JP3367837B2 - 絶縁コイルの製造方法 - Google Patents
絶縁コイルの製造方法Info
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Description
テープをテーピングして絶縁層を形成する絶縁コイルの
製造方法に関するものである。
は、コイル導体に絶縁テープをテーピングした後、絶縁
テープ間に熱硬化性樹脂を含浸硬化して絶縁層とし、絶
縁コイルを形成している。通常、高電圧の回転電機で
は、絶縁テープとして耐コロナ性に優れたマイカテープ
を1/2重ねでテーピングしているが、最近では高速な
テーピング・マシンを利用して正確なマイカテープの重
ねピッチが実現されるようになり、絶縁コイルの品質と
生産性が高めらるようになってきた。
図4を参照して説明する。図に示すように、テーピング
・ヘッド1には、1個または2個のマイカテープ・ホル
ダ2が設けられており、テーピング・ヘッド1がその回
転軸方向コイル導体3の長手方向へ進みながら回転し、
マイカテープ・ホルダ2に装着したマイカテープ4をコ
イル導体3へ巻付けていく。この際、テーピング・ヘッ
ド1に装着するマイカテープ4が1個の場合(一層巻
き)には、コイル導体3に作用するマイカテープ4の張
力が一方向へ片寄るので、剛性の低いコイル導体3で
は、テーピング・ヘッド1の回転に伴って振れを生じ、
テーピング張力が不均一になり、最悪の場合にはマイカ
テープ4が切断したりする恐れがある。
テーピング・ヘッド1の面上、互いに約180°離れた
位置に2個のマイカテープ・ホルダ2を設け、各々のマ
イカテープ・ホルダ2に装着したマイカテープ4を同時
にコイル導体3へ巻付ける二層巻き方法が採用されてい
る。この二層巻き方法によれば、コイル導体3に作用す
る各マイカテープ4の張力は互いに相殺し合うので、テ
ーピング・ヘッド1の回転に伴うコイル導体3の振れは
ほとんどなくなる。また2個のマイカテープ4を同時に
テーピングするので、マイカテープ4が1個の一層巻き
の場合より生産性が高くなるという長所がある。
カテープは通常1/2重ねでテーピングされている。二
層巻き方法の場合でも各マイカテープは各々1/2重ね
でテーピングされるのが一般的である。2個のマイカテ
ープ・ホルダはテーピング・ヘッドの面上、互いに約1
80°離れた位置に設けられているので、二層巻きにあ
っては、マイカテープ・ホルダ同士をコイル導体の長手
方向にマイカテープの幅の1/8ピッチだけずらして配
置し、各マイカテープ・ホルダに装着したマイカテープ
同士を、相対的にマイカテープ幅の1/4ピッチずらし
て図5のようにテーピングする方法が一般的に採用され
ている。
ーピング(マイカテープでは6層)した例を図6に示
す。この3回テーピング方法によればコイル導体の振れ
がなくなり、一層巻きの場合よりも生産性が高くなると
いう長所があるが、図7に示す一層巻きのテーピング方
法と比較すると、次のような違いがある。
ためマイカテープ二層を1組と考えると、マイカテープ
の層間を縫いながら絶縁最内層から最外層に至る沿層距
離Lは、マイカテープの幅をWとしてn組の場合、二層
巻きによる方法では下記(1)式となる。 L=(3/4)・W・n+(1/8)・W・(n−1)・・・(1) また、一層巻きによる方法では下記(2)式となる。 L=(5/4)・W・n+(1/4)・W・(n−1)・・・(2)
前者の沿層距離<後者の沿層距離、であり、図8のグラ
フからも分るようにその差は下記(3)式となる。 (1/2)・W・n+(1/8)・W・(n−1)・・・・・(3) したがって、この(3)式から組数が増えるに従ってそ
の差は大きくなることが分る。
後、マイカテープ間に熱硬化性樹脂を含浸硬化して得ら
れる絶縁層の電気強度は、一般にマイカテープの貫層方
向より沿層方向の方が弱いため、絶縁破壊経路はマイカ
テープの層間を縫うような傾向がある。このように2個
のマイカテープを互いにコイル導体の長手方向にテープ
幅の1/4ピッチだけずらしてテーピングする方法(1
/4幅ずらし二層巻きする方法)は、従来のように1個
のマイカテープを1/2重ねでテーピングする方法に比
較して沿層距離が短くなることから、絶縁層の電気強度
が低下する傾向があった。
で、その目的は、テーピング・マシンによる絶縁コイル
の生産性に優れ、かつ一層巻と同等の高い電気強度を実
現し得る二層巻きテーピングによる絶縁コイルの製造方
法を提供することにある。
に、本発明の請求項1は、マイカテープ・ホルダはテー
ピング・ヘッドの同一面上でかつ当該テーピング・ヘッ
ドの回転軸となるコイル導体に対して点対称位置にそれ
ぞれ1個設けられており、前記テーピング・ヘッドが前
記コイル導体の長手方向へ進みながら回転し、前記マイ
カテープ・ホルダに装着されたマイカテープを前記コイ
ル導体へ巻付けて絶縁コイルを形成する絶縁コイルの製
造方法において、一方のマイカテープ・ホルダを他方の
マイカテープ・ホルダより前記テーピング・ヘッドの前
記コイル導体の長手方向へ、マイカテープ幅の9/8ピ
ッチだけずらして取付け、前記各マイカテープ・ホルダ
に装着したマイカテープ同士を、相対的に前記マイカテ
ープ幅の5/4ピッチだけずらして同時に前記コイル導
体へ巻付けて絶縁コイルとすることを特徴とする。
コイルの製造方法において、テーピング・ヘッドの同一
面上でかつ回転軸となるコイル導体に対して点対称位置
に取付けられたそれぞれのマイカテープ・ホルダの、テ
ーピング・ヘッド面への取付け角度を、マイカテープの
コイル導体への巻付け角度となるように取り付けたこと
を特徴とする。
コイルの製造方法において、それぞれのマイカテープ・
ホルダとコイル導体との間のテーピング・ヘッド面上
に、各マイカテープの当該マイカテープ・ホルダからの
引出し角度がコイル導体への巻付け角度となるように、
その軸を傾けた中間ピンを配置したことを特徴とする。
参照して説明する。図1は本発明の第1実施例(請求項
1及び請求項2対応)の断面図である。同図は、本実施
例によるテーピング・ヘッド1に設けられたマイカテー
プ・ホルダ2に装着したマイカテープ4が、コイル導体
3にテーピングされている状態を示したものである。
ッド1の同一面上でかつ当該テーピング・ヘッドの回転
軸となるコイル導体3に対して点対称位置、すなわち回
転軸となるコイル導体3に対して180°離れた位置に
それぞれ1個設けられている。そして、マイカテープ・
ホルダ2は、互いにテーピング・ヘッド1の回転軸方向
(コイル導体3の長手方向)へマイカテープ幅の9/8
ピッチだけずらして取付けられている。これによって、
両マイカテープ・ホルダ2に装着された各マイカテープ
4同士は、相対的にマイカテープ幅の5/4ピッチだけ
ずれた位置関係を保ちつつ、テーピング・ヘッド1の回
転とともに、コイル導体3へ巻付けられるので、5/4
幅ずらした二層巻きが形成される。この際、各マイカテ
ープ・ホルダ2のテーピング・ヘッド1面への取付角度
は、図に示すように、マイカテープ4のコイル導体3へ
の巻付け角度に合わせておくと、良好なテーピング効果
が得られる。
ダ2に装着されたマイカテープ4は、それぞれ独立に1
/2重ねでテーピングされている。これによりマイカテ
ープ・ホルダ2を1個を装着したテーピング・ヘッド1
によるテーピング(一層巻き)動作を2回繰り返したの
と同じ結果(図7参照)が得られる。この場合のマイカ
テープ4の層間を縫いながら絶縁最内層から最外層に至
る沿層距離は、(2)式で表され、従来の1/4幅ずら
し二層巻きの場合より(3)式に示す値だけ長くなる。
したがって、テーピング作業性は従来の二層巻きと全く
変わらず、電気強度は一層巻きの場合と同等まで向上す
ることができる。
応)の断面図、図3は図2のA−A矢視図である。同図
に示すように、本実施例では、2個のマイカテープ・ホ
ルダ2は、テーピング・ヘッド1面上の互いに約180
°離れた位置に設けられ、互いにテーピング・ヘッド1
の回転軸方向(コイル導体の長手方向)へマイカテープ
4の幅の9/8ピッチだけずらして取付けられている。
テーピング・ヘッド1面への取付け角度は、テーピング
・ヘッド1の面上、各マイカテープ・ホルダ2とコイル
導体3との間に、各マイカテープ4の引出し角度が略コ
イル導体3への巻付け角度となるように、その軸を傾け
た中間ピン5を配置している。このような構成により上
記第1実施例のようにマイカテープ・ホルダ2を傾けな
くてもよい。したがって、実施例も上記第1実施例と同
じ効果、すなわちテーピング作業性は従来の二層巻きと
全く変わらず、電気強度は一層巻きの場合と同等まで向
上することができる。
層距離を従来の一層巻きと全く同じにして絶縁層の電気
強度を低下させることなく、従来の二層巻き(1/4幅
ずらし二層巻き)と同等のテーピング作業性が得られる
絶縁コイルの製造方法を提供することができる。
図。
示すグラフ。
3…コイル導体、4…マイカテープ、5…中間ピン。
Claims (3)
- 【請求項1】 マイカテープ・ホルダはテーピング・ヘ
ッドの同一面上でかつ当該テーピング・ヘッドの回転軸
となるコイル導体に対して点対称位置にそれぞれ1個設
けられており、前記テーピング・ヘッドが前記コイル導
体の長手方向へ進みながら回転し、前記マイカテープ・
ホルダに装着されたマイカテープを前記コイル導体へ巻
付けて絶縁コイルを形成する絶縁コイルの製造方法にお
いて、一方のマイカテープ・ホルダを他方のマイカテー
プ・ホルダより前記テーピング・ヘッドの前記コイル導
体の長手方向へ、マイカテープ幅の9/8ピッチだけず
らして取付け、前記各マイカテープ・ホルダに装着した
マイカテープ同士を、相対的に前記マイカテープ幅の5
/4ピッチだけずらして同時に前記コイル導体へ巻付け
て絶縁コイルとすることを特徴とする絶縁コイルの製造
方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の絶縁コイルの製造方法に
おいて、テーピング・ヘッドの同一面上でかつ回転軸と
なるコイル導体に対して点対称位置に取付けられたそれ
ぞれのマイカテープ・ホルダの、テーピング・ヘッド面
への取付け角度を、マイカテープのコイル導体への巻付
け角度となるように取り付けたことを特徴とする絶縁コ
イルの製造方法。 - 【請求項3】 請求項1記載の絶縁コイルの製造方法に
おいて、それぞれのマイカテープ・ホルダとコイル導体
との間のテーピング・ヘッド面上に、各マイカテープの
当該マイカテープ・ホルダからの引出し角度がコイル導
体への巻付け角度となるように、その軸を傾けた中間ピ
ンを配置したことを特徴とする絶縁コイルの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23486396A JP3367837B2 (ja) | 1996-09-05 | 1996-09-05 | 絶縁コイルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23486396A JP3367837B2 (ja) | 1996-09-05 | 1996-09-05 | 絶縁コイルの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1079320A JPH1079320A (ja) | 1998-03-24 |
JP3367837B2 true JP3367837B2 (ja) | 2003-01-20 |
Family
ID=16977532
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23486396A Expired - Fee Related JP3367837B2 (ja) | 1996-09-05 | 1996-09-05 | 絶縁コイルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3367837B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6084543B2 (ja) * | 2013-10-02 | 2017-02-22 | 株式会社東芝 | テーピング装置 |
-
1996
- 1996-09-05 JP JP23486396A patent/JP3367837B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1079320A (ja) | 1998-03-24 |
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