JP3366604B2 - エピスルフィド化合物の製造方法 - Google Patents

エピスルフィド化合物の製造方法

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JP3366604B2 JP34908099A JP34908099A JP3366604B2 JP 3366604 B2 JP3366604 B2 JP 3366604B2 JP 34908099 A JP34908099 A JP 34908099A JP 34908099 A JP34908099 A JP 34908099A JP 3366604 B2 JP3366604 B2 JP 3366604B2
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episulfide
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエピスルフィド化合
物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高屈折率樹脂用モノマーはその光学的特
性から、プラスチックレンズ材料として近年多用されて
いる。プラスチックレンズに要求されている性能は光学
性能として高屈折率、高アッべ数、物理的性性質として
は高耐熱性、低比重である。これらの性能の中で、高耐
熱性、低比重については現在の高屈折率プラスチックレ
ンズでも高いレベルで実用されている。しかしながら、
屈折率とアッべ数に関しては屈折率が上昇するほどアッ
ベ数が低下すると言った相反する物性であるため両方を
同時に向上させることは非常に困難である。そこでアッ
べ数の低下を抑えながら、高屈折率化を行う検討が盛ん
に行われており、これらの検討の中でも最も代表的なも
のは特開平9−110979号公報及び特開平9−71
580号公報及び特開平9−255781号公報でエピ
スルフィド化合物を使用することであり、本出願人らも
WO89/10575,特開平11−140070号公
報、特開平11−183702号公報、特開平11−1
83702号公報等のエピスルフィド系高屈折率レンズ
用の樹脂を提案している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの化合物を用い
る事で、比較的高いアッべ数を有しながら極めて高い屈
折率を得ることができる。しかしエポキシ化合物をチア
化し、これらの化合物を製造するに際し、公知(特開平
9−255781号公報、特開平11−140070号
公報)の方法においてエピスルフィド化合物の製造時に
使用されているジクロロメタン、クロロホルム、ジクロ
ロエタン、等の脂肪族系溶媒、トルエン、キシレン、ク
ロロベンゼン、ニトロベンゼンなどの芳香族系溶媒類及
び、アルコールとの混合溶媒では生成物のタール化によ
る収率低下及び、反応器壁への付着等の問題があり品質
の良い物を得ることは困難である。
【0004】
【課題を解決するための手段】この様な問題点を解決す
べく検討した結果、エポキシ化合物のエピチオスルフィ
ド化の反応溶媒として実質的にエーテル、ケトン、アル
コール、エステル等の極性溶媒のみを選択する事で、純
度及び収率の向上、タール化防止が可能となることを見
出し、本発明に至った。
【0005】即ち、本発明は (A)エポキシ化合物のエピスルフィド化反応により、
式(1)式で表されるエピスルフィド基を分子内に1個
以上有するエピスルフィド化合物を製造するに際し、反
応溶媒として実質的に極性溶媒のみを用いる事を特徴と
するエピスルフィド化合物の製造方法。
【0006】
【化5】
【0007】(B)エピスルフィド化合物が式(2)式
で示されるエピチオプロピルスルフィド基1個以上を有
する化合物である(A)記載のエピスルフィ化合物の製
造方法。
【0008】
【化6】
【0009】(C)エピスルフィド化合物が下記一般式
(3)で表される化合物である(B)記載の化合物の製
造方法。
【0010】
【化7】
【0011】(XはS原子又はO原子をそれぞれ別に表
し、このSの個数は三員環を構成するSとOの合計に対
して平均で50%以上である。Yは置換又は未置換の直
鎖、分岐又は環状の炭化水素数1〜10の炭化水素基、
置換又は未置換の1,4ジチアン基、アリーレン基、ア
ラルキレン基を表す。mは0〜2の整数を表し、nは0
〜4の整数を表す。)
【0012】(D)エピスルフィド化合物が下記式
(4)式で示されるビス(β−エピチオプロピル)ジス
ルフィド化合物である(C)記載のエピスルフィド化合
物の製造方法。
【0013】
【化8】
【0014】(E)極性溶媒がエーテル、ケトン、アル
コール、エステルから選ばれる少くとも一種以上である
(A)記載のエピスルフィド化合物の製造方法である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】本発明は(5)式で示されるエポキシプロ
ピル基を1個以上有する化合物のエピスルフィド化反応
に際し、実質的に反応溶媒としてエーテル、ケトン、ア
ルコール、エステル、等の極性溶媒のみを使用するもの
である。なお、ここで反応に使用する酸などを希釈する
ために添加される水も極性溶媒の範疇に含まれるが、水
のみでは反応がスムーズに進行しない場合があり、上記
有機系の極性溶媒と混合して使用するのが好ましい。
【0017】
【化9】
【0018】本発明において反応溶媒として用いられる
極性溶媒としては、エーテル、アルコール、ケトン、エ
ステル等が挙げられる。エーテルとしては、エチルエー
テル、ジクロロエチルエーテル、イソプロピルエチルエ
ーテル、n−ブチルエーテル、イソブチルエーテル、プ
ロピルエーテル、イソプロピルエーテル、イソアミルエ
ーテル、ジイソアミルエーテル、n−ヘキシルエーテ
ル、メチルフェニルエーテル、n−ブチルフェニルエー
テル、アミルフェニルエーテル、ベンジルエーテル、エ
チレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコ
ールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチル
エーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、
エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリ
コールジブチルエーテル、エチレングリコールイソアミ
ルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコ
ールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチル
エーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ト
リエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレ
ングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール
モノエチルエーテル等のエーテル類
【0019】アルコールとしてはメタノール、エタノー
ル、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノー
ル、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−
アミルアルコール、イソアミルアルコール、ペンタノー
ル、n−ヘキサノール、メチルアミノアルコール、2−
エチルブタノール、n−ヘプタノール、n−オクタノー
ル、2−オクタノール、3−オクタノール、2−エチル
ヘキサノール、3,5,5−トリメチルヘキサノール、
ノナール、n−デカノール、ウンデカノール、n−ドデ
カノール、ヘプタデカノール、シクロヘキサノール、ベ
ンジルアルコール、2−メチルシクロヘキサノール、フ
リフリルアルコール、テトラヒドロフリフリルアルコー
ル等のアルコール類
【0020】ケトンとしては、アセトン、メチルアセト
ン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケト
ン,メチル−n−ブチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、メチル−n−アミルケトン、メチル−n−ヘキシル
ケトン、ジエチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、
ジ−n−プロピルケトン、ジイソブチルケトン、アセト
ニルアセトン、メシチルオキシド、イソホロン、シクロ
ヘキサノン、o−シクロヘキサノン、アセトフェノン等
のケトン類
【0021】エステルとしては、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピ
ル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−
ブチル、酢酸−n−アミル、酢酸イソアミル酢酸メチル
イソアミル、酢酸メトキシブチル、酢酸sec−エチル
ブチル、酢酸−2−エチルヘキサノール、酢酸シクロヘ
キシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸ベンジル、プ
ロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸
−n−ブチル、プロピオン酸イソアミル、酪酸メチル、
酪酸エチル、酪酸−n−ブチル、酪酸イソアミル、ステ
アリン酸ブチル、ステアリン酸アミル、アセト酢酸メチ
ル、アセト酢酸エチル、乳酸エチル、乳酸メチル、乳酸
−n−ブチル、乳酸アミル、安息香酸メチル、安息香酸
エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸
イソアミル、安息香酸ベンジル、ケイ皮酸メチル、ケイ
皮酸エチル、サリチル酸メチル、サリチル酸エチル、シ
ュウ酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、シュウ酸ジアミ
ル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ
ブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジ−2−エチル
ヘキシル、等のエステル類が挙げられる。
【0022】以上の溶媒を単独或いは、混合して用いて
も良好な結果を与える。
【0023】本発明はエポキシ化合物を無機、或いは有
機酸とチオ尿素にてイソチウロニウム塩を経由する方法
によって実施することもできる。
【0024】本発明に用いられるチア化剤としてチオ尿
素、チオシアン酸ソーダ、チオシアン酸アンモニウム、
チオシアン酸カリ等が挙げられる。使用量はエポキシ化
合物に対して0.5当量から3当量、の範囲で使用する
ことができ好ましくは0.8当量から2当量、更に好ま
しくは0.8当量から1.5当量の範囲である。
【0025】酸成分としては無機酸、有機酸、ルイス
酸、ホスフィン類のいずれも使用可能であり、通常無機
酸としては塩酸、硫酸、硝酸、りん酸、ポリ燐酸等が挙
げられ、有機酸としては酢酸、無水酢酸、蓚酸、クロロ
酢酸、ジクロロ酢酸、コハク酸、マレイン酸、グルタル
酸、蟻酸、乳酸、酪酸、サリチル酸、安息香酸、プロピ
オン酸、ケイ皮酸、マロン酸、フタル酸、アクリル酸、
等の有機酸類、ルイス酸としてはジメチル錫ジクロライ
ド、ジメチル錫オキサイド、テトラクロロ錫、モノブチ
ル錫、ジブチル錫ジクロリド、トリブチル錫モノクロリ
ド、テトラブチル錫、ジブチル錫オキサイド、ジブチル
錫ジラウレート、ジブチル錫オクタノエート、ステアリ
ン酸錫、塩化亜鉛、アセチルアセトン亜鉛、弗化アルミ
ニュウム、塩化アルミニュウム、テトラブトキシチタ
ン、テトラクロロチタン、酢酸カルシュウム、ホスフィ
ン類としてはトリメチルホスフィン、トリエチルホスフ
ィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリベンジルホ
スフィン、トリフェニルホスフィン、1,2−ビス(ジ
メチルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(ジフェニル
ホスフィノ)エタン、等が挙げられる。酸成分の添加量
はエポキシ化合物に対して0.001当量から1.5当
量の範囲で使用することができる。又、イソチウロニウ
ム塩を経由する場合は無機、或いは有機のプロトン酸が
好ましく用いられ、エポキシ化合物に対し0.5当量以
上2.0当量以下である。添加する酸は上記のうち単独
でも2種類以上を同時に用いることも可能である。
【0026】反応温度は−20℃以上80℃以下の温度
で実施するのが好ましく、より好ましくは0℃以上30
℃以下の温度で反応することが収率向上に良好な結果を
与える。
【0027】本発明で得られるエピスルフィド化合物と
してはビス(β−エピチオプロピル)スルフィド、ビス
(β−エピチオプロピル)ジスルフィド、ビス(β−エ
ピチオプロピルチオ)メタン、1,2−ビス(β−エピ
チオプロピルチオ)エタン、1,3−ビス(β−エピチ
オプロピルチオ)プロパン、1,3−ビス(β−エピチ
オプロピルチオ)−2−メチルプロパン、1,4−ビス
(β−エピチオプロピルチオ)ブタン、1,4−ビス
(β−エピチオプロピルチオ)−2−メチルブタン、
1,3−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ブタン、
1,5−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ペンタン、
1,5−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−2−メチ
ルペンタン、1,5−ビス(β−エピチオプロピルチ
オ)−3−チアペンタン、1,6−ビス(β−エピチオ
プロピルチオ)ヘキサン、1,6−ビス(β−エピチオ
プロピルチオ)−2−メチルヘキサン、3,8−ビス
(β−エピチオプロピルチオ)−3,6−ジチアオクタ
ン、1,2,3−トリス(β−エピチオプロピルチオ)
プロパン、2,2−ビス(β−エピチオプロピルチオ)
−1−3−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)プ
ロパン、1,5−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−
2−(β−エピチオプロピルチオメチル)−3−チアペ
ンタン、1,5−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−
2,4−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−3
−チアペンタン、1−(β−エピチオプロピルチオ)−
2,2−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−4
−チアヘキサン、1,8−ビス(β−エピチオプロピル
チオ)−4,5−ビス(β−エピチオプロピルチオメチ
ル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(β−エ
ピチオプロピルチオ)−4,4−ビス(β−エピチオプ
ロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8
−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−2,5−ビス
(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチア
オクタン、1,8−ビス(β−エピチオプロピルチオ)
−2,4,5−トリス(β−エピチオプロピルチオメチ
ル)−3,6−ジチアオクタン、1,1,1−トリス
[{2−(β−エピチオプロピルチオ)エチル}チオメ
チル]−2−(β−エピチオプロピルチオ)エタン、
1,1,2,2−テトラキス[{2−(β−エピチオプ
ロピルチオ)エチル}チオメチル]−2−(β−エピチ
オプロピルチオ)エタン等の鎖状脂肪族β−エピチオプ
ロピルチオ化合物
【0028】1,3−ビス(β−エピチオプロピルチ
オ)シクロヘキサン、1,4−ビス(β−エピチオプロ
ピルチオ)シクロヘキサン、1,3−ビス(β−エピチ
オプロピルチオメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス
(β−エピチオプロピルチオメチル)シクロヘキサン、
2,5−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−
1,4−ジチアン、等の環状脂肪族β−エピチオプロピ
ルチオ化合物
【0029】1,3−ビス(β−エピチオプロピルチ
オ)ベンゼン、1,4−ビス(β−エピチオプロピルチ
オ)ベンゼン、1,3−ビス(β−エピチオプロピルチ
オメチル)ベンゼン、1,4−ビス(β−エピチオプロ
ピルチオメチル)ベンゼン、ビス−[4−(β−エピチ
オプロピルチオ)フェニル]−メタン、2,2−ビス−
[4−(β−エピチオプロピルチオ)フェニル]−プロ
パン、等の芳香族β−エピチオプロピルチオ化合物を挙
げる事ができ、更にこれらのエピチオ基の一部がエポキ
シ基である化合物が例示できるが、例示化合物に限定さ
れるものではない。
【0030】本発明の反応は通常、反応器内にあらかじ
め反応溶媒及び、酸触媒、チア化剤、エポキシ化合物を
同時に或いは、エポキシ化合物及び、チア化剤を滴下装
入、又はエポキシ化合物のみを滴下しながら所定の時間
室温にて反応し、反応終了後は冷却しながら炭酸ソーダ
を滴下し加水分解後に溶媒と反応マス層を分液し、目的
物を得るものである。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により具体
的に説明する。
【0032】実施例1 温度計、攪拌機を備えた1000ml四つ口フラスコに
チオ尿素40.7g(0.53モル)と15質量%硫酸
178ml(水として151ml含む)を計り取り、窒
素雰囲気下で反応器内温を20℃に保ちながら、ビス−
(β−エポキシプロピル)ジスルフィド47.2g
(0.26モル)を1時間かけて滴下し、滴下終了後は
温度を保ちながら2時間熟成した。熟成終了後にイソプ
ロピルエーテル200mlを仕込み、加水分解塩基とし
て18%炭酸ソーダ水溶液156g(0.27モル)を
熟成時の温度を保ちながら滴下し、滴下終了後は同温度
を保ちながら3時間熟成した。熟成終了後は30分間静
置後、水層と有機溶媒層を分液した。分液した有機層を
水洗後、硫酸ナトリウムにて脱水した。得られた有機層
を1.33KPaの減圧下30℃の温度にて溶媒留去
し、留去後にビス(β−エピチオプロピル)ジスルフィ
ドの粗体を得た。得られた粗体の収量、純度、純度換算
収率、フラスコへのタール付着の状況を表1に記載し
た。反応終了後の反応釜は、タール等の付着物もなく連
続的に使用可能な状態であった。
【0033】実施例2 実施例1同じフラスコに同様の仕込みで、酢酸エチル2
00mlを溶媒として用いた以外は同じ反応条件、及び
後処理を行った。得られた粗体の収量、純度、純度換算
収率、フラスコへのタール付着の状況を表1に記載し
た。反応終了後のフラスコは、タール等の付着物もなく
連続的に使用可能な状態であった。
【0034】実施例3 実施例1同じフラスコに同様の仕込みで、メチルエチル
ケトン200mlを溶媒として用いた以外は同じ反応条
件、及び後処理を行った。得られた粗体の収量、純度、
純度換算収率、フラスコへのタール付着の状況を表1に
記載した。反応終了後の反応釜は、タール等の付着物も
なく連続的に使用可能な状態であった。
【0035】実施例4 実施例1と同じフラスコに同じ反応条件で、15質量%
硫酸を仕込み、チオ尿素40.7g(0.53モル)を
1時間で分割装入しながら、ビス−(β−エポキシプロ
ピル)ジスルフィド47.2g(0.26モル)1時間
で滴下装入した。以下実施例3と同じ後処理を行った。
得られた粗体の収量、純度、純度換算収率、フラスコへ
のタール付着の状況を表1に記載した。反応終了後の反
応釜は、タール等の付着物もなく連続的に使用可能な状
態であった。
【0036】比較例1 温度計、攪拌機を備えた1000ml四つ口フラスコに
チオ尿素40.7g(0.53モル)と15質量%硫酸
178mlを計り取り、窒素雰囲気下で反応器内温を2
0℃に保ちながら、ビス−(β−エポキシプロピル)ジ
スルフィド47.2g(0.26モル)を1時間かけて
滴下し滴下終了後は温度を保ちながら2時間熟成した。
熟成終了後にトルエン200mlを仕込み、加水分解塩
基として18%炭酸ソーダ水溶液156g(0.27モ
ル)を熟成時の温度を保ちながら滴下し、滴下終了後は
同温度を保ちながら3時間熟成した。熟成終了後は30
分間静置後、水層と有機溶媒層を分液した。分液した有
機層を水洗後、硫酸ナトリウムにて脱水した。得られた
有機層を1.33KPaの減圧下30℃の温度にて溶媒
留去し、留去後にビス(β−エピチオプロピル)ジスル
フィドの粗体を得た。得られた粗体の収量、純度、純度
換算収率、フラスコへのタール付着の状況を表1に記載
した。反応終了後のフラスコは壁面に大量のタールが付
着し、フラスコの洗浄無しでは次のバッチを始める事は
できなかった。
【0037】比較例2 比較例1と同じ反応器に同様の仕込みで、ベンゼン20
0mlを溶媒として用いた以外は同じ反応条件、及び後
処理を行った。得られた粗体の収量、純度、純度換算収
率、フラスコへのタール付着の状況を表1に記載した。
反応終了後のフラスコは壁面に大量のタールが付着し、
フラスコの洗浄無しでは次のバッチを始める事はできな
かった。
【0038】比較例3 比較例1と同じフラスコに同様の仕込みで、ペンタン2
00mlを溶媒として用いた以外は同じ反応条件、及び
後処理を行った。得られた粗体の収量、純度、純度換算
収率、フラスコへのタール付着の状況を表1に記載し
た。反応終了後のフラスコは壁面に大量のタールが付着
し、フラスコの洗浄無しでは次のバッチを始める事はで
きなかった。
【0039】比較例4 比較例1と同じフラスコに同様の仕込みでトルエン、イ
ソプロパノールを各々100mlを溶媒として用いた以
外は同じ反応条件、及び後処理を行った。得られた粗体
の収量、純度、純度換算収率、フラスコへのタール付着
の状況を表1に記載した。反応終了後のフラスコは壁面
に大量のタールが付着し、フラスコの洗浄無しでは次の
バッチを始める事はできなかった。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】エピスルフィド化合物の製造に際し、エ
ピスルフィド化反応溶媒として実質的に極性溶媒のみを
選択することにより高収率でエピスルフィド化合物を得
る事が可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河戸 伸雄 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井化 学株式会社内 (72)発明者 小林 誠一 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井化 学株式会社内 (72)発明者 金村 芳信 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井化 学株式会社内 (56)参考文献 特開 平9−71580(JP,A) 特開 平9−110979(JP,A) 特開 昭49−55575(JP,A) 特公 昭48−5581(JP,B1) 特公 昭50−13259(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 331/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ化合物のエピスルフィド化反応
    により、、下記(2)式で表されるエピチオプロピルス
    ルフィド基を1個以上有するエピスルフィド化合物を製
    造するに際し、目的物を得るまでの溶媒として水、エー
    テル、エステル、ケトンから選ばれる有機極性溶媒の中
    から選ばれる少なくとも1種の極性溶媒のみを使用し、
    かつ該極性溶媒は少なくとも前記有機極性溶媒を含むこ
    とを特徴とするエピスルフィド化合物の製造方法。 【化1】
  2. 【請求項2】 前記エポキシ化合物のエピスルフィド化
    反応が、チア化剤としてチオ尿素を用いて実施されるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のエピスルフィド化合物
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記エピスルフィド化合物が下記一般式
    (3)で表される化合物である請求項1又は2に記載の
    化合物の製造方法。 【化2】 (XはS原子又はO原子をそれぞれ別に表し、このSの
    個数は三員環を構成するSとOの合計に対して平均で5
    0%以上である。Yは置換又は未置換の直鎖、分岐又は
    環状の炭化水素数1〜10の炭化水素基、置換又は未置
    換の1,4−ジチアン基、アリーレン基、アラルキレン
    基を表す。mは0〜2の整数を表し、nは0〜4の整数
    を表す。)
  4. 【請求項4】 エピスルフィド化合物が下記(4)式で
    示されるビス(β−エピチオプロピル)ジスルフィド化
    合物である請求項3記載のエピスルフィド化合物の製造
    方法。 【化3】
  5. 【請求項5】 前記エポキシ化合物のエピスルフィド化
    反応が、チア化剤としてチオ尿素を用いてイソチウロニ
    ウム塩を形成した後、該イソチウロニウム塩を加水分解
    して実施されるものであって、前記イソチウロニウム塩
    形成後に加水分解することを特徴とする請求項1乃至4
    の何れか1項に記載のエピスルフィド化合物の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記エポキシ化合物のエピスルフィド化
    反応において、イソチウロニウム塩形成までを水のみを
    溶媒として使用し、前記イソチウロニウム塩形成後に前
    記有機極性溶媒を添加して加水分解することを特徴とす
    る請求項5に記載のエピスルフィド化合物の製造方法。
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