JPH07194935A - 排煙処理方法 - Google Patents

排煙処理方法

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JPH07194935A
JPH07194935A JP5350296A JP35029693A JPH07194935A JP H07194935 A JPH07194935 A JP H07194935A JP 5350296 A JP5350296 A JP 5350296A JP 35029693 A JP35029693 A JP 35029693A JP H07194935 A JPH07194935 A JP H07194935A
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JP
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flue gas
aluminum
fluorine
compound
calcium
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Application number
JP5350296A
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English (en)
Inventor
Kazushige Kawamura
和茂 川村
Eiji Awai
英司 粟井
Takashi Kimura
隆志 木村
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Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
Original Assignee
Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 フッ素化合物やアルミニウム化合物等が排煙
処理装置系に入る前の事前の排煙処理を考慮しつつ、炭
酸カルシウム、消石灰などのカルシウム系化合物の吸収
剤を用い、吸収剤の高い利用率を確保し、安定した高脱
硫率を維持することができる排煙処理方法を提供する。 【構成】 燃焼排煙3を冷却したのち、カルシウム系化
合物を含む吸収液と気液接触させ、かつ該吸収液に酸素
を含む酸化性ガスを導入して前記燃焼排煙中の有害物質
を除去する除去工程12と、該除去工程を経た吸収液か
ら石膏を含む固形分を固液分離17する固液分離工程
と、該固液分離工程により除去されたカルシウム分を補
充するために、カルシウム系化合物を固液分離工程後の
母液に投入するための投入工程19と、の3工程を含
む、排煙処理方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、硫黄酸化物、フッ素化
合物、アルミニウム化合物等を含む排煙から、有害物質
を除去する方法に関する。特に、炭酸カルシウム、消石
灰などのカルシウム系化合物吸収剤を用い、吸収剤の高
い利用率を確保し、安定した高脱硫率を維持することが
できる、いわゆる1塔式のスート混合型の排煙処理方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、エネルギーの多様化にともない、
発電所や工場のボイラ燃料として、石炭が多く用いられ
ている。この石炭の燃焼排ガスは、重油燃焼排ガスと比
較して、おおよそ数十倍以上もの高い濃度のフッ素化合
物、およびアルミニウム化合物等を主成分するダストを
含んでおり、これらの各成分は脱硫性能に対して種々の
悪影響を及ぼすことが知られている。すなわち、フッ素
化合物、およびアルミニウム化合物等が排煙脱硫装置の
吸収液中に混入すると、CaCO3 等の吸収剤表面に難
溶解性の化合物(アパタイト)が生成され、それが原因
となって吸収剤の溶解を阻害する現象を生じる。一旦、
この現象が生じれば、いかように操作条件を変えようと
も吸収剤の溶解自体きわめて困難な状態となる(以下、
「吸収剤の溶解活性の低下」と称す)といわれている。
これにより、本来脱硫に寄与する吸収剤の利用効率を充
分に維持できない等の問題が生じていた。
【0003】このような問題を解決するために、従来、
いろいろの角度からの検討がなされてきており、種々の
改良技術も提案されている。例えば、特開平第5−21
2240号公報には、吸収液中の溶存アルミニウムおよ
び溶存フッ素の濃度がモル比で、溶存アルニウム濃度/
溶存フッ素濃度≧1となるようにアルミニウム含有液を
吸収液中に供給する旨を特徴とする排ガス処理方法が提
案されている。そして、この方法によれば、CaCO3
の活性を維持しつつ、高脱硫率と高純度副生石膏を確保
できるとされている。
【0004】また、他の提案として、吸収液のpHを比
較的高く設定し(例えば4.5ないしは5.0以上)、
溶解アルミニウムないしは溶解フッ素の濃度をそれぞれ
低下させることによって、炭酸カルシウムの溶解活性の
低下の防止を図る旨の提案もなされている(特開昭第5
3−129167号公報、特開昭第59−228926
号公報、特開昭第62−244426号公報等)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
は、いずれもフッ化水素やアルミニウム化合物が排煙処
理装置系内に入ってしまった後の処理を対象としている
ものであり、これとは別に、フッ化水素やアルミニウム
化合物等が排煙処理装置系に入る前の根本的ともいえる
事前の排煙処理も積極的に考慮する必要がある。
【0006】本発明はこのような実情のもとに創案され
たものであって、その目的は、フッ化水素やアルミニウ
ム化合物等が排煙処理装置系に入る前の事前の排煙処理
を考慮しつつ、炭酸カルシウム、消石灰などのカルシウ
ム系化合物の吸収剤を用い、吸収剤の高い利用率を確保
し、安定した高脱硫率を維持することができる排煙処理
方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本出願に係る発明者らが、鋭意研究した結
果、排煙処理装置系に流入するフッ素化合物またはアル
ミニウム化合物中の、フッ素またはアルミニウムの総量
をある値以下に規制することにより、排煙処理装置系内
での炭酸カルシウム等の吸収剤の溶解活性の低下を防止
できることを見出し、本発明に至ったのである。
【0008】すなわち、本発明は、硫黄酸化物、フッ素
化合物、アルミニウム化合物等の有害物質を含有する燃
焼排煙を冷却したのち、カルシウム系化合物を含む吸収
液と気液接触させ、かつ該吸収液に酸素を含む酸化性ガ
スを導入して前記燃焼排煙中の有害物質を除去する除去
工程と、該除去工程を経た吸収液から石膏を含む固形分
を固液分離する固液分離工程と、該固液分離工程により
除去されたカルシウム分を補充するために、カルシウム
系化合物を固液分離工程後の母液に投入するための投入
工程と、の3工程を含む、排煙処理方法であって、前記
燃焼排煙および前記カルシウム系化合物に含有されるフ
ッ素化合物中のフッ素の総量が、フッ素として燃焼排煙
中ガス濃度に換算して1.5ppm未満、あるいは前記
燃焼排煙および前記カルシウム系化合物に含有されるア
ルミニウム化合物中のアルミニウクの総量が、アルミニ
ウムとして燃焼排煙中ガス濃度に換算し、2.0mg/
3 N以下とされるように構成した。
【0009】以下、本発明の方法を実施するための一例
の装置として、冷却と吸収とが1塔内で行われる、いわ
ゆるスート混合方式の簡略装置図を図1に例示し、これ
に従って本発明を説明する。まず最初に、吸収塔12の
形態を、一般的な多段のスプレータイプのものとして説
明する。
【0010】硫黄酸化物、フッ素化合物、アルミニウム
化合物等の有害物質を含有する燃焼排煙3は、排煙の上
流側からアルカリ化合物からなるアルカリ性の粉末もし
くはスラリーを噴霧するためのアルカリ噴霧手段5、煤
塵を集塵するための集塵手段7を順次経て、前処理され
た前段処理済燃焼排煙3aとなり、この前段処理済燃焼
排煙3aは排煙処理装置系の一部である液溜部を下部に
備える吸収塔12へと導入される。なお、本図では、排
煙の熱回収/再加熱部は省略している。この吸収塔12
においては、硫黄酸化物、フッ素化合物、アルミニウム
化合物等を含有する燃焼排煙を冷却したのち、除去工程
による処理が行われる。すなわち、吸収塔12におい
て、排煙は、例えば一つの方式としてポンプにより多段
のスプレーから噴霧されるカルシウム系化合物を含む吸
収液と気液接触させられ、冷却、除塵、脱硫された後、
ミストエリミネータ13により同伴ミストを除去された
後、処理ガス14として吸収塔12から排出される。吸
収塔12の下部の液溜部の液中には酸化用の空気が導入
されるようになっており、ここで、酸素の吸収と溶解亜
硫酸の酸化が行われるとともに、カルシウム系化合物の
溶解と中和、石膏の生成と結晶成長が行われる。カルシ
ウム系化合物としては、炭酸カルシウム、水酸化カルシ
ウム、酸化カルシウム等が用いられる。
【0011】吸収塔12でこのような除去工程を終えた
吸収液スラリーの一部は、固液分離器17へと送られ、
ここで石膏を含む固形分を固液分離する固液分離工程が
行われる。この分離工程後の母液は、さらに一部が吸収
剤調合槽19に送られ、ここでは固液分離工程により石
膏として除去されたカルシウム分を調合補充するため
に、カルシウム系化合物を固液分離工程後の母液に投入
するための投入工程が行われる。投入工程後に調製され
た吸収液は吸収塔12に戻される。
【0012】このような、排煙処理装置系を考えるに、
系内に導入される物質は、アルカリ噴霧手段5、集塵手
段7を順次経て処理装置系に入る前段処理済燃焼排煙3
aと、前記投入工程で投入されるカルシウム系化合物で
ある。そして、本発明者らが装置系内へのフッ素化合
物、およびアルミニウム化合物の流入形態を実験的に調
べたところ、以下の流入形態が確認された。すなわち、
処理装置系内へのフッ素化合物の流入形態としては、
燃焼排煙中に存在する通常のHFガス、燃焼排煙中は
HFガスではあるがフライアッシュ中に取り込まれてい
るもの、カルシウム系化合物に不純物として含有され
るCaF2 等のフッ素化合物であり、また、装置系内へ
のアルミニウム化合物の流入形態としては、燃焼排煙
中のフライアッシュ中に含有されているAl23 等、
カルシウム系化合物に含有されるAl23 等である
ことがわかり、特に、吸収剤の溶解活性を低下させる物
質(F、Al)の流入は、燃焼排煙中の成分のみなら
ず、カルシウム系化合物の中に混入するF、Al成分も
関係することが判明した。
【0013】そこで、吸収剤の溶解活性を起こさないよ
うなフッ素、アルミニウムの総量を検討した結果、本発
明のごとく規制すべく総量値に至ったのである。すなわ
ち、本発明の排煙処理方法において、処理装置系に入る
前段処理済燃焼排煙3aと投入されるカルシウム系化合
物に含有されるフッ素化合物中のフッ素の総量は、フッ
素として燃焼排煙中ガス濃度に換算して1.5ppm未
満、好ましくは、1.2ppm以下、さらに好ましく
は、1.0ppm以下とされる。この値が、1.5pp
m以上となると、吸収剤の溶解活性の低下が著しくな
り、吸収剤の高い利用率が達成できなくなるとともに、
脱硫率も低下するという不都合が生じる。
【0014】一方、本発明の排煙処理方法において、処
理装置系に入る燃焼排煙3aと投入されるカルシウム系
化合物に含有されるアルミニウム化合物中のアルミニウ
ムの総量は、アルミニウムとして燃焼排煙中ガス濃度に
換算して2.0mg/m3 N以下、好ましくは、1.7
mg/m3 N以下、さらに好ましくは、1.2mg/m
3 N以下に規制される。この値が、2.0mg/m3
を越えると、前記フッ素の場合と同様に吸収剤の溶解活
性の低下が著しくなり、吸収剤の高い利用率が達成でき
なくなるとともに、脱硫率も低下するという不都合が生
じる。
【0015】なお、本発明では、前記フッ素の総量、ま
たはアルミニウムの総量のいずれか一方を規制すれば十
分であることも判明している。フッ素、アルミニウムの
それぞれの総量をともに規制すればより効果的であるこ
とは当然である。吸収剤の溶解活性を阻害するといわれ
ている難溶解性の化合物(アパタイト)は、フッ素およ
びアルミニウム成分の存在のもとに生成されるとも考え
られるからである。なお、フッ素およびアルミニウムの
総量を、それぞれ燃焼排煙中ガス濃度に換算するとは、
フッ素は、入る総量をmolに換算し、22.4を乗じ
て標準状態でのフッ化水素換算容積を求め、それを燃焼
排煙量で除して容積含有率を算出したものであり、アル
ミニウムは、入る総量を燃焼排煙量で除して容積あたり
の重量を算出したものである。
【0016】次に、上述してきたフッ素、アルミニウム
の総量を規制する好適な具体的手段について説明する。
まず、最初に処理装置系に入る前の燃焼排煙側に注目す
ると、図1に示されるように硫黄酸化物、フッ素化合
物、アルミニウム化合物等の有害物質を含有する燃焼排
煙3は、排煙の上流側からアルカリ化合物からなるアル
カリ性の粉末もしくはスラリーを噴霧するためのアルカ
リ噴霧手段5、煤塵を集塵するための集塵手段7を順次
経て、処理された前段処理済燃焼排煙3aとなり、この
処理された燃焼排煙3aが処理装置系に導入される。集
塵手段7としては、電気集塵器、サイクロン、バグフィ
ルタ等が用いられ、中でも特に電気集塵器を用いること
が好ましい。特に石炭の燃焼ガスでは、石炭中に含有さ
れるフッ素化合物のうち、一般的には約85〜95%程
度が処理装置系に導入される前に、電気集塵機等の集塵
手段7でフライアッシュと一緒に燃焼排煙から分離除去
され(残りの約5〜15%程度はガス状のHF)、燃焼
排煙処理装置の入口の燃焼排煙中には、石炭中の含有量
の約5〜15%のフッ化水素が含まれることが実験的に
確認されており、特に、集塵手段としての電気集塵機の
性能等の違いによって、処理装置の入口の燃焼排煙中の
フッ素量が変動し得ることも実験的に確認されている。
また、アルミニウム化合物は、通常、フライアッシュ中
に5〜15%程度含有されていることが確認されてお
り、これらは電気集塵機等の集塵手段7によって、通常
90〜99.5%程度まで除去されることも確認されて
いる。また、バグフィルターも好ましい。バグフィルタ
ーは、電気集塵機より、ガス通過抵抗が大きく、不利で
あるが、固体のフッ素化合物、アルミニウム化合物の除
去性能が高く、しかもアルカリ性の煤塵(フライアッシ
ュ等)を集塵する場合、HFガスの一部も除去できるの
で好ましい。
【0017】ところで、前述したように石炭中に含有さ
れるフッ素化合物のうち残りの約10%程度はガス状の
HFである。従って、このガス状のHFを除去すること
を主な目的として、集塵手段7の前段処理としてアルカ
リ噴霧手段5が設けられている。このアルカリ噴霧手段
5は、いわゆるスプレードライともいわれるもので、例
えばNa,Ca,Mgの少なくとも一つを含むアルカリ
化合物のアルカリ性の粉末もしくはスラリーを噴霧し、
これらの粒状物の中に、強制的にガス状のHFを取り込
ませようとするものである。このようにしてこの粒状物
の中に取り込まれたHFは、後工程に設置された集塵手
段7によって粒状物ごと除去される。なお、Na,C
a,Mgを含むアルカリ化合物としては、NaOH、C
a(OH)2 、CaO、Mg(OH)2 、MgO等が挙
げられる。また、処理装置系内で用いる吸収液の一部を
抜き出して噴霧してもよく、さらには上記のアルカリ化
合物を添加すれば、さらに有効である。特に、粉末もし
くはスラリー中にカルシウムがあると難溶解性のCaF
2 が生成するので、除去性能が向上して好ましい。ま
た、スラリーの方が除去性能が高く好ましい。なお、ス
ラリーを噴霧した後には、通常、乾燥させるための時間
が0.01〜2.0秒程度必要となる。この時間は、噴
霧量と噴霧滴径と排煙温度等によって、ほぼ決定される
が、集塵手段において、噴霧し、生成するものが固体と
してハンドリングできる条件であればよい。スラリー噴
霧の時のHFガスの除去性能は、液滴の表面積が大きい
ほどよく、また液滴で存在する時間が長い方がよい。し
かし、表面積を大きくするため、液滴径を小さくする
と、乾燥するまでの時間が短くなり好ましくない。そこ
で、通常の排煙温度80〜170℃の範囲では、噴霧液
滴径は50〜200μmが好ましく、また噴霧量は液ガ
ス比(l/m3 N)として、0.005〜0.05l/
3 Nが好ましい。この値が0.005l/m3 N未満
となるとHF除去性能が低くなってしまい、逆にこの値
が0.05l/m3 Nを超えると乾燥するまでの時間が
長くなり、装置が大きくなるという不都合が生じる。
【0018】なお、このようなアルカリ噴霧操作を行う
ことは、通常の集塵手段、脱硫手段では除去しにくい排
煙中の無水硫酸(SO3 )の捕集・吸収にも効果があ
り、有効である。
【0019】このような燃焼排煙側とは別に、装置系内
に投入されるカルシウム系化合物にも着目する必要があ
る。すなわち、前述したように、カルシウム系化合物、
特に炭酸カルシウムには、例えばCaF2 、Al23
といった化合物の形で、極めて微量ではあるがフッ素、
アルミニウムが含有されている。従って、本発明でカル
シウム系化合物を用いる際には、その化合物中のフッ
素、アルミニウムの含有率を十分考慮して選定使用する
必要がある。
【0020】ところで、本発明の排煙処理方法におい
て、除去工程で用いられる吸収液のpH値に関しては、
特に制限はないものの、一般的には、3.0〜7.0程
度の範囲内で運転される。なお、本出願人は、本件と同
日付けで、吸収剤の溶解活性の低下を防止すべく好適な
pH値、すなわちpH値を4.5未満に規制した出願を
していることを付言しておく。
【0021】ところで前記の排煙処理装置に関し、上記
吸収塔12の形態を、一般的な多段のスプレータイプの
ものを例にとって説明したが、吸収塔12の形態は図2
に示されるようないわゆるジェットバブリングリアクタ
ー12’に置換するのが好適である。この場合には、特
に前記除去工程での気液接触の方法が、ガスバブリング
方式であるので、特に低いpH領域であっても高効率
で、高脱硫率が得られる。このジェットバブリングリア
クター12’に関する基本的な技術的思想は、例えば、
特公昭第55−37295号公報、特公昭第60−47
26号公報に開示されている。
【0022】このジェットバブリングリアクター12’
の構成について、図2に基づいて簡単に説明すると、排
ガス11は、ジェットバブリングリアクター12’の排
ガス入口ダクトの近傍および/または入口プレナム22
内で冷却され、デッキ板23に取りつけられた多数のス
ーパージャーパイプ24を通して、吸収液30中にジェ
ット噴射され、SO2 が吸収・除去される。脱硫された
処理ガス14aは入口プレナム22を貫通するガスライ
ザー管25を通って出口プレナム26に抜け、出口ダク
トを経て煙突より排出される。ここで、酸化用空気は、
リアクター底部より吸収液中に分散供給され、中和反応
用の炭酸カルシウムは、スラリー33でリアクター内に
供給される。また、生成された石膏はリアクター内で成
長し、スラリー35として抜き出される。
【0023】また、本発明の処理方法は、基本的に3つ
の工程を含むが、これらの工程に、必要に応じて公知の
種々の工程を付加してもよいことは勿論である。
【0024】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。 (実施例1)図3に示される工程フローに基づいて燃焼
排煙処理実験を行った。ただし、実験に用いた処理装置
は、図1に示されるスート混合方式(ただし、吸収塔と
しては図2に示されるジェットバブリングリアクター1
2’タイプを組み込む)の装置とした。
【0025】図3に示される工程フローにおいて、処理
条件とし、最初の燃焼排煙3の燃焼排煙量を10000
3 /hr(煤塵:1g/m3 N、HF濃度:2pp
m、SO2 濃度:700ppm)とし、この燃焼排煙3
をアルカリ噴霧手段5および集塵手段7へと順次通過さ
せ、前段処理済燃焼排煙3aとし、この前段処理済燃焼
排煙3aを処理装置系の一部である吸収塔12に導入さ
せた。この一方で、さらに、SO2 に対する理論量であ
る31.3kgのカルシウム系化合物CaCO3(Al
含有率:0.05%(1.57mg/m3 N)、F含有
率:200mg/kg(0.75ppm))を吸収塔1
2(装置系内)に連続的に投入するとともに、吸収塔1
2の石膏/CaCO3 含有吸収液を固液分離した後の母
液の一部を、150l/hrの流量で抜き出して(途中
50%NaOHを90l/hrの流量で混入)アルカリ
噴霧手段5に供給し、燃焼排煙3を抜き出した吸収液で
連続的に噴霧処理した。
【0026】その結果、前段処理済燃焼排煙3aでの煤
塵量は、15mg/m3 N(Al含有量:1.2mg/
3 N,F含有量:0.0009mg/m3 N)、HF
ガス量は0.1ppmであった。
【0027】従って、実施例1における燃焼排煙および
カルシウム系化合物に含有されるフッ素化合物中のフッ
素の総量は、フッ素としての燃焼排煙ガス濃度に換算し
て、0.1ppm+0.75ppm=0.85ppm
(ただし前段処理済燃焼排煙3aでの煤塵中のものは無
視できる程度の数値であるので除外した)であり、同様
にアルミニウム化合物中のアルミニウムの総量は、アル
ミニウムとしての燃焼排煙ガス濃度に換算して、1.2
mg/m3 N+1.57mg/m3 N=2.77mg/
3 Nであった。
【0028】このような条件下のもとで行った排煙脱硫
の実験の結果、吸収剤の溶解活性の低下は見られず、9
5%以上の高脱硫率が得られることが確認できた。 (実施例2)図4に示される工程フローに基づいて燃焼
排煙処理実験を行った。前記実施例1と比べ、アルカリ
噴霧手段5を設けていない点、前段処理での集塵率を高
めた点、および吸収塔12に投入されるCaCO3 の純
度の良好なもの(Al含有率:0.02%(0.63m
g/m3 N)、F含有率:100mg/kg(0.37
5ppm))に変えた点以外は、すべて前記実施例1と
同様とした。
【0029】この結果、前段処理済燃焼排煙3aでの煤
塵量は、15mg/m3 N(Al含有量:1.2mg/
3 N,F含有量:0.009mg/m3 N)、HFガ
ス量は2ppmであった。
【0030】従って、実施例2における燃焼排煙および
カルシウム系化合物に含有されるフッ素化合物中のフッ
素の総量は、フッ素としての燃焼排煙ガス濃度に換算し
て、2.0ppm+0.375ppm=2.375pp
m(ただし前段処理済燃焼排煙3aでの煤塵中のものは
無視できる程度の数値であるので除外した)であり、同
様にアルミニウム化合物中のアルミニウムの総量は、ア
ルミニウムとしての燃焼排煙中ガス濃度に換算して、
1.2mg/m3 N+0.63mg/m3 N=1.83
mg/m3 Nであった。
【0031】このような条件下のもとで行った排煙脱硫
の実験の結果、吸収剤の溶解活性の低下は見られず、9
5%以上の高脱硫率が得られることが確認できた。 (実施例3)図5に示される工程フローに基づいて燃焼
排煙処理実験を行った。前記実施例2と比べ、アルカリ
噴霧手段5を設けてMg(OH)2 とCa(OH)2
混合粉体(Mg(OH)2 :Ca(OH)2 =8:2)
を200g/hrの割合で噴霧した点、および集塵手段
7の能力を落として低いレベルで運転した点以外は、す
べて前記実施例2と同様とした。
【0032】この結果、前段処理済燃焼排煙3aでの煤
塵量は、増加して110mg/m3N(Al含有量:
8.8mg/m3 N,F含有量:0.006mg/m3
N)、HFガス量は0.1ppmであった。
【0033】従って、実施例3における燃焼排煙および
カルシウム系化合物に含有されるフッ素化合物中のフッ
素の総量は、フッ素としての燃焼排煙ガス濃度に換算し
て、0.1ppm+0.008ppm+0.375pp
m=0.483ppmであり、同様にアルミニウム化合
物中のアルミニウムの総量は、アルミニウムとしての燃
焼排煙ガス濃度に換算して、8.8mg/m3 N+0.
63mg/m3 N=9.43mg/m3 Nであった。
【0034】このような条件下のもとで行った排煙脱硫
の実験の結果、吸収剤の溶解活性の低下は見られず、9
5%以上の高脱硫率が得られることが確認できた。 (実施例4)前記実施例1と比べ、アルカリ噴霧量を1
00l/hr、50%NaOHの添加量を90l/hr
に変えた以外は、前記実施例1と同様にして燃焼排煙処
理実験を行った。この結果、燃焼排煙およびカルシウム
系化合物に含有されるフッ素化合物中のフッ素の総量
は、フッ素としての燃焼排煙中ガス濃度に換算して、
1.35ppmであり、同様にアルミニウム化合物中の
アルミニウムの総量は、アルミニウムとしての燃焼排煙
ガス濃度に換算して、2.77mg/m3 Nであった。
【0035】このような条件下のもとで行った排煙脱硫
の実験の結果、吸収剤の溶解活性の低下は見られず、9
5%以上の高脱硫率が得られることが確認できた。 (比較例1)図6に示される工程フローに基づいて燃焼
排煙処理実験を行った。前記実施例1と比べ、アルカリ
噴霧手段5を設けていない点、および集塵手段7の能力
を落として低いレベルで運転した点以外は、すべて前記
実施例1と同様とした。
【0036】この結果、前段処理済燃焼排煙3aでの煤
塵量は、増加して194mg/m3N(煤塵中のAl含
有率:8%、煤塵中のF含有率:60mg/kg煤
塵)、HFガス量は2.0ppmとなった。
【0037】従って、比較例1における燃焼排煙および
カルシウム系化合物に含有されるフッ素化合物中のフッ
素の総量は、フッ素としての燃焼排煙中ガス濃度に換算
して、2.0ppm+0.014ppm+0.75pp
m=2.764ppmであり、同様にアルミニウム化合
物中のアルミニウムの総量は、アルミニウムとしての燃
焼排煙中ガス濃度に換算して、15.52mg/m3
+1.57mg/m3N=17.09mg/m3 Nであ
った。
【0038】このような条件下のもとで行った排煙脱硫
の実験の結果、吸収剤の溶解活性が著しく低下し、pH
を5.6に維持できず、pHは4.6まで低下し、脱硫
率は77%に低下してしまった。 (比較例2)上記実施例1において、アルカリ噴霧手段
を用いなかった。それ以外は、上記実施例1と同様にし
て、比較例2の燃焼排煙処理実験を行った。
【0039】この結果、前段処理済燃焼排煙3aでの煤
塵量は、15mg/m3 N(煤塵中のAl含有量:1.
2mg/m3 N,F含有量:0.0009mg/m
3 )、HFガス量は2.0ppmとなった。
【0040】従って、比較例2における燃焼排煙および
カルシウム系化合物に含有されるフッ素化合物中のフッ
素の総量は、フッ素としての燃焼排煙中ガス濃度に換算
して、2.0ppm+0.75ppm=2.75ppm
(ただし前段処理済燃焼排煙3aでの煤塵中のものは無
視できる程度の数値であるので除外した)であり、同様
にアルミニウム化合物中のアルミニウムの総量は、アル
ミニウムとしての燃焼排煙中ガス濃度に換算して、1.
2mg/m3 N+1.75mg/m3 N=2.95mg
/m3 Nであった。 このような条件下のもとで行った
排煙脱硫の実験の結果、pHは運転中に低下をきたし、
それに伴い、脱硫率も低下した。
【0041】
【作用および効果】上記の結果より、本発明の効果は明
らかである。すなわち、本発明は、硫黄酸化物、フッ素
化合物、アルミニウム化合物等の有害物質を含有する燃
焼排煙を冷却したのち、カルシウム系化合物を含む吸収
液と気液接触させ、かつ該吸収液に酸素を含む酸化性ガ
スを導入して前記燃焼排煙中の有害物質を除去する除去
工程と、該除去工程を経た吸収液から石膏を含む固形分
を固液分離する固液分離工程と、該固液分離工程により
除去されたカルシウム分を補充するために、カルシウム
系化合物を固液分離工程後の母液に投入するための投入
工程と、の3工程を含む、排煙処理方法であって、前記
燃焼排煙および前記カルシウム系化合物に含有されるフ
ッ素化合物中のフッ素の総量が、フッ素として燃焼排煙
ガス濃度に換算して1.5ppm未満、あるいは前記燃
焼排煙および前記カルシウム系化合物に含有されるアル
ミニウム化合物中のアルミニウムの総量が、アルミニウ
ムとして燃焼排煙ガス濃度に換算し、2.0mg/m3
N以下とするように構成されているので、吸収剤の高い
利用率を確保でき、安定した高脱硫率を維持することが
できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施するための一例の装置とし
てのスート混合方式の簡略装置図である。
【図2】ジェットバブリングリアクターの概略装置図で
ある。
【図3】実施例1の燃焼排煙処理実験の工程フローを示
す図である。
【図4】実施例2の燃焼排煙処理実験の工程フローを示
す図である。
【図5】実施例3の燃焼排煙処理実験の工程フローを示
す図である。
【図6】比較例1の燃焼排煙処理実験の工程フローを示
す図である。
【符号の説明】 3…燃焼排煙 3a…前段処理済燃焼排煙 5…アルカリ噴霧手段 7…集塵手段 12…吸収塔 13…ミストエリミネータ 17…固液分離器 19…吸収剤調合槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 53/34 ZAB 53/46 53/68 C01F 11/46 102 C 9040−4G B01D 53/34 120 A 134 C

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硫黄酸化物、フッ素化合物、アルミニウ
    ム化合物等の有害物質を含有する燃焼排煙を冷却したの
    ち、カルシウム系化合物を含む吸収液と気液接触させ、
    かつ該吸収液に酸素を含む酸化性ガスを導入して前記燃
    焼排煙中の有害物質を除去する除去工程と、 該除去工程を経た吸収液から石膏を含む固形分を固液分
    離する固液分離工程と、 該固液分離工程により除去されたカルシウム分を補充す
    るために、カルシウム系化合物を固液分離工程後の母液
    に投入するための投入工程と、の3工程を含む、排煙処
    理方法であって、 前記燃焼排煙および前記カルシウム系化合物に含有され
    るフッ素化合物中のフッ素の総量が、フッ素として燃焼
    排煙ガス濃度に換算して1.5ppm未満、あるいは前
    記燃焼排煙および前記カルシウム系化合物に含有される
    アルミニウム化合物中のアルミニウムの総量が、アルミ
    ニウムとして燃焼排煙ガス濃度に換算し2.0mg/m
    3 N以下とすることを特徴とする排煙処理方法。
  2. 【請求項2】 前記除去工程の排煙の上流側に、アルミ
    ニウム化合物および又は、フッ素化合物を含む煤塵を集
    塵する集塵手段を備えることを特徴とする請求項1に記
    載の排煙処理方法。
  3. 【請求項3】 前記煤塵を集塵する集塵手段の上流側
    で、Na、Ca、Mgから選ばれた1つ以上を含むアル
    カリ化合物からなるアルカリ性の粉末もしくはスラリー
    を噴霧する処理をおこなうことを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2に記載の排煙処理方法。
  4. 【請求項4】 前記除去工程での気液接触の方法が、ガ
    スバブリング方式であることを特徴とする請求項1ない
    し請求項3のいずれかに記載の排煙処理方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011255361A (ja) * 2010-06-11 2011-12-22 Central Res Inst Of Electric Power Ind ガスの処理方法、ガス処理設備、微粉炭火力発電設備及びガス状ホウ素化合物除去剤

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