JP3365542B2 - ダイカストキャビティのエアー抜き装置 - Google Patents
ダイカストキャビティのエアー抜き装置Info
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- Molds, Cores, And Manufacturing Methods Thereof (AREA)
- Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダイカスト金型を
使ってアルミ鋳物等を鋳造する際に用いられるダイカス
ト金型のキャビティのエアー抜き装置に関する。 【0002】 【従来の技術】ダイカスト金型のキャビティ内にアルミ
ニウム等の溶湯を注湯する際にキャビティ内にエアーが
残留したままであると、この残留エアーを溶湯が巻き込
んで鋳物内部に空洞(ス)ができる等の不都合を招くた
め、キャビティへの溶湯注湯の際にキャビティ内のエア
ーを排出するようにしている。このようなキャビティ内
のエアー抜き方法として、図3に示すエアーベントを利
用する方法と、図示しない真空ポンプを利用する方法が
知られている。 【0003】即ち、図3は鋳物を鋳造するキャビティ3
1と、このキャビティ31に連通するエアーベント32
を有するダイカスト金型30が示される。キャビティ3
1の下端側の注湯口部33からキャビティ31内に溶湯
34をプランジャ等で射出注湯すると、この注湯される
溶湯34によってキャビティ31内のエアーがエアーベ
ント32へと押し出されて、エアーベント32から金型
外部に排出される。溶湯34がエアーベント32の下端
まで注湯された段階で注湯が終了し、キャビティ内31
に充填された溶湯34によって鋳物製品が鋳造される。 【0004】真空ポンプを利用するキャビティ内のエア
ー抜き方法は、上記と同様なダイカスト金型のキャビテ
ィに溶湯を射出注湯するタイミングに合わせて、キャビ
ティ内のエアーを真空ポンプで強制的に抜く方法であっ
て、キャビティに溶湯が充填されるタイミングで真空ポ
ンプによるエアー抜きが実施されて、キャビティに充填
された溶湯で鋳物製品が鋳造される。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】上記エアーベントを利
用したエアー抜き方法の場合、ダイカスト金型のキャビ
ティ内のエアーが、キャビティに注湯される溶湯に置換
される形で排出されるため、積極的なエアー抜きのため
の特別な付属機構が不要であるという設備的有利さがあ
るが、キャビティ内のエアーが積極的に排出されないた
めに一部がキャビティ内に残留し、この残留エアーが注
湯される溶湯に巻き込まれる可能性がある。また、キャ
ビティに注湯される溶湯でキャビティ内のエアーがエア
ーベントへと押し出される際に、エアーベントに粉バリ
等による詰まりが発生することがあって、金型の保守点
検を面倒なものにしている。 【0006】一方、上記真空ポンプを利用したエアー抜
き方法の場合は、ダイカスト金型のキャビティ内のエア
ーを真空ポンプで積極的に抜くので、溶湯のエアー巻き
込みが軽減されてほとんど問題は無い。しかし、キャビ
ティ内のエアーを真空ポンプで吸引しながらキャビティ
に溶湯を注湯するため、エアー吸引動作と溶湯注湯動作
という別々な工程相互間の最適な調整と制御が難しく
て、この調整と制御を誤るとキャビティに溶湯が詰まる
等のトラブルが発生することがある。また、エアー抜き
と溶湯注湯の各動作を安定して高精度で行うためには高
精度で高価な真空ポンプが必要であり、かつ、溶湯注湯
装置に高精度で高価な制御装置を必要としていた。 【0007】本発明の目的は、ダイカスト金型のキャビ
ティに溶湯を注湯する際のキャビティ内のエアー抜きを
確実に、しかも設備投資的有利に行うエアー抜き装置を
提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明装置は、ダイカスト金型のキャビティに連通するエア
ーベントに接続されるエアー抜き装置であって、ダイカ
スト金型の固定型上に固定された固定ブロック部と、ダ
イカスト金型の可動型上に固定された可動ブロック部と
で構成されたエアー抜きブロックと、 固定型に可動型を
型合わせしたときに固定ブロック部と可動ブロック部の
対向面で形成されるエアー抜き通路とを有し、 エアー抜
き通路を、平坦な底面と、この底面の片端に形成したエ
アーベントと連通するエアー導入口と、底面の中央に形
成した金型外部からのエアーを噴出するエアー噴出口
と、底面の両端の一対の幅広内壁面及び一対の幅狭内壁
面と、一対の幅狭内壁面の間に形成したエアー排出口と
で構成し、一対の幅狭内壁面のうちエアー導入口を形成
する一方の幅狭内壁面を湾曲面にして、エアー抜きブロ
ックのエアー噴射口からエアー抜き通路のエアー排出口
に向けてエアーを噴射したときのエアー流でエアーベン
ト内を減圧し、この減圧作用でキャビティ内のエアーを
半強制的に吸引するようにしたことを特徴とする。 【0009】ここで、上記エアー噴射口からエアー抜き
通路に噴射されるエアーは、金型外部からコンプレッサ
ー等で導入された圧縮エアーであり、このエアーをエア
ー噴射口からエアー抜き通路に周囲のエアーを巻き込む
速度で噴射すると、エアー噴射口からエアー抜き通路を
流れるエアー流がエアーベントのエアーを巻き込んでエ
アーベントを減圧し、この減圧でキャビティ内のエアー
が半強制的にエアーベントへと吸引されて排出される。
従って、エアー噴射口からのエアー噴射をキャビティへ
の溶湯射出注湯時に行うと、キャビティ内のエアーが常
にエアーベントへと流れる体勢が維持されて、キャビテ
ィに注湯される溶湯によるエアー巻き込みが軽減する。 【0010】また、上記エアー抜きブロックは、ダイカ
スト金型のキャビティから溶湯が侵入しないエアーベン
トの任意の箇所に設置すればよい。また、このようなエ
アー抜きブロックは、多種類のダイカスト金型に共通の
構造のものを使用すればよい。 【0011】 【発明の実施の形態】図1及び図2に示す実施形態は、
図3と同様なダイカスト金型1にエアー抜きブロック1
1を設置して、ダイカスト金型1に形成されたキャビテ
ィ6に溶湯4を注湯するときにキャビティ6内のエアー
をエアー抜き用のブロック11で金型外部に排出するよ
うにしたものである。ダイカスト金型1は、固定型2と
可動型3に分かれ、固定型2に可動型3を型合わせした
ときに両者間にキャビティ6と、キャビティ6の上端に
連通するエアーベント7が形成される。キャビティ6の
下端に連通する注湯口部5からキャビティ6内に溶湯4
がプランジャ等で加圧されて射出注湯される。 【0012】ブロック11は、ダイカスト金型1のエア
ーベント7に連通するエアー抜き通路12と、エアー抜
き通路12に金型外部からのエアーを噴射するエアー噴
射口13を有する。エアー抜き通路12は、エアーベン
ト7の先端開口に連通してエアーベント7のエアーを排
出する方向に幅狭となるエアー排出口14を有し、エア
ー抜き通路12のエアー排出口14と対向する箇所に前
記エアー噴射口13が形成される。エアー噴射口13は
ブロック11に形成されたエアー通路15を介して金型
外部のエアーコンプレッサー等の圧縮エアー供給源16
に連通させてある。 【0013】ブロック11は、図1に示すように、固定
型2に固定された固定ブロック部11Aと可動型3に固
定された可動ブロック部11Bの一対で構成される。こ
の場合、固定型2に可動型3を型合わせしたときに、固
定ブロック部11Aに可動ブロック部11Bが型合わせ
されて、両者間にエアー抜き通路12が形成される。エ
アー抜き通路12は、例えば図2に示すように平坦な底
面17と、一対の幅広内壁面18,19と、一対の幅狭
内壁面20,21とを有し、底面17の中央にエアー噴
射口13が形成され、底面17の片端にエアーベント7
と連通するエアー導入口22が形成される。また一対の
幅狭内壁面20,21間の隙間でエアー排出口14が形
成される。この一対の幅狭内壁面20,21のうちエア
ー導入口22を形成する一方の幅狭内壁面21は湾曲面
で構成され、後述するようにエアー排出口14からのエ
アー排出をスムーズなものにする。 【0014】図1に示すようにキャビティ6に溶湯4を
射出する注湯開始時点から注湯終了時点までの間、エア
ー供給源16を連続作動させてエアー噴射口13からエ
アー抜き通路12のエアー排出口14に向けて圧縮エア
ーを噴射する。これにより、図2に示すようにエアー噴
射口13のa点からエアー排出口14のb点に向けてエ
アー流23が形成され、このエアー流23のエアーはエ
アー抜き通路12を通過して外部に出ていくが、a−b
点間を流れる間に周囲のエアーを巻き込んでエアー導入
口22の近くの底面17の周辺部のc点を大気圧よりも
若干減圧する。この減圧作用によりエアー導入口22の
d点のエアーがc点に流れ、このエアー流れでキャビテ
ィ6内のエアーがエアーベント7へと流れる。このよう
な減圧によるエアー流れは、真空ポンプで行われるよう
な完全に強制的なものではなくて、キャビティ6内のエ
アーをエアーベント7からエアー導入口22へと比較的
弱い力で吸引することにより生じるものである。 【0015】従って、キャビティ6に溶湯4を注湯する
間中、キャビティ6内のエアーがエアーベント7へと常
時吸引されて流れる状態が維持されて、キャビティ6に
溶湯4が注湯される分量に応じてエアーがエアーベント
7からエアー抜き通路12を通ってスムーズに排出され
て、キャビティ6で溶湯4がエアーを巻き込む心配が無
くなる。この場合、キャビティ6からエアーベント7に
半強制的に流れるエアーでエアーベント7の粉バリ等が
吹き飛ばされて、常に良好なエアー通路が確保され、尚
更にキャビティ6での溶湯のエアー巻き込み量が軽減さ
れる。また、エアー抜き通路12におけるエアー流23
は、図2のc点やd点を大気圧に対して少し減圧する程
度のものでよいことから、エアー流23を形成するエア
ー供給源16は構造および制御の簡単なものが適用でき
る。 【0016】以上のようなエアー抜きブロック11は、
ダイカスト金型1のエアーベント7の在る部分全てに設
置することも可能であるが、エアーベント7の任意の箇
所だけに選択的に設置しても機能的に問題無い。また、
ブロック11の断面形状は図示例に限らず、複数種類の
金型に共通の断面形状にして汎用性を持たせることも可
能である。 【0017】 【発明の効果】本発明のエアー抜き装置によれば、ダイ
カスト金型に付設されるエアー抜きブロックが、エアー
抜き通路とエアー噴射口を有する構造簡単なものであ
り、ダイカスト金型のエアーベントの任意の箇所に取付
けても機能的に問題無いので、設備投資的に有利で汎用
性に優れたエアー抜き装置が提供できる。
使ってアルミ鋳物等を鋳造する際に用いられるダイカス
ト金型のキャビティのエアー抜き装置に関する。 【0002】 【従来の技術】ダイカスト金型のキャビティ内にアルミ
ニウム等の溶湯を注湯する際にキャビティ内にエアーが
残留したままであると、この残留エアーを溶湯が巻き込
んで鋳物内部に空洞(ス)ができる等の不都合を招くた
め、キャビティへの溶湯注湯の際にキャビティ内のエア
ーを排出するようにしている。このようなキャビティ内
のエアー抜き方法として、図3に示すエアーベントを利
用する方法と、図示しない真空ポンプを利用する方法が
知られている。 【0003】即ち、図3は鋳物を鋳造するキャビティ3
1と、このキャビティ31に連通するエアーベント32
を有するダイカスト金型30が示される。キャビティ3
1の下端側の注湯口部33からキャビティ31内に溶湯
34をプランジャ等で射出注湯すると、この注湯される
溶湯34によってキャビティ31内のエアーがエアーベ
ント32へと押し出されて、エアーベント32から金型
外部に排出される。溶湯34がエアーベント32の下端
まで注湯された段階で注湯が終了し、キャビティ内31
に充填された溶湯34によって鋳物製品が鋳造される。 【0004】真空ポンプを利用するキャビティ内のエア
ー抜き方法は、上記と同様なダイカスト金型のキャビテ
ィに溶湯を射出注湯するタイミングに合わせて、キャビ
ティ内のエアーを真空ポンプで強制的に抜く方法であっ
て、キャビティに溶湯が充填されるタイミングで真空ポ
ンプによるエアー抜きが実施されて、キャビティに充填
された溶湯で鋳物製品が鋳造される。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】上記エアーベントを利
用したエアー抜き方法の場合、ダイカスト金型のキャビ
ティ内のエアーが、キャビティに注湯される溶湯に置換
される形で排出されるため、積極的なエアー抜きのため
の特別な付属機構が不要であるという設備的有利さがあ
るが、キャビティ内のエアーが積極的に排出されないた
めに一部がキャビティ内に残留し、この残留エアーが注
湯される溶湯に巻き込まれる可能性がある。また、キャ
ビティに注湯される溶湯でキャビティ内のエアーがエア
ーベントへと押し出される際に、エアーベントに粉バリ
等による詰まりが発生することがあって、金型の保守点
検を面倒なものにしている。 【0006】一方、上記真空ポンプを利用したエアー抜
き方法の場合は、ダイカスト金型のキャビティ内のエア
ーを真空ポンプで積極的に抜くので、溶湯のエアー巻き
込みが軽減されてほとんど問題は無い。しかし、キャビ
ティ内のエアーを真空ポンプで吸引しながらキャビティ
に溶湯を注湯するため、エアー吸引動作と溶湯注湯動作
という別々な工程相互間の最適な調整と制御が難しく
て、この調整と制御を誤るとキャビティに溶湯が詰まる
等のトラブルが発生することがある。また、エアー抜き
と溶湯注湯の各動作を安定して高精度で行うためには高
精度で高価な真空ポンプが必要であり、かつ、溶湯注湯
装置に高精度で高価な制御装置を必要としていた。 【0007】本発明の目的は、ダイカスト金型のキャビ
ティに溶湯を注湯する際のキャビティ内のエアー抜きを
確実に、しかも設備投資的有利に行うエアー抜き装置を
提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明装置は、ダイカスト金型のキャビティに連通するエア
ーベントに接続されるエアー抜き装置であって、ダイカ
スト金型の固定型上に固定された固定ブロック部と、ダ
イカスト金型の可動型上に固定された可動ブロック部と
で構成されたエアー抜きブロックと、 固定型に可動型を
型合わせしたときに固定ブロック部と可動ブロック部の
対向面で形成されるエアー抜き通路とを有し、 エアー抜
き通路を、平坦な底面と、この底面の片端に形成したエ
アーベントと連通するエアー導入口と、底面の中央に形
成した金型外部からのエアーを噴出するエアー噴出口
と、底面の両端の一対の幅広内壁面及び一対の幅狭内壁
面と、一対の幅狭内壁面の間に形成したエアー排出口と
で構成し、一対の幅狭内壁面のうちエアー導入口を形成
する一方の幅狭内壁面を湾曲面にして、エアー抜きブロ
ックのエアー噴射口からエアー抜き通路のエアー排出口
に向けてエアーを噴射したときのエアー流でエアーベン
ト内を減圧し、この減圧作用でキャビティ内のエアーを
半強制的に吸引するようにしたことを特徴とする。 【0009】ここで、上記エアー噴射口からエアー抜き
通路に噴射されるエアーは、金型外部からコンプレッサ
ー等で導入された圧縮エアーであり、このエアーをエア
ー噴射口からエアー抜き通路に周囲のエアーを巻き込む
速度で噴射すると、エアー噴射口からエアー抜き通路を
流れるエアー流がエアーベントのエアーを巻き込んでエ
アーベントを減圧し、この減圧でキャビティ内のエアー
が半強制的にエアーベントへと吸引されて排出される。
従って、エアー噴射口からのエアー噴射をキャビティへ
の溶湯射出注湯時に行うと、キャビティ内のエアーが常
にエアーベントへと流れる体勢が維持されて、キャビテ
ィに注湯される溶湯によるエアー巻き込みが軽減する。 【0010】また、上記エアー抜きブロックは、ダイカ
スト金型のキャビティから溶湯が侵入しないエアーベン
トの任意の箇所に設置すればよい。また、このようなエ
アー抜きブロックは、多種類のダイカスト金型に共通の
構造のものを使用すればよい。 【0011】 【発明の実施の形態】図1及び図2に示す実施形態は、
図3と同様なダイカスト金型1にエアー抜きブロック1
1を設置して、ダイカスト金型1に形成されたキャビテ
ィ6に溶湯4を注湯するときにキャビティ6内のエアー
をエアー抜き用のブロック11で金型外部に排出するよ
うにしたものである。ダイカスト金型1は、固定型2と
可動型3に分かれ、固定型2に可動型3を型合わせした
ときに両者間にキャビティ6と、キャビティ6の上端に
連通するエアーベント7が形成される。キャビティ6の
下端に連通する注湯口部5からキャビティ6内に溶湯4
がプランジャ等で加圧されて射出注湯される。 【0012】ブロック11は、ダイカスト金型1のエア
ーベント7に連通するエアー抜き通路12と、エアー抜
き通路12に金型外部からのエアーを噴射するエアー噴
射口13を有する。エアー抜き通路12は、エアーベン
ト7の先端開口に連通してエアーベント7のエアーを排
出する方向に幅狭となるエアー排出口14を有し、エア
ー抜き通路12のエアー排出口14と対向する箇所に前
記エアー噴射口13が形成される。エアー噴射口13は
ブロック11に形成されたエアー通路15を介して金型
外部のエアーコンプレッサー等の圧縮エアー供給源16
に連通させてある。 【0013】ブロック11は、図1に示すように、固定
型2に固定された固定ブロック部11Aと可動型3に固
定された可動ブロック部11Bの一対で構成される。こ
の場合、固定型2に可動型3を型合わせしたときに、固
定ブロック部11Aに可動ブロック部11Bが型合わせ
されて、両者間にエアー抜き通路12が形成される。エ
アー抜き通路12は、例えば図2に示すように平坦な底
面17と、一対の幅広内壁面18,19と、一対の幅狭
内壁面20,21とを有し、底面17の中央にエアー噴
射口13が形成され、底面17の片端にエアーベント7
と連通するエアー導入口22が形成される。また一対の
幅狭内壁面20,21間の隙間でエアー排出口14が形
成される。この一対の幅狭内壁面20,21のうちエア
ー導入口22を形成する一方の幅狭内壁面21は湾曲面
で構成され、後述するようにエアー排出口14からのエ
アー排出をスムーズなものにする。 【0014】図1に示すようにキャビティ6に溶湯4を
射出する注湯開始時点から注湯終了時点までの間、エア
ー供給源16を連続作動させてエアー噴射口13からエ
アー抜き通路12のエアー排出口14に向けて圧縮エア
ーを噴射する。これにより、図2に示すようにエアー噴
射口13のa点からエアー排出口14のb点に向けてエ
アー流23が形成され、このエアー流23のエアーはエ
アー抜き通路12を通過して外部に出ていくが、a−b
点間を流れる間に周囲のエアーを巻き込んでエアー導入
口22の近くの底面17の周辺部のc点を大気圧よりも
若干減圧する。この減圧作用によりエアー導入口22の
d点のエアーがc点に流れ、このエアー流れでキャビテ
ィ6内のエアーがエアーベント7へと流れる。このよう
な減圧によるエアー流れは、真空ポンプで行われるよう
な完全に強制的なものではなくて、キャビティ6内のエ
アーをエアーベント7からエアー導入口22へと比較的
弱い力で吸引することにより生じるものである。 【0015】従って、キャビティ6に溶湯4を注湯する
間中、キャビティ6内のエアーがエアーベント7へと常
時吸引されて流れる状態が維持されて、キャビティ6に
溶湯4が注湯される分量に応じてエアーがエアーベント
7からエアー抜き通路12を通ってスムーズに排出され
て、キャビティ6で溶湯4がエアーを巻き込む心配が無
くなる。この場合、キャビティ6からエアーベント7に
半強制的に流れるエアーでエアーベント7の粉バリ等が
吹き飛ばされて、常に良好なエアー通路が確保され、尚
更にキャビティ6での溶湯のエアー巻き込み量が軽減さ
れる。また、エアー抜き通路12におけるエアー流23
は、図2のc点やd点を大気圧に対して少し減圧する程
度のものでよいことから、エアー流23を形成するエア
ー供給源16は構造および制御の簡単なものが適用でき
る。 【0016】以上のようなエアー抜きブロック11は、
ダイカスト金型1のエアーベント7の在る部分全てに設
置することも可能であるが、エアーベント7の任意の箇
所だけに選択的に設置しても機能的に問題無い。また、
ブロック11の断面形状は図示例に限らず、複数種類の
金型に共通の断面形状にして汎用性を持たせることも可
能である。 【0017】 【発明の効果】本発明のエアー抜き装置によれば、ダイ
カスト金型に付設されるエアー抜きブロックが、エアー
抜き通路とエアー噴射口を有する構造簡単なものであ
り、ダイカスト金型のエアーベントの任意の箇所に取付
けても機能的に問題無いので、設備投資的に有利で汎用
性に優れたエアー抜き装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示すダイカスト金型とエア
ー抜きブロックの概略を示す注湯時の断面図である。 【図2】図1の要部の拡大図である。 【図3】従来のダイカスト金型の注湯時の部分断面図で
ある。 【符号の説明】 1 ダイカスト金型 2 固定型 3 可動型 4 溶湯 6 キャビティ 7 エアーベント 11 エアー抜きブロック 11A 固定ブロック部 11B 可動ブロック部 12 エアー抜き通路 13 エアー噴射口 14 エアー排出口17 底面 18 幅広内壁面 19 幅広内壁面 20 幅狭内壁面 21 幅狭内壁面(湾曲面) 22 エアー導入口
ー抜きブロックの概略を示す注湯時の断面図である。 【図2】図1の要部の拡大図である。 【図3】従来のダイカスト金型の注湯時の部分断面図で
ある。 【符号の説明】 1 ダイカスト金型 2 固定型 3 可動型 4 溶湯 6 キャビティ 7 エアーベント 11 エアー抜きブロック 11A 固定ブロック部 11B 可動ブロック部 12 エアー抜き通路 13 エアー噴射口 14 エアー排出口17 底面 18 幅広内壁面 19 幅広内壁面 20 幅狭内壁面 21 幅狭内壁面(湾曲面) 22 エアー導入口
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 今村 克
大阪府池田市桃園2丁目1番1号 ダイ
ハツ工業株式会社内
(72)発明者 宮原 佳己
大阪府池田市桃園2丁目1番1号 ダイ
ハツ工業株式会社内
(72)発明者 藤本 正和
兵庫県小野市匠台6番地 株式会社神菱
内
(72)発明者 織田 弘幸
兵庫県小野市匠台6番地 株式会社神菱
内
(72)発明者 山口 勝治
兵庫県小野市匠台6番地 株式会社神菱
内
(56)参考文献 特開 平7−299553(JP,A)
特開 昭61−33750(JP,A)
実開 平4−98357(JP,U)
実公 昭37−17523(JP,Y1)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B22D 17/22
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ダイカスト金型のキャビティに連通する
エアーベントに接続されるエアー抜き装置であって、ダイカスト金型の固定型上に固定された固定ブロック部
と、ダイカスト金型の可動型上に固定された可動ブロッ
ク部とで構成されたエアー抜きブロックと、 固定型に可動型を型合わせしたときに固定ブロック部と
可動ブロック部の対向面で形成されるエアー抜き通路を
有し、 エアー抜き通路を、平坦な底面と、この底面の片端に形
成したエアーベントと連通するエアー導入口と、底面の
中央に形成した金型外部からのエアーを噴出するエアー
噴出口と、底面の両端の一対の幅広内壁面及び一対の幅
狭内壁面と、一対の幅狭内壁面の間に形成したエアー排
出口とで構成し、一対の幅狭内壁面のうちエアー導入口
を形成する一方の幅狭内壁面を湾曲面にして、 エアー抜きブロックのエアー噴射口からエアー抜き通路
のエアー排出口に向けてエアーを噴射したときのエアー
流でエアーベント内を減圧し、この減圧作用でキャビテ
ィ内のエアーを半強制的に吸引するようにしたことを特
徴とするダイカストキャビティのエアー抜き装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14791197A JP3365542B2 (ja) | 1997-06-05 | 1997-06-05 | ダイカストキャビティのエアー抜き装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14791197A JP3365542B2 (ja) | 1997-06-05 | 1997-06-05 | ダイカストキャビティのエアー抜き装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10328805A JPH10328805A (ja) | 1998-12-15 |
JP3365542B2 true JP3365542B2 (ja) | 2003-01-14 |
Family
ID=15440905
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14791197A Expired - Fee Related JP3365542B2 (ja) | 1997-06-05 | 1997-06-05 | ダイカストキャビティのエアー抜き装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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