JP3366149B2 - 水圧転写に使用される活性剤組成物 - Google Patents

水圧転写に使用される活性剤組成物

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JP3366149B2
JP3366149B2 JP07065395A JP7065395A JP3366149B2 JP 3366149 B2 JP3366149 B2 JP 3366149B2 JP 07065395 A JP07065395 A JP 07065395A JP 7065395 A JP7065395 A JP 7065395A JP 3366149 B2 JP3366149 B2 JP 3366149B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の目的】
【産業上の利用分野】本発明は、水圧による押圧力を利
用して曲面等の三次元物体に木目や大理石模様などを転
写する、いわゆる水圧転写技術における、転写フィルム
上の印刷模様層に再度粘着性等を付与する活性剤組成物
に関するものである。
【0002】
【発明の背景】従来、これら活性剤組成物には、特開昭
63−197685号公報に見られるように、樹脂分、
溶剤分、可塑剤分、及び体質顔料から成るものが好適と
され、体質顔料としては沈降性硫酸バリウムが、樹脂分
としては短油性アルキッド樹脂にニトロセルロースが添
加される形で用いられていた。前記公報に見られるよう
に、体質顔料は、再度粘着性等を付与した印刷模様層に
対し、見掛けの乾燥を図ってゴミの付着を防止すると共
に、チクソ性を付与してインクズレを防止しつつ割れも
防ぐことを目的とし、仕上がり時における転写模様の鮮
映性を阻害しない程度添加されるものであった。ところ
が、近年のように水圧転写技術が普及し、高意匠のもの
が要求されてくると、その数パーセント添加による鮮映
性の低下も見過ごせない状況となってきた。すなわち、
従来の活性剤組成物は、使用前の液状時に白濁状であ
り、乾燥皮膜化して初めて極めて透明に近くなるもので
あったが、今やこの極めてさえ問題とされるようになっ
たのである。また、従来の活性剤組成物では、この硫酸
バリウムが沈降傾向にあり、使用時に再撹拌しないと所
期の性能が得られないという問題もあった。
【0003】また、意匠の多様化で印刷模様層における
インクの印刷量が小から大まで広範に渡ってくると、印
刷量大の場合に備えて、活性剤組成物に強いインク溶解
力も必要とされてくる。インク溶解力が不足すると、溶
解不良箇所や被転写体上の微細な凹凸をきっかけとし
て、転写フィルム及び印刷模様層の円滑な伸展が阻害さ
れ、転写模様層に細かな気泡状の膨れやその頂点が弾け
たクレータ状の所謂インクブツという欠陥を生じる。と
言うのも、短油性アルキッド樹脂自体は比較的柔らかい
樹脂であるから、インクの溶解不良を生じても、被転写
体の微細な凹凸にも柔軟に対応し得る可能性は残される
が、短油性アルキッド樹脂に添加しているニトロセルロ
ースが比較的硬い樹脂である為、インクの溶解不良は被
転写体の微細な凹凸への追従に不足を生じ、結局インク
ブツを避け得なかった。かと言って、不乾性樹脂たる短
油性アルキッド樹脂の見掛けの乾燥を図るようにしてゴ
ミ付着を防止し、また硬さ調整もしているニトロセルロ
ースを外すことはできなかったのである。更には、従来
の活性剤組成物を用いて水圧転写した製品では、経時的
に製品塗膜から気泡が生じてくることがあったが、本出
願人は、樹脂分として添加しているニトロセルロースが
吸湿性が高くて、大気中の水分を吸収し、蓄積の後、や
がてや気泡として塗膜を浮き上がらせると、その挙動、
原因を突き止めた。
【0004】
【開発を試みた技術的事項】すなわち、本発明は、仕上
がり時における転写模様の鮮映性を確保すると共に、従
来体質顔料とニトロセルロースが担ってきたところの見
掛けの乾燥を図ってのゴミ付着防止、インクズレを防止
しつつの伸展時の塗膜割れ防止等を許容できる範囲に止
めた上で、インクブツ欠陥の防止に特に優れ、経時的に
生ずることのある製品塗膜の気泡よる浮き上がり現象を
も回避できる活性剤組成物を提供しようとするものであ
る。
【0005】
【発明の構成】
【目的達成の手段】そこで、本出願に係る第1の発明た
る水圧転写に使用される活性剤組成物は、水圧転写にお
ける転写フィルムの印刷模様層を活性化させるための組
成物であって、樹脂分、溶剤分、可塑剤分から成り、樹
脂分として短油性アルキッド樹脂と共にセルロースアセ
トブチレートを用いて成ることを特徴とするものであ
る。
【0006】また、本出願に係る第2の発明たる水圧転
写に使用される活性剤組成物は、水圧転写における転写
フィルムの印刷模様層を活性化させるための組成物であ
って、樹脂分、溶剤分、可塑剤分から成り、樹脂分とし
て短油性アルキッド樹脂の20重量部に対してセルロー
スアセトブチレートの3重量部以下を用いて成ることを
特徴とするものである。
【0007】また、本出願に係る第3の発明たる水圧転
写に使用される活性剤組成物は、水圧転写における転写
フィルムの印刷模様層を活性化させるための組成物であ
って、樹脂分として短油性アルキッド樹脂の20重量部
に対してセルロースアセトブチレートの1重量部を用
い、溶剤分としてブチルセロソルブとブチルカルビトー
ルアセテートを用い、可塑剤分としてフタル酸ジブチル
を用いて成ることを特徴とするものである。
【0008】また、本出願に係る第4の発明たる水圧転
写に使用される活性剤組成物は、水圧水圧転写における
転写フィルムの印刷模様層を活性化させるための組成物
であって、樹脂分として短油性アルキッド樹脂の20重
量部に対してセルロースアセトブチレートの1重量部を
用い、溶剤分としてブチルセロソルブ30重量部とブチ
ルカルビトールアセテート80重量部を用い、可塑剤分
としてフタル酸ジブチル30重量部を用いて成ることを
特徴とするものである。
【0009】
【発明の作用】活性剤組成物中には従来の体質顔料分が
添加されないので、活性剤組成物は当然の如く透明を呈
し、活性剤組成物が乾燥皮膜化しても勿論透明を呈す
る。セルロースアセトブチレートは、ニトロセルロース
より柔らかな樹脂であるので、短油性アルキッド樹脂に
ある程度の硬さ付与と見掛けの乾燥化を図りつつ、イン
クの溶解不良の場合にも被転写体の微細な凹凸に追従し
得る相応の柔らかさ維持する。また、同時に吸湿性も低
い樹脂であるので、大気中の水分の吸収、蓄積は少な
く、製品塗膜の気泡よる浮き上がりを改善する。
【0010】
【実施例】まず、本発明活性剤組成物が使用される水圧
転写技術の基本的な流れや基本的事項について説明す
る。水圧転写技術では、予め、木目や大理石模様等の適
宜な模様をグラビア印刷等の印刷手段によりベースフィ
ルム、例えばポリビニールアルコールを主成分とする水
溶性フィルム上に印刷し、乾燥の後、ロール又はカット
シート状の転写フィルムとして用意しておく。ここで、
ベースフィルム上に印刷するに用いるインク類は、ベー
スフィルムに仮接着し、乾燥皮膜の形成が容易であり、
被転写体の表面に対して接着し、且つ活性剤組成物に容
易に膨潤する樹脂をビヒクルとして含むものである。そ
して、転写に際しては、この転写フィルムを連続的或い
は一枚毎引き出しながら、活性剤組成物を印刷模様層側
にのみロールコーター等の塗布手段を用いて塗布する。
ここで、活性剤組成物は、インク類を膨潤させ得る溶剤
を含み、被転写体の表面を浸食したり、被転写体がアン
ダーコートされている場合には、このアンダーコート層
を急激に溶解させないものであることが望ましく、更に
この溶剤と親和性のある樹脂が添加されているなどの基
本的条件を備える。
【0011】続き、活性剤組成物が塗布された面を上に
したまま転写フィルムを水槽水面上に浮かべると、転写
フィルムにおけるベースフィルムは、水を吸収して膨潤
軟化し、同時に、印刷模様層も活性剤組成物に膨潤活性
化され、印刷直後のような粘着性を帯びた状態となる。
そこで、頃合いを見計らい、上空から例えばABS樹脂
等の被転写体を、転写フィルムに当接せしめつつ、該転
写フィルムともども、その一部乃至全部が没するよう水
中に押し入れる。これによって、転写フィルムは被転写
体の大きな曲面及び微細な凹凸に呼応しつつその表面に
密着する。その後、この被転写体を水中より引き上げ、
別途ブースにて湯水シャワーを浴びせて残存するベース
フィルム分を洗い落とし、熱風等を吹き付けてインク及
び活性剤組成物に含まれる溶剤分を揮発させ、更に必要
に応じてクリアーにてトップコートして完成とする。な
お、被転写体は水面に対し傾斜した状態で押し入れれ
ば、被転写体と転写フィルムとの間の空気を排除して、
いわゆるピンホール欠陥を回避でき、また、水槽中の水
を流動させ、定常流下中の水面に対し被転写体を斜降没
入させれば、転写処理を連続的に行うことができる。
【0012】以上が水圧転写技術の基本的な流れ及び基
本的事項であるが、本発明活性剤組成物の理解に供する
ため、改めて活性剤組成物塗布後について詳述する。す
なわち、活性剤組成物が塗布された転写フィルムが水面
上に浮かべられると、転写フィルムにおけるベースフィ
ルムは水で膨潤し、同時に、印刷模様層も活性剤組成物
に膨潤され、転写フィルムは一体的にある一定の拡大率
に至るまで均一に伸長拡大するのであるが、ベースフィ
ルムが吸水膨潤するには比較的時間を要し、印刷模様層
が膨潤するのは比較的短時間であるため、両膨潤が同調
的に行われないと、転写フィルムに皺が生じ、印刷模様
同士が付着したり、印刷模様層がひび割れたりの問題を
生ずる。
【0013】このため、ベースフィルムは単なる水溶性
ではなく、この同調的膨潤に最適に調整された組成のも
のが使用され、活性剤組成物も、単にインク類を膨潤さ
せる溶剤分のみから成るものではなく、転写フィルムす
なわち印刷模様層の変形に際してひび割れることのない
伸展性を付与し、それでいて不要な印刷模様層のインク
ズレを防止し、乾燥も適度な時間内に行えるよう、樹脂
分や可塑剤分、更には体質顔料が添加されていた。すな
わち、溶剤分は転写終了時までの粘着性を復活するイン
ク溶解を行い、樹脂分は初期密着性を確保すると共にイ
ンクの拡散を防止し、可塑剤は樹脂分に可塑性を付与
し、体質顔料はインク表面の見掛け乾燥化を図ると共に
インクズレを規制しつつ伸展性を与えるなど、各成分が
それぞれ機能を分担ないし補完して、一つの活性剤組成
物を構成していた。
【0014】ちなみに、従来の代表的な活性剤組成物は
次のようなものであった。 樹脂分として、 短油性アルキッド樹脂 9重量% ニトロセルロース 1重量% 溶剤分として、 ブチルセロソルブ 14重量% ブチルカルビトールアセテート 35重量% 可塑剤分として、 フタル酸ジブチル 18重量% 体質顔料として、 沈降性硫酸バリウム 23重量%
【0015】印刷模様層が被転写体に密着した後、残存
するベースフィルム分が洗い落とされ、乾燥の後クリア
ーにてトップコートされるが、被転写体に転写された転
写模様は、実は、活性剤組成物が伸展して乾燥皮膜化し
た層及びトップコートのクリアー層を通して視覚される
こととなる。したがって、活性剤組成物の乾燥皮膜化し
た層が、多少とも透明性に劣るときは、仕上がりたる転
写模様において、鮮映性に劣ってしまうのである。従来
は、前述のとおり、体質顔料として沈降性硫酸バリウム
を用いており、沈降性硫酸バリウムは、微細とは言え
0.5〜1.5μmの微粉末であり、またその屈折率は
1.64と活性剤組成物におけるビヒクル部の屈折率と
は多少相違するので、活性剤組成物の乾燥皮膜の透明性
を多少とも損なっており、また、比重は4.48程度と
活性剤組成物におけるビヒクル部の比重とは比較的大き
く相違するので、使用時に再撹拌する必要があった。か
と言って、この体質顔料分を外してしまうと、今度は、
トップコートするまでにゴミが付着したり、転写模様を
乱したり、汚したりの事態を招来してしまうこととな
る。
【0016】また、短油性アルキッド樹脂は、不乾性の
比較的柔らかい樹脂であるが故に、活性剤組成物の樹脂
分として基本的に優れるのであるが、不乾性であること
は、溶剤が揮発した後も多少のベタツキを残すから、見
掛け乾燥を図る必要があり、また、インクズレを防止す
る点では、多少硬さを補完する必要もあった。そのた
め、従来は、比較的硬い樹脂でもあるニトロセルロース
を添加していたのであるが、インクの印刷量に比し活性
剤組成物のインク溶解力が不足すると、先のインクブツ
欠陥を生じることがあり、また、その吸湿性により大気
中の水分を吸収し、蓄積の後、気泡として製品塗膜を浮
き上がらせる欠点もあった。かと言って、短油性アルキ
ッド樹脂だけでは、前述の事があるので、ニトロセルロ
ースは外せないものとの認識が常識化していた。
【0017】そこで、本発明の活性剤組成物は、樹脂
分、溶剤分、可塑剤分から成り、樹脂分として短油性ア
ルキッド樹脂と共にセルロースアセトブチレートを用い
て成り、また、樹脂分として短油性アルキッド樹脂の2
0重量部に対してセルロースアセトブチレートの1重量
部を用い、溶剤分としてブチルセロソルブとブチルカル
ビトールアセテートを用い、可塑剤分としてフタル酸ジ
ブチルを用いて成ることなどを特徴とするのである。そ
の具体的な組成割合等は、印刷模様におけるインク類の
性質、転写模様の意匠効果等によって適宜変化させる必
要があるが、実施例として最適な組成割合は、 樹脂分として、 短油性アルキッド樹脂 20重量部 セルロースアセトブチレート 1重量部 溶剤分として、 ブチルセロソルブ 30重量部 ブチルカルビトールアセテート 80重量部 可塑剤分として、 フタル酸ジブチル 30重量部 である。
【0018】そこで、木目模様を印刷した転写フィルム
を使用し、各種サンドペーパーで表面を荒らしたABS
樹脂板に対して、従来組成品と上記の実施例組成品との
2種をその塗布量を各変えるなどして、常法による水圧
転写を試みたところ、次のとおりの結果となった。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】
【表4】
【0023】すなわち、表1から表3は塗布量毎に結果
をまとめたもので、表1は活性剤組成物を塗布する為
に、深さ85μm、#85のグラビアロールを用いたと
き、表2は深さ60μm、#100のグラビアロールを
用いたとき、表3は深さ30μm、#100のグラビア
ロールを用いたときの結果を示しており、表1から表3
になるに従い活性剤組成物の塗布量が次第に少なくなる
よう条件設定してある。また、表1から表3における最
上欄の数字は、ABS樹脂板の表面を荒らした際に用い
たサンドペーパーの番手で、数字が小さい程荒くなり、
ABS樹脂板の表面が荒れていることを示す。また、表
4は、表面を荒らさない通常のABS樹脂板に対して行
った他の試験結果を示す。なお、表中の1から5の数字
は、目視評価による点数で、数字が大きい程良好な結果
であったことを示す。
【0024】表1の結果から分かるように、被転写体の
表面が多少荒れていたとしても、活性剤組成物の塗布量
があってインクの溶解力がそこそこ足りれば、従来組成
品であっても、実施例組成品であっても、十分な合格品
が得られるのに対し、荒れ方がきつくなったり、表2か
ら表3の結果から良く分かるように、活性剤組成物の塗
布量が減りインクの溶解力が不足してくると、従来組成
品による不良は顕著となる。他方、実施例組成品では、
表面の荒れがあまり激しくなければ、依然として合格品
が得られる。また、表4の結果から分かるように、フィ
ルムの付き回り性には従来組成品と実施例組成品とで格
段の相違はなく、インクの伸展性では実施例組成品の方
が優れており、柄ボケ性では実施例組成品の方が従来組
成品に比べ不良であった。なお、フィルムの付き回り性
とは、ベースフィルムが活性剤組成物と化学的に反応
し、硬くなったり、脆くなったりして、その伸展性が阻
害されないかを見るものであり、インクの伸展性とは、
再度粘着性を復活したインクが千切れることなく伸展で
きるかを見るものであり、柄ボケ性とは、グラビア跡た
る印刷模様層のインクの乗りがそのエッジ等からダレ
て、曖昧とならないかを見るものである。
【0025】なお、以上の実験結果で実施例組成品の有
効性が確認されるが、これは、従来の体質顔料たる沈降
性硫酸バリウムと樹脂分としてのニトロセルロースとを
止め、これらに変えてセルロースアセトブチレートのみ
としたからである。セルロースアセトブチレートは、セ
ルロースに硝酸と酢酸とを加えての混合エステルで、短
油性アルキッド樹脂より硬いもののニトロセルロースよ
り柔らかい樹脂であり、また、ニトロセルロースより吸
湿性が少ないものである。このため、短油性アルキッド
樹脂の不乾性樹脂であるが故の溶剤が揮発した後のベタ
ツキも見掛け上乾燥したかのようにしてゴミ付着を回避
し、また、どちらかと言えば柔らか過ぎる短油性アルキ
ッド樹脂を多少硬めとして、インクズレを防止できる程
度としているのである。また、インクの印刷量に比し活
性剤組成物の塗布量が不足するなど、インク溶解力が不
足気味となっても、添加したセルロースアセトブチレー
トが従来のニトロセルロース程硬くないので、本来の短
油性アルキッド樹脂の柔らかさが生きてきて、インク伸
び性を最良とすると共にインクブツ欠陥を解消するので
ある。また、当然ながら、比重の高い体質顔料分が添加
されないので、使用時に再撹拌する必要もなく、活性剤
組成物は当然の如く透明を呈し、活性剤組成物が乾燥皮
膜化しても勿論透明を呈し、転写模様は鮮映性あるもの
となるのである。
【0026】また、経時的に製品塗膜が気泡として浮き
上がってくる現象に関して、従来組成品と実施例組成品
によるものとを用意して、同一条件の気温50度、相対
湿度98%の雰囲気下に500時間放置して吸湿具合を
促進させた後、カッターで1mm間隔の切り込みを入
れ、セロハンテープを貼付、引き剥がしての碁盤目テス
トを行ったところ、従来組成品ではその一部が剥がれた
のに対し、実施例組成品では剥がれなかった。この結果
から、経時的に大気中の水分を吸収し、蓄積の後、製品
塗膜が気泡として浮き上がる事態は大いに改善されたも
のと推定することができた。
【0027】その他、樹脂分、溶剤分、可塑剤分の各種
類とその組成割合を変えて種々試してみたところ、溶剤
分、可塑剤分を常識的な範囲で選択する限りは、樹脂分
として短油性アルキッド樹脂と共にセルロースアセトブ
チレートを用いることが、上記の基本的な作用効果を最
低限確保する上で必要であり、また、樹脂分として短油
性アルキッド樹脂の20重量部に対してセルロースアセ
トブチレートの3重量部以下を用い、更に樹脂分として
短油性アルキッド樹脂の20重量部に対してセルロース
アセトブチレートの1重量部を用いるとともに、溶剤分
としてブチルセロソルブとブチルカルビトールアセテー
トを用い、可塑剤分としてフタル酸ジブチルを用いれ
ば、ほぼ安定して上記実施例組成品に近い作用効果を奏
し得ることを確認した。その中でも、やはり、上記実施
例組成品が最も優れた作用効果を奏するものであった。
【0028】なお、上記の説明では、被転写体の例とし
てABS樹脂を掲げたが、これに限らず、アクリル樹
脂、AS樹脂、塩化ビニール樹脂、ポリスチロール樹
脂、ノリル樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミ
ン樹脂、FRP、エポキシ樹脂を始め、熱可塑、熱硬化
樹脂、金属体、木、石等において同様に施用できるのは
勿論である。また、活性剤組成物を塗布するタイミング
として、転写フィルムを水面に浮かべた後として説明し
たが、先に転写フィルムを水面に浮かべ、転写フィルム
が水を吸収して膨潤するのを待ってスプレーコート等の
手段にて活性剤組成物を塗布するような順序での使用を
否定するものではない。更に、上記説明ではベースフィ
ルムとして水溶性フィルムを用いるものとしたが、ベー
スフィルムは転写時に液体上で膨潤し、かつ、被転写物
の曲面に充分にまとわり付く性質のものでありさえすれ
ば、溶解せずとも、膨潤性のものであっても使用でき
る。
【0029】
【発明の効果】以上、本発明によれば、従来体質顔料と
ニトロセルロースが担ってきたところの見掛けの乾燥を
図ってのゴミ付着防止、インクズレを防止しつつの伸展
時の塗膜割れ防止等を許容できる範囲に留めると共に、
インクブツ欠陥を防止することができ、更には、経時的
に生ずることのあった製品塗膜の気泡よる浮き上がり現
象をも回避でき、もって、真に、鮮映な転写模様を創出
することができる。また、その使用時には再撹拌する必
要もなく、益々高まる高意匠化への要求に対処すること
ができる活性剤組成物として提供することができる。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水圧転写における転写フィルムの印刷模様
    層を活性化させるための組成物であって、樹脂分、溶剤
    分、可塑剤分から成り、樹脂分として短油性アルキッド
    樹脂と共にセルロースアセトブチレートを用いて成るこ
    とを特徴とする水圧転写に使用される活性剤組成物。
  2. 【請求項2】水圧転写における転写フィルムの印刷模様
    層を活性化させるための組成物であって、樹脂分、溶剤
    分、可塑剤分から成り、樹脂分として短油性アルキッド
    樹脂の20重量部に対してセルロースアセトブチレート
    の3重量部以下を用いて成ることを特徴とする水圧転写
    に使用される活性剤組成物。
  3. 【請求項3】水圧転写における転写フィルムの印刷模様
    層を活性化させるための組成物であって、樹脂分として
    短油性アルキッド樹脂の20重量部に対してセルロース
    アセトブチレートの1重量部を用い、溶剤分としてブチ
    ルセロソルブとブチルカルビトールアセテートを用い、
    可塑剤分としてフタル酸ジブチルを用いて成ることを特
    徴とする水圧転写に使用される活性剤組成物。
  4. 【請求項4】水圧転写における転写フィルムの印刷模様
    層を活性化させるための組成物であって、樹脂分として
    短油性アルキッド樹脂の20重量部に対してセルロース
    アセトブチレートの1重量部を用い、溶剤分としてブチ
    ルセロソルブ30重量部とブチルカルビトールアセテー
    ト80重量部を用い、可塑剤分としてフタル酸ジブチル
    30重量部を用いて成ることを特徴とする水圧転写に使
    用される活性剤組成物。
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