JP3371429B2 - 疎水性基含有多糖類の集合体の形成方法 - Google Patents

疎水性基含有多糖類の集合体の形成方法

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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、疎水性基含有多糖類の集合体(会合体)の
形成方法に関する。
背景技術 多糖類に疎水性基が結合した高分子体である疎水性基
含有多糖類は、医薬物を含有する薬物運搬体を被覆する
被覆材料などの医用材料として使用されている。例え
ば、リポソームマイクロカプセル、マイクロスフエア
ー、O/Wエマルションおよび赤血球ゴースト等の薬物運
搬体を疎水性基含有多糖類で被覆した多糖類被覆運搬体
は、この運搬体に含まれている医薬品の自然流出が抑制
されるほか、運搬体の細胞特異的移行率が向上すること
が知られている。
近年、薬物運搬体としてリポソームおよびO/Wエマル
ションが有望とされているが、これらの薬物運搬体を多
糖類で被覆することにより、生体内外における薬物運搬
体の化学的・物理的安定性が向上し、さらに特定の細胞
群に対する標的指向性も発揮されることが報告されてい
る(Bull.Chem.Soc.Jpn.,62,791−796(1989))。ま
た、リポソームを多糖類で被覆することにより、リポソ
ームが物理的に安定化することが報告されている(Drug
Delivery System,5,261(1990))。
また、疎水性基含有多糖類はタンパク質および疎水性
の高い化合物と相互作用し、それらを包埋することが報
告されている(Chem.Lett.,1263(1991))。この文献
には、疎水性基含有多糖類の集合体と、種々の球状タン
パク質とを室温で混合することにより、タンパク質が疎
水性基含有多糖類の集合体に結合し、複合体が形成され
ることが記載されている。また疎水性基含有多糖類の集
合体は過剰のタンパク質存在下においても安定であるこ
とが記載されている。
また、疎水性基含有多糖類と抗原とを含むワクチン製
剤も知られている(WO98/09650号)。さらに、疎水性基
含有多糖類の集合体と抗原とを室温で混合した後、ゲル
クロマトグラフ法で処理することにより、疎水性基含有
多糖類と抗原との複合体を単離、精製することができる
ことも知られている(Macromolecules,.7654(199
4))。
ところで、秋吉らは、Macromolecules,.3062(1993)
において、次のことを発表している。すなわち、疎水化
高分子は希薄水溶液中で、分子内または分子間で疎水基
が自己会合し、結果として高分子が会合した集合体を形
成する。特に疎水性基含有多糖類は、希薄水溶液中で数
分子が自発的に会合してナノオーダーサイズの比較的単
分散な集合体微粒子を形成する。電子顕微鏡観察で、比
較的単分散な球状のナノ微粒子が形成していることが確
認されている。このようなナノオーダーサイズの比較的
単分散な疎水性基含有多糖類の集合体は、水中で分散し
ているが無色透明な液であり、長時間静置しても濁りや
沈殿は生成せず、人の目には水溶液として見える。
疎水性基含有多糖類を水で膨潤させた後、この膨潤液
をホモミキサーなどで撹拌した場合は、白濁状の分散液
が得られる。このような白濁状の分散液は、疎水性基含
有多糖類の一部はナノオーダーサイズの集合体を形成し
ているが、このような集合体を形成していないものも混
在しており、これらは様々な大きさの塊として存在して
いる。このようなナノオーダーサイズの集合体よりも大
きな塊が混在している白濁液を医用材料として用いた場
合、例えばドラッグデリバリーシステム(DDS)の材料
として用いて静脈中に投与した場合、前記塊によって血
栓が生じる。一方、疎水性基含有多糖類が均一にナノオ
ーダーサイズの集合体を形成している無色透明な液を用
いた場合には、血栓が生じるおそれはない。従って、疎
水性基含有多糖類を、各種薬物やタンパク質と複合体を
形成させる医用材料などとして用いるためには、水中に
溶解(無色透明な状態で分散)している疎水性基含有多
糖類の集合体が必要となる。
従来、疎水性基含有多糖類の集合体の形成方法とし
て、1)希薄条件下で疎水性基含有多糖類をジメチルス
ルホキシド(DMSO)に溶解した後、この溶液を水によっ
て透析する方法、2)水中で疎水性基含有多糖類を膨潤
させた後、この膨潤液を超音波処理する方法(Macromol
ecules,.3062(1993)、WO98/09650号)が知られてい
る。
しかし、工業的に疎水性基含有多糖類の集合体を大量
に製造するには、上記従来の形成方法では非常に困難で
ある。まず従来の透析法においては、1)大量処理が可
能な透析設備が必要である、2)膨大な量の水が必要で
ある、3)処理に長時間を要するなどの問題点がある。
また従来の超音波処理法においては、1)一回で処理で
きる超音波処理量が少ない、2)照射効率、照射時間の
制御が難しく、安定して単分散の集合体を得ることがで
きないので、ロットぶれが大きい、3)照射チップの劣
化により金属片等が混入する場合があるなどの問題点が
ある。
以上のような背景から、従来の透析法や超音波処理法
では疎水性基含有多糖類の集合体の大量製造が困難であ
る。このため、疎水性基含有多糖類の集合体のより簡便
な形成方法が望まれているが、前記の透析法および超音
波処理法以外に、疎水性基含有多糖類の集合体の形成方
法は、これまで知られていない。
ところで、水と油の乳化にはホモジナイザーが使用さ
れているが、疎水性基含有多糖類の集合体の形成に使用
された例はこれまで知られていない。
本発明の目的は、上記従来の問題点を解決するため、
ロットぶれや不純物等の混入がなく、このため安定して
均質な疎水性基含有多糖類の集合体を形成することがで
きるとともに、簡便かつ大量に、しかも短時間で形成す
ることができる疎水性基含有多糖類の集合体の形成方法
を提案することである。
発明の開示 本発明者らは、鋭意研究した結果、疎水性基含有多糖
類の膨潤液を高圧ホモジナイザーを用いて分散させるこ
とにより、疎水性基含有多糖類の集合体が簡便かつ大量
に、しかも短時間で得られる知見を得て、本発明を完成
するに至った。すなわち、本発明は次の疎水性基含有多
糖類の集合体の形成方法である。
(1) 水中で疎水性基含有多糖類の集合体を形成させ
る方法において、 疎水性基含有多糖類を水に膨潤させた後、この膨潤液
をホモジナイザーにより9.8〜490MPa(100〜5000kgf/cm
2)の圧力で分散処理する疎水性基含有多糖類の集合体
の形成方法。
(2) ホモジナイザーが高圧ホモジナイザーである上
記(1)記載の形成方法。
(3) ホモジナイザーが、9.8〜490MPa(100〜5000kg
f/cm2)の圧力で加圧した膨潤液をオリフィスからチャ
ンバー内に噴射して分散処理する高圧ホモジナイザーで
ある上記(1)記載の形成方法。
(4) 疎水性基含有多糖類の集合体は、集合体の粒径
が10〜30nm、疎水性基含有多糖類の会合数が3〜20個で
ある上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の形成方
法。
(5) 疎水性基含有多糖類は、−XH基〔式中、Xは酸
素原子またはNYで表される含窒素基(ここで、Yは水素
原子または炭素数1〜10の炭化水素基である。)〕を有
する多糖類において、その多糖類を構成する糖単位100
個あたり、0.1〜10個の−XH基が、下記式(1) 〔式中、Xは前記Xと同じである。R1は炭素数1〜50の
炭化水素基、R2は炭素数12〜50の炭化水素基またはステ
リル基を示す。〕 で表される疎水性基で置換された疎水性基含有多糖類で
ある。
上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の形成方
法。
(6) 疎水性基で置換される前の多糖類がプルラン、
アミロペクチン、アミロース、デキストラン、ヒドロキ
シエチルセルロース、ヒドロキシエチルデキストラン、
マンナン、レバン、イヌリン、キチン、キトサン、キシ
ログルカンおよび水溶性セルロースからなる群より選択
される1種以上である上記(5)記載の形成方法。
図面の簡単な説明 図1は実施例1−1の結果を示すグラフであり、プル
ラン−コレステロール誘導体(CHP)の高圧ホモジナイ
ザー処理前および処理後のSEC分析結果のチャートであ
る。図1の(a)はCHPの高圧ホモジナイザー処理前、
(b)は処理後のSEC分析結果のチャートである。縦軸
は示差屈折計の強度(単位なし)である(以下、同
様)。
図2は実施例1−2ないし1−5の結果を示すグラフ
であり、(a)は実施例1−2、(b)は実施例1−
3、(c)は実施例1−4、(d)は実施例1−5の高
圧ホモジナイザー処理後のSEC分析結果のチャートであ
る。
図3は比較例1の結果を示すグラフであり、透析後の
SEC分析結果のチャートである。
図4はプルラン(分子量10.8万)およびCHPのSEC分析
結果のチャートである。図4の(a)はプルラン(分子
量10.8万)のSEC分析結果、(b)はCHPのSEC分析結
果、(c)はCHPの集合体のSEC分析結果のチャートであ
る。
図5はCHP(濃度0.2重量%)を所定時間超音波処理し
た後のSEC分析結果の図である。
図6は比較例2の結果を示すグラフであり、CHPの超
音波処理後および高圧ホモジナイザーで処理した後のSE
C分析結果のチャートである。図6の(a)はCHPの超音
波処理後のSEC分析結果、(b)は図6の(a)の超音
波処理液を高圧ホモジナイザーで処理した後のSEC分析
結果のチャートである。
発明を実施するための最良の形態 本発明において使用される疎水性基含有多糖類は、疎
水性基を有する多糖類であれば特に限定されないが、次
の疎水性基含有多糖類が好ましい。すなわち、−XH基
〔式中、Xは酸素原子またはNYで表される含窒素基(こ
こで、Yは水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基で
ある。)〕を有する多糖類において、その多糖類を構成
する糖単位100個あたり、0.1〜10個、好ましくは0.1〜
6個の−XH基が、前記式(1)で表される疎水性基で置
換された疎水性基含有多糖類が好ましい。
前記式(1)においてR1で表される炭素数1〜50の炭
化水素基としては、エチレン基、ブチレン基、ヘキサメ
チレン基、ジフェニルメタン基などがあげられる。
前記式(1)においてR2で表される炭素数12〜50の炭
化水素基またはステリル基としては、ラウリル基、ミリ
スチル基、セチル基、ステアリル基、コレステリル基、
スチグマステリル基、β−シトステリル基、ラノステリ
ル基、エルゴステリル基等があげられる。
前記式(1)で表される疎水性基を有する疎水性基含
有多糖類において、疎水性基で置換される前の多糖類
(以下、置換前の多糖類という場合がある)としては天
然または半合成の多糖類があげられる。好ましい置換前
の多糖類としては、プルラン、アミロペクチン、アミロ
ース、デキストラン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒ
ドロキシエチルデキストラン、マンナン、レバン、イヌ
リン、キチン、キトサン、キシログルカンおよび水溶性
セルロースからなる群より選択される1種以上のものが
あげられる。これらの中ではプルラン、マンナン、キシ
ログルカン、アミロペクチン、アミロース、デキストラ
ン、ヒドロキシエチルセルロース等が好ましい。またキ
チン、一部脱アセチル化したキチン、キトサン等の窒素
原子を含有する多糖類も好ましい。これらの多糖類は1
種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せ
て使用することもできる。
前記式(1)で表される疎水性基を有する疎水性基含
有多糖類は、公知の方法で製造することができる。例え
ば、第1段階反応として、OCN−R1−NCO(式中、R1は炭
素数1〜50の炭化水素基である。)で表されるジイソシ
アナート化合物と、R2−OH(式中、R2は炭素数12〜50の
炭化水素基またはステリル基である。)で表される炭素
数12〜50の水酸基含有炭化水素またはステロールとを反
応させて、炭素数12〜50の水酸基含有炭化水素またはス
テロールが1分子反応したイソシアナート基含有疎水性
化合物を製造し、第2段階反応として、前記第1段階反
応で得られたイソシアナート基含有疎水性化合物と前記
置換前の多糖類とを反応させる方法により製造すること
ができる。
前記第1段階の反応で用いるジイソシアナート化合物
(OCN−R1−NCO)の具体的なものとしては、R1がエチレ
ン基であるエチレンジイソシアナート、ブチレン基であ
るブチレンジイソシアナート、ヘキサメチレン基である
ヘキサメチレンジイソシアナート、ジフェニルメタン基
であるジフェニルメタンジイソシアナートなどがあげら
れる。
前記第1段階の反応で用いる炭素数12〜50の水酸基含
有炭化水素(R2−OH)としては、例えばラウリルアルコ
ール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステ
アリルアルコール、アラキニルアルコール、ドコサノー
ル、ペンタコサノール、ヘキサコサノール、オクタコサ
ノール等のアルコール由来の水酸基含有炭化水素基があ
げられる。これらの中では、入手が容易なことから、炭
素数12〜35、特に12〜20のアルコールが好ましい。また
ステロール(R2−OH)としては、例えばコレステロー
ル、スチグマステロール、b−シトステロール、ラノス
テロール、エルゴステロール等があげられる。
前記2段階の反応の一部を、下記の反応式(I)およ
び(II)に示す。下記反応式では、置換前の多糖類とし
てプルランを使用している。下記反応式(I)では、式
(2)で表されるジイソシアナート化合物と、式(3)
で表されるステロールとを反応させて、式(4)で表さ
れるステリルイソシアナートを製造する。この反応で
は、通常式(5)で表されるステロール二量体が副生成
物として生成する。反応式(II)では、反応式(I)で
得らた式(4)で表されるステリルイソシアナートと、
式(6)で表されるプルランとを反応させ、式(7)で
表される多糖類−ステロール誘導体(疎水性基含有多糖
類)を製造する。
上記反応により得られる疎水性基含有多糖類は、沈
殿、遠心分離などの公知の方法により精製することがで
きる。また精製により、式(5)で表されるステロール
二量体(副生物)を除去することができる。前記式
(1)で表される疎水性基を有する疎水性基含有多糖類
およびその製造方法は、特開平3−292301号、Macromol
ecules,.3062(1993)などに詳しく記載されている。
本発明の形成方法は、下記の工程[1]および[2]
により行うことができる。
工程[1] 疎水性基含有多糖類に水を加えて膨潤させる。
工程[2] 上記工程[1]で得られた膨潤液をホモジナイザーに
より、9.8〜490MPa(100〜5000kgf/cm2)の圧力で分散
処理する。この工程[2]の分散処理は2回以上行うこ
ともでき、数回繰り返すことにより集合体の分散状態は
さらに安定化する。
以下、本発明の形成方法をさらに詳細に説明する。
前記工程[1]において使用する水の量は、疎水性基
含有多糖類に対して30〜10000重量倍、好ましくは100〜
1000重量倍であるのが望ましい。30重量倍未満では疎水
性基含有多糖類がゲル状態になるため好ましくない。ま
た10000重量倍を越えると、集合体の形成効率が悪くな
るため好ましくない。膨潤を行う水温は特に制限されな
いが、0〜100℃、好ましくは10〜50℃であるのが望ま
しい。
得られた膨潤液は、撹拌機により撹拌した後、次の工
程[2]に供するのが好ましい。このとき使用する撹拌
機としては、マグネチックスターラー、ホモミキサー等
があげられる。これらの中ではホモミキサーが好まし
い。撹拌機の回転数および撹拌時間等は特に制限されな
いが、回転数は100〜15000rpm、撹拌時間は30秒〜180分
間とするのが好ましい。膨潤液を上記撹拌機で撹拌した
撹拌液は白濁した分散液であり、しばらく静置すると、
沈殿が生じる。
前記工程[2]において使用するホモジナイザーは、
工程[1]の膨潤液を9.8〜490MPa(100〜5000kgf/c
m2)、好ましくは98〜294MPa(1000〜3000kgf/cm2)の
圧力で分散処理することができるホモジナイザーであ
る。このようなホモジナイザーとしては、市販されてい
る高圧ホモジナイザーを使用することができる。高圧ホ
モジナイザーは、高圧力により剪断力、衝突力およびキ
ャビテーション(圧力降下)を発生させ、これらの力に
より乳化または微分散させることを目的とする装置であ
る。
このような高圧ホモジナイザーを用いた場合、具体的
には次のようにして疎水性基含有多糖類の集合体を形成
させることができる。まず、膨潤液を前記圧力で加圧
し、この加圧した膨潤液をオリフィスからチャンバー内
に噴射してキャビテーション(圧力降下)を発生させ
る。これにより、噴射された膨潤液は加速され、チャン
バー内で膨潤液同士、および膨潤液と壁との強い衝突が
起こる。このとき受ける衝突力および剪断力により、疎
水性基含有多糖類が水中に微分散され、疎水性基含有多
糖類の集合体が形成される。このようにして得られる処
理液は無色透明な液であり、長時間静置しても濁りや沈
殿が生じない分散液(以下、水溶液という場合もある)
である。
高圧ホモジナイザーによる分散処理は1回でもよく、
また2回以上繰り返し行うこともできる。また高圧ホモ
ジナイザーによる処理はバッチ式で行うこともできる
し、連続式に行うこともできる。高圧ホモジナイザーに
よる処理回数は、疎水性基含有多糖類の種類、その疎水
基の置換度、水分散液中の濃度、および高圧ホモジナイ
ザーの処理圧力などに大きく依存するので、一概には言
えないが、通常5回の処理を行えば、比較的単分散で、
安定した集合体を形成させることができる。例えば、疎
水性基含有多糖類がプルラン−コレステロール誘導体で
あり、この誘導体のコレステロールの置換度が単糖100
個当たり1.2個、水分散液中の濃度が0.2重量%、高圧ホ
モジナイザーの処理圧力が98MPa(1000kgf/cm2)の場
合、高圧ホモジナイザーによる分散処理を3回繰り返す
ことで、濁りや沈殿を生じない安定した集合体を形成さ
せることができる。
本発明で使用できる高圧ホモジナイザーの具体的なも
のとしては、マイクロフルイダイザー(マイクロフルイ
デックス社製、商標)、マイクロフルイダイザー(みづ
ほ工業(株)製、商標)、DeBEE 2000(販売元キュー
ピー(株)製、商標)、APVゴーリン(ラニー社製、商
標)などがあげられる。
ホモジナイザーで分散処理する膨潤液の温度は特に制
限されないが、0〜100℃、好ましくは10〜50℃である
のが望ましい。
このようにしてホモジナイザーで分散処理することに
より、単分散の集合体を形成させることができる。得ら
れた単分散の集合体、すなわち本発明の方法で得られた
疎水性基含有多糖類の集合体は、通常集合体の粒径が10
〜30nm、疎水性基含有多糖類の会合数が3〜20個であ
る。ここで、上記粒径および会合数は平均の粒径および
平均の会合数である。また得られる処理液は無色透明な
水溶液であり、長時間静置しても濁りや沈殿は生じな
い。なお、膨潤液をマグネチックスターラー、ホモミキ
サーなどの撹拌機で撹拌しただけでは、単分散な集合体
は形成されない。すなわち、撹拌機の回転数を上げた
り、撹拌時間を長くしても白濁したままの状態であり、
無色透明にはならない。
本発明の方法により形成された疎水性基含有多糖類の
集合体は、集合体形成後に凍結乾燥などの方法で乾燥さ
せることにより、疎水性基含有多糖類の集合体を固体と
して得ることができる。この固体は、水を加えることに
より、乾燥する前の無色透明な集合体水溶液を復元させ
ることができる。
本発明の方法により形成された疎水性基含有多糖類の
集合体は、医薬物を含有する薬物運搬体を被覆する被覆
材料などの医用材料として使用することができる。例え
ば、リポソームマイクロカプセル、マイクロスフエア
ー、O/Wエマルションまたは赤血球ゴースト等の薬物運
搬体を被覆する被覆材料として使用することができる。
この場合、本発明の方法で得られる疎水性基含有多糖類
の集合体はロットぶれや不純物等の混入がなく、均質な
疎水性基含有多糖類の集合体であるので、医用材料とし
て安全に使用することができ、しかも安定した品質の薬
物運搬体を得ることができる。また本発明の方法により
形成された疎水性基含有多糖類の集合体は、界面活性
剤、増粘剤および化粧品素材などとして利用することも
できる。
また本発明の方法では、疎水性基含有多糖類を単独で
使用する代わりに、疎水基を有さない多糖類(疎水性基
を導入する前の多糖類)、薬物またはタンパク質等を含
む疎水性基含有多糖類混合物を使用することもできる。
この場合、ドラッグデリバリーシステム(DDS)などの
用途展開の可能性が拡大する。
以上の通り本発明によれば、疎水性基含有多糖類の膨
潤液を特定の圧力でホモジナイザーにより分散処理して
いるので、ロットぶれや不純物等の混入がなく、このた
め安定して均質な疎水性基含有多糖類の集合体を形成す
ることができるとともに、簡便かつ大量に、しかも短時
間で形成することができる。
以下、実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。各実施例に
おける条件は次の通りである。
《サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)の分析条件》 1)使用機器:TOSOH HPSECシステム(東ソー(株)
製、商標) 2)カラム:TSK−gel G4000SWXL(東ソー(株)製、商
標) 3)溶離液:0.05%−NaN3イオン交換水 4)流量:0.5ml/min 5)温度:35℃ 6)検出器:RI(示差屈折計) 《動的光散乱法による粒径の測定》 使用機器:大塚電子社製、DLC−700(商標) 条件;5mW、He−Neレーザー(633nm) 温度=25℃ 散乱角=25゜ 濃度=4.15mg/ml 《静的光散乱法による会合数の測定》 使用機器:大塚電子社製、DLC−700(商標) 条件;MR−102(示差屈折計) 温度=25℃ 散乱角=30〜130゜ 濃度=0.72〜1.93mg/ml 合成例1−1 《N−(6−イソシアナートヘキシル)コレステリルカ
ルバメートの合成》 1literのナス型フラスコに、コレステロール25g(0.0
65mol)、トルエン300mlを加えて溶解し、さらにトリエ
チルアミン17ml(0.12mol)を加えた。そこへ、トルエ
ン300mlに溶解したヘキサメチレンジイソシアナート161
g(0.96mol,14.8eq.)を加え、窒素雰囲気下、80℃で約
6時間反応させた。反応終了後、トルエンと過剰のヘキ
サメチレンジイソシアナートを減圧除去した。得られた
黄色オイル状の残渣を室温で一夜放置することにより、
淡黄色の結晶が生成した。結晶を取り出し、約1literの
ヘキサンを加え、激しく振とうした後、上澄み液をデカ
ンテーションにより除去した。この洗浄操作を計4回行
った後、室温で3時間減圧乾燥することにより、下記式
(4a)で表されるN−(6−イソシアナートヘキシル)
コレステリルカルバメートを得た。
合成例1−2 《N−(6−イソシアナートヘキシル)ステアリルカル
バメートの合成》 300mlのナス型フラスコに、ステアリルアルコール3.4
8g(12.9mmol)、トルエン50mlを加えて溶解し、さらに
ピリジン2.04g(25.8mmol)を加えた。そこへ、トルエ
ン50mlに溶解したヘキサメチレンジイソシアナート30g
(178mmol,14.8eq.)を加え、窒素雰囲気下、80℃で約
3時間反応させた。反応終了後、トルエンおよび過剰の
ヘキサメチレンジイソシアナートを減圧除去することに
より、淡黄色の結晶が生成した。結晶を取り出し、約1l
iterのヘキサンを加え、激しく振とうした後、上澄み液
をデカンテーションにより除去した。この洗浄操作を計
4回行った後、室温で3時間減圧乾燥した。これによ
り、下記式(8)で表されるN−(6−イソシアナート
ヘキシル)ステアリルカルバメートを得た。
合成例2 《プルラン−コレステロール誘導体(CHP)の合成》 秋吉らの方法(Macromolccules,.3062(1993))によ
り、疎水性基含有多糖類を合成した。すなわち、1liter
のナス型フラスコに、プルラン(平均分子量:108000、
和光純薬社製)40g(無水グルコースユニットとして248
mmol)とジメチルスルホキシド(DMSOと略記する場合が
ある)420mlを加え、窒素雰囲気下80℃で撹拌して溶解
させた。この溶液に、合成例1−1で合成したN−(6
−イソシアナートヘキシル)コレステリルカルバメート
1.78g(3.21mmol)をピリジン32.4ml(0.40mol)に溶解
した溶液を加え、90℃で1.5時間反応させた。
反応終了後、ジメチルスルホキシドを減圧除去し、得
られたオイル状の残渣をアセトン6literに滴下して沈殿
を生成させ、精製した。上澄み液を除去後、得られた沈
殿にアセトン4literを加え、室温で一晩放置した。沈殿
を濾別採取した後、減圧乾燥した。得られた固体をジメ
チルスルホキシドに溶解し、これを透析膜(スペクトロ
ポア社製 Spectra/Por3,分画分子量:3500)に充填し、
蒸留水に対して一週間透析した。得られたポリマー溶液
1.51iterを常法により凍結乾燥することによって、下記
式(7a)で表されるプルラン−コレステロール誘導体
(以下、CHPと略記する場合がある)を得た。なお、CHP
1H−NMRスペクトルの積分値からCHPにおけるプルラン
へのコレステロール基の導入率を算出した結果、式(7
a)で表されるプルラン−コレステロール誘導体(CHP)
におけるコレステロール基の置換度は単糖100個当たり
約1.3個であった。
合成例3 合成例2と同様な方法により、単糖100個当たり約2.8
個のコレステロール基が導入されたプルラン−コレステ
ロール誘導体(CHP)を合成した。
合成例4 プルランの代わりに平均分子量約85000のマンナン
(シグマ社製)を用いた以外は合成例2と同様な方法に
より、単糖100個当たり約2.3個のコレステロール基が導
入された、下記式(7b)で表されるマンナン−コレステ
ロール誘導体(以下、CHMと略す場合がある)を合成し
た。
合成例5 合成例1−1で合成したN−(6−イソシアナートヘ
キシル)コレステリルカルバメートの代わりに合成例1
−2で合成したN−(6−イソシアナートヘキシル)ス
テアリルカルバメートを用いた以外は合成例2と同様な
方法により、単糖100個当たり約0.8個のステアリル基が
導入された、下記式(9)で表されるステアリルプルラ
ン(以下、STPと略す場合がある)を合成した。
実施例1−1 合成例2で得たCHPの2gの水1000mlを加え、60℃で2
時間膨潤させた(CHP濃度=0.2重量%)。次に、この膨
潤液をホモミキサー(5000rpm)により5分間撹拌し
た。この時の液の状態は白濁状であった。次に、撹拌後
の20℃の膨潤液をマイクロフルイダイザー(高圧ホモジ
ナイザー、みづほ工業(株)製、M−110Y、商標)によ
り、98MPa(1000kgf/cm2)の圧力でオリフィスからチャ
ンバー内に噴射してホモジナイズし、分散させた。この
ホモジナイズ処理を2回行った。なお、ここで用いたマ
イクロフルイダイザーは処理能力が約500ml/minであ
り、2回のホモジナイズ処理に要した時間は約5分間で
あった。得られた処理液は無色透明であった。この水溶
液について、前記方法により粒径および会合数を測定し
た。結果を表1および表2にまとめる。
また、得られた水溶液をサイズ排除クロマトグラフィ
ー(SEC)で分析した。高圧ホモジナイザーによる処理
前の結果を図1の(a)、処理後の結果を図1の(b)
に示す。図1の結果から、膨潤液を高圧ホモジナイザー
で処理することにより、CHPの集合体が形成されている
ことが確認された。
次に、得られたCHP集合体の水溶液を、凍結乾燥する
ことにより、CHP集合体を白色固体として得た。この固
体を濃度が0.2重量%となるように水に添加した後、室
温で3時間放置し、復元させた。復元液は無色透明であ
った。凍結乾燥する前のCHP集合体の水溶液、および復
元液についてSECで分析し、両者のチャート図を比較し
たところ違いは認められず、両者は同等であることを確
認した。
実施例1−2〜1−6 実施例1−1と同様の操作で、表1に示す疎水性基含
有多糖類および条件でホモジナイズを行った。結果を表
1および表2にまとめる。またSEC分析の結果を図2の
(a)〜(d)に示す。図2の結果より、すべての実施
例において、疎水性基含有多糖類の集合体が形成してい
ることが確認された。
次に、実施例1−1と同様にして凍結乾燥することに
より、各実施例において疎水性基含有多糖集合体を白色
固体として得た。また凍結乾燥する前の集合体の水溶液
および復元液について、実施例1−1と同様にして比較
したところ違いは認められず、両者は同等であることを
確認した。
比較例1 《透析法による集合体の形成》 合成例2で得られたCHPの2gに、ジメチルスルホキシ
ド(DMSO)100mlを入れて溶解させた。これを透析膜(S
pectrum社製、Spectra/Por3,分画分子量:3500)に充填
し、蒸留水に対して4日間透析した。得られた透析処理
液をSEC分析した結果を図3に示した。図3の結果よ
り、単分散の集合体が得られていないことがわかる。
疎水性基含有多糖類の集合体の例として、図4の
(a)に分子量10.8万のプルラン、図4の(b)にそれ
を基盤に用いたプルラン−コレステロール誘導体(CH
P)(プルラン単糖100個当たり、1.3個のコレステロー
ル基を導入)を水分散させたもの、図4の(c)にその
CHPを水分散後、超音波処理したもののSEC分析の結果を
示す。
CHPは、プルランよりも高分子量側にそのピークが認
められ、分子間での会合が生じていることを示してい
る。また図4の(b)および図4の(c)から、分散液
中でルーズな会合状態にあったCHPが、超音波処理によ
って、比較的単分散な集合体を形成したことを示してい
る。また図4の(c)において、集合体の見かけの分散
度を標準のプルラン試料を参照して計算したところ、Mw
/Mn=1.1であった。この集合体を、前記の光散乱法によ
る測定を行ったところ、約8分子が会合した粒径15〜25
nmの微粒子であることがわかっている。
比較例2 《超音波処理による集合体の形成》 実施例1−1と同様に、合成例2で得られたCHPの2g
に水1000mlを入れ、60℃で2時間膨潤させた(CHP濃度
=0.2重量%)。この膨潤液を、プローブ型のソニケー
ター(日本精機社製、プローブ外径12mm)を用い、150W
で60分間超音波照射を行った。超音波照射時は、容器の
外側を氷水で冷却し、常に液の温度を4℃以下に保っ
た。所定時間毎(0、3、5、10、15、30、60分)にサ
ンプリングを行い、SEC分析にて集合体形成の経時変化
を観察した。各時間でのSEC分析の結果を図5に示す。
図5の結果より、時間の経過に伴って集合体が形成さ
れる様子が見られるが、60分後でもピークに肩が見ら
れ、単分散な集合体を形成していないことが確認でき
る。またさらに60分延長して超音波照射したが、ピーク
の肩が確認され、変化は見られなかった。この試料を前
記動的光散乱法により分析した結果、粒径が約128nmで
あることがわかった。
参考例1 合成例2で得られたCHPの0.5重量%濃度の膨潤液を調
製し、比較例2と同じ条件で超音波照射を60分間行った
後、SEC分析を行った(図6の(a))。しかしここで
はピークが複雑化し、集合体形成が不十分であることか
ら、超音波照射法は濃度に依存することがわかる。また
この後、60分延長して超音波照射したが、ピークに変化
は見られなかった。この集合体形成が不十分な超音波処
理液を、前記マイクロフルイダイザー(98MPa(1000kgf
/cm2)、処理回数=1回)で処理した。得られた処理液
のSEC分析結果を図6の(b)に示した。さらに、前記
動的光散乱法および静的光散乱法により分析した結果、
粒径約18nm、会合数約8個であることが確認された。
以上の結果から、超音波照射する方法では集合体の形
成が十分にできないのに対し、高圧ホモジナイザーを用
いる実施例の方法では容易に集合体を形成することがで
きることがわかる。
高圧ホモジナイザーを用いた実施例1−1〜1−6
は、透析による比較例1、超音波処理法の比較例2に比
べて、分子量分布の狭い集合体ができていることがわか
る。また実施例1−1は、処理量2gで処理時間は約5分
であるのに対し、透析の比較例1では、処理量2gで処理
時間は4日間、超音波処理法の比較例2では、処理量2g
で処理時間は2時間以上を要することから、本発明の方
法は簡便かつ大量に、しかも短時間で疎水性基含有多糖
類の集合体を形成することができることがわかる。
産業上の利用可能性 本発明の方法により形成された疎水性基含有多糖類の
集合体は、医薬物を含有する薬物運搬体を被覆する被覆
材料などの医用材料として使用することができる。例え
ば、リポソームマイクロカプセル、マイクロスフエア
ー、O/Wエマルションおよび赤血球ゴースト等の薬物運
搬体を被覆する被覆材料として使用することができる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08B 37/00 C08B 15/00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水中で疎水性基含有多糖類の集合体を形成
    させる方法において、 疎水性基含有多糖類を水に膨潤させた後、この膨潤液を
    ホモジナイザーにより9.8〜490MPa(100〜5000kgf/c
    m2)の圧力で分散処理する疎水性基含有多糖類の集合体
    の形成方法。
  2. 【請求項2】ホモジナイザーが高圧ホモジナイザーであ
    る請求の範囲第1項記載の形成方法。
  3. 【請求項3】ホモジナイザーが、9.8〜490MPa(100〜50
    00kgf/cm2)の圧力で加圧した膨潤液をオリフィスから
    チャンバー内に噴射して分散処理する高圧ホモジナイザ
    ーである請求の範囲第1項記載の形成方法。
  4. 【請求項4】疎水性基含有多糖類の集合体は、集合体の
    粒径が10〜30nm、疎水性基含有多糖類の会合数が3〜20
    個である請求の範囲第1項ないし第3項のいずれかに記
    載の形成方法。
  5. 【請求項5】疎水性基含有多糖類は、−XH基〔式中、X
    は酸素原子またはNYで表される含窒素基(ここで、Yは
    水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基である。)〕
    を有する多糖類において、その多糖類を構成する糖単位
    100個あたり、0.1〜10個の−XH基が、下記式(1) 〔式中、Xは前記Xと同じである。R1は炭素数1〜50の
    炭化水素基、R2は炭素数12〜50の炭化水素基またはステ
    リル基を示す。〕 で表される疎水性基で置換された疎水性基含有多糖類で
    ある 請求の範囲第1項ないし第4項のいずれかに記載の形成
    方法。
  6. 【請求項6】疎水性基で置換される前の多糖類がプルラ
    ン、アミロペクチン、アミロース、デキストラン、ヒド
    ロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルデキストラ
    ン、マンナン、レバン、イヌリン、キチン、キトサン、
    キシログルカンおよび水溶性セルロースからなる群より
    選択される1種以上である請求の範囲第5項記載の形成
    方法。
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