JP2005239804A - 液圧転写用水系塗料組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】液圧転写方法により被転写体の上に転写された印刷パターンの表面を保護するための保護塗膜に用いられる水系塗料組成物であって、該組成物は、(A)親水性基含有アクリル樹脂(a1)及び/又は親水性基含有ポリエステル樹脂(a2)エマルジョンと、(B)ヘキサメチレンジイソシアネートにポリエーテルウレタンを付加させた親水性の変性脂肪族ポリイソシアネート(b)とを含有し、かつ、上記印刷パターンは、特定の印刷インクによって形成され、その後、特定の活性剤で活性化されていることを特徴とする液圧転写用水系塗料組成物などを提供した。
【選択図】なし
Description
そして、上記の転写装置などを用いて、液圧を利用して液面上に浮かばせられた転写フィルム上の印刷パターンを被転写体に転写する液圧転写方法は、曲面等の三次元的な表面を有する被転写体に印刷するのに用いられている。この液圧転写法は、液体に溶けない所定の印刷パターンが施されている液溶性又は液膨潤性の転写フィルムを、転写槽内を流れる液面上に順次供給して浮かばせ、この転写フィルムを液体で膨潤し、この転写フィルムに相対して被転写体を転写槽内の液体に浸漬し、液圧を利用して転写フィルム上の印刷パターンを被転写体の表面に転写する方法である。印刷パターンは、通常、転写フィルム上にグラビア印刷法によってドットの集合体として意匠構成されるが、転写フィルム上に施されている印刷パターンは、それが乾燥状態にある場合には、被転写体に転写する前に、乾燥状態から活性状態に復元して、転写に必要な接着性を復活させることが要求されるために、活性剤が用いられている。
従来はこのトップコートとして特性の優れた溶剤系塗料を用いることが一般的であったが、近年の環境問題から水系塗料への変換が期待されている。
ところが、この保護塗膜として用いられる水系塗料又は塗料組成物が、被転写体の基材、印刷パターンに用いられるインク、又はインク若しくは印刷パターン(印刷模様)を活性化させる活性剤との適合性が悪い場合があり、その結果、印刷パターンが転写された被転写体の外観に問題があったり、すなわちインクの凹凸が目立ったり、表面の平滑性(レベリング性)が劣ったりする問題があり、或いは、被転写体の基材とインクとの密着性が悪かったり、又は保護塗膜自体の硬度が合格レベルに達しない場合があったりする問題があった。
また、液圧転写用インクについては、樹脂成分と着色顔料とからなり、着色顔料がフタロシアニンブルーの青色、イソインドリノン黄の黄色、キナクリドン赤の赤色の少なくとも3色の印刷インクを含む液圧転写用インクセット(例えば、特許文献4参照。)や、フッ素系樹脂の樹脂成分と、無機系顔料の着色顔料とからなる液圧転写用インクセット(例えば、特許文献5参照。)や、アルキッド樹脂のベース成分にセルロースアセテートブチレートを添加した樹脂成分と可塑剤と顔料とからなる液圧転写用インク(例えば、特許文献6参照。)などが、提案されている。
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、前記(A)親水性基含有アクリル樹脂(a1)及び/又は親水性基含有ポリエステル樹脂(a2)エマルジョンに含有するOH基のモル数と、前記親水性の変性脂肪族ポリイソシアネート(b)に含有するNCO基のモル数との比率は、1:0.8〜1:3.5の範囲であることを特徴とする液圧転写用水系塗料組成物が提供される。
さらに、本発明の第4の発明によれば、第1〜3のいずれかの発明において、前記親水性基含有アクリル樹脂(a1)及び/又は親水性基含有ポリエステル樹脂(a2)の重量平均分子量(Mw)が2000〜100000であり、かつ平均粒子径が20〜500nmであることを特徴とする液圧転写用水系塗料組成物が提供される。
また、本発明の第7の発明によれば、第1の発明において、前記印刷インク(C)中に含まれる樹脂成分(c1)は、短油性アルキッド樹脂に、低分子量のニトロセルロース、又は高分子量のニトロセルロースと低分子量のニトロセルロースとを添加して構成されていることを特徴とする液圧転写用水系塗料組成物が提供される。
(2)第1の発明において、前記活性剤組成物(D)は、樹脂成分(d2)として、セルロースアセテートブチレートとともに、ポリエステルを用いることを特徴とする液圧転写用水系塗料組成物。
(3)第1の発明において、前記活性剤組成物(D)中に含まれる樹脂成分(d2)は、アクリル樹脂であることを特徴とする液圧転写用水系塗料組成物。
(4)第8の発明において、前記活性剤組成物(D)中に含まれる各成分の配合割合は、溶剤成分(d1)としてブチルセロソルブが30重量部とブチルカルビトールアセテートが80重量部、樹脂成分(d2)として短油性アルキッド樹脂が10重量部、セルロースアセテートブチレートが1重量部、可塑剤分(d3)としてフタル酸ジブチルが30重量部、及び超微粒子シリカ(d5)が2重量部であることを特徴とする液圧転写用水系塗料組成物。
(5)第8の発明において、体質顔料(d4)は、炭酸バリウム又は硫酸バリウムであることを特徴とする液圧転写用水系塗料組成物。
(6)上記(5)の発明において、前記活性剤組成物(D)における体質顔料(d4)の配合割合は、1〜5重量%であることを特徴とする液圧転写用水系塗料組成物。
したがって、本発明の液圧転写用水系塗料組成物は、各種日常品、各種スポーツ用品、各種OA機器のケーシング、自動車の車内装備品等の、小型の物品から自動車のパネル等の大型の物品まで、複雑な凹凸表面を有する被転写体の表面の保護塗膜として、最適である。
本発明の液圧転写用水系塗料組成物は、液圧転写方法により被転写体の上に転写された印刷パターンの表面を保護するための保護塗膜に用いられるものであって、(A)親水性基含有アクリル樹脂(a1)及び/又は親水性基含有ポリエステル樹脂(a2)エマルジョンと、(B)ヘキサメチレンジイソシアネートにポリエーテルウレタンを付加させた親水性の変性脂肪族ポリイソシアネート(b)とを含有することを特徴とし、かつ、上記印刷パターンは、アルキッド樹脂をベース成分とする樹脂成分(c1)、可塑剤(c2)及び顔料(c3)からなる印刷インク(C)によって形成され、その後、少なくとも溶剤成分(d1)と、短油性アルキッド樹脂、セルロースアセテートブチレート又はアクリル樹脂をベース成分とする樹脂成分(d2)とを含有する活性剤組成物(D)で活性化されていることを特徴とするものである。
先ず、本発明の液圧転写用水系塗料組成物が用いられる液圧転写(典型的には水圧転写)技術の基本的な流れや基本的事項について説明する。
水圧転写技術では、予め、木目や大理石模様等の適宜な模様をグラビア印刷等の印刷手段によりベースフィルム、例えばポリビニールアルコール樹脂を主成分とする水溶性又は水膨潤性フィルム上に印刷し、乾燥の後、ロール巻き又はカットシート状の転写フィルムとして用意しておく。
ここで、ベースフィルム上に印刷するに用いるインク類は、ベースフィルムに仮接着し、乾燥皮膜の形成が容易であり、被転写体の表面に対して接着し、かつ活性剤(組成物)に容易に膨潤する樹脂をビヒクルとして含むものである。
そして、転写に際しては、この転写フィルムを連続的或いは一枚毎引き出しながら、活性剤(組成物)を印刷模様層側にのみロールコーター等の塗布手段を用いて塗布する。ここで、活性剤(組成物)は、インク類を膨潤させ得る溶剤を含み、被転写体の表面を浸食したり、被転写体がアンダーコートされている場合には、このアンダーコート層を急激に溶解させないものであることが望ましく、更に、この溶剤と親和性のある樹脂が添加されているなどの基本的条件を備える。
その後、この印刷パターンが付着された被転写体を水中より引き上げ、別途ブース(例えば、表面処理室)にて湯水シャワーを浴びせて、残存するベースフィルム分を洗い落とし、熱風等を吹き付けてインク及び活性剤(組成物)に含まれる溶剤分を揮発させる。さらに、被転写体に、本発明の液圧転写用水系塗料組成物をトップコートして、完成となる。
また、活性剤組成物を塗布するタイミングとして、転写フィルムを水面に浮かべる前として説明したが、先に転写フィルムを水面に浮かべ、転写フィルムが水を吸収して膨潤するのを待って、スプレーコート手段等にて活性剤組成物を塗布するような順序での使用を否定するものではない。
更に、上記説明ではベースフィルムとして水溶性フィルムを用いるものとしたが、ベースフィルムは転写時に液体上で膨潤し、かつ、被転写物の曲面に充分にまとわり付く性質のものでありさえすれば、溶解せずとも、膨潤性のものであれば使用できる。
このように、液圧を利用して液面上に浮かばせられた転写フィルム上の印刷パターンを被転写体に転写する液圧転写方法は、曲面等の三次元的な表面を有する被転写体に印刷するのに用いられている。利用される液体は、典型的には水であるが、転写作業に支障がなければ、他の液体であってもよい。
以上が液圧(水圧)転写技術の基本的な流れ及び基本的事項であるが、以下、項目毎に説明する。
本発明の液圧転写用水系塗料組成物に係る印刷インク(C)は、一般に、インクのバインダとして機能し印刷塗膜のベースとなるべき樹脂成分(c1)と、インクの色を担う顔料(c3)と、インクの膨潤時及び乾燥時の樹脂の硬さを調節する可塑剤(c2)と、樹脂を溶解して液状にする溶剤(c4)とからなっているものである。
上記アルキッド樹脂は、無水フタル酸と多価アルコールとの縮合物を、大豆油やひまし油などの油又は脂肪酸で変性したものであって、使われる油の量が多い長油性、中油性、油の量が少ない短油性の3種類があり、本発明においては、短油性(又は短油、短油型)のものを用いるのが好ましい。
上記セルロースアセテートブチレートは、セルロースに酪酸と酢酸とを加えて得られた混合エステルであって、短油性アルキッド樹脂よりも硬いが、ニトロセルロースよりも柔らかく、また、ニトロセルロースよりは吸湿性が低い特性を有し、従ってニトロセルロースをセルロースアセテートブチレートに変更すると、インクの樹脂成分自体を柔らかくし、被転写体への印刷パターンの伸展性を向上し、インクの溶解不足又は部分溶解による転写パターンの乱れを防止する。しかし、セルロースアセテートブチレートの添加量を従来技術のインクに用いられているニトロセルロースの添加量と同じにすると、インク組成物が柔らかすぎるため、活性化処理時のインクの過剰溶解による転写パターンのぼけを防止することができなくなる。
可塑剤の好ましい含有量が、黒インクについて2〜4重量%と高く、黒以外のインクについてはそれより著しく低い0.01〜2重量%としたのは、黒の着色顔料が含有されている場合の伸展性が、他の着色顔料が含有されている場合の伸展性よりも低く、黒インクについて可塑剤の含有量が低すぎると、印刷パターンの活性化処理後の伸びが悪く、複雑な凹凸表面を有する被転写体に倣って印刷パターンを転写することができなくなるのを防止するためである。
さらに、印刷インクの樹脂成分は、短油性アルキッド樹脂に低分子量のニトロセルロースを添加して構成されるものの他に、短油性アルキッド樹脂に高分子量のニトロセルロースと低分子量のニトロセルロースとを添加して構成されるものでもよい。
上記ニトロセルロースは、樹脂成分自体の硬さを高めるように調整する作用を有し、さらに、前記顔料の分散性を向上し、発色性を向上する作用も有する。樹脂成分として、セルロースアセテートブチレートを用いると、この分散性がやや低下するので、発色性も低下する。
従って、樹脂成分として、セルロースアセテートブチレートを用いるか、低分子量のニトロセルロースを用いるかは、発色性と伸展性とのどちらを優先するかで定まる。
また、樹脂成分として、低分子量のニトロセルロースを用いるか、高分子量のニトロセルロースと低分子量のニトロセルロースとの組合せを用いるかは、前者のインクは、後者のインクよりも伸展性が高く、従って、前者は、木目模様等を印刷する場合のようにインクチャージ量の多い印刷に適しており、また、後者は、大理石模様等を印刷する場合のようにインクチャージ量の少ない印刷に適している。
尚、転写フィルムは、その上の印刷パターンが乾燥状態であれば活性剤で膨潤した後、また、印刷直後の膨潤状態のままであればそのまま、転写槽内の液面上に供給して被転写体に印刷パターンを液圧転写する。
本発明の液圧転写用水系塗料組成物に係る活性剤(又は活性剤組成物)(D)は、水圧転写における転写フィルムの印刷模様層を活性化させ、再度粘着性等を付与するための組成物であって、好ましくは、溶剤成分(d1)、樹脂成分(d2)、可塑剤分(d3)、及び体質顔料(d4)又は超微粒子シリカ(d5)からなるものである。
その樹脂成分(d2)は、初期密着性を確保すると共にインクの拡散を防止するものであって、本発明においては、樹脂成分(d2)として、好ましくは、短油性アルキッド樹脂とともにセルロースアセテートブチレートを用い、その使用割合は、概略、短油性アルキッド樹脂10重量部に対して、セルロースアセテートブチレート1重量部程度である。
さらに、本発明において、活性剤組成物の樹脂成分(d2)としては、セルロースアセテートブチレートとともに、上記短油性アルキッド樹脂の代わりに、ポリエステルを用いることもできる。
本発明においては、溶剤成分(d1)として、上記の性質を有する種々の溶剤を用いることができるが、好ましくは、樹脂成分(d2)である短油性アルキッド樹脂10重量部とセルロースアセテートブチレート1重量部に対して、ブチルセロソルブ30重量部とブチルカルビトールアセテート80重量部を用いる。
その超微粒子シリカの配合量は、好ましくは、アルキッド樹脂10重量部に対して、3重量部以下であり、更に好ましくは、2重量部程度である。
超微粒子シリカの具体的なものとしては、例えば、日本アエロジル株式会社の商品名アエロジル(AEROSIL登録商標)が挙げられ、このものは、乾式の火炎加水分解法により得られ、二酸化けい素分が99.8%と高純度であり、無水の、標準品径0.01μm〜0.02μmの合成シリカである。
体質顔料は、アルミナや硫酸バリウムなどで製造した顔料であり、塗料などにおいては、作業性と塗膜形成能を調整するのに用いられ、本発明においては、体質顔料として、インク表面の見掛け乾燥化を図ると共にインクズレを規制しつつ伸展性を与える炭酸バリウムや硫酸バリウムが好ましい。
本発明の液圧転写用水系塗料組成物は、液圧転写方法において、保護塗膜として用いられ、(A)親水性基含有アクリル樹脂(a1)及び/又は親水性基含有ポリエステル樹脂(a2)エマルジョンと、(B)ヘキサメチレンジイソシアネートにポリエーテルウレタンを付加させた親水性の変性脂肪族ポリイソシアネート(b)とから構成されることを特徴とする。
また、親水性基含有ポリエステル樹脂エマルジョンも、特に限定されないが、多価アルコールとカルボン酸類のエステル化反応により得られたものが用いられる。
これらエマルジョン樹脂は、単独もしくは併用して使用することができる。
さらに、親水性基含有アクリル樹脂(a1)及び/又は親水性基含有ポリエステル樹脂(a2)は、重量平均分子量(Mw)が2000〜100000で平均粒子径が20〜500nmであるものが好ましい。重量平均分子量が2000未満であると、得られる塗膜は、脆く、基材に対する付着性に乏しくなり、一方、重量平均分子量が100000超であると、架橋密度が低下し、耐溶剤性に乏しくなる。また、平均粒子径が20nm未満であると、後述するポリイソシアネートがエマルジョンに取り込まれ難く、反応性が低下する上に、これら平均粒子径を得るための技術は、難易度が高くなることでコストアップとなり、一方、平均粒子径が500nm超であると、得られる塗膜の透明性が低下する上にエマルジョンとしての貯蔵安定性に欠ける。
中和剤としては、アンモニア、Na塩、ジメチルエタノールアミン等、一般的にエマルジョンを作成したときに生じる開始剤に起因するエマルジョン分散液の酸性化傾向を緩和する材料が挙げられる。これら中和剤の添加は塗膜の耐アルカリ性を向上させることができる。
また、親水性の変性脂肪族ポリイソシアネート(b)の1分子当たりの官能基数が2〜4であることが好ましい。官能基が1であると、十分な塗膜物性は得られず、一方、官能基が4超では、逆に反応性が低下し、これも十分な機械強度を有する塗膜が得られない。
本発明においては、被転写体として、例えば、ABS樹脂、アクリル樹脂、AS樹脂、塩化ビニール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂[ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等]、ノリル樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、FRP、エポキシ樹脂を始め、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、金属体(鉄、アルミニウム、マグネシウム等)、木、石等を用いることができる。
活性剤として、樹脂分が短油性アルキッド樹脂とニトロセルロース、及び体質顔料が硫酸バリウムを用いた、ザ・インクテック(株)製の「CFプライマー」を用い、印刷インクとして、実施例1では、樹脂分が短油性アルキッド樹脂とセルロースアセテートブチレートからなる、ザ・インクテック(株)製の「SP」を用いて、また実施例2では、樹脂分が短油性アルキッド樹脂とニトロセルロースからなる、ザ・インクテック(株)製の「WR」を用いて、さらに実施例3では、樹脂分が短油性アルキッド樹脂とニトロセルロースからなる、ザ・インクテック(株)製の「KLCF」を用いて、印刷された印刷パターンを有する転写フィルムが転写された、被転写体であるABS樹脂テスト板に、トップコート(塗料組成物)として、藤倉化成(株)製のPG2945A[(A)重量平均分子量(Mw)が15000で平均粒子径が150nmの、親水性基含有アクリル樹脂エマルジョン(a1)]105重量部と、藤倉化成(株)製のPG2945B[(B)ヘキサメチレンジイソシアネートにポリエーテルウレタンを付加させた親水性の変性脂肪族ポリイソシアネート(b)]33重量部及びイオン交換水55重量部からなる水系塗料混合物を用いて、乾燥塗膜厚が20±10μmになるようにエアスプレイ塗装した。80℃、30分間の条件で乾燥させた後、塗膜性能試験を実施した。
(外観)
塗面状態の観察を目視で実施した。塗面状態に異常の認められないものを合格(○)とした。
碁盤目試験で、ゴバン目100についての残数で評価し、100/100を合格(○)とした。「×」は、「マス目内剥がれ」と、「××」は、「マス目外も剥がれ」と評価した。
塗膜状態を鉛筆硬度で評価した。評価基準として、HB以上を合格(○)とした。
比較例1は、実施例2において、水性塗料として、神東塗料製の「オーデックス#2000」を用いた以外は、また、比較例2は、実施例2において、水性塗料として、デュポン製の「2K−WATER−CLEARCOAT R.82955.2」を用いた以外は、実施例2と同様にして、乾燥塗膜厚が20±10μmになるようにエアスプレイ塗装した。また、比較例3は、実施例3において、水性塗料として、デュポン製の「2K−WATER−CLEARCOAT R.82955.2」を用いた以外は、実施例3と同様にして、乾燥塗膜厚が20±10μmになるようにエアスプレイ塗装した。その後、塗膜性能試験を実施した。それらの結果を表1に示す。
比較例1〜3は、特に、密着性評価の碁盤目試験が「マス目外も剥がれ」の評価結果であった。
実施例4〜6は、実施例1〜3において、活性剤として、樹脂分が短油性アルキッド樹脂とセルロースアセテートブチレート、及び超微粒子シリカを用いた、大橋化学工業(株)製の「CPA−H」を用いた以外は、実施例1〜3と同様にして、乾燥塗膜厚が20±10μmになるようにエアスプレイ塗装した。その後、塗膜性能試験を実施した。それらの結果を表1に示す。実施例4〜6は、塗膜性能が良好であった。
比較例4、5は、実施例5、6において、水性塗料として、デュポン製の「2K−WATER−CLEARCOAT R.82955.2」を用いた以外は、実施例5、6と同様にして、乾燥塗膜厚が20±10μmになるようにエアスプレイ塗装した。その後、塗膜性能試験を実施した。それらの結果を表1に示す。
比較例4、5は、特に、密着性評価の碁盤目試験が「マス目外も剥がれ」の評価結果であった。
実施例7〜9は、実施例1〜3において、活性剤として、樹脂分がセルロースアセテートブチレートとポリエステル、及び超微粒子シリカを用いた、大橋化学工業(株)製の「CPA−1842」を用いた以外は、実施例1〜3と同様にして、乾燥塗膜厚が20±10μmになるようにエアスプレイ塗装した。その後、塗膜性能試験を実施した。それらの結果を表2に示す。実施例7〜9は、塗膜性能が良好であった。
比較例6、7は、実施例8、9において、水性塗料として、デュポン製の「2K−WATER−CLEARCOAT R.82955.2」を用いた以外は、実施例8、9と同様にして、乾燥塗膜厚が20±10μmになるようにエアスプレイ塗装した。その後、塗膜性能試験を実施した。それらの結果を表2に示す。
比較例6、7は、特に、密着性評価の碁盤目試験が「マス目外も剥がれ」の評価結果であった。
実施例10〜12は、実施例1〜3において、活性剤として、樹脂分がアクリル樹脂を用いた、(株)キュービック製の「T−10」を用いた以外は、実施例1〜3と同様にして、乾燥塗膜厚が20±10μmになるようにエアスプレイ塗装した。その後、塗膜性能試験を実施した。それらの結果を表2に示す。実施例10〜12は、塗膜性能が良好であった。
比較例8、9は、実施例11、12において、水性塗料として、神東塗料製の「オーデックス#2000」を用いた以外は、また、比較例10、11は、実施例11、12において、水性塗料として、デュポン製の「2K−WATER−CLEARCOAT R.82955.2」を用いた以外は、実施例11、12と同様にして、乾燥塗膜厚が20±10μmになるようにエアスプレイ塗装した。それらの結果を表2に示す。
比較例8〜11は、いずれも、密着性評価の碁盤目試験が「マス目外も剥がれ」の評価結果であった。
一方、比較例1〜11の液圧転写用水系塗料組成物は、塗膜性能が不十分であった。
Claims (9)
- 液圧転写方法により被転写体の上に転写された印刷パターンの表面を保護するための保護塗膜に用いられる水系塗料組成物であって、
該組成物は、(A)親水性基含有アクリル樹脂(a1)及び/又は親水性基含有ポリエステル樹脂(a2)エマルジョンと、(B)ヘキサメチレンジイソシアネートにポリエーテルウレタンを付加させた親水性の変性脂肪族ポリイソシアネート(b)とを含有し、
かつ、上記印刷パターンは、アルキッド樹脂をベース成分とする樹脂成分(c1)、可塑剤(c2)及び顔料(c3)からなる印刷インク(C)によって形成され、その後、少なくとも溶剤成分(d1)と、短油性アルキッド樹脂、セルロースアセテートブチレート又はアクリル樹脂をベース成分とする樹脂成分(d2)とを含有する活性剤組成物(D)で活性化されていることを特徴とする液圧転写用水系塗料組成物。 - 前記(A)親水性基含有アクリル樹脂(a1)及び/又は親水性基含有ポリエステル樹脂(a2)エマルジョンは、中和剤によって処理されていることを特徴とする請求項1に記載の液圧転写用水系塗料組成物。
- 前記(A)親水性基含有アクリル樹脂(a1)及び/又は親水性基含有ポリエステル樹脂(a2)エマルジョンに含有するOH基のモル数と、前記親水性の変性脂肪族ポリイソシアネート(b)に含有するNCO基のモル数との比率は、1:0.8〜1:3.5の範囲であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液圧転写用水系塗料組成物。
- 前記親水性基含有アクリル樹脂(a1)及び/又は親水性基含有ポリエステル樹脂(a2)の重量平均分子量(Mw)が2000〜100000であり、かつ平均粒子径が20〜500nmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液圧転写用水系塗料組成物。
- 前記親水性の変性脂肪族ポリイソシアネート(b)の1分子当たりの官能基数が2〜4であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液圧転写用水系塗料組成物。
- 前記印刷インク(C)中に含まれる各成分の含有量は、樹脂成分(c1)である短油性アルキッド樹脂が2〜15重量%とセルロースアセテートブチレートが3〜20重量%であり、及び可塑剤(c2)が、黒インクの場合に2〜4重量%で、黒以外のインクの場合に0.01〜2重量%であることを特徴とする請求項1に記載の液圧転写用水系塗料組成物。
- 前記印刷インク(C)中に含まれる樹脂成分(c1)は、短油性アルキッド樹脂に、低分子量のニトロセルロース、又は高分子量のニトロセルロースと低分子量のニトロセルロースとを添加して構成されていることを特徴とする請求項1に記載の液圧転写用水系塗料組成物。
- 前記活性剤組成物(D)は、溶剤成分(d1)、樹脂成分(d2)、可塑剤分(d3)、及び体質顔料(d4)又は超微粒子シリカ(d5)からなり、かつ樹脂成分(d2)として、短油性アルキッド樹脂とともに、セルロースアセテートブチレート又はニトロセルロースを用いることを特徴とする請求項1に記載の液圧転写用水系塗料組成物。
- 前記被転写体は、ABS樹脂、アクリル樹脂、AS樹脂、塩化ビニール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ノリル樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、又はエポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1種の基材からなることを特徴とする請求項1に記載の液圧転写用水系塗料組成物。
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- 2004-02-25 JP JP2004049181A patent/JP2005239804A/ja active Pending
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