JP3367799B2 - 硬貨入出金装置 - Google Patents

硬貨入出金装置

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JP3367799B2
JP3367799B2 JP25372995A JP25372995A JP3367799B2 JP 3367799 B2 JP3367799 B2 JP 3367799B2 JP 25372995 A JP25372995 A JP 25372995A JP 25372995 A JP25372995 A JP 25372995A JP 3367799 B2 JP3367799 B2 JP 3367799B2
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隆志 田中
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グローリー工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入金硬貨を収納す
るとともに収納された硬貨を出金硬貨として投出しかつ
入金硬貨の一時保留機能を備えた硬貨入出金装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、硬貨入出金装置は、金融機関に設
置される循環式硬貨入出金機、あるいはまた街頭やビル
のフロアに設置される自動販売機、自動メダル貸機、貨
幣両替機(金融機関に設置のものも含む)などに内蔵さ
れ、入金硬貨(硬貨入出金機の入金硬貨は勿論のこと、
自動販売機、自動貸玉機、自動メダル貸機、貨幣両替機
に投入される投入硬貨を含め総称してこう呼ぶ)を収納
するとともに、収納された硬貨を出金硬貨(硬貨入出金
機の出金硬貨は勿論のこと、自動販売機、自動貸玉機、
自動メダル貸機から投出される両替硬貨を総称してこう
呼ぶ)として投出する。
【0003】そして、従来の硬貨入出金装置としては、
例えば、特開昭63−249289号公報に記載された
循環式硬貨入出金機がある。
【0004】この循環式硬貨入出金機は、入金貨投入部
に投入された入金硬貨を識別通路にて識別した後に一括
して一時保留し、入金承認時には一時保留硬貨を収納部
に一括して収納し、入金不承認時には一時保留硬貨を操
作者側に返却するようにしている。出金指令時には、金
種別出金筒の下部から硬貨を繰り出して操作者側へ送出
するようにしている。出金筒の収納硬貨が減少した場合
には、収納部内の硬貨を繰り出して識別通路へ送り、こ
の識別通路に続けて設けられる硬貨分類通路において、
収納硬貨が減少した硬貨の金種別出金筒に対応する金種
の金種別分類部から金種別出金筒へ硬貨を補充するよう
にしている。
【0005】また、特開昭61−182192号公報に
記載されているように、入金硬貨を識別分類通路にて識
別した後に金種別に分類して金種別一時保留部に重積状
態で一時保留し、入金承認時には一時保留硬貨を金種別
一時保留部の下部の金種別出金筒に収納し、入金不承認
時には一時保留硬貨を操作者側に返却するようにしてい
る。出金指令時には、金種別の金種別出金筒の下部から
硬貨を繰り出して操作者側へ送出するようにしている。
【0006】さらに、一時保留を重積状態で行なうよう
にした循環式硬貨入出金機では、特開平5−22541
2号公報に記載されているように、金種別出金筒内に上
下動する支持体を設けるとともに金種別出金筒の上部に
重積状態で硬貨を一時保留する金種別一時保留部を設
け、一時保留硬貨の収納時には一時保留硬貨の硬貨量に
応じて支持体が下降して収納し、出金指令時には支持体
が上昇して金種別出金筒の上部から硬貨を繰り出すよう
にしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
63−249289号公報に記載された循環式硬貨入出
金機では、一時保留硬貨を金種別出金筒に直接収納させ
る構造ではなく、すなわち、金種別出金筒への硬貨補充
は収納硬貨が減少したときの硬貨補充指令により収納部
から入金貨投入部、識別通路、筒補充用硬貨分類通路を
通じて各金種別出金筒に行なうため、金種別出金筒への
硬貨補充に時間がかかる問題がある。この従来例の場合
は、筒内硬貨の減少時に入金硬貨が収納部から識別通
路、筒補充用硬貨分類通路を通じて金種別出金筒内へ収
納されるにしても入金硬貨が直接収納されるものではな
く、また、入金硬貨の一時保留機能は有しないものであ
る。そのため、この金種別出金筒では、収納硬貨量が減
少したときは補充がなされたのちに出金動作を再開する
ものである。それ故、前述したとおり、金種別出金筒へ
の硬貨補充に時間がかかる問題がある。
【0008】また、特開昭61−182192号公報に
記載された循環式硬貨入出金機では、金種別硬貨を重積
状態で収納する金種別一時保留部、その下部に設けられ
て硬貨を重積状態で収納する金種別出金筒、金種別出金
筒下部の硬貨投出手段にて構成しており、入金承認時に
一時保留硬貨を金種別出金筒に収納させることで硬貨の
補充が行なえる。しかし、重積状態の一時保留硬貨を自
由落下させて金種別出金筒へ収納させるので、落下距離
が余り大きいと、一時保留硬貨の重積くずれが生じやす
く、したがって、金種別一時保留部の高さを高くとるこ
とができず、一時保留硬貨量が少ないため、入金硬貨量
が多い場合には一時保留しきれず入金処理に対応できな
い問題がある。
【0009】さらに、特開平5−225412号公報に
記載されるように、金種別出金筒の上部から硬貨の収納
と投出を行なうようにした硬貨入出金筒装置では、支持
体が一時保留硬貨の硬貨量に応じて下降することにより
一時保留硬貨を重積くずれが生じることなく収納でき
る。しかし、通路面より下方に金種別出金筒とは別に一
時保留にのみ使用する一時保留専用の金種別一時保留部
を設ける必要があり、また、通路面上の硬貨を自由落下
させて金種別一時保留部の底部に一時保留させるので、
落下距離が余り大きいと、一時保留硬貨の重積崩れが生
じやすく、したがって、金種別一時保留部の高さを高く
とることができず、一時保留硬貨量が少ないため、入金
硬貨量が多い場合には一時保留しきれず入金処理に対応
できない問題がある。
【0010】なお、一時保留硬貨の硬貨量を多くするた
めに金種別一時保留部の上下高さを大きくすれば、装置
の上下高さも大きくなる問題がある。
【0011】本発明は、このような点に鑑みなされたも
ので、一時保留硬貨の硬貨量に応じて一時保留空間を可
変できるようにするとともに一時保留硬貨量を多くし、
それでいて一時保留専用の金種別一時保留空間などを余
分に設ける必要がない硬貨入出金装置を提供することを
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の硬貨入出
金装置は、金種別に各々設けられ、硬貨受入口およびこ
の硬貨受入口の上部に位置される硬貨投出口を有し、こ
れら硬貨受入口および硬貨投出口の上下方向にわたって
形成される金種別硬貨重積収納部と、この金種別硬貨重
積収納部に収納される重積硬貨を上部に支持して上下動
する支持体を有する金種別硬貨支持機構と、前記金種別
硬貨重積収納部の硬貨投出口形成域の上部に対して進退
移動し、支持体上の重積硬貨を上部に仕切る仕切部材を
有する金種別仕切機構と、前記仕切部材の下部位置にお
いて前記金種別硬貨重積収納部内に対して進退移動し、
支持体上の重積硬貨の最上位硬貨を前記硬貨投出口から
投出する投出部材を有する金種別硬貨投出機構と、前記
支持体上の重積硬貨を仕切部材の上部に仕切った際に金
種別硬貨重積収納部内の仕切部材の下部と入金硬貨受入
位置の支持体との間に形成され、入金硬貨を受け入れて
一時保留する金種別一時保留空間と、前記金種別硬貨重
積収納部に収納可能な最大収納枚数M1 〜Mn 、前記金
種別一時保留空間に一時保留可能な最大一時保留枚数N
1 〜Nn を各々記憶する第1記憶部と、前記金種別硬貨
重積収納部に収納されている既収納枚数X1 〜Xn 、前
記金種別一時保留空間に一時保留される一時保留枚数x
1 〜xn 、前記最大収納枚数M1 〜Mn と既収納枚数X
1 〜Xn との差の枚数に相当する金種別硬貨重積収納部
に収納可能な収納可能一時保留枚数Y1 〜Yn 、収納可
能一時保留枚数Y1 〜Yn を越えて金種別一時保留空間
に一時保留される硬貨を回収分一時保留硬貨として回収
分一時保留枚数Z1 〜Zn を各々記憶する第2記憶部
と、出金時に、前記金種別硬貨重積収納部内に仕切部材
を進出させるとともに支持体を上昇させて重積硬貨を仕
切部材に押圧させた状態で投出部材によって投出させる
出金制御手段と、入金一時保留時に、前記支持体を仕切
部材の高さ位置まで上昇させるとともに仕切部材を進出
させて重積硬貨を金種別硬貨重積収納部の上部側に仕切
りかつこの仕切り後に支持体を下降させて金種別硬貨重
積収納部の下部側に形成される金種別一時保留空間に硬
貨を最大一時保留枚数N1 〜Nn まで一時保留させる一
時保留制御手段と、入金承認時に、前記回収分一時保留
枚数Z1 〜Zn の記憶があるときは仕切部材による仕切
状態においてその回収分一時保留枚数Z1 〜Zn 分の硬
貨を投出部材で投出させて回収させた後、金種別一時保
留空間の一時保留硬貨を仕切部材の退避によって収納さ
せる収納回収制御手段と、入金不承認時に、前記金種別
一時保留空間の一時保留硬貨を全て投出部材で投出させ
て返却させる返却制御手段とを具備しているものであ
る。
【0013】そして、出金時に、硬貨重積収納部内に仕
切部材を進出させるとともに、支持体を上昇させて重積
硬貨を仕切部材に押圧させた状態で投出部材によって硬
貨を投出する。入金一時保留時に、支持体を仕切部材の
高さ位置まで上昇させるとともに仕切部材を進出させて
重積硬貨を金種別硬貨重積収納部の上部側に仕切りかつ
この仕切り後に支持体を下降させて金種別硬貨重積収納
部の下部側に金種別一時保留空間を形成させることによ
り、硬貨重積収納部の下部側を金種別一時保留空間とし
て兼用し、硬貨くずれが生じることなく一時保留を可能
とするとともに、一時保留空間の大きさを可変して一時
保留硬貨の硬貨量に対応する。さらに、入金一時保留時
に、金種別一時保留空間に収納可能一時保留枚数Y1 〜
Yn の硬貨を収納可能とするとともにその収納可能一時
保留枚数Y1 〜Yn を越える硬貨を回収分一時保留硬貨
として一時保留可能とし、かつ、入金承認時に、回収分
一時保留硬貨があるときは金種別一時保留空間から回収
分一時保留硬貨を投出させて回収させた後、金種別一時
保留空間の一時保留硬貨を収納させることにより、金種
別一時保留空間に収納可能一時保留枚数Y1 〜Yn 分の
硬貨と回収分一時保留硬貨を一緒に一時保留させて、一
時保留硬貨量を多くし、入金硬貨量が多い場合でも入金
処理に対応する。
【0014】請求項2記載の硬貨入出金装置は、入金硬
貨を金種別に一時保留するとともに、一時保留硬貨量が
最大となったときにその金種のそれ以降の硬貨をオーバ
ーフロー硬貨としてオーバーフロー硬貨一括一時保留部
に一時保留し、入金承認時には一時保留硬貨を収納する
とともにオーバーフロー硬貨を回収し、入金不承認時に
は一時保留硬貨およびオーバーフロー硬貨を返却し、か
つ、出金指令時には収納された硬貨を出金する硬貨入出
金機において、金種別に各々設けられ、硬貨受入口およ
びこの硬貨受入口の上部に位置される硬貨投出口を有
し、これら硬貨受入口および硬貨投出口の上下方向にわ
たって形成される金種別硬貨重積収納部と、この金種別
硬貨重積収納部に収納される重積硬貨を上部に支持して
上下動する支持体を有する金種別硬貨支持機構と、前記
金種別硬貨重積収納部の硬貨投出口形成域の上部に対し
て進退移動し、支持体上の重積硬貨を上部に仕切る仕切
部材を有する金種別仕切機構と、前記仕切部材の下部位
置において前記金種別硬貨重積収納部内に対して進出移
動し、支持体上の重積硬貨の最上位硬貨を前記硬貨投出
口から投出する投出部材を有する金種別硬貨投出機構
と、前記支持体上の重積硬貨を仕切部材の上部に仕切っ
た際に金種別硬貨重積収納部内の仕切部材の下部と入金
硬貨受入位置の支持体との間に形成され、入金硬貨を受
け入れて一時保留する金種別一時保留空間と、前記金種
別硬貨重積収納部に収納可能な最大収納枚数M1 〜Mn
、前記金種別一時保留空間に一時保留可能な最大一時
保留枚数N1〜Nn 、前記オーバーフロー硬貨一括一時
保留部に一時保留可能な最大一括一時保留枚数Kを各々
記憶する第1記憶部と、前記金種別硬貨重積収納部に収
納されている既収納枚数X1 〜Xn 、前記金種別一時保
留空間に一時保留される一時保留枚数x1 〜xn 、前記
オーバーフロー硬貨一括一時保留部に一時保留される一
括一時保留枚数k、前記最大収納枚数M1 〜Mn と既収
納枚数X1 〜Xn との差の枚数に相当する金種別硬貨重
積収納部に収納可能な収納可能一時保留枚数Y1〜Yn
、収納可能一時保留枚数Y1 〜Yn を越えて金種別一
時保留空間に一時保留される硬貨を回収分一時保留硬貨
として回収分一時保留枚数Z1 〜Zn を各々記憶する第
2記憶部と、出金時に、前記金種別硬貨重積収納部内に
仕切部材を進出させるとともに支持体を上昇させて重積
硬貨を仕切部材に押圧させた状態で投出部材によって投
出させる出金制御手段と、入金一時保留時に、前記支持
体を仕切部材の高さ位置まで上昇させるとともに仕切部
材を進出させて重積硬貨を金種別硬貨重積収納部の上部
側に仕切りかつこの仕切り後に支持体を下降させて金種
別硬貨重積収納部の下部側に形成される金種別一時保留
空間に硬貨を収納可能一時保留枚数Y1 〜Yn まで一時
保留させ、金種別一時保留空間の一時保留枚数x1 〜x
n が収納可能一時保留枚数Y1 〜Yn に達したときはそ
の金種のそれ以降の硬貨をオーバーフロー硬貨としてオ
ーバーフロー硬貨一括一時保留部に一時保留させ、オー
バーフロー硬貨一括一時保留部の一括一時保留枚数kが
最大一括一時保留枚数Kに達したときはそれ以後の硬貨
を回収分一時保留硬貨として金種別一時保留空間に収納
可能一時保留枚数Y1 〜Yn と回収分一時保留枚数Z1
〜Zn の合計枚数が最大一時保留枚数N1 〜Nn になる
まで一時保留させる一時保留制御手段と、入金承認時
に、前記一括一時保留枚数kの記憶があるときはオーバ
ーフロー硬貨一括一時保留部からオーバーフロー硬貨を
回収させるとともに、前記回収分一時保留枚数Z1 〜Z
n の記憶があるときは仕切部材による仕切状態において
その回収分一時保留枚数Z1 〜Zn 分の回収分一時保留
硬貨を投出部材で投出させて回収させた後、金種別一時
保留空間の一時保留硬貨を仕切部材の退避によって収納
させる収納回収制御手段と、入金不承認時に、前記金種
別一時保留空間に一時保留された硬貨を全て投出部材で
投出させて返却させるとともに、一括一時保留枚数kの
記憶があるときはオーバーフロー硬貨一括一時保留部に
一時保留された硬貨を全て返却させる返却制御手段とを
具備しているものである。
【0015】そして、出金時に、硬貨重積収納部内に仕
切部材を進出させるとともに、支持体を上昇させて重積
硬貨を仕切部材に押圧させた状態で投出部材によって硬
貨を投出する。入金一時保留時に、支持体を仕切部材の
高さ位置まで上昇させるとともに仕切部材を進出させて
重積硬貨を金種別硬貨重積収納部の上部側に仕切りかつ
この仕切り後に支持体を下降させて金種別硬貨重積収納
部の下部側に金種別一時保留空間を形成させることによ
り、硬貨重積収納部の下部側を金種別一時保留空間とし
て兼用し、硬貨くずれが生じることなく一時保留を可能
とするとともに、一時保留空間の大きさを可変して一時
保留硬貨の硬貨量に対応する。さらに、入金一時保留時
に、金種別一時保留空間に硬貨を収納可能一時保留枚数
Y1 〜Yn まで一時保留させ、金種別一時保留空間の一
時保留枚数x1 〜xn が収納可能一時保留枚数Y1 〜Y
n に達したときはその金種のそれ以降の硬貨をオーバー
フロー硬貨としてオーバーフロー硬貨一括一時保留部に
一時保留させ、オーバーフロー硬貨一括一時保留部の一
括一時保留枚数kが最大一括一時保留枚数Kに達したと
きはそれ以後の硬貨を回収分一時保留硬貨として金種別
一時保留空間に一時保留可能とし、かつ、入金承認時
に、オーバーフロー硬貨があるときはオーバーフロー硬
貨一括一時保留部からオーバーフロー硬貨を回収させる
とともに、回収分一時保留硬貨があるときは金種別一時
保留空間の回収分一時保留硬貨を投出させて回収させた
後、金種別一時保留空間の一時保留硬貨を収納させるこ
とにより、金種別一時保留空間に収納可能一時保留枚数
Y1 〜Yn 分の硬貨と回収分一時保留硬貨を一緒に一時
保留させて、一時保留硬貨量を多くし、入金硬貨量が多
い場合でも入金処理に対応する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の硬貨入出金装置の
一実施の形態として、循環式硬貨入出金機に適用した実
施の形態を図面を参照して説明する。
【0017】図5は循環式硬貨入出金機の外観の斜視図
を示す(なお、図5の左手前側が正面、右奥側が後面、
左奥側が左側の側面、右手前側が右側の側面とする)。
1は機体で、この機体1の上面前側に上面カバー2がヒ
ンジ3によって開閉可能に取り付けられ、この上面カバ
ー2にシャッタ4で開閉される硬貨投入口5が形成され
ている。
【0018】機体1の前面下部には開口部6が形成さ
れ、この開口部6内に引出枠体7が引出可能に取り付け
られ、この引出枠体7の下面前側にカルトン8を挿入す
るカルトン挿入部9が形成されている。引出枠体7の前
面右側にはリジェクト硬貨返却箱10が引出可能に取り付
けられている。
【0019】上面カバー2の上面には操作部11が設けら
れ、この操作部11には、硬貨投入口5の両側位置に左側
用と右側用の占有キー12a ,12b および占有表示部13a
,13b がそれぞれ設けられ、硬貨投入口5の右側位置
に漢字キー群を有するラス機能キー14が設けられてい
る。
【0020】上面カバー2の前面には表示部15が設けら
れ、この表示部15には、左側に硬貨種類別枚数データの
表示、合計金額データの表示および硬貨詰まり箇所の表
示を行なう表示パネル16が設けられ、右側にラスデータ
を表示する表示パネル17が設けられている。
【0021】機体1の両側には左右の各テラーズマシン
18a ,18b がそれぞれ接続可能とされる。そして、左側
用の占有キー12a または右側用の占有キー12b の操作に
よって左側に接続したテラーズマシン18a または右側に
接続したテラーズマシン18bによる入出金処理が可能と
なる。
【0022】次に、図1は循環式硬貨入出金機を右側面
方向から視る断面図、図2は循環式硬貨入出金機の一部
の平面図である。機体1の前側上部域には前側の基板21
が配設され、この基板21の前側寄りでかつ硬貨投入口5
の下側には円形の収納開口22が形成され、この収納開口
22内に基板21の上面と同じ高さで硬貨繰出手段としての
回転円盤23が回転自在に配置され、この回転円盤23の周
囲には収納開口22の縁部から周壁24が立設されている。
周壁24の一部には図示しない送出口が形成され、この送
出口に臨む回転円盤23の上方に厚み規制部材25が取り付
けられているとともに、送出口に臨む回転円盤23の接線
方向に硬貨通路26が連設されている。そして、モータM1
(図25に図示する)にて回転円盤23が回転されること
により、回転円盤23上の硬貨が周壁24に沿って移動し、
厚み規制部材25の下を1層状態で通過して硬貨通路26に
1枚ずつ送り出される。
【0023】硬貨通路26は、基板21の上面が硬貨通路26
の底面となり、この基板21の前側から右側部に沿って形
成された硬貨識別分岐通路27および基板21の後側に沿っ
て形成された硬貨分類通路28を有し、基板21上に配設さ
れた両側の通路側板29,30によって全体として略U字状
に形成されている。なお、両側の通路側板29,30の間隔
は、最大径硬貨から最小径硬貨(26.5mm〜20mm)
の全ての硬貨が径方向に1列状態で搬送可能とする間隔
に形成されている。
【0024】硬貨識別分岐通路27には、回転円盤23の周
縁からほぼ接線方向に硬貨識別通路部域31が形成される
とともに、この硬貨識別通路部域31にほぼ直交する方向
でかつ回転円盤23の右側部位置を通る方向へ向けて分岐
通路部域32が形成されている。硬貨分類通路28には、導
入通路部域33を介して、分岐通路部域32にほぼ直交する
方向でかつ回転円盤23の後側位置を通る方向に向けて分
類通路部域34が形成されている。
【0025】硬貨通路26の上方には硬貨を搬送する硬貨
搬送手段としての上流側の搬送ベルト41と下流側の搬送
ベルト42が張設されている。上流側の搬送ベルト41は、
硬貨識別通路部域31の入口部の上方のプーリ43と、分岐
通路部域32の両端角部上方のプーリ44,45と、導入通路
部域33の上方のプーリ46とにわたって張設されている。
下流側の搬送ベルト42は、導入通路部域33の上方のプー
リ46と、分類通路部域34の下流部上方のプーリ47とにわ
たって張設されている。そして、モータM2によってプー
リ47が回転されて、搬送ベルト41,42が回動される。
【0026】硬貨通路26の入口部上方には、回転円盤23
上の硬貨を通路内に取り込むローラ48が配設されてい
る。なお、搬送ベルト41,42の周速はローラ48の周速よ
りも速く、この周速差によって硬貨通路26内の硬貨の間
隔をあけるように構成されている。
【0027】硬貨識別通路部域31には、片側の通路側板
29に通路内方へ突出されるガイド縁部29a およびこのガ
イド縁部29a に続いて基準縁部29b が形成され、この基
準縁部29b の位置に対応して、硬貨の径や孔の有無を検
知するイメージセンサ51を有するとともに硬貨の材質を
検知する磁気センサ52を有する硬貨識別部53が配設され
ている。
【0028】分岐通路部域32には、リジェクト硬貨分岐
部55およびオーバーフロー硬貨分岐部56が形成されてい
る。各分岐部55,56には、基板21に分岐孔57,58がそれ
ぞれ形成され、各分岐孔57,58内に通路外方へ移動可能
とするゲート部材59,60が配置されている。このゲート
部材59,60の上面は基板21の上面と同一平面上に位置さ
れ、ゲート部材59,60の通路外方への移動時も前記同一
平面の位置関係を保ちながら水平移動される。そして、
通常はゲート部材59,60で分岐孔57,58を閉塞して硬貨
の通過を許容し、各該当硬貨の排除時にソレノイドSD1
,SD2 (図25に示す)によってゲート部材59,60が
通路外方へ退避することにより該当硬貨の一側縁の側か
ら分岐孔57,58に落下させて排除するように構成されて
いる。
【0029】導入通路部域33には、図6に示すように、
一側の通路側板30の通路側壁30a (分岐通路部域32と直
交する方向の側壁)に対して通路幅方向の内方に突出す
る誘導縁部61が通路側壁30a に続いて形成され、他側の
通路側板29側の基板21上に他側の通路側板29の基準縁部
29c (通路側壁30a に平行)に続けて誘導縁部61とほぼ
平行に対向する縁部62a を有する硬貨の厚みより薄い
0.5mm程度の板状の案内プレート62が配設されてい
る。そして、通路側壁30a と基準縁部29c の間隔および
誘導縁部61と縁部62a の間隔は同寸法とされ最大径硬貨
から最小径硬貨(26.5mm〜20mm)の全ての硬貨が
径方向に1列状態で搬送可能な間隔に形成されている。
【0030】導入通路部域33には、分類を行なう各金種
硬貨のなかで硬貨径が近似する5円硬貨と100円硬貨
の2金種のうちの径小の近似径小金種硬貨すなわち5円
硬貨を分岐する近似径小金種硬貨分岐部63が形成されて
いる。なお、1円硬貨の外径は20mmで50円硬貨の外
径は21mmで両硬貨の径差は1mmとなり、5円硬貨の外
径は22mmで50円硬貨との径差は1mmとなり、100
円硬貨の外径は22.6mmで5円硬貨との径差は0.6
mmとなり、10円硬貨の外径は23.5mmで100円硬
貨との径差は0.9mmとなり、500円硬貨の外径は2
6.5mmで10円硬貨との径差は3mmとなっている。こ
のように、5円硬貨と100円硬貨との径差は0.6mm
と少なく、外径寸法が近似している。
【0031】近似径小金種硬貨分岐部63には、基準縁部
29c を基準として各金種硬貨の通過を許容する通路底面
位置に排出溝孔64が形成され、この排出溝孔64の案内プ
レート62側の側部上方に5円硬貨の誘導縁部61とは反対
側の縁部を排出溝孔64へ落とす分岐部材としての一対の
分岐ローラ65が配設されている。
【0032】図7および図8に示すように、一対の分岐
ローラ65は昇降板66の一端下部に軸65a によって水平回
転自在に軸支され、昇降板66はこの昇降板66に形成され
たスライド孔67が支持部材68の一対の脚部69のうちの一
方の脚部69に嵌合して昇降可能に支持されている。通路
上流側の分岐ローラ65の排出溝孔64に臨む縁部は通路底
面上に位置され、通路下流側の分岐ローラ65の排出溝孔
64に臨む縁部は排出溝孔64上に突出されている。支持部
材68は一対の脚部69により図示しない固定プレートを介
して基板21上に立設され、支持部材68の上面に電気的駆
動部としてのソレノイドSD3 が取り付けられ、このソレ
ノイドSD3 の下方に突出するプランジャ71の下端が昇降
板66の他端に連結されている。ソレノイドSD3 の上方に
突出するプランジャ71の上端にはプランジャ71の下降位
置すなわち分岐ローラ65の下降位置を規制するストッパ
72が取り付けられている。昇降板66の下面には昇降板66
を上方へ付勢するスプリング73が配設されている。
【0033】なお、搬送ベルト41の排出溝孔64上に臨む
ベルト部位は押えプーリ74によって下方へ付勢支持され
ている。この押えプーリ74は、回転自在に軸支されると
ともに下方へ付勢され、搬送ベルト41の分岐ローラ65と
は反対方向への移動を許容するように片側にのみ鍔部74
a が形成されている。
【0034】そして、図7(b) に示すように、5円硬貨
の分岐時以外のときは、ソレノイドSD3 が非励磁で、ス
プリング73の付勢で分岐ローラ65が硬貨(図中に符号C
で示し、以下省略する)の厚み高さ(最大厚み金種硬貨
の厚み高さ)よりも高い位置に退避しており、搬送され
る硬貨の両側縁部が排出溝孔64の両側の通路底面に載っ
た状態で排出溝孔64上を通過される。また、図7(c) に
示すように、5円硬貨の分岐時に、ソレノイドSD3 が励
磁され、スプリング73に抗して分岐ローラ65が5円硬貨
の厚みより低く案内プレート62に接触しない位置まで下
降し、5円硬貨の誘導縁部61とは反対側の縁部を排出溝
孔64へ落として分岐する。それ故、図6において、通路
側壁30a と通路下流側の分岐ローラ65の通路側壁30a に
対向する側の周縁端との寸法、および誘導縁部61と同分
岐ローラ65の誘導縁部61に対向する側の周縁端との寸法
は5円硬貨の直径(22mm)より大きい寸法に設定され
ている。
【0035】分類通路部域34には、一方の通路側板30に
誘導縁部61に続いて選別基準側縁部75が形成され、この
選別基準側縁部75を基準に1円、50円、100円、1
0円、500円の小径から大径の順に各金種別硬貨径に
対応して金種別選別溝孔76が形成されている。
【0036】なお、搬送ベルト42の各金種別選別溝孔76
上に臨むベルト部位は押えローラ77および押えプーリ78
によって下方へ付勢支持されている。この押えローラ77
および押えプーリ78は、回転自在に軸支されるとともに
下方へ付勢されている。
【0037】そして、誘導縁部61を通じて選別基準側縁
部75に沿って硬貨が搬送され、ある金種の金種別選別溝
孔76を通過するとき、その金種よりも径大な他の金種硬
貨は両側が金種別選別溝孔76の両側に載ったまま金種別
選別溝孔76上を通過し、該当金種は選別基準側縁部75と
反対側の縁部が金種別選別溝孔76に落ち込んで落下する
ように構成されている。
【0038】なお、図2に示すように、回転円盤23の周
囲部には、回転円盤23上の硬貨を検知する投受光式の1
組のセンサS1が配設されている。硬貨通路26上において
は、リジェクト硬貨分岐部55の手前、オーバーフロー硬
貨分岐部56の手前、近似径小金種硬貨分岐部63の手前、
各金種別選別溝孔76の手前に、通路上での硬貨の位置を
検知するセンサS3-1〜S3-8が配設されている。
【0039】図1に示すように、リジェクト硬貨分岐部
55の分岐孔57の下側には、分岐されるリジェクト硬貨を
リジェクト硬貨返却箱10に導くシュート80が配設されて
いる。
【0040】図2に示すように、オーバーフロー硬貨分
岐部56の分岐孔58の下側には、分岐されるオーバーフロ
ー硬貨を回転円盤23の下側に配設される後述するオーバ
ーフロー硬貨一括一時保留部86に導く送出手段としての
コンベヤ81が配設されている。このコンベヤ81は、図9
ないし図11に示すように、両端のローラ82間に搬送ベ
ルト83が張設され、搬送方向上流側の端部が分岐孔58の
下側に臨ませられるとともに、搬送方向下流側の端部が
オーバーフロー硬貨一括一時保留部86に導入され、ロー
ラ82に連結されたモータM3の駆動によりベルト面上に硬
貨を載せてオーバーフロー硬貨一括一時保留部86に搬送
する。ベルト面上の両側に沿ってベルト幅方向への硬貨
の落下を防止するガイド板84が配設されているとともに
搬送方向上流側の端面側にベルト端部からの硬貨の落下
を防止する端板85が配設されている。
【0041】図9および図10に示すように、オーバー
フロー硬貨一括一時保留部86は、回転円盤23の駆動軸87
の下部側に固定された一時保留円盤88を有している。こ
の回転円盤23および一時保留円盤88が固定される駆動軸
87は、回転円盤23の下側に配設される支持板89に軸受90
によって回転自在に軸支され、下端には図示しない駆動
プーリとの間に駆動伝達ベルトが張設されるプーリ87a
が固定され、駆動プーリに連結されたモータM1によって
回転駆動される。
【0042】一時保留円盤88の周縁近傍位置の上方域全
周を囲繞して周壁91が設けられ、この周壁91の右側(図
9の下側)にコンベヤ81の搬送方向下流側の端部が進入
する切欠部92が形成され、周壁91の後面側(図9の右
側)に周壁91の一部として機能する可動壁部93が開閉可
能に配設されている。
【0043】コンベヤ81の搬送方向下流側の端部の上方
には板ばね94が配設されている。この板ばね94は、搬送
方向下流側に対応する端部が支持板89の下部に取り付け
られるとともに、搬送方向上流側に対応する端部がコン
ベヤ81上に臨んで突出されている。そして、コンベヤ81
で硬貨が複数枚重なって搬送されてきたとき、その重な
り硬貨が板ばね94の下側に進入することにより、硬貨が
一度にまとまって一時保留円盤88上に放出されるのを規
制し、一時保留円盤88上に硬貨がまとまって山積みとな
るのを防止できる。なお、板ばね94の先端に臨む支持板
89には、板ばね94の上方への移動を許容する開口部95が
形成されている。
【0044】可動壁部93は揺動部材96に取り付けられ、
この揺動部材96の左右両端は支持板89側に取り付けられ
た左右両側の取付片97に支軸98を介して揺動可能に支持
されるとともに、揺動部材96に可動壁部93を開閉させる
開閉機構99が係合されている。なお、可動壁部93の上端
が臨む支持板89には、可動壁部93の上方への回動を許容
する開口部100 が形成されている。
【0045】開閉機構99は、図9および図12に示すよ
うに、支軸101 を中心として揺動可能とする揺動レバー
102 を有し、この揺動レバー102 の一端にピン103 が突
設され、このピン103 が揺動部材96に形成された長孔10
4 に係合されている。揺動レバー102 には支軸101 の部
分から下方へ作動片105 が突設され、この作動片105に
ソレノイドSD4 のプランジャがピン106 を介して回動可
能に連結されている。
【0046】そして、図12に1点鎖線で示すように、
ソレノイドSD4 の非励磁時には可動壁部93は閉塞状態に
あり、また、図12に2点鎖線で示すように、ソレノイ
ドSD4 の励磁時には、揺動レバー102 の一端が上昇し、
ピン103 と長孔104 の係合を介して、可動壁部93が支軸
98を支点として一時保留円盤88の外方でかつ上方へ回動
されて周壁91の一部が開放される。なお、可動壁部93の
開放域の下方に配設される硬貨シュート133 については
後述する。
【0047】なお、一時保留円盤88の周囲部には、一時
保留円盤88上の硬貨を検知する投受光式の1組のセンサ
S2が配設されている。揺動レバー102 の他端側には、可
動壁部93の閉塞位置と開放位置に対応する揺動レバー10
2 の揺動位置を検知する例えば投受光式のセンサS7が配
設されている。
【0048】図13および図14に示すように、排出溝
孔64および各金種別選別溝孔76の下方には、機体1の前
後方向に沿ってコンベヤ111 がそれぞれ配設されてい
る。この各コンベヤ111 は、前後のローラ112 に平ベル
トからなる無端状の搬送ベルト113 が張設されている。
そして、前側の全てのローラ112 および後側の全てのロ
ーラ112 は各々全ての搬送ベルト113 の幅方向にわたっ
て延設される各ローラ軸112aに固定されており、その一
方のローラ軸112aがモータM4の軸に連結されている。そ
れ故、モータM4(図25に示す)によって全てのコンベ
ヤ111 の搬送ベルト113 が駆動され、搬送ベルト113 の
上面が後方へ向かう硬貨受入用の正転方向と、搬送ベル
ト113 の上面が前方へ向かう硬貨放出用の逆転方向とに
回転される。
【0049】そして、図1、図13および図14に示す
ように、前後のローラ112 により張設される搬送ベルト
113 の上側の水平ベルト部位上面、その面の左側に続き
前側のローラ112 に接続するベルト部位の上左側4分の
1の円弧ベルト部位外面、前記水平ベルト部位上面の右
側に続く後側のローラ112 に接続するベルト部位の上右
側4分の1の円弧ベルト部位外面の各ベルト域が硬貨搬
送面113aとなり、この硬貨搬送面113a上に硬貨が載せら
れて搬送される。なお、この搬送ベルト113 の硬貨搬送
面113aのベルト幅方向域は後述の第1立位壁114 と第2
立位壁115 の間のベルト域であり、特に定位置に復帰状
態の第1立位壁114 と位置固定の第2立位壁115 の間の
ベルト域となる。
【0050】各コンベヤ111 の幅方向両側に、搬送ベル
ト113 の硬貨搬送面113a上の硬貨のベルト幅方向位置を
規制する第1立位壁114 および第2立位壁115 が配設さ
れている。第1立位壁114 および第2立位壁115 の後部
側にはベルト幅方向内方に突出する規制縁部114a,115a
が形成されている。第1立位壁114 および第2立位壁11
5 の規制縁部114a,115aの部分を除く部分の対向間隔は
排出溝孔64および各金種別選別溝孔76から落下する硬貨
を確実に受入れ可能とするために幅広に形成され、規制
縁部114a,115aの対向間隔は後述する金種別硬貨重積収
納部171 へ送り込まれる硬貨のベルト幅方向位置を規制
するために幅狭に形成されている。
【0051】各第1立位壁114 は、可動枠116 の下面に
取り付けられている。可動枠116 は、ベルト幅方向に長
い水平板部117 を有し、この水平板部117 の中央には通
路上からベルト面上への硬貨の落下を許容する開口部11
8 が形成され、水平板部117の開口部118 の前後縁部に
各第1立位壁114 が取り付けられている。水平板部117
の左端には前方へ向けて突片部119 が突出形成されてい
るとともに下方へ向けて垂直板部120 が折曲形成され、
水平板部117 の右端後部に検知片部121 が突出形成され
ている。
【0052】可動枠116 はベルト幅方向に進退移動可能
に支持されており、移動機構122 によってそのベルト幅
方向に進退移動される。その結果、各第1立位壁114 は
各搬送ベルト113 の各硬貨搬送面113a上をベルト幅方向
に進退移動される。その進退移動時の各第1立位壁114
下面と各硬貨搬送面113a上面の間隙は硬貨厚みより小な
る微小間隔とされてその間隙への硬貨の噛み込みを防い
でいる。
【0053】移動機構122 は、スプリング123 を有し、
このスプリング123 が可動枠116 の突片部119 に連結さ
れ、可動枠116 を右方向すなわち第1立位壁114 が第2
立位壁115 に接近する方向に付勢する。さらに、突片部
119 の下方位置で垂直板部120 に対向して配設されたカ
ム124 を有し、このカム124 は、モータM5によって回転
される回転軸125 に取り付けられ、周面には円弧状のカ
ム凸部126 がほぼ半周域に形成されているとともに残り
の半周域にはカム凹部127 が形成されている。なお、回
転軸125 は1回転キープされるようになっており、カム
124 はセンサS8が可動枠116 の移動を検知した後も回転
を続けて定位置に復帰する。なお、回転軸125 の定位置
は、図示しない定位置検知スイッチによって検知される
ようになっている。
【0054】そして、図13および図14に実線で示す
ように、カム凸部126 が可動枠116の垂直板部120 に当
接する状態で、第1立位壁114 と第2立位壁115 との間
のコンベヤ111 上に硬貨を受入れ可能とする通常の状態
とする。また、図13および図14に2点鎖線で示すよ
うに、コンベヤ111 上の硬貨の残留検知を行なう際に、
カム124 が回転されてカム凹部127 が垂直板部120 に臨
むことにより、スプリング123 の付勢によって可動枠11
6 が右方向すなわち第1立位壁114 が第2立位壁115 に
接近する方向に移動する。このとき、硬貨残留がない場
合には、所定位置まで可動枠116 が移動し、可動枠116
の検知片部121 が検知手段としての例えば投受光式のセ
ンサS8で検知され、また、硬貨残留がある場合には、第
1立位壁114 と第2立位壁115 との間に硬貨が挟み込ま
れ、可動枠116 の検知片部121 はセンサS8で検知されな
い。
【0055】第2立位壁115 は、機体1側の支持板128
上に固定的に取り付けられている。
【0056】図13に示すように、第1立位壁114 と第
2立位壁115 の搬送ベルト113 の長手方向寸法が同じで
あり、かつ、硬貨搬送面113aの搬送ベルト113 の長手方
向寸法全域にわたって設けられているので、残留硬貨検
知領域は硬貨搬送面113aの搬送ベルト113 の長手方向全
域となっている。なお、この残留硬貨検知領域は硬貨搬
送面113a上の硬貨詰まりの生じ易い領域のみに設定して
もよく、その場合は第1立位壁114 の搬送ベルト113 の
長手方向寸法を小とする。その場合は、第2立位壁115
に対向する可動の第1立位壁114 の存在しない領域には
位置固定の第1立位壁114 に相当するものを設けるのが
好ましい。
【0057】次に、図1に示すように、引出枠体7の後
部にはコンベヤ111 の下方に位置して収納箱131 が取り
付けられ、図3および図4に示すように、この収納箱13
1 は、機体1の左右方向に横長に形成され、前面上部に
は全てのコンベヤ111 の前端下方に臨んで横長の受入口
132 が形成されており、引出枠体7の機体1からの引出
時に上方に着脱可能になっている。
【0058】収納箱131 の前側には硬貨シュート133 が
配設され、この硬貨シュート133 の上面開口は機体1の
左右方向に横長に形成されて可動壁部93の開放域に臨ん
で配設され、左右側壁が中央側に傾斜した下面中央には
カルトン挿入部9に開口するシュート出口134 が形成さ
れている。
【0059】収納箱131 の受入口132 には、図1に示す
ように、シュート切換部材135 が揺動可能に取り付けら
れ、このシュート切換部材135 は、ソレノイドSD5 (図
25に示す)によって、受入口132 を閉塞する位置と、
硬貨シュート133 上に進出して受入口132 を開口する位
置とに揺動される。
【0060】引出枠体7の下面側のカルトン挿入部9
は、図1および図4に示すように、カルトン8として角
型のカルトン8aと丸型のカルトン8bとを挿入可能とし、
挿入方向奥側に角型のカルトン8aの後端縁とその後端縁
両側の隅部が当接してシュート出口134 の下方に臨む位
置に位置決めする規制面136 が形成され、この規制面13
6 に丸型のカルトン8bが入り込んでシュート出口134 の
下方に臨む位置で位置決めする凹部137 が形成されてい
る。
【0061】カルトン挿入部9には、図15、図18お
よび図19に示すように、カルトン挿入部9の所定位置
にカルトン8が挿入されたことを検知するカルトン挿入
位置検知機構141 が配設されている。このカルトン挿入
位置検知機構141 では、カルトン挿入部9の奥側上方の
引出枠体7内に左右方向に沿って支軸142 が架設され、
この支軸142 の両端近傍に左右一対の検知片143 がそれ
ぞれ独立して回動自在に支持されている。検知片143
は、図16に示すように、支軸142 に回動自在に挿通さ
れる取付片部144 を両端に有するほぼコ字状の基部145
を有し、この基部145 の内端側から下方に向けて作動片
部146 が突出形成されているとともにこの作動片部146
の下端内縁側に後方へ傾斜する接触片部147 が形成さ
れ、基部145の外端側の取付片部144 に下方へ向けて検
知片部148 が突出形成されている。
【0062】そして、図18に示すように、各検知片14
3 の作動片部146 の下部がカルトン挿入部9内に突出配
置されており、カルトン8の挿入前では、各検知片143
とも例えば支軸142 に装着された図示しないスプリング
によって前方へ向けて揺動されている。図19に示すよ
うに、例えば角型のカルトン8aをカルトン挿入部9に挿
入すると、角型のカルトン8aの挿入方向の縁部が作動片
部146 に当接して後方へ揺動させ、角型のカルトン8aが
所定位置まで揺動されたとき、検知片部148 を例えば投
受光式のセンサS9-1,S9-2で検知し、角型のカルトン8a
が所定位置に挿入されたことを確認する。このとき、左
右の検知片143 およびセンサS9-1,S9-2によって、角型
のカルトン8aの左右位置が確認される。また、丸型のカ
ルトン8bを挿入した場合には、図15に示すように、丸
型のカルトン8bの挿入方向の縁部が各検知片143 の接触
片部147 に接触して後方へ揺動させることにより、角型
のカルトン8aと同様に、丸型のカルトン8bが所定位置に
挿入されると、左右の検知片部148 をセンサS9-1,S9-2
で検知する。
【0063】また、カルトン挿入部9には、図15、図
18および図19に示すように、カルトン挿入部9に挿
入されたカルトン8をロックするカルトンロック機構15
1 が配設されている。このカルトンロック機構151 で
は、カルトン挿入部9の上方の引出枠体7内に配設され
る板状のロック爪部材152 を有している。このロック爪
部材152 は、図17に示すように、機体1の左右方向に
横長に形成され、左端に上方に向けて取付片部153 が形
成され、この取付片部153 が軸支される支軸154によっ
て揺動可能に支持されている。取付片部153 の前端に
は、電気的駆動部としてのソレノイドSD6 のプランジャ
に回動自在に連結されたリンク155 がピン156 にて回動
自在に連結されている。ロック爪部材152 の中央には硬
貨シュート133 の下部が入り込む開口部157 が形成され
ている。ロック爪部材152 の後縁部の中央付近にはロッ
ク爪部158 が下方へ傾斜して突出形成されている。
【0064】そして、図18に示すように、ソレノイド
SD6 の非励磁時にはプランジャが下降しており、ロック
爪部材152 は、ロック爪部158 がカルトン挿入部9の上
方へ移動した揺動位置すなわちロック解除位置にある。
また、図19に示すように、ソレノイドSD6 が励磁され
ると、プランジャが上方へ引き上げられ、ロック爪部材
152 のロック爪部158 が角型のカルトン8aの内側に進入
する揺動位置すなわちロック位置に揺動する。このロッ
ク位置では、ロック爪部158 の先端縁が角型のカルトン
8aの内側壁に当接して、角型のカルトン8aの抜き取りが
規制される。また、丸型のカルトン8bの場合には、図1
5に示すように、ロック爪部158 の両端部158aが丸型の
カルトン8bの内周壁に当接して、丸型のカルトン8bの抜
き取りが規制される。なお、カルトン8のロックとは、
ロック爪部材152 とカルトン8の内壁との係合ロックの
みを意味するものではなく、係合ロックする場合および
カルトン8を引き出そうとしたときにロック爪部材152
がカルトン8の内壁に係合してカルトン8の引き出しを
阻止する場合の両方を含む。
【0065】次に、図1ないし図3に示すように、機体
1の後側上部域には前側の基板21よりやや低くコンベヤ
111 よりやや高い位置に後側の基板161 が配設され、こ
の基板161 の前縁部162 は上方に折曲形成され、後縁部
163 は下方に折曲形成されている。
【0066】基板161 の前端近傍には各金種毎のコンベ
ヤ111 の位置に対応して各金種の硬貨が上下方向にそれ
ぞれ通過可能とする直径の硬貨挿通孔164 が形成され、
この各硬貨挿通孔164 から前縁部162 にかけて投出開口
165 が形成されている。各硬貨挿通孔164 の投出開口16
5 に連なる両側縁部には投出すべき硬貨の次の硬貨の前
方への移動を規制する一対の突起166 が突出形成されて
いる。なお、この一対の突起166 は投出すべき硬貨の投
出には支障なくかつその次の硬貨の投出時のつれ出しを
防ぐような基板161 上の厚み方向位置に形成されてい
る。各硬貨挿通孔164 の近傍には通孔167 が形成されて
いる。
【0067】基板161 の各硬貨挿通孔164 の位置に対応
して硬貨を重積状態に収納する収納部としての金種別硬
貨重積収納部171 が配設されている。この金種別硬貨重
積収納部171 は、基板161 の上側に配設される上部筒17
2 と下側に配設される下部筒173 とを有している。な
お、下部筒173 内には、後述するが、支持体183 上の重
積硬貨を仕切部材232 の上部に仕切った際に金種別硬貨
重積収納部171 内の仕切部材232 の下部と支持体183 と
の間に、入金硬貨を受け入れて一時保留する金種別一時
保留空間171aが形成される。
【0068】上部筒172 は、図1および図20、図30
に示すように、上面が閉塞されるとともに下面が開口さ
れた筒状に形成されており、下面縁部が硬貨挿通孔164
の周縁部上に取り付けられている。上部筒172 には、前
面下部に硬貨が挿通可能で後述する仕切部材232 および
投出部材212 が進入可能な硬貨投出口174 が形成され、
後面下部に硬貨が挿通不可で仕切部材232 および投出部
材212 が進入可能な開口部175 が形成されている。
【0069】下部筒173 は、図21および図30に示す
ように、上面が開口されるとともに下面が底板176 で閉
塞されかつ後面に沿って開口部177 が形成された断面略
C字状に形成されており、上端の取付板178 を介して基
板161 の下面に取り付けられている。下部筒173 の前面
上部は両側方向に膨出する膨出部179 が形成され、この
膨出部179 の上側にコンベヤ111 から送り出される硬貨
を受入可能とする硬貨受入口180 が形成され、この硬貨
受入口180 の下側の膨出部179 の上面に筒内方へ向けて
下降するシュート面181 が形成されている。
【0070】また、各金種別硬貨重積収納部171 には、
収納される重積硬貨を支持して上下動させる金種別硬貨
支持機構182 がそれぞれ設けられている。この金種別硬
貨支持機構182 は、図21ないし図24に示すように、
金種別硬貨重積収納部171 内に収納される重積硬貨を上
部に支持して上下動する支持体183 を有している。この
支持体183 は、下部筒173 内に上下動可能に嵌合する受
台184 および支承部材185 を有している。
【0071】受台184 は、開口部177 から外部に突出す
るガイド部186 を有し、このガイド部186 が底板176 と
取付板178 との間に下部筒173 と平行に取り付けられた
一対のガイド軸187 に沿って上下動するように支持され
ている。受台184 の上面の中心より一側に寄った位置に
は上下面に凹部188 が形成され、その凹部188 を下方か
ら貫通して抜け止め用のストッパ189 を下端に有する支
持軸190 が上下動可能に配置されているとともに、他側
に寄った位置には押上部材としての押上棒191が突設さ
れている。ガイド部186 の後端からはピン192 が突設さ
れている。
【0072】支承部材185 は、下面に形成された凹部19
3 に支持軸190 の上端が固定されて支持され、支持軸19
0 の周囲で受台184 の凹部188 と支承部材185 の凹部19
3 との間に装着されたスプリング194 によって上方へ付
勢されている。支承部材185には、側面に押上棒191 が
挿通する逃げ部195 が形成され、後面にガイド軸187に
係合して回り止めする一対のガイド突部196 が突設さ
れ、上面後部に傾斜面197 が形成されている。
【0073】そして、図21および図30に示すよう
に、支承部材185 が下部筒173 内に位置している場合に
は、支承部材185 の上面は押上棒191 よりも上方に位置
し、また、図23および図24に示すように、上昇する
支承部材185 のガイド突部196が取付板178 に当接して
停止し、スプリング194 の弾性に抗して受台184 のみが
上昇して、支承部材185 よりも押上棒191 が上方に突出
するように構成されている。
【0074】図1および図22に示すように、金種別硬
貨支持機構182 は各金種別硬貨重積収納部171 毎にねじ
軸198 を有し、このねじ軸198 は、基板161 の通孔167
(図2および図3に示す)に貫通されて、上下端部が支
持板199 (図1に示す)によって回転自在に支持されて
いる。ねじ軸198 には螺合部材200 が螺合され、この螺
合部材200 に取り付けられた連結板201 が受台184 のピ
ン192 に係合され、支持体183 と螺合部材200 とが一体
的に昇降するように構成されている。
【0075】図1に示すように、各ねじ軸198 の下端に
はプーリ202 が取り付けられ、各ねじ軸198 の後方に金
種別のパルスモータからなるモータM6-1〜M6-6が配設さ
れるとともにこの各モータM6-1〜M6-6の駆動軸にプーリ
203 が各々取り付けられ、両プーリ202 ,203 にわたっ
てベルト204 が張設されている。そして、各モータM6-1
〜M6-6によって各ねじ軸198 が回動され、モータM6-1〜
M6-6の正転時に各支持体183 が上昇するとともに逆転時
に下降するように構成されている。
【0076】各螺合部材200 には検知片205 がそれぞれ
突設され、図23に示すように、支承部材185 のガイド
突部196 が取付板178 に当接する螺合部材200 の上昇位
置で検知片205 を検知する位置に金種別のセンサS4-1〜
S4-6がそれぞれ配設され、また、図1に示すように、螺
合部材200 の最下降位置で検知片205 を検知する位置に
金種別のセンサS5-1〜S5-6がそれぞれ配設されている。
【0077】図21および図22に示すように、各下部
筒173 の上端近傍のシュート面181よりやや上部の両側
には検知孔206 が対向形成され、各検知孔206 の外側に
金種別の投受光式のセンサS6-1〜S6-6がそれぞれ配設さ
れ、下部筒173 内の硬貨を検知する。
【0078】次に、図1および図3に示すように、基板
161 の上面には金種別硬貨投出機構211 の投出部材212
が配置されている。この投出部材212 は、左右方向に横
長の基部213 を有し、この基部213 の前縁部から各金種
別硬貨重積収納部171 に対応して投出部214 が突設され
ており、図示しないガイド部材によって前後方向に平行
移動するように構成されている。各投出部214 は、上部
筒172 の開口部175 を通じて上部筒172 内に進出可能と
する。
【0079】投出部材212 の基部213 の下面には基板16
1 に前後方向に沿って形成された長溝孔215 を貫通して
下方に突出するピン216 が取り付けられている。基板16
1 の下面には支軸217 を支点として揺動可能にアーム21
8 が取り付けられ、このアーム218 の一端がピン219aに
て連結される回動自在のリンク219 を介してピン216と
連結され、アーム218 の他端には長孔220 が形成され、
この長孔220 に円板221 の上面の偏心位置から突設され
たピン222 が係合されている。円板221 はモータM7の駆
動軸に取り付けられている。
【0080】そして、モータM7の駆動によって、投出部
材212 の各投出部214 が上部筒172から後方へ後退した
退避位置と、各投出部214 が前進して各上部筒172 内に
進出した投出位置とに移動される。
【0081】なお、硬貨投出口174 の近傍には投出部材
212 で投出される硬貨を検知する投受光式のセンサS10-
1 〜S10-6 が配設されている。
【0082】次に、投出部材212 の上側には金種別仕切
機構231 の仕切部材232 が配置されている。この仕切部
材232 は、左右方向に横長の基部233 を有し、この基部
233の前縁部から各金種別硬貨重積収納部171 に対応し
て仕切部234 が突設されており、図示しないガイド部材
によって前後方向に平行移動するように構成されてい
る。各仕切部234 の先端は、図20および図21に示す
ように、支持体183 の押上棒191 の側に対応した幅方向
の右側が左側よりも前方へ突出するエッジ形状に形成さ
れているとともに、先端面が厚み方向の下側から仕切部
材232 の上面にかけて後方に昇り傾斜するテーパ面234a
に形成されており、上部筒172 の開口部175 を通じて上
部筒172 内に進出可能とするとともに硬貨投出口174 か
ら前方へ進出可能とする。
【0083】図2および図3に示すように、仕切部材23
2 の基部233 の上面にはピン235 が突設され、このピン
235 にアーム236 の一端の長溝237 が係合され、このア
ーム236 の他端が基板161 の後部を上下方向に貫通する
連結軸238 に固定されている。基板161 の下側におい
て、連結軸238 にアーム239 が固定され、このアーム23
9 に長孔240 が形成され、この長孔240 に円板241 の上
面の偏心位置から突設されたピン242 が係合されてい
る。円板241 はモータM8(図25に示す)の駆動軸に取
り付けられている。
【0084】そして、モータM8の駆動によって、仕切部
材232 の各仕切部234 が上部筒172から後方へ後退した
退避位置と、各仕切部234 が前進して各上部筒172 内に
進出した仕切位置とに移動される。
【0085】図25は循環式硬貨入出金機の各機構を制
御する制御部251 のブロック図を示す。制御部251 に
は、操作部11、硬貨識別部53、各センサS1,S2,S3-1〜
S3-8,S4-1〜S4-6,S5-1〜S5-6,S6-1〜S6-6,S7,S8,
S9-1〜S9-6,S10-1 〜S10-6 、各モータM1〜M8(M6-1〜
M6-6を含む)、各ソレノイドSD1 〜SD6 がそれぞれ接続
されている。
【0086】制御部251 は、循環式硬貨入出金機を制御
する中央処理装置としてのCPU252 を有し、このCP
U252 のバスラインに第1記憶部としてのROM253 、
第2記憶部としてのRAM254 が接続されている。
【0087】図26はROM253 のメモリマップを示
す。ROM253 は、金種別硬貨重積収納部171 に収納可
能な最大収納枚数M1 〜M6 が設定記憶される金種別の
最大収納枚数メモリ255a〜255f、金種別一時保留空間17
1aに一時保留可能な最大一時保留枚数N1 〜N6 が設定
記憶される金種別の最大一時保留枚数メモリ256a〜256
f、オーバーフロー硬貨一括一時保留部86に一時保留可
能な最大一括一時保留枚数Kが設定記憶される最大一括
一時保留枚数メモリ257 を備えている。
【0088】図27はRAM254 のメモリマップを示
す。RAM254 は、メモリ部258 とフラグ部259 を備え
ている。
【0089】図28はRAM254 のメモリ部258 のメモ
リマップを示す。メモリ部258 は、金種別硬貨重積収納
部171 に収納されている既収納枚数X1 〜X6 が記憶さ
れる金種別の既収納枚数メモリ260a〜260f、金種別一時
保留空間171aに一時保留される一時保留枚数x1 〜x6
が記憶される金種別の一時保留枚数メモリ261a〜261f、
オーバーフロー硬貨一括一時保留部86に一時保留される
一括一時保留枚数kが記憶される一括一時保留枚数メモ
リ262 、最大収納枚数M1 〜M6 と既収納枚数X1 〜X
6 との差の枚数に相当する金種別硬貨重積収納部171 に
収納可能な収納可能一時保留枚数Y1 〜Y6 が記憶され
る金種別の収納可能一時保留枚数メモリ263a〜263f、収
納可能一時保留枚数Y1 〜Y6 を越えて金種別一時保留
空間171aに一時保留される硬貨を回収分一時保留硬貨と
して回収分一時保留枚数Z1 〜Z6 が記憶される金種別
の回収分一時保留枚数メモリ264a〜264fを備えている。
【0090】図29はRAM254 のフラグ部259 を示
す。フラグ部259 は、金種別一時保留空間171aの一時保
留枚数x1 〜x6 が収納可能一時保留枚数Y1 〜Y6 に
達したときにフルフラグを立てる金種別の収納可能一時
保留枚数フルフラグ265a〜265f、金種別一時保留空間17
1aに収納可能一時保留枚数Y1 〜Y6 と回収分一時保留
枚数Z1 〜Z6 の合計枚数が最大一時保留枚数N1 〜N
6 に達したときにフルフラグを立てる金種別の回収分一
時保留枚数フルフラグ266a〜266f、オーバーフロー硬貨
一括一時保留部86の一括一時保留枚数kが最大一括一時
保留枚数Kに達したときにフルフラグを立てる一時保留
枚数フルフラグ267 を備えている。
【0091】そして、図25に示す制御部251 は、出金
制御手段、一時保留制御手段、収納回収制御手段、返却
制御手段の機能をプログラムとして備えている。
【0092】出金制御手段の機能では、出金時に、金種
別硬貨重積収納部171 内に仕切部材232 を進出させると
ともに支持体183 を上昇させて重積硬貨を仕切部材232
に押圧させた状態で投出部材232 によって投出させる。
【0093】一時保留制御手段の機能では、入金一時保
留時に、支持体13を仕切部材232 の高さ位置まで上昇さ
せるとともに仕切部材232 を進出させて重積硬貨を金種
別硬貨重積収納部171 の上部側に仕切りかつこの仕切り
後に支持体183 を下降させて金種別硬貨重積収納部171
の下部側に形成される金種別一時保留空間171aに硬貨を
収納可能一時保留枚数Y1 〜Y6 まで一時保留させ、金
種別一時保留空間171aの一時保留枚数x1 〜x6 が収納
可能一時保留枚数Y1 〜Y6 に達したときはその金種の
それ以降の硬貨をオーバーフロー硬貨としてオーバーフ
ロー硬貨一括一時保留部86に一時保留させ、オーバーフ
ロー硬貨一括一時保留部86の一括一時保留枚数kが最大
一括一時保留枚数Kに達したときはそれ以後の硬貨を回
収分一時保留硬貨として金種別一時保留空間171aに収納
可能一時保留枚数Y1 〜Y6 と回収分一時保留枚数Z1
〜Z6 の合計枚数が最大一時保留枚数N1 〜N6 になる
まで一時保留させる。
【0094】収納回収制御手段の機能では、入金承認時
に、一括一時保留枚数kの記憶があるときはオーバーフ
ロー硬貨一括一時保留部86からオーバーフロー硬貨を回
収させるとともに、回収分一時保留枚数Z1 〜Z6 の記
憶があるときは仕切部材232による仕切状態においてそ
の回収分一時保留枚数Z1 〜Z6 分の硬貨を投出部材21
2 で投出させて回収させた後、金種別一時保留空間171a
の一時保留硬貨を仕切部材232 の退避によって収納させ
る。
【0095】返却制御手段の機能では、入金不承認時
に、金種別一時保留空間171aに一時保留された硬貨を全
て投出部材212 で投出させて返却させるとともに、一括
一時保留枚数kの記憶があるときはオーバーフロー硬貨
一括一時保留部86に一時保留された硬貨を全て返却させ
る。
【0096】次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0097】図5において、循環式硬貨入出金機の左側
にテラーズマシン18a を接続する場合、右側にテラーズ
マシン18b を接続する場合、左右両方にテラーズマシン
18a,18b を接続する場合の使用方法がある。
【0098】このうち、循環式硬貨入出金機の左側にテ
ラーズマシン18a を接続した場合には、左側のテラーズ
マシン18a から入金または出金に必要な指令操作をした
後、左側の占有キー12a を操作することにより、左側の
テラーズマシン18a からの入金または出金の指令にした
がって循環式硬貨入出金機が作動する。また、循環式硬
貨入出金機の右側にテラーズマシン18b を接続した場合
には、右側のテラーズマシン18b から入金または出金に
必要な指令操作をした後、右側の占有キー12bを操作す
ることにより、右側のテラーズマシン18b からの入金ま
たは出金の指令にしたがって循環式硬貨入出金機が作動
する。さらに、循環式硬貨入出金機の左右にテラーズマ
シン18a ,18b を接続した場合には、左側または右側の
テラーズマシン18a ,18b から入金または出金に必要な
指令操作(同時に操作してもよい)をした後、左側また
は右側のどちらかの占有キー12a ,12b の操作にしたが
い、その操作された占有キー12a ,12b に対応するテラ
ーズマシン18a ,18b からの入金または出金の指令にし
たがって循環式硬貨入出金機が作動する。
【0099】なお、この実施の形態の作用説明では、左
側のテラーズマシン18a を接続したものとして説明す
る。
【0100】まず、機体1内に硬貨が収納されていない
状態からの硬貨の初期補充について説明する。
【0101】テラーズマシン18a のシャッタ開釦操作に
よりシャッタ4が開放移動されて硬貨投入口5が開放さ
れ、補充用の硬貨を硬貨投入口5から回転円盤23上に投
入し、テラーズマシン18a の初期補充スタート釦を操作
することにより、回転円盤23、搬送ベルト41,42、ロー
ラ48が回転されるとともに、コンベヤ81および一時保留
円盤88が回転され、さらに、コンベヤ111 が硬貨受入用
の正転方向へ回転され、これにより、補充処理が開始さ
れる。なお、シャッタ4は前記初期補充スタート釦操作
で閉塞移動され、硬貨投入口5が閉じられている。
【0102】回転円盤23上の補充用の硬貨は、回転円盤
23の回転により、周壁24に沿って移動し、厚み規制部材
25の下を1層状態で通過して硬貨通路26に1枚ずつ送り
出される。
【0103】硬貨通路26に1枚ずつ送り出される硬貨
は、ローラ48と搬送ベルト41との周速差によって硬貨間
隔があけられて硬貨識別分岐通路27の硬貨識別通路部域
31に取り込まれ、この硬貨識別通路部域31において基準
縁部29b に沿って搬送されながら硬貨識別部53のイメー
ジセンサ51および磁気センサ52で識別される。
【0104】識別の結果、リジェクト硬貨およびオーバ
ーフロー硬貨でなければ、分岐通路部域32のリジェクト
硬貨分岐部55およびオーバーフロー硬貨分岐部56を通過
して、硬貨分類通路28の導入通路部域33に搬送される。
なお、この初期補充では、リジェクト硬貨およびオーバ
ーフロー硬貨ともないものとし、それら硬貨の処理につ
いては後述する。
【0105】硬貨分類通路28の導入通路部域33では、5
円硬貨が基準縁部29c に沿って搬送されてきたとき、分
岐ローラ65が5円硬貨の厚みより低く案内プレート62に
接触しない位置まで下降し、5円硬貨の誘導縁部61とは
反対側の縁部を排出溝孔64へ落として分岐される。ま
た、分岐ローラ65は5円硬貨の分岐時以外には硬貨の厚
み高さよりも高い位置に退避されており、基準縁部29c
に沿って搬送されてくる5円硬貨以外の他の金種の硬貨
は両側縁部が排出溝孔64の両側の通路底面に載った状態
で排出溝孔64上を通過される。
【0106】排出溝孔64上を通過する硬貨は、導入通路
部域33の誘導縁部61に接触し、この誘導縁部61から選別
基準側縁部75に沿って分類通路部域34を搬送される。分
類通路部域34を搬送される硬貨が、ある金種の金種別選
別溝孔76を通過するとき、その金種よりも径大な他の金
種硬貨は両側が金種別選別溝孔76の両側に載ったまま金
種別選別溝孔76上を通過し、該当金種は選別基準側縁部
75と反対側の縁部が金種別選別溝孔76に落ち込んで落下
される。
【0107】ところで、近似径小金種硬貨としての5円
硬貨を導入通路部域33に設けた近似径小金種硬貨分岐部
63で分岐し、他の金種硬貨を分類通路部域34の各金種別
選別溝孔76で分類するため、径差の少ない硬貨でも確実
にかつ高速で硬貨径による分離ができ、それでいて、5
円硬貨の分類を分類通路部域34から導入通路部域33に移
すことにより、硬貨分類通路28の長さを短くでき、装置
の小形化に対応できる。なお、近似径小金種硬貨分岐部
63の構成は本例に限定されるものではなく、リジェクト
硬貨分岐部55、オーバーフロー硬貨分岐部56のようにス
ライド移動するゲート部材59,60を用いてもよい。
【0108】排出溝孔64および金種別選別溝孔76から落
下された硬貨は、各コンベヤ111 上に載り、各コンベヤ
111 によって後方へ搬送され、各金種別硬貨重積収納部
171に収納される。
【0109】各金種別硬貨重積収納部171 は、図30に
示すように、初期補充スタート釦が操作された際に、支
持体183 の支承部材185 の上面がセンサS6-1〜S6-6より
やや下側に位置する初期補充の待機位置(図30の実線
位置)に移動される。この支持体183 の移動は、モータ
M6-1〜M6-6が逆転方向に回転されて支持体183 がまず下
降し、支持体183 の検知片205 がセンサS5-1〜S5-6で検
知された時点(図30の2点鎖線位置)でモータM6-1〜
M6-6が正転方向に反転されて次に上昇し、その検知時点
から所定パルス分だけモータM6-1〜M6-6が回転されるこ
とにより、待機位置に停止される。あるいは、モータM6
-1〜M6-6が正転方向に回転されて支持体183 がまず上昇
し、支持体183 の検知片205 がセンサS4-1〜S4-6で検知
された時点でモータM6-1〜M6-6が逆転方向に反転されて
次に下降し、その検知時点から所定パルス分だけモータ
M6-1〜M6-6が回転されることにより、待機位置に停止さ
れる。
【0110】そのため、図31に示すように、コンベヤ
111 で搬送される硬貨は、硬貨受入口180 から金種別硬
貨重積収納部171 の下部筒173 内にシュート面181 を通
じて送り込まれ、支承部材185 の上面に水平に支承され
る。
【0111】硬貨が下部筒173 内に送り込まれる際に、
硬貨でセンサS6-1〜S6-6が遮られると、硬貨1枚の厚み
分に対応するパルス(逆転方向)がモータM6-1〜M6-6に
加えられて、支持体183 が硬貨1枚の厚み分だけ下降さ
れる。
【0112】このようにして、コンベヤ111 から硬貨が
1枚ずつ送り込まれる毎に支持体183 が順次下降され
て、各金種別硬貨重積収納部171 の下部筒173 内に例え
ば30枚程度の硬貨が収納される。
【0113】そして、回転円盤23上および硬貨通路26上
に硬貨が無くなったことがセンサS1,S3-1〜S3-8で検知
されると、コンベヤ111 上にある硬貨が下部筒173 内に
送り込まれるだけの所定時間(t1)経過後に、回転円盤
23、搬送ベルト41,42、ローラ48、コンベヤ81、一時保
留円盤88、コンベヤ111 がそれぞれ停止される。なお、
この所定時間(t1)は、後述するが、硬貨通路26上から
オーバーフロー硬貨がオーバーフロー硬貨分岐部56で分
岐された後、コンベヤ81から一時保留円盤88に送り込ま
れるのに十分な時間にも対応されている。
【0114】また、金種別硬貨重積収納部171 への硬貨
の補充が完了した後、コンベヤ111上の硬貨の残留検知
が行なわれる。すなわち、モータM5の駆動により、可動
枠116 が右方向すなわち第1立位壁114 が第2立位壁11
5 に接近する方向に移動し、可動枠116 が所定位置(図
13の2点鎖線位置)まで移動して所定時間以内にセン
サS8で検知されていれば、硬貨残留がないと判断され、
また、いずれかの第1立位壁114 とそれに対向する第2
立位壁115 との間に硬貨が挟み込まれ、その結果、可動
枠116 が実線図示位置から2点鎖線図示位置まで移動さ
れずに途中で停止し、可動枠116 の検知片部121 が所定
時間以内にセンサS8で検知されないときには、硬貨残留
があると判断される。
【0115】硬貨残留がないと判断されれば、テラーズ
マシン18a の指令による入金処理や出金処理などの以後
の処理が可能となる。また、硬貨残留があると判断され
れば、テラーズマシン18a により残留硬貨の存在を報知
する。
【0116】そして、各金種別硬貨重積収納部171 への
硬貨の補充が完了すると、図32に示すように、最後に
収納された硬貨すなわち重積硬貨の最上面が図30に示
した待機位置の支承部材185 の上面の高さと略同じ高さ
で待機される。
【0117】次に、出金指令時の処理について説明す
る。
【0118】出金硬貨を受け入れるカルトン8をカルト
ン挿入部9に挿入する。このとき、カルトン8を所定位
置まで挿入すると、カルトン挿入位置検知機構141 の検
知片143 が後方へ揺動し、この検知片143 の揺動をセン
サS9-1,S9-2で検知する。
【0119】テラーズマシン18a で、出金モードを指定
し、出金金額または出金金種と金種毎の出金枚数を入力
し、出金スタート釦を操作し、次に、機体1の操作部11
の左側用占有キー12a を操作する。
【0120】そして、センサS9-1,S9-2からの検知信号
とテラーズマシン18a からの出金指令信号の両信号が制
御部251 に入力されることにより、カルトンロック機構
151のソレノイドSD6 が励磁され、ロック爪部材152 が
カルトン8の内側に進入するロック位置に揺動し、カル
トン8の抜き取りが規制される。
【0121】カルトン8がロックされてから所定時間後
に出金動作が開始され、図33に示すように、まず、仕
切部材232 が前進されて各仕切部234 が各金種別硬貨重
積収納部171 内に進出される。
【0122】この状態でセンサS6-1〜S6-6が重積硬貨で
遮光されているかどうかを判定し、遮光されているセン
サS6-1〜S6-6がある場合には、そのセンサS6-1〜S6-6に
対応するモータM6-1〜M6-6についてはそのモータM6-1〜
M6-6を逆転させ、そのモータM6-1〜M6-6に対応する支承
部材185 上の重積硬貨上面がセンサS6-1〜S6-6を過ぎた
時点(支承部材185 上の重積硬貨上面とセンサS6-1〜S6
-6の位置関係は図32に同じ)でそのモータM6-1〜M6-6
は停止される。また、重積硬貨で遮光されていないと判
定(すなわち透光状態と判定)されたセンサS6-1〜S6-6
に対応するモータM6-1〜M6-6については逆転されず停止
状態を保つ。
【0123】なお、ここでいうセンサS6-1〜S6-6が重積
硬貨で遮光されているかどうかの判定動作は重積硬貨が
センサS6-1〜S6-6を遮光する場合のほか支承部材185 が
センサS6-1〜S6-6を遮光する場合も含めた概念として使
っていることを補足しておく。特に支承部材185 上の重
積硬貨が減少している場合とか入金時に支承部材185上
に一時保留硬貨がない場合は支承部材185 がセンサS6-1
〜S6-6を遮光することになる。
【0124】また、この機械においては実際上は、セン
サS6-1〜S6-6が重積硬貨(支承部材185 を含む)で遮光
と判定されるケースはその直前の処理モードが出金処理
モードの場合であり、その場合は全てのセンサS6-1〜S6
-6が重積硬貨で遮光された状態となり、全てのモータM6
-1〜M6-6が逆転されることになる。
【0125】また、この機械においては、その直前の処
理モードが初期補充モード時(途中補充モード時も含
む)および入金モードのときには全ての金種の重積硬貨
上面がセンサS6-1〜S6-6より下方(図32参照)に位置
しており、この場合は全てのモータM6-1〜M6-6が逆転さ
れない。このように実際上はセンサS6-1〜S6-6の重積硬
貨による遮光判定時に遮光判定されるセンサS6-1〜S6-6
と遮光判定されないセンサS6-1〜S6-6に分かれることは
ないのである。
【0126】再び出金動作の説明に戻ると、全てのモー
タM6-1〜M6-6が正転されてセンサS6-1〜S6-6が重積硬貨
で遮光された後、所定パルス分正転駆動されて停止され
る。
【0127】これにより、支持体183 が上昇するととも
に、重積硬貨の上面が仕切部材232に当接して押し付け
られ、この状態でモータM6-1〜M6-6が停止されることに
なる。なお、重積硬貨の上面が仕切部材232 に当接する
タイミングとモータM6-1〜M6-6が停止されるタイミング
との誤差分については、重積硬貨すなわち支承部材185
の上昇が規制されてもスプリング194 が収縮することに
よって受台184 の上昇が許容されて吸収される。これ
は、図32に示す待機状態などのときに、スプリング19
4 で上方へ付勢されている支承部材185 の上面が押上棒
191 よりも上方に位置していることで可能となってい
る。
【0128】続いて、出金しない金種に対応したモータ
M6-1〜M6-6に対して所定パルス(逆転方向)が加えられ
て、支持体183 が硬貨2枚の厚み分だけ下降される。こ
れにより、重積硬貨の上面が投出部材212 と当たらない
高さに下降される。
【0129】そして、全てのモータM6-1〜M6-6が停止さ
れると、制御部251 によって投出動作スタート指令が自
動的に出され、投出部材212 が前進、後退するととも
に、コンベヤ111 が硬貨放出用の逆転方向に回転され
る。
【0130】投出部材212 の前進時に、各投出部214 が
上部筒172 内に進出し、仕切部材232 に押し付けられて
いる1枚の硬貨が硬貨投出口174 からコンベヤ111 上へ
投出される。このとき、投出される硬貨の下面に当接し
ている2番目の硬貨は、基板161 の硬貨挿通孔164 内に
位置し、投出される硬貨との摩擦で硬貨投出口174 の方
向に移動しようとしても、両側の突起166 によって移動
が規制される。投出される硬貨はセンサS10-1 〜S10-6
で検知され、RAM254 内の金種別の出金金額メモリ
(図示せず)に記憶される。
【0131】硬貨が1枚投出される毎に、支持体183 が
硬貨1枚の厚み分だけ上昇され、次に投出する硬貨が仕
切部材232 に押し付けられる。このように、投出部材21
2 の前進、後退によって硬貨が順次投出される。
【0132】ある金種の金種別硬貨重積収納部171 にお
いて出金指定枚数分の硬貨が投出されると、支持体183
は上昇されず、投出部材212 の前進、後退移動が行なわ
れていても、この金種の硬貨の投出が停止される。
【0133】そして、例えば100円を3枚、50円を
2枚、500円を5枚だけ投出する場合には、投出部材
212 が5回往復されて停止される。
【0134】また、金種別硬貨重積収納部171 からコン
ベヤ111 上に投出された硬貨は、コンベヤ111 の前端か
ら放出されて、収納箱131 の受入口132 を閉塞する位置
にあるシュート切換部材135 を介して硬貨シュート133
内に導かれ、シュート出口134 からカルトン8に放出さ
れる。
【0135】そして、金種別硬貨重積収納部171 からの
硬貨の投出が投出予定の全金種について完了した後、各
仕切部材232 が各金種別硬貨重積収納部171 外に退避す
るとともに、コンベヤ111 上の硬貨が硬貨シュート133
に放出されるまでの時間経過後にコンベヤ111 が停止さ
れる。
【0136】また、金種別硬貨重積収納部171 からの硬
貨の投出が完了した後、コンベヤ111 上の硬貨の残留検
知が行なわれる。すなわち、モータM5の駆動により、可
動枠116 が右方向すなわち第1立位壁114 が第2立位壁
115 に接近する方向に移動し、可動枠116 が所定位置
(図13の2点鎖線位置)まで移動して所定時間以内に
センサS8で検知されれば、硬貨残留がないと判断され、
また、いずれかの第1立位壁114 とそれに対向する第2
立位壁115 との間に硬貨が挟み込まれ、その結果、可動
枠116 が実線図示位置から2点鎖線図示位置まで移動さ
れずに途中で停止し、可動枠116 の検知片部121 が所定
時間以内にセンサS8で検知されないときには硬貨残留が
あると判断される。
【0137】なお、モータM5の駆動時、回転軸125 は硬
貨残留有無にかかわらず1回転キープされ、そのため可
動枠116 は硬貨残留があるときは硬貨で係止される位置
に停止され、また、硬貨残留がない場合は元の位置まで
復帰して停止する。
【0138】残留硬貨がないと判断されれば、ソレノイ
ドSD6 が非励磁とされ、ロック爪部材152 によるカルト
ン8のロックが解除され、出金硬貨を受け入れたカルト
ン8の引き拭きが可能となる。カルトン8が引き抜かれ
ると、それに伴うセンサS9-1,S9-2からの検知信号がテ
ラーズマシン18a に入力されて、出金処理の全てが終了
したものと判断し、次の処理に待機する。
【0139】また、残留硬貨があると判断されれば、テ
ラーズマシン18a により残留硬貨の存在を報知する。こ
のとき、カルトン8のロックは解除せず、テラーズマシ
ン18a からのロック解除操作によって解除可能とする。
【0140】なお、出金処理モードの終了時において
は、出金硬貨の投出がなされた金種別硬貨重積収納部17
1 については支承部材185 上の重積硬貨上面は仕切部材
232 の下面高さ位置から硬貨厚み1枚間隔をおいた下方
位置に、また、出金硬貨の投出がなされなかった金種別
硬貨重積収納部171 については支承部材185 上の重積硬
貨上面は仕切部材232 の下面高さ位置から硬貨厚み2枚
間隔をおいた下方位置に各々位置される。
【0141】次に、入金指令時の処理について説明す
る。なお、図39および図40に入金一時保留動作のフ
ローチャートを示し、図41および図42に入金承認動
作のフローチャートを示し、図43および図44に入金
不承認動作のフローチャートを示し、これら各フローチ
ャートを参照して説明する。
【0142】まず、テラーズマシン18a で入金モードを
指定し、操作部11の左側用占有キー12a を操作する。こ
れにより、シャッタ4が硬貨投入口5を開放する。
【0143】硬貨投入口5から回転円盤23上に硬貨が投
入され、その投入された入金硬貨をセンサS1で検知する
と、入金処理が開始される。
【0144】なお、シャッタ4は開放移動後、所定時間
経過時に制御部251 を通じて閉じられ、入金硬貨の追加
投入が防がれる。
【0145】そして、RAM254 のメモリ部258 の全て
のメモリ260a〜260f,261a〜261f,262 ,263a〜263f,
264a〜264fおよび全てのフラグ265a〜265f,266a〜266
f,267 の内容がクリアされた後(ステップ1)、金種
別硬貨重積収納部171 のセンサS6-1〜S6-6により硬貨を
検知しているか判断される(ステップ2。以下、図のフ
ローチャートには金種別硬貨重積収納部171 のことを筒
として略称する)。硬貨を検知している金種別硬貨重積
収納部171 については対応するモータM6-1〜M6-6を逆転
させて支持体183 が下降され(ステップ3)、重積硬貨
(出金モード時に述べた通り、支承部材185 も含めた概
念)の上端がセンサS6-1〜S6-6を通過して検知しなくな
れば、すなわち透光状態になればモータM6-1〜M6-6が停
止される(ステップ4)。最初から硬貨を検知していな
い金種別硬貨重積収納部171 についてはモータM6-1〜M6
-6が逆転されない。
【0146】このようにしてから、モータM6-1〜M6-6を
正転回転させて支持体183 が上昇し、センサS6-1〜S6-6
が支持体183 上の各重積硬貨の上端を検知(センサS6-1
〜S6-6が遮光状態になる)した時点からモータM6-1〜M6
-6へのパルスのカウントがRAM254 で開始される(ス
テップ5)。各支持体183 の各検知片205 が各センサS4
-1〜S4-6で検知されると(ステップ6)、それまでカウ
ントされたパルス値をRAM254 から読み出し(ステッ
プ7)、そのパルス値から各金種の重積硬貨高さが算出
され(ステップ8)、各金種の1枚厚み寸法で割って各
金種別硬貨重積収納部171 内の既収納硬貨枚数X1 〜X
6 が算出され、RAM254 の既収納硬貨枚数メモリ260a
〜260fに記憶される(ステップ9)。
【0147】そして、モータM6-1〜M6-6が正転方向に回
転されることにより、図34に示すように、各金種別硬
貨重積収納部171 の支持体183 が上昇される(ステップ
10)。この支持体183 の上昇途中で、前述のように検知
片205 がセンサS4-1〜S4-6で検知され、それと略同時に
支承部材185 のガイド突部196 が取付板178 に当接し、
支承部材185 の上昇が規制される。停止された支承部材
185 の上面は、仕切部材232 の下面と略同一面かやや低
い高さ位置となる。
【0148】その後は、スプリング194 が圧縮されなが
ら受台184 のみが上昇し、検知片205 がセンサS4-1〜S4
-6で検知されてから所定パルス分だけモータM6-1〜M6-6
が回転されて停止され、図34の2点鎖線に示す位置で
受台184 が停止される。
【0149】そのため、図23および図24に示すよう
に、押上棒191 が支承部材185 よりも上方に突出し、支
承部材185 上の重積硬貨の一側下面に接触して押し上げ
る。
【0150】続いて、仕切部材232 が前進されて各仕切
部234 が各金種別硬貨重積収納部171 内に進出される
(ステップ11)。このとき、仕切部234 の先端の一側が
突出されていて、重積硬貨の一側が押上棒191 で押し上
げられているため、図35に示すように、仕切部234 の
先端が支承部材185 と重積硬貨下面との間に確実に入り
込む。しかも、支承部材185 の上面後側に傾斜面197 が
形成されていること、支承部材185 がスプリング194 に
抗して下降可能なことにより、仕切部234 の先端が支承
部材185 と重積硬貨との間に確実に入り込む。
【0151】このように、押上棒191 で重積硬貨の一側
域を押し上げて支承部材185 の上面と重積硬貨下面との
間に間隙を形成し、この間隙内に仕切部材232 のエッジ
形状でテーパ面234aを有する先端を進入させ、重積硬貨
を金種別硬貨重積収納部171の上部側に仕切るため、仕
切部材232 による仕切り動作が確実に行なえ、したがっ
て、仕切部材232 の先端が重積硬貨周面に当接して重積
硬貨下面へ進入できなかったり重積硬貨の最下位硬貨を
支承部材185 上に残したままその上の硬貨下面へ進入し
たりといった仕切不良を生じることがなく、さらに、重
積硬貨周縁に仕切部材232 が当接して硬貨を変形させた
り仕切部材232 の変形破損をまねくことがないという効
果を奏する。
【0152】仕切部234 が支承部材185 と重積硬貨との
間に入り込んだ状態から、モータM6-1〜M6-6が逆転方向
に回転されて支持体183 が下降される(ステップ12)。
これにより、押上棒191 が下降し、押上棒191 で押し上
げられていた重積硬貨の一側が下降し、仕切部234 上に
載置される。また、受台184 が図35の実線位置に下降
するまでは、スプリング194 が伸長しながらこのスプリ
ング194 の付勢によって支承部材185 のガイド突部196
が取付板178 に当接した状態を保つ。受台184が図35
の実線位置まで下降すると、受台184 と支承部材185 と
が最も離れた状態となり、その後はその図35の実線状
態の位置関係を保ちながら受台184 と支承部材185 が一
体的に下降する。図35の実線位置で示す受台184 の検
知片205がセンサS4-1〜S4-6で検知され(ステップ1
3)、それから所定パルス分だけモータM6-1〜M6-6が回
転されて停止され(ステップ14)、図36に示す位置に
支持体183 が停止される。
【0153】したがって、図36に示す状態が入金受入
準備状態であり、各金種別硬貨重積収納部171 内の出金
用の重積硬貨が上部筒172 内に収納され、下部筒173 に
入金硬貨を受入れて一時保留するための金種別一時保留
空間171aが形成される。
【0154】そして、全てのモータM6-1〜M6-6が停止さ
れて全ての金種について一時保留準備が完了すると(ス
テップ15)、各金種別硬貨重積収納部171 について、最
大収納枚数M1 〜M6 と既収納枚数X1 〜X6 との差の
枚数に相当する金種別硬貨重積収納部171 に収納可能な
収納可能一時保留枚数Y1 〜Y6 が算出され、この収納
可能一時保留枚数Y1 〜Y6 がRAM254 の金種別の収
納可能一時保留枚数メモリ263a〜263fに記憶される。さ
らに、制御部251 によって入金動作スタート指令が自動
的に出されて、回転円盤23、一時保留円盤88、搬送ベル
ト41,42、ローラ48、コンベヤ81,111 が回転され、回
転円盤23上に投入された入金硬貨の識別分類動作および
一時保留動作が開始される(ステップ16)。なお、収納
可能一時保留枚数Y1 〜Y6 が0の場合は、その金種の
収納可能一時保留枚数フラグ265a〜265fをオンする。
【0155】識別分類動作は、前述の初期補給時と同様
であり、回転円盤23上の硬貨が硬貨通路26に1枚ずつ送
り込まれ、硬貨通路26の硬貨識別通路部域31を搬送され
る際に硬貨識別部53にて識別され(ステップ17、18)、
リジェクト硬貨と識別されれば分岐通路部域32を搬送さ
れる際にリジェクト硬貨分岐部55で分岐され(ステップ
19)、正常硬貨と識別されれば対応する金種の収納可能
一時保留枚数フルフラグ265a〜265fがオンしていないか
判断する(ステップ20)。
【0156】なお、リジェクト硬貨の分岐は、リジェク
ト硬貨分岐部55にリジェクト硬貨が搬送されてくると、
ゲート部材59が移動し、リジェクト硬貨が分岐孔57に分
岐され、シュート80を通じてリジェクト硬貨返却箱10に
返却される。
【0157】そして、収納可能一時保留枚数フルフラグ
265a〜265fがオンしていない金種の硬貨は、硬貨分類通
路28へ送られ、排出溝孔64および金種別選別溝孔76で金
種別に選別される。
【0158】図37に示すように、排出溝孔64および金
種別選別溝孔76から選別されて落下する硬貨はコンベヤ
111 によって金種別硬貨重積収納部171 に送り込まれ
る。金種別硬貨重積収納部171 は、コンベヤ111 から硬
貨が1枚ずつ送り込まれる毎に支持体183 が順次下降さ
れて、各金種別硬貨重積収納部171 の下部筒173 内に入
金硬貨が一時保留されていく。
【0159】したがって、金種別硬貨重積収納部171 の
下部筒173 内に形成される金種別一時保留空間171aは、
一時保留硬貨の硬貨量に応じて保留可能とする硬貨量が
可変され、例えば5枚の硬貨が送り込まれたとすると、
図37の2点鎖線の位置まで支持体183 (受台184 およ
び支承部材185 )が下降し、硬貨5枚分の厚みに対応す
る金種別一時保留空間171aが形成される。なお、このと
きの重積硬貨上面(5枚目硬貨上面)とセンサS6-1〜S6
-6との位置関係は図32と同じである。
【0160】そして、金種別硬貨重積収納部171 の金種
別一時保留空間171aに一時保留される硬貨の一時保留枚
数x1 〜x6 は、硬貨識別部53で硬貨の金種が判別され
るとともにその硬貨が対応するセンサS3-1〜S3-8を通過
することによりカウントされ、RAM254 の一時保留枚
数メモリ261a〜261fに加算記憶される(ステップ21)。
さらに、金種別一時保留空間171aの一時保留枚数x1 〜
x6 が収納可能一時保留枚数Y1 〜Y6 に達したか判断
し(ステップ22)、達していない金種についてはステッ
プ17に戻って後続の硬貨の識別動作を行なう。
【0161】このように、入金硬貨を金種別硬貨重積収
納部171 の金種別一時保留空間171aに一時保留させる動
作を第1次保留動作とする。金種別硬貨重積収納部171
に収納可能とする最大収納枚数M1 〜M6 (次回の入金
処理時に上部筒172 へ重積硬貨を収納可能とする枚数に
相当する)および金種別一時保留空間171aに収納可能と
する最大一時保留枚数N1 〜N6 は予め設定されてお
り、その最大収納枚数M1 〜M6 から既に収納されてい
る既収納枚数X1 〜X6 を減算した枚数が実際に一時保
留可能とする収納可能一時保留枚数Y1 〜Y6 となる。
この第1次一時保留動作においては、一時保留枚数x1
〜x6 が収納可能一時保留枚数Y1 〜Y6に達するまで
金種別一時保留空間171aに一時保留動作を行なう。
【0162】なお、表1には、第1動作状態例として、
全ての金種が第1次一時保留動作にあるときの一時保留
枚数管理状態を示す。
【0163】
【表1】 また、金種別一時保留空間171aの一時保留枚数x1 〜x
6 が収納可能一時保留枚数Y1 〜Y6 に達した金種があ
るときは、その金種についての収納可能一時保留枚数フ
ルフラグ266a〜266fがオンされる(ステップ23)。
【0164】そして、第1次一時保留動作中に、硬貨識
別部53で収納可能一時保留枚数フルフラグ266a〜266fが
オンされた金種の硬貨が識別されると、一括一時保留枚
数フルフラグ267 がオンしているか判断される(ステッ
プ24)。なお、ここではまだ一括一時保留枚数フルフラ
グ267 はオンしていない。
【0165】収納可能一時保留枚数フルフラグ266a〜26
6fがオンされた金種のそれ以降の硬貨はオーバーフロー
硬貨とし、そのオーバーフロー硬貨はオーバーフロー硬
貨分岐部56で分岐されてオーバーフロー硬貨一括一時保
留部86に一時保留される。すなわち、オーバーフロー硬
貨分岐部56にオーバーフロー硬貨が搬送されてくると、
ゲート部材60が移動してオーバーフロー硬貨が分岐孔58
から分岐され、そのオーバーフロー硬貨がコンベヤ81で
搬送されるとともに一時保留円盤88上に放出され、この
一時保留円盤88上にオーバーフロー硬貨が一括して一時
保留される。
【0166】そして、オーバーフロー硬貨一括一時保留
部86に一括一時保留される硬貨の一括一時保留枚数k
は、金種にかかわらず一括してRAM254 の一括一時保
留メモリ262 に記憶される(ステップ25)。
【0167】このように、入金硬貨のうち、第1次一時
保留動作で金種別硬貨重積収納部171 の金種別一時保留
空間171aに一時保留する収納可能一時保留枚数Y1 〜Y
6 よりオーバーフローした硬貨をオーバーフロー硬貨一
括一時保留部86に一時保留する動作を第2次一時保留動
作とする。オーバーフロー硬貨一括一時保留部86に収納
可能とする最大一括一時保留枚数Kは予め設定されてい
る。この第2次一時保留動作においては、オーバーフロ
ー硬貨一括一時保留部86の一括一時保留枚数kが最大一
括一時保留枚数Kに達するまで一括一時保留動作を行な
う。
【0168】なお、表2には、第2動作状態例として、
5円、100円、10および500円が第1次一時保留
動作のままで、1円と50円が第2次一時保留動作に移
ったときの一時保留枚数管理状態を示す。
【0169】
【表2】 なお、回転円盤23の下部に、その回転円盤23の駆動軸87
に固定して一時保留円盤88を配設したため、回転円盤23
と一体に一時保留円盤88が回転し、一時保留中にコンベ
ヤ81で送り込まれるオーバーフロー硬貨が一時保留円盤
88の一箇所で山積み状態となるのを防ぎ、一時保留円盤
88の円周方向全域にわたってオーバーフロー硬貨が均一
にならされ、小スペースで多量のオーバーフロー硬貨を
一時保留でき、しかも、専用の駆動手段を用いずに一時
保留円盤88を回転させることができる。
【0170】また、オーバーフロー硬貨一括一時保留部
86の一括一時保留枚数kが最大一括一時保留枚数Kに達
したときは、一括一時保留枚数フルフラグ267 がオンさ
れる(ステップ27)。
【0171】そして、第1次一時保留動作中および第2
次一時保留動作中に、硬貨識別部53で収納可能一時保留
枚数フルフラグ266a〜266fがオンされた金種の硬貨が識
別されたとき、一括一時保留枚数フルフラグ267 がオン
していると、その金種の回収分一時保留枚数フルフラグ
266a〜266fがオンしているか判断される(ステップ2
8)。なお、ここではまだ回収分一時保留枚数フルフラ
グ266a〜266fはオンしていない。
【0172】硬貨識別部53で収納可能一時保留枚数フル
フラグ266a〜266fがオンされた金種の硬貨が識別される
と、そのオーバーフロー硬貨は、回収分一時保留硬貨と
して、オーバーフロー硬貨分岐部56で分岐されずに、第
1次一時保留動作と同様に、対応する金種別硬貨重積収
納部171 へ送り込まれて、既に一時保留されている硬貨
上に一時保留される。これは、既に一時保留されている
硬貨の収納可能一時保留枚数Y1 〜Y6 が、金種別硬貨
重積収納部171 の金種別一時保留空間171aに収納可能と
する最大一時保留枚数N1 〜N6 よりも少なく、下部筒
173 に形成可能とされる金種別一時保留空間171aに余裕
があることによる。
【0173】そして、金種別一時保留空間171aに一時保
留される回収分一時保留枚数Z1 〜Z6 は、RAM254
の金種別の一括一時保留メモリ262 に記憶される(ステ
ップ29)。
【0174】このように、第2次一時保留動作でオーバ
ーフロー硬貨一括一時保留部86の最大一括一時保留枚数
Kを越えたオーバーフロー硬貨を金種別硬貨重積収納部
171に収納する動作を第3次一時保留動作とする。この
第3次一時保留動作においては、金種別硬貨重積収納部
171 の金種別一時保留空間171aに収納可能一時保留枚数
Y1 〜Y6 と回収分一時保留枚数Z1 〜Z6 の合計枚数
すなわち一時保留枚数x1 〜x6 が最大一時保留枚数N
1 〜N6 に達するまで一時保留動作が行なわれる。な
お、この一時保留動作(金種別一時保留空間171aへの硬
貨の送り込み動作)は第1次一時保留動作と同じ動作に
て行なわれる。さらに、この第3次一時保留動作で一時
保留されるオーバーフロー硬貨は、後述する入金承認時
に金種別硬貨重積収納部171 から収納箱131 に回収され
る回収分一時保留硬貨とする。
【0175】なお、表3には、第3動作状態例として、
5円、100円、10および500円が第1次一時保留
動作のままで、1円と50円が第3次一時保留動作に移
ったときの一時保留枚数管理状態を示す。
【0176】
【表3】 また、金種別一時保留空間171aの収納可能一時保留枚数
Y1 〜Y6 と回収分一時保留枚数Z1 〜Z6 の合計枚数
すなわち一時保留枚数x1 〜x6 が最大一時保留枚数N
1 〜N6 に達したときは、回収分一時保留枚数フルフラ
グ266a〜266fがオンされる(ステップ30)。
【0177】そして、第1ないし第3次一時保留動作中
に、硬貨識別部53で回収分一時保留枚数フルフラグ266a
〜266fがオンされた金種の硬貨が識別されると、その該
当金種硬貨がリジェクト硬貨分岐部55で分岐される。す
なわち、リジェクト硬貨分岐部55に該当金種硬貨が搬送
されてくると、ゲート部材59が移動し、該当金種硬貨が
分岐孔57に分岐され、シュート80を通じてリジェクト硬
貨返却箱10に返却される。
【0178】そして、回転円盤23上および硬貨通路26上
に硬貨が無くなったことが硬貨識別部53およびセンサS
1,S3-1〜S3-8で検知されると、所定時間(t1)経過後
に、回転円盤23、一時保留円盤88、搬送ベルト41,42、
ローラ48、コンベヤ81,111 が停止される。なお、この
所定時間(t1)は、コンベヤ111 上にある硬貨が下部筒
173 内に送り込まれ、また、硬貨通路26上からオーバー
フロー硬貨がオーバーフロー硬貨分岐部56で分岐された
後、コンベヤ81から一時保留円盤88に送り込まれるのに
十分な時間に対応されている。
【0179】その後、コンベヤ111 上の硬貨の残留検知
動作が行なわれる。これは、前述した初期補充時および
出金時と同様に行なわれ、残留硬貨が検知されない場合
はテラーズマシン18a による入金承認操作または入金不
承認操作が可能となり、残留硬貨が検知された場合には
テラーズマシン18a および表示部15の表示パネル16によ
り残留硬貨の存在を報知する。
【0180】識別結果は表示部15の表示パネル16に硬貨
種類別枚数データおよび合計金額データとして表示さ
れ、その表示内容を確認の後、テラーズマシン18a によ
り入金承認釦または入金不承認釦が操作される。あるい
は、予め入金額を入力し、その入金額と識別結果とを照
合して、一致時には入金承認信号を、不一致時には入金
不承認信号を制御部251 から自動的に出すこともでき
る。
【0181】そして、テラーズマシン18a によって入金
承認操作が行なわれると、RAM254 の一括一時保留枚
数メモリ262 の一括一時保留枚数kまたは回収分一時保
留枚数メモリ264a〜264fの回収分一時保留枚数Z1 〜Z
6 に1枚以上の記憶があるか判断する(ステップ41)。
【0182】第1次一時保留動作のみが行なわれ、金種
別硬貨重積収納部171 の金種別一時保留空間171aに収納
可能一時保留枚数Y1 〜Y2 以下の硬貨が一時保留さ
れ、一括一時保留枚数kまたは回収分一時保留枚数Z1
〜Z6 に1枚以上の記憶がない場合、すなわち第2次一
時保留動作、第3次一時保留動作が行なわれた金種がな
い場合には、入金一時保留動作の完了状態(例えば一時
保留枚数が5枚の場合は図37の2点鎖線位置へ支承部
材185 および受台184 が位置した状態で、一時保留硬貨
の上面は図32と同位置)において、全てのモータM6-1
〜M6-6に正転方向の所定パルスが加えられ、支持体183
が上昇されて、図38の状態と同様に、重積硬貨の上面
が仕切部材232 に当接して押し付けられた状態で停止さ
れる(ステップ42)。なお、重積硬貨の上面が仕切部材
232 に当接するタイミングとモータM6-1〜M6-6が停止さ
れるタイミングとの誤差分については、重積硬貨すなわ
ち支承部材185 の上昇が規制されてもスプリング194 が
収縮することによって受台184 の上昇が許容されて吸収
される。また、一時保留硬貨のない支承部材185 は、そ
の上面が仕切部材232 に当接して停止する。
【0183】図38と同様の状態から、仕切部材232 が
後退され(ステップ43)、仕切部234 上に載っていた硬
貨が一時保留硬貨上に落下して一緒に重積される。な
お、一時保留硬貨の送り込みのない金種別硬貨重積収納
部171 については支承部材185上へ直接、仕切部材232
上の硬貨が落下重積収納される。
【0184】その後、全てのモータM6-1〜M6-6に逆転回
転のパルスが加えられて支持体183が下降され(ステッ
プ44)、支持体183 上の重積硬貨の上面がセンサS6-1〜
S6-6で検知すなわちセンサS6-1〜S6-6が透光状態になっ
た時点から所定パルス分だけモータM6-1〜M6-6が回転さ
れ(ステップ45、46)、重積硬貨の上面が図32に示す
状態の高さ位置で停止される。
【0185】RAM254 のメモリ部258 の全てのメモリ
260a〜260f,261a〜261f,262 ,263a〜263f,264a〜26
4fおよび全てのフラグ265a〜265f,266a〜266f,267 の
内容がクリアされ(ステップ47)、回収分一時保留硬貨
の投出があったか判断される(ステップ48)。このと
き、回収分一時保留硬貨の投出はなく、コンベヤ111 は
駆動されていないので、コンベヤ111 上における硬貨残
留検知も行なわれず、入金処理を終了する。
【0186】また、ステップ41において、第1次一時保
留動作に加えて第2次一時保留動作も行なわれ、オーバ
ーフロー硬貨一括一時保留部86に最大一括一時保留枚数
K以下のオーバーフロー硬貨が一時保留され、一括一時
保留枚数メモリ262 の一括一時保留枚数kに1枚以上の
記憶がある場合(なお、第3次一時保留動作の行なわれ
た金種がないことが前提)には、シュート切換部材135
が硬貨シュート133 上に進出して収納箱131 の受入口13
2 を開口した後(ステップ49)、一括一時保留枚数kに
1枚以上の記憶があるか再確認されてから(ステップ5
0)、可動壁部93が開放されるとともに一時保留円盤88
が回転され(ステップ51)、一時保留円盤88上に一時保
留されたオーバーフロー硬貨が可動壁部93の開放域から
シュート切換部材135 を通じて収納箱131 内に回収され
て収納される。そして、センサS2によって一時保留円盤
88上の硬貨が無くなったことを検知すると、一時保留円
盤88の回転が停止されるとともに可動壁部93が閉じられ
る。
【0187】そして、一時保留円盤88のオーバーフロー
硬貨の回収動作後、第1次一時保留動作により一時保留
された金種(第2次一時保留動作が行なわれた金種を含
む)の各金種別硬貨重積収納部171 内の一時保留硬貨
が、前記ステップ42〜48のように第1次保留動作によっ
て一時保留された一時保留硬貨の収納動作と同じ動作に
より収納動作が行なわれた後、各金種別硬貨重積収納部
171 の支承部材185 上の重積硬貨上面が図32に示す状
態の高さ位置まで下降されて停止される。
【0188】なお、ステップ50で一括一時保留枚数kに
1枚以上の記憶があるか再確認するのは、第2次一時保
留動作を行なわず、第1次一時保留動作のみを行なった
場合に対応するものであり、この場合、オーバーフロー
硬貨一括一時保留部86にオーバーフロー硬貨が収納され
ていないので、ステップ50からステップ52に進み、オー
バーフロー硬貨一括一時保留部86の硬貨送出動作を行な
わない。
【0189】また、ステップ41において、第1次一時保
留動作および第2次一時保留動作に加えて第3次一時保
留動作も行なわれ、オーバーフロー硬貨一括一時保留部
86に最大一括一時保留枚数Kに達したオーバーフロー硬
貨が一時保留されて一括一時保留枚数kに1枚以上の記
憶があり、かつ、金種別一時保留空間171aに回収分一時
保留硬貨が一時保留されて回収分一時保留枚数メモリ26
4a〜264fの回収分一時保留枚数Z1 〜Z6 に1枚以上の
記憶がある場合には、まず、前記ステップ49〜51のよう
に、シュート切換部材135 が硬貨シュート133 上に進出
して収納箱131の受入口152 を開口した後、一括一時保
留枚数kに1枚以上の記憶があるか再確認されてから、
可動壁部93が開放されるとともに一時保留円盤88が回転
され、一時保留円盤88上に一時保留されたオーバーフロ
ー硬貨が可動壁部93の開放域からシュート切換部材135
を通じて収納箱131 内に回収されて収納される。そし
て、センサS2によって一時保留円盤88上の硬貨が無くな
ったことを検知すると、一時保留円盤88の回転が停止さ
れるとともに可動壁部93が閉じられる。
【0190】そして、一時保留円盤88のオーバーフロー
硬貨の回収動作後、全てのモータM6-1〜M6-6に正転方向
の所定パルスが加えられ、支持体183 が上昇されて、図
38の状態と同様に、重積硬貨の上面が仕切部材232 に
当接して押し付けられた状態で停止され、また、一時保
留硬貨のない金種の支承部材185 はその上面が仕切部材
232 に当接して停止される(ステップ53)。その後、回
収分一時保留硬貨のない金種(一時保留硬貨のない金種
を含む)は(ステップ54)、その金種のモータM6-1〜M6
-6のみが所定パルス分逆転され、それらの金種の支承部
材185 上の重積硬貨上面と仕切部材232 との間に硬貨厚
み2枚分の間隔があけられ、また、一時保留硬貨のない
金種は支承部材185 上面と仕切部材232 下面の間に硬貨
厚み2枚分の間隙があけられる(ステップ55)。したが
って、第3次一時保留動作の行なわれた金種のみは、一
時保留硬貨すなわち回収分一時保留硬貨の上面が仕切部
材232 の下面に当接状態にある。
【0191】そして、図38と同様の状態から、前述の
出金時と同様に、モータM7が駆動され(ステップ56)、
投出部材212 が前進、後退されて回収分一時保留硬貨が
金種別硬貨重積収納部171 から投出される。投出される
回収分一時保留硬貨は、センサS10-1 〜S10-6 で検知さ
れ、RAM254 で金種別の投出枚数z1 〜z6 がカウン
トされる(ステップ57)。そして、支持体183 が硬貨1
枚の厚み分だけ上昇され(ステップ58)、金種毎の投出
枚数z1 〜z6 と回収分一時保留枚数Z1 〜Z6 とが一
致したか判断される(ステップ59)。投出枚数z1 〜z
6 が回収分一時保留枚数Z1 〜Z6 に達していない金種
については、投出部材212 による回収分一時保留硬貨の
投出および支持体183 の上昇が繰り返される。
【0192】この第3次一時保留動作が行なわれた金種
が複数あるとすると、回収分一時保留硬貨の回収枚数の
少ない金種については投出部材212 の投出動作が繰り返
されている途中で、投出枚数z1 〜z6 が回収分一時保
留枚数Z1 〜Z6 に達し、その時点で該当金種の支持体
183 は上昇されず、その金種の支承部材185 上の一時保
留硬貨(第1次一時保留動作による一時保留硬貨)上面
と仕切部材232 との間に硬貨厚み1枚の間隙が形成保持
される。第3次一時保留動作が行なわれた他の金種につ
いても同様に、投出枚数z1 〜z6 が回収分一時保留枚
数Z1 〜Z6 に達した時点で、支持体183 は上昇され
ず、支承部材185 上の一時保留硬貨上面と仕切部材232
間に硬貨1枚厚みの間隙が形成保持される。全ての金種
の投出終了後に、モータM7が停止される(ステップ6
0)。
【0193】なお、投出された回収分一時保留硬貨は硬
貨放出用の逆転方向に回転されるコンベヤ111 によって
硬貨シュート133 に放出され、シュート切換部材135 を
通じて収納箱131 に収納される。
【0194】こうして、第3次一時保留動作による回収
分一時保留硬貨が全て投出部材212で投出し終わった
後、モータM6-1〜M6-6が各々所定パルス分正転(回収分
一時保留硬貨の投出が行なわれたモータM6-1〜M6-6につ
いては硬貨1枚厚みに対応するパルス分、他のモータM6
-1〜M6-6は硬貨2枚厚みに対応するパルス分正転)さ
れ、支承部材185 上の一時保留硬貨上面(一時保留硬貨
のない支承部材185 については支承部材185 上面)が仕
切部材232 に当接される(ステップ61)。
【0195】その後は、前記ステップ43〜47のように、
仕切部材232 が金種別硬貨重積収納部171 外へ退避され
ることにより、仕切部材232 上の重積硬貨が支承部材18
5 上の一時保留硬貨上面(一時保留硬貨のない支承部材
185 については支承部材185上面)に乗り移り、続い
て、全てのモータM6-1〜M6-6が逆転され、支承部材185
上の重積硬貨上面がセンサS6-1〜S6-6を通過してから所
定パルス分だけ逆転継続された時点で停止され(そのと
きの重積硬貨上面とセンサS6-1〜S6-6の位置関係は図3
2と同じである)、RAM254 のメモリ部258 の全ての
メモリ260a〜260f,261a〜261f,262 ,263a〜263f,26
4a〜264fおよび全てのフラグ265a〜265f,266a〜266f,
267 の内容がクリアされる。
【0196】そして、回収分一時保留硬貨の投出があっ
たため(ステップ48)、回収分一時保留硬貨が全て投出
された後の所定時間経過後(ステップ62)、コンベヤ11
1 上における硬貨残留検知が行なわれる(ステップ6
3)。すなわち、モータM5の駆動により、可動枠116 が
右方向すなわち第1立位壁114 が第2立位壁115 に接近
する方向に移動し、可動枠116 が所定位置(図13の2
点鎖線位置)まで移動して所定時間以内にセンサS8で検
知されていれば(ステップ64)、硬貨残留がないと判断
され、また、いずれかの第1立位壁114 とそれに対向す
る第2立位壁115 との間に硬貨が挟み込まれ、その結
果、可動枠116 が実線図示位置から2点鎖線図示位置ま
で移動されずに途中で停止し、可動枠116 の検知片部12
1 が所定時間以内にセンサS8で検知されないときには、
硬貨残留があると判断される。
【0197】残留硬貨が検知されない場合は入金完了と
判断し、次の入金または出金処理に備える。また、残留
硬貨が検知された場合は、テラーズマシン18a により残
留硬貨の存在を示す異常表示を行なう(ステップ65)。
【0198】なお、第3次一時保留動作によるオーバー
フロー硬貨および第2次一時保留動作による回収分一時
保留硬貨の収納箱131 への各収納動作の時期は、同時で
もずらしてもよいが、硬貨シュート133 での硬貨詰まり
発生を防ぐ意図から両収納動作の動作時期をずらすこと
が好ましい。
【0199】なお、表4には、前述の入金承認時の動作
を表にしたものを示す。
【0200】
【表4】 第1入金承認動作状態では、第1次一時保留動作で金種
別一時保留空間171aに一時保留された収納可能一時保留
枚数X1 〜X6 の一時保留硬貨を金種別硬貨重積収納部
171 に収納する。
【0201】第2入金承認動作状態では、第2一時保留
動作でオーバーフロー硬貨一括一時保留部86に一括一時
保留された一括一時保留枚数kのオーバーフロー硬貨を
収納箱131 に収納し、第1次一時保留動作で金種別一時
保留空間171aに一時保留された収納可能一時保留枚数X
1 〜X6 の一時保留硬貨を金種別硬貨重積収納部171に
収納する。
【0202】第3入金承認動作状態では、第3次一時保
留動作で金種別一時保留空間171aに一時保留された回収
分一時保留枚数Z2 ,Z3 の回収分一時保留硬貨を投出
して収納箱131 に収納し、第2一時保留動作でオーバー
フロー硬貨一括一時保留部86に一括一時保留された一括
一時保留枚数kのオーバーフロー硬貨を収納箱131 に収
納し、第1次一時保留動作で金種別一時保留空間171aに
一時保留された収納可能一時保留枚数X1 〜X6 の一時
保留硬貨を金種別硬貨重積収納部171 に収納する。
【0203】一方、テラーズマシン18a によって入金不
承認操作が行なわれると、シュート切換部材135 が収納
箱131 の受入口152 を閉塞して硬貨シュート133 が開口
された後(ステップ71)、RAM254 の一括一時保留枚
数メモリ262 の一括一時保留枚数kに1枚以上の記憶が
あるか判断される(ステップ72)。
【0204】一括一時保留枚数kに1枚以上の記憶があ
る場合には可動壁部93が開放されるとともに一時保留円
盤88が回転され(ステップ73)、一時保留円盤88上に一
時保留されたオーバーフロー硬貨が可動壁部93の開放域
からシュート切換部材135 を通じて収納箱131 内に回収
されて収納される。そして、センサS2によって一時保留
円盤88上の硬貨が無くなったことを検知すると、一時保
留円盤88の回転が停止されるとともに可動壁部93が閉じ
られる。
【0205】また、全てのモータM6-1〜M6-6に正転方向
の所定パルスが加えられ、支持体183 が上昇されて、図
38の状態と同様に、重積硬貨の上面が仕切部材232 に
当接して押し付けられた状態で停止され、また、一時保
留硬貨のない金種の支承部材185 はその上面が仕切部材
232 に当接して停止される(ステップ74)。その後、一
時保留硬貨のない金種は(ステップ75)、図38と同様
の状態から、その金種のモータM6-1〜M6-6のみが所定パ
ルス分逆転され、その金種の支承部材185 が硬貨厚み2
枚分下降されて停止される(ステップ76)。
【0206】そして、図38と同様の状態から、前述の
出金時と同様に、モータM7が駆動され(ステップ77)、
投出部材212 が前進、後退されて一時保留硬貨が金種別
硬貨重積収納部171 から投出される。投出される一時保
留硬貨はセンサS10-1 〜S10-6 で検知され、RAM254
で金種別の投出枚数w1 〜w6 がカウントされる(ステ
ップ78)。そして、支持体183 が硬貨1枚の厚み分だけ
上昇され(ステップ79)、金種毎の投出枚数w1 〜w6
と一時保留枚数x1 〜x6 とが一致したか判断される
(ステップ80)。投出枚数w1 〜w6 が一時保留枚数x
1 〜x6 に達していない金種については、投出部材212
による一時保留硬貨の投出および支持体183 の上昇が繰
り返される。
【0207】一時保留動作が行なわれた金種が複数ある
とすると、一時保留硬貨の枚数の少ない金種については
投出部材212 の投出動作が繰り返されている途中で、投
出枚数w1 〜w6 が一時保留枚数x1 〜x6 に達し、そ
の時点で該当金種の支持体183 は上昇されず、その金種
の支承部材185 と仕切部材232 との間に硬貨厚み1枚の
間隙が形成保持される。一時保留動作が行なわれた他の
金種についても同様に、投出枚数w1 〜w6 が一時保留
枚数x1 〜x6 に達した時点で、支持体183 は上昇され
ず、その金種の支承部材185 と仕切部材232 間に硬貨1
枚厚みの間隙が形成保持される。全ての金種の投出終了
後に、モータM7が停止される(ステップ81)。
【0208】投出された一時保留硬貨は硬貨放出用の逆
転方向に回転されるコンベヤ111 によって硬貨シュート
133 に放出され、収納箱131 の受入口132 を閉じている
シュート切換部材135 を通じて、硬貨シュート133 のシ
ュート出口134 からカルトン挿入部9に挿入されている
カルトン8に放出される。
【0209】なお、一時保留硬貨全てが投出され終わっ
た時点では、投出動作がなされた金種の支承部材185 と
仕切部材232 の間には硬貨厚み1枚間隙、また投出動作
のなされない金種の支承部材185 と仕切部材232 の間に
は硬貨厚み2枚間隙があけられている。
【0210】そして、モータM6-1〜M6-6が所定パルス正
転(投出動作のなされた金種のモータM6-1〜M6-6につい
ては硬貨厚み1枚分、投出動作のなされなかった金種の
モータM6-1〜M6-6は硬貨厚み2枚分に対応するパルス分
正転)され(ステップ82)、各支持体183 の各検知片20
5 が各センサS4-1〜S4-6で検知された時点で(ステップ
83)、支承部材185 上面が仕切部材232 に当接されると
ともに、仕切部材232が金種別硬貨重積収納部171 から
後退される(ステップ84)。それにより、仕切部材232
上の重積硬貨は支承部材185 上に乗り移る。
【0211】その後、全てのモータM6-1〜M6-6に逆転回
転のパルスが加えられて支持体183が下降され(ステッ
プ85)、支持体183 上の重積硬貨の上面がセンサS6-1〜
S6-6で検知すなわちセンサS6-1〜S6-6が透光状態になっ
た時点から所定パルス分だけモータM6-1〜M6-6が回転さ
れ(ステップ86、87)、重積硬貨の上面が図32に示す
状態の高さ位置で停止される。
【0212】RAM254 のメモリ部258 の全てのメモリ
260a〜260f,261a〜261f,262 ,263a〜263f,264a〜26
4fおよび全てのフラグ265a〜265f,266a〜266f,267 の
内容がクリアされる(ステップ88)。
【0213】そして、センサS10-1 〜S10-6 で最後に投
出された一時保留硬貨を検知した時点から所定時間経過
後(ステップ89)、コンベヤ111 上における硬貨残留検
知が行なわれる(ステップ90)。すなわち、モータM5の
駆動により、可動枠116 が右方向すなわち第1立位壁11
4 が第2立位壁115 に接近する方向に移動し、可動枠11
6 が所定位置(図13の2点鎖線位置)まで移動して所
定時間以内にセンサS8で検知されていれば(ステップ9
1)、硬貨残留がないと判断され、また、いずれかの第
1立位壁114 とそれに対向する第2立位壁115 との間に
硬貨が挟み込まれ、その結果、可動枠116 が実線図示位
置から2点鎖線図示位置まで移動されずに途中で停止
し、可動枠116 の検知片部121 が所定時間以内にセンサ
S8で検知されないときには、硬貨残留があると判断され
る。
【0214】残留硬貨が検知されない場合は入金処理完
了と判断し、次の入金または出金処理に備える。また、
残留硬貨が検知された場合は、テラーズマシン18a によ
り残留硬貨の存在を示す異常表示を行なう(ステップ9
2)。
【0215】なお、表5には、前述の入金不承認時の動
作を表にしたものを示す。
【0216】
【表5】 第1入金不承認動作状態では、第1次一時保留動作で金
種別一時保留空間171aに一時保留された収納可能一時保
留枚数X1 〜X6 の一時保留硬貨をカルトン8に返却す
る。
【0217】第2入金不承認動作状態では、第2次一時
保留動作でオーバーフロー硬貨一括一時保留部86に一括
一時保留された一括一時保留枚数kのオーバーフロー硬
貨をカルトン8に返却し、第1次一時保留動作で金種別
一時保留空間171aに一時保留された収納可能一時保留枚
数X1 〜X6 の一時保留硬貨をカルトン8に返却する。
【0218】第3入金不承認動作状態では、第3次一時
保留動作で金種別一時保留空間171aに一時保留された回
収分一時保留枚数Z2 ,Z3 の回収分一時保留硬貨を投
出してカルトン8に返却し、第2次一時保留動作でオー
バーフロー硬貨一括一時保留部86に一括一時保留された
一括一時保留枚数kのオーバーフロー硬貨をカルトン8
に返却し、第1次一時保留動作で金種別一時保留空間17
1aに一時保留された収納可能一時保留枚数X1 〜X6 の
一時保留硬貨をカルトン8に返却する。
【0219】次に、出金が連続するなどして金種別硬貨
重積収納部171 に収納されている硬貨量が残りわずかに
減少したり無くなった場合に、硬貨の途中補充が行なわ
れる。この途中補充時は、前述の入金硬貨の一時保留お
よび入金承認動作と同様に行なわれる。
【0220】次に、テラーズマシン18a で硬貨回収釦を
操作することにより、回収処理が行なわれる。この回収
処理時は、前述の投出動作と同様にして各金種別硬貨重
積収納部171 から硬貨がコンベヤ111 上へ順次投出さ
れ、このコンベヤ111 から放出されてシュート切換部材
135 を介して収納箱131 に収納される。
【0221】金種別硬貨重積収納部171 の全ての硬貨が
収納箱131 に収納された後、引出枠体7を機体1から前
方へ引き出し、この引出枠体7から収納箱131 を上方へ
取り外して回収する。
【0222】なお、前記実施の形態では投出部材212 の
定位置を金種別硬貨重積収納部171からの退避位置とす
るが、金種別硬貨重積収納部171 への進出位置を定位置
とし、投出時には、この投出部材212 を金種別硬貨重積
収納部171 外へ退避させたのちに金種別硬貨重積収納部
171 内へ進出させることによって硬貨を1枚投出し、そ
の投出状態(金種別硬貨重積収納部171 内への進出状
態)を定位置として停止させるようにしてもよい。この
場合は、仕切部材232 の進出時に投出部材212 も一緒に
金種別硬貨重積収納部171 内へ進出させ、硬貨投出時の
支持体183 の上昇位置はそのとき投出部材212 下面に支
承部材185 上の重積硬貨上面が当接する高さ位置とす
る。
【0223】また、金別硬貨重積収納部171 の最大収納
枚数M1 〜M6 および最大一時保留枚数N1 〜N6 は、
全ての金種とも一定値に設定してもよいし、金種毎に別
の値に設定してもよく、あるいは変更設定できるように
してもよい。また、オーバーフロー硬貨一括一時保留部
86の最大一括一時保留枚数Kも、固定値でも変更設定で
きるようにしてもよい。
【0224】また、第2次一時保留動作によってオーバ
ーフロー硬貨一括一時保留部86に一括一時保留されるオ
ーバーフロー硬貨と第3次一時保留動作によって金別硬
貨重積収納部171 に一時保留される回収分一時保留硬貨
とは、入金承認時の収納場所は同一の収納箱131 でもよ
いし、別の回収箱に回収するようにしてもよい。
【0225】本発明、特に、請求項1記載の発明は、本
実施の形態に限定されるものではない。例えば、第1次
一時保留動作で金種別一時保留空間171aへ一時保留され
る硬貨量が収納可能一時保留枚数Y1 〜Yn に達した場
合に引き続きこの金種別一時保留空間171aへ回収分一時
保留硬貨を一時保留させ、回収分一時保留枚数Z1 〜Z
n がフル(収納可能一時保留枚数Y1 〜Yn と回収分一
時保留枚数Z1 〜Znが最大枚数N1 〜Nn に達したと
き)になったときに、それ以降の一時保留硬貨を一時保
留円盤88へ送り込むようにしてもよい。この場合は、第
1次一時保留動作、第3次一時保留動作、第2次一時保
留動作の順序をとる。また、一時保留円盤88による一時
保留をなくし、第1次一時保留動作、第3次一時保留動
作の二段階のみにしてもよい。
【0226】
【発明の効果】請求項1記載の硬貨入出金装置によれ
ば、入金一時保留時に、支持体を仕切部材の高さ位置ま
で上昇させるとともに仕切部材を進出させて重積硬貨を
金種別硬貨重積収納部の上部側に仕切りかつこの仕切り
後に支持体を下降させて金種別硬貨重積収納部の下部側
に金種別一時保留空間を形成させるため、硬貨重積収納
部の下部側を金種別一時保留空間として兼用して一時保
留専用の金種別一時保留空間を設けずにすみ、硬貨くず
れが生じることなく一時保留できるとともに、一時保留
空間の大きさを可変して一時保留硬貨の硬貨量に対応で
きる。さらに、入金一時保留時に、金種別一時保留空間
に収納可能一時保留枚数を越える硬貨も回収分一時保留
硬貨として一時保留可能とし、かつ、入金承認時に、回
収分一時保留硬貨があるときは金種別一時保留空間から
回収分一時保留硬貨を投出させて回収させた後、金種別
一時保留空間の一時保留硬貨を収納させるため、金種別
一時保留空間に収納可能一時保留枚数分の硬貨と回収分
一時保留硬貨を一緒に一時保留させて、一時保留硬貨量
を多くすることができ、入金硬貨量が多い場合でも入金
処理を行なえる。
【0227】請求項2記載の硬貨入出金装置によれば、
入金一時保留時に、支持体を仕切部材の高さ位置まで上
昇させるとともに仕切部材を進出させて重積硬貨を金種
別硬貨重積収納部の上部側に仕切りかつこの仕切り後に
支持体を下降させて金種別硬貨重積収納部の下部側に金
種別一時保留空間を形成させるため、硬貨重積収納部の
下部側を金種別一時保留空間として兼用して一時保留専
用の金種別一時保留空間を設けずにすみ、硬貨くずれが
生じることなく一時保留できるとともに、一時保留空間
の大きさを可変して一時保留硬貨の硬貨量に対応でき
る。さらに、入金一時保留時に、金種別一時保留空間に
硬貨を収納可能一時保留枚数まで一時保留させ、金種別
一時保留空間の一時保留枚数が収納可能一時保留枚数に
達したときはその金種のそれ以降の硬貨をオーバーフロ
ー硬貨としてオーバーフロー硬貨一括一時保留部に一時
保留させ、オーバーフロー硬貨一括一時保留部の一括一
時保留枚数kが最大一括一時保留枚数Kに達したときは
それ以後の硬貨を回収分一時保留硬貨として金種別一時
保留空間に一時保留可能とし、かつ、入金承認時に、オ
ーバーフロー硬貨があるときはオーバーフロー硬貨一括
一時保留部からオーバーフロー硬貨を回収させるととも
に、回収分一時保留硬貨があるときは金種別一時保留空
間の回収分一時保留硬貨を投出させて回収させた後、金
種別一時保留空間の一時保留硬貨を収納させるため、金
種別一時保留空間に収納可能一時保留枚数分の硬貨と回
収分一時保留硬貨を一緒に一時保留させて、一時保留硬
貨量を多くすることができ、入金硬貨量が多い場合でも
入金処理を行なえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の硬貨入出金装置を循環式硬貨入出金機
に適用した一実施の形態を示す循環式硬貨入出金機を右
側面方向から視る断面図である。
【図2】同上実施の形態の循環式硬貨入出金機の一部の
平面図である。
【図3】同上実施の形態の循環式硬貨入出金機の引出枠
体を表した一部の平面図である。
【図4】同上実施の形態の循環式硬貨入出金機の引出枠
体の平面図である。
【図5】同上実施の形態の循環式硬貨入出金機の斜視図
である。
【図6】同上実施の形態の硬貨通路の平面図である。
【図7】同上実施の形態の近似径小金種硬貨分岐部を示
し、(a) は側面図、(b) は硬貨通過時の説明図、(c) は
硬貨分岐時の説明図である。
【図8】同上実施の形態の近似径小金種硬貨分岐部の平
面図である。
【図9】同上実施の形態のオーバーフロー硬貨一括一時
保留部の平面図である。
【図10】同上実施の形態のオーバーフロー硬貨一括一
時保留部の断面図である。
【図11】同上実施の形態のオーバーフロー硬貨一括一
時保留部の一部の断面図である。
【図12】同上実施の形態のオーバーフロー硬貨一括一
時保留部の可動壁部を開閉する開閉機構の側面図であ
る。
【図13】同上実施の形態の残留硬貨検知機構の平面図
である。
【図14】同上実施の形態の残留硬貨検知機構の一部の
正面図である。
【図15】同上実施の形態のカルトン挿入位置検知機構
およびカルトンロック機構の平面図である。
【図16】同上実施の形態のカルトン挿入位置検知機構
の斜視図である。
【図17】同上実施の形態のカルトンロック機構の斜視
図である。
【図18】同上実施の形態のカルトン挿入位置検知機構
およびカルトンロック機構に対するカルトン挿入前の状
態の説明図である。
【図19】同上実施の形態のカルトン挿入位置検知機構
およびカルトンロック機構に対するカルトン挿入後の状
態の説明図である。
【図20】同上実施の形態の金種別硬貨重積収納部の上
部筒を示し、(a) は前面側から視る斜視図、(b) は後面
側から視る斜視図である。
【図21】同上実施の形態の金種別硬貨重積収納部の下
部筒を示す斜視図である。
【図22】同上実施の形態の金種別硬貨支持機構の平面
図である。
【図23】同上実施の形態の金種別硬貨重積収納部を右
側面側から視る一部の断面図である。
【図24】同上実施の形態の金種別硬貨重積収納部を前
面側から視る一部の断面図である。
【図25】同上実施の形態の制御系のブロック図であ
る。
【図26】同上実施の形態のROMのメモリマップであ
る。
【図27】同上実施の形態のRAMのメモリマップであ
る。
【図28】同上実施の形態のRAMのメモリ部のメモリ
マップである。
【図29】同上実施の形態のRAMのフラグ部のメモリ
マップである。
【図30】同上実施の形態の硬貨を収納していないとき
の金種別硬貨重積収納部の一部の断面図である。
【図31】同上実施の形態の初期補充時の金種別硬貨重
積収納部の一部の断面図である。
【図32】同上実施の形態の硬貨収納状態の金種別硬貨
重積収納部の一部の断面図である。
【図33】同上実施の形態の硬貨投出時の金種別硬貨重
積収納部の一部の断面図である。
【図34】同上実施の形態の硬貨入金時の金種別硬貨重
積収納部の一部の断面図である。
【図35】同上実施の形態の硬貨入金時の金種別硬貨重
積収納部の一部の断面図である。
【図36】同上実施の形態の硬貨入金時に金種別一時保
留空間を形成した状態の金種別硬貨重積収納部の一部の
断面図である。
【図37】同上実施の形態の硬貨入金時の一時保留状態
の金種別硬貨重積収納部の一部の断面図である。
【図38】同上実施の形態の硬貨入金時の一時保留硬貨
の収納または返却動作を行なう状態の金種別硬貨重積収
納部の一部の断面図である。
【図39】同上実施の形態の入金一時保留動作のフロー
チャートである。
【図40】同上実施の形態の図39に続く入金一時保留
動作のフローチャートである。
【図41】同上実施の形態の入金承認動作のフローチャ
ートである。
【図42】同上実施の形態の図41に続く入金承認動作
のフローチャートである。
【図43】同上実施の形態の入金不承認動作のフローチ
ャートである。
【図44】同上実施の形態の図43に続く入金不承認動
作のフローチャートである。
【符号の説明】
86 オーバーフロー硬貨一括一時保留部 171 金種別硬貨重積収納部 171a 金種別一時保留部 174 硬貨投出口 180 硬貨受入口 182 金種別硬貨支持機構 183 支持体 211 金種別硬貨投出機構 212 投出部材 231 金種別仕切機構 232 仕切部材 251 出金制御手段、一時保留制御手段、収納回収制御
手段、返却制御手段の機能を有する制御部 253 第1記憶部としてのROM 254 第2記憶部としてのRAM
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−225412(JP,A) 特開 昭61−182192(JP,A) 特開 平7−93629(JP,A) 特開 平1−217692(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G07D 1/00 - 3/16 G07D 9/00 - 9/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金種別に各々設けられ、硬貨受入口およ
    びこの硬貨受入口の上部に位置される硬貨投出口を有
    し、これら硬貨受入口および硬貨投出口の上下方向にわ
    たって形成される金種別硬貨重積収納部と、 この金種別硬貨重積収納部に収納される重積硬貨を上部
    に支持して上下動する支持体を有する金種別硬貨支持機
    構と、 前記金種別硬貨重積収納部の硬貨投出口形成域の上部に
    対して進退移動し、支持体上の重積硬貨を上部に仕切る
    仕切部材を有する金種別仕切機構と、 前記仕切部材の下部位置において前記金種別硬貨重積収
    納部内に対して進退移動し、支持体上の重積硬貨の最上
    位硬貨を前記硬貨投出口から投出する投出部材を有する
    金種別硬貨投出機構と、 前記支持体上の重積硬貨を仕切部材の上部に仕切った際
    に金種別硬貨重積収納部内の仕切部材の下部と入金硬貨
    受入位置の支持体との間に形成され、入金硬貨を受け入
    れて一時保留する金種別一時保留空間と、 前記金種別硬貨重積収納部に収納可能な最大収納枚数、
    前記金種別一時保留空間に一時保留可能な最大一時保留
    枚数を各々記憶する第1記憶部と、 前記金種別硬貨重積収納部に収納されている既収納枚
    数、前記金種別一時保留空間に一時保留される一時保留
    枚数、前記最大収納枚数と既収納枚数との差の枚数に相
    当する金種別硬貨重積収納部に収納可能な収納可能一時
    保留枚数、収納可能一時保留枚数を越えて金種別一時保
    留空間に一時保留される硬貨を回収分一時保留硬貨とし
    て回収分一時保留枚数を各々記憶する第2記憶部と、 出金時に、前記金種別硬貨重積収納部内に仕切部材を進
    出させるとともに支持体を上昇させて重積硬貨を仕切部
    材に押圧させた状態で投出部材によって投出させる出金
    制御手段と、 入金一時保留時に、前記支持体を仕切部材の高さ位置ま
    で上昇させるとともに仕切部材を進出させて重積硬貨を
    金種別硬貨重積収納部の上部側に仕切りかつこの仕切り
    後に支持体を下降させて金種別硬貨重積収納部の下部側
    に形成される金種別一時保留空間に硬貨を最大一時保留
    枚数まで一時保留させる一時保留制御手段と、 入金承認時に、前記回収分一時保留枚数の記憶があると
    きは仕切部材による仕切状態においてその回収分一時保
    留枚数分の硬貨を投出部材で投出させて回収させた後、
    金種別一時保留空間の一時保留硬貨を仕切部材の退避に
    よって収納させる収納回収制御手段と、 入金不承認時に、前記金種別一時保留空間の一時保留硬
    貨を全て投出部材で投出させて返却させる返却制御手段
    とを具備していることを特徴とする硬貨入出金装置。
  2. 【請求項2】 入金硬貨を金種別に一時保留するととも
    に、一時保留硬貨量が最大となったときにその金種のそ
    れ以降の硬貨をオーバーフロー硬貨としてオーバーフロ
    ー硬貨一括一時保留部に一時保留し、入金承認時には一
    時保留硬貨を収納するとともにオーバーフロー硬貨を回
    収し、入金不承認時には一時保留硬貨およびオーバーフ
    ロー硬貨を返却し、かつ、出金指令時には収納された硬
    貨を出金する硬貨入出金機において、 金種別に各々設けられ、硬貨受入口およびこの硬貨受入
    口の上部に位置される硬貨投出口を有し、これら硬貨受
    入口および硬貨投出口の上下方向にわたって形成される
    金種別硬貨重積収納部と、 この金種別硬貨重積収納部に収納される重積硬貨を上部
    に支持して上下動する支持体を有する金種別硬貨支持機
    構と、 前記金種別硬貨重積収納部の硬貨投出口形成域の上部に
    対して進退移動し、支持体上の重積硬貨を上部に仕切る
    仕切部材を有する金種別仕切機構と、 前記仕切部材の下部位置において前記金種別硬貨重積収
    納部内に対して進出移動し、支持体上の重積硬貨の最上
    位硬貨を前記硬貨投出口から投出する投出部材を有する
    金種別硬貨投出機構と、 前記支持体上の重積硬貨を仕切部材の上部に仕切った際
    に金種別硬貨重積収納部内の仕切部材の下部と入金硬貨
    受入位置の支持体との間に形成され、入金硬貨を受け入
    れて一時保留する金種別一時保留空間と、 前記金種別硬貨重積収納部に収納可能な最大収納枚数、
    前記金種別一時保留空間に一時保留可能な最大一時保留
    枚数、前記オーバーフロー硬貨一括一時保留部に一時保
    留可能な最大一括一時保留枚数を各々記憶する第1記憶
    部と、 前記金種別硬貨重積収納部に収納されている既収納枚
    数、前記金種別一時保留空間に一時保留される一時保留
    枚数、前記オーバーフロー硬貨一括一時保留部に一時保
    留される一括一時保留枚数、前記最大収納枚数と既収納
    枚数との差の枚数に相当する金種別硬貨重積収納部に収
    納可能な収納可能一時保留枚数、収納可能一時保留枚数
    を越えて金種別一時保留空間に一時保留される硬貨を回
    収分一時保留硬貨として回収分一時保留枚数を各々記憶
    する第2記憶部と、 出金時に、前記金種別硬貨重積収納部内に仕切部材を進
    出させるとともに支持体を上昇させて重積硬貨を仕切部
    材に押圧させた状態で投出部材によって投出させる出金
    制御手段と、 入金一時保留時に、前記支持体を仕切部材の高さ位置ま
    で上昇させるとともに仕切部材を進出させて重積硬貨を
    金種別硬貨重積収納部の上部側に仕切りかつこの仕切り
    後に支持体を下降させて金種別硬貨重積収納部の下部側
    に形成される金種別一時保留空間に硬貨を収納可能一時
    保留枚数まで一時保留させ、金種別一時保留空間の一時
    保留枚数が収納可能一時保留枚数に達したときはその金
    種のそれ以降の硬貨をオーバーフロー硬貨としてオーバ
    ーフロー硬貨一括一時保留部に一時保留させ、オーバー
    フロー硬貨一括一時保留部の一括一時保留枚数が最大一
    括一時保留枚数に達したときはそれ以後の硬貨を回収分
    一時保留硬貨として金種別一時保留空間に収納可能一時
    保留枚数と回収分一時保留枚数の合計枚数が最大一時保
    留枚数になるまで一時保留させる一時保留制御手段と、 入金承認時に、前記一括一時保留枚数の記憶があるとき
    はオーバーフロー硬貨一括一時保留部からオーバーフロ
    ー硬貨を回収させるとともに、前記回収分一時保留枚数
    の記憶があるときは仕切部材による仕切状態においてそ
    の回収分一時保留枚数分の回収分一時保留硬貨を投出部
    材で投出させて回収させた後、金種別一時保留空間の一
    時保留硬貨を仕切部材の退避によって収納させる収納回
    収制御手段と、 入金不承認時に、前記金種別一時保留空間に一時保留さ
    れた硬貨を全て投出部材で投出させて返却させるととも
    に、一括一時保留枚数の記憶があるときはオーバーフロ
    ー硬貨一括一時保留部に一時保留された硬貨を全て返却
    させる返却制御手段とを具備していることを特徴とする
    硬貨入出金装置。
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