JP3370641B2 - セメント系硬化物表層の着色および改質塗料 - Google Patents

セメント系硬化物表層の着色および改質塗料

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、セメント系硬化
物であるコンクリートやモルタルなどの着色塗料および
改質塗料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、セメント系硬化物の塗料として
は、合成樹脂塗料が一般に知られている。なかでも、シ
リコーン樹脂塗料や塩化ビニル樹脂塗料が使用されるこ
とが多い。これら合成樹脂塗料は、コンクリート製品の
着色のほか、保護剤として使用される。すなわち、合成
樹脂塗料をコンクリート製品の表層に塗布すると、当然
のことながら、コンクリート製品の表面が上記塗料で覆
われる。これらの合成樹脂塗料は、耐水性に優れている
ので、それをコンクリート表面に塗布すれば、その表面
に雨水や海水が浸入するのを防止する。
【0003】もし、コンクリート内に雨水や海水が侵入
してしまうと、アルカリ性のコンクリートが中性化され
る。コンクリートが中性化されれば、結果的にそれが劣
化されることになる。しかし、上記のようにコンクリー
ト表面に合成樹脂塗料を塗布すれば、コンクリート内に
雨水や海水が浸入しないので、コンクリートの中性化を
防ぎ、結果的にコンクリート製品の劣化防止になる。上
記のような意味から、シリコーン樹脂塗料あるいは塩化
ビニル樹脂塗料は、コンクリートの保護剤としての役割
を果たす。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記シリコー
ン樹脂塗料や塩化ビニル樹脂などの合成樹脂塗料は、コ
ンクリート製品の表層を覆うように塗ってあるだけなの
で、塗装してしばらくすると紫外線劣化などによって、
コンクリート表面から剥がれてしまう。剥がれないにし
ても、亀裂が入ることもしばしばある。このように、塗
料に亀裂が入ったり、コンクリート表面から塗料が剥が
れてしまうと、着色した色が落ちてしまうことはもちろ
んのこと、保護剤としての役割である耐水性もなくなっ
てしまうという問題があった。これは、上記従来の合成
樹脂塗料は、あくまでも保護剤であり、コンクリート製
品の改質剤としての機能を全く果たさないことに起因す
るものである。
【0005】この発明の目的は、塗装してから長時間経
っても、色落ちがないのはもちろんのこと、コンクリー
トの改質効果を奏することができるセメント系硬化物表
層の着色および改質塗料を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、顔料と、
水溶性または水分散性ケイ酸塩化合物と、強酸性解離基
を有し幅広いpH範囲で電荷の符号が負である多糖類と
を含有し、上記多糖類が顔料を被覆することにより、顔
料を本来の微粒子の状態で分散している点に特徴を有す
る。第2の発明は、ケイ酸塩化合物は、Si0・M
O(Mはアルカリ金属)のモル比が約2:1〜約5:1
となる点に特徴を有する。
【0007】
【発明の実施の形態】この発明のセメント系硬化物表層
の着色および改質塗料は、多糖類、顔料、ケイ酸塩化合
物を主原料とする。この塗料は、上記多糖類による顔料
の凝集防止作用と、ケイ酸塩化合物の硬化に伴う顔料の
定着との2つの作用を利用することによって、色落ちが
なく、しかもコンクリート製品の改質効果を長時間維持
することができるようになったものである。
【0008】上記のように多糖類、顔料、ケイ酸塩化合
物を主原料とする塗料を製造するときには、多糖類と顔
料とを混練する第1ステップと、第1ステップで得られ
た混練物をケイ酸塩化合物と混合する第2ステップとを
必要とする。上記第1ステップでは、多糖類と顔料と
を、例えば3本ロールの混練機を用いて混練して、十分
な凝集破壊を達成する。このように3本ロールの混練機
を用いて十分に混練すれば、顔料を凝集破壊して微小粒
子に保つことができる。もし、多糖類と顔料とを混合す
るだけであれば、顔料は十分に凝集破壊されず、見かけ
上の粒子が大きくなる。以下、この混練した顔料と多糖
類とを混練物という。この混練物は、顔料を多糖類がコ
ーティングするような形態になっている。
【0009】この多糖類として、強酸性解離基を有し、
幅広いpH範囲で電荷を負に保つことができるアラビア
ガムを用いている。それは、上記混練物の顔料の外側を
負の電荷を有するアラビアガムで覆うことによって、混
練物の顔料粒子全体を見かけ上、負にするためである。
混練物の一つ一つの顔料微粒子が負になっていると、お
互いの粒子の間に斥力が働き、粒子同士がくっつくこと
はない。すなわち、混練物の顔料粒子は、長時間にわた
ってその大きさを微小に保つことができる。
【0010】そして、第2ステップでは、第1ステップ
で得られた混練物と、ケイ酸塩化合物とを混合した。こ
のとき、第1ステップと同じように混練物中の顔料は微
小の粒子を保つことができる。なぜなら、顔料を覆うア
ラビアガムは強酸性解離基を有するので、たとえアルカ
リ性のケイ酸塩化合物に混合しても、アラビアガムのコ
ーティングが剥がれないからである。
【0011】もし、顔料を、強酸性解離基を有しない多
糖類でコーティングした場合には、たとえコーティング
しても、アルカリ性の化合物と混合すれば、そのコーテ
ィングが簡単に剥がれてしまう。そして、その結果、顔
料がむき出しになり、この顔料同士が凝集してしまう。
したがって、この実施形態のように、多糖類が強酸性解
離基を有することは、発明の重要なポイントとなる。
【0012】また、ケイ酸塩化合物は、特性の異なるケ
イ酸ナトリウムとケイ酸リチウムとの混合物を用いてい
る。ケイ酸塩化合物として、特性の異なるケイ酸ナトリ
ウムとケイ酸リチウムとを用いたのは、塗料の硬化速度
を調節するためである。すなわち、上記ケイ酸ナトリウ
ムは、その分子半径が比較的大きいので、単位面積当た
りにコンクリートの陽イオンと反応するケイ酸塩イオン
が少なくなる。反応するケイ酸塩イオンが少ないので、
その分反応時間が長くなり、結果として塗料全体の硬化
速度が相対的に遅くなる。
【0013】一方、ケイ酸リチウムは、その分子半径が
小さいので、単位面積当たりのケイ酸塩イオンが多くな
る。このケイ酸塩イオンはコンクリートの陽イオンと反
応するので、単位面積当たりのイオンが多くなればなる
ほど、分反応時間が短くなり、結果として塗料全体の硬
化速度が相対的に速くなる。したがって、上記のように
特性の異なるケイ酸ナトリウムとケイ酸リチウムとの混
合比を、目的に応じて決めれば、塗料全体の硬化速度
を、自由に調節することができる。
【0014】また、顔料は、耐アルカリ性を有する紅柄
を用いる。耐アルカリ性の顔料を用いるのは、コンクリ
ートとケイ酸塩化合物がアルカリ性を有するからであ
る。このように耐アルカリ性の顔料を用いることで、上
記のようなアルカリ性の化合物等と混合しても、よりき
れいな着色が可能となる。
【0015】上記のように第1ステップおよび第2ステ
ップのプロセスを経て製造した塗料は、顔料とアラビア
ガムとを混練することによって、顔料の粒子が微小に保
たれるとともに、この粒子一つ一つが安定して負の電荷
に保たれる。したがって、上記の塗料をコンクリート製
品に塗布したときには、その塗料がコンクリートの微細
孔に十分に浸透するが、その理由は次のとおりである。
【0016】つまり、コンクリート内には、カルシウム
イオンやマグネシウムイオン等の陽イオンが含まれてい
るが、この塗料の顔料は負の電荷を持っているので、顔
料はコンクリート内の陽イオンに引き寄せられる。その
上、この顔料は十分に凝集破壊されているので、その粒
子は、コンクリートの微細孔に浸透しやすい。
【0017】上記のように顔料がコンクリート内に浸透
すれば、当然のこととして、塗料に含まれているケイ酸
塩化合物もコンクリート内に浸透する。コンクリート内
に浸透したケイ酸塩化合物のケイ酸塩イオンは、コンク
リートに含まれている陽イオンのうち2価以上のものと
反応して硬化する。ケイ酸塩イオンが硬化することによ
って、塗料全体が硬化する。なお、2価以上の陽イオン
のうちでも最も多くコンクリート内に存在し、ケイ酸塩
イオンと反応するのはカルシウムイオンである。
【0018】上記のようにコンクリートの微細孔に浸透
したケイ酸塩イオンが硬化すれば、その微細孔が完全に
ふさがれるので、このコンクリート表面に雨水や海水等
が浸透したりしなくなる。しかも、これらケイ酸塩イオ
ンは、網状構造を実現するので、顔料微粒子も、ケイ酸
塩イオンの硬化にともない網状構造に取り込まれながら
安定的に定着する。したがって、色落ちすることもな
い。
【0019】なお、ケイ酸塩化合物と顔料とだけを混合
した塗料を、コンクリート製品に塗布したとしても、上
記のような効果を得ることはできない。なぜなら、多糖
類が入っていなければ、十分な凝集破壊がされず、顔料
の見かけ上の粒子が大きくなるので、コンクリート内に
ほとんど浸透しないからである。塗料が細孔内に浸透せ
ずに、コンクリート表面で硬化してしまうと、コンクリ
ートとの間の定着力が弱く、もろい状況になるので、塗
料はコンクリート表面から簡単に剥がれてしまう。
【0020】また、多糖類を含まない塗料をコンクリー
ト製品表面に塗布した場合には、顔料が凝集して見かけ
上大きな粒子になっているので、塗料が十分に浸透しな
い。塗料が浸透しないと、その分、塗料とコンクリート
との接触面積が小さくなる。このように接触面積が小さ
くなれば、コンクリートに含まれている2価以上の陽イ
オンと、塗料のケイ酸塩イオンとの反応量が少なくな
る。そのためにケイ酸塩イオンの硬化速度が非常に遅く
なる。硬化時間が遅くなればなるほど、硬化までの間に
雨が降ったりする確率も高くなり、それだけ作業中の天
候に気を使わなければならない。
【0021】しかし、この実施態様の塗料によれば、塗
料が微粒子を保つので、コンクリート製品に十分に浸透
して、塗料のケイ酸塩イオンとコンクリートの2価以上
の陽イオンとの接触面積を大きくすることができる。し
たがって、ケイ酸塩イオンと陽イオンとの反応量も大き
くなり、その分塗料の硬化速度も速くなる。硬化速度が
速くなると、この硬化時間が短縮されるので、天候の変
化を気にしないで、作業することができる。なお、多糖
類を含まない塗料の硬化には、約一昼夜ほどの時間を要
していたが、この実施態様の塗料では、約1時間に短縮
することができる。
【0022】さらに、多糖類を含まない塗料は伸縮性に
欠けるので、たとえそれがコンクリート表面に塗布され
ても、塗膜に小さなクラックを生じて、改質の効果を果
たさない。しかし、この実施態様の塗料によれば、多糖
類が塗料全体に伸縮性を持たせるので、コンクリート製
品の微細孔をしっかりとふさぎながら、しかもクッラク
を防止することもできる。
【0023】また、この実施形態において、ケイ酸塩化
合物としてケイ酸ナトリウムとケイ酸リチウムの2種類
を使用しているので、それらの混合比を、目的に応じて
決めれば、塗料全体の硬化速度を、自由に調節できるこ
と、前記したとおりである。
【0024】上記のようにして製造した塗料は、吹き付
けによってコンクリート製品の表層に塗布したり、生コ
ンクリートを打設するための型枠に塗料を塗布し、それ
をコンクリートに転移させたりすることができる。以
下、実験結果とその実験結果に基づいた実施例を挙げて
説明する。
【0025】(実験1)上記のような実施態様におい
て、ケイ酸ナトリウムとケイ酸リチウムとの最適な比を
検討した。 (結果)この実施態様で使用する塗料において、ケイ酸
ナトリウムとケイ酸リチウムとの範囲は表1に示すよう
な比が適切である。ケイ酸塩ナトリウムとケイ酸塩リチ
ウムとのこのような比にすることによって、吹き付けの
ときでも型枠を用いたときでも、両方の方法に適用する
ことができる塗料が得られる。表1に示した比よりも、
ケイ酸ナトリウムの量が多くなると、塗料が硬化するま
で時間がかかりすぎてしまう。逆に表1に示した比より
もケイ酸ナトリウムの量が少なくなると、塗料の硬化時
間が短すぎて、塗料の準備中に使用に耐えない程度に増
粘してしまう。
【表1】
【0026】(実験2)また、この実施態様において、
ケイ酸塩化合物(SiO・MO)の最適なSi
O:MOのモル比を検討した。 (結果)この実験によって、この実施例で最適なケイ酸
塩化合物の最適なモル比は、Si0:M0が約2:
1〜約5:1であることが分かった。シリカ(Si
)の量が上記の範囲よりも多くなると、ケイ酸塩化
合物全体が高粘度になり、ガラス様になるので、使用に
適さなくなり、塗料全体としてもコンクリートに浸透し
にくくなる。一方、シリカ(Si0)の量が上記の範
囲よりも少なくなると、ほとんど粘度を有さなくなり、
塗布しにくくなる。
【0027】(第1実施例)上記の結果から得られた値
を第1実施例に適用し、以下の方法で塗料を調整した。
そして、この塗料を吹き付けによって、コンクリート製
品に塗布した。第1ステップとして、強酸性解離基を有
する多糖類はアラビアガムを用い、これを40重量%の
水溶液として用いた。顔料は、紅柄を使用した。そし
て、上記アラビアガム水溶液と顔料とを混合し、これを
3本ロール型のミキサーでよく混練して、アラビアガム
と紅柄との混練物とした。この混練物の配合組成を表2
に示す。
【表2】
【0028】第2ステップとして、20重量%のアラビ
アガム水溶液に、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸リチウムを
混合し、この混合液に第1ステップの混練物を入れた。
この第2ステップのアラビアガム水溶液は、分散剤とし
て用いたものであり、例えば界面活性剤のように他の分
散剤を使用してもよい。ただし、第1ステップでアラビ
アガムを使用しているので、第1ステップで得られた混
練物の形状をより安定に保つためには、第2ステップで
もアラビアガム水溶液を使用する方が好ましい。この第
2ステップの配合組成を表3に示す。
【表3】
【0029】上記第1ステップおよび第2ステップで得
られた塗料をコンクリート製品の表面に吹き付けによっ
て塗布した。 (効果)この塗料は、長期間にわたって、コンクリート
製品から剥がれたりすることがなかった。また、色落ち
したり、耐候性が衰えることがなく、コンクリート製品
の劣化を防止することができた。さらに、多糖類を使用
しない塗料は、硬化までにおよそ一昼夜かかっていたの
に比べて、この第1実施例では約1時間に硬化時間を短
縮することができた。
【0030】(第2実施例)第2実施例では、塗料をコ
ンクリート型枠の内側へ吹き付け、塗料を乾燥させた
後、この型枠に生コンクリートを流し入れて成型した。
塗料の製造方法については、第1実施例と同様であるの
で、この同様の点に関しては、詳細な説明を省略する。
この第2実施例で使用した塗料の配合組成を表4に示
す。
【表4】
【0031】(効果)第2実施例の結果、できあがった
コンクリート製品は、きれいに着色され、その後色落ち
することもなく、耐候性も持続した。これは、塗料を吹
き付けた型枠に生コンクリートを打設することによっ
て、生コンクリートが固まるのにともない、この生コン
クリートと型枠の塗料とが徐々に反応したことによるも
のと予測される。すなわち、型枠で乾燥した塗料が、生
コンクリートと接触することによって、顔料を含む微粒
子とケイ酸塩化合物とが、再分散して溶けだし、コンク
リート内に浸透する。コンクリート内に浸透したケイ酸
塩化合物はカルシウムイオンと反応し、再び微粒子とと
もに硬化したものである。
【0032】この第2実施例によれば、あらかじめ塗料
を型枠に塗っておいて、そこに生コンクリートを打設す
ればいよいので、乾燥したコンクリート製品に塗料を塗
布したときよりも、塗料がコンクリート内に浸透しやす
い。塗料がより一層コンクリート内まで浸透することに
よって、塗料の色落ちを防止して、さらに、十分な耐候
性を維持することができる。
【0033】以上のことから、第1実施例および第2実
施例を含むこの実施態様によれば、多糖類と顔料とを混
練することによって、顔料を微粒子に保ったままで、コ
ンクリートの表面に塗布することができるので、塗料が
コンクリートの内部にまで浸透することができる。塗料
がコンクリートの内部まで浸透して硬化することによっ
て、色落ちしたりすることがなく、さらにコンクリート
製品の耐候性を長時間発揮することができる。また、塗
料中のケイ酸塩イオンは、コンクリートの内部に浸入す
ることによって、コンクリート中に含まれる大量の2価
の陽イオンと反応しながら硬化するので、硬化までの時
間が短くなる。
【0034】さらに、硬化した2価の陽イオンとケイ酸
塩とは網状構造を有しているので、コンクリートのクラ
ックなどを防ぐことができる。したがって、クラックか
らの雨水や海水の浸入も防ぐことができ、コンクリート
などのセメント系硬化物の耐候性を向上することができ
る。
【0035】なお、この実施態様においては、強酸性解
離基を有し、幅広いpH範囲で負の電荷を持つ多糖類と
してアラビアガムを使用しているが、このほかにゲラン
ゴムを使用しても、この実施態様と同じ効果を得ること
ができる。また、顔料として紅柄を使用しているが、ケ
イ酸塩化合物あるいはコンクリート等に対する耐アルカ
リ性を有していれば、天然および合成を問わない。ま
た、有機顔料であろうが無機顔料であろうがよい。例え
ば、無機顔料として、亜鉛黄、鉛丹、黄鉛、カドミウム
赤、カドミウム黄、コバルト青、ピリジアン、鉛白、群
青、酸化チタン、鉄黒、ベンガラ、アルミナ白、チタン
黒、リトポン、カーボンブラックなどがある。有機顔料
として、アリザリンレーキ、インダスレンブルー、エオ
シンレーキ、キナクドリンレッド、キナクドリンバイオ
レット、銅フタロシアニン系、ナフトールグリーン、ダ
イヤモンドブラックなどがある。ただし、塗布後の品質
の維持を考えると、耐候性に優れたものが好ましい。
【0036】
【発明の効果】第1の発明のセメント系硬化物表層の着
色および改質塗料によれば、顔料が微粒子になるように
分散させているので、セメント系硬化物の表層にこの塗
料をぬったとき、セメント系硬化物に塗料が浸透する。
浸透した塗料は、セメント系硬化物に形成された微細孔
で、網状構造をとりながら硬化する。したがって、塗料
の色落ちを防止することができ、さらにセメント系硬化
物の耐候性を向上させることができる。第2の発明のセ
メント系硬化物表層の着色および改質塗料によれば、ケ
イ酸塩化合物をSiO2:M2O(Mはアルカリ金属)の
モル比を約2:1〜約5:1としたので、塗料を塗装に
適した粘度にすることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−280850(JP,A) 特開 昭62−164769(JP,A) 特開 昭54−66925(JP,A) 特開 昭55−120664(JP,A) 特表 平9−506397(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 41/60 - 41/72 C09D 1/00 - 201/10 C09C 3/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顔料と、水溶性または水分散性ケイ酸塩
    化合物と、強酸性解離基を有し幅広いpH範囲で電荷の
    符号が負である多糖類とを含有し、上記多糖類が顔料を
    被覆することにより、顔料を本来の微粒子の状態で分散
    していることを特徴とするセメント系硬化物表層の着色
    および改質塗料。
  2. 【請求項2】 ケイ酸塩化合物は、Si0・M
    (Mはアルカリ金属)のモル比が約2:1〜約5:1と
    なることを特徴とする請求項1記載のセメント系硬化物
    表層の着色および改質塗料。
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