JP3369473B2 - 核酸標的配列の検出方法およびオリゴヌクレオチド - Google Patents

核酸標的配列の検出方法およびオリゴヌクレオチド

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、核酸標的配列の検
出方法、特に蛍光消光を用いる検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】オリゴヌクレオチドプローブの配列特異
的ハイブリッド形成は、選択されたヌクレオチド配列の
検出および同定手段として長い間利用されており、また
蛍光標識によるこの様なプローブのラベリングは、プロ
ーブのハイブリッド形成を検出し易くするための比較的
鋭敏な無放射の手段を提供してきた。最近開発された検
出方法は、蛍光強度を直接検出するのではなく、プロー
ブのハイブリッド形成を検出するために蛍光エネルギー
移動(FET)の過程を利用している。蛍光エネルギー
移動は、一方(アクセプター)の吸収スペクトルがもう
一方(ドナー)の発光スペクトルと重なり、2つの染料
が極めて接近した位置にある場合、ドナーの発蛍光団と
アクセプターの染料(発蛍光団でも、発蛍光団でなくて
もよい。)の間に発生する。ドナーの発蛍光団の励起状
態エネルギーは、共鳴双極子により引き起こされる双極
子の相互作用によって、隣接するアクセプターに移動さ
れる。これにより、ドナーの蛍光消光が引き起こされ
る。場合によっては、アクセプターも発蛍光団であれ
ば、その蛍光強度が増強される事もある。エネルギー移
動効率は、ドナーとアクセプターの距離に高度に依存し
ており、これらの関係の予想式がフォースター(Foerste
r)(1948. Ann. Phys. 2, 55-75) により明らかにされて
いる。エネルギー移動効率が50%であるドナー染料と
アクセプター染料の間の距離は、フォースター(Foerste
r)距離(Ro )と呼ばれている。蛍光消光のその他の機
序も公知であり、電荷移動および衝突消光等が挙げられ
る。
【0003】消光を引き起こす極めて近接した2つの染
料の相互作用に依存するエネルギー移動とその他の機序
は、ヌクレオチド配列を検出または同定する興味深い方
法である。なぜならば、この様な分析方法は、均一な方
式で実施できるからである。均一な分析方式は、1種類
の発蛍光団標識の蛍光の検出に依存している従来のプロ
ーブハイブリッド形成分析よりも簡単である。なぜなら
ば、不均一な分析は、一般に、ハイブリッド形成した標
識をハイブリッド形成していない標識から分離するため
の段階を更に必要とするからである。典型的には、FE
Tおよび関連方法は、2つの相補的オリゴヌクレオチド
のハイブリッド形成によって結合されたときの一方また
は両方の染料標識の蛍光特性の変化の監視に基づいてい
る。この方式において、蛍光特性の変化は、エネルギー
移動量の変化として、あるいは蛍光消光量の変化として
測定でき、典型的には、一方の染料の蛍光強度の増加と
して示される。この方法において、目的のヌクレオチド
配列は、ハイブリッド形成していないオリゴヌクレオチ
ドとハイブリッド形成したオリゴヌクレオチドとを分離
せずに、検出できる。ハイブリッド形成は、2つの異な
る相補的オリゴヌクレオチドの間で生じ、一方はドナー
発蛍光団で標識され、もう一方はアクセプターで標識さ
れる。一本鎖オリゴヌクレオチドと比較すると、二本鎖
形態では、ドナーの蛍光の減少(消光の増加)および/
またはエネルギー移動の増加が生じる。FETハイブリ
ッド形成分析の幾つかの方式が、「Nonisotopic DNA Pr
obe techniques」(1992. Academic Press Inc., Pgs. 3
11-352) に概説されている。
【0004】あるいは、オリゴヌクレオチドがその相補
的配列とハイブリッド形成した時と、オリゴヌクレオチ
ドがハイブリッド形成していない時とで、一方または両
方の蛍光特性に検出可能な差が生じるように、1つのオ
リゴヌクレオチドに、ドナーおよびアクセプターを結合
する事も可能である。この方式では、オリゴヌクレオチ
ドがハイブリッド形成すると、典型的にドナーの蛍光は
増加し、エネルギーの移動/消光は減少する。例えば、
両端で標識された自己相補的オリゴヌクレオチドは、エ
ネルギー移動と消光が起こり得る様に2つの発蛍光団
(すなわち、5’および3’末端)を接近させるヘアピ
ン構造を形成できる。自己相補的オリゴヌクレオチド
と、第二のオリゴヌクレオチドの相補部分がハイブリッ
ド形成すると、ヘアピン構造が崩壊され、2つの染料間
の距離が大きくなるため、消光は減少する。ヘアピン構
造の欠点は、非常に安定で、消光しないハイブリッド形
成された型への変換が通常遅く、僅かに有利であるに過
ぎない点であって、一般に性能は低い。チャギ(Tyagi)
とクレーマー(Kramer)は、「1996. Nature Biotech. 1
4, 303-308 」で、ステムを形成するヘアピンの自己相
補的な枝の間のループ中に検出配列を持つ、上記の様に
標識されたヘアピン構造を報告している。検出配列を標
的とハイブリッド形成させ、消光の減少を引き起こすた
めに、塩基対のステムは融解していなくてはならない。
「ダブルヘアピン」プローブおよびそれを用いる方法
が、バッグウェル(B. Bagwell)らの「1994. Nucl. Acid
s Res. 22, 2424-2425; 米国特許第 5,607,834号」によ
り報告されている。これらの構造は、ヘアピン内部に標
的結合配列を含み、従って、標的とヘアピンの自己相補
的配列との間の競合的ハイブリッド形成が関与してい
る。Bagwell は、ミスマッチによりヘアピン構造を不安
定にし、その様にして標的とのハイブリッド形成を有利
にすることによって、不利なハイブリッド形成速度論の
問題を解決している。これらの報告とは対照的に、本発
明の検出オリゴヌクレオチドは、分子内塩基対合二次構
造内に完全に含まれるのではなく、一本鎖「テイル」領
域に標的結合配列を完全にまたは部分的に有している。
従って、二次構造(例えば、ヘアピン構造)は、標的と
ハイブリッド形成するために初期に開いている必要はな
い。一本鎖テイルのハイブリッド形成は競合的でないた
め、この反応の速度論は標的とのハイブリッド形成に有
利である。一本鎖テイルによる検出オリゴヌクレオチド
のハイブリッド形成は、標的の局所濃度も増大させ、こ
れによって二次構造のその後の伸展を引き起こす。反応
速度論を、標的の存在下に構造が伸展するのを有利にす
ることにより、さもなければ標的を検出するには安定性
が高すぎる完全に塩基対合した二次構造の利用が可能と
なる。
【0005】核酸増幅を検出するためのエネルギー移動
と蛍光消光のその他の機序を用いる均一な方法も報告さ
れている。ヒグチ(R. Higuchi)らの「1992. Biotechnol
ogy10, 413-417 」は、臭化エチジウムが二本鎖DNA
と結合するにつれ、臭化エチジウムの蛍光が増加するの
を監視することにより、リアルタイムでDNA増幅を検
出する方法を開示している。臭化エチジウムの結合は標
的特異的でなく、バックグラウンドの増幅生成物も検出
されるため、この方法の鋭敏度は限られている。リー
(L.G. Lee)らの「1993. Nuc. Acids Res. 21, 3761-376
6 」は、PCRの間、二重標識された検出プローブを標
的増幅特異的方法で切断するリアルタイムの検出方法を
開示している。検出プローブは、増幅プライマーの下流
でハイブリッド形成され、その結果Taqポリメラーゼ
の5’−3’エキソヌクレアーゼ活性が検出プローブを
消化し、エネルギー移動対を形成する2つの蛍光染料を
分離する。プローブが切断されるにつれて、蛍光強度は
増大する。刊行されているPCT国際公開WO96/2
1144号は、酵素により触媒される核酸の切断により
蛍光が増加する、連続蛍光測定分析を開示している。蛍
光エネルギーの移動がこの方法において使用されている
と示唆されているが、標的とのハイブリッド形成により
消光される1種類の蛍光標識を用いる方法に関してのみ
である。蛍光エネルギー移動系において制限エンドヌク
レアーゼがどのように利用されるかに関しては特に開示
はない。
【0006】エネルギー移動とその他の蛍光消光検出方
法は、特異的プローブのハイブリッド形成による標的配
列の検出にも応用されている。特公平5−015439
号は、エネルギー移動対を形成する2つの標識で標識さ
れた一本鎖ポリヌクレオチドプローブと、一本鎖標的と
をハイブリッド形成する事によるポリヌクレオチドの測
定方法を開示している。二本鎖ハイブリッドは、標識の
間の制限酵素によって切断され、標識の一つの蛍光が測
定される。この方法の欠点は、プローブ内の制限部位
が、検出される標的配列にも存在しなくてはならない点
である。この特許は、標的配列が適切な制限部位を含ま
ない場合、あるいは標的の切断が望ましくない場合の分
析に利用するために、プローブを調整する事に関しては
説明していない。ゴーシュ(S.S. Ghosh)らの「1994. Nu
cl. Acids Res. 22, 3155-3159」は、蛍光共鳴エネルギ
ー移動を用いて分析される発蛍光団で標識されたオリゴ
ヌクレオチドの、制限酵素により触媒される切断反応を
報告している。これらの分析方法において、相補的オリ
ゴヌクレオチドはハイブリッド形成されて二本鎖制限部
位を生じ、1つの発蛍光団標識が二本の鎖のそれぞれに
結合される(即ち、それらの標識は同じ鎖に結合されな
い、Ghosh, et al. の図1参照)。リー(S.P.Lee)らの
「1994. Anal. Biochem. 220, 377-383 」は、二本鎖D
NAを切断するために制限エンドヌクレアーゼを用いる
蛍光「脱消光」技術を報告している。しかし、これらの
方法は、第二の蛍光標識からの蛍光エネルギーの移動に
よるのではなく、DNAとの相互作用により消光される
1つの蛍光標識のみを用いた検定に関する。標識された
オリゴヌクレオチドとその相補体とのハイブリッド形成
と、二本鎖制限部位の切断とによって、標識の非移動性
消光は解消され、消光された蛍光は完全に回復した。
【0007】増幅プライマーのハイブリッド形成部位の
下流の標的配列とハイブリッド形成するシグナルプライ
マー(検出プローブとも呼ばれる。)を、核酸増幅検出
において利用する方法が報告されている(米国特許第
5,547,861号)。シグナルプライマーは、増幅
プライマーの伸長と同様にポリメラーゼにより伸長され
る。増幅プライマーの伸長により、標的増幅依存的に、
シグナルプライマーの伸長生成物が置換され、標的増幅
を示すものとして検出される二本鎖二次増幅生成物が生
成される。シグナルプライマーから生成される二次的増
幅生成物は、種々の標識およびリポーター基、切断され
て特徴的なサイズの断片を生成するシグナルプライマー
の制限部位、捕捉基、三重らせんや二本鎖DNA結合蛋
白質の認識部位等の構造的特徴によって検出できる。シ
グナルプライマーを利用する検出方法の具体例は、米国
特許第5,550,025号(親油性染料と制限部位の
組み合わせ)および米国特許第5,593,867号
(蛍光偏光検出)に報告されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、核酸
標的配列の存在及びその増幅を検出する方法を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、蛍光消光機序
による核酸標的配列検出のための検出オリゴヌクレオチ
ドを用いている。別の一本鎖検出オリゴヌクレオチド
は、プライマー伸長または標的へのハイブリッド形成の
ために選択された条件下で、分子内で塩基対合された二
次構造を形成するように選択される。検出オリゴヌクレ
オチドは更に、ドナー/アクセプター染料対(donor/acc
eptor dye pair) を形成する2つの染料に結合する事に
より、更に修飾される。2つの染料は、塩基対合した折
り返された二次構造内で極めて近接し、ドナー染料の蛍
光が消光される様に、検出オリゴヌクレオチド上に配置
される。検出オリゴヌクレオチドは、塩基対を成す二次
構造内に部分的にあるいは完全に一本鎖を維持しなが
ら、2つの染料の間に制限エンドヌクレアーゼ認識部位
(RERS)を含むことができる。検出オリゴヌクレオ
チドは最初、二次構造の塩基対合部分以外は一本鎖で、
標的の非存在下で、折り返された二次構造と共に一本鎖
を維持し、ドナーの蛍光は消光されている。しかし、標
的が存在すると、検出オリゴヌクレオチドは伸展または
線状化され、ドナー染料とアクセプター染料の間の距離
は開き、蛍光に変化を引き起こす。RERSが2つの染
料間の検出オリゴヌクレオチドの一部に存在している場
合、標的が存在しなければ、切断あるいはニッキングは
不可能である。しかし、標的が存在するとRERSは二
本鎖となり、制限エンドヌクレアーゼによる切断または
ニッキングが可能となり、2つの染料を別々の核酸断片
に分離する事ができる。切断またはニッキングは更に、
標的増幅または標的配列の存在を示す蛍光の変化にも寄
与する。別の具体例において、本発明は、標的配列増幅
を検出するための標的増幅反応や、標的配列を検出する
ための増幅に基づかないプライマー伸長法や、標的配列
を検出するためのハイブリッド形成反応において、シグ
ナルプライマーとして検出オリゴヌクレオチドを使用し
ている。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、標的依存的に蛍光消光
を減少させる検出オリゴヌクレオチドを使用している。
検出オリゴヌクレオチドは、標的が存在しない場合に蛍
光消光が生じる様にドナー/アクセプター染料対を含
む。標的が存在する場合、検出オリゴヌクレオチド中の
分子内塩基対合二次構造の伸展または線状化によって、
染料間距離が大きくなり、蛍光消光が減少する。塩基対
合二次構造の伸展は、典型的には、二次構造が少なくと
も一部は崩壊されるように、二次構造の配列と相補的鎖
の間の分子間塩基対合が関与している。十分な長さの相
補的鎖が存在すれば、完全に線状化される事もある。好
ましい態様において、二次構造と相補的鎖の間の分子間
塩基対合によってRERSを二本鎖にし、制限エンドヌ
クレアーゼによって切断可能あるいはニッキング可能と
なるように、2つの染料間にRERSが存在する。制限
エンドヌクレアーゼによる切断またはニッキングによっ
て、ドナーおよびアクセプター染料は、別々の核酸断片
に分離され、蛍光消光の減少に更に貢献する事になる。
いずれの態様においても、蛍光パラメータ(例えば、ド
ナーの蛍光強度の増加、アクセプターの蛍光強度の減
少、または伸展前後の蛍光比)の関連する変化は、標的
配列の存在を示すものとして監視される。ドナーの蛍光
強度の変化を監視するのが好ましい。というのは、この
変化は典型的には、アクセプターの蛍光強度の変化より
も大きいからである。蛍光寿命の変化のようなその他の
蛍光パラメータを監視することもできる。
【0011】ここに使用される幾つかの用語を以下の様
に定義する。増幅プライマーは、プライマー伸長による
標的配列の増幅のためのプライマーである。SDAの場
合、増幅プライマーの3’末端(標的結合配列)は、標
的配列の3’末端でハイブリダイズされる。増幅プライ
マーは、その5’末端付近に制限エンドヌクレアーゼの
認識部位を含む。米国特許第5,455,166号、米
国特許第5,270,184号、EP 0 684 3
15に報告されているように、認識部位は、認識部位が
半修飾(「ニッキング」)されている場合に、DNA二
本鎖の内の1本の鎖を切断する制限エンドヌクレアーゼ
のためのものである。半修飾されている認識部位は、制
限エンドヌクレアーゼのための二本鎖認識部位であっ
て、この内の1本の鎖が、制限エンドヌクレアーゼに、
認識部位の両方の鎖を切断するのではなく、プライマー
鎖をニッキングさせる様な少なくとも1つの誘導された
ヌクレオチドを含んでいる。通常、半修飾されている認
識部位のプライマー鎖は、誘導されたヌクレオチドを含
まず、制限エンドヌクレアーゼによりニッキングされ
る。あるいは、プライマーは、誘導されたヌクレオチド
を含んでいてもよく、これにより、修飾されていない標
的鎖は、切断から保護され、一方、修飾されたプライマ
ー鎖はニッキングされる。この様な制限エンドヌクレア
ーゼは、誘導されたdNTPがその酵素の制限エンドヌ
クレアーゼ認識部位に取り込まれる、ルーチンのスクリ
ーニング法で同定することが可能である。好ましい半修
飾された認識部位は、制限エンドヌクレアーゼHinc
II、BsoBIおよびBsrIのへミホスホロチオエ
ステル化認識部位である。増幅プライマーは、増幅プラ
イマーの標的結合配列が標的配列とハイブリッド形成す
ると、DNAポリメラーゼにより伸長可能な3’−OH
基も含む。大多数のSDA反応に関して、増幅プライマ
ーは標的配列の指数関数的増幅に寄与している。
【0012】増幅反応を開始させるために特別な配列ま
たは構造は不要なので、PCRの増幅プライマーは標的
結合配列だけを含めばよい。これに反して、3SRおよ
びNASBAの増幅プライマーは、5’末端付近にRN
Aポリメラーゼプロモーターを含む。このプロモーター
は、標的配列に付着され、標的の複数のRNAコピーの
転写を指示する事により増幅反応を開始させる働きをす
る。
【0013】伸長生成物は、プライマーまたはプライマ
ーの一部と、プライマー結合部位下流の標的配列に相補
的な新しく合成された鎖とからなる核酸を含む。伸長生
成物は、標的配列とプライマーのハイブリッド形成と、
鋳型として標的配列を用いるポリメラーゼによるプライ
マーの伸長の結果、生じた生成物である。標的または標
的配列という言葉は、増幅または検出される核酸配列を
意味する。これらには、増幅される元の核酸配列と、そ
の相補的第二の鎖と、複製または増幅により産生される
元の配列のコピーとを含む。標的配列は、ハイブリッド
形成したプライマーの伸長のための鋳型としての意味を
持つこともある。
【0014】検出オリゴヌクレオチドは、標的配列(標
的結合配列)とハイブリッド形成する一本鎖の5’また
は3’「テイル(tail)」と、標的結合配列に隣接する分
子内で塩基対合した二次構造とを含むオリゴヌクレオチ
ドである。本発明の検出オリゴヌクレオチドは、二次構
造が分子内塩基対合している場合にはドナーの蛍光が消
光し、二次構造の伸展または線状化により蛍光消光の減
少を引き起こす様に、検出オリゴヌクレオチドに結合さ
れたドナー/アクセプター染料対を更に含む。オリゴヌ
クレオチドの切断とは、DNA二重らせんの両方の鎖の
リン酸ジエステル結合の破壊、または一本鎖DNAのリ
ン酸ジエステルの破壊を意味する。これは、DNA二重
らせんの2本の鎖の内の1本だけのリン酸ジエステル結
合の破壊を意味するニッキングと対照的である。
【0015】本発明の検出オリゴヌクレオチドは、プラ
イマー伸長またはハイブリッド形成のための選択された
条件下で分子内塩基対合二次構造を形成する配列を含
む。二次構造は、検出オリゴヌクレオチドの標的結合配
列に隣接して配置されているので、標的結合配列の少な
くとも一部は、一本鎖の3’または5’テイルを形成す
る。ここで使用される様に、「標的結合配列に隣接す
る」という言葉は、標的とのハイブリッド形成に利用可
能な5’または3’テイルにおいて、標的結合配列の全
てまたは一部が一本鎖のままである事を意味する。即
ち、二次構造は標的結合配列全体を含んでいない。標的
結合配列の一部は、隣接する二次構造の分子内塩基対合
に関与しており、あるいは標的結合配列全体が検出オリ
ゴヌクレオチドにおいて一本鎖の5’または3’テイル
を形成することも可能である。検出オリゴヌクレオチド
の標的結合配列の一部が、二次構造における分子内塩基
対合に関与している場合には、検出オリゴヌクレオチド
が二次構造の分子内塩基対合に関与している一次配列の
全てまたは一部を含んでいる可能性があるが、好ましく
は、その相補的配列の中にまでは伸びていない。例え
ば、二次構造がステム−ループ構造(すなわち「ヘアピ
ン」)であり、検出オリゴヌクレオチドの標的結合配列
が一本鎖の3’テイルとして存在する場合には、標的結
合配列は、ステムの第一の枝の全てまたは一部を通っ
て、また任意でループの全てまたは一部を通って、5’
に伸びてもよい。しかし、標的結合配列は、好ましく
は、ステムの分子内塩基対合に関与する配列の第二の枝
の中には伸びない。即ち、標的とハイブリッド形成可能
な二次構造において、分子内塩基対合に関与する両方の
配列を持つことは避けるのが望ましい。検出オリゴヌク
レオチドの二次構造の分子内塩基対合部分におけるミス
マッチによって、標的が存在する時の蛍光の変化の程度
を減じる事があるが、分析の鋭敏度が問題とならない場
合には許容可能な程度である。一本鎖テイルの標的結合
配列におけるミスマッチも許容可能であるが、同様に分
析の鋭敏度および/または特異性を減じる事がある。し
かし、二次構造と標的結合配列の両者における完全な塩
基対合が反応を障害しないことが本発明の特徴である。
ハイブリッド形成に関与している配列が完全にマッチし
ている事により、反応速度論に望ましくない影響を与え
ることなく分析の特異性が改善される。
【0016】検出オリゴヌクレオチドは、二次構造の分
子内塩基対合により染料を空間的に接近させ、蛍光消光
を引き起こす様な検出オリゴヌクレオチド内の位置に結
合させたドナー発蛍光団およびアクセプター染料を更に
含む。好ましくは、検出オリゴヌクレオチドをプライマ
ーとして使用する場合には、検出オリゴヌクレオチドの
3’末端にどちらの染料も含めない。なぜならば、3’
末端標識によりオリゴヌクレオチドのハイブリッド形成
および/または伸長が障害される可能性があるからであ
る。しかし、選択されたドナー発蛍光団またはアクセプ
ター染料は、ハイブリッド形成および/または伸長を阻
害しないならばどの部位にも結合可能であり、折り返さ
れた二次構造では消光を引き起こし、伸展または線状化
されると、蛍光パラメータに変化を生じる。ドナーおよ
びアクセプター染料は、二次構造の伸展によりそれらの
距離が開き、蛍光消光を減じ、蛍光パラメータに検出可
能な変化を引き起こすように、結合される。
【0017】ドナーおよびアクセプター染料は、検出オ
リゴヌクレオチドが分子内塩基対合二次構造を形成する
と、ドナーの蛍光が全てまたは一部消光されるように、
検出オリゴヌクレオチドに結合される。2つの染料は、
消光が生じる様に、二次構造が折り返されている時には
十分近接していなくてはならない。しかし、検出オリゴ
ヌクレオチドの線状ヌクレオチド配列における2つの染
料間の距離は、二次構造が伸展または線状化された時に
は、ドナーまたはアクセプターのいずれかの蛍光パラメ
ータに検出可能な変化を引き起こすのに十分な位近接度
に変化を引き起こすものでなくてはならない。いずれの
染料も、伸展により染料間距離が開く様な位置であれば
どこでも、二次構造の形成に関与する配列に結合でき
る。あるいは、二次構造の伸展により両染料間の距離が
開く様に、一方の染料は二次構造の配列に、もう一方は
一本鎖の標的結合配列に結合することも可能である。好
ましくは、両染料は、両者共二次構造の中に組み込まれ
る様に、検出オリゴヌクレオチドに結合され、分子内塩
基対合配列の向かい合った枝に位置する(すなわち、一
方の染料は、分子内塩基対合に関与している2つの相補
的配列のどちらかに、あるいはその付近に配置され
る。)
【0018】RERSが存在する場合には、染料の近接
度は、標的が存在する時、屈曲および切断/ニッキング
のために線状化または伸展構造で制限エンドヌクレアー
ゼがRERSにアクセスできる様なものでなくてもなら
ない。一般に、制限エンドヌクレアーゼによる十分有効
な切断またはニッキングを提供するには、2つの染料の
間に少なくとも約8個のヌクレオチドが必要である。好
ましくは、検出オリゴヌクレオチド中にRERSが存在
する場合には、染料間に少なくとも約11個のヌクレオ
チドが存在する。一般に、二次構造における分子内塩基
対合に関与する配列の全長は重要ではない。適切な長さ
は、選択された二次構造において折り返された安定な塩
基対合に必要なヌクレオチド数により決定される。好都
合には、典型的には、それは約8から75ヌクレオチド
長である。二次構造を形成するより長い配列は、二次構
造を形成するより短い配列に結合された染料よりも、線
状形の時により大きく間隔が開くように、ドナーおよび
アクセプター染料を結合させることができる。例えば、
ヘアピンのステムおよび/またはループが長い程、線状
化された時、それに結合された染料間距離はより大きく
開く。ヘアピンを形成する配列は、合成が簡単で、従っ
て、本発明において使用するのに好ましい。典型的に
は、安定したヘアピンを形成するには、少なくとも約7
個のヌクレオチドが必要である。最大の大きさは、オリ
ゴヌクレオチドの合成と回収の簡便性と効率等の実際的
な問題によってのみ制限される。約10〜30個のヌク
レオチドを含むヘアピンが、分析の鋭敏度は高いが、十
分小さいため、合成が容易な事から、本発明の使用に好
ましい。ヘアピンの二次構造は、本明細書の具体例の様
に使用される。しかし、プライマー伸長またはハイブリ
ッド形成反応条件下に、規則正しい分子内塩基対合二次
構造に自然に折り返される配列であればどれでも、本発
明の検出オリゴヌクレオチドにおいて使用に適してい
る。これらには更に、三重らせんまたは偽ノットを形成
する配列も更に含まれるが、これらに限定されない。
【0019】検出オリゴヌクレオチドにおける二次構造
の配列は、好ましくは、分子内塩基対合二次構造が、標
的の存在下で形成する分子内塩基対合二重らせんより
も、不安定である様に選択される。遷移中間点(Tm
は、これらの相対的安定性を推定する有用な手段である
が、その他の要素も考慮に入れることも可能である。一
般に、分子内塩基対合時の二次構造のTm は、好ましく
は、標的の存在下に形成する分子内塩基対合二重らせん
のTm と同じか、それよりも低い。より好ましくは、二
次構造のTm は、分子内塩基対合二重らせんのTm より
も5〜45℃低く、最も好ましくは、約10〜25℃低
い。これは、自己相補性よりも分子内塩基対合二重らせ
んの維持を有利にし、検出オリゴヌクレオチドから分子
内塩基対合二次構造への「急な回復(snap-back) 」をな
くすことにより、蛍光の全体的な変化を至適化し、必要
な場合にはより高い分析鋭敏度を提供する。二次構造の
配列も、それを伸展または線状化させる反応温度で比較
的安定となるように選択される。しかし、標的とのハイ
ブリッド形成が許容できない位遅くなる程、非常に安定
であったり、あるいはポリメラーゼが相補的鎖合成のた
めに二次構造を不安定化できない程、安定であってはな
らない。好ましくは、二次構造のTm は、伸展または線
状化反応が起こる温度と同じかそれより高いが、低くて
もよい。もしも、二次構造のTm が反応温度よりも低い
と、検出オリゴヌクレオチド分子の半分以上が標的の存
在と無関係に伸展される。これは分析の鋭敏度を減じる
が、比較的大量の標的が存在する場合には許容可能であ
る。典型的には、二次構造のTmは、伸展または線状化
反応温度と等しいか、それよりも約30℃までの温度だ
け高くなるように選択される。最も好ましくは、二次構
造のTm は、伸展または線状化反応温度よりも約10〜
20℃高い。標的とのハイブリッド形成を有利にするた
めに、一本鎖の標的結合テイル領域の配列は、好ましく
は、標的結合配列/標的二重らせんのTm が反応温度よ
りも等しいか、高くなるように選択される。標的結合領
域の配列は、標的の配列により命令されるが、検出オリ
ゴヌクレオチドの標的結合配列のTm は、例えば、その
長さを調節することによって調節可能である。
【0020】任意で、ドナーおよびアクセプター染料
は、図1に描かれている検出オリゴヌクレオチドに示さ
れるように、二次構造内に制限エンドヌクレアーゼ認識
部位(RERS)を挟むことができる(高く盛り上がっ
た枠)。即ち、RERSはドナー染料とアクセプター染
料の間に、検出オリゴヌクレオチドの二次構造形成配列
中に存在することができる。RERSを含める事によ
り、検出オリゴヌクレオチドを蛍光が変化した状態の構
造形に永久的に変換するという利点が得られる。すなわ
ち、切断またはニッキングにより、検出オリゴヌクレオ
チドが消光された状態の構造に再び連合するのを防止す
る。この態様において、二次構造の折り返しにより、染
料は空間的に接近するが、RERSは、2つの染料の間
の二次構造の塩基対合しない部分で一部または完全に一
本鎖のままである。検出オリゴヌクレオチドにおいて、
RERSの配列は、二本鎖のRERSの1本の鎖に相当
する。ドナーまたはアクセプター染料のいずれかが、R
ERSに対し3’の位置にて検出オリゴヌクレオチドに
結合される。ドナーの発蛍光団(アクセプターがRER
Sの3’にある場合)またはアクセプター(ドナーがR
ERSの3’にある場合)は、RERSの5’の位置で
検出オリゴヌクレオチドに結合される。即ち、ドナーお
よびアクセプター染料はRERSを挟んでいる。染料は
好ましくは、切断またはニッキングのために制限エンド
ヌクレアーゼがRERSにアクセスできる位十分離れた
位置で、RERSの両側に結合される。典型的には、制
限エンドヌクレアーゼによるRERSの十分な切断また
はニッキングには、染料間に少なくとも約8個のヌクレ
オチドが必要である。
【0021】第一の態様において、本発明の検出オリゴ
ヌクレオチドは、蛍光パラメータを変化させながら、二
本鎖二次増幅生成物を産生する増幅反応において、シグ
ナルプライマーとして利用できる。核酸増幅反応におい
てシグナルプライマーとして使用される場合、検出オリ
ゴヌクレオチドの一本鎖テイルは、プライマー伸長を可
能にするために3’末端にある。従って、検出オリゴヌ
クレオチドがシグナルプライマーとして利用される場合
には、二次構造は標的結合配列に対し5’にある。「標
的結合配列に対し5’」という言葉は、標的結合配列の
全てまたは一部が、一本鎖の3’テイルとして存在する
ことを示している。即ち、二次構造は標的結合配列の一
部を含むか、あるいは標的結合配列全体が一本鎖3’テ
イル中に存在する。検出オリゴヌクレオチドシグナルプ
ライマー反応は図1に示されており、以下の様に要約で
きる。検出オリゴヌクレオチドのシグナルプライマー
が、増幅プライマー下流の標的配列の一本鎖とハイブリ
ッド形成する。増幅プライマーと検出オリゴヌクレオチ
ドは共に、標的配列を鋳型として用いて、DNAポリメ
ラーゼにより伸長される。検出オリゴヌクレオチド伸長
生成物は、上流の増幅プライマーの伸長により鋳型から
外され、次に第二の増幅プライマーのハイブリッド形成
と伸長の鋳型として作用し、検出オリゴヌクレオチドの
伸長生成物を二本鎖にする。二本鎖標的配列の第二の相
補的鎖とハイブリッド形成する第二の検出オリゴヌクレ
オチドは、任意で反応に含められる(図1に示されてい
ない)。第二の検出オリゴヌクレオチドは、第二の増幅
プライマー下流の標的配列の第二の鎖とハイブリッド形
成し、伸長され、第二の増幅プライマーの伸長により置
換される。第二の検出オリゴヌクレオチド伸長生成物
は、第一の増幅プライマーのハイブリッド形成と伸長に
より二本鎖にされる。所望により、標的の鎖当たりの複
数の検出オリゴヌクレオチドを使用でき、それぞれが同
じ鎖の別の部分の下流で標的配列とハイブリッド形成
し、検出オリゴヌクレオチドは全て増幅プライマーの下
流でハイブリッド形成される。この方法で、検出オリゴ
ヌクレオチドは、それぞれ上流の検出オリゴヌクレオチ
ドの伸長により置換され、5’末端に最も近いオリゴヌ
クレオチドは増幅プライマーにより置換される。複数の
検出オリゴヌクレオチドの利用は、標的当たり産生され
るシグナルを増大または増幅し、分析の鋭敏度を高める
という利点をもつ。
【0022】SDA反応においてシグナルプライマーと
して利用される場合、検出オリゴヌクレオチドのRER
Sは、もしも存在するならば、SDAの中心となるニッ
キング機能を提供する酵素と同じ制限酵素により認識さ
れる配列であることが可能である。すなわち、同じ制限
エンドヌクレアーゼに関して、2つの異なる認識配列を
使用できる。1つは検出オリゴヌクレオチドシグナルプ
ライマー中であり、1つは増幅プライマー中である。こ
の態様において、検出オリゴヌクレオチドのRERSの
配列は、SDAの修飾ヌクレオチドが組み入れられてい
る場合には、二本鎖切断が妨げられないように選択され
る。これに反して、増幅プライマーのRERSの配列
は、制限エンドヌクレアーゼによるニッキングが、修飾
ヌクレオチドの組み入れにより引き起こされる様に選択
される。例えば、BsoBIのCTCGAGおよびCC
CGAG認識部位は、半修飾されると切断可能なまま
で、一方、同じ酵素のCTCGGG認識部位は、半修飾
されるとニッキングされる。あるいは、SDA反応にお
いてニッキング機能を提供するものと異なる制限エンド
ヌクレアーゼ認識部位が、検出オリゴヌクレオチドシグ
ナルプライマー中に存在してもよい。しかし、この場合
も、検出オリゴヌクレオチドシグナルプライマー中のR
ERSは、好ましくは、二本鎖切断が修飾ヌクレオチド
の組み入れにより障害されないように選択される。更に
別の態様において、検出オリゴヌクレオチド中のRER
Sは、制限エンドヌクレアーゼにより一度ニッキングさ
れ、ポリメラーゼによる修復と修飾ヌクレオチドの組み
入れ時に再度ニッキング不可能なRERSを再生するよ
うに、選択される。この様に「1回ニッキング可能な」
部位は、SDA反応においてニッキング機能を提供する
同じ制限エンドヌクレアーゼによって、あるいは異なる
制限エンドヌクレアーゼによって、認識される。1回ニ
ッキング可能な部位は、一般に標準的であり、SDA反
応における修飾デオキシヌクレオシド三リン酸と同じニ
ッキング部位に、ヌクレオチドを含む。例えば、Bso
BIのCCCGGG認識部位は、1番目と2番目のCの
間でニッキングされる。dCTPαSを使用するSDA
反応において検出オリゴヌクレオチドシグナルプライマ
ーに組み入れられると、ニックの修復とニック下流の鎖
の置換により、ニッキング部位に修飾Cヌクレオチドが
組み入れられる。ニッキング部位の修飾によって、再ニ
ッキングが阻害されるが、片方の染料を持つ下流断片の
鎖置換を可能にすることにより、最初のニックがドナー
およびアクセプター染料を分離する。1回ニッキング可
能な部位は、標的配列の増幅とは無関係に検出オリゴヌ
クレオチドシグナルプライマーの増幅を阻害するため、
本発明において望ましい。
【0023】増幅反応に加えられると、本発明の検出オ
リゴヌクレオチドシグナルプライマーは、上記の様に増
幅プライマーのハイブリッド形成と伸長により二本鎖形
に変換される。ポリメラーゼによる鎖置換によっても、
二次構造は伸展または線状化され、相補的鎖の合成によ
り二本鎖に変換される。ポリメラーゼの鎖置換活性によ
り二次構造が伸展または線状化される時、ドナーおよび
アクセプター染料間の距離は大きくなり、それによって
ドナーの蛍光消光は減少する。それに伴うドナーまたは
アクセプター染料の蛍光の変化を、標的配列の増幅を表
示するものとして監視または検出する事ができる。RE
RSの切断またはニッキングにより、一般的に、その各
々が2つ染料の内の1つを有する二本鎖の二次増幅生成
物の、2つの分離された断片を産生することによって、
蛍光の変化の程度は更に大きくなる。これらの断片は、
反応溶液中で自由に拡散し、更にドナー/アクセプター
の一対の染料の間の距離は拡大する。ドナー蛍光強度の
増加、またはアクセプター蛍光強度の減少は、標的増幅
が起こりつつある、あるいは起こった事を示すものとし
て、検出および/または監視できるが、ドナー/アクセ
プターの染料の対の近接度により影響されるその他の蛍
光パラメータも監視できる。ドナーまたはアクセプター
の蛍光強度の変化も、ドナーおよび/またはアクセプタ
ーの蛍光強度の比の変化としても検出できる。例えば、
蛍光強度の変化は、a)二次構造の線状化または伸展後
のドナー発蛍光団の蛍光と、線状化または伸展前の検出
オリゴヌクレオチド中のドナー発蛍光団の蛍光との比の
増加、または、b)線状化または伸展後のアクセプター
染料の蛍光と、線状化または伸展前の検出オリゴヌクレ
オチド中のアクセプター染料との比の減少として、検出
できる。
【0024】SDAの他に、本発明の検出オリゴヌクレ
オチドを他のプライマー伸長増幅法(例えば、PCR、
3SR、TMAまたはNASBA)にシグナルプライマ
ーとして使用するために調整できることは明らかであ
る。例えば、PCRにおいてPCR増幅プライマーと、
5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を欠失した鎖置換D
NAポリメラーゼ(例えば、Promega 社のSequencing G
rade Taqまたは New England BioLabs社の exo- -Vent
または exo- -Deep )を使用することにより、PCRに
おいて使用するために方法を適合させることができる。
基本的にSDAに関して説明した様に、検出オリゴヌク
レオチドシグナルプライマーは、本質的にPCR増幅プ
ライマーの下流の標的とハイブリッド形成し、置換さ
れ、二本鎖にされる。PCRにおいて、検出オリゴヌク
レオチドにおいて使用するために、いずれのRERSも
任意で選択できる。というのは、RERSの切断ではな
く、ニッキングを引き起こす可能性がある修飾デオキシ
ヌクレオシド三リン酸は典型的には、存在しないからで
ある。熱サイクリングは、PCRによる増幅の特徴であ
るため、制限エンドヌクレアーゼは好ましくは、増幅の
終点検出のために、プライマーアニーリングと伸長の最
終サイクル後に低温で添加される。しかし、PCR反応
の高温相を通じて活性を維持する好熱性制限エンドヌク
レアーゼは、リアルタイム分析を行うために増幅中にも
存在できる。SDA系の場合の様に、二次構造の線状化
と染料対の分離により蛍光消光は減少し、標的増幅を表
示する強度等の蛍光パラメータに変化を生じる。
【0025】本発明の方法を3SR、TMAまたはNA
SBAに適合させるために、鎖置換活性を有する5’→
3’エキソヌクレアーゼ欠失逆転写酵素が使用され、検
出オリゴヌクレオチドは、RNAポリメラーゼプロモー
ターを含む増幅プライマーの下流のRNA標的にハイブ
リッド形成する。前述の反応計画と類似の反応計画にお
いて、二次構造を含むハイブリッド形成された検出オリ
ゴヌクレオチドは、1)伸長され、2)上流の増幅プラ
イマーの伸長により置換される。置換された伸長生成物
は、次に第二の増幅プライマーのハイブリッド形成と伸
長により二本鎖にされる。これにより二次構造は伸展ま
たは線状化され、ドナーおよびアクセプター染料間の距
離は開き、ドナー発蛍光団の蛍光消光は減少する。3S
RまたはNASBAの検出オリゴヌクレオチドシグナル
プライマーは、RNAポリメラーゼプロモーター配列を
含まず、従って、増幅プライマーとして作用できず、非
特異的バックグラウンドのシグナルを減少させる。これ
は、SDAにおけるシグナルプライマーと類似してお
り、ニッキング可能なRERSを含まず、従って、非特
異性標的の指数関数的バックグラウンドの増幅に大きく
寄与しない。
【0026】バックグラウンドを減少させるために、本
発明の方法において、検出オリゴヌクレオチドをシグナ
ルプライマーとして使用し、検出オリゴヌクレオチド伸
長生成物を、上流の増幅プライマーの伸長による置換に
より標的配列から分離するのが好ましい。しかし、検出
オリゴヌクレオチドシグナルプライマーに関して説明さ
れているように、種々の核酸増幅反応に使用される事が
知られている増幅プライマーを、5’分子内塩基対合二
次構造の結合によって修飾できることも明らかである。
この態様において、5’二次構造を有する増幅プライマ
ー伸長生成物は、変性(例えば、PCRの場合の様な加
熱)または標的鎖の酵素による消化(例えば、3SRの
場合のようなリボヌクレアーゼ H)により、上流の非
増幅プライマー(SDAの場合の様なバンパープライマ
ー)の伸長による置換により標的配列から分離すること
が可能である。5’二次構造とドナー/アクセプター染
料対を含む増幅プライマーにより、反応に更に検出オリ
ゴヌクレオチドを使用する必要はなくなるが、この態様
ではバックグラウンドがより高く、そのため分析の鋭敏
度が低くなる可能性がある。PCRに関しては、標的結
合配列の5’に二次構造を付加することにより増幅プラ
イマーが修飾される。このプライマーは、上記のPCR
検出オリゴヌクレオチドシグナルプライマーと構造的に
同一である。しかし、機能的には、伸長され、置換され
る下流のプライマーが存在せず、増幅プライマー自体が
蛍光に変化を引き起こす点で、差がある。3SR、TM
AまたはNASBAに関しては、染料が結合された二次
構造は、増幅サイクルの二本鎖DNA部分で二次構造が
伸展または線状化されないように、増幅プライマーのプ
ロモーターの5’に配置できる。もしもRERSが存在
する場合には、切断により増幅プライマーからプロモー
ターが除去されず、RNA転写物の生成が標的増幅を維
持し続けるように、RERSはプロモーターの5’に存
在する。プロモーター配列を含まない第二の増幅プライ
マー(例えば、NASBAの場合の様に)もまた、ある
いは代わりに、標的結合配列の5’に二次構造を含むこ
とができる。
【0027】分子内塩基対合二次構造は、非常に安定な
ので、ポリメラーゼが、in vitroプライマー伸
長条件下に、それらを線状化するために鎖置換できるか
どうかは不明である。特に、二次構造の分子内塩基対合
は、2つの大きな染料を分子内塩基対合二重螺旋の向か
い合った枝に近接して配置している可能性があり、DN
Aから解離または分離せずに、in vitroの条件
下でポリメラーゼが2つの大きな染料を通過して鎖置換
できるかどうかは、不明である。この機能の効率は、修
飾ヌクレオチドを組み入れる必要性によりポリメラーゼ
の効率が減じられるSDAにおいては、更に予想不能と
考えられていた。
【0028】別の態様において、検出オリゴヌクレオチ
ドは、標的オリゴヌクレオチドを検出するための非増幅
に基づく分析方式において使用できる。第一の態様にお
いて、塩基対合二次構造が5’に突出部分を形成するよ
うに、検出オリゴヌクレオチドの3’一本鎖標的結合配
列が、標的オリゴヌクレオチドの3’末端とハイブリッ
ド形成する。5’突出部分(すなわち塩基対合二次構造
の配列)を鋳型として使用して標的配列を伸長する、鎖
置換ポリメラーゼを用いて、塩基対合二次構造の相補体
を合成するプライマー伸長反応において、標的配列はプ
ライマーとして作用する。検出オリゴヌクレオチドの標
的結合配列が、標的配列の一部分とのみハイブリッド形
成する場合には、標的配列も5’突出部分を形成し、標
的の5’突出部分を鋳型として使用して、検出オリゴヌ
クレオチドも同様に伸長される。検出オリゴヌクレオチ
ドの標的結合配列が、標的配列の全長と相補的な場合に
は、標的だけが伸長される。いずれの場合も、検出オリ
ゴヌクレオチドの二次構造はこの様にして伸展または線
状化され、これに伴い蛍光パラメータは変化する。二次
構造を伸展または線状化し、蛍光に変化を引き起こすた
めの伸長は、標的が存在する場合のみ起こり得る。同様
に、RERSが存在する場合には、それは標的が存在す
る場合にのみ切断またはニッキング可能である。この方
法はSDAまたは他の増幅反応のいずれをも必要としな
いので、修飾ヌクレオチドは必要なく、またどのRER
Sでも検出オリゴヌクレオチド中に使用できる。しか
し、RERSが切断ではなくニッキングされる場合に
は、上述の様に修飾ヌクレオチドを使用して、1回ニッ
キング可能部位を作製できる。
【0029】第二の非増幅に基づく本発明の態様におい
て、蛍光に変化が生じるように、検出オリゴヌクレオチ
ドを標的配列とハイブリッド形成させる。従って、ハイ
ブリッド形成プローブとして使用される場合には、一本
鎖標的結合配列は、検出オリゴヌクレオチドの5’末端
でも3’末端にあっても構わない。すなわち、プライマ
ー伸長の必要がないので、二次構造は一本鎖テイルの
5’あるいは3’のどちらにあってもよく、任意で標的
結合配列の一部を含む。この態様において、好ましく
は、二次構造は標的結合配列の一部を含み、残りの標的
結合配列は、標的との非競合的ハイブリッド形成に利用
可能な3’または5’一本鎖テイル中に存在する。これ
によって、ハイブリッド形成により二次構造は崩壊さ
れ、伸展される。しかし、以下の実施例に示すように、
標的結合配列全体が一本鎖テイル中に存在し、標的と二
次構造間に塩基対合が起こり得ない場合にも、ハイブリ
ッド形成時に蛍光の変化が観察される。標的が存在する
場合、検出オリゴヌクレオチドはまず一本鎖テイルによ
り標的とハイブリッド形成する。これによって、二次構
造中の標的と相補的な配列は、標的中のそれらと相補的
な配列と接近する。二次構造中の標的結合配列は、標的
の相補的な配列とハイブリッド形成し、二次構造中の分
子内塩基対合を崩壊し、二次構造の伸展に伴い、ドナー
およびアクセプター染料間距離を拡大する。その結果生
じる蛍光パラメータの変化は、標的配列の存在を表示す
るものとして検出される。検出オリゴヌクレオチドの一
本鎖5’または3’テイルと標的配列との結合は、標的
の相補的配列と二次構造を接近した状態に維持する事に
より二次構造の崩壊を促進し、分子内塩基対合をより有
利にするものと考えられている。この様な協同的結合に
より、二次構造中の相補的配列とのハイブリッド形成に
関して、標的は検出オリゴヌクレオチド中の相当する配
列とより効果的に競合することが可能となる。検出オリ
ゴヌクレオチドの3’または5’テイル中の一本鎖標的
結合配列により提供される協同的結合がなければ、標的
が存在していても、二次構造はそのままの状態を維持
し、蛍光に変化は殆ど、あるいは全く観察されない可能
性が高くなる。
【0030】バッグウェル(Bagwell) は、分子内塩基対
合を不安定化し、標的を二次構造形成と効果的に競合さ
せるために、二次構造内部にミスマッチの導入を示して
いる。ミスマッチの導入により二次構造の安定性を調節
するのは、手間と時間を要する工程である。なぜなら
ば、特定の標的を検出するために、適切なバランスのミ
スマッチを同定するまでに、一般に何回も試行錯誤を必
要とするからである。本発明の検出オリゴヌクレオチド
は、検出オリゴヌクレオチドが標的とハイブリッド形成
する時、二次構造がより速やかに伸展するように、二次
構造に隣接して一本鎖標的結合テイル配列を配置するこ
とにより、二次構造中のミスマッチを不要とする。
【0031】本発明は、チャギ(Tyagi) らの「WO 9
5/13399」により報告されているように、二次構
造のループにプローブの標的結合領域を配置する必要も
ない。典型的には、標的結合配列を含めるために、ルー
プの長さは20〜60ヌクレオチド長でなくてはならな
い。従って、ループの選択は、標的が存在しない時は構
造が安定して折り返されているが、標的が存在するとき
は伸展しているように、二次構造の分子内塩基対合部分
の選択とバランスを釣り合わせなくてはならない。この
選択過程は、大きなループを含む二次構造の熱安定性が
予測しにくい事から、複雑である。本発明の検出オリゴ
ヌクレオチドの二次構造においては、大きく、潜在的に
予想が困難な一本鎖ループは不要である。なぜならば、
標的結合領域は、隣接するテイル配列に含まれ、任意で
部分的に二次構造の分子内塩基対合部分に含まれている
からである。標的結合配列が二次構造のループを含む場
合はあるが、標的結合配列は主に隣接する3’または
5’テイルに位置するため、ループは、より小さく作る
ことができ、したがって、より予想し易くなる。
【0032】本発明は、標的がまず二次構造そのものの
配列とハイブリッド形成する必要がない点でも、バッグ
ウェル(Bagwell) およびチャギ(Tyagi) らの組成および
方法と区別される。バッグウェルおよびチャギらによっ
て報告されているように、初期の二次構造との競合的ハ
イブリッド形成は、標的に対するプローブの親和性を減
じ、分析の鋭敏度を低下させる。対照的に、本発明の初
期の非競合的結合は、その後の競合的ハイブリッド形成
反応において、分子間ハイブリッド形成をより有利にす
る。一本鎖3’または5’テイルの長さは、二次構造の
熱力学特性に影響を及ぼさずに調節でき、従って、標的
ハイブリッド形成は、二次構造を再度デザインせずに至
適化できる。これは、従来の技術と比較して、検出プロ
ーブのデザインを大きく簡略化する。
【0033】標的の存在または非存在の検出、および標
的の増幅の検出に加え、本発明の検出オリゴヌクレオチ
ドおよび方法は、1つ以上のヌクレオチドに差がある標
的を識別するためのプライマーまたはハイブリッド形成
プローブとして利用できる。この様な分析を実施するた
めに、二次構造中の分子内塩基対合に関与する1つ以上
のヌクレオチドと標的の塩基対合によりハイブリッド形
成が強化される場合に限り、検出オリゴヌクレオチドの
一本鎖テイル中の標的結合配列は、標的との安定したハ
イブリッド形成が生じる様に、選択される。検出オリゴ
ヌクレオチドは更に、検出される1つ以上のヌクレオチ
ドの違いを含む標的とのハイブリッド形成が、テイル配
列または二次構造の配列に1つ以上のミスマッチした塩
基対を生じるように、デザインされる。ミスマッチによ
る安定性の低下は、二次構造形成による競合と相まっ
て、ヌクレオチドの違いを有する標的とのハイブリッド
形成を減少させ、完全にマッチした標的(即ち、ヌクレ
オチドの違いのない標的)と比較して、蛍光の変化の程
度を減じる。ミスマッチの数の増加に応じて、蛍光の変
化は小さくなる。ミスマッチが少ないほど蛍光の変化は
大きくなる。ミスマッチの数が減少するにつれ、蛍光の
変化の程度は、完全にマッチした配列に観察されるもの
に近づき、1つのヌクレオチドの違いも識別できる。同
様の方法を用いて、フレームシフト突然変異を検出でき
る。
【0034】検出オリゴヌクレオチドの伸展または線状
化による蛍光の変化は、反応における選択された終点で
検出できる。しかし、二次構造の線状化は、ハイブリッ
ド形成またはプライマー伸長と同時に起こるため、蛍光
の変化も、反応が生じる際、すなわち「リアルタイム」
に監視できる。この均一なリアルタイム分析方式は、存
在する標的の初期量に関する半定量的または定量的情報
を提供するために利用できる。例えば、伸展または線状
化反応(標的増幅の一部として、あるいは非増幅検出
法)中に蛍光強度が変化する速度は、初期標的量を表示
する。その結果、標的配列の初期コピー数が多い場合に
は、ドナーの蛍光は、選択された閾値に、より迅速に到
達する(すなわち確実性に達する時間がより短い。)。
アクセプターの蛍光も同様に、選択された最小値に達す
るために必要な時間として検出される、確実性に到達す
るまでの時間が、短くなる。更に、反応過程の蛍光パラ
メータの変化速度は、標的の初期量が低い試料よりも、
標的の初期量が高い試料において、より迅速である(即
ち、蛍光曲線の勾配が大きくなる)。これらおよびその
他の測定値は、本技術において公知の方法により、標的
の存在を表示するものとして、あるいは標的増幅を表示
するものとして作製できる。典型的には、標的の初期量
は、実験結果と、既知量の標的に関する結果との比較に
よって決定される。
【0035】本発明の方法による選択された標的配列の
存在の分析は、溶液または固相で実施できる。検出オリ
ゴヌクレオチドがプライマーとして作用するリアルタイ
ムまたは終点均一分析は、典型的には、溶液中で実施さ
れる。本発明の検出オリゴヌクレオチドを使用するハイ
ブリッド形成分析も溶液中で実施できるが(例えば、均
一リアルタイム分析の様に)、標的のリアルタイムまた
は終点検出には固相分析にも特に適している。固相分析
において、検出オリゴヌクレオチドは、本技術において
公知の方法を用いて、内部または末端の標識を介して固
相(例えば、ビーズ、膜または反応試験管)に固定でき
る。例えば、適切なハイブリッド形成条件下に標的に曝
露されると、蛍光に変化を引き起こす場合、ビオチン標
識された検出オリゴヌクレオチドは、アビジン修飾され
た固相に固定できる。この方法における標的の捕捉によ
り、試料からの標的の分離が促進され、分析のシグナル
またはその他の点に関する検出を干渉する可能性がある
試料中の物質を除去することができる。
【0036】本技術において公知の多くのドナー/アク
セプター染料が、本発明において有用である。これらに
は、例えば、フルオレセインイソシアナート(FIT
C)/テトラメチルローダミンイソチオシアナート(T
RITC)、FITC/テキサスレッドTM(Molecular
Proebes)、FITC/N−ヒドロキシスクシンイミジル
1−ピレンブチレート(PYB)、FITC/エオシン
イソチオシアナート(EITC)、N−ヒドロキシス
クシンイミジル1−ピレンスルフォネート(PYS)/
FITC 、FITC/ローダミンX、FITC/テト
ラメチルローダミン(TAMRA)、N−(4−アミノ
ブチル)−N−エチルイソルミノール(ABEI)/T
AMRA等が含まれる。特定のドナー/アクセプター発
蛍光団対を選択する事は、重要ではない。エネルギー移
動消光機序にとって、ドナー発蛍光団の放射波長が、ア
クセプター発蛍光団の励起波長と重なる事だけが必要で
ある。すなわち2つの染料間のスペクトルが十分に重な
っており、十分なエネルギー移動、電荷移動または蛍光
消光が可能でなくてはならない。P−(ジメチルアミノ
フェニルアゾ)安息香酸(DABCYL)は、フルオレ
セインまたは5−(2’−アミノエチル)アミノナフタ
レン(EDANS)等の隣接する発蛍光団から蛍光を有
効に消光する非蛍光アクセプター染料である。いくつか
のドナー/アクセプター対は、上記と以下の実施例中に
例示されているが、その他も本発明において有用である
ことは、本技術に精通する者にとって明らかである。本
発明の検出オリゴヌクレオチドにおいて蛍光消光を生じ
る染料対はいずれも、消光発生機序に関わりなく、本発
明の方法における使用に適している。N,N−修飾テト
ラメチルインドジカルボシアニン(Cy5)およびRO
Xは、本発明の方法および検出オリゴヌクレオチドにお
ける使用に特に有用な染料対であり、標的存在下に蛍光
を約20倍に変化させる。
【0037】末端および内部標識法も本技術において公
知であり、検出オリゴヌクレオチドのそれぞれの部位に
おいてドナーおよびアクセプター染料を結合するために
利用できる。5’末端標識法の実施例として、a)5’
と5’を結合したリボヌクレオチドの過ヨウ素酸塩によ
る酸化と、それに続くアミンを含む標識との反応、b)
エチレンジアミンと5’−リン酸化されたポリヌクレオ
チドとの縮合と、それに続くアミン反応性標識との反
応、c)固相DNA合成において亜リン酸アミノヘキシ
ル試薬を用いる脂肪族アミン置換基の導入と、それに続
くアミン反応性標識との反応、が含まれる。標識は、特
別な脂肪族アミンを含むヌクレオチドホスホルアミダイ
ト試薬を用いて、特別な部位において合成DNAオリゴ
ヌクレオチドにも結合できる。検出オリゴヌクレオチド
に選択された標識を結合し、結合反応を実施するのに適
した方法の選択は、本技術においてルーチンの方法であ
る。
【0038】以下の実験の実施例の標的DNAは、50
%グリセロールに106 EB/μLの濃度で保存された
トラコーマクラミジアの基本小体(EB)の原液から調
製された。EB原液を1:10で水に希釈し、15分間
煮沸し、10ng/μLのヒト胎盤DNAで希釈し10
倍連続希釈液を調製した。これらの原液は、1ないし1
00ゲノムコピー/μLの標的を含んでいた。ドナー発
蛍光団を5’リン酸に結合した。試料コンパートメント
の温度を維持するための循環浴と、キセノンアークラン
プと、励起および放射波長を調節するための格子モノク
ロメーターとを装備したSLM8100研究グレード蛍
光計により測定値が得られた。ドナーとしてフルオレセ
イン(FAM)を用いる実験では、励起波長に488n
mを、放射波長に525nmを使用した。ROXがドナ
ーであった実験では、580nmの励起波長と604n
mの放射波長を使用した。
【0039】
【実施例】実施例1 5’末端をFAMにより、T15をROXにより標識さ
れた検出オリゴヌクレオチドを添加して、一般的にEP
0 684 315に報告されている方法でSDAを
実施した。各100μLの反応液中の最終成分濃度は、
40mM KiPO4 (pH7.5)、6mMのMgO
Ac、各々0.2mMのdTTPとdGTPとdAT
P、1.4mMのdCTPαS、20μg/mLのアセ
チル化BSA、3%のDMSO、8%(v/v)のグリ
セロール、100ngのヒト胎盤DNA、25単位のB
st ポリメラーゼ(exo- クレノウフラグメント、
New England BioLabs)、150単
位のAvaI(BsoBIのアイソシゾマー、New Engl
and BioLabs, Beverly, マサチューセッツ州)、0、1
0、100または1000個のトラコーマクラミジア基
本体由来のDNAであった。各試料は更に以下のプライ
マーを含んでいた。
【0040】
【外1】
【0041】配列番号1のイタリック体の配列は、ヘア
ピン構造の塩基対合ステムを形成する。AvaI部位は
太字で示されている。AvaI部位の3’の配列は、標
的と相補的な標的結合配列である。各反応は、Bstと
AvaIを除いて全ての試薬を含むように組み立てら
れ、次に試料は95℃で2分間加熱された。これらを5
3.5℃の水浴に3〜5分間移し、総量100μLの試
料に酵素を加えた。次に試料を225μLのキュベット
に移し、研究グレードSLM 8100蛍光計(Spectr
onic Instruments, Rochester, ニューヨーク州)の中
に入れた。キュベットの温度を循環水浴により53〜5
4℃に維持し、520nm(λ励起=488nm)にお
ける各キュベットの蛍光放射を8秒毎に記録した。典型
的には、反応はその後60〜90分間続いた。
【0042】図2に結果を示す。標的を含まない対照反
応(増幅なし)においては、蛍光は低いまま(消光)で
あったが、10、100、1000の標的を含む反応に
おいては有意に増加し、標的増幅の特異的検出を証明し
た。ヘアピンが線状の二本鎖形態に変換されて切断され
るこの分析の鋭敏度は、標的の約10ゲノムのコピーで
ある。蛍光の増加は1000ゲノムコピーでは約8倍
で、これは同等量の標的で切断単独の場合に典型的に観
察されるよりも変化が大きかった(典型的には、約5倍
増加する)。切断またはニッキングをその後行わないヘ
アピンの伸展に関して典型的に観察されるよりも、蛍光
の変化は約3倍大きかった。これらの結果は、検出オリ
ゴヌクレオチドに二次構造を導入する事により、染料対
を接近させ、消光を至適化し、同時に、標的が存在する
場合には染料間の直線距離を最大限にすることができる
ことを示している。RERSが単独で使用されると、染
料間の距離を最小限にし、至適な消光を提供する(従っ
て、分析に対する鋭敏度を最大限にする)が、大きな染
料によりRERSが物理的に障害されるため切断または
ニッキングの効率も低下させ、標的が存在する時の染料
の分離が障害される。本発明は、この問題に対する解決
方法を提供し、実施者が消光とその後の染料の分離を至
適化し、分析の鋭敏度を改善するのを可能にする。
【0043】更に、ドナーの蛍光強度の増加速度(ドナ
ー消光の減少速度の測定値)は、初期の標的量を多く含
む試料において、より迅速であった。従って、ドナー蛍
光の増加率は、リアルタイムの増幅の検出だけでなく、
初期の標的量の半定量的または相対的測定も可能にす
る。更に、未知量の標的を含む試料の蛍光の増加率を、
種々の既知量の標的(本技術において公知の方法で標準
曲線を生じる。)を含む一連の反応溶液の蛍光の増加と
比較する事によって、未知試料の標的の定量測定値も得
られる。あるいは、予め決定した閾値を超える蛍光強度
の増加の検出は、簡単な陽性/陰性分析方式において標
的が存在し、増幅されたことを示すものとして使用でき
る。あるいは、本発明の方法と検出オリゴヌクレオチド
を使用する標的(または複数の標的)と内部対照配列の
同時増幅を、標的定量の手段として使用できる。幾つか
のこの様な同時増幅方法は本技術において公知である。
【0044】実施例2 下記に示すように、合成標的オリゴヌクレオチド(配列
番号6〜9)を、本発明の検出オリゴヌクレオチド(配
列番号1)とハイブリッド形成するようにデザインし
た。
【0045】
【外2】
【0046】配列番号10のヘアピン構造の分子内塩基
対合ステムを形成する2つの枝は、イタリック体で表示
されている。第一の枝は太字でなく、第二の枝は太字で
表示されている。合成標的配列は、配列番号10の3’
末端(一本鎖3’テイル)とハイブリッド形成する32
個のヌクレオチドから成るグループから選択される共通
の5’末端を有する。種々の標的配列の更なるヌクレオ
チドも、配列番号10と塩基対合できるが、これにはヘ
アピンのステムの分子内塩基対合の崩壊を必要とし、ス
テムの第二の枝とのハイブリッド形成に関してステムの
第一の枝と標的の間に競合が生じる。配列番号10と塩
基対合可能な標的配列のヌクレオチドに下線が付けられ
ている。配列番号6は、ヘアピンステムと配列番号10
の3’テイルの間の接合部まで検出オリゴヌクレオチド
と塩基対合できるが、ステムのヌクレオチドとは塩基対
合しない。配列番号7は、3’テイル及び3’テイルに
隣接する2つのステムヌクレオチド)(太字で表示され
ている)と塩基対合できる可能性を持っている。配列番
号8と配列番号9は、3’テイル及び3’テイルに隣接
する4個または6個のステムヌクレオチド)と塩基対合
できる可能性を持っている。
【0047】配列番号10(100nM)をハイブリッ
ド形成に適した条件で、リン酸カリウム緩衝液中で5倍
モル量の配列番号6、配列番号7、配列番号8または配
列番号9のいずれかと組み合わせた。標的を含まない試
料を対照とした。溶液を488nmで励起し、ハイブリ
ッド形成に十分な期間経過後に、フルオレセインの蛍光
放射(ドナー)を520nm(55℃)で測定した。結
果を以下の表1に示す。
【0048】
【表1】 標 的 正常化された蛍光強度(520nm) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− なし 1.0 配列番号6 1.74 配列番号7 2.56 配列番号8 4.15 配列番号9 5.17
【0049】検出オリゴヌクレオチドとのハイブリッド
形成により、全ての標的配列が検出された。予想に反し
て、配列番号6のハイブリッド形成により、ヘアピンの
ステムとの塩基対合が不可能であるにも関わらず、蛍光
の増加が生じた事から、二次構造付近の塩基対合が分子
内塩基対合の崩壊を引き起こす可能性が示唆される。使
用された分析条件下で、全ての標的配列は、配列番号1
0の一本鎖3’テイルと安定してハイブリッド形成する
はずである。蛍光強度の差は、二次構造崩壊の程度の差
に依るものと思われる。配列番号7、配列番号8および
配列番号9のハイブリッド形成により、標的とヘアピン
のステムとの間の塩基対合可能な数が増加するにつれ、
ドナーの蛍光強度が増加することが示された。これは、
標的と検出オリゴヌクレオチドがハイブリッド形成する
と、二次構造の伸展が増加し、ドナー染料とアクセプタ
ー染料の間の距離が開くことを示している。蛍光強度の
変化は、折り返された分子数の変化か、あるいは折り返
された構造あたりの塩基対の平均数の変化のいずれかに
より引き起こされる可能性が非常に高い。この2つの機
序は、この実験においては識別できなかったが、蛍光の
変化が起こるには、標的の存在が必要であることは明白
に証明された。
【0050】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:48 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列 TAGCACCCGA GTGCTAGAGT CTTCAAATAT CAGAGCTTTA CCTAACAA 48 配列番号:2 配列の長さ:45 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列 ACCGCATCGA ATCGATGTCT CGGGTAGAAA ATCGCATGCA AGATA 45 配列番号3 配列の長さ:46 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列 CGATTCCGCT CCAGACTTCT CGGGAGCTGC CTCAGAATAT ACTCAG 46 配列番号:4 配列の長さ:21 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列 TAAACATGAA AACTCGTTCC G 21 配列番号:5 配列の長さ:26 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列 TTTTATGATG AGAACACTTA AACTCA 26 配列番号:6 配列の長さ:48 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列 TTGTTAGGTA AAGCTCTGAT ATTTGAAGAC TCATCTGAGT AACCAGAC 48 配列番号:7 配列の長さ:48 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列 TTGTTAGGTA AAGCTCTGAT ATTTGAAGAC TCTACTGAGT AACCAGAC 48 配列番号:8 配列の長さ:48 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列 TTGTTAGGTA AAGCTCTGAT ATTTGAAGAC TCTAGCGAGT AACCAGAC 48 配列番号:9 配列の長さ:48 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列 TTGTTAGGTA AAGCTCTGAT ATTTGAAGAC TCTAGCACGT AACCAGAC 48
【図面の簡単な説明】
【図1】シグナルプライマーとして、本発明の検出オリ
ゴヌクレオチドを使用したときの反応経路を示す図であ
る。
【図2】シグナルプライマーとして本発明の検出オリゴ
ヌクレオチドを使用したときの、標的の増幅と共にリア
ルタイムに生じる蛍光強度の変化を示す図である。
フロントページの続き (72)発明者 ジェイムズ・ジー・ナデュー アメリカ合衆国ノースカロライナ州 27514,チャペル・ヒル,コーカー・レ イン 710 (72)発明者 ジェイ・ブルース・ピトナー アメリカ合衆国ノースカロライナ州 27712,ダーラム,クインスムーア・ロ ード 2903 (72)発明者 シー・プレストン・リン アメリカ合衆国ノースカロライナ州 27707,ダーラム,トロッター・リッ ジ・ロード 4110 (72)発明者 ジェイムズ・エル・シュラム アメリカ合衆国ノースカロライナ州 27545,ナイトデイル,ドウェリング・ プレイス 102 (56)参考文献 特表2001−513623(JP,A) Nature Biotechnol ogy,Vol.14,No.3(1996) p.303−308 Nucleic Acids Re s.,Vol.22,No.12(1994) p.3761−3766 Nucleic Acids Re s.,Vol.22,No.15(1994) p.3155−3159 Anal.Biochem.,Vo l.220,No.2(1994)p.377− 383 Proc.Natl.Acad.Sc i.USA,Vol.89(1992)p. 1827−1831 Bio/Technology,Vo l.12,No.6(1994)p.619−623 Nucleic Acids Re s.,Vol.21,No.16(1993) p.3761−3766 Proc.Natl.Acad.Sc i.USA,Vol.88(1992)p. 7276−7280 Science,Vol.260(1993) p.778−783 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/09 C12Q 1/68 G01N 33/50 - 33/566 BIOSIS/WPI(DIALOG) PubMed

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)一本鎖標的結合配列と、前記標的結
    合配列の5’にある分子内塩基対合二次構造とを含む検
    出オリゴヌクレオチドを、核酸標的配列にハイブリッド
    形成させるステップと、ここで、前記分子内塩基対合二次構造は、部分的又は完
    全な一本鎖制限エンドヌクレアーゼ認識部位をさらに含
    み、ドナー発蛍光団の蛍光が消光されるように、ドナー
    発蛍光団とアクセプター色素又は消光色素とが結合して
    いる、 b)プライマー伸長反応において、塩基対合二次構造を
    鋳型として使用して相補鎖を合成し、これによって、塩
    基対合二次構造を線状化または伸展させ、制限エンドヌ
    クレアーゼ認識部位を部分的または完全な二本鎖にし
    て、蛍光パラメータに変化を起こすステップと、c)任意選択的に、部分的または完全な二本鎖制限エン
    ドヌクレアーゼ認識部位を切断またはニックを入れるス
    テップと d) 前記核酸標的配列の存在を表示するものとして蛍光
    パラメータの変化を検出するステップとを含む核酸標的
    配列の存在の検出方法。
  2. 【請求項2】 ドナーの蛍光強度の増加またはアクセプ
    ターの蛍光強度の減少が、上記標的結合配列の存在を表
    示するものとして検出される、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 増幅反応において、 a)(i)第一のプライマーと、(ii)一本鎖標的結
    合配列と、前記標的結合配列の5’にある分子内塩基対
    合二次構造とを含む検出オリゴヌクレオチドとを、標的
    配列にハイブリッド形成させるステップと、ここで、前記分子内塩基対合二次構造は、ドナー発蛍光
    団の蛍光が消光されるように、ドナー発蛍光団とアクセ
    プター色素または消光色素とが結合している、 b)前記標的配列にハイブリッド形成された検出オリゴ
    ヌクレオチドをポリメラーゼを用いて伸長させ、検出オ
    リゴヌクレオチド伸長生成物を生成するステップと、 c)ポリメラーゼを用いて、ハイブリッド形成した第一
    のプライマーを伸長さ せて、標的配列から検出オリゴヌ
    クレオチド伸長産物を分離するステップと、 d)第二のプライマーを前記検出オリゴヌクレオチド伸
    長生成物にハイブリッド形成させ、ポリメラーゼを用い
    第二のプライマーを伸長させ、これによって前記二次
    構造を線状化または伸展させ、蛍光パラメータに変化を
    起こすステップと、 e)前記標的配列の増幅を表示するものとして蛍光パラ
    メータの変化を検出するステップとを含む標的配列の増
    幅の検出方法。
  4. 【請求項4】 前記標的配列が、鎖置換増幅により増幅
    される請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記二次構造が、完全なまたは部分的な
    一本鎖制限エンドヌクレアーゼ認識部位をさらに含む請
    求項3に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記ドナー発蛍光団の蛍光強度の増加、
    または前記アクセプター色素の蛍光強度の減少が、前記
    標的配列の増幅を表示するものとして検出される請求項
    3に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記蛍光強度の変化が、リアルタイムで
    検出される請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 一本鎖標的結合配列と、前記標的結合配
    列に隣接する分子内塩基対合二次構造とを含むオリゴヌ
    クレオチドであって、前記二次構造は部分的または完全
    な一本鎖エンドヌクレアーゼ認識部位をさらに含み、
    次構造は、第一の色素または第二の色素の蛍光が分子内
    塩基対合二次構造において消光されるように、第一の色
    素および第二の色素が結合しており、前記二次構造の線
    状化または伸展時に蛍光パラメータの変化が検出可能で
    あることを特徴とするオリゴヌクレオチド。
  9. 【請求項9】 増幅反応において、 a)一本鎖標的結合配列と、前記標的結合配列の5’に
    ある分子内塩基対合二次構造標的配列とを含む検出オリ
    ゴヌクレオチドを 標的配列にハイブリッド形成させる
    ステップと、 ここで 前記分子内塩基対合二次構造は、部分的または
    完全な一本鎖制限エン ドヌクレアーゼ認識部位をさらに
    含み、かつ、ドナー発蛍光団の蛍光が消光されるよう
    に、ドナー発蛍光団とアクセプター色素または消光色素
    とが結合している、 b)ポリメラーゼを用いて標的配列にハイブリッド形成
    した検出オリゴヌクレオチドを伸長して、検出オリゴヌ
    クレオチド伸長産物を生成し、標的配列から検出オリゴ
    ヌクレオチド伸長産物を分離するステップと、 c)プライマーを検出オリゴヌクレオチド伸長産物にハ
    イブリッド形成させて、ポリメラーゼを用いて前記プラ
    イマーを伸長し、それによって塩基対合二次構造を線状
    化または伸展させて制限エンドヌクレアーゼ認識部位を
    部分的または完全な二本鎖にして蛍光パラメータに変化
    を起こすステップと、 d)任意選択的に、部分的または完全な二本鎖制限エン
    ドヌクレアーゼ認識部位を切断またはニックを入れるス
    テップと、 e)前記核酸標的配列の存在を表示するものとして蛍光
    パラメータの変化を検出するステップとを含む標的配列
    の増幅を検出する方法。
JP16614198A 1997-05-30 1998-05-29 核酸標的配列の検出方法およびオリゴヌクレオチド Expired - Lifetime JP3369473B2 (ja)

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US08/865,675 1997-05-30
US08/865,675 US5928869A (en) 1997-05-30 1997-05-30 Detection of nucleic acids by fluorescence quenching

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