JP6024979B2 - 難燃組成物、それを用いた難燃化処理方法および難燃材料 - Google Patents

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Description

本発明は、ケイ素化合物および糖類を含有する難燃組成物、それを用いた難燃化処理方法およびそれにより得られた難燃材料に関する。本発明の難燃組成物は、木材、紙、織布、不織布、樹脂の難燃化に好適に用いられる。
ケイ酸ナトリウム(ケイ酸ソーダ)の高濃度水溶液である水ガラスなどのケイ素化合物は古くから段ボールやベニヤ板などの防火剤(難燃剤)として用いられてきた。
具体的には、水ガラスは接着剤の機能も有することから、防火剤と接着材の機能を併用し、水ガラスを浸透させた紙や木材同士を貼り合せて段ボールやベニヤ板などが加工されてきた。
一方、基材の表面に水ガラスを塗布して難燃性を有する塗膜を形成しようとしても、溶質成分が無機質であるため、基材の表面で粉体化してしまい塗膜が形成されず、十分な難燃性能が得られない。このように水ガラス単独では塗膜剤にはならず、塗膜化するためのバインダーが求められていた。
一方、特開2005−112700号公報(特許文献1)、特開2006−219329号公報(特許文献2)および特開2009−29103号公報(特許文献3)には、ホウ素化合物の水溶液、液状組成物および重合体を用いた難燃化技術が開示されている。
また、特開2006−233006号公報(特許文献4)には、本発明の有効成分である糖類が難燃効果を有することが記載されている。すなわち、樹脂中に糖類化合物が存在していると、糖類化合物は燃焼時の高温時に水酸基が脱水し、水を放出して冷却効果を発揮するとともに、チャー(炭化層)を生成して断熱皮膜を形成することが記載されている。しかし、一般的にチャーは不定形に生成するため、内部を完全につつんで保護する形の皮膜にはなりにくいという欠点があった。
さらに、特開2011−162743号公報(特許文献5)には、ホウ素化合物と糖類との併用およびその高い難燃性能の向上(付与)効果に記載されている。
しかしながら、ホウ酸塩の一部は、欧州などで環境規制の対象になりつつあり、今後の使用できなくなる可能性がある。
すなわち、ホウ素はPRTR法第1種指定化学物質で、使用に当たって含有量の把握が必要である。また、水質汚濁防止法ではホウ素に関する水質基準が定められており、環境中への漏出には注意が必要である。欧州の環境規制であるRoHS指令やREACH規則などでも、ホウ素化合物の規制が強化されつつあり、今後使用できなくなる可能性がある。
また、特開2009−521350号公報(特許文献6)には、本発明の有効成分であるケイ酸塩を含む、耐久性および耐熱性に優れた有機質発泡プラスチック成型体が記載され、ケイ酸塩の反応の遅延剤として本発明の有効成分である糖類が記載されている。
しかしながら、上記の先行技術において、ケイ酸化合物と糖質との併用およびその高い難燃性能の向上(付与)効果については記載されていない。
特開2005−112700号公報 特開2006−219329号公報 特開2009−29103号公報 特開2006−233006号公報 特開2011−162743号公報 特開2009−521350号公報
本発明は、木材、紙、織布、不織布および樹脂に高い難燃性能を付与し得る液状または粉末状の難燃組成物、それを用いた低コストでかつ簡便な難燃化処理方法およびそれにより得られた難燃材料を提供することを課題とする。
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ケイ素化合物、特にケイ酸ナトリウムと糖類とを併用することにより、難燃性能の付与効果が飛躍的に増大し、これまで難燃効果が低かった有機ポリマーにも適用できることを見出し、本発明を完成するに到った。
かくして、本発明によれば、ケイ酸、ケイ酸塩またはそれらの混合物から選択されるケイ素化合物と、糖類とを相乗効果を奏する割合で含有することからなり、
前記相乗効果を奏する割合が、前記ケイ素化合物100部に対して、前記多糖類が1〜1500部の割合(但し、多糖類がデンプンまたはグルコマンナンであるとき1部を除く)であることを特徴とする難燃組成物が提供される。
また、本発明によれば、上記の難燃組成物で難燃化対象材料を処理して、難燃材料を得ることを特徴とする難燃化処理方法が提供される
本発明によれば、木材、紙、織布、不織布および樹脂に高い難燃性能を付与し得る液状または粉末状の難燃組成物、それを用いた低コストでかつ簡便な難燃化処理方法およびそれにより得られた難燃材料を提供することができる。
すなわち、本発明の難燃組成物は、これを樹脂などに配合することにより、優れた難燃性を有する樹脂材料を提供することができる。
実施例に示すように、ケイ素化合物と糖類を併用する難燃組成物は、ホウ素化合物と糖類とを併用する難燃組成物に比較して、少量の塗布量で同等の難燃性を発揮することを見出した。
本発明では、セルロースと同じ炭水化物である糖類を併用することにより、接炎時に表面に炭化層を生じ難い有機ポリマーであっても、その表面に緻密な炭化層が形成され、顕著な難燃効果が発現するものと考えられる。
本発明のケイ素化合物と糖類とを併用する難燃性組成物は、ホウ素化合物と糖類とを併用する難燃性組成物と同等の高い難燃性を発揮するが、上記のようにホウ酸塩の一部が環境規制の対象になりつつあることを考えると、その代替えとして有望である。
また、ケイ素化合物の価格(数十円/kg)は、ホウ素化合物の価格(数百円/kg)よりも1桁以上安価であり、ケイ素化合物を用いる本発明は、経済的にも優位性がある。
また、本発明の難燃組成物は、
(1)ケイ素化合物が、ケイ酸ナトリウム(Na2O・nSiO2・xH2O)であり、かつ糖類が、グルコースおよびフルクトースから選択される単糖類、スクロース(ショ糖)、トレハロース、セロビオースおよびα−シクロデキストリンから選択される少糖類またはデンプン、グルコマンナンおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースから選択される多糖類である、
(2)相乗効果を奏する割合が、ケイ素化合物100部に対して、糖類が単糖類または少糖類であるとき糖類3〜1500部または糖類が多糖類であるとき糖類1〜1500部の割合である、
(3)ケイ素化合物100部中に20〜95部の水を含み、Na/Siのモル比で0.4〜1.5の範囲にある水溶液に、糖類が単糖類または少糖類であるとき、ケイ素化合物100部に対して糖類1〜80部、または糖類が多糖類であるときケイ素化合物100部に対して糖類1〜30部を添加して、溶解せしめた液状の難燃組成物である、および
(4)難燃組成物が、ケイ素化合物と糖類とを混合するか、または上記の液状の難燃組成物を蒸発乾固することにより得られた粉末状の難燃組成物である
のいずれか1つの条件を満足する場合に、上記の優れた効果をさらに発揮する。
さらに、本発明の難燃化処理方法は、
(1)難燃化対象材料が、木材、紙、織布、不織布および樹脂から選択される材料である、
(2)難燃組成物が水溶液、水性懸濁液およびコロイド溶液から選択される液状の難燃組成物でありかつ難燃化対象材料が木材、紙、織布、不織布および樹脂から選択される材料であるとき、該液状の難燃組成物を該材料に塗布または含浸させること、
難燃組成物が粉末状の難燃組成物でありかつ難燃化対象材料が樹脂であるとき、該粉末状の難燃組成物を該樹脂に添加し溶融混練すること、または
難燃化対象材料が樹脂であるとき、難燃組成物の粉末状の構成成分を該樹脂に個別に添加して溶融混練すること
からなる、および
(3)塗布が難燃化対象材料の重量増加率で5〜400%または付着量で0.004〜1.5g/cm2になるように行われ、含浸が前記難燃化対象材料の1kg当り50g以上の含浸量になるように行われ、また添加が前記樹脂100部に対して5〜30部の添加量になるように行われる
のいずれか1つの条件を満足する場合に、上記の優れた効果をさらに発揮する。
本発明の液状の難燃組成物を塗布した試験体の、接炎時の試験体表面の温度変化を示す図である(試験例1)。 本発明の液状の難燃組成物を塗布した試験体の、接炎時の試験体表面の温度変化を示す図である(試験例2および3)。 本発明の液状の難燃組成物を塗布した試験体の、接炎時の試験体表面の温度変化を示す図である(試験例5)。
本発明の難燃組成物は、ケイ酸、ケイ酸塩またはそれらの混合物から選択されるケイ素化合物と、糖類とを相乗効果を奏する割合で含有することを特徴とする。
本発明において「難燃」とは燃え難いこと、「難燃化」とは燃え難くすること、「難燃組成物(「難燃剤」ともいう)」とは材料を燃え難くするための添加剤を意味する。
材料およびその用途によっては法令が整備され、「難燃」に関する詳細な基準や評価方法が規格化されている。
それらの中で、炎を伴った燃焼ができないことを意味する「不燃」、火が燃え広がらないことを意味する「防炎」、その他「防火」および「耐火」などの用語が使われているが、本発明では、これらの用語をすべて含めて「難燃」と定義する。
ケイ酸、ケイ酸塩またはそれらの混合物から選択されるケイ素化合物は、工業的に入手し得るものであれば特に限定されず、例えば、ケイ酸塩としては、JIS K1408に規定されるNa2O・nSiO2・xH2Oの化学式で表わされるケイ酸ナトリウム(ケイ酸ソーダ、工業的には「水ガラス」ともいう)が挙げられる。
上記のJISで規格された市販の水ガラスは、40〜60%程度のH2Oを含み、本発明では、これを水で希釈して、水を蒸発させて濃縮して、または蒸発乾固して固体にして用いることができる。
また、他のケイ酸塩としては、ケイ酸リチウム、ケイ酸カリウムなどが挙げられる。
ケイ素化合物としては、本発明の効果および入手し易さなどの点で、ケイ酸ナトリウムが特に好ましい。
糖類は、ケイ素化合物との併用により本発明の効果を発揮し得る糖類であり、工業的に入手し得るものであれば特に限定されず、低コストで入手し易いものが特に好ましい。
このような糖類は、単糖類、少糖類(オリゴ糖)および多糖類に分類される。
単糖類としては、
グリセルアルデヒドのようなトリオース(三炭糖)、エリトロース、トレオースなどのテトロース(四炭糖)、リボース、リキソース、キシロース、アラビノース、アピオースなどのペントース(五炭糖)、アロース、タロース、グロース、グルコース(ブドウ糖)、アルトロース、マンノース、ガラクトース、イドースなどのヘキソース(六炭糖)などのアルドース;
ジヒドロキシアセトンのようなトリオース(三炭糖)、エリトルロースのようなテトロース(四炭糖)、リブロース、キシルロースなどのペントース(五炭糖)、プシコース、フルクトース(果糖)、ソルボース、タガトースなどのヘキソース(六炭糖)、セドヘプツロース、コリオースなどのヘプトース(七炭糖)などのケトースが挙げられる。
少糖類としては、
トレハロース、イソトレハロース、コージビオース、ソホロース、ニゲロース、ラミナリビオース、マルトース(麦芽糖)、セロビオース、イソマルトース、ゲンチオビオース、ラクトース(乳糖)、スクロース(ショ糖)などの二糖類;
フルクオリゴ糖、ガラクオリゴ糖、乳果オリゴ糖、デオキシリボース、フコース、ラムノース、グルクロン酸、ガラクツロン酸、グルコサミン、ガラクトサミン、グリセリン、キシリトール、ソルビトール、アスコルビン酸(ビタミンC)、グルクロノラクトン、グルコノラクトン、α−シクロデキストリンなどのオリゴ糖が挙げられる。
多糖類としては、デンプン、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲン、セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ペクチン、グルコマンナン、ポリデキストロースなどが挙げられる。
これらの糖類の中でも、グルコースおよびフルクトースから選択される単糖類、スクロース(ショ糖)、トレハロース、セロビオースおよびα−シクロデキストリンから選択される少糖類またはデンプン、グルコマンナンおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースから選択される多糖類が特に好ましい。
ケイ素化合物と糖類との相乗効果を奏する割合は、ケイ素化合物100部に対して、糖類が単糖類または少糖類であるとき糖類1〜1500部、好ましくは3〜1500部、より好ましくは10〜150部または糖類が多糖類であるとき糖類1〜1500部、好ましくは1〜30部の割合である。
配合割合が上記の範囲内であれば、本発明の優れた効果が得られる。
本発明において「部」とは重量部を意味する。
本発明の難燃性組成物は、ケイ素化合物100部中に20〜95部の水を含み、Na/Siのモル比で0.4〜1.5の範囲にある水溶液に、前記糖類が単糖類または少糖類であるとき、ケイ素化合物100部に対して糖類1〜80部、または前記糖類が多糖類であるときケイ素化合物100部に対して糖類1〜30部を添加して、溶解せしめた液状の難燃組成物であるのが好ましい。
配合割合が上記の範囲内であれば、本発明の優れた効果が得られる。
本発明の液状の難燃組成物は、水溶液、水性懸濁液、コロイド溶液のいずれであってもよい。
本発明の難燃組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、付加効果を発揮する添加剤を含んでいてもよい。
液状の難燃組成物の場合、このような添加剤としては、例えば、塗膜形成剤、浸透剤が挙げられる。
浸透剤は、難燃成分を難燃化対象材料、特に樹脂内部まで浸透させる効果を有する。
このような塗膜形成剤としては、水性ポリウレタンエマルション、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)エマルション、エチレン−アクリル酸共重合体(EEA)エマルションなどが挙げられる。
塗膜形成剤の添加量は、難燃組成物が水溶液のとき、2〜15重量%程度、好ましくは2〜5重量%である。
浸透剤は、難燃化対象材料へのケイ素化合物の含浸を促進する効果を有する。
このような浸透剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノールなどのアルコール;エチレングリコール、プロピレングリコールのようなジオール;グリセリンのようなトリオール;炭素数3〜11のアルジトール(グリシトールともいう)のようなポリオール、ポリフェノール類、界面張力を低下させる作用のある界面活性剤などが挙げられる。
浸透剤の添加量は、難燃組成物が水溶液のとき、1〜10重量%程度、好ましくは1〜3重量%である。
また、本発明の難燃性組成物は、ケイ酸、ケイ酸塩またはそれらの混合物から選択されるケイ素化合物と糖類とを混合するか、または上記の液状の難燃組成物を蒸発乾固することにより得られた粉末状の難燃組成物であるのが好ましい。
蒸発乾固は、公知の方法により行うことができるが、スプレードライ法(噴霧乾燥法)が特に好ましい。「スプレードライ法」とは、液体を微細な霧状にして、熱風中に噴霧し、瞬間的に乾燥させて粉体を得る方法である。具体的には、実施例において詳述する。
本発明によれば、上記の難燃組成物で難燃化対象材料を処理して、難燃材料を得ることことからなる難燃化処理方法およびそれにより得られた難燃材料が提供される。
難燃化対象材料は、木材、紙、織布、不織布および樹脂から選択される材料であるのが好ましい。このような材料としては、例えば、
杉材、エゾマツ、ヒノキ、キリ、ベニヤ、ケヤキ、SPF集成材(スプルス(エゾマツ)、パイン(マツ)、ファー(モミ)を貼り合わせた合材)、竹などの木材;
和紙、ふすま紙、洋紙などの紙;
綿布、ポリエステル織布、ポリプロピレン織布、ナイロン織布、アクリル織布、ビニロン織布、アラミド織布、ポリエチレンテレフタレート(PET)織布などの織布;
ポリエステル不織布、ポリプロピレン不織布、ナイロン不織布、アクリル不織布、ビニロン不織布、アラミド不織布などの不織布;
ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン(硬質、軟質)、ポリスチレン、塩化ビニル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、酢酸ビニル樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン(硬質、軟質)、塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)樹脂、AS(アクリロニトリルスチレン)樹脂、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリブチレンテレフタラート樹脂、ブタジエンゴム、ネオプレン(クロロプレン)ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンアクリロニトリルゴム(NBR)、イソブテンイソプレンゴム、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびこれらの複合材料の成形体およびフィルム
が挙げられる。
上記のように、本発明における「木材」は、厚板状、薄板状、粉砕品、粉状にした木を張り合わせや成形により加工した木質材料および薄板、粉砕品、粉状の木材に樹脂を注入して成形性をもたせた木質材料を含む。
本発明の難燃組成物による処理は、
難燃組成物が水溶液、水性懸濁液およびコロイド溶液から選択される液状の難燃組成物でありかつ難燃化対象材料が木材、紙、織布、不織布および樹脂から選択される材料であるとき、液状の難燃組成物を材料に塗布または含浸させること、
難燃組成物が粉末状の難燃組成物でありかつ難燃化対象材料が樹脂であるとき、粉末状の難燃組成物を樹脂に添加し溶融混練すること、または
難燃化対象材料が樹脂であるとき、難燃組成物の粉末状の構成成分を樹脂に個別に添加して溶融混練すること
からなるのが好ましい。
液状の難燃組成物を難燃化対象材料に含浸または塗布するには、公知の方法を適用することができる。
含浸は、加熱下および/または加圧下で行うのが好ましい。その条件は、難燃化対象材料の種類や形状などにより適宜設定すればよい。例えば、液状の難燃組成物の調製時における加熱温度またはそれ以上の温度が好ましく、通常、2〜20気圧程度の圧力が好ましい。
含浸量は、液状の難燃組成物の濃度などにもよるが、難燃化対象材料の1kg当り50g以上、好ましくは500〜2000gである。
含浸量が上記の範囲内であれば、本発明の優れた効果が得られる。
塗布方法およびその条件は、難燃化対象材料の種類や形状、液状の難燃組成物の性状などにより適宜設定すればよく、刷毛、ブレードなどを用いた塗布、噴霧などの公知の方法が挙げられる。液状の難燃組成物が高粘度である場合には、バターナイフ様のブレードを用いた方法が好ましい。
塗布量(乾燥後)は、難燃化対象材料の種類や形状などによるが、難燃化対象材料の重量増加率で5〜400%程度、好ましくは60〜80%、付着量で0.004〜1.5g/cm2程度、好ましくは0.01〜0.1g/cm2である。
塗布量が上記の範囲内であれば、本発明の優れた効果が得られる。
また、所望の難燃性能を得るために1回の塗布で不足の場合には、塗布・乾燥の工程を繰り返してもよい。
液状の難燃組成物を難燃化対象材料に含浸または塗布した後、液状の難燃組成物の溶媒である水を除去するために乾燥してもよい。
乾燥方法およびその条件は、液状の難燃組成物の溶媒である水が除去され、難燃成分および難燃化対象材料が変質、変形しない限り特に限定されず、適宜設定すればよい。
粉末状の難燃組成物と樹脂とを溶融混練する方法、難燃組成物の構成成分を樹脂に個別に添加して溶融混練する方法は、公知の方法を適用することができる。また、溶融混練された樹脂は、通常、公知の方法で所望の形状に成形することができる。
溶融混練には、例えば二軸混練機、成形には例えば押出成形機または射出成形機を用いることができる。
粉末状の難燃組成物または難燃組成物の構成成分の総量の配合量は、樹脂材料の種類や要求される難燃性などにより適宜設定すればよく、通常、樹脂100部に対して5〜30部程度、好ましくは15〜20部である。
配合量が上記の範囲内であれば、本発明の優れた効果が得られる。
本発明を以下の実施例および比較例からなる試験例によりさらに詳しく説明するが、これらの実施例により本発明が限定されるものではない。
以下の説明において、特に断りのない限り「部」は「重量部」を意味する。
試験例において単糖類および少糖類を用いた実施例はすべて参考例である。
(試験例1)
水ガラス100部(Na2O濃度:14.9重量%、SiO2濃度:31.78重量%、モル比Na2O/SiO2:2.2、冨士化学株式会社製、製品名:1号水ガラス50°、以下同様)に、ショ糖(HIRANO社製、上白糖、以下同様)25部を添加・溶解させて水溶液を得た。
水ガラス100部にショ糖10部、5部、2.5部、1.6部および1.3部をそれぞれ添加したこと以外は上記と同様にして水溶液を得た。
得られたショ糖を含む水ガラスの水溶液難燃性能を、水ガラスおよびショ糖水溶液(水100部に対してショ糖17部を添加・溶解した水溶液)と比較評価した。
難燃(耐火)性能の評価を、消防法施行規則第4条の3第3〜7項に規定された防炎物品の防炎性能試験基準(JIS規格A1322に相当)の45°メッケルバーナー法に基づいて実施した。
具体的には、試験体(約300mm×200mm)を水平面から45°傾け、炎長65mmのメッケルバーナーで試験体の下部から2分間、試験体が着火せず貫通しない場合には連続して最長12〜14分間まで接炎(加熱)し、その際の炭化長、炭化面積、貫通時間および加熱中の試験体上面の温度変化を調べた。
介護用マットや住宅用断熱材に使用される硬質ウレタンフォーム(厚さ10mm、密度0.05g/cm3)からなる試験体の表面に、ふすま・障子のり用の刷毛(毛足30mm×幅73mm)を用いて、各水溶液を塗布・乾燥した。
予め試験体の重量を計量しておき、その塗布・乾燥後の重量とから重量増加率(WPG:%)および難燃成分の付着量(g/cm2)を求めた。
得られた結果を表1および2にまとめて示す。
未貫通の試験体について、接炎状態で背面(接炎面と反対の表面)の温度を12分間継続してモニターした。
得られた結果を図1に示す。
(試験例2)
ショ糖の代わりにトレハロース(林原社製、トレハ)を用いたこと以外は、試験例1と同様にして、水溶液を調製し、それらを硬質ウレタンフォームに塗布・乾燥して難燃性能を評価した。
得られた結果を表1および2にまとめて示す。
未貫通の試験体について、接炎状態で背面(接炎面と反対の表面)の温度を12分間継続してモニターした。
得られた結果を図2に示す。
(試験例3)
ショ糖の代わりにグルコース(ブドウ糖、和光純薬社製)を用いたこと以外は、試験例1と同様にして、水溶液を調製し、それらを硬質ウレタンフォームに塗布・乾燥して難燃性能を評価した。
得られた結果を表1および2にまとめて示す。
未貫通の試験体について、接炎状態で背面(接炎面と反対の表面)の温度を12分間継続してモニターした。
得られた結果を図2に示す。
(試験例4)
ショ糖の代わりにフルクトース(果糖、和光純薬社製)を用いたこと以外は、試験例1と同様にして、水溶液を調製し、それらを硬質ウレタンフォームに塗布・乾燥して難燃性能を評価した。
得られた結果を表1および2にまとめて示す。
(試験例5)
ショ糖の代わりにデンプン(幸田商店製、馬鈴薯片栗粉、以下同様)を用い、添加量を6部、3部および1部としたこと以外は、試験例1と同様にして、水溶液を調製し、それらを硬質ウレタンフォームに塗布・乾燥して難燃性能を評価した。
得られた結果を表1および2にまとめて示す。
未貫通の試験体について、接炎状態で背面(接炎面と反対の表面)の温度を12分間継続してモニターした。
得られた結果を図3に示す。
(試験例6)
ショ糖の代わりにグルコマンナン(清水化学社製、レオレックスLM)を用い、添加量を6部、3部および1部としたこと以外は、試験例1と同様にして、水溶液を調製し、それらを硬質ウレタンフォームに塗布・乾燥して難燃性能を評価した。
得られた結果を表1および2にまとめて示す。
(試験例7)
ショ糖の代わりにヒドロキシプロピルメチルセルロース(水溶性セルロース、信越化学製、メトローズ60SH)を用い、添加量を6部、3部および1部としたこと以外は、試験例1と同様にして、水溶液を調製し、それらを硬質ウレタンフォームに塗布・乾燥して難燃性能を評価した。
得られた結果を表1および2にまとめて示す。
(試験例8)
ショ糖の代わりにセロビオース(松谷化学製、セロビオース90)を用いたこと以外は、試験例1と同様にして、水溶液を調製し、それらを硬質ウレタンフォームに塗布・乾燥して難燃性能を評価した。
得られた結果を表1および2にまとめて示す。
(試験例9)
ショ糖の代わりにデンプン5部を用い、硬質ウレタンフォームの代わりにポリプロピレン板(厚さ1mm)を用いたこと以外は、試験例1と同様にして、水溶液を調製し、それをポリプロピレン板に塗布・乾燥して難燃性能を評価した。
表3に示すように、一部の試験において、基材・難燃剤間に塗布するプライマーとして、ポリプロピレン(PP)用接着剤(コニシ株式会社製、製品名:ボンドウルトラ多用途SU、以下同様)を塗布量30重量部で塗布した。
得られた結果を表3および4にまとめて示す。
(試験例10)
ポリプロピレン板の代わりにポリエチレン板(厚さ1mm)を用いたこと以外は、試験例9と同様にして、水溶液を調製し、それをポリエチレン板に塗布・乾燥して難燃性能を評価した。
表3に示すように、一部の試験において、基材・難燃剤間に塗布するプライマーとして、ポリプロピレン(PP)用接着剤を塗布量30重量部で塗布した。
得られた結果を表3および4にまとめて示す。
(試験例11)
ポリプロピレン板の代わりに硬質ウレタンフォーム(厚さ10mm)を用いたこと以外は、試験例9と同様にして、水溶液を調製し、それを硬質ウレタンフォームに塗布・乾燥して難燃性能を評価した。
得られた結果を表3および4にまとめて示す。
(試験例12)
ポリプロピレン板の代わりに軟質ウレタンフォーム(厚さ10mm)を用いたこと以外は、試験例9と同様にして、水溶液を調製し、それを軟質ウレタンフォームに塗布または含浸・乾燥して難燃性能を評価した。
得られた結果を表3および4にまとめて示す。
(試験例13)
ポリプロピレン板の代わりにポリプロピレン不織布(日本製紙クレシア製、キムテックス、厚さ0.7mm)を用いたこと以外は、試験例9と同様にして、水溶液を調製し、それをポリプロピレン不織布に塗布または含浸・乾燥して難燃性能を評価した。
得られた結果を表3および4にまとめて示す。
また、難燃性能の評価を、FMVSS302(米国自動車安全基準の燃焼性試験)に基づいて実施した。
具体的には、上記と同様にして作成した試験体(305mm×305mm)をU字枠に挟んで水平にし、試験体の真下18.8mmの位置にバーナー口を設置し、15秒間接炎(炎長19mm)し、炎が試験体の点火端から38mmおよび325mmの線を通過する間の時間を測定した。また、試験体の点火端から287mmの位置まで燃焼が継続しない場合には、消炎までの時間と試験体の点火端から長さを測定した。これらの測定から、燃焼時間(秒)および燃焼速度(mm/秒)を求めた。
未処理のポリプロピレン不織布は燃焼時間88秒および燃焼速度69mm/秒であったが、デンプンを含む水ガラスを塗布・乾燥した試験体は着火せず、燃焼時間0秒および燃焼速度0mm/秒であった。
また、水ガラスおよびデンプン水溶液をそれぞれ塗布・乾燥した試験体は、それぞれ燃焼時間81秒および77秒、燃焼速度43mm/秒および燃焼速度50mm/秒であった。
(試験例14)
ポリプロピレン板の代わりにポリウレタンフィルム(厚さ0.3mm)を用いたこと以外は、試験例9と同様にして、水溶液を調製し、それをポリウレタンフィルム不織布に塗布または含浸・乾燥して難燃性能を評価した。
得られた結果を表3および4にまとめて示す。
(試験例15)
ポリプロピレン板の代わりに発泡ポリスチレンフォーム板(厚さ10mm)を用いたこと以外は、試験例9と同様にして、水溶液を調製し、それを発泡ポリスチレンフォーム板に塗布・乾燥して難燃性能を評価した。
得られた結果を表3および4にまとめて示す。
(試験例16)
デンプンの代わりにα−シクロデキストリン(C366030、分子量973、純正化学製)を用いたこと以外は、試験例9と同様にして、水溶液を調製し、それをポリプロピレン板に塗布・乾燥して難燃性能を評価した。
表3に示すように、一部の試験において、基材・難燃剤間に塗布するプライマーとして、ポリプロピレン(PP)用接着剤を塗布量30重量部で塗布した。
得られた結果を表3および4にまとめて示す。
(試験例17)
デンプン5部を含有する水ガラスを、付着量0.025g/cm2になるようにポリプロピレン板(厚さ1mm)に塗布したこと以外は、試験例9と同様にして、難燃性能を評価した。
表3に示すように、基材・難燃剤間に塗布するプライマーとして、ポリプロピレン(PP)用接着剤を塗布量30重量部で塗布した。
得られた結果を表3および4にまとめて示す。
(試験例18)
デンプン5部を含有する水ガラスを、付着量0.025g/cm2になるようにポリプロピレン板(厚さ0.75mm)に塗布したこと以外は、試験例9と同様にして、難燃性能を評価した。
表3に示すように、基材・難燃剤間に塗布するプライマーとして、ポリプロピレン(PP)用接着剤を塗布量30重量部で塗布した。
得られた結果を表3および4にまとめて示す。
(試験例19)
水ガラス(Na2O濃度:17.73重量%、SiO2濃度:35.58重量%、モル比Na2O/SiO2:2.13、冨士化学株式会社製、品種:1号59°)60部および水40部を含む水ガラス水溶液を用いたこと以外は、試験例1と同様にして、ショ糖を添加・溶解させて水溶液を調製し、それを硬質ウレタンフォームに塗布・乾燥して難燃性能を評価した。
得られた結果を表5および6にまとめて示す。
(試験例20)
ショ糖の代わりにデンプン5部を用いたこと以外は、試験例19と同様にして、水溶液を調製し、それをポリプロピレン板(厚さ1mm)に塗布・乾燥して難燃性能を評価した。
得られた結果を表5および6にまとめて示す。
(試験例21)
水ガラス(Na2O濃度:11.72重量%、SiO2濃度:28.65重量%、モル比Na2O/SiO2:2.52、冨士化学株式会社製、品種:2号)75部および水25部を含む水ガラス水溶液を用いたこと以外は、試験例1と同様にして、ショ糖を添加・溶解させて水溶液を調製し、それを硬質ウレタンフォームに塗布・乾燥して難燃性能を評価した。
得られた結果を表5および6にまとめて示す。
(試験例22)
ショ糖の代わりにデンプン5部を用いたこと以外は、試験例21と同様にして、水溶液を調製し、それをポリプロピレン板(厚さ1mm)に塗布・乾燥して難燃性能を評価した。
得られた結果を表5および6にまとめて示す。
(試験例23)
水ガラス(Na2O濃度:9.33重量%、SiO2濃度:28.86重量%、モル比Na2O/SiO2:3.19、冨士化学株式会社製、品種:3号)80部および水20部を含む水ガラス水溶液を用いたこと以外は、試験例1と同様にして、ショ糖を添加・溶解させて水溶液を調製し、それを硬質ウレタンフォームに塗布・乾燥して難燃性能を評価した。
得られた結果を表5および6にまとめて示す。
(試験例24)
ショ糖の代わりにデンプン5部を用いたこと以外は、試験例23と同様にして、水溶液を調製し、それをポリプロピレン板(厚さ1mm)に塗布・乾燥して難燃性能を評価した。
得られた結果を表5および6にまとめて示す。
(試験例25)
水ガラス(Na2O濃度:9.9重量%、SiO2濃度:30.21重量%、モル比Na2O/SiO2:3.15、冨士化学株式会社製、品種:3号)80部、水20部およびデンプン5部を含む水溶液を用いたこと、ならびに硬質ウレタンフォームの代わりにポリプロピレン板(厚さ1mm)を用いたこと以外は、試験例1と同様にして、難燃性能を評価した。
得られた結果を表5および6にまとめて示す。
(試験例26)
水ガラス(Na2O濃度:7.5重量%、SiO2濃度:24.5重量%、モル比Na2O/SiO2:3.37、冨士化学株式会社製、品種:特3号)100部およびデンプン5部を含む水溶液を用いたこと、ならびに硬質ウレタンフォームの代わりにポリプロピレン板(厚さ1mm)を用いたこと以外は、試験例1と同様にして、難燃性能を評価した。
得られた結果を表5および6にまとめて示す。
(試験例27)
水ガラス(Na2O濃度:5.8重量%、SiO2濃度:22.5重量%、モル比Na2O/SiO2:4、冨士化学株式会社製、品種:特3号)100部およびデンプン5部を含む水溶液を用いたこと、ならびに硬質ウレタンフォームの代わりにポリプロピレン板(厚さ1mm)を用いたこと以外は、試験例1と同様にして、難燃性能を評価した。
得られた結果を表5および6にまとめて示す。
(試験例28)
試験例19で用いた水ガラス(Na2O濃度:17.73重量%、SiO2濃度:35.58重量%、モル比Na2O/SiO2:2.13、冨士化学株式会社製、品種:1号59°)200kgを、次の条件でスプレードライ法により蒸発乾固(粒体化)した。
装置:日本化学機械製造株式会社製
ノズル径:0.84mm
スワール:SC
噴霧圧力:120kgf/cm2(12MPa)
噴霧量:約100L/h
熱風量:40Nm3/min.
熱風温度:160℃
排風温度:79.6〜84.1℃(コーン部)
75.1〜80.7℃(サイクロン部)
次の物性値を有するきれいな球形の粒子が得られた(パウダー回収量103kg)。
水分量:7%(300℃×1時間の乾燥減量値)
粒度:10〜30μm(電子顕微鏡写真より計測)
平均粒径:14.3μm
嵩比重:0.93(さわり比重)
0.72(みかけ比重)
このように、本発明のケイ素化合物の水溶液を公知の方法により蒸発乾固(粒体化)することができた。
得られた粉末12部およびデンプン3部を、加熱溶融した低密度ポリエチレン樹脂(住友化学社製、以下同様)100部に配合して、溶融混練により配合物を均一に分散させた。次いで、押出成型機(Hitz日立造船製)を用いて、得られた混練物を厚さ1mmの板状に成形し、ポリエチレン板の試験体を得て、試験例1と同様にして難燃性能を評価した。
得られた結果を表7および8にまとめて示す。
(試験例29)
低密度ポリエチレン樹脂の代わりにポリプロピレン樹脂(住友化学社製、以下同様)を用いたこと以外は、試験例28と同様にして、ポリプロピレン板の試験体の難燃性能を評価した。
得られた結果を表7および8にまとめて示す。
(試験例30)
水ガラスの粉末18部およびデンプン5部を用いたこと以外は、試験例28と同様にして、ポリエチレン板の試験体の難燃性能を評価した。
得られた結果を表7および8にまとめて示す。
(試験例31)
低密度ポリエチレン樹脂の代わりにポリプロピレン樹脂を用いたこと以外は、試験例30と同様にして、ポリプロピレン板の試験体の難燃性能を評価した。
得られた結果を表7および8にまとめて示す。

Claims (8)

  1. ケイ酸、ケイ酸塩またはそれらの混合物から選択されるケイ素化合物と、糖類とを相乗効果を奏する割合で含有することからなり、
    前記相乗効果を奏する割合が、前記ケイ素化合物100部に対して、前記多糖類が1〜1500部の割合(但し、多糖類がデンプンまたはグルコマンナンであるとき1部を除く)であることを特徴とする難燃組成物。
  2. 前記ケイ素化合物が、ケイ酸ナトリウム(Na2O・nSiO2・xH2O)であり、かつ前記糖類が、デンプン、グルコマンナンおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースから選択される請求項1に記載の難燃組成物。
  3. 前記難燃組成物が、ケイ素化合物100部中に20〜95部の水を含み、Na/Siのモル比で0.4〜1.5の範囲にある水溶液に、前記ケイ素化合物100部に対して前記多糖類1〜30部を添加して、溶解せしめた液状の難燃組成物である請求項1または2に記載の難燃組成物。
  4. 前記難燃組成物が、前記ケイ素化合物と前記糖類とを混合するか、または請求項に記載の液状の難燃組成物を蒸発乾固することにより得られた粉末状の難燃組成物である請求項1または2に記載の難燃組成物。
  5. 請求項1〜のいずれか1つに記載の難燃組成物で難燃化対象材料を処理して、難燃材料を得ることを特徴とする難燃化処理方法。
  6. 前記難燃化対象材料が、木材、紙、織布、不織布および樹脂から選択される材料である請求項に記載の難燃化処理方法。
  7. 前記処理が、
    前記難燃組成物が水溶液、水性懸濁液およびコロイド溶液から選択される液状の難燃組成物でありかつ前記難燃化対象材料が木材、紙、織布、不織布および樹脂から選択される材料であるとき、該液状の難燃組成物を該材料に塗布または含浸させること、
    前記難燃組成物が粉末状の難燃組成物でありかつ前記難燃化対象材料が樹脂であるとき、該粉末状の難燃組成物を該樹脂に添加し溶融混練すること、または
    前記難燃化対象材料が樹脂であるとき、前記難燃組成物の粉末状の構成成分を該樹脂に個別に添加して溶融混練すること
    からなる請求項またはに記載の難燃化処理方法。
  8. 前記塗布が前記難燃化対象材料の重量増加率で5〜400%または付着量で0.004〜1.5g/cm2になるように行われ、前記含浸が前記難燃化対象材料の1kg当り50g以上の含浸量になるように行われ、また前記添加が前記樹脂100部に対して5〜30部の添加量になるように行われる請求項に記載の難燃化処理方法。
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