JP3370165B2 - 排ガス処理方法 - Google Patents
排ガス処理方法Info
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Description
又はフッ素化合物を含む排ガスから、有害物質を除去す
る方法に関する。特に、石炭燃焼排ガスの処理におい
て、カルシウム系化合物等の吸収剤の利用効率を充分に
維持しつつ、高効率で処理する方法に関する。
発電所や工場のボイラ燃料として、石炭が多く用いられ
ている。この石炭の燃焼排ガスは、重油燃焼排ガスと比
較して、おおよそ数十倍以上もの高い濃度のフッ素化合
物およびアルミニウム化合物等を主成分するダストを含
んでおり、これらの各成分は脱硫性能に対して種々の悪
影響を及ぼすことが知られている。すなわち、フッ化水
素およびその他のフッ素化合物およびアルミニウム化合
物等が排煙脱硫装置の吸収液中に混入すると、CaCO
3 等の吸収剤表面に難溶解性の化合物(アパタイト)が
生成され、それが原因となって吸収剤の溶解を阻害する
現象が生じる。一旦、この現象が生じれば、いかように
操作条件を変えようとも吸収剤の溶解自体きわめて困難
な状態となる(以下、「吸収剤の溶解活性の低下」と称
す)との報告があり、特に、このいわゆる溶解活性の低
下が著しい場合にはアルカリとしてほとんど作用しなく
なるといわれている。これにより、本来脱硫に寄与する
吸収剤の利用効率を充分に維持できず、突然、脱硫率が
所定値に維持できなくなる等の問題が生じていた。
いろいろの角度からの検討がなされてきており、種々の
改良技術も提案されている。例えば、特開昭第62−2
44426号公報には、吸収塔内の吸収、酸化後のスラ
リーにカルシウム系の吸収剤およびアルカリ剤を添加
し、pHを4.5以上にし、炭酸カルシウムの溶解活性
の低下の防止を図る旨の提案がなされている。また、特
開昭第53−129167号公報には、吸収処理前に吸
収液にアルカリ添加剤を添加し、pHを5.0以上に上
昇せしめ、溶解アルミニウムおよび溶解フッ素の濃度を
それぞれ低下させることによって、炭酸カルシウムの溶
解活性の低下の防止を図る旨の提案がなされている。ま
た、特開昭第59−228926号公報には吸収液にマ
ンガン化合物と水酸化ナトリウムを添加し、特に水酸化
ナトリウムを添加することによってpHを上昇させ、フ
ライアッシュ中のアルミニウム化合物が溶解するのを低
下させることによって、脱硫性能の低下を防止する旨の
提案がなされている。
5以上の、比較的高pH領域における処理方法である。
者らが吸収剤のいわゆる溶解活性と運転条件について、
鋭意検討を重ねたところ、従来提案されていた比較的高
いpHの領域での運転条件では、以下のような問題を生
じることがわかってきた。すなわち、冷却(除塵)と吸
収・除去とが1塔内で行われるいわゆるスート混合方式
の処理装置を用いて、吸収液を比較的高いpH領域(例
えば、pH4.5以上)に保ってフッ化水素およびその
他のフッ化化合物およびアルミニウム化合物を含むフラ
イアッシュを混入させた運転実験を行ったところ、炭酸
カルシウム(吸収剤)の溶解速度の著しい低下が生じ得
ることが判明した。このため、図7に示されるようにナ
トリウム化合物(特に、NaOH、Na2 SO4 )を投
入する設備を設け、運転を行ったところ、ナトリウム化
合物の多量投入による、運転コストのアップという問題
が生じたり、あるいは一時的に溶解性が低下することに
よる副産物としての石膏品質の不安定化という問題が生
じたり、あるいはナトリウム化合物添加のための特殊な
吸収液組成の連続測定器や制御機器の設置などによる建
設費のアップ等、種々の問題が生じていた。
吸収塔を分離したいわゆるスート分離方式の処理装置
は、前段処理として、別フローの冷却塔を備えており、
この冷却塔で予め、冷却、除塵処理が行われ、しかも、
次工程の吸収塔へ至るまでに、ミストエリミネータによ
り、同伴ミストが除去される構造になっている。このよ
うな構造的な理由から、これまでは、前段処理が行われ
る冷却塔でフッ化水素およびフライアッシュ等は除去さ
れ、次工程で用いられる吸収液中の炭酸カルシウムの溶
解活性が低下するという問題は発生しないものと考えら
れていた。しかしながら、このスート分離方式の処理装
置を用いて、吸収液のpHの比較的高い領域(例えば、
pH4.5以上)での運転による確認実験を行ったとこ
ろ、スート分離方式においても、前段処理である冷却塔
から排出される排ガス中のエントレイメント(Fおよび
Al含有化合物)が、極めてわずかの量ではあるが、次
工程の除去工程の吸収液に混入してしまうケースが生
じ、この場合における、吸収剤の溶解速度の低下は特に
著しいことがわかった。これは、前段処理である冷却工
程でのpHが0.5〜1.5程度の極めて低いところに
あり、前記フッ素およびアルミニウムが溶解しやすい
か、あるいはすでに溶解した状態(特に、AlF錯体の
形態)で存在し、吸収液のpHが冷却工程のpHより高
いため、たとえそのエントレイメント量がわずかであっ
ても吸収剤の溶解活性の低下に及ぼす影響は極めて大き
くなるものと考えられる(逆にスート混合方式では、溶
解しにくいAl2 O3 、CaF2 等の形態で存在してい
る割合が比較的高い)。さらに、スート分離方式では、
冷却工程と除去工程のpH差が大きい程、溶解活性の低
下に及ぼす影響は大きいことがわかった。
合方式、スート分離方式を問わず、pHの高い領域(例
えば、pH4.5以上)の運転では、吸収剤の溶解速度
が低下することがあることが確認され、これまでに提案
された方法では不十分で、これに対応すべく改善技術の
提案が要望されている。
たものであって、その目的は、吸収剤の溶解活性を低下
させることなく、吸収剤の利用効率を充分に維持しつ
つ、高脱硫率が得られ、品質の安定した石膏が得られる
排ガス処理方法を提供することにある。
るために、本出願に係る発明者らが、鋭意研究した結
果、実際の装置においては、吸収剤の溶解を阻害させる
例えばアパタイトのような物質が吸収剤表面を覆うよう
に生成する反応と、吸収剤(炭酸カルシウム等)がアパ
タイトによって覆われる前に溶解する反応(SO2 の吸
収と酸化により生じた水素イオン等との反応)とが同時
に進行、つまり両者の反応が競争反応となっているため
に、後者の溶解反応を常に優先(大きく)できれば、ア
パタイトのような物質の生成に起因する溶解活性の低下
を制御できることを見いだすとともに、それを実現でき
る操作条件を見いだし、本発明に至ったのである。
化合物等の有害物質を含有する排ガスを冷却する冷却工
程と、該冷却工程を経た前記排ガスを、カルシウム系化
合物を含む吸収液と気液接触させ、かつ該吸収液に酸素
を含む酸化性ガスを導入して前記排ガス中の有害物質を
除去する除去工程と、該除去工程を経た吸収液から石膏
を含む固形分を固液分離する固液分離工程と、該固液分
離工程により除去されたカルシウム分を補充するため
に、カルシウム系化合物を固液分離工程後の母液に投入
するための投入工程と、の4工程を含み、かつアルミニ
ウム化合物を前記4工程のいずれかの工程に混入する排
ガス処理方法であって、前記除去工程での気液接触の方
法が、ガスバブリング方式であるともに、吸収液中の塩
素濃度が、5000mg/L以上であり、前記除去工程
の吸収液のpHが、4.5未満に保持されるように構成
される。
の装置としてスート混合方式の簡略装置図を図1に例示
し、これに従って本発明を説明する。まず最初に、吸収
塔12の形態を、一般的な多段のスプレータイプのもの
として説明する。
含有する排ガス11は、排ガス性状に応じた吸収液滞留
時間を有する液溜部を下部に備える吸収塔12に導入さ
れる。この吸収塔12においては、冷却工程と除去工程
が存在する。すなわち、吸収塔12において、排ガス
は、例えば一つの方式としてポンプにより多段のスプレ
ーから噴霧されるカルシウム系化合物を含む吸収液と気
液接触させられ、冷却、除塵、脱硫された後、ミストエ
リミネータ13により同伴ミストを除去された後、処理
ガス14として吸収塔12から排出される。吸収塔12
の下部の液溜部の液中には酸化用の空気が導入されるよ
うになっており、ここで、酸素の吸収と溶解亜硫酸の酸
化が行われるとともに、カルシウム系化合物の溶解と中
和、石膏の生成と結晶成長が行われる。カルシウム系化
合物としては、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、酸
化カルシウム等が用いられる。
吸収液スラリーの一部は、固液分離器17へと送られ、
ここで石膏を含む固形分を固液分離する固液分離工程が
行われる。この分離工程後の母液は、さらに吸収剤調合
槽19に送られ、ここでは固液分離工程により除去され
たカルシウム分を調合補充するために、カルシウム系化
合物を固液分離工程後の母液に投入するための投入工程
が行われる。投入工程後に調製された吸収液は吸収塔1
2に戻される。なお、この図において、緊急時の対策と
して、点線で示すようにNaOH,Na2 SO4 ,Na
2 CO3 ,Mg(OH)2 などの水酸化物、炭酸塩もし
くは硫酸塩を、冷却/吸収塔の下方の吸収液溜め、固液
分離後の母液、固液分離器へのラインなどのいずれか少
なくとも1カ所にバッチ投入できるようにしておくこと
が好ましい。pH4.5未満での運転においても、pH
計指示値の精度誤差による高pH運転、排水系トラブル
による吸収液の吸収塔からの液抜き出し不良などのトラ
ブルによって、一時的な溶解活性低下の発生に対する対
策として、特にバッチ投入を吸収液pHが大きく変動し
ないように投入する。このpHは6.5以下、好ましく
は(設定pH)±1.0、実用的には(設定pH)±
0.5である。これは、脱硫率を大きく変化させないた
めである。それゆえ、バッチ投入される前記化合物の中
では特に硫酸塩が好ましい。これによって、一時的な溶
解活性の低下によるpHの低下、脱硫率の低下を防止で
きる。
記4つの工程を含むとともに、かつアルミニウム化合物
が前記4工程のいずれかの工程に混入するものを対象に
している。アルミニウム化合物が前記4工程のいずれか
の工程に混入しているとの要件は、本発明の解決しよう
とする前記課題との兼ね合いからも、容易に理解できよ
う。すなわち、排ガス処理装置に流入するアルミニウム
成分は、フライアッシュのみならず、カルシウム系化合
物の吸収剤(例えば、炭酸カルシウム)の中にも含有さ
れており、この吸収剤からも流入する。フライアッシュ
中にはアルミニウム成分がアルミニウムとして約5〜1
5%程度含有されており、通常の運転条件における電気
集塵機出口の排ガス中のフライアッシュ濃度は、50〜
200mg/m3 Nであり、これによるアルミニウムの
流入量とカルシウム系化合物からのアルミニウム流入量
とを合計すると、吸収剤の溶解活性の低下を起こすのに
充分な量が吸収液に流入しているからである。
は、前記除去工程の吸収液のpHが、4.5未満、好ま
しくは、4.0以下、より好ましくは、2.0〜4.0
とされる。この値が、4.5以上となると、後述する実
施例からもわかるように吸収剤の溶解速度の低下が顕著
となり好ましくない。また、吸収剤の理論当量をはるか
に越えた吸収剤を投入しなければならず、副生物である
石膏の品質が低下するとともに、pHコントロールがで
きなくなる場合も生じる。この一方でこの値が低くなり
過ぎて、例えば2.0未満になると、pHが低いため、
吸収剤投入量と、pHとの関係での応答性が中和曲線か
らわかるように鈍く、pH制御が難しくなり、さらにp
H2.0未満の吸収液では脱硫効率が低下し、消費電力
が増加するという不都合が生じうる。このようなpH値
のコントロールは、吸収剤調合槽19におけるカルシウ
ム系化合物の添加量の調整や、カルシウム系化合物を含
有する分離工程後の母液の吸収塔(除去工程)への供給
量の調整等によって行われる。また、本発明における吸
収液のpHとは、原則として気液接触に供される吸収塔
のボトムに存在する吸収液のpHを意味し、例外的にい
わゆるスプレータイプの吸収液循環ラインの途中にカル
シウム系化合物の添加機構を備えるものについては、ス
プレー出口のpHを意味する。
中に含有されるフッ素化合物のうち、一般には約90%
程度がボイラーや電気集塵機で灰と一緒に排ガスから分
離除去されるものの、排ガス処理装置の入口の排ガス中
には、石炭中の含有量の約10%のフッ素化合物が含ま
れる。排ガス中のHFガス、フライアッシュ中の不揮発
性フッ素化合物(例えば、CaF2 など)およびカルシ
ウム系化合物の吸収剤(例えば、炭酸カルシウム)中の
フッ素化合物(例えば、CaF2 など)中のフッ素の総
量が、フッ素として排ガス中ガス濃度に換算して1.5
ppm以上の場合であっても、本発明の排ガス処理方法
では吸収液のpHを所定の範囲に規定しているので、吸
収剤の溶解活性の低下を防止できることが確認されてい
る。ちなみに、フッ素の総量が1.5ppm以上の場
合、従来の高pH処理方法では、吸収剤の溶解活性の低
下が顕著である。なお、フッ素の総量を排ガス中ガス濃
度に換算するとは、フッ素の総量をmolに換算し、2
2.4を乗じて標準状態でのフッ化水素換算のガス量を
求め、それを排ガス量で除して容積含有率を算出したも
のである。
るように、塩素の共存下では、溶解活性の低下はより顕
著となるが、このような条件においても、本発明の排ガ
ス処理方法では、吸収剤の溶解活性の低下を防止できる
ことが確認されている。
記吸収塔12の形態を、一般的な多段のスプレータイプ
のものを例にとって説明したが、吸収塔12の形態は図
2に示されるようないわゆるジェットバブリングリアク
ター12’に置換するのが好適である。この場合には、
特に前記除去工程での気液接触の方法が、ガスバブリン
グ方式であるので、特に低いpH領域であっても高効率
で、高脱硫率が得られる。このジェットバブリングリア
クター12’に関する基本的な技術的思想は、例えば、
特公昭第55−37295号公報、特公昭第60−47
26号公報に開示されている。
の構成について、図2に基づいて簡単に説明すると、排
ガス11は、ジェットバブリングリアクター12’の排
ガス入口ダクトの近傍および/または入口プレナム22
間で冷却され、デッキ板23に取りつけられた多数のス
ーパージャーパイプ24を通して、吸収液30中にジェ
ット噴射され、SO2 が吸収・除去される。脱硫された
処理ガス14aは入口プレナム22を貫通するガスライ
ザー管25を通って出口プレナム26に抜け、出口ダク
トを経て煙突より排出される。ここで、酸化用空気は、
リアクター底部より吸収液中に分散供給され、中和反応
用の炭酸カルシウムは、スラリー33でリアクター内に
供給される。また、生成された石膏はリアクター内で成
長し、スラリー35として抜き出される。
課題は、いわゆるスート混合方式、スート分離方式、双
方のタイプの装置で生じるので、本発明はいずれのタイ
プのものにも適用される。従って、特に説明上、一例と
して取り挙げたスート混合方式に限定されるわけではな
い。
の工程を含むが、これらの工程に、必要に応じて公知の
種々の工程を付加してもよいことは勿論である。
をさらに詳細に説明する。 (実施例1)図1に示されるスート混合方式(ただし、
吸収塔としては図2に示されるジェットバブリングリア
クター12’タイプを組み込む)の模擬装置を用いて、
排ガス処理実験を行った。
r、入口SO2 濃度:620ppm−dry、カルシウ
ム系化合物:CaCO3 (粒度200mesh−90%パ
ス、純度98.5%)とし、吸収液中のフッ素化合物と
しての全フッ素濃度と、炭酸カルシウムの理論当量に対
する過剰量と、pHとの関係を調べた。なお、吸収液中
のCl濃度は5000mg/l、アルミニウム化合物として
のAl濃度は250mg/l、Mg濃度は500mg/lとし
た。結果を図3のグラフに示した。この実験結果を示す
グラフより、吸収液のpHが4.5未満となるとフッ素
化合物混入による溶解速度の低下(炭酸カルシウムのい
わゆる溶解活性の低下)は極めて有効に防止されること
が確認された。 (実施例2)スート分離方式の模擬装置、すなわち、冷
却塔を前段処理として新たに設けた以外は、上記実施例
1と同一の装置を用いて排ガス処理実験を行った。この
実験において、冷却塔の液の一部を吸収塔(ジェットバ
ブリングリアクター12’)に投入するとともに、吸収
塔へ流入するアルミニウム化合物としてのAl量および
フッ素化合物としてのフッ素量を前記実施例1の場合に
対して1/20の量とした。その結果、実施例1の場合
と同様に、吸収液のpHが4.5未満となると、炭酸カ
ルシウムの過剰量は、急激に減少し、炭酸カルシウムの
溶解活性の低下は極めて有効に防止されることが確認さ
れた。 (実施例3)前記実施例1と同じ装置を用い排ガス処理
実験を行った。フッ素として60mg/kgのフッ素化
合物を含むフライアッシュを100mg/m3 Nとし、
さらに、フッ素として100mg/kgのフッ素化合物
を含む炭酸カルシウムを用い、その他の条件は前記実施
例1と同様とした。この実験において、排ガス中のHF
濃度を変化させ、フッ素の総量を排ガス中のHF濃度に
換算したものと、炭酸カルシウムの理論当量に対する過
剰量と、pHとの関係を調べた。結果を図4のグラフに
示した。この実験結果を示すグラフより、溶解速度の低
下が顕著となる排ガス中フッ素化合物(HF)濃度1.
5ppm以上においても、H4.5未満となるとフッ素
化合物混入による溶解速度の低下(炭酸カルシウムのい
わゆる溶解活性の低下)は極めて有効に防止されること
が確認された。 (実施例4)前記実施例1と同じ装置を用い排ガス処理
実験を行ない、吸収液中の塩素添加濃度と、炭酸カルシ
ウムの理論当量に対する過剰量と、pHとの関係を調べ
た。なお、吸収液中のフッ素化合物としての全F濃度は
1000mg/l、アルミニウム化合物としての全Al濃度
は250mg/l、Mg濃度は500mg/lとした。結果を図
5のグラフに示した。この実験結果を示すグラフより、
吸収液のpHが4.5未満となると塩素混入による溶解
速度の低下(炭酸カルシウムの溶解活性の低下)は極め
て有効に防止されることが確認された。 (実施例5)HF、Al(OH)3 共存下での炭酸カル
シウムの溶解速度のpH依存性を測定した。結果を下記
図6のグラフに示した。この実験結果を示すグラフよ
り、吸収液のpHが4.5以上となると急激に溶解速度
が低下(炭酸カルシウムの溶解活性の低下)することが
確認された。
らかである。すなわち、本発明は、硫黄酸化物、フッ素
化合物等の有害物質を含有する排ガスを冷却する冷却工
程と、該冷却工程を経た前記排ガスを、カルシウム系化
合物を含む吸収液と気液接触させ、かつ該吸収液に酸素
を含む酸化性ガスを導入して前記排ガス中の有害物質を
除去する除去工程と、該除去工程を経た吸収液から石膏
を含む固形分を固液分離する固液分離工程と、該固液分
離工程により除去されたカルシウム分を補充するため
に、カルシウム系化合物を固液分離工程後の母液に投入
するための投入工程と、の4工程を含み、かつアルミニ
ウム化合物を前記4工程のいずれかの工程に混入する排
ガス処理方法であって、前記除去工程の吸収液のpH
を、4.5未満に保持するように構成されているので、
吸収剤の溶解速度を低下させることなく、吸収剤の利用
効率を充分に維持しつつ、高脱硫率が得られ、品質の安
定した石膏が得られる。
てのスート混合方式の簡略装置図である。
ある。
理論当量に対する過剰量と、pHとの関係を示すグラフ
である。
を排ガス中のHF濃度に換算したものと、炭酸カルシウ
ムの理論当量に対する過剰量と、pHとの関係を示すグ
ラフである。
理論当量に対する過剰量と、pHとの関係を示すグラフ
である。
ムの溶解速度のpH依存性を示すグラフである。
ための概略装置図である。
ための概略装置図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 硫黄酸化物、フッ素化合物等の有害物質
を含有する排ガスを冷却する冷却工程と、該冷却工程を
経た前記排ガスを、カルシウム系化合物を含む吸収液と
気液接触させ、かつ該吸収液に酸素を含む酸化性ガスを
導入して前記排ガス中の有害物質を除去する除去工程
と、 該除去工程を経た吸収液から石膏を含む固形分を固液分
離する固液分離工程と、 該固液分離工程により除去されたカルシウム分を補充す
るために、カルシウム系化合物を固液分離工程後の母液
に投入するための投入工程と、 の4工程を含み、かつアルミニウム化合物を前記4工程
のいずれかの工程に混入する排ガス処理方法であって、前記除去工程での気液接触の方法が、ガスバブリング方
式であるともに、吸収液中の塩素濃度が、5000mg
/L以上であり、 前記除去工程の吸収液のpHが、4.5未満に保持され
ることを特徴とする排ガス処理方法。 - 【請求項2】 前記除去工程の吸収液のpHが、2.0
〜4.3であることを特徴とする請求項1に記載の排ガ
ス処理方法。 - 【請求項3】 前記冷却工程と、前記除去工程を1ユニ
ットの1塔で処理することを特徴とする請求項1または
請求項2に記載の排ガス処理方法。 - 【請求項4】 前記排ガスが石炭の燃焼により発生した
ものであることを特徴とする請求項1ないし請求項3の
いずれかに記載の排ガス処理方法。 - 【請求項5】 前記冷却工程に導入される排ガスと前記
カルシウム系化合物に含有されるフッ素化合物中のフッ
素の総量が、フッ素として排ガス中ガス濃度に換算し
て、1.5ppm以上であることを特徴とする請求項1
ないし請求項4のいずれかに記載の排ガス処理方法。
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1993
- 1993-12-30 JP JP35029593A patent/JP3370165B2/ja not_active Expired - Lifetime
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