄くしてから、ダイシングしてチップ化する方
法で製造されている。これらの工程の中で、半導体ウエ
ハ裏面の研削時に該ウエハの破損を防止したり、研削加
工を容易にするため、ウエハ裏面研削用フィルムを粘着
剤層を介してウエハ表面に貼付し保護する方法が用いら
れている。
研削加工中に剥離しない適度の粘着力が必要であり、ま
た研削加工後剥離する際には剥離作業性がよく、且つウ
エハを破損しない程度の低い粘着力が求められる。近
年、半導体チップの量産化、小型軽量化に伴い、半導体
ウエハは大口径化し、また裏面研削後のウエハの厚みは
さらに薄く成る傾向にあり、さらには酸による裏面のエ
ッチング工程が加わってきており、裏面研削時の耐水
性、酸によるエッチング時の耐酸性や剥離の際の作業
性、非破損性等の各種特性のバランスを保つことが難し
くなってきている。
ば、特開昭60−189938号公報には、半導体ウエ
ハの裏面を研磨するに当たり、このウエハの表面に感圧
性接着フィルムを貼り付け上記の研磨後この接着フィル
ムを剥離する半導体ウエハの保護方法において、上記の
感圧性接着フィルムが光透過性の支持体とこの支持体上
に設けられた光照射により硬化し3次元網状化する性質
を有する感圧性接着剤層とからなり、研磨後この接着フ
ィルムを剥離する前にこの接着フィルムに光照射するこ
とを特徴とする半導体ウエハの保護方法が開示されてい
る。
ような光照射により硬化し3次元網状化する性質を有す
る感圧性接着剤層を有する光硬化型接着フィルムを量産
する場合、接着剤の濃度変化、粘度変化、架橋剤の失
活、等により接着フィルムの接着剤層の厚みバラツキ、
接着力のバラツキが生じ易く、かつ、ウエハ表面を汚染
する原因となっている。
る場合、塗装装置に蓄えられた粘着剤溶液の温度が高い
と、粘着剤に含まれる粘着剤ポリマーと熱架橋剤とが反
応して分子量が増大し、それに伴なって粘度が著しく増
加したり、ゲル化が起こり、塗布ムラを生じる原因とな
り塗布性が著しく低下する。溶剤の蒸発により単に粘着
剤溶液の濃度が上昇したときは新たな溶剤を追加するこ
とにより濃度を一定に保つことができる。しかし、粘着
剤ポリマーの分子量が経時的に増大した場合には単に粘
着剤溶液の濃度を修正するだけでは粘着剤溶液の粘度は
高いものとなり、その結果、粘度上昇に伴う塗布性の低
下を完全には防止することができない。また、粘着剤溶
液の粘度を一定に維持しようとすると粘着剤溶液の濃度
を下げなければならず、結果として粘着剤層が目標値よ
り薄くなる。
は、塗装装置に蓄えられた粘着剤の温度が高いと、粘着
剤に含まれる熱架橋剤が水と反応して熱架橋剤が失活
し、塗布時間の経過と共に粘着力がバラツク原因となる
ばかりでなく、失活した架橋剤がウエハ表面を汚染する
原因にもなっている。
なされたものであり、その目的とするところは、粘着剤
層の厚み精度が高く、粘着力のバラツキが少なく、かつ
半導体ウエハ表面を汚染することのない放射線硬化型ウ
エハ裏面研削用フィルムの製造方法を提供することにあ
る。
ために鋭意検討した結果、放射線硬化型粘着剤層を有す
る半導体ウエハ裏面研削用フィルムを製造するに際し、
基材フィルムまたは剥離フィルムの片表面に特定の温度
以下の低温に保たれた粘着剤を塗布することにより上記
の目的が達成し得ることを見出し、本発明を完成した。
フィルムの片表面に粘着剤を塗布、乾燥する方法、
(2)剥離フィルムの片表面に粘着剤を塗布、乾燥して
粘着剤層を形成し、得られた粘着剤層を放射線透過性基
材フィルムの片表面に転写する方法、前記(1)及び
(2)の何れか一の方法により、放射線透過性基材フィ
ルムの片表面に放射線硬化型粘着剤層が設けられた半導
体ウエハ裏面研削用フィルムの製造方法であって、液温
が10℃以下に制御された粘着剤を塗布することを特徴
とする放射線硬化型粘着剤層を有する半導体ウエハ裏面
研削用フィルムの製造方法である。
フィルムの片表面に塗布する粘着剤の温度を特定の温度
以下の低温に保つことにある。かかる構成を採用するこ
とにより、粘着剤溶液または粘着剤エマルジョン液中に
含まれる粘着剤ポリマーと熱架橋剤との反応、熱架橋剤
と水との反応による熱架橋剤の失活、粘着剤の液濃度変
化、等の防止を図るものである。
発明の方法により製造される放射線硬化型粘着剤層を有
するウエハ裏面研削用フィルムが適用できる半導体ウエ
ハとして、シリコンウエハのみならず、ゲルマニウム、
ガリウム−ヒ素、ガリウム−リン、ガリウム−ヒ素−ア
ルミニウム等のウエハが挙げられる。
等の電磁波、α線、β線、中性子線、陽子線、紫外線等
の光、電子線等が挙げられる。以下、これらを総称して
単に放射線という。
を有する天然ゴム系粘着剤、各種合成ゴム系粘着剤等が
挙げられる。これらの内、粘着剤物性の制御、再現性等
を考慮すると(メタ)アクリル系ポリマーが好ましい。
(メタ)アクリル系ポリマーを構成するモノマーとし
て、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸
2−エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステル、
および、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸グリ
シジル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル等の
官能基を有する(メタ)アクリル系モノマーが1種類以
上組み合わされ、必要に応じてアクリロニトリル、酢酸
ビニル等重合性2重結合を有するモノマーも組み合わさ
れる。
る場合、水を分散媒体として乳化重合されたエマルジョ
ン型であってもよいし、有機溶剤中で溶液重合された溶
液型であってもよい。
液またはエマルジョン液(以下、これらを総称して主剤
溶液という)に、凝集力を上げたり粘着力を調整するた
めに架橋性官能基を1分子中に2個以上有する熱架橋
剤、分子内に放射線重合性2重結合を2個以上有する放
射線重合性モノマーまたはオリゴマーを配合し、さら
に、放射線が紫外線等の光の場合には光重合開始剤を添
加する。放射線硬化後の粘着力の低下を顕著となし、半
導体ウエハ表面の汚染をできるだけ避けるためには、粘
着剤ポリマーが分子内に放射線重合性2重結合を有する
ことが好ましい。
重結合を持たせる方法は、既知の様々な方法が挙げられ
るが、予めポリマーに官能基を有するモノマーを共重合
したのち、ポリマー中の官能基と付加反応し得る官能基
を有する放射線重合性2重結合を有するモノマーを放射
線重合性2重結合を残したまま付加反応させる方法がポ
リマー中の放射線重合性2重結合の量をコントロールす
る点で好ましい。
酸基を有するモノマーを共重合させ、重合後ポリマー中
のカルボン酸基と付加反応し得るエポキシ基を有する
(メタ)アクリル酸グリシジルモノマーを付加させる方
法や、あるいはその逆に(メタ)アクリル酸グリシジル
を共重合させ、重合後ポリマー中のエポキシ基と(メ
タ)アクリル酸を付加反応させる方法等である。
酸基とエポキシ基、カルボン酸基とアジリジル基、水酸
基とイソシアネート基等容易に付加反応が起こる組み合
わせが望ましい。また付加反応に限らずカルボン酸基と
水酸基との縮合反応等、放射線重合性2重結合が容易に
導入できる反応であれば如何なる反応を用いてもよい。
また、ポリマーの持つ2重結合の量としては、主成分モ
ノマーに対し、1〜30重量%の官能基を有するモノマ
ーを共重合させ、その官能基の数と同等もしくは少ない
範囲で放射線重合性2重結合を有するモノマーを付加さ
せることが好ましい。
個以上有する熱架橋剤は、放射線を照射する前の主剤液
の粘着力および凝集力を調整するために用いられる。該
熱架橋剤として、ソルビトールポリグリシジルエーテ
ル、ポリーグリセロールポリグリシジルエーテル、ペン
タエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロ
ールポリグリシジルエーテル等のエポキシ系化合物、テ
トラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピ
オネート、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリ
ジニルプロピオネート、N,N’−ジフェニルメタン−
4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、
N,N’−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリ
ジンカルボキシアミド)等のアジリジン系化合物、テト
ラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシ
アネート、ポリイソシアネート等のイソシアネート系化
合物およびメラミン系化合物等が挙げられる。
た、2種以上を混合して使用してもよい。主剤溶液がエ
マルジョン型である場合には、水に対する安定性等の点
でこれらの熱架橋剤の内、アジリジン系化合物またはエ
ポキシ系化合物が好ましい。
に示す測定方法に従って測定した放射線を照射する前の
粘着力がSUS−304BA板に対して300g/in
ch以上になるように添加することが好ましい。さらに
好ましくは500g/inch以上である。
剤ポリマー中の架橋反応しうる官能基の量より多過ぎる
と、熱架橋剤自体が未反応のまま粘着剤層中に含まれ、
半導体ウエハの表面を汚染する原因となる。これらを考
慮すると、架橋性官能基を1分子中に2個以上有する熱
架橋剤の添加量は、粘着剤ポリマー100重量部に対し
0.1〜20重量部が好ましい。さらに好ましくは1〜
10重量部である。
有するモノマーまたはオリゴマーとして、2重結合を2
個以上有するウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマ
ーや、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクレート、ペ
ンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペ
ンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アク
リレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アク
リレート等が挙げられる。これらは1種を単独で用いて
もよいし、2種以上を併用してもよい。添加量は、放射
線照射により主剤が硬化した後の粘着力(測定方法は後
述する)がSUS304−BA板に対して100g/i
nch以下になるように添加することが好ましい。さら
に好ましくは50g/inch以下である。具体的に
は、粘着剤ポリマー100重量部に対し0.1〜100
重量部が好ましい。さらに好ましくは0.1〜50重量
部である。
有するモノマーまたはオリゴマーは、半導体ウエハ表面
を汚染する原因となることもあるので、その添加量は極
力低減することが好ましい。かかる観点から、上述した
ように粘着剤の主成分である(メタ)アクリル系ポリマ
ー等に放射線重合性2重結合を導入しておくことが好ま
しい。その場合、放射線硬化型粘着剤中に添加する分子
内に放射線重合性2重結合を2個以上有するモノマーま
たはオリゴマーの量を減らすことができる。この場合、
分子内に放射線重合性2重結合を2個以上有するモノマ
ーまたはオリゴマーの添加量は、(メタ)アクリル系ポ
リマー100重量部に対し、0〜50重量部であること
が好ましい。さらに好ましくは0〜20重量部である。
光重合開始剤の添加が必要となるが、該光重合開始剤と
して、ベンゾイン、イソプロピルベンゾインエーテル、
イソブチルベンゾインエーテル、ベンゾフェノン、ミヒ
ラー氏ケトン、クロロチオキサントン、ドデシルチオキ
サントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサ
ントン、アセトフェノンジエチルケタール、ベンジルジ
メチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニ
ルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル
プロパン−1−オン等が挙げられる。これらは1種を単
独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。添加
量はそれ自体が半導体ウエハ表面を汚染する原因となる
ため、できるだけ少ない方が好ましいが、硬化速度を考
慮すると光重合開始効果によっても異なるが、粘着剤ポ
リマー100重量部に対して、0.1〜20重量部が好
ましい。さらに好ましくは1〜10重量部である。
ての性能を有するモノマーを粘着剤ポリマー中に共重合
して用いてもよい。この場合、粘着剤ポリマーに光重合
開始効果のある官能基が取り込まれているため、光重合
開始剤により半導体ウエハ表面が汚染されることが皆無
になる。
硬化型ウエハ裏面研削用フィルムの保存性をよくするた
めに熱重合禁止剤等を添加することもできる。添加量は
粘着剤ポリマー100重量部に対して0.001〜1重
量部程度である。
エハ研削用フィルムの製造方法において、粘着剤が製造
され、粘着剤主剤液に架橋性官能基を1分子中に2個以
上有する熱架橋剤、光重合開始剤、分子内に放射線重合
性2重結合を2個以上有するモノマーまたはオリゴマー
等の上記各種添加剤が配合された後の粘着剤液の温度管
理が重要である。粘着剤の保存温度は、保存中の粘着剤
ポリマーと熱架橋剤との反応、熱架橋剤と水との反応、
溶剤の蒸発・飛散等に影響を及ぼし、粘着剤の分子量変
化、濃度変化、熱架橋剤の活性等に微妙に関係し、ひい
ては塗工後の粘着剤層の厚みバラツキ、粘着力バラツ
キ、半導体ウエハ表面の汚染の原因となる。かかる弊害
を防止する観点から、各種添加剤の配合時および配合さ
れた後の粘着剤の保存温度は10℃以下に維持され、か
つ、該温度において基材フィルム又は剥離フィルムに塗
布することが好ましい。さらに好ましくは5℃以下であ
る。下限温度は特に制限されないが、粘着剤液の凝固は
塗布性の点で好ましくないので凝固点を超える温度に維
持することが肝要である。
樹脂、天然ゴム、合成ゴム等からなるフィルムが挙げら
れる。具体的に例示するならば、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、ポリブタジエン、軟質塩化ビニル樹脂、ポリ
オレフィン、ポリエステル、ポリアミド等の熱可塑性エ
ストラマーフィルム、ジエン系、ニトリル系、シリコン
系、アクリル系等の合成ゴムフィルム等が挙げられる。
基材フィルムの表面極性が乏しく、基材フィルムと粘着
剤層との界面接着力が低い場合は、基材フィルムの表面
をコロナ放電処理等を施し、該処理面に粘着剤を塗布す
ることが好ましい。
上記フィルムの積層体であってもよい。基材フィルムが
単層、積層いずれの場合でも、放射線の透過を妨げない
透明フィルムが好ましい。例えば、放射線として紫外線
を使用する場合、基材フィルムが紫外線を吸収もしくは
反射する性質を持っている場合には紫外線照射による粘
着剤の硬化が十分でなくなったり、硬化反応に長時間要
し、所期の目的が達成し難い。かかる点を考慮すると基
材フィルムの全光線透過率は30%以上であることが好
ましい。さらに好ましくは70%以上である。
の半導体ウエハの破損防止、粘着剤の塗布性、半導体ウ
エハ表面への貼付作業性および剥離作業性等に影響す
る。かかる観点から基材フィルムの厚みは10〜200
0μmが好ましい。さらに好ましくは100〜300μ
mである。また、裏面研削中の半導体ウエハの破損防止
を考慮すると、基材フィルムの硬度はASTM−D−2
240に規定されるショアD型硬度が40以下である弾
性フィルム、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体フ
ィルム、ポリブタジエンフィルム等が好ましく用いられ
る。この場合、基材フィルムの粘着剤層が設けられる他
の面にこれより固いフィルム、具体的にはショアD型硬
度が40を超えるフィルムを積層することにより貼付作
業性および剥離作業性が改善される。
方法は、基材フィルムの耐熱性が塗布された粘着剤の乾
燥温度に十分に耐え得る場合は、基材フィルムの片表面
に直接粘着剤を塗装する方法が用いられる。基材フィル
ムの耐熱性が塗布された粘着剤の乾燥温度に耐えられな
い場合は、耐熱性の良好な剥離フィルムの片表面に粘着
剤を塗布、乾燥して剥離フィルムの片表面に粘着剤層を
形成し、該粘着剤層を基材フィルムの片表面に転写する
方法が好ましく用いられる。
の片表面に塗布する方法としては、公知の塗布方法、例
えば、ロールコーター法、グラビアロール法、バーコー
ト法等が採用できる。塗布された粘着剤の乾燥条件には
特に制限はないが、一般的には、80〜200℃の温度
範囲において10秒〜10分間乾燥することが好まし
い。さらに好ましくは100〜150℃において1〜3
分間乾燥する。
剤層を保護するため、粘着剤層の表面に剥離フィルムが
貼付される。剥離フィルムとして、ポリプロピレンやポ
リエチレンテレフタレート等の合成樹脂フィルムが用い
られ、必要に応じてその表面がシリコン処理等が施され
たものが好ましい。剥離フィルムの厚みは通常10〜2
000μmである。好ましくは30〜100μmであ
る。10μm未満であると粘着剤層への添付、剥離、ま
たは粘着剤の塗布時の作業性が低下する。2000μm
を超える厚みでは柔軟性が低下し好ましくない。
粘着剤層を有するウエハ裏面研削用フィルムは、半導体
ウエハの裏面を研削する際に、該半導体ウエハの表面に
添付して使用されるものであるが、半導体ウエハの裏面
を研削した後、酸によるエッチング工程が加わる場合に
は、エチレン−酢酸ビニル共重合体等上述の弾性基材フ
ィルムの粘着剤層が設けられる面の反対側の面に耐酸性
のポリプロピレンフィルム等をラミネートしたものが好
ましい。
厚みは、ウエハの表面状態、形状、研磨方法等により適
宣決められるが、研削中の粘着力、剥離性等を勘案する
と2〜100μm程度が好ましい。さらに好ましくは5
〜50μmである。
の製造方法は、上記の通りであるが、特に粘着剤は電子
線、紫外線等の照射により変質するので、これらに暴露
されない環境で製造することが好ましい。半導体ウエハ
表面の汚染防止の観点から、基材フィルム、剥離フィル
ム、粘着剤等全ての原料資材の製造環境および粘着剤の
塗布および乾燥環境はクラス10,000以下のクリー
ン度に維持されていることが好ましい。
明する。尚、実施例に示した各種特性値は下記の方法で
行なった。 (1)放射線照射条件 種類:紫外線 照射機:オーク製作所、OHD−320M型 照射条件:距離;20cm、時間;10秒間
フィルムを粘着剤を介して異物が付着していない4イン
チのシリコンミラーウエハの表面に貼付した状態で、温
度が23±2℃、相対湿度が50±5%に調整された雰
囲気中に1間放置した後、背面から上記(1)の条件の
放射線を照射した後、該ミラーウエハの表面から半導体
ウエハ裏面研削用フィルムを剥離する。レーザー表面検
査装置(日立電子エンジニアリング(株)製、形式:L
S−6000)を用いて剥離後のシリコンミラーウエハ
表面に残存する0.1μm以上の異物を計数する。
フィルムについて評価する。放射線照射前の粘着力は、
試料フィルムをSUS304−BA板に貼付し60分間
経過後上記条件における粘着力を測定する。放射線照射
後の粘着力は、試料フィルムをSUS304−BA板に
貼付し60分間経過後、背面から上記(1)の条件で放
射線を照射した後、上記条件における粘着力を測定す
る。
フィルムの中間体である剥離フィルムと粘着剤層の合計
厚みを測定した後、粘着剤層を除去して剥離フィルムの
厚みを測定し、その差異を粘着剤層の厚みとする。50
cm四方の試料について、縦横5cm間隔で計100点
粘着剤層の厚みを測定し、その平均値と標準偏差を示
す。
キシル27重量部、アクリル酸メチル20重量部、メタ
クリル酸グリシジル5重量部および重合開始剤としてベ
ンゾイルパーオキサイド0.2部を混合し、トルエン6
5重量部、酢酸エチル50重量部が入った窒素置換フラ
スコ中に撹拌しながら80℃で5時間かけて滴下し、さ
らに5時間撹拌して反応させた。反応終了後、冷却し、
これにキシレン25重量部、アクリル酸2.5重量部と
テトラデシルベンジルアンモニウムクロライド1.5重
量部を加え、空気を吹き込みながら80℃で10時間反
応させ、アクリル系の粘着剤ポリマーの主剤溶液を得
た。得られた溶液に光重合開始剤としてベンゾフェノン
を粘着剤固形分100重量部に対して7重量部添加し、
さらに、イソシアナート系架橋剤(三井東圧化学(株)
製、オレスターP60−SX)を2重量部添加し、放射
線重合性モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサ
アクリレートを15重量部添加し粘着剤溶液を得た。得
られた粘着剤溶液を約5℃に維持しながらロールコータ
ーを用いてポリプロピレンフィルム(剥離フィルム)に
塗布し、100℃において2分間乾燥し、厚さ15μm
の粘着剤層を設け、次いで、得られた粘着剤層表面に、
コロナ放電処理を施した厚さ200μmのエチレン−酢
酸ビニル共重合体フィルムの該処理面を貼り合わせ押圧
して、粘着剤層を転写させることにより半導体ウエハ裏
面研削用フィルムを製造した。上記方法により、半導体
ウエハ裏面研削用フィルムを5時間連続して製造し、製
造開始直後と製造開始5時間経過後のサンプルについて
上記の方法で評価した。得られた結果を〔表1〕に示
す。
拌機を付けたフラスコに、脱イオン水150重量部、ア
ニオン系界面活性剤1.5重量部を入れ、窒素雰囲気下
で撹拌しながら70℃まで昇温した後、過硫酸アンモニ
ウム(重合開始剤)0.5重量部を添加、溶解させ、次
いで、アクリル酸メチル25.5重量部、アクリル酸−
2−エチルヘキシル20重量部、アクリル酸エチル4
6.5重量部、メタクリル酸8重量部からなるモノマー
混合物を4時間で連続滴下し、滴下終了後さらに3時間
撹拌を続けて重合して、アクリル系樹脂エマルジョン液
を得た。得られたエマルジョン液にメタクリル酸グリシ
ジルを固形分100重量部に対して10重量部、ジメチ
ルエタノールアミン0.5重量部を添加し、空気を吹き
込みながら60℃において10時間反応させて粘着剤ポ
リマーの主剤ポリマーエマルジョン液を得た。得られた
主剤ポリマーエマルジョン液の固形分100重量部に対
して光重合開始剤としてベンゾフェノンを7重量部、ア
ジリジン系架橋剤としてテトラメチロール−トリ−β−
アジリジニルプロピオネート2重量部および、放射線重
合性モノマーとしてペンタエリスリトールトリアクリレ
ート15重量部を混合して粘着剤溶液を得た。得られた
粘着剤溶液を約5℃に維持しながらロールコーターによ
りポリプロピレンフィルム(剥離フィルム)に塗布し、
120℃において2分間乾燥し、厚さ15μmの粘着剤
層を設け、次いで、得られた粘着剤層表面に、コロナ放
電処理を施した厚さ200μmのエチレン−酢酸ビニル
共重合体フィルムの該処理面を貼り合わせ押圧して、粘
着剤層を転写させることにより半導体ウエハ裏面研削用
フィルムを製造した。上記方法により、半導体ウエハ裏
面研削用フィルムを5時間連続して製造し、製造開始直
後と製造開始5時間経過後のサンプルについて上記の方
法で評価した。得られた結果を〔表2〕に示す。
にして半導体ウエハ裏面研削用フィルムを製造し、得ら
れた試料について実施例1と同様にして評価した。得ら
れた結果を〔表1〕に示す。
して半導体ウエハ裏面研削用フィルムを製造し、得られ
た試料について実施例2と同様にして評価した。得られ
た結果を〔表2〕に示す。
ムの製造方法は、粘着剤溶液を特定の温度以下の低温に
維持しながら貯蔵、塗布することを特徴とする方法であ
り、粘着剤溶液または粘着剤エマルジョン液中に含まれ
る粘着剤ポリマーと熱架橋剤との反応、熱架橋剤と水と
の反応による熱架橋剤の失活、粘着剤の液濃度変化、等
の防止を図るものである。そのため、本発明によれば、
粘着剤溶液の経時的変質、粘着剤層の厚みバラツキ、粘
着力のバラツキが防止され、半導体ウエハ表面を汚染す
ることのない半導体ウエハ裏面研削用フィルムが安定し
て製造し得る。
Claims (4)
- 【請求項1】 (1)放射線透過性基材フィルムの片表
面に粘着剤を塗布、乾燥する方法、(2)剥離フィルム
の片表面に粘着剤を塗布、乾燥して粘着剤層を形成し、
得られた粘着剤層を放射線透過性基材フィルムの片表面
に転写する方法、前記(1)及び(2)の何れか一の方
法により、放射線透過性基材フィルムの片表面に放射線
硬化型粘着剤層が設けられた半導体ウエハ裏面研削用フ
ィルムの製造方法であって、液温が10℃以下に制御さ
れた粘着剤を塗布することを特徴とする放射線硬化型粘
着剤層を有する半導体ウエハ裏面研削用フィルムの製造
方法。 - 【請求項2】 粘着剤が、(a)(メタ)アクリル系粘
着剤ポリマー100重量部、(b)架橋性官能基を1分
子中に2個以上有する熱架橋剤0.1〜20重量部、
(c)光重合開始剤0〜15重量部、(d)分子内に放
射線重合性2重結合を2個以上有するモノマーまたはオ
リゴマー0.1〜100重量部を含むことを特徴とする
請求項1記載の放射線硬化型粘着剤層を有する半導体ウ
エハ裏面研削用フィルムの製造方法。 - 【請求項3】 粘着剤が、(a)分子内に放射線重合性
2重結合を有する(メタ)アクリル系粘着剤ポリマー1
00重量部、(b)架橋性官能基を1分子中に2個以上
有する熱架橋剤0.1〜20重量部、(c)光重合開始
剤0〜15重量部、(d)分子内に放射線重合性2重結
合を2個以上有するモノマーまたはオリゴマー0〜50
重量部を含むことを特徴とする請求項1記載の放射線硬
化型粘着剤層を有する半導体ウエハ裏面研削用フィルム
の製造方法。 - 【請求項4】 放射線が紫外線であり、かつ、光重合開
始剤の添加量が0.1〜20重量部であることを特徴と
する請求項2または3記載の放射線硬化型粘着剤層を有
する半導体ウエハ裏面研削用フィルムの製造方法。
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JP33200493A JP3372332B2 (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 半導体ウエハ裏面研削用フィルムの製造方法 |
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1993
- 1993-12-27 JP JP33200493A patent/JP3372332B2/ja not_active Expired - Lifetime
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