JP3366076B2 - 高速成形用ポリエチレン組成物およびそれを用いた自動充填包装用ポリエチレンフィルム - Google Patents

高速成形用ポリエチレン組成物およびそれを用いた自動充填包装用ポリエチレンフィルム

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智行 岡村
伸二 三輪
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定の性状を満足する
高圧ラジカル重合によるポリエチレンおよび滑剤とから
なる高速成形用ポリエチレン組成物に関し、かつそれを
用いた自動充填包装用ポリエチレンフィルムに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、高圧法低密度ポリエチレンは、成
形性、透明性、強度、ヒートシール性、防湿性、耐薬品
性、風合いの良さ等の特徴をいかしてフィルム用途に広
く用いられてきたが、腰の強さ、溶断シール特性等にお
いて十分でなく、かつフィルムが伸びやすいために高速
自動充填包装用フィルムとしては不適であった。
【0003】一方、その後開発された線状低密度ポリエ
チレンは、高圧法低密度ポリエチレンに対して、引張強
度、伸び、引張弾性率、衝撃強度、引裂強度、ヒートシ
ール性特にホットタック性等にすぐれているために、高
圧法低密度ポリエチレンの用途分野等にも大量に使用さ
れてきている。
【0004】しかしながら、線状低密度ポリエチレン
は、前述のすぐれた特徴を有しながらも、その狭い分子
量分布に起因してドローダウン性が劣り、溶融張力に起
因して成形されたフィルムの厚みムラを生じるドローレ
ゾナンス現象が発生し、いずれも高速成形性に劣り、か
つ引張弾性率が大きく、そのためフィルムの風合いに乏
しいという欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これら従来
技術の欠点を解消したものであって、その目的は、特定
の性状を満足する高圧ラジカル重合によるポリエチレン
および滑剤とからなる高速成形用ポリエチレン組成物で
あって、かつそれを用いることにより、高速成形するこ
とにより得られた、風合いが良好で、腰が強く溶断ヒー
トシール特性を保持しているため、衛生用品等の高速包
装に好適の自動充填包装用ポリエチレンフィルムを提供
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明は、
下記(a)〜(e)の性状を満足する高圧ラジカル重合
法によるポリエチレンおよび滑剤とからなる高速成形用
ポリエチレン組成物を提供するものであり、(a)密度
0.926〜0.935g/cm、(b)メルトフロ
ーレート1.5〜10g/10min.、(c)メルト
テンション2〜15g、(d)エチル分岐が1000C
当り0.1〜2未満で、かつ、全短鎖分岐中のエチル分
岐の割合が1〜20%未満、(e)Mw/Mnが1.0
〜4.0未満、(Mw:重量平均分子量、Mn:数平均
分子量) 本発明の第2の発明は、下記(a)〜(e)の性状を満
足する高圧ラジカル重合法によるポリエチレンおよび滑
剤とからなる高速成形用ポリエチレン組成物を用いた自
動充填包装用ポリエチレンフィルムを提供するものであ
る。 (a)密度0.926〜0.935g/cm、(b)
メルトフローレート1.5〜10g/10min.、
(c)メルトテンション2〜15g、(d)エチル分岐
が1000C当り0.1〜2未満で、かつ、全短鎖分岐
中のエチル分岐の割合が1〜20%未満、(e)Mw/
Mnが1.0〜4.0未満、(Mw:重量平均分子量、
Mn:数平均分子量)
【0007】以下に、本発明を詳細に説明する。本発明
で使用される高圧ラジカル重合で得られるポリエチレン
は、エチレンを重合圧力500〜4000Kg/c
、好ましくは1000〜3500Kg/cm、反
応温度100〜400℃、好ましくは150〜350℃
の条件下、遊離基触媒および連鎖移動剤、必要ならば助
剤の存在下に槽型または管型反応器内で重合させて得ら
れる。
【0008】上記遊離基触媒としてはパーオキサイド、
ハイドロパーオキサイド、アゾ化合物、アミンオキサイ
ド化合物、酸素等の通例の開始剤が挙げられる。
【0009】また連鎖移動剤としてはC以上の飽和脂
肪族炭化水素、すなわち直鎖もしくは側鎖を有する飽和
炭化水素または脂環式炭化水素が用いられる。これらの
例としては、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタ
ン、n−ノナン、n−デカン等の直鎖飽和炭化水素、メ
チルペンタン、メチルヘキサン等の側鎖飽和炭化水素、
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロ
ヘキサン等の脂環式炭化水素等が挙げられる。
【0010】本発明のポリエチレンは、高圧ラジカル重
合で連鎖移動剤としてC以上の飽和炭化水素を用いて
得ることができるが、下記(a)〜(e)の条件をすべ
て満足するものでなければならない。
【0011】[条件(a)] (a)密度は0.926〜0.935g/cm、好ま
しくは0.928〜0.933g/cmである。密度
が0.926g/cm未満であると腰が弱く、溶断ヒ
ートシール特性が悪くなり、一方0.935g/cm
を超える場合においては腰が強すぎて風合いが劣り、目
的とするフィルムが得られない。
【0012】[条件(b)] (b)メルトフローレート(以下、MFRと略す)は
1.5〜10g/10min.、好ましくは2〜4g/
10min.である。MFRが1.5g/10min.
未満であるとドローダウン性が劣り、一方10g/10
min.を超えるとドローレゾナンス現象が発生し、い
ずれも高速成形性が劣る原因となる。
【0013】[条件(c)] (c)メルトテンションは2〜15g、好ましくは4〜
10gである。メルトテンション(以下、MTと略す)
が2g未満であるとドローレゾナンス現象が発生し、1
5gを超えるとドローダウン性が劣り、かつネックイン
は小さくなるがフィルム成膜時に膜切れが発生し、良好
なフィルム製品が得られない。
【0014】
【条件(d)】
(d)エチル分岐が1000C当り0.1〜2個未満
で、かつ、全短鎖分岐中のエチル分岐の割合が1〜20
%未満、好ましくはエチル分岐が1000C当り1個未
満で、かつ、全短鎖分岐中のエチル分岐の割合が10%
未満である。エチル分岐数および全短鎖分岐中のエチル
分岐の割合は、成形品の結晶化度およびそれに関連する
機械的強度や腰の強さ、風合いなどに影響をおよぼすも
のであるが、エチル分岐数が1000C当り0.1以
下、かつ全短鎖分岐中のエチル分岐の割合が1%以下の
ときは結晶化度が高く、腰が強すぎ、エチル分岐数が1
000C当り2以上、かつ全短鎖分岐中のエチル分岐の
割合が20%以上のときは結晶化度が小さく、腰が弱く
溶断シール特性が不十分となり、高速自動充填包装の適
性が悪く、包装袋の生産性が悪くなる。
【0015】
【条件(e)】
(e)Mw/Mnは1.0〜4.0未満である。Mw/
Mnが4.0以上であるときは密度が低下し、溶断シー
ル時に糸引き等のため良好な包装体製品が得られない。
【0016】本発明で使用される滑剤としては、脂肪族
炭化水素系、脂肪酸系、脂肪酸アマイド系、脂肪酸エス
テル系、脂肪酸金属塩系等の少なくとも1種から選択さ
れる。
【0017】該脂肪族炭化水素系滑剤としては、炭素数
が16以上のパラフィン、ワックス類が主体であり、流
動パラフィン、固形パラフィン、マイクロワックス、ポ
リエチレンワックス等が挙げられる。
【0018】該脂肪酸系滑剤としては、好ましくは炭素
数が12〜24の飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸で、ラ
ウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル
酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノ
ナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸等
の飽和脂肪酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール
酸、リノレン酸、ステアロール酸、エルカ酸、プラシジ
ン酸等の不飽和脂肪酸等が挙げられる。
【0019】該脂肪酸アミド系滑剤としては上記脂肪酸
のアミドで、ラウリン酸アミド、トリデシル酸アミド、
ミリスチン酸アミド、ペンタデシル酸アミド、パルミチ
ン酸アミド、ヘプタデシル酸アミド、ステアリン酸アミ
ド、ノナデカン酸アミド、アラキン酸アミド、ベヘン酸
アミド、リグノセリン酸アミド、オレイン酸アミド、エ
ライジン酸アミド、リノール酸アミド、リノレン酸アミ
ド、ステアロール酸アミド、エルカ酸アミド、プラシジ
ン酸アミド等が挙げられる。
【0020】該脂肪酸エステル系滑剤としては、一価ア
ルコールまたは多価アルコールとのエステルで、ステア
リン酸ブチル、オレイン酸ブチル、ステアリン酸モノグ
リセリド、オレイン酸モノグリセリド等が挙げられる。
【0021】該脂肪酸金属塩系滑剤としては脂肪酸のナ
トリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、カルシウム塩等
が挙げられ、ステアリン酸リチウム、パルミチン酸ナト
リウム、ステアリン酸ナトリウム、パルミチン酸カリウ
ム、アラキン酸カルシウム等が挙げられる。
【0022】これらの内では、脂肪酸アミド系滑剤が最
も好ましく、なかでも、ステアリン酸アミド、ベヘン酸
アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミドが好まし
く、さらにオレイン酸アミドが最も好ましい。これらは
単独もしくは2種以上の混合物として使用できる。
【0023】本発明の滑剤の配合量は、ポリエチレンに
対して、0.005〜0.2重量%、好ましくは0.0
2〜0.1重量%である。
【0024】配合量が0.005重量%未満では滑剤の
効果が不十分で高速成形性または自動充填包装の生産性
が劣り、0.2重量%を超えると滑りすぎることにより
包装品の取扱いに支障をきたすと同時に、滑剤がフィル
ム表面にブリードすることにより白濁等の汚染を生じ、
かつ経済性の面からも好ましくない。
【0025】ポリエチレンに滑剤を配合する方法として
は、特定量の滑剤と特定量のポリエチレンを計量しなが
ら直接押出機のフィードホッパーに供給しホッパー内で
自重により混合し押出機で溶融混合する方法、滑剤とポ
リエチレンを混合機を用いて直接予備混合して押出機で
溶融混合する方法、高濃度の滑剤を含有するマスターバ
ッチを調整してポリエチレンと混合機を用いて予備混合
して押出機で溶融混合する方法、または滑剤を溶融状態
でポリエチレンを溶融押出中の押出機に注入する方法等
がある。通常予備混合に使用される混合機としては、ド
ラムブレンダー、リボンブレンダー、ヘンシェルタイプ
ミキサーその他の混合機が用いられる。
【0026】これらの方法の内では、高濃度の滑剤を含
有するマスターバッチを使用する方法が最も好ましい。
【0027】本発明の高圧ラジカル重合により得られた
選択された性状をもつポリエチレンと滑剤からなる組成
物を、フィルムに成形する方法としては、高速成形法が
用いられる。高速成形である限りTダイフィルム成形
法、インフレーションフィルム成形法、水冷フィルム成
形法等のいづれも用いられるが、とくにTダイフィルム
成形法において次のような成形方法で成形することによ
って、肉厚が均一でドローレゾナンス現象を生じること
なく、80m/min.以上の高速成形が可能である。
【0028】即ち、該組成物を押出温度200〜250
℃で、リップ間隔0.5〜2mmのTダイから押出し、
エアギャップ(ダイリップとタッチロール間の距離)2
00mm以下、チルロール温度50℃以下で成形する方
法である。さらに好ましい方法は、押出温度220〜2
40℃で、リップ間隔0.8〜1.5mmのTダイから
押出し、エアギャップ150mm以下、チルロール温度
25℃以下で成形する方法である。
【0029】押出機の形態としては一般的に用いられる
フィルム成形機の押出機が使用可能である。即ち、本発
明のポリエチレン組成物をスクリュー径が25〜200
mmの押出機に対して上記の運転条件で、適度のサイズ
のダイスを使用して、フィルム厚み10〜100μmの
フィルムを成形する際に、ドローレゾナンス現象を生じ
ることなく成形速度80m/min.以上でフィルムを
成形することができる。
【0030】かかる方法で成形されたフィルムは、風合
いがよく、かつ適度に腰が強く溶断ヒートシール特性が
良好で、高速自動充填包装適性のよい生産性、成形加工
性もすぐれたフィルムである。
【0031】本発明の自動充填包装用ポリエチレンフィ
ルムは、フィルム厚さ10〜100μの範囲で、種々の
包装用途に用いられるが、本発明の特徴を20μmのフ
ィルムに関して列記すると以下のごとくである。
【0032】(1)本発明の自動充填包装用ポリエチレ
ンフィルムは、剛軟度が6〜8cmと適度の範囲内であ
る。剛軟度が6cm未満であると、フィルムが柔らかす
ぎて腰が弱く、8cmを超えるとフィルムが堅すぎて風
合いに劣る。
【0033】(2)本発明の自動充填包装用ポリエチレ
ンフィルムは、引張弾性率が、縦方向(MD)/横方向
(CD)共に2000〜3000Kg/cmと適度の
範囲内にある。引張弾性率が2000Kg/cm未満
であるとフィルムの伸びが大きく、かつフィルムに自立
性がなく自動充填包装に不適であり、3000Kg/c
を超えるとフィルムの腰が強すぎて包装する内容物
との密着性が悪く好ましくない。
【0034】(3)本発明の自動充填包装用ポリエチレ
ンフィルムは、溶断シール特性にすぐれている。溶断シ
ール特性が劣ると、溶断シール部に糸引き現象が生じ、
これを抑制するためには溶断シール速度を落とさざるを
得ず生産性が劣る。
【0035】(4)本発明の自動充填包装用ポリエチレ
ンフィルムを用いて自動充填包装を行ったところ(高速
生理用品包装)、800ケ/min.以上の包装速度が
可能であった。
【0036】(5)以上のすぐれた特性は、フィルム厚
みが10〜100μmの全範囲にわたって達成されるこ
とはいうまでもない。フィルム厚みは、好ましくは10
〜50μm、さらに好ましくは10〜30μmである。
【0037】本発明の自動充填包装用ポリエチレンフィ
ルムは食パン、菓子類等の食品包装、日用品や文房具等
の包装、テイッシュペーパーや衛生生理用品等の軽包装
など、風合いおよび高速自動充填包装に適性を要求され
る分野において特に好適に用いられる。
【0038】本発明においては、本発明の特性を本質的
に損なわない範囲において、必要に応じて、酸化防止
剤、坑ブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、有機ある
いは無機系顔料、紫外線防止剤、分散剤などの公知の添
加剤を添加することができる。
【0039】 (物性試験方法) (1)密度 :JIS K6760 準拠 (2)MFR :JIS K6760 〃 (3)メルトテンション :東洋精機(株)製メルトテンションテスターに より測定。(測定温度190℃) (4)エチル分岐 :C13NMR(核磁気共鳴装置)により測定。 (5)Mw/Mn :ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)により 測定。(Waters製150℃)
【0040】(加工性評価方法) (1)ドローレゾナンス特性:Tダイのタッチロール方
式で成形を行い、徐々に成形スピードを上げてフィルム
表面に厚薄ムラが発生したスピードをドローレゾナンス
発生速度とした。 (2)ドローダウン性 :東洋精機(株)製メルト
テンションテスターにより押し出したストランドを徐々
に速度を上げながら引き取り、ストランドが破断した速
度をドローダウン速度とした。
【0041】 (フィルム評価法) (1)剛軟度 :JIS L1085 準拠 (2)引張弾性率 :ASTM D882 〃 (3)溶断シール特性 :通常のシールバーを使用し、温度を150℃に 設定してこれにフィルムを挟み込む。フィルム が溶着した状態で手前に引き、この時の溶着部 の糸引きの有無を確認する。 (4)風合い :フィルムを掌で握り絹布の感触に近いもの、お よび、フィルムを振った時の音の小さいものを 良とした。
【0042】(自動充填包装適性評価法) (1)自動充填包装機 :高速生理用品製造機 (2)包装品 :生理用品 (3)自動充填包装速度 :適性な包装速度 ケ/m
in.
【0043】
【実施例・比較例】次に実施例、比較例により本発明を
更に詳しく説明するが、本発明はこれらによって限定さ
れるものではない。実施例1〜3、比較例1〜9の結果
を表1に、実施例4〜5、比較例10〜11の結果を表
2に示す。
【0044】実施例1:槽型反応器にエチレン12,7
00kg/hrおよびn−ヘキサン1.1モル%(対エ
チレン)を、往復型高圧圧縮機で圧縮送入し、重合開始
剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエ
イト2kg/hrを添加して、反応圧力2100kg/
cm、反応温度210〜220℃で連続的に重合さ
せ、密度0.930g/cm、MFR3.5の低密度
ポリエチレン(LDPE)が2000kg/hrで生成
した。生成したポリマーに滑剤としてオレイン酸アミド
0.05重量%を添加し、径75mmφのスクリュー、
リップ面長1800mm、リップギャップ1mmのTダ
イを備えた押出機を用い、エアギャップ(ダイリップと
タッチロール間の距離)100mm、チルロール温度2
5℃、成形樹脂温度230℃、樹脂押出量150kg/
hrで、フィルム厚さ20μmのフィルムを成形し、成
形速度およびフィルム諸物性を測定した。ドローダウン
性は40m/min.以上、成膜速度は80m/mi
n.以上、剛軟度は6.0〜8.0cm、引張弾性率は
2000〜3000Kg/cm、溶断シール特性、風
合いはいずれも良好であった。自動充填包装速度は81
5ケ/min.であった。
【0045】実施例2:n−ヘキサン量を1.0モル%
(対エチレン)とした以外は実施例1と同一条件で重合
を行った。生成したポリエチレンは密度0.930g/
cm、MFR2.0であった。ドローダウン性は40
m/min.以上、成膜速度は80m/min.以上、
剛軟度は6.0〜8.0cm、引張弾性率は2000〜
3000Kg/cm、溶断シール特性、風合いはいず
れも良好であった。自動充填包装速度は812ケ/mi
n.であった。
【0046】実施例3:n−ヘキサン量を1.0モル%
(対エチレン)とした以外は実施例1と同一条件で重合
を行った。生成したポリエチレンは密度0.928g/
cm、MFR2.0であった。ドローダウン性は40
m/min.以上、成膜速度は80m/min.以上、
剛軟度は6.0〜8.0cm、引張弾性率は2000〜
3000Kg/cm、溶断シール特性、風合いはいず
れも良好であった。自動充填包装速度は806ケ/mi
n.であった。
【0047】比較例1:反応圧力1750kg/cm
とした以外は実施例1と同一条件で重合を行った。生成
したポリエチレンは密度0.923g/cm、MFR
3.0であった。生成したポリエチレンは、密度が本発
明の条件を満足せず、剛軟度、引張弾性率、溶断シール
特性がいずれも不十分であった。自動充填包装速度は7
10ケ/min.であった。
【0048】比較例2:連鎖移動剤としてブテン−1を
用いた以外は実施例1と同一条件で重合を行った。生成
したポリエチレンは密度0.923g/cm、MFR
2.0であった。生成したポリエチレンは、密度、エチ
ル分岐数、全短鎖分岐中のエチル分岐の割合、Mw/M
nがいずれも本発明の条件を満足せず、ドローダウン
性、成膜速度、剛軟度、引張弾性率、溶断シール特性が
いずれも不十分である。自動充填包装速度は690ケ/
min.であった。
【0049】比較例3:連鎖移動剤としてブテン−1を
用いた以外は実施例1と同一条件で重合を行った。生成
したポリエチレンは密度0.923g/cm、MFR
3.0であった。生成したポリエチレンは、密度、エチ
ル分岐数、全短鎖分岐中のエチル分岐の割合、Mw/M
nがいずれも本発明の条件を満足せず、ドローダウン
性、剛軟度、引張弾性率、溶断シール特性がいずれも不
十分である。自動充填包装速度は630ケ/min.で
あった。
【0050】比較例4:連鎖移動剤としてブテン−1を
用いた以外は実施例1と同一条件で重合を行った。生成
したポリエチレンは密度0.923g/cm、MFR
5.0であった。生成したポリエチレンは、密度、M
T、エチル分岐数、全短鎖分岐中のエチル分岐の割合、
Mw/Mnがいずれも本発明の条件を満足せず、ドロー
レゾナンス、剛軟度、引張弾性率、溶断シール特性がい
ずれも不十分である。自動充填包装速度は615ケ/m
in.であった。
【0051】比較例5:連鎖移動剤としてブテン−1を
用い、反応圧力2600kg/cmとした以外は実施
例1と同一条件で重合を行った。生成したポリエチレン
は密度0.930g/cm、MFR3.0であった。
生成したポリエチレンは、エチル分岐数、全短鎖分岐中
のエチル分岐の割合、Mw/Mnがいずれも本発明の条
件を満足せず、ドローダウン性、成膜速度が不十分であ
る。自動充填包装速度は805ケ/min.であった。
【0052】比較例6:無水塩化マグネシウム10k
g、1,2−ジクロエタン0.5kgおよび四塩化チタ
ン1.7kgを窒素雰囲気下、室温で16時間ボールミ
リングし、チタン化合物を担体に担持させた。この固体
物質は1g当り35mgのチタンを含有していた。気相
重合用の装置としてはオートクレーブを用い、重合圧力
30kg/cm・G、重合温度60℃の条件下で、上
記固体物質を250g/hrおよびトリエチルアルミニ
ウムを50mol/hrの速度で供給し重合を行った。
生成したポリエチレンは密度0.937g/cm、M
FR2.0であった。生成した低圧法低密度ポリエチレ
ンは、MT、エチル分岐数、全短鎖分岐中のエチル分岐
の割合、Mw/Mnがいずれも本発明の条件を満足せ
ず、ドローレゾナンス、引張弾性率、風合いがいずれも
不十分である。自動充填包装速度は820ケ/min.
であった。
【0053】比較例7〜9:市販の高圧法低密度ポリエ
チレンを用いた。該高圧法低密度ポリエチレンは、密度
がいずれも本発明の条件を満足せず、ドローダウン性、
成膜速度、剛軟度、引張弾性率、溶断シール特性がいず
れも不十分である。自動充填包装速度は各々720、7
35、705ケ/min.であった。
【0054】実施例4:滑剤としてオレイン酸アミド
0.02重量%を添加した以外は実施例1と同一条件で
重合を行った。生成したポリエチレンは密度0.930
g/cm、MFR3.5であった。成形速度およびフ
ィルム評価をした結果、ドローダウン性は40m/mi
n.以上、成膜速度は80m/min.以上、風合いお
よびフィルム滑性はいずれも良好であった。自動充填包
装速度は802ケ/min.であった。
【0055】実施例5:滑剤としてオレイン酸アミド
0.1重量%を添加した以外は実施例1と同一条件で重
合を行った。生成したポリエチレンは密度0.930g
/cm、MFR3.5であった。成形速度およびフィ
ルム評価をした結果、ドローダウン性は40m/mi
n.以上、成膜速度は80m/min.以上、風合いお
よびフィルム滑性はいずれも良好であった。自動充填包
装速度は825ケ/min.であった。
【0056】比較例10:滑剤としてオレイン酸アミド
を添加しなかった以外は実施例1と同一条件で重合を行
った。生成したポリエチレンは密度0.930g/cm
、MFR3.5であった。成形速度およびフィルム評
価をした結果、成膜速度は80m/min.未満、風合
いは不十分で、フィルム滑性は不良で自動充填包装に不
適であった。自動充填包装速度は550ケ/min.で
あった。
【0057】比較例11:滑剤としてオレイン酸アミド
0.25重量%を添加した以外は実施例1と同一条件で
重合を行った。生成したポリエチレンは密度0.930
g/cm、MFR3.5であった。成形速度およびフ
ィルム評価をした結果、成膜速度は80m/min.未
満、風合いは不十分で、フィルム滑性は滑り過ぎで自動
充填包装に不適であった。自動充填包装速度は590ケ
/min.であった。
【0058】
【発明の効果】本発明は高圧ラジカル重合において得ら
れるポリエチレンからなるフィルムに関し、詳しくは、
高速成形性にすぐれ、風合いがよく、かつ腰が強く溶断
ヒートシール特性にすぐれているため、高速自動充填包
装適性がよいフィルムに関するものであり、フィルム成
形性、包装袋生産性、高速充填性にすぐれ、風合いのよ
い包装材として利用でき、とくに衛生用品等の軽包装に
好適に利用できるものである。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−126834(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 23/04 - 23/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(a)〜(e)の性状を満足する高
    圧ラジカル重合法によるポリエチレンおよび滑剤とから
    なる高速成形用ポリエチレン組成物。 (a)密度0.926〜0.935g/cm、 (b)メルトフローレート1.5〜10g/10mi
    n.、 (c)メルトテンション2〜15g、 (d)エチル分岐が1000C当り0.1〜2未満で、
    かつ、全短鎖分岐中のエチル分岐の割合が1〜20%未
    満、 (e)Mw/Mnが1.0〜4.0未満、(Mw:重量
    平均分子量、Mn:数平均分子量)
  2. 【請求項2】 下記(a)〜(e)の性状を満足する高
    圧ラジカル重合法によるポリエチレンおよび滑剤とから
    なる組成物を高速成形によりフィルムに成形してなる自
    動充填包装用ポリエチレンフィルム。 (a)密度0.926〜0.935g/cm、 (b)メルトフローレート1.5〜10g/10mi
    n.、 (c)メルトテンション2〜15g、 (d)エチル分岐が1000C当り0.1〜2未満で、
    かつ、全短鎖分岐中のエチル分岐の割合が1〜20%未
    満、 (e)Mw/Mnが1.0〜4.0未満、(Mw:重量
    平均分子量、Mn:数平均分子量)
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