JP3369807B2 - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JP3369807B2
JP3369807B2 JP22182695A JP22182695A JP3369807B2 JP 3369807 B2 JP3369807 B2 JP 3369807B2 JP 22182695 A JP22182695 A JP 22182695A JP 22182695 A JP22182695 A JP 22182695A JP 3369807 B2 JP3369807 B2 JP 3369807B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外部電源に対して
内部降圧回路を用いて降圧電位をチップ内に発生し、こ
れを内部電源としてチップ内部回路に印加する半導体装
置に係わり、特に外部電源から流入/流出する電流ピー
クの低減をはかった半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、半導体の微細加工技術の発展によ
り、大規模・高速の32ビット,64ビットMPU等の
数100万トランジスタを含むチップや、大容量の16
Mビット,64MビットDRAM等が量産されるように
なっている。これに伴いトランジスタ数が急激に増大す
るため、電源電圧Vccを5Vから3.3Vや3Vに低下
させたにも拘わらず、チップ内部で消費する電流が大幅
に増大している。これは、深刻な電源ノイズを発生する
要因となる。
【0003】特に、大きなピーク電流を持つチップを同
時に動作させると、電源自身に大きな電流供給能力が必
要であり、PCB(Print Circuit Boad)上に電源を安
定化するためのキャパシタが数多く必要とされる。これ
は、キャパシタ形成のための面積の増大を招く。
【0004】近年、この消費電流(消費電力)を減らし
てデバイスの信頼性を向上させるために、DRAMやC
PU等で電源電圧(Vcc)に対して、より低い内部降圧
電圧(Vint )をチップ内で発生し、これをチップ内部
回路に印加する方式が多く取り入れられて来ている。図
15に従来のチップ内蔵の降圧回路を持つチップの例を
示す。トランジスタQとオペアンプOPによりVccをV
int に降圧する降圧回路2が内部回路1と直列に接続さ
れている。
【0005】通常、降圧回路を用いると、電源電圧Vc
c、チップの充放電容量C、クロック周波数fとする
と、パワーPはP=CV2 fとなる。これに対し、内部
電源電圧をVint (<Vcc)とすると外部電源電圧Vcc
のままでも、P=(Vint /Vcc)CV2 fとなりパワ
ーは減る。
【0006】しかしながら、Vint を一定電圧に保つた
めには、図15の回路で内部回路1に流れる電流(Is
s)と同一の波形の電流を降圧回路2に流す必要があ
る。即ち、トランジスタQに流す電流(Icc)とIssを
同一にする。つまり、Icc(t)=Iss(t)が必要
で、こうするとVint =一定となる。
【0007】図15の回路では、Vint とリファレンス
Vref1をオペアンプ入力とし、その出力をQのゲートに
入力する。こうするとVref1>Vint ならばQは“O
N”し、Vref1≦Vint ならばQは“OFF”し、結果
としてVref1の電位と同じ値に内部電圧Vint が保たれ
るわけである。
【0008】この従来例では図16に示すように、Icc
=Issで、直接外部Vccにつなぐより減りはするが、内
部回路の動作による電流ピーク(Icc)に一致するよう
に、外部Vccから入る電流は流れ(Iss=Icc)、結果
としてVcc,Vssは変動し、ノイズが厳しいままであ
る。特に、チップ内部ばかりでなく、パッケージ,PC
Bまで考えると、図17のように各所にインダクタンス
を含むため、Vcc,Vssの変動はより大きな深刻な問題
となる。例えば図17において、チップAが大きな電流
ピークを持つと自分だけでなくチップBにも影響を与え
る。
【0009】さらにこのインダクタンスの影響は、本来
一定電位であるはずの自分自身のチップの内部降圧電位
Vint にも影響を与える。即ち、電源電圧のdI/dt
の変動がPCB上,インナーリード,ボンディングワイ
ヤの寄生インダクタンスにより、電源電圧の更なる変動
を引き起こす。そして、内部降圧回路の応答特性より、
高周波のこの電源電圧の変動成分が存在し、これにより
外部電源Vccの変動の高周波成分の変動がそのまま内部
降圧回路の変動として伝わり、内部電源電圧Vint が外
部インダクタンスの影響により揺れることになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来のチ
ップや従来の降圧回路では大きな電源変動を引き起こし
(これは集積化と共に増大)、結果として電源ノイズが
大となり、この対策でより供給能力の大きな主電源、よ
り多くの安定用キャパシタが必要であるし、さらにノイ
ズのためVccマージン、動作スピードの劣化等、多くの
問題が発生する。従来各チップ毎にかってに外部ノイ
ズ、自己ノイズに対し自分のチップのみ安定に動作すれ
ば良いという言わば「かって」な設計であった。
【0011】本発明は、上記事情を考慮して成されたも
ので、その目的とするところは、チップに供給する電流
のピークを減らし、滑らかな電流の供給で済ませること
ができ、例えばPCB上の電源ノイズを減らすことので
きる半導体装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】(概要)上記課題を解決
するために本発明は、次のような構成を採用している。
即ち、本発明(請求項1)は、外部電源電圧(Vcc)よ
り降圧した内部電源電圧(Vint1)をチップ内部で発生
する降圧回路と、この降圧回路で得られる内部電源電圧
(Vint1)が与えられるチップ内部回路とを備えた半導
体装置であって、前記降圧回路は、一端が外部電源に接
続された第1の回路と、第1の回路の他端と前記内部回
路との間に接続されて前記内部電源電圧(Vint1)を生
成する第2の回路と、第1の回路と第2の回路の接続点
に接続されたキャパシタとからなり、前記第1の回路
は、前記内部回路内に流れる電流の時間に対する変化量
よりも少ない変化量の電流を流す回路であり、前記第2
の回路は、前記内部電源電圧(Vint )を検知して、該
電圧を一定に保つように電流を流す回路であり、前記キ
ャパシタは、第2の回路に流れる電流が所定値より小さ
いときは第1の回路により充電され、第2の回路に流れ
る電流が所定値より大きいときは第2の回路に放電電流
を流すことを特徴とする。
【0013】また、本発明(請求項6)は、外部接地電
圧(Vss)より昇圧した内部電源電圧(Vint2)をチッ
プ内部で発生する昇圧回路と、この昇圧回路で得られる
内部電源電圧(Vint2)が与えられるチップ内部回路と
を備えた半導体装置であって、前記昇圧回路は、一端が
外部接地端に接続された第3の回路と、第3の回路の他
端と前記内部回路との間に接続されて前記内部電源電圧
(Vint2)を生成する第4の回路と、第3の回路と第4
の回路の接続点に接続されたキャパシタとからなり、
記第3の回路は、前記内部回路内に流れる電流の時間に
対する変化量よりも少ない変化量の電流を流す回路であ
り、前記第4の回路は、前記内部電源電圧(Vint2)を
検知して、該電圧を一定に保つように電流を流す回路で
あり、前記キャパシタは、第4の回路に流れる電流が所
定値より小さいときは第3の回路により充電され、第4
の回路に流れる電流が所定値より大きいときは第4の回
路に放電電流を流すことを特徴とする。
【0014】また、本発明(請求項11)は、請求項1
請求項6とを組み合わせたことを特徴としている。こ
こで、本発明の望ましい実施態様としては、次のものが
あげられる。 (1) 第1の回路に流れる電流の時間に対する変化量が、
第2の回路に流れる電流の時間に対する変化量よりも少
ないこと。第3の回路に流れる電流の時間に対する変化
量が、第4の回路に流れる電流の時間に対する変化量よ
りも少ないこと。 (2) 第1の回路に流すピーク電流よりも第2の回路に流
すピーク電流を大きくしたこと。第3の回路に流すピー
ク電流よりも第4の回路に流すピーク電流を大きくした
こと。 (3) 第1の回路は、前記内部回路内に流れる電流の時間
に対する変化量よりも少ない変化量の電流を流す回路で
あること。第3の回路は、前記内部回路内に流れる電流
の時間に対する変化量よりも少ない変化量の電流を流す
回路であること。 (4) 第1の回路は、定電流を流す回路であること。第3
の回路は、定電流を流す回路であること。 (5) 第2の回路は、前記内部回路内に流れる電流に連動
して、ほぼ同等な電流を流す回路であること。第4の回
路は、前記内部回路内に流れる電流に連動して、ほぼ同
等な電流を流す回路であること。 (6) 第2の回路は、前記内部電源電圧(Vint )を検知
して、該電圧を一定に保つように電流を流す回路である
こと。第4の回路は、前記内部電源電圧(Vint2)を検
知して、該電圧を一定に保つように電流を流す回路であ
ること。 (7) 第2の回路は、ドレインが第1の回路の他端に接続
され、ソースが前記内部回路に接続されたトランジスタ
と、このトランジスタのソース電位と降圧基準電位とを
反転入力とし、出力を該トランジスタのゲートに与える
オペアンプとからなること。第4の回路は、ドレインが
第3の回路の他端に接続され、ソースが前記内部回路に
接続されたトランジスタと、このトランジスタのソース
電位と昇圧基準電位とを反転入力とし、出力を該トラン
ジスタのゲートに与えるオペアンプとからなること。 (8) 降圧回路は、同一チップ中に複数個存在すること。
昇圧回路は、同一チップ中に複数個存在すること。 (作用)本発明(請求項1〜請求項5)によれば、外部
電源電圧Vccを内部降圧電位Vint に降圧する降圧回路
を第1及び第2の回路とキャパシタから構成し、降圧回
路内に大きなキャパシタからなる「キャパシタタンク」
を持ち、内部回路で消費する電流に対応して、その電流
値に応じてVint が下がらない(できるだけ変動しな
い)ように消費分をキャパシタタンクから電荷を補充す
る。即ち、内部回路の消費電流波形(Iss1(t))とキャ
パシタタンクと内部回路を接続する第2の回路を流れる
電流の波形(IAC(t))は理論的に一致する。これに対し
て、外部Vccから第1の回路を介してキャパシタタンク
には理想的には一定の電流(Icc)を流し、キャパシタ
タンクの電位が下がった分を補充する。この時、内部電
流Issが大きな(ピーク等)時はIcc<Iss1 =IAC、
Issが小さな時はIcc>Iss1 =IACとし、キャパシタ
タンクの電位変動を故意に引き起こす。これにより、チ
ップ内の内部回路がどんな大きなピークを持っていても
降圧回路を含むチップ全体で見ると、緩やかな電流(理
想的には一定)を実現でき、PCB等の電源の揺れを減
らすことができる。PCBの全チップが本発明の回路を
搭載していると電源の揺れは理想的に“0”となる。
【0015】また、本発明(請求項6〜請求項10
は、Vss側を上げ内部電位をVcc〜Vssint間にした場
合を示し、Vcc,Vssを逆にしたもので同一な効果があ
る。また、本発明(請求項11〜請求項15)は、Vc
c,Vss両方とも内部電位を下げ上げした例でこれも同
一の効果がある。チップの一部の内部回路に用いてもそ
こだけ効果がある。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施形態を示す。 (実施形態1)図1は本発明の第1の実施形態に係わる
半導体装置を示す回路構成図、図2はその動作波形を示
す図である。チップ内部回路11に対し、外部電源電圧
(Vcc)より降圧した内部電源電圧(Vint1)をチップ
内部で発生する降圧回路20が接続されている。降圧回
路20は、一端が外部電源に接続された第1の回路21
と、第1の回路21の他端と内部回路11との間に接続
されてVint1を生成する第2の回路22と、第1の回路
21と第2の回路22の接続点に接続されたキャパシタ
23とからなる。
【0017】第1の回路21は定電流源であり、第2の
回路22は従来の降圧回路と同様にトランジスタQ及び
オペアンプOPから構成されている。キャパシタ23
は、電荷供給タンク(キャパシタタンク)Ctankとして
機能するもので、第2の回路22に流れる電流が所定値
より小さいときは第1の回路21により充電され、第2
の回路22に流れる電流が所定値より大きいときは第2
の回路22に放電電流を流すものとなっている。
【0018】本装置では、大きなキャパシタタンクCta
nkを有し、内部回路11で消費する電流(Iss1 )に対
応して、その電流値に応じてVint ができるだけ変動し
ないようにこの消費分をキャパシタタンクCtankから補
充する。即ち、キャパシタタンクCtankのノードが従来
の降圧回路の外部Vccに対応しており、理想的には内部
電流Iss1 (t)と同一電流IAC(t)をトランジスタ
Qを通して流す。逆に言うと、Vint を一定にするよう
にQを制御すれば自動的にIAC(t)=Iss1(t)と
なる。
【0019】Vint とリファレンス電位Vref1を入力と
するオペアンプ出力をQのゲートに入力する。Vint <
Vref1の時、QはONし、Vint ≧Vref1の時、QはO
FFし、自動的に内部降圧電位Vint はVref1と同一に
なろうとする。
【0020】このようにCtankのノード(Vtank)とV
int 間は可変電流が流れるのに対して、Ctankと外部V
cc間には図1に示すように定電流Iccを流す回路21を
入れる。これにより、Iss1 が大きい時はIcc<Iss1
、Iss1 が小さい時はIcc>Iss1 となり、Iss1 が
大きい時にはCtankから電荷をまわし、Iss1 が小さい
うちにCtankに電荷を補充する型式を取る。
【0021】こうすると内部回路11は激しい電流ピー
クを持つチップでも、チップの外からみると図2のよう
に滑らかなIcc,Issを持つチップとなり得る。Issも
滑らかなのは、Iss=Iss1 −Iss2 であり、Issが滑
らかになるようにCtankの反対極で電荷が充放電される
ためである。Icc,Issは第1の回路21として理想的
な定電流回路をVcc,Vtank間に入れると、理論的にチ
ップ外部からの電流を一定にでき、結果としてPCBに
おいて電源の揺れを無くすることができる。完全な定電
流回路でなくても、図2のようにIACよりピークの小さ
い滑らかなIcc,Issにするのは容易である。
【0022】この滑らかな(或いは一定の)Iss,Icc
により、電源の抵抗成分のIRドロップによる電源の揺
れは抑えられ(或いは無くなり)、さらにPCB上,イ
ンナーリード,ボンディングワイヤの寄生インダクタン
スの影響は、dI/dtの低減(或いは0)により低減
(或いは0)にできる。
【0023】本実施形態により、PCBの電源の揺れは
減少でき、主電源の能力は小さくて済み、安定用PCB
上のキャパシタを小さくて済み、チップの電源変動が他
チップ、特に降圧回路を用いないチップに与えるノイズ
等が低減できる。理想的にはノイズをゼロにできる。勿
論、降圧回路をVss側に設け、Vssより高い昇圧電位V
ssint にする場合でも、同様に実現できる。
【0024】図1における回路21の定電流源は単純な
抵抗で実現してもよい。また、効果は下がるが回路21
の定電流源を省略しても良い。回路21の各種方式は、
以下の通りである。 (実施形態2)図3は本発明の第2の実施形態を示し、
図1における第1の回路21の定電流回路部分を示す。
図3において、チャンネル幅W0 <W1 で電流時の小さ
い定電流I0 を流し、これにW0 のトランジスタを付加
し、つり合った動作点の電圧をV0 とし、このV0 を入
力とするチャンネル幅W1 のトランジスタの入力として
いる。これは、スタンドバイリーク電流を小さくする方
式で、この場合図1のIccは Icc=I1 =(W1 /W0 )I0 となる。I0 を電流値は小さいが定電流とすると、Icc
は大きな定電流値を持つことができる。 (実施形態3)図4(a)〜(c)は本発明の第3の実
施形態であり、図3のより具体的な回路例を示してい
る。
【0025】図4(a)では、定電流I0 =(Vcc−V
t )/Rのほぼ定電流を発生している。ここで、Vt は
トランジスタQ01のしきい値電圧を示す。図4(b)は
図4(a)とは異なり、抵抗部をトランジスタQ02で負
荷トランジスタとして用いている。この時の負荷トラン
ジスタQ02の抵抗をR1 とすると I0 =(Vcc−Vt −Vt')/R1 となる。Vt'はQ02のしきい値電圧である。図4(c)
はオペアンプを用いた場合で I0 =Vref2/R2 となり、より安定な定電流を流せる。よって I1 =(Vref2/R2 )(W1 /W0 )=一定 となり得る。 (実施形態4)図5(a)(b)は本発明の第4の実施
形態を示す。これは、図1のオペアンプ部をより具体的
に示したものである。(a)(b)ともカレントミラー
型のオペアンプでありVref3の電位により、トランジス
タQ03,Q04の電流が定電流になるように制御してい
る。また、(b)はオペアンプの出力に一度バッファを
付加した場合を示している。 (実施形態5)図6は本発明の第5の実施形態を示して
いる。
【0026】図1のIccは理想的には定電流であるがV
tankの電位が変動するため、完全には定電流にしにく
い。内部回路に多くの電流が流れる(Iss1 =大)の
時、Vcc−Vtnak間の電位差が大きくなるため、この時
Iccは大きくなりがちである。この問題点に関して、例
えばDRAMのようにアクティブとスタンドバイに流れ
る電流ピークが前もって良く分かっている図7のケー
ス、例えばピーク(A)はロウアドレスを取り込むにワ
ード線を選択する時発生し、(B)はビット線の充放
電、(C)はDout の出力時にピークを持ち、それ以外
はピークなしとする。
【0027】ピーク(A)〜(C)でVtnakの電位は下
がり徐々にIccによりVtnakの電位は上昇するが、例え
ばスタンドバイ時になると、Vtankの電位が上がりVcc
に近づくことにより、Iccの値が減る。このように動作
電流が見積もれる時は例えば図7のようにスタンドバイ
時は、トランジスタQ05を設け、これを“ON”する。
すると、Iccは/RASにへたってきたもの(1)が増
加し、(2)マクロ時に見るとIccは定電流に近づく。
即ちQ05が無い時は(1)の電流を大きくしないとDR
AMサイクル内でVtankがVccに充電されないのを防
ぐ。
【0028】このように動作電流が把握できる場合は、
並列にVtank−Vcc間にスイッチを入れることが可能で
ある。 (実施形態6)図8は本発明の第6の実施形態を示す回
路構成図、図9はその動作波形図である。
【0029】この例では、Vccに対して電位を下げた内
部電圧VintA、Vssに対しては電位を上げる内部電圧V
intBを発生して、VintA−VintB間で内部回路を動作さ
せている。ここで、VintBを発生する回路は実質的には
降圧回路であるが、Vss側から見るとVssを昇圧した電
位を発生する一種の昇圧回路となっている。
【0030】DRAM,CPU,DSP等、Dout 数が
×32,×64,×128となり出力バッファのピーク
電流及び電源ノイズが非常に大きくなる場合、本発明の
降圧回路をVcc,Vss側に付加してDout の出力振幅を
減らし、平均電流を減らし、さらに本発明の効果である
出力バッファの電源ノイズをIcc,Issを定電流にする
ことにより減らしている。
【0031】このような多ビットの出力バッファやチッ
プ内部での多ビットのバス等においても、本発明を用い
ると電源ノイズを減らすことができる。この図8では、
Dout(0)−Dout(m-1)のm本のDout バッファの例を示
している。
【0032】2つのタンクCtnakA,CtnakBを用い
て、振幅をVcc−Vss間から減らしている。これらのC
tankA,CtankBはチップ内の他の内部回路を共用でも
良いし、このように独立にしても良い。Vcc,Vss側共
に降圧回路を用いるのではなく、Vcc側,Vss側のいず
れか一方でも良い。 (実施形態7)また、1個の出力端子(Dout )毎に降
圧回路を備えてもよいし、数個毎に備えてもよい。図1
0はVcc側のみに降圧回路を用いた場合を示す本発明の
第7の実施形態を示す。ここで、内部降圧電位をVintA
としている。その動作波形を図12(a)に示す。出力
の振幅は、VssとVintAの間となる。
【0033】近年、従来のCMOS,TTLインターフ
ェースに代わって、チップの出力振幅を低減するインタ
ーフェースが数多く提案されている。例えば、Terminat
ed low voltage TTL(T-LVTTL), Gunning Terminated Lo
gic(GTL), Center Tap Terminated(CTT), RAMBUS inter
face, Series Terminated Stub Bus(ST-Bus)等があり、
これらインターフェースに本発明の降圧回路と出力回路
の組み合わせを用いることができる。
【0034】図11は、ST−Busの例を示す。1つ
のバスに数チップの出力がぶら下がり、特性インピーダ
ンスZ0 (=50Ω)の伝送線路の両終端は終端抵抗5
0Ωを介して、終端電圧Vttにつながる。また、1つの
バスは、各所に分岐があり、50Ωの抵抗とZ0 を介し
て、各チップの出力につながる。
【0035】図12(b)は図10の回路にST−Bu
sをつなげた例の動作波形を示し、図12(c)は図8
の回路にST−Busをつなげた例の動作波形を示す。
ST−Busは出力電位がVtt=0.45Vcc、Vtt±
0.4V、即ちVcc=3.3V時、出力=3.3V×
0.45±0.4V=1V〜1.9Vの範囲であればよ
いため、図12(b)のVccのみ降圧回路を用いる場
合、VintAは1.9V以上であればよい。図12(c)
のように、Vss側も内部電源VintBを持つ場合もVintB
は1V以下であればよい。どちらの場合も電源と内部電
位に1V程度の電位差があるため、十分本発明の効果を
発揮できる。
【0036】ちなみに、図11に示す50Ω終端抵抗と
出力ドライバトランジスタの抵抗比で出力電位が決まる
ため、図12(b)ではVintAとVssの間に、図12
(c)ではVintAとVintBの間に振幅する。よって、V
intAの電位を1.9Vより高く、VintBの電位を1Vよ
り低くすると、ドライバトランジスタのサイズを減らす
(抵抗を高く)することが可能となる。 (実施形態8)いままでに述べたように本発明によれ
ば、PCB上、パッケージのインナーリード、ボンディ
ングワイヤの電源の揺れを低減或いはゼロ(即ちdI/
dt=0)にできるため、この部分の寄生インダクタン
スの影響による更なる電源の揺れ等の発生を抑えること
ができる。また、PCB上、パッケージのインナーリー
ド、ボンディングワイヤの寄生インダクタンスに比べ
て、かなり小さく影響が小さいが、チップ内部の配線に
おけるインダクタンスの影響も存在する。これは、チッ
プサイズが大きくなるに従って増加する。
【0037】このインダクタンスの影響を抑える第8の
実施形態を図13に示す。図13に示す通り、まずボン
ディングワイヤからパッド部に電源線が接続され、この
電源Vccはチップ中に配設される。このVccを電源とし
て、チップ中に分散して、前記図1に示すような降圧回
路(図中A,B,C,Dの部分)を配置し、ここから各
々内部電源Vint を取り出し、局所的に引き回す。
【0038】本実施形態では、チップ外及び、降圧回路
(A,B,C,D)までの系は、電源の揺れを抑えるこ
とができるので、図13中の寄生インダクタンスLA ,
LBの影響を減らす(無くす)ことができる。即ち、チ
ップ中の長い電源の引き回しによるLB の影響を減らす
(無くす)ことができるわけである。
【0039】降圧回路(A,B,C,D)を通した後の
内部降圧電源電位Vint の電源変動は存在し、この部分
の寄生インダクタンスによる電源の揺れは存在するが、
これは本実施形態に示すように、Vint 内部電源線はチ
ップ内に分散され、1本の配線長サイズが小さいためイ
ンダクタンスの値は小さいため、この影響は低減され
る。さらに、降圧回路を細かく分散させ、Vint 内部電
源線の長さを短くすれば、ほぼインダクタンスの影響を
ゼロにできる。また、チップに複数の電源Vccを入力さ
れる場合、各Vcc毎に複数の降圧回路を分散配置すれば
よい。 (実施形態9)図14は、本発明の第9の実施形態を示
す。図13と異なる点は、異なる降圧回路(A,B及び
C,D)の出力Vint 同士を接続した場合を示す。各々
の降圧回路は独自に内部降圧電位Vint を発生している
ため、例えば降圧回路(A)側から降圧回路(B)側に
一方的に電流が流れることは少なく、結果としてVint
内のdI/dtは大きくならない。よって、寄生インダ
クタンスLCの影響は2LCとはならず、図13と同様
にLCの成分のみになる。このため、図14のように、
本発明回路のみ分散配置すれば、Vint の配線は分散し
なくてもチップ内部の寄生インダクタンスの影響は低減
できる。なお、本発明は上述した各実施形態に限るもの
ではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して
実施することができる。
【0040】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、チ
ップ内部の大きな電流ピークを持つチップであっても、
チップ外部から見ると定電流或いは緩やかな電流のみ流
れ、PCB等の電源ノイズを大幅に低減し、主電源能力
やPCBのキャパシタ容量等を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係わる半導体装置を示す回路
図と動作波形図。
【図2】図1の装置の動作波形図。
【図3】第2の実施形態を説明するもので、図1の定電
流回路部分を示す回路構成図。
【図4】第3の実施形態を説明するもので、図3のより
具体的な回路構成図。
【図5】第4の実施形態を説明するもので、図1のオペ
アンプの具体的回路構成図。
【図6】第5の実施形態を示す回路構成図。
【図7】図6の装置の動作波形図。
【図8】第6の実施形態を示す回路構成図。
【図9】図8の装置の動作波形図。
【図10】第7の実施形態を示す回路構成図。
【図11】第7の実施形態においてST−Busの例を
示す回路構成図。
【図12】図10及び図11の回路の動作波形図。
【図13】第8の実施形態を示す回路構成図。
【図14】第9の実施形態を示す回路構成図。
【図15】従来のチップ内蔵の降圧回路を持つチップの
例を示す回路構成図。
【図16】図15の回路の動作波形図。
【図17】従来のPCBの等価回路図。
【符号の説明】
11…チップ内部回路 20…降圧回路 21…第1の回路(定電流源) 22…第2の回路(従来の降圧回路) 23…キャパシタ(電荷補給タンク)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05F 3/24 G05F 3/28 G11C 11/407 H03K 19/00

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部電源電圧(Vcc)より降圧した内部
    電源電圧(Vint1)をチップ内部で発生する降圧回路
    と、この降圧回路で得られる内部電源電圧(Vint1)が
    与えられるチップ内部回路とを備えた半導体装置であっ
    て、 前記降圧回路は、一端が外部電源に接続された第1の回
    路と、第1の回路の他端と前記内部回路との間に接続さ
    れて前記内部電源電圧(Vint1)を生成する第2の回路
    と、第1の回路と第2の回路の接続点に接続されたキャ
    パシタとからなり、 前記第1の回路は、前記内部回路内に流れる電流の時間
    に対する変化量よりも少ない変化量の電流を流す回路で
    あり、 前記第2の回路は、前記内部電源電圧(Vint )を検知
    して、該電圧を一定に保つように電流を流す回路であ
    り、 前記キャパシタは、第2の回路に流れる電流が所定値よ
    り小さいときは第1の回路により充電され、第2の回路
    に流れる電流が所定値より大きいときは第2の回路に放
    電電流を流すことを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の回路は、定電流を流す回路で
    あることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】 前記第2の回路は、前記内部回路内に流
    れる電流に連動して、ほぼ同等な電流を流す回路である
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】 前記第2の回路は、ドレインが第1の回
    路の他端に接続され、ソースが前記内部回路に接続され
    たトランジスタと、このトランジスタのソース電位と降
    圧基準電位とを反転入力とし、出力を該トランジスタの
    ゲートに与えるオペアンプとからなることを特徴とする
    請求項1記載の半導体装置。
  5. 【請求項5】 前記降圧回路は、同一チップ中に複数個
    存在することを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  6. 【請求項6】 外部接地電圧(Vss)より昇圧した内部
    電源電圧(Vint2)をチップ内部で発生する昇圧回路
    と、この昇圧回路で得られる内部電源電圧(Vint2)が
    与えられるチップ内部回路とを備えた半導体装置であっ
    て、 前記昇圧回路は、一端が外部接地端に接続された第3の
    回路と、第3の回路の他端と前記内部回路との間に接続
    されて前記内部電源電圧(Vint2)を生成する第4の回
    路と、第3の回路と第4の回路の接続点に接続されたキ
    ャパシタとからなり、 前記第3の回路は、前記内部回路内に流れる電流の時間
    に対する変化量よりも少ない変化量の電流を流す回路で
    あり、 前記第4の回路は、前記内部電源電圧(Vint2)を検知
    して、該電圧を一定に保つように電流を流す回路であ
    り、 前記キャパシタは、第4の回路に流れる電流が所定値よ
    り小さいときは第3の回路により充電され、第4の回路
    に流れる電流が所定値より大きいときは第4の回路に放
    電電流を流すことを特徴とする半導体装置。
  7. 【請求項7】 前記第3の回路は、定電流を流す回路で
    あることを特徴とする請求項6記載の半導体装置。
  8. 【請求項8】 前記第4の回路は、前記内部回路内に流
    れる電流に連動して、ほぼ同等な電流を流す回路である
    ことを特徴とする請求項6記載の半導体装置。
  9. 【請求項9】 前記第4の回路は、ドレインが第3の回
    路の他端に接続され、ソースが前記内部回路に接続され
    たトランジスタと、このトランジスタのソース電位と昇
    圧基準電位とを反転入力とし、出力を該トランジスタの
    ゲートに与えるオペアンプとからなることを特徴とする
    請求項6記載の半導体装置。
  10. 【請求項10】 前記昇圧回路は、同一チップ中に複数
    個存在することを特徴とする請求項6記載の半導体装
    置。
  11. 【請求項11】 外部電源電圧(Vcc)より降圧した第
    1の内部電源電圧(Vint1)をチップ内部で発生する降
    圧回路と、外部接地電圧(Vss)より昇圧した第2の内
    部電源電圧(Vint2)をチップ内部で発生する昇圧回路
    と、これらの降圧回路及び昇圧回路で得られる内部電源
    電圧(Vint1,Vint2)が与えられるチップ内部回路と
    を備えた半導体装置であって、 前記降圧回路は、一端が外部電源に接続された第1の回
    路と、第1の回路の他端と前記内部回路との間に接続さ
    れて第1の内部電源電圧(Vint1)を生成する第2の回
    路と、第1の回路と第2の回路の接続点に接続され、第
    2の回路に流れる電流が所定値より小さいときは第1の
    回路により充電され、第2の回路に流れる電流が所定値
    より大きいときは第2の回路に放電電流を流す第1のキ
    ャパシタとからなり、 前記第1の回路は、前記内部回路内に流れる電流の時間
    に対する変化量よりも少ない変化量の電流を流す回路で
    あり、第3の回路は、前記内部回路内に流れる電流の時
    間に対する変化量よりも少ない変化量の電流を流す回路
    であり、 前記第2の回路は、前記内部電源電圧(Vint )を検知
    して該電圧を一定に保つように電流を流す回路であり、
    第4の回路は、前記内部電源電圧(Vint2)を検知して
    該電圧を一定に保つように電流を流す回路であり、 前記昇圧回路は、一端が外部接地端に接続された第3の
    回路と、第3の回路の他端と前記内部回路との間に接続
    されて第2の内部電源電圧(Vint2)を生成する第4の
    回路と、第3の回路と第4の回路の接続点に接続され、
    第4の回路に流れる電流が所定値より小さいときは第3
    の回路により充電され、第4の回路に流れる電流が所定
    値より大きいときは第4の回路に放電電流を流す第2の
    キャパシタとからなることを特徴とする半導体装置。
  12. 【請求項12】 第1及び第3の回路は、定電流を流す
    回路であることを特徴とする請求項11記載の半導体装
    置。
  13. 【請求項13】 第2の回路は、前記内部回路内に流れ
    る電流に連動してほぼ同等な電流を流す回路であり、第
    4の回路は、前記内部回路内に流れる電流に連動してほ
    ぼ同等な電流を流す回路であることを特徴とする請求項
    11記載の半導体装置。
  14. 【請求項14】 第2の回路は、ドレインが第1の回路
    の他端に接続され、ソースが前記内部回路に接続された
    トランジスタと、このトランジスタのソース電位と降圧
    基準電位とを反転入力とし、出力を該トランジスタのゲ
    ートに与えるオペアンプとからなり、第4の回路は、ド
    レインが第3の回路の他端に接続され、ソースが前記内
    部回路に接続されたトランジスタと、このトランジスタ
    のソース電位と昇圧基準電位とを反転入力とし、出力を
    該トランジスタのゲートに与えるオペアンプとからなる
    ことを特徴とする請求項11記載の半導体装置。
  15. 【請求項15】 前記降圧回路及び昇圧回路は、同一チ
    ップ中に複数個存在することを特徴とする請求項11記
    載の半導体装置。
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