JP3365442B2 - ポリエチレンテレフタレートの製造方法 - Google Patents

ポリエチレンテレフタレートの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエチレンテレフタ
レート(以下、PETという)の製造法に関するもので
あり、詳しくは、安定した品質のPETを連続して製造
する工業的に有利な方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】PETは、合成繊維としてだけではな
く、フィルム用、ボトル用、その他幅広い分野において
利用されている。PETの利用分野が広がるに従い、P
ETに要求される物性も厳しくなり、しかも、安定した
品質の製品が要求されている。PETは、通常テレフタ
ル酸にエチレングリコールを反応させるエステル化反応
又はテレフタル酸ジメチルエステルにエチレングリコー
ルを反応させるエステル交換反応によって、ビス(βー
ヒドロキシエチル)テレフタレート(以下、BHETと
いう)のオリゴマーを得、次いで、これを触媒の存在
下、真空減圧下においてエチレングリコールを除去しな
がら重縮合する方法によって製造されている。
【0003】又PETの製造方式としては、(1) 1基の
重縮合反応器(単に反応器ともいう)により重縮合反応
を行う回分式重合法と、(2) 複数基の反応器を直列に配
設し、BHETをこれらの反応器に順次流通させて、逐
次重合度を向上させて最終反応器より所望の重合度のP
ETを得る連続重縮合法があるが、現在は生産性、品質
及びコスト面において極めて有利な(2) 連続重縮合法に
よることが通常となっている。
【0004】連続重縮合法により安定した品質の製品を
得るためには、製品の重合度を一定の範囲に保持するこ
とが必要であり、そのためには各重合反応器における反
応条件及び操作条件を一定に保持すればよいが、連続重
合法は複数の重合反応器を用いる等のこともあって、実
際には反応条件及び操作条件を一定に保持することは極
めて困難である。
【0005】従来、得られる製品の品質のバラツキを抑
制するために、例えば反応温度、反応混合物の粘度、重
合反応器内の滞留量、重合反応器内の真空度等を測定
し、これらの設定値を各反応器ごとに特定の範囲内に維
持するような制御方法が採用されている。例えば、特公
昭53ー23878号公報では、各反応器の入口及び出
口の溶融粘度の測定値とそれぞれの目標値との偏差によ
り、カスケード操作値として各反応器の重合度制御系の
溶融粘度の設定値、また必要な場合には一基前の反応器
出口の溶融粘度目標値を自動的に変更させることによ
り、一定の溶融粘度を持つポリマーを得る方法が提案さ
れている。
【0006】特公昭53ー24233号公報では、各反
応器の出口の溶融粘度の測定値とそれぞれの目標値との
偏差及びそれぞれの反応器の入口側における重合体の流
量とそれぞれの基準値との偏差により、カスケード操作
値として該反応機内の真空度及び/又は温度を制御する
方法が提案されている。特公昭59ー43049号公報
では、外乱である重縮合反応器の攪拌動力又は攪拌軸反
力の測定値により、自動的に重縮合反応器の真空度を調
節する方法が提案されている。
【0007】特開昭51ー117794号公報及び特開
昭53ー97090号公報では、特定の重宿合反応器の
入口前及び出口後の固有粘度の測定値を基礎としてフィ
ードフォワード、フィードバックのアルゴリズムを作動
させて最終的に得られる溶融ポリエステルの粘度を自動
的に制御するシステム及び装置が提案されている。上記
の提案されている諸方法である程度の品質管理はできる
ものの、異常値の認識から対応までの間に大幅な時間的
遅れが生じるなどのために、安定した品質の製品を得る
には満足な方法とはいえない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記PET
の製造法において、上記問題点を解決し、品質の均一な
製品を安定的に製造する工業的に有利な方法を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解消した製造法を提供すべく鋭意検討した結果、最終
重縮合反応器から抜き出されるポリマーの溶融粘度と重
縮合時の反応器内の真空度操作量との相関関係から作成
された予測モデルによって、最終重縮合反応器の溶融粘
度の将来の値を予測しながら最終重縮合反応器の真空度
操作量を制御することにより、上記目的が達成されると
の知見を得て本発明を完成した。
【0010】すなわち、本発明は、ビス(βーヒドロキ
シエチル)テレフタレートのオリゴマーを直列に配設さ
れた複数基の反応器を用いて触媒の存在下、真空減圧下
にて溶融状態で重縮合させるポリエチレンテレフタレー
トを連続的に製造するにあたり、最終反応器から抜き出
されるポリマーの溶融粘度と最終反応器の真空度操作量
との関係から作成された予測モデルにより、溶融粘度の
将来の値を予測しながら最終反応器の真空度操作量の最
適値を決定し、最終反応器の真空度を制御しつつ重縮合
を行うことを特徴とする。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
は、ビス(βーヒドロキシエチル)テレフタレート(B
HET)のオリゴマーを原料とする。BHETのオリゴ
マーは、通常、(1)テレフタル酸にエチレングリコール
を反応させるエステル化反応、又は、(2)テレフタル酸
ジメチルエステルにエチレングリコールを反応させるエ
ステル交換反応、などの公知の方法によって容易に製造
される。例えば、(2)テレフタル酸とエチレングリコー
ルとのエステル化反応について、以下に簡単に説明す
る。
【0012】反応槽にテレフタル酸とエチレングリコー
ルとを、エチレングリコール/テレフタル酸のモル比
1.0〜2.0の割合、好ましくは1.1〜1.6の割合で
仕込み、加熱下に反応させる。エステル化反応は通常無
触媒であるが、場合により触媒を存在させてもよい。こ
の反応を遂行するための反応槽には制限はないが、竪型
攪拌槽が好ましい。
【0013】反応圧力は常圧、加圧、減圧いずれでもよ
く、減圧の場合には例えば、0.01〜0.8kg/cm
2Gの範囲で選ぶのが好ましく、、反応温度は240〜
270℃の範囲でそれぞれ選ぶのが好ましい。この反応
により、3〜12の重合度をもつBHETオリゴマーを
製造する。このように製造したBHETのオリゴマー
は、溶融状態で反応槽から抜き出され、次に続くPET
製造用の連続反応装置の最初の反応器に供給される。
【0014】本発明の方法による時は、上記BHETを
原料とし、直列に配設した複数基の反応器を用いて、触
媒の存在下、真空下でエチレングリコールを除去しなが
ら溶融状態で重合度を向上させることにより、所望の重
合度のPETを連続的に製造する。重縮合反応器(反応
器)は、複数基、通常は2〜4基を直列に配設する。反
応器の型は竪型又は横型のいずれであってもよく、これ
らを複数基組み合わせるときは、竪型同士、横型同士に
限らず、両者を混在して組み合わせてもよい。
【0015】重縮合反応器は、加熱用ジャケット、攪拌
機、温度計、温度調節計、粘度計、真空排気装置(エジ
ェクター)、真空度記録計、真空度コントロールバル
ブ、凝縮器、凝縮液レシーバー、凝縮液循環ポンプ、反
応混合物移送ポンプ等を装備しているのが好ましい。図
1は、本発明方法に従いPETを連続的に製造する際の
一例を示すフローチャートを示す。
【0016】図2おいて、1は竪型反応機、2、3は横
型反応機、4、5、6は凝縮器、7、8、9は真空排気
装置(エジェクター)、10、11、12は凝縮液レシ
ーバー、13、14、15は凝縮液循環ポンプ、16、
17、18は冷却器、19、20、21は真空度調節
計、22、23、24はギヤポンプ、25は送液ポン
プ、26は粘度計、27、28、29、30は攪拌機、
31、32、33は真空度コントロールバルブ、34は
計算機をそれぞれ示す。
【0017】実線は原料、反応混合物などが流れる管を
意味し、点線は計算機による制御系を意味する。第1反
応器1は、外側の加熱用ジャケット(図示せず)を装備
し、反応器内に温度計(図示せず)、攪拌器27を装備
している。反応器の外側には送液ポンプ25、反応器内
を真空にするための真空排気装置7、反応器1内から揮
発する蒸気を凝縮させるための凝縮器4、凝縮液を受け
るレシーバー10、凝縮液を循環させる循環ポンプ1
3、凝縮液を冷却する冷却器16、反応液を次の反応器
に送るギヤポンプ22が装備される。
【0018】第1反応器内の真空度は、真空排気装置7
を作動させることによって達成される。この際、反応器
内の真空度は真空度調節計19の作動によりコントロー
ルバルブ31の開閉を調節し、好ましい水準に維持する
ことができる。なお、反応器の真空度を一定にする際、
反応器内からエチレングリコールなどの低沸点成分が蒸
気となって排除される。これらを凝縮液冷却器16で冷
却した凝集液を凝縮器4内でノズルより噴霧して凝縮さ
せ、凝縮液レシーバー10に溜める。レシーバー10に
溜まった凝縮液は主成分がエチレングリコールである
が、少量の水、アルデヒドを含んでいるので、精留した
あとBHET製造に再使用される。
【0019】第1反応器における反応は、原料のBHE
Tが送液ポンプ23によって連続的に一定量で移送さ
れ、開始される。反応器1では通常、温度260〜28
0℃、真空度10〜50torrの範囲で、滞留時間1
〜2時間の範囲で選ばれ、275℃における溶融粘度が
15〜20poise の低重合体に重合する。第2反応器2
に装備するものは、第1反応器における場合と差はない
が、横型であるので攪拌機の構造は横型反応器に合致す
るように選ばれている。また、第2反応器にあっては、
その攪拌機に攪拌回転軸の負荷を測定するために攪拌軸
回転用電動機の電流計とその記録計が装備されている。
この第2反応器2では、攪拌回転軸に負荷される反力を
電流計によって測定し、これを記録し計算機27に記憶
させる。この攪拌回転軸の反力の電流計による測定値履
歴は、2〜20分、好ましくは、6〜15分間隔を1ス
テップとして数十ステップ分を記録し、計算機に記憶さ
せておくことにより、第2反応器の重縮合反応条件の制
御に活用することができる。
【0020】第2反応器における反応は、反応器1で得
られた重縮合反応混合物をギヤポンプ22によって一定
量で連続的に移送し、開始、継続される。反応器2では
通常、温度265〜295℃、真空度2〜10tor
r、滞留時間1〜2時間の範囲で選ばれ、275℃にお
ける溶融粘度が500〜1000poise に重合され第3
反応器3に移送される。
【0021】第3反応器3に装備するものは、第2反応
器2におけると差はない。反応器外には得られたポリマ
ー(PET)の粘度を測定する粘度計26が設置されて
おり、その先には製品PETの紡糸用又はストランド形
成用ダイが設置される。第3反応器3では、装備された
真空度調節計21によってこの反応器3の真空度を測定
し、調節し、計算機34に記憶させる。この真空度の測
定値履歴は、2〜20分、好ましくは、6〜15分間隔
を1ステップとして数十ステップ分を測定し、計算機3
4に記憶させておくことにより、第3反応器3の重縮合
条件の制御に活用することができる。
【0022】第3反応器3では、装備された粘度計26
によってこの得られた重縮合反応混合物の粘度が測定さ
れる。第3反応器における反応は、反応器2で得られた
重縮合反応混合物をギヤポンプ23によって、連続的に
一定量で移送して、開始、継続される。反応器3では通
常、温度270〜290℃、真空度0.5〜3tor
r、滞留時間1〜2時間の範囲で選ばれ、275℃にお
ける溶融粘度500〜10000poise に重合される。
高粘度のPETは、直接紡糸してPET繊維とすること
ができるほか、チップ化して成形材料として供すること
ができる。
【0023】本発明方法に従ってPETを製造する際に
は、触媒を使用する。使用できる触媒は、従来からPE
T製造用触媒として使用されているものが制限なしに使
用可能である。触媒の具体例としては、アンチモン化合
物、ゲルマニウム化合物が挙げられる。その中でも通
常、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウムなどの酸化
物が好ましい。
【0024】この触媒は通常、上記第1反応器に供給す
るが、場合によりBHETの製造工程から存在させても
よい。触媒の使用量は通常、精製ポリマーに対して50
〜400ppm の範囲で選ぶのが好ましい。本発明方法に
よる時は、特別の制御方法を採用する。すなわち、最終
反応器から抜き出されるポリマー(PET)の溶融粘度
と最終反応器の真空度操作量との関係から作成された予
測モデルにより、溶融粘度の将来の値を予測しながら、
最終反応器の真空度操作量の最適値を算出し、最終反応
器の真空度を制御する方法を採用する。
【0025】予測モデルは、最終反応器内の攪拌強度、
温度を一定に維持しつつ、ある時点で最終反応器内の真
空度を一定量変化させた場合の操作量と、これに伴い変
動する最終反応器から抜き出されるPETの溶融粘度と
の時間的変化を表すモデルであり、反応器を使って実際
にPETを製造したデータにより作成される。予測モデ
ルは次式(1)により表され、計算機34に組み込まれ
ている。
【0026】
【数1】 但し式中、ym (k+1):時刻k+1における溶融粘
度の出力値 aj:係数 lim aj=定数 j→∞ △u(k+1−j):u(k+1−j)−u(k−j) 真空度の操作量を意味する
【0027】本発明方法においては、最終反応器におけ
る反応混合物の溶融粘度の現在値と真空度の操作量履歴
をもとにして、上記式(1)で表される予測モデルによ
り当該反応混合物の溶融粘度の将来の値を予測する。具
体的には、最終反応器における反応混合物の溶融粘度の
現在値が測定され計算機34に入力されると、計算機3
4に蓄積されている過去数十ステップ分の真空度の操作
量のデータから、上記式(1)で表される予測モデルを
もとに、Lステップ先の反応混合物の溶融粘度の予測値
[yp(k+L)]が下記式(2)によって計算される。
【0028】
【数2】 yp(k+L)=y0 +ym (k+L)−ym (k)・・・(2) (L=1,2,・・・・p) 但し式中、y0 :溶融粘度の現在値
【0029】上記式(2)により最終反応器における反
応混合物の溶融粘度のLステップ先までの挙動を予測す
ることができるが、それより、最終反応器における真空
度の操作量の最適値を計算する。具体的には、最終反応
器における反応混合物の溶融粘度の目標値と予測値との
偏差を小さくするために、Σ(目標値−予測値)2 を表
す下記式(3)の評価関数(J)を最小にするような現
時刻以降の真空度の操作量列、△u(k),△u(k+
1),・・・△u(k+L)を算出する。1ステップ先
の真空度操作量の最適値は△u(k)であり、この値の
みを真空度調節計21に出力し、最終反応器の真空度を
制御する。
【0030】
【数3】 但し式中、sp:プロセス出力の目標値
【0031】上記の一連の計算を1ステップごとに繰り
返し行うことにより、最終反応器内の真空度が最適とな
るよう制御することが出来る。また、操作量が大きすぎ
ると、真空度操作が急激なものとなり溶融粘度が不安定
になる場合があるが、式(3)における評価関数(J)
に操作量△uの項を設けて式(4)のようにすると、操
作量及び偏差をともに小さくすることができ、より厳密
な制御が可能となる。
【0032】
【数4】 但し式中、λ、φ:各項の重み比
【0033】更に、第2反応器及び/又は最終反応器に
おける反応混合物の溶融粘度と、重縮合反応を乱す外乱
の1つである攪拌機電動機の電流値との関係について
も、式(1)のような予測モデルを作成し、上記と同様
の手順で作成した反応混合物の溶融粘度の現在値と攪拌
軸回転用電動機の電流の測定値履歴から、反応混合物の
溶融粘度の将来の値の予測値の評価関数を、上記式
(1)に加算して制御することにより、いっそう厳密な
制御が可能になる。
【0034】次に、本発明を実施例及び比較例により更
に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限
り、以下の実施例の記述に限定されるものではない。 <実施例>テレフタル酸とテレフタル酸に対して1.5
倍モルのエチレングリコール130モルとを、触媒不存
在下、0.5kg/cm2Gの圧力下で混合してスラリー状と
し、竪型エステル化装置によってエステル化反応させ、
重合度3〜5のBHETオリゴマーを得た。
【0035】このBHETを、図1に示した連続装置に
毎時2600kgの流量で反応器の入り口から連続的に供
給した。各反応器の内温は、第1反応器1は272.0
℃、第2反応器2は276.6℃、第3反応器3は27
8.6℃にそれぞれ、保持した。又、各反応器内の真空
度初期値はそれぞれ20torr、2〜3torr、1
〜2torrとした。
【0036】1ステップを6分間隔として測定し、計算
機34に記憶させておいた過去40ステップ分の第3反
応器の真空度操作量のデータ、及び第2反応器の攪拌電
動機のデータを基に、計算機34にあらかじめ組み込ま
れている前記式(1)で表される予測モデルを基にし
て、反応混合物の将来の値の20ステップ先までの予測
値を計算した。次に、前記式(3)の評価関数を最小に
するような真空度の操作量の動向を20ステップ先まで
算出し、そのうち1ステップ先の操作量のみを真空度調
節計21に出力した。上記の一連の操作を1ステップご
とに繰り返し、連続運転を行った。第3反応器3から抜
き出された反応混合物(PET)の温度288℃での溶
融粘度を、細管式粘度計により測定した。2時間ごとの
反応混合物の粘度測定値より、粘度の平均値及び粘度の
標準偏差を算出し、得られた結果を表ー1に示した。
【0037】<比較例>初期条件、評価方法は実施例と
同様に行った。最終反応器の真空度制御は、熟練オペレ
ーターが粘度測定値を常時監視しながら、手動で調整す
る方式を採用した。実施例におけると同様に、2時間ご
とに反応混合物の粘度測定値より、粘度の平均値及び標
準偏差を算出し、得られた結果を表−1に示した。
【0038】
【表1】
【0039】表−1から明らかなとおり、本発明方法に
よるときは、得られるPETの溶融粘度は目標値との格
差がなく、溶融粘度にバラツキの幅も小さい。これに対
して比較例の場合には、実測した粘度の平均値とは目標
値よりも大きく、かつバラツキの幅が大きい。
【0040】
【発明の効果】本発明に係るポリエステル製造方法は、
制御系に予測モデルを組み込み、過去の真空度操作量履
歴から最終重縮合反応器から抜き出されるポリマーの溶
融粘度の将来の挙動を予測することにより、最終段重縮
合反応器内の真空度の制御を従来にないほどに厳密に行
うことが可能となり、これによって安定した高品質の製
品ポリエチレンテレフタレートを得ることが可能になっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法に従いPETを連続的に製造する際
の一例を示すフローチャートを示す。
【符号の説明】
1…竪型反応器 2…横型反応器 3…横型反応器 4、5、6…凝縮器 7、8、9…真空排気装置(エジェクター) 10、11、12…凝縮液レシーバー 13、14、15…凝縮液循環ポンプ 16、17、18…冷却器 19、20、21…真空度調節計 22、23、24…ギヤポンプ 25…送液ポンプ 26…粘度計 27、28、29、30…攪拌機 31、32、33…真空度コントロールバルブ 34…計算機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−55385(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/00 - 63/91

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビス(βーヒドロキシエチル)テレフタ
    レートのオリゴマーを直列に配設された複数基の反応器
    を用いて触媒の存在下、真空減圧下にて溶融状態で重縮
    合させてポリエチレンテレフタレートを連続的に製造す
    るにあたり、最終反応器から抜き出されるポリマーの溶
    融粘度と最終反応器の真空度操作量との関係から作成さ
    れた予測モデルにより、溶融粘度の将来の値を予測しな
    がら最終反応器の真空度操作量の最適値を算出し、最終
    反応器の真空度を制御しつつ重縮合を行うことを特徴と
    するポリエチレンテレフタレートの製造法。
  2. 【請求項2】 溶融粘度と最終反応器の直前の反応器に
    おける攪拌回転軸の電動機電流測定値との関係から作成
    された予測モデルを加算することを特徴とする、請求項
    1に記載のポリエチレンテレフタレートの製造法。
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