JP3366985B2 - 制振材 - Google Patents
制振材Info
- Publication number
- JP3366985B2 JP3366985B2 JP24400096A JP24400096A JP3366985B2 JP 3366985 B2 JP3366985 B2 JP 3366985B2 JP 24400096 A JP24400096 A JP 24400096A JP 24400096 A JP24400096 A JP 24400096A JP 3366985 B2 JP3366985 B2 JP 3366985B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- damping material
- damping
- paper
- impregnated paper
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Vibration Prevention Devices (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制振材に関し、特
に、加熱融着型の複層制振材で、油面に接着することが
可能で自己接着性を有する自動車用の制振材であって、
自動車工場のボディショップと呼ばれる鋼板成型段階で
の施工により、鋼板の油面に接着され、その後の工程で
ある鋼板表面の化成処理、電着塗装、電着炉焼き付け、
中塗、上塗各層の塗装焼き付け工程においても、端部立
上り、脱落等の不具合の発生の無い制振材に関する。
に、加熱融着型の複層制振材で、油面に接着することが
可能で自己接着性を有する自動車用の制振材であって、
自動車工場のボディショップと呼ばれる鋼板成型段階で
の施工により、鋼板の油面に接着され、その後の工程で
ある鋼板表面の化成処理、電着塗装、電着炉焼き付け、
中塗、上塗各層の塗装焼き付け工程においても、端部立
上り、脱落等の不具合の発生の無い制振材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車各部には、瀝青系、ゴ
ム系、樹脂系等の各種バインダーに各種の充填材を混練
し、シート状にした制振材を、自動車の施工部分形状に
合わせて成形し施工されている。これらの制振材は、通
常、加熱融着型であり、自動車の外側形状が略形成さ
れ、鋼板表面の化成処理、及び電着塗装、同焼き付けが
完了した段階で、フロア部分、ダッシュ部分等の必要な
箇所に載置、又は仮接着されて、その後の中塗塗装とそ
の加熱乾燥炉の通過の際の熱によって自動車鋼板に熱融
着する。
ム系、樹脂系等の各種バインダーに各種の充填材を混練
し、シート状にした制振材を、自動車の施工部分形状に
合わせて成形し施工されている。これらの制振材は、通
常、加熱融着型であり、自動車の外側形状が略形成さ
れ、鋼板表面の化成処理、及び電着塗装、同焼き付けが
完了した段階で、フロア部分、ダッシュ部分等の必要な
箇所に載置、又は仮接着されて、その後の中塗塗装とそ
の加熱乾燥炉の通過の際の熱によって自動車鋼板に熱融
着する。
【0003】しかしながら、自動車の制振特性を向上さ
せる研究が進行するにつれ、従来からの施工箇所以外に
も、なんらかの制振対策を施す必要が生じてきた。例え
ば、ホイルハウス部、リアクォーターピラー部、ドアの
外板裏側部等である。しかしながら、これらの施工箇所
は、従来からの施工方法では既に自動車の構造上貼付作
業が困難であるために、貼付作業が可能なボディショッ
プの段階で施工する必要があった。但し、この段階では
自動車用鋼板の表面には、防錆のための油が付着してお
り、制振材を接着するためには、油面への自己接着性
や、その後の工程である油面洗浄・脱脂、化成処理、電
着塗装及び乾燥等の工程で、接着状態に異状が発生しな
い耐久性が要求されるが、これらの問題をクリアするの
は困難であったのが現状である。当該制振材にあって
は、上記のような特性、性能の具備が要求される一方、
基本的には、制振効果に優れ、ドアを閉じた時や走行中
の振動減衰効果に優れ、曲面等への追従性(追従密着
性)に優れ、耐水性に優れる等各種の特性、性能に優れ
ていることが要求され、当該制振材を構成する拘束材に
あっては、制振材の振動による変形を拘束し、制振材に
剪断変形作用を起こさせ大きな損失係数を付与する上で
その拘束効果に優れたものであることが要求される。制
振効果、拘束効果という点では、自動車用鋼板の表面に
貼付するものとして、特公昭62−11670号公報に
は、粘着性を有するシート状の第1の熱硬化性樹脂層
と、この層に積層されてこの層との間に中空部が生じる
ような形状に賦形加工された繊維基材を有する第2の熱
硬化性樹脂層とからなる積層補強材が記載されている
が、このものは、その構造上補強材とはなり得ても、制
振効果がなく、上記のような制振材とはなり難いもので
ある。
せる研究が進行するにつれ、従来からの施工箇所以外に
も、なんらかの制振対策を施す必要が生じてきた。例え
ば、ホイルハウス部、リアクォーターピラー部、ドアの
外板裏側部等である。しかしながら、これらの施工箇所
は、従来からの施工方法では既に自動車の構造上貼付作
業が困難であるために、貼付作業が可能なボディショッ
プの段階で施工する必要があった。但し、この段階では
自動車用鋼板の表面には、防錆のための油が付着してお
り、制振材を接着するためには、油面への自己接着性
や、その後の工程である油面洗浄・脱脂、化成処理、電
着塗装及び乾燥等の工程で、接着状態に異状が発生しな
い耐久性が要求されるが、これらの問題をクリアするの
は困難であったのが現状である。当該制振材にあって
は、上記のような特性、性能の具備が要求される一方、
基本的には、制振効果に優れ、ドアを閉じた時や走行中
の振動減衰効果に優れ、曲面等への追従性(追従密着
性)に優れ、耐水性に優れる等各種の特性、性能に優れ
ていることが要求され、当該制振材を構成する拘束材に
あっては、制振材の振動による変形を拘束し、制振材に
剪断変形作用を起こさせ大きな損失係数を付与する上で
その拘束効果に優れたものであることが要求される。制
振効果、拘束効果という点では、自動車用鋼板の表面に
貼付するものとして、特公昭62−11670号公報に
は、粘着性を有するシート状の第1の熱硬化性樹脂層
と、この層に積層されてこの層との間に中空部が生じる
ような形状に賦形加工された繊維基材を有する第2の熱
硬化性樹脂層とからなる積層補強材が記載されている
が、このものは、その構造上補強材とはなり得ても、制
振効果がなく、上記のような制振材とはなり難いもので
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、制振
材就中拘束材として優れた特性、性能を有し、かつ、油
面の鋼板に接着可能である自己接着性を有し、その後の
塗装工程においても剥がれ、脱落等の異状が発生しない
耐久性を有する制振材を開発することにある。本発明の
他の目的は、本明細書全体の記述及び添附図面の記載か
らも明らかになるであろう。
材就中拘束材として優れた特性、性能を有し、かつ、油
面の鋼板に接着可能である自己接着性を有し、その後の
塗装工程においても剥がれ、脱落等の異状が発生しない
耐久性を有する制振材を開発することにある。本発明の
他の目的は、本明細書全体の記述及び添附図面の記載か
らも明らかになるであろう。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、粘着層と拘束
層とからなり、当該拘束層が紙に樹脂を含浸してなる樹
脂含浸紙で、当該制振材が自己接着性を有してなること
を特徴とする制振材に存し、好ましい実施態様として、
樹脂含浸紙における紙に対する樹脂の含浸量が、10g
/m2〜500g/m2であること、又、樹脂含浸紙の
ヤング率が、2.0x1010〜2.0x1011dy
ne/cm2であることを特徴とする。
層とからなり、当該拘束層が紙に樹脂を含浸してなる樹
脂含浸紙で、当該制振材が自己接着性を有してなること
を特徴とする制振材に存し、好ましい実施態様として、
樹脂含浸紙における紙に対する樹脂の含浸量が、10g
/m2〜500g/m2であること、又、樹脂含浸紙の
ヤング率が、2.0x1010〜2.0x1011dy
ne/cm2であることを特徴とする。
【0006】本発明に使用される拘束層としては、紙に
樹脂を含浸してなる樹脂含浸紙が挙げられ、当該樹脂含
浸紙としては、紙に、ポリエステル、アクリル、フェノ
ール、エポキシ、塩化ビニル、アミノアルキッド、メラ
ミン等各種樹脂を含浸させてなるものを使用し得る。
樹脂を含浸してなる樹脂含浸紙が挙げられ、当該樹脂含
浸紙としては、紙に、ポリエステル、アクリル、フェノ
ール、エポキシ、塩化ビニル、アミノアルキッド、メラ
ミン等各種樹脂を含浸させてなるものを使用し得る。
【0007】紙に適宜選択された樹脂を含浸する方法に
関しては、特に限定はなく、従来公知の方法例えばディ
ッピングローラ、スプレー等が適用できる。液状化され
た樹脂にロール状の紙を浸漬させ、引き上げた後、吸水
ローラー等によって余分の樹脂を吸収し、要すれば、加
熱により乾燥させればよい。
関しては、特に限定はなく、従来公知の方法例えばディ
ッピングローラ、スプレー等が適用できる。液状化され
た樹脂にロール状の紙を浸漬させ、引き上げた後、吸水
ローラー等によって余分の樹脂を吸収し、要すれば、加
熱により乾燥させればよい。
【0008】紙に対する樹脂の含浸量は、10g/m2
〜500g/m2好ましくは20g/m2〜100g/
m2の範囲が好ましい。10g/m2未満の含浸量であ
ると充分な剛性が顕現されず、粘着層に対して必要な拘
束効果が得られ難く、500g/m2を超えて含浸した
場合には、その形状に追従しきれずに、端部が粘着層か
ら剥れてしまう不具合が発生する虞れがある。
〜500g/m2好ましくは20g/m2〜100g/
m2の範囲が好ましい。10g/m2未満の含浸量であ
ると充分な剛性が顕現されず、粘着層に対して必要な拘
束効果が得られ難く、500g/m2を超えて含浸した
場合には、その形状に追従しきれずに、端部が粘着層か
ら剥れてしまう不具合が発生する虞れがある。
【0009】樹脂含浸紙の望ましい物性として、ヤング
率が挙げられる。樹脂含浸紙のヤング率が、2.0x1
010〜2.0x1011dyne/cm2の範囲であ
ることが望ましい。樹脂含浸紙のヤング率が、2.0x
1010未満であると、制振材の拘束層として必要な物
性が顕現されない可能性がある。すなわち、発生した振
動に対して、粘着層との間にズリ歪みを起こすことがで
きないため、効果的な振動減衰効果が得られ難い。一
方、樹脂含浸紙のヤング率が2.0x1011dyne
/cm2を超えると、被制振面が曲面である場合に充分
な追従がなされずに、貼り付け作業が困難であったり、
貼り付け後に拘束層端部が粘着層から剥離してしまう等
の不具合が発生する可能性がある。
率が挙げられる。樹脂含浸紙のヤング率が、2.0x1
010〜2.0x1011dyne/cm2の範囲であ
ることが望ましい。樹脂含浸紙のヤング率が、2.0x
1010未満であると、制振材の拘束層として必要な物
性が顕現されない可能性がある。すなわち、発生した振
動に対して、粘着層との間にズリ歪みを起こすことがで
きないため、効果的な振動減衰効果が得られ難い。一
方、樹脂含浸紙のヤング率が2.0x1011dyne
/cm2を超えると、被制振面が曲面である場合に充分
な追従がなされずに、貼り付け作業が困難であったり、
貼り付け後に拘束層端部が粘着層から剥離してしまう等
の不具合が発生する可能性がある。
【0010】樹脂含浸紙は、耐水性を有していることが
望ましい。これは、自動車製造ラインの初期、自動車用
鋼板に防錆油が付着している段階で貼り付け作業を行な
うために、その後の脱脂洗浄工程、化成処理工程、電着
塗装工程を経る段階で水分を吸収してしまうと、加熱乾
燥炉を通過して加熱された際に、水分の蒸発に伴って樹
脂含浸紙が収縮してしまい、粘着層との密着が低下する
という不具合が発生してしまうからである。
望ましい。これは、自動車製造ラインの初期、自動車用
鋼板に防錆油が付着している段階で貼り付け作業を行な
うために、その後の脱脂洗浄工程、化成処理工程、電着
塗装工程を経る段階で水分を吸収してしまうと、加熱乾
燥炉を通過して加熱された際に、水分の蒸発に伴って樹
脂含浸紙が収縮してしまい、粘着層との密着が低下する
という不具合が発生してしまうからである。
【0011】本発明の一方の層である、粘着層として使
用できる配合物を挙げる。ゴム成分としては、ブチルゴ
ム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロ
ロプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等の
合成ゴム、天然ゴム、再生ゴムが使用でき、必要に応じ
て数種類を併用することも可能である。粘着付与剤とし
ては、テルペン樹脂、ロジン系樹脂、クマロンインデン
樹脂、ガムロジン、C5〜C9等の石油炭化水素樹脂等
が使用できる。軟化剤として、ミネラルオイル、液状ポ
リブテン、液状ポリブタジエン、また、DOP(ジオク
チルフタレート)、DINP(ジイソノニルフタレー
ト)、DOA(ジオクチルアジペート)等の可塑剤が使
用できる。充填材としては、亜鉛華、クレー、タルク、
炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の各種体質顔料、カー
ボンブラック、二酸化チタン等の着色顔料が使用でき
る。また、ポリエステル、ビニロン、ナイロン、カーボ
ン繊維、ポリアミド繊維等の有機化学繊維類、ガラス繊
維、ロックウール、アルミ繊維等の無機系繊維類、天然
繊維を加える事によって粘着層に補強効果を与えること
ができる。その他、必要に応じてフェノール樹脂、エポ
キシ樹脂、メラミン樹脂等の合成樹脂類、マイカ等のリ
ン片状充填材を加えることができる。粘着層は、上記ゴ
ム成分、粘着付与材、充填材等を配合したことにより油
面にも自己接着し、その後も強力な接着力を保持する。
用できる配合物を挙げる。ゴム成分としては、ブチルゴ
ム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロ
ロプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等の
合成ゴム、天然ゴム、再生ゴムが使用でき、必要に応じ
て数種類を併用することも可能である。粘着付与剤とし
ては、テルペン樹脂、ロジン系樹脂、クマロンインデン
樹脂、ガムロジン、C5〜C9等の石油炭化水素樹脂等
が使用できる。軟化剤として、ミネラルオイル、液状ポ
リブテン、液状ポリブタジエン、また、DOP(ジオク
チルフタレート)、DINP(ジイソノニルフタレー
ト)、DOA(ジオクチルアジペート)等の可塑剤が使
用できる。充填材としては、亜鉛華、クレー、タルク、
炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の各種体質顔料、カー
ボンブラック、二酸化チタン等の着色顔料が使用でき
る。また、ポリエステル、ビニロン、ナイロン、カーボ
ン繊維、ポリアミド繊維等の有機化学繊維類、ガラス繊
維、ロックウール、アルミ繊維等の無機系繊維類、天然
繊維を加える事によって粘着層に補強効果を与えること
ができる。その他、必要に応じてフェノール樹脂、エポ
キシ樹脂、メラミン樹脂等の合成樹脂類、マイカ等のリ
ン片状充填材を加えることができる。粘着層は、上記ゴ
ム成分、粘着付与材、充填材等を配合したことにより油
面にも自己接着し、その後も強力な接着力を保持する。
【0012】次に、本発明の制振材の製造方法の例につ
いて説明する。粘着層は、各種配合物を加熱可能なミキ
サー、ニーダー、アトライター等の従来公知の混合分散
機によって混合撹拌し、ペースト状としてから徐々に冷
却しつつ、この混合物を押出し機によって送り出し、カ
レンダーロールによって平板、シート状に圧延する。こ
の時にロールの片側から紙、必要であれば樹脂を含浸し
た紙を通して、ロールの圧着力によりシート状に成形さ
れた粘着層と拘束層を圧着一体化する。製品の荷姿、ま
た、貼り付け作業をする時の作業性から、粘着層には離
型紙が付いている事が望ましいため、粘着層のカレンダ
ーロール通過時に拘束層を圧着させた反対側の粘着面に
離型紙を付着させることが望ましい。
いて説明する。粘着層は、各種配合物を加熱可能なミキ
サー、ニーダー、アトライター等の従来公知の混合分散
機によって混合撹拌し、ペースト状としてから徐々に冷
却しつつ、この混合物を押出し機によって送り出し、カ
レンダーロールによって平板、シート状に圧延する。こ
の時にロールの片側から紙、必要であれば樹脂を含浸し
た紙を通して、ロールの圧着力によりシート状に成形さ
れた粘着層と拘束層を圧着一体化する。製品の荷姿、ま
た、貼り付け作業をする時の作業性から、粘着層には離
型紙が付いている事が望ましいため、粘着層のカレンダ
ーロール通過時に拘束層を圧着させた反対側の粘着面に
離型紙を付着させることが望ましい。
【0013】圧着一体化された制振材は、自動車の施工
部位に応じてプレス機等の従来公知の加工機により打ち
抜き加工され、主として自動車製造工場のボディショッ
プと呼ばれる部署において貼着作業により施工される。
本発明の制振材は、防錆油等の油分が付着している油面
鋼板に対して自己接着性を有するため、ボディショップ
でなければ接着作業ができない自動車の部位に対しても
接着することができる。ホイルハウス、フロントクォー
ターピラー、センターピラー、リアクォーターピラー等
のピラー内部、ドアの外板の裏側部、フロント・リアフ
ェンダーカウル等の部位が例示できる。
部位に応じてプレス機等の従来公知の加工機により打ち
抜き加工され、主として自動車製造工場のボディショッ
プと呼ばれる部署において貼着作業により施工される。
本発明の制振材は、防錆油等の油分が付着している油面
鋼板に対して自己接着性を有するため、ボディショップ
でなければ接着作業ができない自動車の部位に対しても
接着することができる。ホイルハウス、フロントクォー
ターピラー、センターピラー、リアクォーターピラー等
のピラー内部、ドアの外板の裏側部、フロント・リアフ
ェンダーカウル等の部位が例示できる。
【0014】
【0015】
【実施例】以下に実施例を挙げ本発明のより詳細な理解
に供する。当然のことながら本発明は以下の実施例に限
定されるものではない。
に供する。当然のことながら本発明は以下の実施例に限
定されるものではない。
【0016】実施例1
ブチルゴム15重量部、クマロンインデン樹脂15重量
部、ミネラルオイル3重量部、炭酸カルシウム60重量
部、カーボンブラック2重量部、ポリエステル繊維3重
量部を加熱装置を付設したニーダーにより加熱混合し粘
着層を得た。樹脂含浸紙拘束層として、液状ポリエステ
ル樹脂をディッピング・加熱乾燥により10g/m2含
浸させた樹脂含浸紙を得た。これらを、カレンダーロー
ルにより圧着一体化し、粘着層厚さ2mm、樹脂含浸紙
拘束層厚さ0.5mmの制振材1を得た。
部、ミネラルオイル3重量部、炭酸カルシウム60重量
部、カーボンブラック2重量部、ポリエステル繊維3重
量部を加熱装置を付設したニーダーにより加熱混合し粘
着層を得た。樹脂含浸紙拘束層として、液状ポリエステ
ル樹脂をディッピング・加熱乾燥により10g/m2含
浸させた樹脂含浸紙を得た。これらを、カレンダーロー
ルにより圧着一体化し、粘着層厚さ2mm、樹脂含浸紙
拘束層厚さ0.5mmの制振材1を得た。
【0017】実施例2
粘着層として、実施例1と同配合の混合物を用い、樹脂
含浸紙拘束層として、液状アミノアルキッド樹脂をディ
ッピング・加熱乾燥により10g/m2含浸させた樹脂
含浸紙を得た。これらを、カレンダーロールにより圧着
一体化し、粘着層厚さ2mm、樹脂含浸紙拘束層厚さ
0.5mmの制振材2を得た。
含浸紙拘束層として、液状アミノアルキッド樹脂をディ
ッピング・加熱乾燥により10g/m2含浸させた樹脂
含浸紙を得た。これらを、カレンダーロールにより圧着
一体化し、粘着層厚さ2mm、樹脂含浸紙拘束層厚さ
0.5mmの制振材2を得た。
【0018】比較例1
ゴム変性アスファルト25重量部に、粘着材成分として
クマロンインデン樹脂10重量部を加え、充填材として
炭酸カルシウム40重量部、硫酸バリウム20重量部、
ポリエステル繊維5重量部を配合し混合・シート化し
た、自己接着アスファルトシート、厚さ1.5mmの制
振材3を得た。
クマロンインデン樹脂10重量部を加え、充填材として
炭酸カルシウム40重量部、硫酸バリウム20重量部、
ポリエステル繊維5重量部を配合し混合・シート化し
た、自己接着アスファルトシート、厚さ1.5mmの制
振材3を得た。
【0019】比較例2
比較例1と同じ配合物により、自己接着アスファルトシ
ートであって、厚さ3.0mmの制振材4を得た。
ートであって、厚さ3.0mmの制振材4を得た。
【0020】これら制振材1〜制振材4について、次の
試験方法に従い、制振性能の評価を行なった。 制振性能評価試験方法; 上記制振材1〜制振材4を、厚さ0.8mmの自動車用
鋼板に貼着して、電気加熱炉により150℃にて40分
加熱し、冷却後の状態を観察した。各試験片について、
共振法により20℃、40℃、60℃の各温度における
損失係数を測定し、当該数字により制振性を評価した。
損失係数は、0.05であれば制振性能があると評価さ
れ、その数字が大きいほど制振性能が高い係数である。
試験方法に従い、制振性能の評価を行なった。 制振性能評価試験方法; 上記制振材1〜制振材4を、厚さ0.8mmの自動車用
鋼板に貼着して、電気加熱炉により150℃にて40分
加熱し、冷却後の状態を観察した。各試験片について、
共振法により20℃、40℃、60℃の各温度における
損失係数を測定し、当該数字により制振性を評価した。
損失係数は、0.05であれば制振性能があると評価さ
れ、その数字が大きいほど制振性能が高い係数である。
【0021】また、次の試験方法に従い、油面接着性能
の評価を行なった。 油面接着性能試験方法; ドアパネルの写真を撮影する。既に制振材が貼り付けて
ある部分を切り出して、下記によるサイクル試験を行
う。 1).50±2℃x95%RHで15.5時間 2).室温放置 0.5時間 3).−30±2℃ 7.5時間 4).室温放置 0.5時間 5).水浸漬(20℃温水) 7.5時間 6).室温放置 0.5時間 7).80±2℃ 15.5時間 8).室温放置 0.5時間 上記1)〜8)工程を4サイクルを行なう。 尚、水は、蒸留水を使用する。また、切り出したドアパ
ネル(ドアTP)は垂直に保った状態で実施する。上記
サイクル試験終了後、室温で24時間放置し、再び写真
を撮影し、端部をチャック出来るまで剥がして、次の方
法に従い、90°ピール試験をし、初期品と比較する。 90°ピール剥離試験; 油面鋼板(35x100x0.8mm)に幅50mmの
制振材を貼り合わせ、その上を500gローラを1往復
させる。30分後、90°ピール剥離値(kgf/50
mm)を測定する。引っ張り速度は100mm/分、測
定温度は20℃。
の評価を行なった。 油面接着性能試験方法; ドアパネルの写真を撮影する。既に制振材が貼り付けて
ある部分を切り出して、下記によるサイクル試験を行
う。 1).50±2℃x95%RHで15.5時間 2).室温放置 0.5時間 3).−30±2℃ 7.5時間 4).室温放置 0.5時間 5).水浸漬(20℃温水) 7.5時間 6).室温放置 0.5時間 7).80±2℃ 15.5時間 8).室温放置 0.5時間 上記1)〜8)工程を4サイクルを行なう。 尚、水は、蒸留水を使用する。また、切り出したドアパ
ネル(ドアTP)は垂直に保った状態で実施する。上記
サイクル試験終了後、室温で24時間放置し、再び写真
を撮影し、端部をチャック出来るまで剥がして、次の方
法に従い、90°ピール試験をし、初期品と比較する。 90°ピール剥離試験; 油面鋼板(35x100x0.8mm)に幅50mmの
制振材を貼り合わせ、その上を500gローラを1往復
させる。30分後、90°ピール剥離値(kgf/50
mm)を測定する。引っ張り速度は100mm/分、測
定温度は20℃。
【0022】制振性能評価結果を、制振材1〜制振材4
の損失係数を縦軸に、測定温度を横軸に取ったグラフで
ある図1に示す。また、油面接着性能試験結果を表1に
示す。尚、ドアTP各部の試験結果と初期品との比較で
示してある。
の損失係数を縦軸に、測定温度を横軸に取ったグラフで
ある図1に示す。また、油面接着性能試験結果を表1に
示す。尚、ドアTP各部の試験結果と初期品との比較で
示してある。
【0023】
【表1】
【0024】
【発明の効果】本発明になる制振材は、化成処理前のボ
ディショップ段階で施工が可能であり、油面に確実に接
着し、その後の脱脂、化成処理、塗装焼き付け工程にお
いても、端部立上り、脱落等の不具合の発生がなく、従
来は制振材を施工することが困難であったドアの外板裏
側部に、本発明になる制振材をボディショップにおいて
貼着することにより、ドアを閉じた時に発生する自動車
用鋼板の振動音が減衰され、低く重厚な感じを与えるこ
とができる。また、従来は作業性の面から施工制振対策
が困難であった各部位においても本発明になる制振材に
より施工制振対策が可能となり、走行中の振動から発生
する音の減衰に著しい効果を認めることができる。本発
明の加熱融着型の複層制振材からなる車両用制振材は、
曲面等への追従性(追従密着性)、耐水性等にも優れて
いる。
ディショップ段階で施工が可能であり、油面に確実に接
着し、その後の脱脂、化成処理、塗装焼き付け工程にお
いても、端部立上り、脱落等の不具合の発生がなく、従
来は制振材を施工することが困難であったドアの外板裏
側部に、本発明になる制振材をボディショップにおいて
貼着することにより、ドアを閉じた時に発生する自動車
用鋼板の振動音が減衰され、低く重厚な感じを与えるこ
とができる。また、従来は作業性の面から施工制振対策
が困難であった各部位においても本発明になる制振材に
より施工制振対策が可能となり、走行中の振動から発生
する音の減衰に著しい効果を認めることができる。本発
明の加熱融着型の複層制振材からなる車両用制振材は、
曲面等への追従性(追従密着性)、耐水性等にも優れて
いる。
【図1】図1は、制振材の損失係数を縦軸に、損失係数
の測定温度を横軸に取ったグラフである。
の測定温度を横軸に取ったグラフである。
1・・・制振材1の曲線(本発明例)
2・・・制振材2の曲線(本発明例)
3・・・制振材3の曲線(比較例)
4・・・制振材4の曲線(比較例)
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 金森 嘉晴
愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自
動車株式会社内
(72)発明者 三上 雅弘
愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自
動車株式会社内
(72)発明者 大脇 肇
愛知県知立市山町東並木北12 日本特殊
塗料株式会社愛知工場内
(72)発明者 寺嶌 政隆
愛知県知立市山町東並木北12 日本特殊
塗料株式会社愛知工場内
(72)発明者 野島 雅寛
東京都北区王子5丁目16番7号 日本特
殊塗料株式会社内
(56)参考文献 特開 平3−297633(JP,A)
特開 平5−220883(JP,A)
特開 昭62−70038(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B32B 1/00 - 35/00
F16F 15/00 - 15/36
Claims (3)
- 【請求項1】 粘着層と拘束層とからなり、当該拘束層
が紙に樹脂を含浸してなる樹脂含浸紙で、当該制振材が
自己接着性を有してなることを特徴とする制振材。 - 【請求項2】樹脂含浸紙における紙に対する樹脂の含浸
量が、10g/m2〜500g/m2であることを特徴
とする、請求項1に記載された制振材。 - 【請求項3】樹脂含浸紙のヤング率が、2.0x10
10〜2.0x1011dyne/cm2であることを
特徴とする、請求項1または2に記載された制振材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24400096A JP3366985B2 (ja) | 1995-08-29 | 1996-08-28 | 制振材 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24234695 | 1995-08-29 | ||
JP7-242346 | 1995-08-29 | ||
JP24400096A JP3366985B2 (ja) | 1995-08-29 | 1996-08-28 | 制振材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09131826A JPH09131826A (ja) | 1997-05-20 |
JP3366985B2 true JP3366985B2 (ja) | 2003-01-14 |
Family
ID=26535727
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24400096A Expired - Fee Related JP3366985B2 (ja) | 1995-08-29 | 1996-08-28 | 制振材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3366985B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009074581A (ja) * | 2007-09-19 | 2009-04-09 | Sekisui Chem Co Ltd | 制振材及び制振構造体の製造方法 |
JP5328578B2 (ja) * | 2009-09-09 | 2013-10-30 | トヨタ自動車株式会社 | 鋼板補強材 |
CN114013151B (zh) * | 2021-11-19 | 2023-11-07 | 成都迈科高分子材料股份有限公司 | 一种梯度多层阻尼材料及其制备方法 |
-
1996
- 1996-08-28 JP JP24400096A patent/JP3366985B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09131826A (ja) | 1997-05-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4203589B2 (ja) | 制振性能付与型鋼板補強材 | |
US8377553B2 (en) | Constrained layer damper, and related methods | |
JPS61273943A (ja) | 粘着性防音構成体 | |
JPS5871155A (ja) | パネル制振材 | |
CA2176219A1 (en) | Melt-flowable materials and method of sealing surfaces | |
JPS645076B2 (ja) | ||
JPS61118233A (ja) | ランダム―繊維複合シートに対する被覆材料の接着方法 | |
JP3366985B2 (ja) | 制振材 | |
WO2015185757A1 (de) | Vorrichtung und verfahren zur entdröhnung eines bauteils | |
US6576316B2 (en) | Sound absorbing and vibration damping metal strip, molding, and method of producing a sound absorbing and vibration damping metal strip | |
JP3087393B2 (ja) | パネル補強用シート材料およびそれを用いた車輛外板パネル構造体 | |
JP2002046545A (ja) | 車両用成形天井材及びその製造方法 | |
DE4123509C2 (de) | Elastische Entdröhnbelagsbahn für Wände von schallabgebenden Gehäusen und seine Verwendung | |
JP3256916B2 (ja) | 鋼板補強シート | |
JP3849784B2 (ja) | 自動車用複合型鋼板補強材の施工方法 | |
JPS6049078A (ja) | 金属板補強用の接着性シ−ト | |
CN209904151U (zh) | 一种车用聚酯纤维金属复合板 | |
GB2344061A (en) | Repositionable/slippable self-adhesive articles | |
JP2938862B1 (ja) | 化粧紙積層金属板 | |
JP3764367B2 (ja) | シート積層金属板 | |
JPH1076586A (ja) | 鋼板補強材 | |
JP2507153Y2 (ja) | 部分接着型制振性付与用ステンレス鋼板 | |
JPH10236090A (ja) | ホットスタンプ処理方法、およびホットスタンプシート | |
JPH0357468Y2 (ja) | ||
WO2002008002A1 (en) | Sealant bead |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20020917 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |