JP3368548B2 - 工業用抗微生物剤並びに微生物の増殖抑制方法 - Google Patents

工業用抗微生物剤並びに微生物の増殖抑制方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、工業用抗微生物剤並
びに微生物の増殖抑制方法に関する。さらに詳しくは金
属加工油剤(切削油剤)、繊維油剤、紙用塗工液(コー
ティングカラー)、炭酸カルシウムスラリー、ペイン
ト、ラテックス、糊剤等の工業製品が細菌、真菌等の微
生物によって腐敗したり、劣化したりすることを防止す
るための工業用抗微生物剤並びに微生物の増殖抑制方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】上記工業製品は、細菌やかび、酵母等の
真菌による腐敗や発かびを生じやすく、従来から多数の
工業用抗菌剤が用いられてきたが、微生物のすべてに有
効な薬剤は少なく、しかも、それらの効果を得るために
は多量の薬剤の添加が必要であった。
【0003】上記工業製品のうち、特に対象系が水を含
有し、そのpHがアルカリ性の対象系、例えば、金属加
工油剤(切削油剤)、繊維油剤、紙用塗工液(コーティ
ングカラー)、炭酸カルシウムスラリー等においては、
公知の工業用防腐防かび剤である5−クロル−2−メチ
ル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−
イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n
−オクチル−イソチアゾリン−3−オン、2−n−オク
チル−イソチアゾリン−3−オンで代表されるイソチア
ゾロン類や2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−
ジオール、2,2−ジブロモ−2−ニトロ−1−エタノ
ール、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミ
ドで代表される有機ブロム系化合物の抗菌効果が経時的
に低下し、長期間にわたり有効な抗菌効果が期待できな
いという問題点があった(通常1カ月以上の抗菌効果が
要求される)。
【0004】この発明に用いるN−置換N−ヒドロキシ
メチルアミン及びその重縮合物や置換フェノール化合物
は、アルカリ性のpH域で安定な工業用防腐防かび剤とし
て知られている(日本防菌防黴学会より昭和61年発行の
「防菌防黴剤事典」参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、N−置
換N−ヒドロキシメチルアミン及びその重縮合物は、細
菌に対しては有効な抗菌効果を発揮するが、かびや酵母
等の真菌類に対してはその効果が弱いという問題点と共
に、菌の発育阻止濃度以下の濃度で使用すると、その抗
菌効果が顕著に低下するため、常時、菌数を測定し、そ
の添加量を管理する必要があった。
【0006】また、4−クロロ−3,5−ジメチルフェ
ノール(パラ−クロロ−メタ−キシレノール)で代表さ
れる置換フェノール化合物は、細菌、かび、酵母のいず
れにも効力を示すが、その効力は弱く、かつ比較的短期
間で効果が減少する。また、多量に使用しても単独では
必ずしも満足のいく抗菌効果が発揮されないという問題
点があった。
【0007】この発明の目的は、 (1) 低添加量で工業製品を腐敗又は劣化させる細菌や真
菌を殺菌すると共に、その発生を長期間にわたって防止
する工業用抗微生物剤を提供すること (2) 溶媒等の希釈剤を含有しない工業用抗微生物剤を提
供すること (3) 対象系に少量添加することで微生物の増殖が抑制さ
れる方法を提供すること (4) pHがアルカリ性である水を含有する対象系に少量添
加することで微生物の増殖が抑制される方法を提供する
ことである。
【0008】この発明の発明者らは、上記目的を達成す
るため鋭意研究した結果、N−置換N−ヒドロキシメチ
ルアミンまたはその重縮合物と置換フェノール化合物と
の併用により、顕著な相乗効果が発揮される事実、その
効果がpHがアルカリ性の対象系で顕著である事実、少量
の添加量で細菌、かび及び酵母の微生物に対して抗微生
物効果が発揮され、その効果が長期間にわたり持続する
事実を見出しこの発明を完成させた。
【0009】
【課題を解決するための手段】かくしてこの発明による
と(1)一般式(I):
【0010】
【化5】 (式中、Rはヒドロキシ基で置換されていてもよい低級
アルキル基、nは1〜3の整数を示す)で表されるN−
置換N−ヒドロキシメチルアミン及びその重縮合物(n
=3のとき、式:
【0011】
【化6】 の環状構造になる場合を含む)の少なくとも1種と、 (2)a)一般式(II):
【0012】
【化7】 (式中、mは1または2を示す)で表される化合物及び b)一般式(III)
【0013】
【化8】 (式中、R1とR3は同一または異なって、水素またはハ
ロゲン原子を、R2は水素原子または水酸基を、Xは1
つの結合手、低級アルキレン基または硫黄原子を示
す。)で表される化合物から選ばれた置換フェノール化
合物の少なくとも一種を有効成分として含有することを
特徴とする工業用抗微生物剤が提供される。
【0014】この発明において「微生物」とは細菌及び
かび、酵母等の真菌を意味する。一般式(I)におい
て、Rで示されるヒドロキシ基で置換されていてもよい
低級アルキル基の「低級アルキル基」としては、炭素数
1〜3のアルキル基、例えば、メチル、エチル、n−ま
たはiso−プロピル基等が挙げられ、特にエチル基が好
ましい。一般式(I)で表されるN−置換N−ヒドロキ
シメチルアミン及びその重縮合物としては、2−(ヒド
ロキシメチルアミノ)エタノール(以後、HMAEと略
称する)、2,4−ビス(2−ヒドロキシエチル)−
2,4−ジアザ−1−ブタノール、2,4,6−トリス
(2−ヒドロキシエチル)−2,4,6−トリアザ−1
−ヘキサノール、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリス
(2−ヒドロキシエチル)−s−トリアジン及びヘキサ
ヒドロ−1,3,5−トリエチル−s−トリアジンが挙
げられる。
【0015】ここで重縮合物とは、縮合反応を行ないつ
つ生成する高分子化合物のことを意味する。これらの化
合物は、モノエタノールアミンとパラホルムアルデヒド
から簡単に製造することができる(英国特許第9203
01号参照)。また、市販品(吉富製薬株式会社製、商
品名「トミサイドG」又は大日本インキ化学工業株式会
社製、商品名「ベストサイド1087Y」、「ベストサ
イド1087T」R.T.Vanderbilt社製、商品名「Vanc
ide TH」)を使用してもよい。主に金属加工油の防腐剤
として使用されている。
【0016】一般式(III)において、Xで表される低
級アルキレン基としては、メチレン、エチレン、プロピ
レン等が挙げられる。またR1、R3で表されるハロゲン
としては、塩素、臭素等が挙げられる。一般式(II)ま
たは一般式(III)で表される置換フェノール化合物と
しては、4−クロロ−3,5−ジメチルフェノール(以
後、PCMXと略称する)、4−クロロ−3−メチルフ
ェノール(以後、CMCと略称する)、2,2,−メチ
レンビス(4−クロロフェノール)(以後、MBCPと
略称する)、o−フェニルフェノール(以後、OPPと
略称する)が挙げられる。
【0017】上記置換フェノール化合物のうち、例えば
PCMXは、3,5−ジメチルフェノールを塩素ガスま
たはチオニルクロリドで処理して製造することができ
る。また、市販品(Bayer AG社製、CMCとしては商品
名「Preventol CMK」、OPPとしては「Preventol O-e
xtra」、MBCPとしては「Preventol GD」または三菱
瓦斯化学社製、商品名「PCMX」)を使用してもよ
い。主に消毒剤、化粧品原料として用いられる。
【0018】この発明の工業用抗微生物剤は、一般式
(I)で表される2ーヒドロキシメチルアミノエタノー
ルまたはその重縮合物と一般式(II)または一般式(II
I)で表される置換フェノール化合物とを20:1〜
9:1の重量比、さらに好ましくは9:1〜1:9の重
量比で含有することにより顕著な相乗効果が発揮される
ため好ましい。
【0019】この発明の相乗効果とは、それぞれ単独使
用時に比較して、菌に対する最小発育阻止濃度が1/3
〜1/10に減少する効果、菌が細菌、かび及び酵母す
べてに拡大される効果、及び細菌、かび及び酵母の発育
を阻止すると共にその期間が2〜4週間延長される効果
をいう。この発明の有効成分は、通常液剤の形態に製剤
化して用いるのが好ましい。しかし、これに限定される
ことなく、使用対象によっては粉剤等の形態で用いても
よい。
【0020】一液製剤とする場合には、通常、親水性有
機溶媒が用いられる。対象系が水を含有する場合には、
有効成分の溶解、分散性を考慮して、水又は親水性有機
溶媒さらに必要があれば分散剤を用いた液剤とするのが
好ましい。この親水性有機溶媒としては、ジメチルホル
ムアミド等のアミド類、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレング
リコール等のグリコール類、メチルセロソルブ、フェニ
ルセロソルブ、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリ
プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコー
ルエーテル類、炭素数8までのアルコール類もしくはメ
チルアセテート、エチルアセテート、3−メトキシブチ
ルアセテート、2−エトキシメチルアセテート、2−エ
トキシエチルアセテート、プロピレンカーボネート等の
エステル類が挙げられる。
【0021】分散剤としては、カチオン性界面活性剤、
アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤又は両性
界面活性剤が適当であり、製剤としての安定性の点でノ
ニオン性界面活性剤が好ましい。このノニオン性界面活
性剤としては、高級アルコールエチレンオキサイド付加
物(エチレンオキサイドは以下E.Oと略す)、アルキ
ルフェノール(E.O)付加物、脂肪酸(E.O)付加
物、多価アルコール脂肪酸エステル(E.O)付加物、
高級アルキルアミン(E.O)付加物、脂肪酸アミド
(E.O)付加物、油脂の(E.O)付加物、プロピレ
ンオキサイド〔P.Oと略す〕(E.O)共重合体、ア
ルキルアミン(P.O)(E.O)共重合体付加物、グ
リセリンの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂
肪酸エステル、ソルビトール及びソルビタンの脂肪酸エ
ステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのア
ルキルエーテル、アルキロールアミド等が挙げられる。
【0022】この発明の有効成分、特に一般式(II)ま
たは一般式(III)の化合物が水に難溶の場合は、アル
カリを計算量加えて、水溶液とするのが好ましい。アル
カリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の
水酸化アルカリまたは炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等
の炭酸アルカリが用いられる。これら製剤の配合割合
は、有効成分の合計量1〜50重量部、好ましくは30
〜50重量部、分散剤が該有効成分の合計1重量部に対
して少なくとも0.01重量部、好ましくは0.01〜0.1
重量部であり、残部を水又は親水性有機溶媒とするのが
好ましい。
【0023】さらに、この発明の有効成分がそれぞれに
直接溶解又は分散しうる殺菌対象系に対しては、直接又
は固体希釈剤(例えばカオリン、クレー、ベントナイ
ト、カルボキシメチルセルロース等)で希釈され、必要
に応じ上記界面活性剤を用いて粉剤の形態にしてもよ
。上記一液製剤において、上記溶媒等の希釈剤や界面
活性剤等の分散剤を含有しない製剤が輸送面での経済性
及び製剤安定性の点で好ましい。
【0024】この観点より、一般式(I)の化合物及び
その重縮合物の少なくとも1種と、一般式(II)及び一
般式(III)の化合物の少なくとも1種とからなる液状
の工業用抗微生物剤が提供される。上記工業用抗微生物
剤において、一般式(I)の化合物またはその重縮合物
は、一般式(II)または一般式(III)の化合物の溶媒
として用いられる。
【0025】この工業用抗微生物剤は、溶質の溶媒に対
する溶解性及びその安定性の点から、一般式(I)の化
合物及びその重縮合物60〜99重量部、好ましくは8
0〜95重量部に対して、一般式(II)または一般式
(III)の化合物40〜1重量部、好ましくは20〜5
重量部の割合で溶解させるのが好ましい。この発明の工
業用抗微生物剤の添加量は、対象系によって変化する
が、通常有効成分の合計量として、50〜2000mg/
l、好ましくは100〜1000mg/lの添加で有効な
抗微生物効果を発揮する。この発明の工業用抗微生物剤
は、前記のように一液製剤として用いるのが好ましい
が、各有効成分を対象系に別々に併用添加することもで
きる。この発明の抗微生物剤は、微生物により障害を起
こす水系組成物に適用され、その水系組成物とは、例え
ば 1)紙・パルプ工場で使用される紙用塗工液(コーティ
ングカラー)、炭酸カ ルシウムスラリー、合成樹脂エマ
ルジョン(SBRラテックス等)、澱粉糊料等 2)その他 金属加工油(切削油、圧延油等)、繊維油剤、エマルジ
ョン塗料、接着剤、糊剤、ラテックスコンパウンド、セ
メント分散剤等 の工業製品が挙げられる。この発明の抗微生物剤は、上
記工業製品のうち、アルカリ性、特にpHが9以上の水
を含有する工業製品、例えばアルカリ性のpHを示す金
属加工油(切削油、圧延油等)、繊維油剤、紙用塗工液
(コーティングカラー)、炭酸カルシウムスラリー等に
適用されるのが好ましい。
【0026】この発明によれば、対象系に一般式(I)
の化合物及び重縮合物の少なくとも1種を50〜200
0mg/l、好ましくは100〜1000mg/lと、一般
式(II)及び一般式(III)の化合物の少なくとも1種
を0.5〜800mg/l、好ましくは1〜400mg/lと
を併用添加することを特徴とする微生物の増殖抑制方法
が提供される。ここで対象系とは、上記に記載した微生
物により障害を起こす水系組成物を意味する。
【0027】この発明の方法において、各有効成分が上
記最低濃度未満では、充分な抗微生物効果が得られない
ため好ましくなく、上記最高濃度より多く添加してもそ
れ以上の抗微生物効果が得られないため経済的に好まし
くない。この発明の方法において、一般式(I)の化合
物及びその重縮合物の少なくとも1種と、一般式(II)
及び一般式(III)の化合物の少なくとも1種との併用
割合が、重量比で20:1〜1:9、好ましくは重量比
で9:1〜1:9となるように併用添加するのが、相乗
効果が発揮されるため、より好ましい。
【0028】
【実施例】
実施例(製剤例) この発明の2種の有効成分を溶媒に溶解し製剤例1〜3
を調製し、またこの発明の2種の有効成分にアルカリを
加えて水に溶解し、製剤例4、5を調製した。また製剤
例6〜8は、有効成分の1つ、HMAEが溶媒も兼ねる
ため、大量に加えて調製した。 製剤例1 HMAE 50重量部 OPP 10重量部 ジエチレングリコール 40重量部 製剤例2 HMAE 50重量部 MBCP 10重量部 ジエチレングリコール 40重量部 製剤例3 HMAE 50重量部 PCMX 10重量部 ジエチレングリコール 40重量部 製剤例4 HMAE 50重量部 PCMX 10重量部 水酸化ナトリウム 2重量部 水 38重量部 製剤例5 HMAE 50重量部 MBCP 10重量部 水酸化ナトリウム 2重量部 水 38重量部 製剤例6 HMAE 90重量部 PCMX 10重量部 製剤例7 HMAE 90重量部 MBCP 10重量部 製剤例8 HMAE 90重量部 CMC 10重量部 化合物と略号との関係は次の通りである。
【0029】 HMAE:2−(ヒドロキシメチルアミノ)エタノール OPP :o−フェニルフェノール MBCP:2,2'−メチレンビス(4−クロロフェノ
ール) PCMX:p−クロロ−m−キシレノール CMC :p−クロロ−m−クレゾール 実施例1 製紙用炭酸カルシウムスラリー(pH9.9)に腐敗し
た澱粉スラリーを1%添加し、供試試料とした。薬剤
は、HMAXとPCMXを種々の割合に混合して調製し
た。供試試料に各薬剤を添加し、30℃、48時間培養
後の細菌、かび及び酵母の生菌数を測定し、生菌数が1
3個/ml以下になる濃度を求めた。その結果を図1、
2、3及び表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】図1、2、3及び表1から薬剤(HMAE
とPCMX)は、細菌、かび、酵母全てに対してHMA
E:PCMX=9:1の比率のときが最も優れた効果を
示す。従って以下の実験には、他の薬剤(HMAEとM
BCP、HMAEとOPP、HMAEとCMC)の各
9:1の比率の場合のみを検討した。 実施例2 pH9.0の緩衝液中に標準菌Escherichia coliを接種
したものを供試試料とし、表2に示す各薬剤を添加し
た。この試料を30℃で3時間L字管振とうしたとき
の生菌数を測定した。
【0032】
【表2】
【0033】実施例3 鉱物油:70重量部、オレイン酸:4.5重量部、トリ
エタノールアミン:3重量部、イオネットMO−600
(三洋化成工業製):7.5重量部、イオネットS−8
0(三洋化成工業製):15重量部からなる組成物を調
製し、これを工業用水で20倍に希釈し(pH8.
9)、供試試料とした。
【0034】この供試試料に下記薬剤を添加し、30℃
の恒温槽に放置したときの外観及び生菌数を経日的に測
定した。 (菌種:Pseudomonas sp., Micrococcus sp.)
【0035】
【表3】
【0036】実施例4 pH4.0の緩衝液中に標準菌Escherichia coliを接種
したものを供試試料とし、各薬剤を添加した。この試料
を30℃で3時間L字管で振とうしたときのMIC*
求めた。
【0037】
【表4】
【0038】実施例1と4:実施例1はpH9.9のア
ルカリ性試料であり、実施例4は、pH4.0の弱酸性
試料である。これらにこの発明の工業用抗微生物剤を添
加すると、両者に共通の薬剤(HMAEとPCMX=
9:1)で比較すると、MIC *が実施例1は80、実
施例4は100である。従って本発明の工業用抗微生物
剤は、アルカリ性の対象系に対して特にすぐれた効果を
発揮する。
【0039】
【発明の効果】この発明の工業用抗微生物剤は、対象系
がアルカリ性のとき、特に有効で薬剤の使用量が少なく
てすみ、しかも細菌、かび、酵母いずれにも有効で、か
つ長期間効力が持続する。
【図面の簡単な説明】
【図1】HMAEとPCMXの細菌に対する相乗作用を
示す図。
【図2】HMAEとPCMXのかびに対する相乗作用を
示す図。
【図3】HMAEとPCMXの酵母に対する相乗作用を
示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI (A01N 33/08 31:14) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01N 33/08 A01N 31/08 A01N 31/12 A01N 43/64 104

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)一般式(I): 【化1】 (式中、Rはヒドロキシ基で置換されていてもよい低級
    アルキル基、nは1〜3の整数を示す)で表されるN−
    置換N−ヒドロキシメチルアミン及びその重縮合物(n
    =3のとき、式: 【化2】 の環状構造になる場合を含む)の少なくとも1種と、 (2)a)一般式(II): 【化3】 (式中、mは1または2を示す)で表される化合物及び b)一般式(III): 【化4】 (式中、R1とR3は同一または異なって、水素原子また
    はハロゲン原子を、R2は水素原子または水酸基を、X
    は1つの結合手、低級アルキレン基または硫黄原子を示
    す。)で表される化合物から選ばれた置換フェノール化
    合物の少なくとも1種とを有効成分として含有すること
    を特徴とする工業用抗微生物剤。
  2. 【請求項2】 Rがエチルまたはヒドロキシエチル基で
    ある一般式(I)の化合物またはその重縮合物及びmが
    2である一般式(II)の化合物を有効成分とする請求項
    1記載の工業用抗微生物剤。
  3. 【請求項3】 Rはヒドロキシエチル基、nは1である
    一般式(I)の化合物及びR1とR3は共に塩素原子、R
    2はヒドロキシ基である一般式(III)の化合物を有効成
    分とする請求項1記載の工業用抗微生物剤。
  4. 【請求項4】 一般式(I)の化合物またはその重縮合
    物と、一般式(II)または一般式(III)の化合物と
    が、20:1〜1:9の重比で含有される請求項1記
    載の工業用抗微生物剤。
  5. 【請求項5】 一般式(I)の化合物またはその重縮合
    物と、一般式(II)または一般式(III)の化合物と
    が、9:1〜1:9の重比で含有される請求項1記載
    の工業用抗微生物剤。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の一般式(I)の化合物ま
    たはその重縮合物の少なくとも1種と、一般式(II)及
    び一般式(III)の化合物の少なくとも1種からなる工
    業用抗微生物剤。
  7. 【請求項7】 一般式(I)の化合物またはその重縮合
    物60〜99重量部と、一般式(II)または一般式(II
    I)の化合物40〜1重量部とからなる請求項6記載の
    工業用抗微生物剤。
  8. 【請求項8】 対象系に、請求項1記載の一般式(I)
    の化合物またはその重縮合物を50〜1000mg/l及
    び請求項1記載の一般式(II)または一般式(III)の
    化合物を5〜400mg/l併用添加することを特徴とす
    る微生物の増殖抑制方法。
  9. 【請求項9】 一般式(I)の化合物またはその重縮合
    物と、一般式(II)または一般式(III)の化合物との
    併用割合が重量比で20:1〜1:9である請求項8記
    載の増殖抑制方法。
  10. 【請求項10】 対象系が水を含有し、そのpHがアル
    カリ性である請求項8又は9記載の増殖抑制方法。
  11. 【請求項11】 対象系のpHが9以上である請求項8
    〜10のいずれかに記載の増殖抑制方法。
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