JP3370378B2 - 耐摩耗性に優れる高硬度ステンレス鋼 - Google Patents
耐摩耗性に優れる高硬度ステンレス鋼Info
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Description
の要求される機器、例えば織機用のおさ羽などに適する
耐摩耗性に優れる高硬度ステンレス鋼に関する。 【0002】 【従来の技術】おさ羽は、織機や整経機に用いられる、
おさを構成する薄い刃状の部品で、このおさ羽を櫛歯状
に多数並べて長方形の枠に固定したものが、おさと呼ば
れる。おさは、各おさ羽の間を通った経糸の位置を整
え、経糸を押し詰めて、布の折り目を整える働きをす
る。従来は、このおさ羽に、SUS301系鋼に冷間加工を施
して強化したものや、同420 J2等のマルテンサイト系ス
テンレス鋼、あるいは、これらの表面に硬質Crめっき
(特開平1-283380号公報参照)や、CVD またはPVD によ
るセラミックコーティングを施したものが使用されてき
た。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記SUS301は、強度の
冷間加工により強化されたものである。冷間加工率に比
例して硬さは上昇し、硬さの面では、SUS420 J2 より硬
くなるものの、耐摩耗性はSUS420 J2 に劣る。一方、SU
S420 J2 は、耐摩耗性に優れるが、耐食性に問題があ
る。また、Crめっき、CVD またはPVD では、耐摩耗性に
優れた硬質相を得ることができるものの、経済性に問題
がある。 【0004】本発明は、上記の諸問題を解消した、耐摩
耗性に優れる高硬度ステンレス鋼を提供しようとするも
のである。 【0005】 【課題を解決するための手段】発明者らは、おさ羽の摩
耗現象に与えるステンレス鋼の成分組成の影響を詳細に
調べた結果、従来のSUS301系ステンレス鋼と同等の耐食
性および硬さを維持した上で、耐摩耗性が著しく向上し
た高硬度ステンレス鋼を開発するに到った。 【0006】すなわち、本発明は、C:0.10〜0.30wt%
(以下、単に%と示す)、Si:2.0%以下、Mn:2.0 %
以下、Cr:10.0〜15.0%、Ni:5.0 〜8.0 %、Mo:0.1
〜3.0 %およびN:0.01〜0.10%を含み、さらにV:0.
2 〜1.0 %、Ti:0.2 〜1.0%およびNb:0.2 〜1.0 %
のうちから選ばれる少なくとも1種とを、下記式(1)で
定義されるNi当量が19.0〜24.0%の範囲の下に含有し、
残部実質的にFeおよび不可避的不純物の組成に成り、か
つ硬さ(HV)が450以上である耐摩耗性に優れる高硬度
ステンレス鋼である。 【数2】 【0007】 【作用】次に、本発明の高硬度ステンレス鋼の成分組成
を上記の範囲とした理由は、次のとおりである。 C:0.10〜0.30% Cは、高硬度化および耐摩耗性の向上に非常に有効な成
分であり、Nb、TiまたはVと炭化物を形成し耐摩耗性を
向上する。さらに、Cは冷間加工によって生じるマルテ
ンサイト相を強化し、硬度および耐摩耗性を向上する。
しかし、含有量が0.10%未満では十分な耐摩耗性が得ら
れず、一方0.30%をこえると、粗大な未固溶炭化物が多
量に析出し、冷間加工性を著しく劣化させるとともに、
表面疵の原因となる。従って、C含有量は0.10〜0.30%
の範囲とした。 【0008】Si:2.0 %以下 Siは、製鋼時の脱酸剤および強度上昇に有効な成分であ
るが,2.0 %をこえて含有すると、製造性に支障をきた
すため、2.0 %以下に限定した。 【0009】Mn:2.0 %以下 Mnは、製鋼時の脱酸剤および脱硫剤として有効な成分で
あるが,2.0 %をこえて含有すると、熱間圧延および焼
鈍時の表面酸化が激しくなるため、2.0 %以下に限定し
た。 【0010】Cr:10.0〜15.0% Crは、ステンレス鋼に必須の成分であり、10.0%未満で
は耐食性が著しく劣化し、一方15.0%をこえると、δフ
ェライトが残留して硬度低下をもたらすため、10.0〜1
5.0%の範囲とした。 【0011】Ni:5.0 〜8.0 % Niは、強力なオーステナイト安定化成分であり、5.0 %
未満ではδフェライトが多量に残留して硬度低下をもた
らし、一方8.0 %をこえて含有すると、冷間加工におけ
るマルテンサイト変態が阻害され、十分な強度が得られ
なくなるため、5.0 〜8.0 %の範囲とした。 【0012】Mo:0.1 〜3.0 % Moは、耐食性を向上するのに有効な成分であるが、その
含有量が0.1 %未満では十分な効果は得られない。一
方、3.0 %をこえると、その効果が飽和する上、凝固偏
析しやすい成分であるため、δフェライトの残留による
熱間加工性の劣化が生じる。従って、Moの含有量は、0.
1 〜3.0 %の範囲とした。 【0013】N:0.01〜0.10% Nは、Cと同様に硬度の上昇に寄与する成分であるが、
本発明鋼のように、Nb、TiおよびVのいずれか少なくと
も1種を含有する場合に、0.10%をこえて含有すると、
これらの成分と粗大な窒化物を形成して表面疵の原因と
なり、一方、0.01%未満では、十分な強度が得られない
ため、0.01〜0.10%の範囲とした。 【0014】V:0.2 〜1.0 %、Ti:0.2 〜1.0 %およ
びNb:0.2 〜1.0 %のうちから選ばれる少なくとも1種 V、TiおよびNbは、CおよびNと結合して安定な炭窒化
物を形成し、結晶粒内に分散して結晶粒の微細化および
分散強化により機械的強度の向上に寄与するとともに、
耐摩耗性を著しく向上させる成分である。これらの効果
は、上記の成分のうちから選ばれる少なくとも1種を含
有することで得ることができるが、各成分の含有量は、
0.2 %未満では耐摩耗性が劣化し、一方1.0 %をこえる
と炭窒化物の粗大化およびδフェライトの生成により製
造性が劣化するとともに、固溶CおよびNが著しく減少
して硬度が低下するため、各成分の含有量は0.2 〜1.0
%の範囲とした。 【0015】Ni当量:19.0〜24.0% Ni当量は、オーステナイト安定化の指標であり、上記し
た式(1) で定義される。このNi当量が19.0%未満である
と、焼鈍後にマルテンサイトが多量に析出し、冷間加工
が困難になることがある。一方、Ni当量が24.0%をこえ
ると冷間加工によるマルテンサイト変態が抑制されて硬
度が低下し、耐摩耗性が劣化しやすい。そこで、Ni当量
を19.0〜24.0%の範囲とした。 【0016】なお、上記成分組成になるステンレス鋼
は、通常の製造工程で製造されるが、必要な硬度および
耐摩耗性を得るためには、最終冷間圧延率を40%以上と
することが好ましい。さらに、最終冷間圧延後に40〜60
0 ℃で1時間以内の低温熱処理を施すことも、特性面お
よび形状面で有利である。 【0017】 【実施例】表1に示す各成分組成の鋼A〜Qを高周波誘
導炉にて溶製し、各々20kgのインゴットとした。その
後、このインゴットを熱間鍛造および熱間圧延により、
4mm厚の熱延板とした。次いで、この熱延板を1100℃で
熱処理後に2mm厚までの冷間圧延を施し、さらに1100℃
で焼鈍後に1mm厚まで圧延した。かくして得られた製品
板の硬さおよび耐摩耗性について評価した結果を、表1
に併記する。なお、耐摩耗性試験は、ポリエステル系の
糸を板表面に約100 m/min の速度で20時間擦りつけ、
表面の摩耗した部分の長さから耐摩耗性を評価した。 【0018】 【表1】【0019】同表から明らかなように、本発明鋼はいず
れも、硬さがHV450 以上で摩耗長さが17mm以下と、優れ
た結果が得られた。一方、SUS301である比較鋼Qは、硬
さが本発明鋼並みであるが、摩耗長さが28mmと、耐摩耗
性に劣っている。比較鋼Pは、非常に高硬度であるもの
の、V, TiおよびNbのいずれをも含んでいないため、耐
摩耗性に劣っている。比較鋼Mは、Cr, NiおよびNi当量
が本発明範囲外でオーステナイトが安定であるため、硬
さが低く、摩耗長さも長い。比較鋼Nは、Nb含有量が少
ないため、耐摩耗性が不十分である。逆に、比較鋼O
は、Nb含有量が多すぎて、熱間加工割れを生じた。 【0020】 【発明の効果】この発明によれば、従来鋼に比べて耐摩
耗性が著しく良好な高硬度ステンレス鋼、とくに織機お
さ羽用材として好適なステンレス鋼を提供し得る。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】C:0.10〜0.30wt%、Si:2.0 wt%以下、 Mn:2.0 wt%以下、Cr:10.0〜15.0wt%、 Ni:5.0 〜8.0 wt%、Mo:0.1 〜3.0 wt% およびN:0.01〜0.10wt%と、 V:0.2 〜1.0 wt%、Ti:0.2 〜1.0 wt% およびNb:0.2 〜1.0 wt%のうちから選ばれる少なくと
も1種以上とを、下記式で定義されるNi当量が19.0〜2
4.0wt%の範囲の下に含有し、残部実質的にFeおよび不
可避的不純物の組成に成り、かつ硬さ(HV)が450以上
である耐摩耗性に優れる高硬度ステンレス鋼。【数1】
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP07466893A JP3370378B2 (ja) | 1993-03-31 | 1993-03-31 | 耐摩耗性に優れる高硬度ステンレス鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP07466893A JP3370378B2 (ja) | 1993-03-31 | 1993-03-31 | 耐摩耗性に優れる高硬度ステンレス鋼 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06287717A JPH06287717A (ja) | 1994-10-11 |
| JP3370378B2 true JP3370378B2 (ja) | 2003-01-27 |
Family
ID=13553849
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP07466893A Expired - Fee Related JP3370378B2 (ja) | 1993-03-31 | 1993-03-31 | 耐摩耗性に優れる高硬度ステンレス鋼 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3370378B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US8961869B2 (en) * | 2005-01-24 | 2015-02-24 | Lincoln Global, Inc. | Hardfacing alloy |
| US7491910B2 (en) * | 2005-01-24 | 2009-02-17 | Lincoln Global, Inc. | Hardfacing electrode |
-
1993
- 1993-03-31 JP JP07466893A patent/JP3370378B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH06287717A (ja) | 1994-10-11 |
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