JP3366177B2 - 床面洗浄機用スキージ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、走行しながら回転
ブラシを回転して床面を洗浄する床面洗浄機（スクラバ
ー）の技術分野に属するものであって、具体的には、回
転ブラシによって洗浄された後に床面上に残る汚水を吸
い取って汚水タンクに回収するスキージに関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】従来の一般的な床面洗浄機用スキージ
は、例えば実開平６−３８８４８号公報、同６−７９４
５４号公報、或は、同６−５８８５３号公報等に見られ
るように、前後２枚の可撓性ブレードを間隔をあけて平
行に取付け、これ等２枚の可撓性ブレードの間にブロア
ーの吸引作用を及ぼして、この吸引力で可撓性ブレード
が掻き集めた汚水を床面から吸い取るように構成されて
いる。

【０００３】これに対して、例えば特開昭５２−７５０
６４号公報に見られるように全体を略弓型形状に屈曲形
成したスキージ（パラボラスキージ）は、回転ブラシが
洗浄した後の汚水を中央に収集しながら吸い取るため、
上述した従来の一般的なスキージのように全体を直線的
に構成したものに比較して、汚水を確実に、且つ、効率
良く吸い取ることができる利点を備えている。

【０００４】図６は、上記従来の弓型スキージの一部を
示した断面斜視図であって、図中、Ｈは全体を略弓型に
屈曲形成したケース体、ＦとＥはケース体Ｈの内部に間
隔をあけて取付けた前後２枚の可撓性ブレード、Ｒはこ
れ等２枚の可撓性ブレードＦ，Ｅを保持するサポータ
で、バキュームホースを通してブロアーの吸引作用を前
後の可撓性ブレードＦ，Ｅの間に及ぼすことによって、
掻き集めた汚水を床面から吸い取って回収する仕組に成
っている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、以上の如く構
成した従来の弓型スキージは、前後２枚の可撓性ブレー
ドＦ，Ｅがいずれもゴム板を円筒状に丸めたその一部の
形状、即ち、細長い長方形の展開形状に形成されてい
て、剛性が高く座屈性に欠けるため、図６に示した矢印
Ｙの上方向から圧力を加えた場合に、可撓性ブレード
Ｆ，Ｅが撓みにくくて床面の凹凸に対して柔軟に追従す
ることができず、その結果、床面上に吸引漏れの汚水が
残ってしまう問題があった。

【０００６】更に、上記従来の弓型スキージは、撓み性
（柔軟性）を欠く点で、床面から受ける圧力及び衝激に
よって可撓性ブレードＦ，Ｅのエッジ部分に傷が入った
り、破損したりする場合があって、商品寿命が短い問題
もあった。

【０００７】従って本発明の技術的課題は、全体を略弓
型形状に屈曲形成した床面洗浄機用スキージの可撓性ブ
レードに柔軟性を持たせることにより、床面の凹凸に対
して可撓性ブレードを柔軟に追従させて、スキージ機能
を高めると共に、商品寿命を長くすることである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記の技術的課題を解決
するために本発明で講じた手段は以下の如くである。

【０００９】（１） 回転ブラシによって洗浄した後の
汚水を、可撓性ブレードで掻き集めながらブロアーの吸
引力で床面より吸い取るように構成した床面洗浄機用の
スキージであって、このスキージの全体を略弓型形状に
屈曲形成すると共に、上記可撓性ブレードの展開形状を
円錐形状の一部を成す形状に構成し、且つ、この可撓性
ブレードを床面に対して予め斜めに角度を持たせた状態
で接触するように取付けること。

【００１０】（２） 床面に対する可撓性ブレードの接
触角度を４５度〜７０度の範囲内に設定すること。

【００１１】上記（１）と（２）で述べた手段は以下の
如く作用する。

【００１２】上記（１）で述べた手段によれば、可撓性
ブレードの展開形状を円錐形状の一部とする一方、床面
に対して斜めに角度を持って接触するように構成してい
るため、スキージの全体が略弓型形状に形成されている
にも係らず、可撓性ブレードが上方からの力に対して優
れた座屈作用及び弾性作用を発揮できるから、床面の凹
凸に対する追従性を向上してスキージ効果を高めること
ができると共に、床面から受ける圧力及び衝激を減少さ
せて、可撓性ブレードのエッジに傷が入ったり破損した
りする問題を解消することができる。

【００１３】上記（２）で述べた手段によれば、可撓性
ブレードの接触角度を４５度以上、７０度以下とするこ
とで、床面の凹凸に対する追従性を更に向上する一方、
可撓性ブレードの下端部と床面の間にゴミ等が噛み込ま
れる問題を解消することができ、更に、可撓性ブレード
を床面に対して垂直に構成した従来のスキージに比較し
て、汚水の掻き寄せ力を増強できるから、凹凸の多い床
面でも優れたスキージ効果を発揮することを可能にす
る。

【００１４】以上の如くであるから、上記（１）と
（２）で述べた手段によって上述した技術的課題を解決
して、前記従来の技術の問題点を解消することができ
る。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る床面洗浄機
用スキージの実施の形態を、添付した図面と共に詳細に
説明する。

【００１６】図１は本発明に係るスキージが実施されて
いる床面洗浄機の内部構造を説明した斜視図、第２図は
その平面図であって、これ等の図面に於いて、１は洗浄
機の機体、１ａは運転用のハンドル、１ｂと１ｃは駆動
輪と前輪、２はモータ２Ｍによって回転して床面を洗浄
する回転ブラシ、３と４は機体１内に搭載した清液又は
洗剤液ＣＷ用のタンクと汚水ＤＷ用のタンク、５はポン
プ５Ｔの作用によって取入口５ａから取入れた清液又は
洗剤液ＣＷを上記の回転ブラシ２に供給する給液パイプ
を示す。

【００１７】また、符号６で全体的に示したのは全体を
略弓型形状に形成した本発明に係るスキージであって、
機体１の後部に連結されたこのスキージ６には、吸引パ
イプ１０を通して汚水タンク４内に作用するブロアー１
０Ｔの吸引力が、先端口９ａよりバキュームホース９を
通して及んでいて、この吸引力で回転ブラシ２の洗浄回
転によって床面上に残った汚水を、上記バキュームホー
ス９を通して汚水タンク４内に吸引回収するように構成
されており、更に、上述した吸引パイプ１０の上端には
フロート弁付きの吸引口１０ａが設けられている。

【００１８】更に図中、７はスキージ６を機体１の後部
に連結する連結板、７Ｔは連結板７の取付軸を示し、ま
た、図１と図２、及び、図３に示した断面図に於いて、
６ａはスキージ６を構成する略弓型形状のケース体、６
ａ１と６ａ２はケース体６ａの前後両縁に下向きに屈曲
形成したカバー片、６ｂ，６ｃはこのケース体６ａ内の
前後に間隔をあけて並設した前後２枚の可撓性ブレー
ド、６Ｘはこれ等２枚のブレード６ｂ，６ｃを前後のカ
バー片６ａ１と６ａ２との間で固定するサポータであっ
て、上記ケース体６ａの上面中央に突設した通気口８に
上記バキュームホース９の下端口が接続されていて、ブ
ロアー１０Ｔの吸引力をこのケース体６ａの内部を通し
て前後の可撓性ブレード６ｂ，６ｃ間に及ぼす仕組に成
っている。

【００１９】尚、図１乃至図３に於いて１１はボルト１
２ａとナット１２によってケース体６ａの後部に取付け
た車輪カバーで、このカバー１１には車軸１４によって
ガイド車輪１３が回転自在に取付けられている。

【００２０】また、本発明では特に、上述した略弓型形
状を成すケース体６の後部カバー片６ａ２の角度と、上
記サポータ６Ｘの後部側面の角度を、図３に示すように
夫々４５と〜７０度の範囲の傾斜角に構成することによ
り、これ等後部カバー片６ａ２とサポータ６Ｘの後部側
面の間にその上端部を挾持して固定される上記後部可撓
性ブレード６ｃの床面に対する接触角度θを、同じく４
５度〜７０度の範囲内に設定するように構成されてい
る。

【００２１】更に、全体をゴム又は合成樹脂等を用いて
構成した上記後部可撓性ブレード６ｃの展開形状は、図
４に示すように略円錐型形状体ＤＴの一部を成す形状に
造られていて、この可撓性ブレード６ｃの上端部を上述
の如くケース体６の後部カバー片６ａ２の内側に沿って
差込んでサポータ６Ｘで挾持固定することにより、全体
を略弓型形状に屈曲し、且つ、後部カバー片６ａ２を床
面に対して角度θで接触させた本発明に係るスキージ６
を構成する仕組に成っている。

【００２２】尚、上記の後部可撓性ブレード６ｃに対抗
する前部側の可撓性ブレード６ｂは、全体が細長い略長
方形状に形成されていて、その上端部をケース体６ａの
前部カバー片６ａ１とサポータ６Ｘの間で挾持すること
によって、床面に対して略垂直に取付けられている。

【００２３】本発明に係る床面洗浄機用スキージは以上
述べた如き構成であるから、全体を略弓型形状に屈曲形
成したスキージ６が、回転ブラシ２によって洗浄された
後の汚水ＤＷを中央に収集するように掻き寄せながら床
面上から吸い取るため、略直線状に形成した従来のスキ
ージに比較して数段優れたスキージ効果を発揮すること
ができる。

【００２４】また、本発明では特に、上記弓型形状を成
すスキージ６の後部可撓性ブレード６ｃの展開形状を、
図４に示すように円錐形状体ＤＴの一部を成す形状に構
成すると共に、この後部可撓性ブレード６ｃを床面に対
して斜めに角度θを持たせた状態で接触するように構成
しているため、図５の一部断面斜視図に示す如くスキー
ジ６に対して上方から矢印Ｙの方向に力が加えられたと
しても、後部可撓性ブレード６ｃが矢印Ｙａの方向に弾
性的に屈曲して優れた座屈作用（屈曲作用）を発揮する
ので、床面の凹凸に対して速やかに、且つ、柔軟に追従
して、床面上の汚水ＤＷを残さず掻き寄せることがで
き、更に、床面から受ける圧力によって後部可撓性ブレ
ード６ｃのエッジに傷が入ったり、破損したりする問題
も解決することができる。

【００２５】更に本発明では、後部可撓性ブレード６ｃ
の傾斜状態によって、可撓性ブレード６ｃの下端部と床
面の間にゴミ等が噛み込みにくい状態にしたため、洗浄
後の床面に筋状の汚水跡を残す問題を解決することがで
きる。

【００２６】

【発明の効果】従って本発明に係る床面洗浄機用スキー
ジによれば、例えば、目地のあるタイル面のように多数
の凹凸が存在する床面に対しても、１度で汚水を確実に
吸い取ることができる優れたスキージ効果を発揮して、
床面の洗浄作業を省力化できる利点を発揮できると共
に、床面の凹凸に対して可撓性ブレードが優れた弾力性
と耐久性を発揮して、スキージの商品寿命を長くできる
利点を発揮することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る弓型スキージを備えた床面洗浄機
の内部構造を説明した斜視図である。

【図２】本発明に係るスキージを備えた床面洗浄機の一
部省略平面図である。

【図３】本発明に係るスキージの拡大断面図である。

【図４】可撓性ブレードの展開形状を説明した構成図で
ある。

【図５】本発明に係るスキージの一部を示した断面斜視
図である。

【図６】従来のスキージの一部を示した断面斜視図であ
る。

【符号の説明】

１ 床面洗浄機の機体 ２ 回転ブラシ ６ スキージ ６ａ ケース体 ６ｃ 可撓性ブレード １０Ｔ ブロアー

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A47L 11/40 A47L 11/30 A47L 7/00

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 回転ブラシによって洗浄した後の汚水
   を、可撓性ブレードで掻き集めながらブロアーの吸引力
   で床面より吸い取るように構成した床面洗浄機用のスキ
   ージであって、このスキージの全体を略弓型形状に屈曲
   形成すると共に、上記可撓性ブレードの展開形状を円錐
   形状の一部を成す形状に構成し、且つ、この可撓性ブレ
   ードを床面に対して予め斜めに角度を持たせた状態で接
   触するように取付けたことを特徴とする床面洗浄機用ス
   キージ。
2. 【請求項２】 床面に対する可撓性ブレードの接触角度
   を４５度〜７０度の範囲内に設定したことを特徴とする
   請求項１記載の床面洗浄機用スキージ。