JP3371589B2 - 車体構造部材への曲げ加工用アルミ押出し形材 - Google Patents

車体構造部材への曲げ加工用アルミ押出し形材

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JP3371589B2
JP3371589B2 JP32572394A JP32572394A JP3371589B2 JP 3371589 B2 JP3371589 B2 JP 3371589B2 JP 32572394 A JP32572394 A JP 32572394A JP 32572394 A JP32572394 A JP 32572394A JP 3371589 B2 JP3371589 B2 JP 3371589B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、電気自動車の
バッテリーフレームなどの車体構造部材として利用され
るアルミ押出し形材に関し、とくに、アルミ押出し形材
製車体構造部材への曲げ加工用アルミ押出し形材に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来の車体構造部材への曲げ加工用アル
ミ押出し形材としては、例えば、図15ないし図18に
示すようなものがある。
【0003】図15は、電気自動車におけるバッテリー
フレームを示すものであって、このバッテリーフレーム
101は、軽量化効果の大きい複数のアルミ押出し形材
102で構成されており、図16,図17に示すよう
に、モノコック車体103の下側よりモノコック部位と
して剛性の高いクロスメンバー104などにボルト10
5とナット106で取付ける構造となっている。
【0004】また、このバッテリーフレーム101は、
例えば、サスペンションなどとの干渉を避けるために、
バッテリーフレーム101の一部のアルミ押出し形材1
07が湾曲した形状となっており、このような湾曲した
形状となっているアルミ押出し形材107を作製するに
あたっては、図17に示すような複数の中空部を有する
角断面形状をなす車体構造部材への曲げ加工用押出し形
材を用いて所要の曲げ加工を行うようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の車体構造部材への曲げ加工用アルミ押出し形
材にあっては、複数の中空部を有する角断面形状となっ
ていたため、これを湾曲した形状に図18の矢印A方向
に曲げ加工を行うと、同じく図18に示すように、曲げ
加工部の断面形状は、断面を構成する曲げ加工と直角と
なる壁113が中空部内側の方向へ変形して湾曲壁11
3aとなり、この変形による影響は角断面の角部114
に伝わり、角部114は一般的に壁部より剛性が高いた
め、角部114はその形状を維持したまま回転し、そし
て車体取付け面となりかつ曲げ方向と水平となる壁11
2へと変化が伝わり、曲げ方向と直角となる壁113と
逆方向の中空部外側の方向へと変形して湾曲壁112a
となるため、車体103(のクロスメンバー104)と
バッテリーフレーム101(の押出し形材107)との
間に隙間が生じ、バッテリーフレームの取付け精度が確
保できないという問題点があった。
【0006】なお、上述したように、図18の矢印A
は、曲げ中心方向を示し、この明細書では、曲げ方向と
直角および曲げ方向と水平は、この矢印A方向に対し、
直角および水平であることを意味する。
【0007】
【発明の目的】本発明は、このような従来の問題点に着
目してなされたもので、曲げ加工に際して、角部を介し
て曲げ方向と直角となる壁より伝わってくる車体取付け
面の変形を中空部外側へ凸となる変形にならないような
断面構成を有する曲げ加工用アルミ押出し形材とするこ
とにより、車体とフレームとの間に隙間が形成されるの
を防止し、車体へのフレームの取付け精度を高いものと
することが可能である車体構造部材への曲げ加工用アル
ミ押出し形材を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる車体構造
部材への曲げ加工用アルミ押出し形材は、請求項1に記
載しているように、一つないしは複数の中空部を有する
角断面のアルミ押出し形材製車体構造部材への曲げ加工
用アルミ押出し形材の断面形状において、曲げ方向と直
角となる壁と曲げ方向と水平となる壁との間に、曲げ方
向と直角となる壁部の変形を吸収する変形容易部を設
け、該変形容易部が、曲げ方向と直角となる壁と曲げ方
向と水平となる壁の少なくとも一方あるいは両方が一部
薄肉となる段付き形状であるか該薄肉段付き形状が直角
段付き形状以外の薄肉段付き形状であることを特徴とし
ている。
【0009】そして、本発明に係わる他のアルミ押出し
形材製車体構造部材への曲げ加工用アルミ押出し形材
は、請求項2に記載しているように、一つないしは複数
の中空部を有する角断面のアルミ押出し形材製車体構造
部材への曲げ加工用アルミ押出し形材の断面形状におい
て、曲げ方向と直角となる壁と曲げ方向と水平となる壁
との間に、曲げ方向と直角となる壁部の変形を吸収する
変形容易部を設け、該変形容易部が、中空部内側に窪ん
だあるいは中空部外側に膨らんだ薄肉湾曲形状ないしは
一部薄肉湾曲形状であることを特徴としている。
【0010】また、本発明に係わる更に他のアルミ押出
し形材製車体構造部材への曲げ加工用アルミ押出し形材
は、請求項3に記載しているように、一つないしは複数
の中空部を有する角断面のアルミ押出し形材製車体構造
部材への曲げ加工用アルミ押出し形材の断面形状におい
て、曲げ方向と直角となる壁と曲げ方向と水平となる壁
との間に、曲げ方向と直角となる壁部の変形を吸収する
変形容易部を設け、該変形容易部が、薄肉傾斜壁形状な
いしは一部薄肉傾斜壁形状であることを特徴としてい
る。
【0011】更に、本発明に係わる他のアルミ押出し形
材製車体構造部材への曲げ加工用アルミ押出し形材は、
請求項4に記載しているように、曲げ加工用アルミ押出
し形材の断面形状において、他部品との取付け面となり
かつ曲げ方向と水平となる壁と、この曲げ方向と水平と
なる壁と隣り合う曲げ方向と直角となる壁との間に傾斜
壁を設けたことを特徴としている。更にまた、請求項5
に記載しているように、曲げ加工用アルミ押出し形材の
断面形状において、他部品との取付け面となりかつ曲げ
方向と水平となる壁と隣り合う曲げ方向と直角となる壁
に、凹形状あるいは凸形状となる段付き部を設け、相対
する段付き部のほぼ中央に該段付き部と直交連接するリ
ブを設けたことを特徴としている。
【0012】
【発明の作用】本発明に係わる車体構造部材への曲げ加
工用アルミ押出し形材は、請求項1に記載しているよう
に、一つないしは複数の中空部を有する角断面のアルミ
押出し形材製車体構造部材への曲げ加工用アルミ押出し
形材の断面形状において、曲げ方向と直角となる壁と曲
げ方向と水平となる壁との間に、曲げ方向と直角となる
壁部の変形を吸収する変形容易部を設け、該変形容易部
が、曲げ方向と直角となる壁と曲げ方向と水平となる壁
の少なくとも一方あるいは両方が一部薄肉となる段付き
形状であるか該薄肉段付き形状が直角段付き形状以外の
薄肉段付き形状であるような構成としたから、アルミ押
出し形材に対して曲げ加工を行った際に、曲げ方向と直
角となる壁より形材の角部を介して伝わってくる車体取
付け面となりかつ曲げ方向と水平となる壁の変形が中空
部外側へ凸となる変形にならない断面構成を有するアル
ミ押出し形材となるので、このアルミ押出し形材よりな
る車体構造部材の車体への取付け精度が十分良好なもの
に確保されることとなる。
【0013】そして、本発明に係わる他の車体構造部材
への曲げ加工用アルミ押出し形材は、一つないしは複数
の中空部を有する角断面のアルミ押出し形材製車体構造
部材への曲げ加工用アルミ押出し形材の断面形状におい
て、曲げ方向と直角となる壁と曲げ方向と水平となる壁
との間に、曲げ方向と直角となる壁部の変形を吸収する
変形容易部を設け、更に、請求項2に記載しているよう
に、変形容易部が、中空部内側に窪んだあるいは中空部
外側に膨らんだ薄肉湾曲形状ないしは一部薄肉湾曲形状
であるものとしたり、請求項3に記載しているように、
変形容易部が、薄肉傾斜壁形状ないしは一部薄肉傾斜壁
形状であるものとすることによって、曲げ方向と直角と
なる壁と車体取付け面となりかつ曲げ方向と水平となる
壁との間に、曲げ方向と直角となる壁部の変形を吸収す
る変形容易部が設けられた断面構成となるので、曲げ方
向と直角となる壁の変形が車体取付け面となりかつ曲げ
方向と水平となる壁に伝達されがたいこととなって、変
形容易部で吸収されることになる。
【0014】また、本発明に係わる更に他の車体構造部
材への曲げ加工用アルミ押出し形材は、請求項4に記載
しているように、曲げ加工用アルミ押出し形材の断面形
状において、他部品との取付け面となりかつ曲げ方向と
水平となる壁と、この曲げ方向と水平となる壁と隣り合
う曲げ方向と直角となる壁との間に傾斜壁を設けた構成
としたから、車体取付け面となりかつ曲げ方向と水平と
なる壁と、それと隣り合う曲げ方向と直角となる壁との
間が傾斜壁で構成した断面形状となるので、傾斜壁を介
して伝達される曲げ方向と直角となる壁の変形は車体取
付け面となりかつ曲げ方向と水平となる壁において、中
空部内側に凹となる変形になることから、この場合にも
この車体構造部材の車体への取付け構造が十分良好なも
のに確保されることとなる。
【0015】更に、本発明に係わる他の車体構造部材へ
の曲げ加工用アルミ押出し形材は、請求項5に記載して
いるように、曲げ加工用アルミ押出し形材の断面形状に
おいて、他部品との取付け面となりかつ曲げ方向と水平
となる壁と隣り合う曲げ方向と直角となる壁に、凹形状
あるいは凸形状となる段付き部を設け、相対する段付き
部のほぼ中央に該段付き部と直交連接するリブを設けた
構成としたから、向かい合う曲げ方向と直角となる壁に
凹形状あるいは凸形状となる段付き部がそれぞれ設けら
れて相対する段付き部のほぼ中央に該段付き部と直交連
接するリブが設けられているので、曲げ方向と直角とな
る壁の変形は限りなく小さなものとなり、車体取付け面
となりかつ曲げ方向と水平となる壁に伝わる変形はその
ほとんどが制御されることになって、この車体構造部材
の車体への取付け精度が十分良好なものに確保されるこ
ととなる。
【0016】
【実施例】以下、本発明に係わる車体構造部材への曲げ
加工用アルミ押出し形材の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0017】実施例1 図1は第1実施例を示すものであって、曲げ加工を行う
バッテリーフレーム101の(つまり、車体構造部材へ
の)曲げ加工用アルミ押出し形材1は、車体取付け面と
なりかつ矢印Aで示す曲げ方向と水平となる壁2と、そ
れと隣り合う曲げ方向と直角となる壁3との間に、変形
容易部4を設けた複数の中空部を有する断面形状で構成
されたアルミ押出し形材である。
【0018】この変形容易部4は、アルミ押出し形材1
の中空部内側へ凹形状となる段付き角部を有するもので
あり、段付き角部は部分鉛直壁5と部分水平壁6とで形
成されていて、部分鉛直壁5が薄肉となった薄肉段付き
形状となっている。
【0019】次に、作用を説明すると、車体取付け面と
なりかつ曲げ方向と水平方向となる壁2とそれと隣り合
う曲げ方向と直角となる壁3との間に、部分鉛直部5が
薄肉となった凹形状となる段付き角部の変形容易部4を
そなえた複数の中空部を有する断面形状のアルミ押出し
形材1を例えば図3に示す回転引き曲げ法のような曲げ
加工法で曲げ加工を行う。
【0020】このとき、車体取付け面となりかつ曲げ方
向と水平となる壁2は、図3の断面VIII−VIII
で表わした図4に示すように、回転引き曲げ型11にお
いて、あるクリアランスをもって拘束されている。
【0021】一方、曲げ方向と直角となる壁3は、中空
部内側より芯金12で拘束されるが、この芯金12は固
定されているため、曲げ加工が進むに連れて芯金12は
ワークであるアルミ押出し形材1に対し、相対的に移動
し、アルミ押出し形材1の中空部より抜かれていく。
【0022】つまり、曲げ方向と直角となる壁3は、無
拘束となり、曲げ加工部の断面における曲げ方向と直角
となる壁3は、図2に示すように、中空部内側へ変形し
て湾曲壁3aとなる。
【0023】一方、車体取付け面となりかつ曲げ方向と
水平となる壁2は、あるクリアランスを有してはいるも
のの、回転引き曲げ型11で拘束されているため、曲げ
方向と直角となる壁3の変形した湾曲壁3aの影響は、
部分鉛直壁5が薄肉となった段付き角部の変形容易部4
で吸収されることとなり、曲げ方向と水平となる壁2に
対して変形の影響が及ぶこととはなくなる。
【0024】したがって、車体取付け面となりかつ曲げ
方向と水平となる壁2の面精度を確保して曲げ加工する
ことが可能となる。
【0025】次に、この実施例の具体的な例を挙げて効
果につき説明すると、図1に示した押出し形材1におけ
る寸法H,B,L,t,t,M,N,tを表1の
発明形状の欄に示す寸法とし、図18に示した押出し形
材107における寸法H,B,L,t,tを表1の
従来形状の欄に示す寸法として、図3および図4に示し
た回転引き曲げ型11で曲げ加工を行ったところ、車体
取付け面となりかつ曲げ方向と水平となる壁2,112
の変形量は、同じく表1に示すように、従来形状の場合
は3.0mmと大きなものとなっていたのに対し、発明
形状の場合には0.5mmとかなり小さなものとなって
いた。
【0026】
【表1】
【0027】上記した実施例では、部分鉛直壁5を薄肉
とする変形容易部4に形成した場合を示したが、そのほ
か、部分水平壁6、あるいは部分鉛直壁5と部分水平壁
6との両方を薄肉となる段付き角部の変形容易部4とし
ても、同様の効果が得られる。
【0028】あるいは、この変形容易部4の形状を図5
に示すアルミ押出し形材21のように、中空部内側へ凹
形状となる薄肉湾曲壁27からなる変形容易部24とし
たり、あるいは、図6に示すように、中空部外側へ凸形
状となる薄肉湾曲壁28からなる変形容易部24として
も同様の効果が得られる。
【0029】または、図7に示すアルミ押出し形材31
のように、薄肉傾斜壁35、あるいは、一部薄肉傾斜壁
(35)よりなる変形容易部34としても同様の効果が
得られる。
【0030】さらに、図8に示すアルミ押出し形材41
のように、曲げ方向と水平となる壁42の角部近傍の一
部を薄くして薄肉の部分水平壁46からなる変形容易部
44としたり、あるいは、図9に示すアルミ押出し形材
51のように、曲げ方向と直角となる壁53の角部近傍
の肉厚の一部を薄くして薄肉の部分鉛直壁55からなる
変形容易部54としても、同様の効果が得られる。
【0031】さらには、車体スペースに十分余裕がある
場合は、車体103のクロスメンバー104との取付け
ボルト105の締め付けスペースを考慮して、図10,
図11に示すアルミ押出し形材61,71のように、図
10のごとく曲げ方向と直角となる壁63の一部、ある
いは図11のごとく曲げ方向と水平となる壁72の一部
を、それぞれ中空部の外側に凸となる一部薄肉部65,
75を有する段付き角部からなる変形容易部64,74
としても、同様の効果が得られる。
【0032】以上説明した変形容易部は、車体取付け面
となりかつ曲げ方向と水平となる壁の変形を小さくする
効果が最も大きくなるように薄肉部を設けた変形容易部
としたが、段付き角部と湾曲部の変形容易部について
は、薄肉部を設けない段付き角部、あるいは薄肉部を設
けない湾曲壁の変形容易部としても、多少同様の効果が
得られる。
【0033】なお、この実施例では、曲げ加工法とし
て、回転引き曲げ工法を用いて説明したが、プレス曲げ
工法や引っ張り曲げ工法や圧縮曲げ工法、あるいは、マ
ルチベンダ工法など、その他の曲げ工法を用いてもよ
い。
【0034】実施例2 図12は、本発明に係わる車体構造部材への曲げ加工用
アルミ押出し形材の第2実施例を示すものであって、図
に示すように、車体取り付け面となりかつ曲げ方向と水
平方向となる壁82と、それと隣り合う曲げ方向と直角
となる壁83との間を等肉傾斜壁88で構成された複数
の中空部を有する断面形状のアルミ押出し形材81であ
る。
【0035】このアルミ押出し形材81を前記のような
回転引き曲げ工法などで曲げ加工を行うと、曲げ加工部
の断面における曲げ方向と直角となる壁83は、図13
に示すように、中空部内側へ変形して湾曲壁83aとな
る。そして、この変形は、曲げ方向と直角となる壁83
と隣り合う等肉傾斜壁88との角部86に伝わり、角部
86は一般的に壁部より剛性が高いため、角部86は形
状を維持したまま回転し、曲げ方向と直角となる壁83
の変形(湾曲壁83aの形成)を等肉傾斜壁88に伝
え、等肉傾斜壁88は中空部の外側へ変形して傾斜湾曲
壁88aとなる。
【0036】次に、この傾斜湾曲壁88aとなる変形
は、等肉傾斜壁88と隣り合う車体取付け面となりかつ
曲げ方向と水平となる壁82との角部87を介して同様
に車体取付け面となりかつ曲げ方向と水平となる壁82
へ伝わる。
【0037】つまり、車体取り付け面となりかつ曲げ方
向と水平となる壁82の変形は、中空部内側に凹となる
湾曲壁82aとなって現われる。
【0038】この変形による湾曲壁82aの形成は、曲
げ加工部のみであるため、他のストレート部で車体10
3のクロスメンバー104との取付けを行えば、バッテ
リーフレーム101の取り付け精度は、湾曲部82aの
形成に影響されることなく、高いものとすることが可能
となる。
【0039】実施例3 この実施例では、図14に示すように、他部品との取付
け面となりかつ曲げ方向と水平となる壁92と隣り合う
曲げ方向と直角となる壁93に凹形状となる段付き部9
5,95を設け、その相対する段付き部95,95のほ
ぼ中央を段付き部95,95と直交連接したリブ96を
設けた断面構成を有するアルミ押出し形材91である。
【0040】このアルミ押出し形材91を前記のような
回転引き曲げ加工法などで曲げ加工を行うと、曲げ方向
と直角となる壁93は相対する段付き部95のほぼ中央
に設けられたリブ96で変形が分断され、変形は小さく
なる。そして、小さくされた変形は、凹形状の段付き部
95で限りなく小さくされる。つまり、角部97を介し
て車体取り付け面でありかつ曲げ方向と水平となる壁9
2へ伝達される変形は限りなく小さくなる。
【0041】一方、車体取付け面となりかつ曲げ方向と
水平となる壁92は、前記で説明したように、回転引き
曲げ型11で拘束されながら曲げ加工が行われると、角
部92を介して車体取付け面となりかつ曲げ方向と水平
となる壁92へ伝達されてきた小さい変形はほとんど制
御される。
【0042】したがって、車体取付け面となりかつ曲げ
方向と水平となる壁92は面精度を確保して曲げ加工を
行うことが可能となる。
【0043】次に、この実施例の具体的な例を挙げて効
果について説明すると、図14に示した押出し形材91
における寸法H,L,B,P,Q,t,t,t
表2の発明形状の欄に示す寸法とし、従来例の押出し形
材における寸法H,L,B,Pを表2の従来形状の欄に
示す寸法として、図3および図4に示した回転引き曲げ
型11で曲げ加工を行ったところ、車体取付け面となり
かつ曲げ方向と水平な壁の変形量は、同じく表2に示す
ように、従来形状の場合は3.0mmと大きなものとな
っていたのに対し、発明形状の場合には0.3mmとか
なり小さいものとなっていた。
【0044】
【表2】
【0045】なお、この実施例では、相対する段付き部
95を凹形状としたが、それぞれ凸形状としても、ある
いは、一方を凹形状の段付き部とし、もう一方を凸形状
の段付き部として各々の段付き部のほぼ中央を該段付き
部と直交連接したリブを設けた断面としても同様の効果
が得られる。
【0046】
【発明の効果】本発明に係わる車体構造部材への曲げ加
工用アルミ押出し形材は、請求項1に記載しているよう
に、一つないしは複数の中空部を有する角断面のアルミ
押出し形材製車体構造部材への曲げ加工用アルミ押出し
形材の断面形状において、曲げ方向と直角となる壁と曲
げ方向と水平となる壁との間に、曲げ方向と直角となる
壁部の変形を吸収する変形容易部を設け、該変形容易部
が、曲げ方向と直角となる壁と曲げ方向と水平となる壁
の少なくとも一方あるいは両方が一部薄肉となる段付き
形状であるか該薄肉段付き形状が直角段付き形状以外の
薄肉段付き形状であるような構成としたから、アルミ押
出し形材に対して曲げ加工を行った際に、曲げ方向と直
角となる壁より形材の角部を介して伝わってくる車体取
付け面となりかつ曲げ方向と水平となる壁の変形を中空
部外側へ凸となる変形にならない断面構成を有するアル
ミ押出し形材とすることができるので、このアルミ押出
し形材よりなる車体構造部材の車体への取付け精度を十
分良好なものに確保することが可能であるという著しく
優れた効果がもたらされる。
【0047】そして、本発明に係わる他の車体構造部材
への曲げ加工用アルミ押出し形材は、一つないしは複数
の中空部を有する角断面のアルミ押出し形材製車体構造
部材への曲げ加工用アルミ押出し形材の断面形状におい
て、曲げ方向と直角となる壁と曲げ方向と水平となる壁
との間に、曲げ方向と直角となる壁部の変形を吸収する
変形容易部を設け、更に、請求項2に記載しているよう
に、変形容易部が、中空部内側に窪んだあるいは中空部
外側に膨らんだ薄肉湾曲形状ないしは一部薄肉湾曲形状
であるものとしたり、請求項3に記載しているように、
変形容易部が、薄肉傾斜壁形状ないしは一部薄肉傾斜壁
形状であるものとすることによって、曲げ方向と直角と
なる壁と車体取付け面となりかつ曲げ方向と水平となる
壁との間に、曲げ方向と直角となる壁部の変形を吸収す
る変形容易部を設けられた断面構成とすることができる
ので、曲げ方向と直角となる壁の変形を車体取付け面と
なりかつ曲げ方向と水平となる壁に伝達されるのを防止
することが可能となって、変形容易部で吸収されること
となり、車体への取付け精度を十分良好なものとするこ
とが可能になる。
【0048】また、本発明に係わる更に他の車体構造部
材への曲げ加工用アルミ押出し形材は、請求項4に記載
しているように、曲げ加工用アルミ押出し形材の断面形
状において、他部品との取付け面となりかつ曲げ方向と
水平となる壁と、この曲げ方向と水平となる壁と隣り合
う曲げ方向と直角となる壁との間に傾斜壁を設けた構成
としたから、車体取付け面となりかつ曲げ方向と水平と
なる壁と、それと隣り合う曲げ方向と直角となる壁との
間を傾斜壁で構成した断面形状とすることができるの
で、傾斜壁を介して伝達される曲げ方向と直角となる壁
の変形を車体取付け面となりかつ曲げ方向と水平となる
壁において、中空部内側に凹となる変形にすることが可
能となり、この場合にもこの車体構造部材の車体への取
付け精度を十分良好なものに確保することが可能とな
る。
【0049】更に、本発明に係わる他の車体構造部材へ
の曲げ加工用アルミ押出し形材は、請求項5に記載して
いるように、曲げ加工用アルミ押出し形材の断面形状に
おいて、他部品との取付け面となりかつ曲げ方向と水平
となる壁と隣り合う曲げ方向と直角となる壁に、凹形状
あるいは凸形状となる段付き部を設け、相対する段付き
部のほぼ中央に該段付き部と直交連接するリブを設けた
構成としたから、向かい合う曲げ方向と直角となる壁に
凹形状あるいは凸形状となる段付き部がそれぞれ設けら
れて相対する段付き部のほぼ中央に該段付き部と直交連
接するリブが設けられているものとすることができるの
で、曲げ方向と直角となる壁の変形は限りなく小さなも
のとすることが可能となり、車体取付け面となりかつ曲
げ方向と水平となる壁に伝わる変形をほとんどが制御す
ることが可能となって、この車体構造部材の車体への取
付け精度を十分良好なものに確保することが可能になる
という優れた効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示すアルミ押出し形材の
断面図である。
【図2】第1実施例のアルミ押出し形材の曲げ加工部に
おける断面変形を示す説明図である。
【図3】回転引き曲げ工法の概要を示す説明図である。
【図4】図3の断面VIII−VIIIを示す説明図で
ある。
【図5】第1実施例の変形容易部が凹状の薄肉湾曲形状
である場合の説明図である。
【図6】第1実施例の変形容易部が凸状の薄肉湾曲形状
である場合の説明図である。
【図7】第1実施例の変形容易部が薄肉傾斜壁形状であ
る場合の説明図である。
【図8】第1実施例の変形容易部が曲げ方向と平行とな
る壁で薄肉部分水平壁形状をなす場合の説明図である。
【図9】第1実施例の変形容易部が曲げ方向と直角とな
る壁で薄肉部分鉛直壁形状をなす場合の説明図である。
【図10】第1実施例の変形容易部が曲げ方向と直角と
なる壁で中空部外側へ凸となる一部薄肉段付き形状であ
る場合の説明図である。
【図11】第1実施例の変形容易部が曲げ方向と水平と
なる壁で中空部外側へ凸となる一部薄肉段付き形状であ
る場合の説明図である。
【図12】第2実施例を示すアルミ押出し形材の断面図
である。
【図13】第2実施例のアルミ押出し形材の曲げ加工部
における断面変形を示す説明図である。
【図14】第3実施例を示すアルミ押出し形材の断面図
である。
【図15】バッテリーフレームの全体形状を示す斜視図
である。
【図16】車体とバッテリーフレームの位置関係を示す
説明図である。
【図17】車体のクロスメンバーとバッテリーフレーム
のアルミ押出し形材との取付け部を示す説明図である。
【図18】従来のアルミ押出し形材の曲げ加工部の断面
変形を示す説明図である。
【符号の説明】
1,21,31,41,51,61,71,81,91
アルミ押出し形材製車体構造部材への曲げ加工用アル
ミ押出し形材 2,22,32,42,52,62,72,82,92
車体取付け面となりかつ曲げ方向と水平となる壁 3,23,33,43,53,63,73,83,93
曲げ方向と直角となる壁 4,24,34,44,54,64,74 変形容易部 5,55 部分鉛直壁 6,46 部分水平壁 27,28 薄肉湾曲壁 35 薄肉傾斜壁 65,75 一部薄肉部 88 等肉傾斜壁 95 段付き部 96 リブ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−138022(JP,A) 特開 平5−123800(JP,A) 特開 平8−155534(JP,A) 特開 平5−228539(JP,A) 特開 平4−75722(JP,A) 特開 昭60−33177(JP,A) 特開 昭58−65517(JP,A) 実開 平5−84407(JP,U) 特表 平6−510256(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21C 23/14 B21D 5/00 - 9/18 B62D 21/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一つないしは複数の中空部を有する角断
    面のアルミ押出し形材製車体構造部材への曲げ加工用ア
    ルミ押出し形材の断面形状において、曲げ方向と直角と
    なる壁と曲げ方向と水平となる壁との間に、曲げ方向と
    直角となる壁部の変形を吸収する変形容易部を設け、 該変形容易部が、曲げ方向と直角となる壁と曲げ方向と
    水平となる壁の少なくとも一方あるいは両方が一部薄肉
    となる段付き形状であるか該薄肉段付き形状が直角段付
    き形状以外の薄肉段付き形状であることを特徴とする車
    体構造部材への曲げ加工用アルミ押出し形材。
  2. 【請求項2】 一つないしは複数の中空部を有する角断
    面のアルミ押出し形材製車体構造部材への曲げ加工用ア
    ルミ押出し形材の断面形状において、曲げ方向と直角と
    なる壁と曲げ方向と水平となる壁との間に、曲げ方向と
    直角となる壁部の変形を吸収する変形容易部を設け、 該変形容易部が、中空部内側に窪んだあるいは中空部外
    側に膨らんだ薄肉湾曲形状ないしは一部薄肉湾曲形状で
    あることを特徴とする車体構造部材への曲げ加工用アル
    ミ押出し形材。
  3. 【請求項3】 一つないしは複数の中空部を有する角断
    面のアルミ押出し形材製車体構造部材への曲げ加工用ア
    ルミ押出し形材の断面形状において、曲げ方向と直角と
    なる壁と曲げ方向と水平となる壁との間に、曲げ方向と
    直角となる壁部の変形を吸収する変形容易部を設け、 該変形容易部が、薄肉傾斜壁形状ないしは一部薄肉傾斜
    壁形状であることを特徴とする車体構造部材への曲げ加
    工用アルミ押出し形材。
  4. 【請求項4】 曲げ加工用アルミ押出し形材の断面形状
    において、他部品との取付け面となりかつ曲げ方向と水
    平となる壁と、この曲げ方向と水平となる壁と隣り合う
    曲げ方向と直角となる壁との間に傾斜壁を設けたことを
    特徴とする車体構造部材への曲げ加工用アルミ押出し形
    材。
  5. 【請求項5】 曲げ加工用アルミ押出し形材の断面形状
    において、他部品との取付け面となりかつ曲げ方向と水
    平となる壁と隣り合う曲げ方向と直角となる壁に、凹形
    状あるいは凸形状となる段付き部を設け、相対する段付
    き部のほぼ中央に該段付き部と直交連接するリブを設け
    たことを特徴とする車体構造部材への曲げ加工用アルミ
    押出し形材。
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