JP4085589B2 - 圧縮包装用フィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧縮包装用ポリエチレン系フィルムに関するものである。さらに詳しくは、引裂強度および衝撃強度に優れ、印刷割れ(フィルムに施された印刷にひびが入ったり、局所的に印刷が薄くなる現象)が起こりにくい圧縮包装用ポリエチレン系フィルムおよび圧縮包装袋に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
柔軟で、圧縮可能な商品、例えば、使い捨ての紙おむつ、生理パッド、失禁用パンツなどの製品は近年世界中で広く使用されている。これらの製品は、通常、包装袋を用いて包装され、その包装方法としては、被包装物を包装袋の内部よりも小さく過圧縮して包装袋の内部に詰め、過圧縮された被包装物の集合体の体積が圧縮されていない被包装物の集合体の体積よりも小さくなるように包装する方法が用いられている。
【0003】
このような包装袋に使用されるフィルムとしては、被包装物の圧縮状態を維持するため、被包装物の膨張に伴う張力に耐える材料、即ち、引張強度が大きい材料が用いられてきた。
【0004】
例えば、特許第2888914号公報には、圧縮された柔軟な被包装物を包装する開き易く柔軟な袋が記載されており、袋に用いられる材料の一例として、重合性フィルムが挙げられている。
しかし、従来の重合性フィルムは、製品包装時に生じる局所的な張力等により、フィルムに施された印刷にひびが入ったり、局所的に印刷が薄くなるという現象、即ち、印刷割れが発生することがあり、特にフィルムの厚みが70μm以下の場合に顕著に発生するので、改良が求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、引裂強度および衝撃強度に優れ、印刷割れ(フィルムに施された印刷にひびが入ったり、局所的に印刷が薄くなる現象)が起こりにくい圧縮包装用ポリエチレン系フィルムおよび圧縮包装袋を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記の実情に鑑み、鋭意検討の結果、フィルム成形時の引取り方向に対して直交する方向(TD方向)にフィルムが2%伸長した時の荷重が特定の範囲であり、該方向にフィルムを伸張した時の応力歪曲線における降伏応力ピーク高さが特定の範囲である圧縮包装用ポリエチレン系フィルムおよびそれを用いて得られる圧縮包装袋が上記課題を解決できることを見出し、本発明の完成に至った。
【0007】
すなわち、本発明は、
フィルム成形時の引取り方向に対して直交する方向(TD方向)にフィルムが2%伸長した時の荷重が5.10〜6.93cN/20mmであり、該方向にフィルムを伸張した時の応力歪曲線における降伏応力ピーク高さが4MPa以下である圧縮包装用ポリエチレン系フィルムであって、該フィルムが、
外層、中間層、内層の三層からなり、外層および内層が同一でもよく異なっていてもよい下記エチレン−α−オレフィン共重合体(A)を含有する樹脂からなり、中間層が下記エチレン−α−オレフィン共重合体(B)を含有する樹脂からなり、全体の平均密度が925〜930kg/m 3 である圧縮包装用ポリエチレン系フィルムおよびそれを用いて得られる圧縮包装袋に係るものである。
エチレン−α−オレフィン共重合体(A):
エチレンと炭素原子数4〜8のα−オレフィンからなり、メルトフローレート(MFR)が0.1〜10g/10minであり、密度が910〜930kg/m 3 であるエチレン−α−オレフィン共重合体
エチレン−α−オレフィン共重合体(B):
エチレンと炭素原子数4〜8のα−オレフィンからなり、メルトフローレート(MFR)が0.1〜10g/10minであり、密度が925〜935kg/m 3 であるエチレン−α−オレフィン共重合体
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の圧縮包装用ポリエチレン系フィルムとは、柔軟で圧縮可能な商品を、過圧縮された被包装物の集合体の体積が圧縮されていない被包装物の集合体の体積よりも小さくなるように包装するために用いられるポリエチレン系フィルムである。
【0009】
本発明の圧縮包装用ポリエチレン系フィルムにおいて、フィルム成形時の引取り方向に対して直交する方向(TD方向)にフィルムが2%伸長した時の荷重は5.10〜6.93cN/20mmであり、好ましくは5.30〜6.83cN/20mmであり、より好ましくは5.30〜6.53cN20mmである。
【0010】
フィルム成形時の引取り方向に対して直交する方向(TD方向)にフィルムが2%伸長した時の荷重が5.10cN/20mm未満の場合、フィルムの剛性が不十分であることがあり、6.93cN/20mmを超えた場合、フィルムの柔軟性が不十分になり、包装時にハンドリングしにくくなることがある。
【0011】
本発明の圧縮包装用ポリエチレン系フィルムにおいて、フィルム成形時の引取り方向に対して直交する方向(TD方向)にフィルムを伸張した時の応力歪曲線における降伏応力ピーク高さは4MPa以下であり、好ましくは3.5MPa以下であり、より好ましくは3.0MPa以下である。
【0012】
フィルム成形時の引取り方向に対して直交する方向(TD方向)にフィルムを伸張した時の応力歪曲線における降伏応力ピーク高さが4MPaを超えた場合、圧縮包装をする際の局所的な張力等によりフィルムに施された印刷の割れが生じることがある。
【0013】
本発明で用いられるポリエチレン系フィルムとしては、エチレンの単独重合体(ポリエチレン)、エチレンと少なくとも1種のα−オレフィンとの共重合体、エチレンと不飽和カルボン酸およびそのエステル化物や酸無水物との共重合体、エチレンとビニルエステル類との共重合体等の樹脂またはこれらの混合物を用いて得られるフィルムが挙げられる。
【0014】
エチレンと少なくとも1種のα−オレフィンとの共重合体に用いられるα−オレフィンとしては、炭素原子数3〜12のα−オレフィンであり、例えば、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチル−1−ペンテン、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1等が挙げられ、好ましくはブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1である。
エチレンと不飽和カルボン酸との共重合体に用いられる不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等が挙げられ、エチレンとビニルエステル類との共重合体に用いられるビニルエステル類としては、例えば、酢酸ビニル等が挙げられる。
【0015】
エチレンと少なくとも1種のα−オレフィンとの共重合体としては、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−4−メチルペンテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−オクテン−1共重合体、エチレン−デセン−1共重合体等が挙げられ、好ましくはポリエチレン、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−4−メチルペンテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−オクテン−1共重合体である。
【0016】
エチレンと不飽和カルボン酸との共重合体としては、例えば、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−マレイン酸共重合体等が挙げられ、エチレンとビニルエステル類との共重合体としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
【0017】
本発明で用いられるポリエチレン系フィルムに用いられる樹脂の製造方法としては、特に制限されるものではなく、公知の触媒やラジカル発生剤を用いる、公知の重合方法が挙げられる。公知の触媒としては、例えば、チーグラー・ナッタ触媒系、メタロセン触媒系、バナジウム触媒系等が挙げられ、ラジカル発生剤としては、例えば、パーオキサイド化合物等が挙げられる。
【0018】
また公知の重合方法としては、例えば、バルク重合法、溶液重合法、スラリー重合法、高圧重合法、気相重合法等が挙げられ、好ましくはバルク重合法、溶液重合法、高圧重合法、気相重合法である。
【0019】
本発明のポリエチレン系圧縮包装用フィルムとして、好ましくは、外層、中間層、内層の三層からなり、外層および内層が同一でもよく異なっていてもよいエチレンと炭素原子数4〜8のα−オレフィンからなり、メルトフローレート(MFR)が0.1〜10g/10minであり、密度が910〜930kg/m3であるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)を含有する樹脂からなり、中間層がエチレンと炭素原子数4〜8のα−オレフィンからなり、メルトフローレート(MFR)が0.1〜10g/10minであり、密度が925〜945kg/m3であるエチレン−α−オレフィン共重合体(B)を含有する樹脂からなり、全体の平均密度が925〜930kg/m3である圧縮包装用ポリエチレン系フィルムである。
【0020】
外層に用いられる樹脂に含有されるエチレン−α−オレフィン共重合体と、内層に用いられる樹脂に含有されるエチレン−α−オレフィン共重合体は同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0021】
外層および内層に用いられる樹脂に含有されるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)のα−オレフィンとしては、通常、炭素原子数4〜8のα−オレフィンであり、好ましくは炭素原子数4〜6のα−オレフィンである。例えば、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1等が挙げられ、好ましくはブテン−1、ヘキセン−1である。
【0022】
外層および内層に用いられる樹脂に含有されるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)としては、例えば、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−4−メチルペンテン−1共重合体、エチレン−オクテン−1共重合体等が挙げられ、好ましくはエチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体である。
【0023】
外層および内層に用いられる樹脂に含有されるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)のメルトフローレート(MFR)は、フィルム成形における押出し負荷やフィルムの伸長強度の観点から、通常、0.1〜10g/10minであり、好ましくは0.5〜7g/10minであり、より好ましくは0.7〜5g/10minである。
【0024】
エチレン−α−オレフィン共重合体(A)の密度は、フィルムの剛性、ハンドリングのし易さや包装体を作製する際の生産性の観点から、通常、910〜930kg/m3であり、好ましくは910〜925kg/m3である。
【0025】
中間層に用いられる樹脂に含有されるエチレン−α−オレフィン共重合体(B)のα−オレフィンとしては、前述の外層および内層に用いられる樹脂に含有されるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)のα−オレフィンと同様のものが挙げられ、また、エチレン−α−オレフィン共重合体(B)としては、前述の外層および内層に用いられる樹脂に含有されるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)として用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体と同様のものが挙げられる。
【0026】
中間層に用いられる樹脂に含有されるエチレン−α−オレフィン共重合体(B)のメルトフローレート(MFR)は、フィルム成形における押出し負荷やフィルムの伸長強度の観点から、通常、0.1〜10g/10minであり、好ましくは0.5〜7g/10minであり、より好ましくは0.7〜5g/10minである。
【0027】
エチレン−α−オレフィン共重合体(B)の密度は、フィルムの剛性、柔軟性や包装時のハンドリングのし易さの観点から、通常、925〜945kg/m3であり、好ましくは927〜940kg/m3であり、より好ましくは930〜935kg/m3である。
【0028】
本発明のポリエチレン系圧縮包装用フィルムとして好ましいものである三層からなるポリエチレン系圧縮包装用フィルムの全体の平均密度は、フィルムの剛性、柔軟性や包装時のハンドリングのし易さの観点から、通常、925〜930kg/m3であり、好ましくは925〜927kg/m3である。
【0029】
本発明のポリエチレン系圧縮包装用フィルムとして好ましいものである三層からなるポリエチレン系圧縮包装用フィルムの外層および内層に用いられる樹脂として、より好ましくは、フィルムの表面平滑性や耐衝撃強度の観点から、外層および内層のそれぞれに対して、低密度ポリエチレン(C)を5〜30重量%含有する樹脂であり、さらに好ましくは、更に好ましい低密度ポリエチレン(C)を7〜20重量%含有する樹脂である。
【0030】
本発明で用いられる低密度ポリエチレン(C)は、高圧法ラジカル重合法により得られる低密度ポリエチレンであり、好ましくは高圧ラジカル重合法によりエチレンを単独重合させて得られる低密度ポリエチレンである。
【0031】
低密度ポリエチレン(C)の製造方法である高圧ラジカル重合法とは、高圧下、ラジカル発生剤を用いて重合を開始、進行させ重合体を製造する方法である。一般には槽型反応器または管型反応器を用いて、過酸化物等のラジカル発生剤の存在下、重合圧力140〜300MPa、重合温度200〜300℃の条件下でエチレン等を重合させ、重合体を得る方法である。管型反応器を用いて得られるポリマーの方がポリマー中のミクロゲルが少なく、フィルムに用いた際、フィッシュアイ等の外観不良が発生しにくいということから、管型反応器を用いることが好ましい。メルトフローレート(MFR)は分子量調節剤である水素やメタン、エタン等の炭化水素を用いることによって調節できる。スウェル比(SR)および密度は重合圧力、重合温度を上記の範囲で任意に選択することにより調節できる。
【0032】
低密度ポリエチレン成分(C)のメルトフローレート(MFR)は、特に制限されるものではないが、通常、0.1〜10g/10minであり、好ましくは0.3〜8.0g/10minであり、より好ましくは0.8〜6.0g/10minである。
【0033】
低密度ポリエチレン成分(C)のスウェル比(SR)は、特に制限されるものではないが、通常、1.40〜1.60であり、好ましくは1.45〜1.58である。
【0034】
低密度ポリエチレン成分(C)の密度は、特に制限されるものではないが、通常、900〜935kg/m3であり、より好ましくは915〜930kg/m3である。
【0035】
本発明のポリエチレン系圧縮包装用フィルムの厚みは、特に制限されるものではないが、フィルムの強度、破袋防止や廃棄物の削減の観点から、好ましくは30〜70μmである。
【0036】
本発明のポリエチレン系圧縮包装用フィルムには、本発明の目的・効果を損なわない範囲で、必要に応じて、通常使用される安定剤、中和剤、帯電防止剤、滑剤、抗ブロッキング剤、加工性改良剤等の公知の添加剤を含有させてもよい。
【0037】
安定剤としては、フェノール系安定剤、ホスファイト系安定剤等が挙げられる。フェノール系安定剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(商品名:IRGANOX 1010、チバガイギー社製)、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート(商品名:IRGANOX 1076、チバガイギー社製)等が挙げられる。また、ホスファイト系安定剤としては、例えば、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4ジターシャリーブチルフェニル)4,4’ビフェニレンジフォスフォナイト等が挙げられる。
【0038】
中和剤としては、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ハイドロタルサイト等が挙げられる。
帯電防止剤としては、例えば、炭素原子数8〜22個の脂肪酸グリセリンエステル、ソルビタン酸エステル、ポリエチレングリコールエステル等が挙げられる。
加工性改良剤としては、例えば、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩類が挙げられる。
【0039】
滑剤としては、例えば、飽和脂肪酸アミド、不飽和脂肪酸アミド、飽和脂肪酸ビスアミド、不飽和脂肪酸ビスアミド等が挙げられる。
飽和脂肪酸アミドとしては、例えば、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミド等が挙げられ、好ましくはベヘニン酸アミドである。
不飽和脂肪酸アミドとしては、例えば、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド等が挙げられ、好ましくはエルカ酸アミドである。
【0040】
飽和脂肪酸ビスアミドとしては、例えば、エチレンビスパルミチン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド等が挙げられ、好ましくはエチレンビスステアリン酸アミドである。
不飽和脂肪酸ビスアミドとしては、例えば、エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミド等が挙げられ、好ましくはエチレンビスオレイン酸アミドである。
【0041】
抗ブロッキング剤としては、例えば、無機系の抗ブロッキング剤や有機系の抗ブロッキング剤が挙げられる。
無機系の抗ブロッキング剤としては、例えば、合成抗ブロッキング剤や天然の抗ブロッキング剤が挙げられる。無機系の合成抗ブロッキング剤としては、例えば、合成シリカ、結晶質または非晶質のアルミノ珪酸塩の粉末等が挙げられ、好ましくは結晶質または非晶質のアルミノ珪酸塩の粉末である。
【0042】
また、無機系の天然の抗ブロッキング剤としては、例えば、二酸化珪素、クレー、タルク、珪藻土、長石、カオリン、ゼオライト、カオリナイト、ウォラストナイト、セリサイト等を粉砕、焼成して得られるものが挙げられる。
なお、これら無機系の抗ブロッキング剤の表面をステアリン酸等の高級脂肪酸、チタンカップリング剤、シランカップリング剤等の表面処理剤により処理して使用してもよい。
【0043】
有機系の抗ブロッキング剤としては、合成抗ブロッキング剤が挙げられ、例えば、架橋アクリル系樹脂、架橋ポリエチレン系樹脂、架橋ポリスチレン系樹脂、架橋シリコーン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等の粉末が挙げられる。好ましくは架橋ポリメタクリル酸メチルの粉末である。
なお、これら有機系の抗ブロッキング剤の表面をステアリン酸等の高級脂肪酸、チタンカップリング剤、シランカップリング剤等の表面処理剤により処理して使用してもよい。
【0044】
抗ブロッキング剤として、上記の抗ブロッキング剤成分を単独で使用してもよく、二種類以上を併用してもよい。
【0045】
本発明のポリエチレン系圧縮包装用フィルムの製造方法としては、特に制限されるものではなく、一般に、インフレーションフィルム製造装置やTダイフィルム製造装置を公知の加工条件で用いる単層押出し法、共押出法等が挙げられる。
【0046】
本発明のポリエチレン系圧縮包装用フィルムとして好ましいものである三層からなるポリエチレン系圧縮包装用フィルム、または、多層からなるポリエチレン系圧縮包装用フィルムの製造方法として、好ましくは、溶融・押し出された樹脂をダイの内部および/または外部で接触させる共押出法である。
【0047】
本発明のポリエチレン系圧縮包装用フィルムを用いて、これをヒートシールすることにより圧縮包装袋を形成することができる。
【0048】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例に基づき詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
(1)2%伸長した時の荷重(単位:cN/20mm)
長さ800mm、幅20mmのサンプルをフィルムより採取し、これを引張試験機を用いて、つかみ間隔が600mmとなるようにセットし、23℃で5mm/minの引張速度で引張り、フィルムが2%伸長した時の荷重を計測した。
【0049】
(2)降伏応力ピーク高さ(単位:MPa)
JIS K 7127に従って、4号形試験片、試験速度Iの条件で測定し、応力歪曲線を得た。応力歪曲線は、歪の増加に伴って応力が増加してピークに達し、さらに歪が増加するに連れて、応力が減少し、やがて一定の応力になり、応力歪曲線の傾きが0になる曲線を示した。降伏応力ピーク高さは、応力歪曲線におけるピーク値と応力歪曲線の傾きが0になった点の応力値の差として求めた。
【0050】
(3)メルトフローレート(MFR、単位:g/10min)
JIS K 6760に規定された方法に従って測定した。荷重2.16kg、温度190℃で行った。
【0051】
(4)スウェル比(SR)
JIS K 7210に規定されたメルトフローレート測定装置を用い、荷重2.16kgでのメルトフローレート測定時に押出したストランドの直径Dを測定し、オリフィスの直径D0との比D/D0を求め、スウェル比(SR)とした。測定は、190℃で行った。
【0052】
(5)密度(単位:kg/m3)
JIS K 6760に規定された方法に従って測定した。
【0053】
(6)フィルム平均密度(単位:kg/m3)
三層フィルムをの各層に用いた樹脂の密度をJIS K 6760に規定された方法に従って測定し、三層フィルム全体の厚みに対し、各層の厚み比を各層に用いた樹脂の密度に乗じた数値の和を三層フィルムの平均密度とした。
【0054】
(7)引裂強度(エレメンドルフ引裂強度、単位:kN/m)
ASTM D1922−67に規定された方法に従って測定した。
【0055】
(8)落錘衝撃強度(ダートインパクト、単位:kJ/m)
ASTM D1709−75に規定された方法に従って測定した。
【0056】
(9)耐印刷割れ性
140mm×140mmのフィルム片を作製し、中央部に市販の油性ペンを用い90mm×90mmの枠を書き込んだ。この枠を、同じく油性ペンを用い、30mm×30mmの9個枠に均等に分割した。9個の枠の書かれたフィルム片をフィルム成形時の引取り方向に対して直交する方向(TD方向)に、枠が書き込まれていない部分を手にもち、人力によって伸長した。すべてのサンプルについて同一の実験者によってフィルム片を伸長した。書き込まれた枠の大きさの変化を観察し、下記の基準に従って、耐印刷割れ性を評価した。
◎:書き込まれた枠が均一に変形した(フィルムの局所的な薄肉化がなく耐印刷割れ性に優れる)。
△:書き込まれた枠の一部が他の枠に比べ大きく変形した(フィルムの一部が薄肉化し、印刷割れがやや発生しやすい)。
×:書き込まれた枠の一部が大きく変形し、一方で変形していない枠も存在していた(フィルムが局所的に薄肉化し、印刷割れが発生しやすい)。
【0057】
実施例および比較例で使用した原料樹脂を以下に示した。
PO−1:エチレン−α−オレフィン共重合体 スミカセンE FV205 (MFR=2.0g/10min、密度=921kg/m3) 住友化学工業(株)製 90重量%、および、
低密度ポリエチレン スミカセン CE2575 (MFR=2.0g/10min、密度=921kg/m3) 住友化学工業(株)製 10重量%
からなるブレンド組成物
PO−2:エチレン−α−オレフィン共重合体 スミカセンα FZ203−0 (MFR=2.0g/10min、密度=930kg/m3) 住友化学工業(株)製
PO−3:エチレン−α−オレフィン共重合体 スミカセンα CS8051(MFR=2.0g/10min、密度=940kg/m3) 住友化学工業(株)製
PO−4:エチレン−α−オレフィン共重合体 スミカセンE FV203 (MFR=2.0g/10min、密度=913kg/m3) 住友化学工業(株)製 90重量%、および、
低密度ポリエチレン スミカセン CE2575 (MFR=2.0g/10min、密度=921kg/m3) 住友化学工業(株)製 10重量%
からなるブレンド組成物
PO−5:エチレン−α−オレフィン共重合体 スミカセンα CS8051(MFR=2.0g/10min、密度=940kg/m3) 住友化学工業(株)製 50重量%、および、エチレン−α−オレフィン共重合体 スミカセンE FV202 (MFR=2.0g/10min、密度=925kg/m3) 住友化学工業(株)製 50重量%
からなるブレンド組成物
【0058】
実施例1
外層にPO−1、中間層にPO−2、内層にPO−1を用いた。外層/中間層/内層の厚み構成比が1/2/1である厚み60μmmの二種三層積層フィルムを、プラコー社製三層インフレーションフィルム加工機(ダイス120mmφ、ダイリップ2.0mm−t)を用いて、加工温度170℃、三層の合計押出し量36kg/hr、引取り速度10m/min、ブローアップ比2.2でフィルムを成形した。得られたフィルムの評価結果を表1に示した。
【0059】
比較例1〜4
実施例1で用いた樹脂および外層/中間層/内層の厚み構成比を表1に示した原料樹脂および各層の厚み比に変更した以外は、実施例1と同様な方法でフィルムを成形した。得られたフィルムの評価結果を表1に示した。
【0060】
【表1】
【0061】
本発明の要件を満たす実施例1〜3は、引裂強度、衝撃強度(ダートインパクト)および耐印刷割れ性に優れることが分かる。
これに対して、本発明の要件であるフィルム成形時の引取り方向に対して直交する方向(TD方向)にフィルムが2%伸長した時の荷重およびTD方向にフィルムを伸張した時の応力歪曲線における降伏応力ピーク高さを満足しない比較例1は耐印刷割れ性が不十分であり、比較例2は耐衝撃強度および耐印刷割れ性が不十分であることが分かる。
【0062】
【発明の効果】
以上、詳述したとおり、本発明により、引裂強度および衝撃強度に優れ、印刷割れ(フィルムに施された印刷にひびが入ったり、局所的に印刷が薄くなる現象)が起こりにくい圧縮包装用ポリエチレン系フィルムおよび圧縮包装袋を得ることができる。
Claims (4)
- フィルム成形時の引取り方向に対して直交する方向(TD方向)にフィルムが2%伸長した時の荷重が5.10〜6.93cN/20mmであり、該方向にフィルムを伸張した時の応力歪曲線における降伏応力ピーク高さが4MPa以下である圧縮包装用ポリエチレン系フィルムであって、該フィルムが、
外層、中間層、内層の三層からなり、外層および内層が同一でもよく異なっていてもよい下記エチレン−α−オレフィン共重合体(A)を含有する樹脂からなり、中間層が下記エチレン−α−オレフィン共重合体(B)を含有する樹脂からなり、全体の平均密度が925〜930kg/m 3 であることを特徴とする圧縮包装用ポリエチレン系フィルム。
エチレン−α−オレフィン共重合体(A):
エチレンと炭素原子数4〜8のα−オレフィンからなり、メルトフローレート(MFR)が0.1〜10g/10minであり、密度が910〜930kg/m 3 であるエチレン−α−オレフィン共重合体
エチレン−α−オレフィン共重合体(B):
エチレンと炭素原子数4〜8のα−オレフィンからなり、メルトフローレート(MFR)が0.1〜10g/10minであり、密度が925〜935kg/m 3 であるエチレン−α−オレフィン共重合体 - 外層および内層が、低密度ポリエチレン(C)を外層および内層のそれぞれに対して5〜30重量%含有する樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載の圧縮包装用ポリエチレン系フィルム。
- 厚みが30〜70μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の圧縮包装用ポリエチレン系フィルム。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のフィルムをヒートシールすることにより形成される圧縮包装袋。
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