JP3366211B2 - 鏡面対象物の撮像方式 - Google Patents

鏡面対象物の撮像方式

Info

Publication number
JP3366211B2
JP3366211B2 JP03855397A JP3855397A JP3366211B2 JP 3366211 B2 JP3366211 B2 JP 3366211B2 JP 03855397 A JP03855397 A JP 03855397A JP 3855397 A JP3855397 A JP 3855397A JP 3366211 B2 JP3366211 B2 JP 3366211B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hemisphere
camera
mirror
diffusion
window
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP03855397A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10221271A (ja
Inventor
新一 服部
武文 岡本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Avionics Co Ltd
Original Assignee
Nippon Avionics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Avionics Co Ltd filed Critical Nippon Avionics Co Ltd
Priority to JP03855397A priority Critical patent/JP3366211B2/ja
Publication of JPH10221271A publication Critical patent/JPH10221271A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3366211B2 publication Critical patent/JP3366211B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばTCPの裏
面などの鏡面対象物を検査する検査装置に係り、特に鏡
面対象物を撮像する撮像方式に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、IC、LSIの多ピン化要求
に適した実装技術として、TCP(Tape Carrier Packa
ge)が知られている。TCPは、TAB(Tape Automat
ed Bonding)の技術を利用したフィルム・キャリア・タ
イプのパッケージであり、ポリイミド製のフィルムキャ
リア(TABテープ)上にエッチングによって形成され
た銅箔パターンをICチップの電極に接合して外部リー
ドとする。図12はTCPの断面図である。TCPは、
フィルムキャリア21、フィルムキャリア21上に形成
された銅箔パターン22、ICチップ23、チップ23
のパッド上に形成されたAu等からなるバンプ24、銅
箔パターン22のインナリードとなる部分やチップ23
を外部力や湿気、汚染物などから保護するための樹脂2
5から構成されている。
【0003】TCPでは、製造時に銅箔パターン22の
短絡あるいは欠け等の欠陥が生じることがある。これら
の欠陥の有無は、従来は人手により目視検査されてい
た。ところが、生産量の増大と高密度化による微細パタ
ーン化により目視検査には多くの人手が必要となったた
め、近年急速に自動化の要求が高まっており、フィルム
キャリアの銅箔パターンをTVカメラで撮像して自動的
に検査する技術が提案されている(例えば、特開平6−
341960号公報)。
【0004】このようなTCPの表面に関わる検査とは
別に、TCPの裏面(図12の下面)に関わる検査とし
て、樹脂25の不足やはみ出し、フィルムキャリア21
あるいはICチップ23への樹脂25の付着(図12で
は、フィルムキャリア21あるいはICチップ23の下
面への付着を意味する)、ICチップ23の未実装等を
検査する必要がある。よって、表面と同様にTCP裏面
の検査の自動化が望まれるが、これには以下のような問
題があった。
【0005】図13にTCPの裏面を示す。TCPの中
央にある白色部がICチップ23、その周囲の黒色部が
樹脂25、その他の灰色部がフィルムキャリア21であ
る。フィルムキャリア21の裏面は、滑らかなテクスチ
ャで、非常に強い光沢性を持っている。さらに、ICチ
ップ23の実装、樹脂25の塗布および樹脂25の硬化
等の影響によってフィルムキャリア21は、歪みやうね
りを有している。一方、樹脂25は、ベーク炉を経て乾
燥した状態で半光沢性である。また、ICチップ23の
裏面は樹脂コーティングされておらず、金属性の光沢を
持っている。
【0006】このように、TCPの裏面は強光沢性のた
め、一種の鏡面として考えることが必要である。鏡面状
の物体は照射される可視光を高効率に正反射するため、
観測者は鏡面状物体に映り込んだ映像(物体から正反射
された可視光)を観測している。したがって、鏡面状物
体の観測は、物体表面に観測条件を満足するようなもの
を映し込むことが前提となる。TCP裏面の観測におい
て照明に直接光を用いた場合、観測位置によっては正反
射した直接光そのものを観測することになる。直接光の
正反射を避けて観測した場合は、TCP面に照射される
光量が非常に少なく満足な観測結果を得ることができな
い。このような理由から、鏡面反射を起こすTCP裏面
に直接光を照射する照明方法は得策ではない。
【0007】TCP裏面に対する有効な照明法として、
拡散間接光を用いる方法が考えられる。図14にハーフ
ミラーと拡散板を用いた従来のTCP外観検査装置の撮
像系のブロック図を示す。この検査装置では、光源31
からの光を拡散板32によって拡散光にして、拡散光を
ハーフミラー33によってTCP34に照射する。そし
て、TCP34からの反射光はハーフミラー33を透過
してカメラ31に入射する。図14のような照明方法に
よれば、擬似的に均一面光源を作り、完全な落射照明と
して照射することが可能である。さらに、拡散板32に
よって拡散光が生成されるため、鏡面状の物体であるT
CP34の裏面に対する照明として非常に有効である。
ハーフミラー33によって得られる拡散光は単一の指向
性を持った光であるので、平坦な鏡面部分に均等な光束
の照射ができるからである。
【0008】しかし、TCP34の裏面は、歪みやうね
りのために平坦な鏡面状態とは程遠く、様々な方向への
傾き成分を持っている。カメラ35は、TCP34の傾
斜面に対する照射光の反射成分とは正対関係にないた
め、ハーフミラー33によって傾斜部分に対する均等な
照明効果を得ることは不可能である。この場合、カメラ
35はTCP34の傾斜面に映り込んだ照明以外の物体
を観測する結果になる。映り込む物体が黒ければ、取り
込まれる画像も映り込んだ部分の輝度レベルが低いもの
となり、誤検出を起こす要因となり得る。このような状
態を避けるためには、TCPに対する光源がTCPの傾
斜面にも均等に照射可能なものでなくてはならないが、
ハーフミラーを用いた従来の撮像方法ではTCPの傾斜
に対する対応力がない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上のように従来の検
査装置の撮像方式では、TCPのような歪曲した鏡面対
象物を適切に撮像して検査することができないという問
題点があった。本発明は、上記課題を解決するためにな
されたもので、歪曲した鏡面対象物を正しく撮像するこ
とができる撮像方式を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、請求項1に記
載のように、反射光が鏡面対象物に入射するように鏡面
対象物と対向する位置に配設された、半球状の内面に拡
散面を備えると共に半球の頂点から外れた位置に窓を備
える拡散半球と、この拡散半球の拡散面を照らすための
照明手段と、鏡面対象物からの反射光が拡散半球に設け
られた窓を通って入射するように鏡面対象物に対して所
定の角度だけ傾いて配設された、鏡面対象物を撮像する
ためのカメラとを有してなり、鏡面対象物の長辺に沿う
方向をx方向、鏡面対象物の短辺に沿う方向をy方向、
鏡面対象物上の観測エリアのx方向の長さをWxwor
k、観測エリアのy方向の長さをWywork、カメラ
の撮像素子のx方向の長さをWxccd、撮像素子のy
方向の長さをWyccd、拡散半球の縁と鏡面対象物と
の距離をWd、拡散半球の半径をr、鏡面対象物とカメ
ラとの距離をdとしたとき、窓のx方向の大きさWx
を、Wx=Wxwork−{(Wxwork−Wxcc
d)×(Wd+r)/d}によって定めると共に、窓の
y方向の大きさWyを、Wy=Wywork−{(Wy
work−Wyccd)×(Wd+r)/d}によって
定め、拡散半球に射影される観測エリアのエッジと拡散
半球の中心を結ぶ直線と、拡散半球の頂点と中心を結ぶ
直線との成す角θ1を、θ1=arcsin{Wywo
rk/(2×r)}によって定め、拡散半球の頂点から
窓の中心までの円周距離ds1を、ds1=(θ1/1
80)×π×r+(1/2)×Wyによって定めるよう
にしたものである。このように、拡散半球を用いて拡散
間接光を生成し、この拡散間接光で鏡面対象物を照らす
と、拡散半球で得られる拡散間接光が鏡面対象物に対し
て様々な方向から入射するので、鏡面対象物に歪みが存
在しても、この鏡面対象物の多様に歪曲した面を均等に
照らすことができる。
【0011】また、請求項2に記載のように、カメラ
は、y方向に所定の角度だけ傾いて配設されたものであ
。このように、カメラを鏡面対象物に対して所定の角
度だけ傾いて配設し、拡散半球の窓をカメラの傾斜に応
じて拡散半球の頂点から外れた位置に設けることによ
り、拡散半球の窓が鏡面対象物に映り込むことを防止す
ることができる。また、請求項3に記載のように、カメ
ラは、鏡面対象物の中心と拡散半球の窓の中心を結ぶ直
線上の合焦点位置に配設されたものである。 また、本発
明は、請求項4に記載のように、鏡面対象物の裏面を照
射するための面光源を鏡面対象物の裏面側に設けたもの
である。 また、本発明は、請求項5に記載のように、標
準の分解能をPIXorg 、カメラの傾角をθとし、δd
=(Wy×sinθ)/2としたとき、カメラで撮像し
た画像について、観測エリアの一方のエッジにおける画
素の分解能PIXP1を、PIXP1=PIXorg ×(d−
δd)/dによって補正すると共に、観測エリアの他方
のエッジにおける画素の分解能PIXP2を、PIXP2=
PIXorg ×(d+δd)/dによって補正するもので
ある。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は本発明の第1の実施の形態
を示すTCP外観検査装置の撮像系のブロック図であ
り、1はカメラ、2a、2bはそれぞれ複数本の光ファ
イバからなり、図示しないハロゲンランプから放出され
た光を伝搬させる光ガイド、3a、3bは光ガイド2
a,2bの先端を固定するためのアタッチメント、4は
内壁が半球状の拡散面となっている拡散半球、5は観測
面が鏡面状となっているワーク(本実施の形態では、裏
面が鏡面状となっているTCP)である。
【0013】次に、このようなTCP外観検査装置の撮
像系の動作を説明する。図示しないハロゲンランプから
発せられた光は、光ガイド2a、2bの先端から拡散半
球4の拡散面に照射される。なお、光ガイド2a、2b
を使って2方向から斜方照射するのは、拡散半球4の拡
散面に陰ができないようにするためである。拡散半球4
は、内壁が半球状の反射型拡散面となっており、この拡
散面は、照明の正反射成分の発生を防止するために白色
ノングレア(艶消し)処理が施されている。
【0014】こうして、拡散半球4を少なくとも2方向
から照らし、かつ光ガイド2a、2bから放射される光
束の広がり角度が大きいため、拡散半球4の拡散面は均
一に照らされる。このように拡散半球4の拡散面に均一
に光を照射することにより、この拡散面の反射光は拡散
間接光となる。
【0015】拡散半球4によって生成される間接光は、
原理的に、拡散半球4に対して平行な面から(ここでの
平行とは、拡散半球4の頂点と中心を通る半球4の中心
軸に対して垂直になることを言う)、垂直(上記中心軸
に平行)直前まで傾斜するすべての面に、均等に光を照
射することが可能である。したがって、従来のハーフミ
ラーを用いた照明では照らすことのできない歪んだ部分
にも、効果的に光を照射することができる。
【0016】一方、ワーク5をカメラ1で撮像するため
には、ワーク5からの反射光を得る必要があるが、拡散
半球4そのものは有色であり、不透明なため、その頂点
にワーク5を観測するための窓(以下、観測ウインドウ
という)14を設けることが不可欠となる。これによ
り、ワーク5からの反射光が観測ウインドウ14を通っ
てカメラ1に入射する。
【0017】なお、図1では、拡散半球4の中心軸がワ
ーク5に対して垂直となるように半球4を配置すると共
に、カメラ1の取込軸がワーク5に対して垂直となるよ
うにカメラ1を配置し、観測ウインドウ14を半球4の
頂点に設けているが、実際の検査では、ワーク5の観測
面が鏡面状であるために、観測ウインドウ14がワーク
5に映り込み、検査を行う上での障害となる。
【0018】そこで、この観測ウインドウ14を観測視
野範囲から除外するために、ウインドウ14を拡散半球
4の頂点から映り込まない位置までずらして設置し、カ
メラ1の取込軸をワーク5に対して垂直な位置から適当
な角度で傾斜させ、ワーク5の画像を取り込む。この方
法によって、ワーク5上へ観測ウインドウ14が映り込
む現象を防止することができる。
【0019】次に、以上のような撮像系の詳細な計算に
ついて説明する。まず、図1に示すワーク5とカメラ1
(正確には、カメラ1の撮像素子)との距離(以下、ワ
ークディスタンスという)dは、カメラ1のレンズの焦
点距離および分解能によって決定される。また、拡散半
球4の縁とワーク5との距離Wd、拡散半球4の半径r
は、分解能やワーク5上の観測エリア(検査範囲)の大
きさ、ワーク5の歪み等の要素によって決定される。
【0020】分解能や観測エリアサイズは仕様によって
決定されるが、ワーク5の歪み等は不確定要素である。
したがって、距離Wdや半径rは、ワーク5の歪み等を
現実的な範囲に限定した上で実験を行い、理想的な照明
状態を実現する条件を実験値として確定する。
【0021】続いて、図2に示すように、カメラ1の撮
像素子11(例えばCCD素子)のx方向の長さをWx
ccd、y方向の長さをWyccdとし、観測ウインド
ウ14のx方向の長さをWx、y方向の長さをWyと
し、ワーク5上の観測エリア15のx方向の長さをWx
work、y方向の長さをWyworkとすると、撮像
素子11、観測ウインドウ14、観測エリア15の位置
関係は、図3のように設定される。
【0022】なお、x方向、z方向については図1に示
したとおりであるが、y方向とは図1において紙面に垂
直な方向を意味し、TCPにおいては搬送方向となる。
そして、図3の位置関係から、拡散半球4に設ける観測
ウインドウ14の大きさWx、Wyを次式によって求め
ることができる。
【0023】 Wx=Wxwork−{(Wxwork−Wxccd)×(Wd+r)/d} ・・・(1) Wy=Wywork−{(Wywork−Wyccd)×(Wd+r)/d} ・・・(2)
【0024】上述のようにカメラ1を傾斜させると、取
込画像に若干の歪みを生じることは回避できないため、
カメラ1の傾きを最小限にする必要がある。また、カメ
ラ1を傾斜させる方向は、歪みを最小限にするために長
さの短いy方向とする。次いで、観測ウインドウ14の
位置及びカメラ1の傾角θ3の計算について説明する。
図4はこの計算方法を説明するための図である。
【0025】図4において、拡散半球4に射影される観
測エリア15のエッジEと拡散半球4の中心Oを結ぶ直
線と、ワーク5の垂線との成す角θ1は、次式で求める
ことができる。 θ1=arcsin{Wywork/(2×r)} ・・・(3) 拡散半球4の頂点Pに観測ウインドウ14を設けて、ワ
ーク5に対して垂直な位置から画像を取り込む場合、ワ
ーク5上のK1の位置に観測ウインドウ14が映り込ん
でしまう。
【0026】これに対して、ワーク5上の観測エリア1
5に映り込まない位置に観測ウインドウ14を設定した
場合の、拡散半球4の頂点Pから観測ウインドウ14の
中心Qまでの円周距離ds1は次式で求めることができ
る。 ds1=(θ1/180)×π×r+(1/2)×Wy ・・・(4)
【0027】よって、観測ウインドウ14は、拡散半球
4の頂点Pから円周距離ds1だけずれた位置Qを中心
として、x方向にWx、y方向にWyの大きさを有す
る。また、この距離ds1によって、拡散半球4の中心
Oと観測ウインドウ14の中心Qを結ぶ直線と、ワーク
5の垂線との成す角θ2は次式で求められる。 θ2={180/(π×r)}×ds1 ・・・(5)
【0028】したがって、観測エリア15の中心と観測
ウインドウ14の中心Qを結ぶ直線と、ワーク5の垂線
との成す角、すなわちカメラ1の傾角θ3は次式によっ
て計算できる。 θ3=arctan{r×sinθ2/(r×cosθ2+Wd)} ・・・(6)
【0029】以上の計算により、観測ウインドウ14が
映るワーク5上の位置をK2に移動させることができ、
観測ウインドウ14の映り込まない観測エリア15の画
像をカメラ1で取り込むことが可能となる。次に、カメ
ラ1を角度θ3だけで単純に傾け、観測エリア15を取
り込む位置に動かした場合、ワーク5と撮像素子11間
の距離が上記ワークディスタンスdよりも長くなる。ワ
ークディスタンスdは、分解能によって決定された値で
あるので、カメラ1の傾き如何に関わらず一定にしなけ
ればならない。
【0030】そこで、ワークディスタンスdを保つため
に、カメラ1のy方向のシフト量dy、z方向のシフト
量dzを次式によって算出する。 dy=d×sinθ3 ・・・(7) dz=d×(1−cosθ3) ・・・(8)
【0031】こうして、図4に示すように、撮像素子1
1(カメラ1)をθ3だけ傾けて、y方向にdy及びz
方向にdzだけシフトさせることにより、分解能を変化
させることなく、観測ウインドウ14の映り込みの無い
画像を取り込むことが可能となる。
【0032】また、カメラ1を傾けて画像を取り込む
と、前述のように取込画像に歪みが生じる。図5は取込
画像の歪みの補正方法を説明するための図である。図5
に示すように、ワークディスタンスdを不変としてカメ
ラ1をθ3だけ傾けた場合、ワーク5上の観測エリア1
5のエッジP1、P2における一画素の分解能PIXP
1、PIXP2は次式のように計算される。
【0033】 PIXP1=PIXorg ×(d−δd)/d ・・・(9) PIXP2=PIXorg ×(d+δd)/d ・・・(10) 式(9)、(10)において、PIXorg は標準の分解
能、δd=(Wy×sinθ3)/2である。こうし
て、式(9)、(10)に基づいて、取込画像に対する
分解能を補正し実際の検査を行う。
【0034】実際の検査では、カメラ1によって撮像さ
れたワーク5の濃淡画像を図示しないA/D変換回路で
ディジタル化し、このディジタル画像データを図示しな
い2値化回路によって2値化して、2値化パターンを例
えば基準となるマスタパターンと比較することにより、
ワーク5を検査することができる。
【0035】例えば、TCPの裏面には、ICチップや
フィルムキャリア等の強い反射が生じる部分と樹脂等の
弱い反射が生じる部分が存在する。後述のように、本発
明の撮像方式によれば、このような濃淡を適切に取り込
むことができるので、ICチップやフィルムキャリアの
濃度と樹脂の濃度の間の値を2値化のためのしきい値に
設定して、取り込んだ画像データを2値化すれば、IC
チップやフィルムキャリアが例えば「1」となり、樹脂
が「0」となる2値化パターンが得られる。
【0036】このとき、ICチップやフィルムキャリア
上に樹脂が付着していれば、本来「1」となるべきチッ
プあるいはフィルムキャリアの部分が「0」となる。よ
って、この2値化パターンをマスタパターンと比較すれ
ば、樹脂の付着を容易に検出することができる。逆に、
樹脂が不足していると、本来「0」となるべき部分が
「1」となる。これにより、樹脂の不足を容易に検出す
ることができる。
【0037】同様に、ICチップが実装されていない場
合、本来「1」となるべきチップの部分が「0」とな
る。これにより、ICチップの未実装を容易に検出する
ことができる。
【0038】以上のようにして、ワーク5が正常かどう
かを検査することができる。なお、TCPでは、フィル
ムキャリアに穴があいており、拡散半球4による反射照
明(観測側から照射する照明)だけでは穴部分が黒く抜
けた状態で取り込まれる。その結果、輝度レベルが樹脂
と同一となり、誤検出を起こす要因となる。穴部分をフ
ィルムの輝度レベルにすることで、このような問題は未
然に防ぐことができる。
【0039】そこで、TCPの裏面のような穴の開いて
いるワーク5に対しては、観測面の反対(つまり、図1
の下側)から面光源を照射し、穴部分の輝度レベルをフ
ィルムのレベルまで高く設定する。このような照明を構
成することで、検査を行うための安定した画像を得るこ
とが可能になる。
【0040】図6、図7に図14の従来の撮像系で取り
込んだTCP裏面の写真を示し、図8〜図10に本実施
の形態の撮像系で取り込んだTCP裏面の写真を示す。
図6〜図10は、TCPの裏面を撮像して得られた画像
を写真として出力(ビデオプリンタによる出力)したも
のである
【0041】また、図11は、図6〜図10を説明する
ための図である。図11に示すように、図6〜図10に
おいて灰色のフィルムキャリア21を横切る箱状の白い
部分はICチップ23、このICチップ23の周辺にあ
る黒い部分は樹脂25、フィルムキャリア21を縦に横
切る箱状の白い部分はテープガイドの金属反射面Gであ
る。
【0042】また、右端の黒い部分はビデオプリンタの
メニュー表示部M、x軸線Lxとy軸線Lyが交わる点
が輝度分布の計測を行っている位置を示すクロスカーサ
C、クロスカーサ近傍の曲線Rx,Ryはそれぞれクロ
スカーサCが示すX座標,y座標の輝度を表している。
なお、曲線Rxが示す輝度は、上側に行くほど高く、曲
線Ryが示す輝度は、右側に行くほど高い。
【0043】図6、図7から分かるように、TCPの裏
面を従来の撮像系で取り込むと、フィルムキャリア21
と樹脂25との輝度差(コントラスト)が十分に得られ
ていない。また、フィルムキャリア21のエッジ近辺に
はシェーディング(陰)が発生している。コントラスト
が得られない要因としては、ハーフミラーの構造上、乳
白色アクリル板によって拡散された間接光の色が白色か
ら若干変化しているため、TCPに映り込んだ時にフィ
ルムキャリア21の輝度レベルを十分に高められないこ
とが挙げられる。
【0044】さらに、TCPはベーク炉で受ける熱の影
響によって歪みを生じフィルム面がさまざまな角度を持
っているため、ハーフミラーから照射される単一方向の
光束ではフィルム面の角度に対応できない。その結果、
フィルムキャリア21のエッジ部分にシェーディングを
生じているものと結論づけられる。したがって、樹脂2
5の不足やはみ出し、フィルムキャリア21上の樹脂付
着を検出することは非常に困難である。
【0045】一方、図8、図9から分かるように、TC
Pの裏面を本実施の形態の撮像系で取り込むと、フィル
ムキャリア21と樹脂25との輝度差が十分に得られて
いることが分かる。また、フィルムキャリア21の両エ
ッジ近傍の歪曲によるシェーディングも発生していな
い。これは、拡散半球4を用いることによって、TCP
の歪みで傾いたフィルム面に拡散光を照射することが可
能になったためである。
【0046】したがって、図10に示すように、フィル
ムキャリア21上に樹脂25が付着した(図10では、
ICチップ23の下側にある楕円形の黒い点)TCPを
本実施の形態の撮像系で取り込むと、付着した樹脂とフ
ィルムキャリアとの間にコントラストがあることから、
この欠陥を容易に検出することが可能である。なお、本
実施の形態では、TCPの裏面を撮像しているが、他の
物体に本発明を適用してもよいことは言うまでもない。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、請求項1に記載のよう
に、拡散半球を用いて拡散間接光を生成し、この拡散間
接光で鏡面対象物を照らすことにより、鏡面対象物に歪
みが存在しても、この鏡面対象物の多様に歪曲した面を
均等に照らすことができ、歪曲した鏡面対象物を正しく
撮像することが可能となる。その結果、撮像した画像を
鏡面対象物を検査する検査装置に使用すれば、鏡面対象
物を正しく検査することができる。
【0048】また、請求項2に記載のように、カメラを
鏡面対象物に対して所定の角度だけ傾いて配設し、拡散
半球の窓をカメラの傾斜に応じて拡散半球の頂点から外
れた位置に設けることにより、拡散半球の窓がカメラの
観測エリア内の鏡面対象物に映り込むことを防止するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態を示すTCP外観
検査装置の撮像系のブロック図である。
【図2】 カメラの撮像素子、観測ウインドウ及び観測
エリアの大きさを説明するための図である。
【図3】 撮像素子、観測ウインドウ及び観測エリアの
位置関係を示す図である。
【図4】 観測ウインドウの位置及びカメラの傾角の計
算方法を説明するための図である。
【図5】 取込画像の歪みの補正方法を説明するための
図である。
【図6】 従来の撮像系で取り込んだTCP裏面の写真
である。
【図7】 従来の撮像系で取り込んだTCP裏面の写真
である。
【図8】 図1の撮像系で取り込んだTCP裏面の写真
である。
【図9】 図1の撮像系で取り込んだTCP裏面の写真
である。
【図10】 図1の撮像系で取り込んだTCP裏面の写
真である。
【図11】 図6〜図10を説明するための図である。
【図12】 TCPの断面図である。
【図13】 TCPの下面図である。
【図14】 従来のTCP外観検査装置の撮像系のブロ
ック図である。
【符号の説明】
1…カメラ、2a、2b…光ガイド、4…拡散半球、5
…ワーク、11…撮像素子、14…観測ウインドウ、1
5…観測エリア。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/84 - 21/958

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反射光が鏡面対象物に入射するように鏡
    面対象物と対向する位置に配設された、半球状の内面に
    拡散面を備えると共に半球の頂点から外れた位置に窓を
    備える拡散半球と、 この拡散半球の拡散面を照らすための照明手段と、前記 鏡面対象物からの反射光が前記拡散半球に設けられ
    た窓を通って入射するように前記鏡面対象物に対して所
    定の角度だけ傾いて配設された、前記鏡面対象物を撮像
    するためのカメラとを有してなり、 前記鏡面対象物の長辺に沿う方向をx方向、前記鏡面対
    象物の短辺に沿う方向をy方向、鏡面対象物上の観測エ
    リアのx方向の長さをWxwork、前記観測エリアの
    y方向の長さをWywork、前記カメラの撮像素子の
    x方向の長さをWxccd、前記撮像素子のy方向の長
    さをWyccd、前記拡散半球の縁と前記鏡面対象物と
    の距離をWd、前記拡散半球の半径をr、前記鏡面対象
    物と前記カメラとの距離をdとしたとき、 前記窓のx方向の大きさWxを、 Wx=Wxwork−{(Wxwork−Wxccd)×(Wd+r)/d} によって定めると共に、前記窓のy方向の大きさWy
    を、 Wy=Wywork−{(Wywork−Wyccd)×(Wd+r)/d} によって定め、 前記拡散半球に射影される前記観測エリアのエッジと前
    記拡散半球の中心を結ぶ直線と、前記拡散半球の頂点と
    中心を結ぶ直線との成す角θ1を、 θ1=arcsin{Wywork/(2×r)} によって定め、 前記拡散半球の頂点から前記窓の中心までの円周距離d
    s1を、 ds1=(θ1/180)×π×r+(1/2)×Wy によって定める ことを特徴とする鏡面対象物の撮像方
    式。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の鏡面対象物の撮像方式に
    おいて、 前記カメラは、前記y方向に所定の角度だけ傾いて配設
    されたものであることを特徴とする鏡面対象物の撮像方
    式。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の鏡面対象物の撮像
    方式において、 前記カメラは、前記鏡面対象物の中心と
    前記拡散半球の窓の中心を結ぶ直線上の合焦点位置に配
    設されたものであることを特徴とする鏡面対象物の撮像
    方式。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれかに記載の鏡面
    対象物の撮像方式において、 前記鏡面対象物の裏面を照射するための面光源を前記鏡
    面対象物の裏面側に設けたことを特徴とする鏡面対象物
    の撮像方式。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれかに記載の鏡面
    対象物の撮像方式において、 標準の分解能をPIXorg 、前記カメラの傾角をθと
    し、δd=(Wy×sinθ)/2としたとき、前記カ
    メラで撮像した画像について、前記観測エリアの一方の
    エッジにおける画素の分解能PIXP1を、 PIXP1=PIXorg ×(d−δd)/d によって補正すると共に、前記観測エリアの他方のエッ
    ジにおける画素の分解能PIXP2を、 PIXP2=PIXorg ×(d+δd)/d によって補正することを特徴とする鏡面対象物の撮像方
    式。
JP03855397A 1997-02-07 1997-02-07 鏡面対象物の撮像方式 Expired - Fee Related JP3366211B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03855397A JP3366211B2 (ja) 1997-02-07 1997-02-07 鏡面対象物の撮像方式

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03855397A JP3366211B2 (ja) 1997-02-07 1997-02-07 鏡面対象物の撮像方式

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10221271A JPH10221271A (ja) 1998-08-21
JP3366211B2 true JP3366211B2 (ja) 2003-01-14

Family

ID=12528492

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP03855397A Expired - Fee Related JP3366211B2 (ja) 1997-02-07 1997-02-07 鏡面対象物の撮像方式

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3366211B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014196010A1 (ja) * 2013-06-03 2014-12-11 ヤマハ発動機株式会社 外観検査装置
CN106324819B (zh) * 2015-07-09 2019-02-01 承奕科技股份有限公司 抗眩光匀光光源及具该光源的影像撷取装置
JP7050771B2 (ja) * 2016-10-07 2022-04-08 ハッチンソン テクノロジー インコーポレイテッド 検査システムのための軸上照明及び拡散照明

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10221271A (ja) 1998-08-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4728195A (en) Method for imaging printed circuit board component leads
EP0501683B1 (en) Technique for enhanced two-dimensional imaging
JP3709426B2 (ja) 表面欠陥検出方法および表面欠陥検出装置
JP2001255281A (ja) 検査装置
JP2002513470A (ja) 検査装置
KR100671770B1 (ko) 패턴 검사 장치
JPH08247736A (ja) 実装基板検査装置
JP3366211B2 (ja) 鏡面対象物の撮像方式
JPH11296657A (ja) 画像処理装置の撮像光学系
Ray Automated inspection of solder bumps using visual signatures of specular image-highlights
JPH06331564A (ja) 半田接合部の検査装置
JP3398754B2 (ja) 集積回路チップ浮き上がり検査装置
JPS6337479A (ja) パタ−ン認識装置
JP3100448B2 (ja) 表面状態検査装置
JP2818347B2 (ja) 外観検査装置
JP4522570B2 (ja) パターン検査用照明装置
JPH03181807A (ja) 視覚装置
JP3609136B2 (ja) 半導体装置の検査方法及び装置
JPH029506B2 (ja)
JP3444228B2 (ja) 半導体装置のリード検査装置
JPH01248285A (ja) 画像処理における照明方法
JPH0414281B2 (ja)
JP2830282B2 (ja) 半田フィレットの外観検査方法
JPS61213709A (ja) 電子部品外観検査方法
JPH11312241A (ja) パターン検査装置

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071101

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081101

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091101

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101101

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101101

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111101

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111101

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121101

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121101

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131101

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees