JP3366410B2 - スピンドルモータ - Google Patents

スピンドルモータ

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JP3366410B2 JP34172993A JP34172993A JP3366410B2 JP 3366410 B2 JP3366410 B2 JP 3366410B2 JP 34172993 A JP34172993 A JP 34172993A JP 34172993 A JP34172993 A JP 34172993A JP 3366410 B2 JP3366410 B2 JP 3366410B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、種々のOA機器等に組
み込まれ、磁気ディスクや光磁気ディスク等の記録ディ
スクを回転駆動するためのスピンドルモータに関する。 【0002】 【従来の技術】磁気ディスクや光磁気ディスク等の記録
ディスクを回転駆動するスピンドルモータでは、モータ
本体内部に存する(軸受部材等の)潤滑剤やコンタミネ
ーションを含む不浄な空気(ガス)が、ディスク収容空
間に侵入することを防止するため、ラビリンスシール手
段が設けられている。 【0003】ラビリンスシール手段は、静止部材である
ブラケットやハウジングと、回転部材であるロータハブ
とを、僅かな間隙をおいて配置すると共に、これらを凹
部や凸部状に形成して組み合わせた構成が、特公昭58
−10785号公報等の他、種々提案されている。上記
間隙を小さくしたり、凹凸部形状を複雑にすることによ
り、よりシール性能を向上させることができる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
スピンドルモータによれば、ラビリンスシール手段にお
いて、そのシール性能を高め、またそれを維持するため
には、ロータハブやブラケット等の所定部位を精密に加
工して仕上げると共に、精度良く組み立てる必要があ
る。しかも、スピンドルモータにおける、それ以外の部
位では空気漏れがないよう慎重に行なわねばならない。
このため、上記シール性能の向上に反して、モータの加
工、組み立てに伴う手間が増大し、製造コストを低減す
る上で何等かの対策が望まれていた。 【0005】本発明は、従来技術に存した上記のような
問題点に鑑み行われたものであり、その課題とするとこ
ろは、モータ内外部を封止するシール性能の維持、向上
を図り、それに伴う加工や組み立ての手間が掛からな
い、信頼性と生産性の高いスピンドルモータを提供する
ことにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、本発明のスピンドルモータは、以下の構成を有して
いる。 【0007】即ち、本発明のスピンドルモータは、静止
部材と、該静止部材に装着された軸受部材と、該軸受部
材を介して前記静止部材に対して相対回転支持されるロ
ータハブとを具備したスピンドルモータにおいて;前記
静止部材と前記ロータハブとの間には、該静止部材また
は該ロータハブのいずれか一方に嵌合固定されると共
に、他方との間に全周にわたり僅かな間隙をもって位置
づけられた、環状部材が設けられ;該環状部材によりモ
ータ内外部を封止し、前記環状部材には、前記静止部材
または前記ロータハブの周面部に固定される固定部と、
該固定部よりモータ内側に位置し、前記周面部に間隙を
もって対向する案内部と、前記環状部材のモータ外側側
面部に該環状部材の装着方向を示す溝または突状部が設
けられてなるものである。 【0008】 【作用】上述の構成による本発明のスピンドルモータに
よれば、ラビリンスシール手段となる環状部材には、
止部材またはロータハブの周面部に固定される固定部
と、固定部よりモータ内側に位置し、周面部に間隙をも
って対向する案内部と、環状部材のモータ外側側面部に
環状部材の装着方向を示す溝または突状部が設けられて
いる。このため、環状部材は静止部材またはロータハブ
に嵌合固定される部位のみを所定の加工精度で加工して
おけばよく、しかも、溝または突状部の表示により、環
状部材の装着方向が容易に判別でき、確実な嵌合固定が
できる。 【0009】 【実施例】本発明に従うスピンドルモータの実施例につ
いて、添付の図面を参照しつつ説明する。 【0010】図1は、本発明に従うスピンドルモータの
実施例である。図1において、静止部材となるシャフト
51は、図示省略のディスク駆動装置のベース部材に取
りつけられる最大外径の基部68と、この基部68の上
方へ順次縮径されて形成される大径部80、中径部81
及び小径部82とから形成されている。シャフト51に
おける中径部81と、この中径部81及び大径部80に
よる段部93とには、玉軸受56が装着されている。 【0011】そして玉軸受56の外輪部には、環状に形
成され、図の下側(即ちモータ外側)に内周突部94が
一体に設けられた、ブッシュ91が装着されている。即
ち、玉軸受56の外輪部はブッシュ91の内周部98に
接着により固定されている。そしてブッシュ91におけ
る内周突部94の内周部88と、大径部80の外周部8
7とは、僅かな間隙89をもって全周にわたり対向配置
されている。これにより、ブッシュ91はロータハブ5
2の下側を固定支持するスペーサであると共に、スピン
ドルモータの下側におけるラビリンスシール手段を構成
している。本実施例では、間隙89の間隙寸法0.0
2〜0.03mmに設定されており、少なくとも0.0
5mm以下に設けることが望ましい。また間隙89の軸
方向の長さは、本実施例では2.5mmに形成されてい
る。 【0012】シャフト51の上側にあたる小径部82に
は、玉軸受53が装着されている。玉軸受53の外輪部
はロータハブ52の基部58(内周部61)に接着によ
り固定されている。これら一対の玉軸受53並びに玉軸
受56(ブッシュ91)を介してロータハブ52が装着
され、回転支持される。ロータハブ52とシャフト51
との間における玉軸受53のモータ外側、即ち図の上側
には環状部材63が設けられている。図2は、図1にお
ける環状部材63の付近を拡大して示した要部拡大断面
図である。図1,図2に示す環状部材63は、その外周
側が(ロータハブ52における)環状突部60の内周部
62へ圧入により嵌合固定されている。そして環状部材
63の内周部78とシャフト51の外周部64とが全周
にわたり僅かな間隙71をもって配置されており、スピ
ンドルモータの上側におけるラビリンスシール手段を構
成している。間隙71は、本実施例ではその間隙寸法を
0.02〜0.03mmとしており、また軸方向の長さ
を2.5mmとしている。 【0013】この上側におけるラビリンスシール手段
は、具体的には、図2に示すように、環状部材63は、
その外周側に段部97が形成され、最大外径をなす外周
部77が、環状突部60の内周部62に嵌合固定され
いる。段部97により、幾分縮径された小径部116
は、内周部62には当接していない。即ちこの小径部1
16は、環状部材63を圧入による嵌合固定する際、容
易に嵌合できるようにする案内部96の役割をする。そ
して環状部材のモータ外側(図における上側)側面部9
5には、その方向性を示す略V字状の環状溝70が設け
られている。 【0014】従来の環状部材には、こうした方向性がな
く、従って嵌合固定するための加工部位、嵌合に対応
する環状部材の全域にわたっていた。しかしながら、本
実施例のスピンドルモータでは、嵌合固定される環状部
材63の外周部77の部位のみでよく、加工の手間を省
ことができる。そして加工が省略される小径部116
は、案内部96となり、組み立ての際の手間をも省略す
ることができる。さらに環状溝70が環状部材63の装
着方向を示し、容易に判別できるため、組み立ての際の
誤組み立てが防止できる。 【0015】また、環状溝70は、図4に示すように、
環状部材63を圧入して嵌合固定する際の押圧治具10
7の位置決めとして利用することができる。押圧治具1
07の先端部109に設けられた突状部108を、環状
70に対応させることにより、環状部材63が調芯さ
れると共に、圧入の際の係合保持がなされて、軸方向の
位置決めをも行うことができる。これにより、環状部材
63精度良くロータハブ52に取りつけることが可能
となる。 【0016】図3は、別の実施例にかかるスピンドルモ
ータの環状部材63付近の要部拡大断面図である。図2
と異なる所は、環状部材63の外周部105が、図2の
階段状の案内部96に代えて、図3ではテーパ状を有し
た案内部104が形成されていることである。そしてモ
ータ外側(図の上側)側面部95には、図2の略V字状
の環状溝70に代えて、図3では略方状の環状溝10
6が設けられていることである。 【0017】この場合も図2と同様に、環状部材63の
圧入による嵌合固定が容易に出来ると共に、それに伴う
加工や組み立ての手間を省略することが可能となる。加
えて組み立ての際の押圧治具もこの環状溝106に対応
させることができ、同様の作用効果を得ることができ
る。なお、図2及び図3とも、環状部材63をロータハ
ブ52側に取りつける場合を示しているが、シャフト5
1側に嵌合固定して、間隙をロータハブ52側に設ける
ようにしても良いことは言うまでもない。 【0018】また、図2,図3に示す環状溝70,10
6の他に、これらに代えて図5に示すような、突状部1
11を外側側面部114に設けてもよい。この場合、押
圧治具112には、この突状部111に対応する凹部1
17に、連通孔113を設けておき、エアによる真空吸
引を行うことで、押圧治具112によ環状部材110
を効果的に吸引保持させることができる。 【0019】図1において、シャフト51の小径部82
における、軸受53,56の中間部には、ステータ54
が設けられている。ステータ54のステータコア83
は、(内周部84が)図の下側から上方向の70パーセ
ント程度のところまで、シャフト51の小径部82に圧
入により嵌合固定されており、(内周部84の)残りの
部分はシャフト51の外周部64との間で溝が形成され
ている。そしてこの部位には接着剤が充填されている。
即ち接着材の溜まり部分となっている。これにより、ス
テータ54とシャフト51との固定をより強固にすると
共に、ステータ54とシャフト51との嵌合力のばらつ
きを実質的になくし、またステータ54のシャフト51
に対する回り止めの役割をしている。 【0020】ステータ54から引き出されるコイルリー
ド線86は、シャフト51に穿設された孔部67を経て
モータ外部へ導出される。コイルリード線86が導出さ
れる基部68の開口部99には、フレキシブル回路基板
100が設けられており、コイルリード線86は、これ
に電気接続される。そしてモータ内外部を封止する前述
のラビリンスシール手段のシール性能を向上させるため
に、開口部99には接着剤118等が充填されて閉塞さ
れる。 【0021】ステータ54に対向して、ロータハブ52
の内周部74には、磁性材のロータヨーク85を介して
ロータマグネット55が装着されている。このロータマ
グネット55とロータヨーク85、ロータヨーク85と
ロータハブ内周部74、のそれぞれは接着剤により固定
されている。ロータヨーク85の上部内周側に設けられ
た環状溝75,76は、ロータマグネット55の接着剤
による塗布の溜まり溝である。またロータハブ52の基
部58の下端に設けられた環状溝72は、ロータヨーク
85の接着剤による塗布の溜まり溝である。【0022】 【0023】 【発明の効果】本発明のスピンドルモータは、上述の構
成を有しているので、次の効果を奏する。即ち、本発明
のスピンドルモータによれば、ラビリンスシール手段と
なる環状部材63の固定側に、嵌合固定のための案内部
96,104を設け、この環状部材63の装着方向を示
環状溝70,106または突状部111を設けたこと
により、加工と組み立ての際の手間ことができ、
信頼性と生産性の高いスピンドルモータが得られる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施例にかかるスピンドルモータの全
体を示す断面図である。 【図2】図1にかかるスピンドルモータの要部拡大断面
図である。 【図3】本発明の別の実施例にかかるスピンドルモータ
要部拡大断面図である。 【図4】図1の実施例に用いられる押圧治具を示す断面
図である。 【図5】本発明の更に別の実施例に用いられる押圧治具
を示す断面図である。 【符号の説明】 51 シャフト 52 ロータハブ 53,56 玉軸受62 内周部 63,110 環状部材 70 環状溝 71 隙間77 外周部 96,104 案内部 111 突状部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 哲也 長野県上伊那郡飯島町田切1145−4 長 野日本電産株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−91704(JP,A) 実開 平2−30584(JP,U) 実開 昭59−175762(JP,U) 実開 昭55−176063(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 5/15 H02K 5/173 F16J 15/43

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 静止部材と、該静止部材に装着された軸
    受部材と、該軸受部材を介して前記静止部材に対して相
    対回転支持されるロータハブとを具備したスピンドルモ
    ータにおいて、 前記静止部材と前記ロータハブとの間には、該静止部材
    または該ロータハブのいずれか一方に嵌合固定されると
    共に、他方との間に全周にわたり僅かな間隙をもって位
    置づけられた、環状部材が設けられ、 該環状部材により、モータ内外部を実質上封止し、 前記環状部材には、前記静止部材または前記ロータハブ
    の周面部に固定される固定部と、該固定部よりモータ内
    側に位置し、前記周面部に間隙をもって対向する案内部
    と、前記環状部材のモータ外側側面部に該環状部材の装
    着方向を示す溝または突状部が設けられた、ことを特徴
    とするスピンドルモータ。
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