JP3365178B2 - 耐肌荒れ性に優れた加工用極低炭素Ti添加冷延鋼板 - Google Patents

耐肌荒れ性に優れた加工用極低炭素Ti添加冷延鋼板

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車の内
外板パネル材として好適なプレス加工性に優れた極低炭
素Ti添加冷延鋼板に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、深絞り性などのプレス加工性に優
れた冷延鋼板に、極低炭素鋼にTiやNbなどの炭窒化
物形成元素を添加したいわゆるIF鋼が適用される機会
が増えている。これは、製鋼段階でC、N量を著しく低
減できるようになり、多量のTiやNbを添加する必要
がなく、また、生産性に優れる連続焼鈍プロセスを適用
できるため、コスト的に従来材と比べて遜色がなくなっ
てきたためである。 【0003】こうしたTiやNbの添加量の少ないIF
鋼は、粒成長を阻害するこれら元素の炭窒化物の量も少
なくなるため、従来のIF鋼に比べ焼鈍時に異常粒成長
し易くなっている。特に、Ti添加のIF鋼でこの傾向
が顕著である。 【0004】そのため、Ti添加のIF鋼である極低炭
素Ti添加冷延鋼板では、連続焼鈍ラインで焼鈍中にな
んらかのトラブルが生じ、ラインスピードを低下させて
その対策を講じようとすると、鋼板は通常よりも長時間
高温に曝されることになるので、異常粒成長が起こり粗
大粒が発生し易い。この粗大粒は、加工性を劣化させた
り、加工時にオレンジピールという肌荒れの表面欠陥を
発生させる。 【0005】極低炭素Ti添加冷延鋼板の粗大粒の発生
を防ぐ方法として、特開平2ー166259号公報に
は、Be添加したり、それに比較的多量にNb、V、M
o、Cr、Cu、Sb、Bなどを1種以上添加する方法
が開示されている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者らが追試したところ、Beを添加しても必ずしも完全
には粗大粒の発生を防止できず、また、Nb、V、M
o、Cr、Cu、Sb、Bなどを多量に添加すると、粗
大粒の発生は防止できるが、加工性の劣化を招くことが
明らかになった。 【0007】本発明はこのような課題を解決するために
なされたもので、加工性を劣化させることなく、異常粒
成長の起こり難い加工用極低炭素Ti添加冷延鋼板を提
供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】 上記課題は、wt%
で、C:0.004%以下、Si:0.3%以下、M
n:0.5%以下、P:0.03%以下、S:0.00
3〜0.02%、sol.Al:0.1%以下、N:
0.003%以下、Ti:0.005〜0.08%、
B:0.0001〜0.0015%、Sn:0.000
1〜0.0020%を含み、残部実質的に鉄からなり、
かつB+Sn≦0.0025%を満足することを特徴と
する耐肌荒れ性に優れた加工用極低炭素Ti添加冷延鋼
板により解決される。 【0009】以下に、成分の限定理由を説明する。 C:加工性や耐時効性にとっては少ないほど好ましい
が、0.004wt%を超えると、加工性、特に深絞り
性が大きく劣化する。 【0010】Ti:0.005wt%未満では、加工
性、特に深絞り性が大きく劣化する。また、C量によっ
てはTiによって完全に固定されない固溶Cが残留し、
耐時効性を劣化させる場合がある。0.08wt%を超
えると、コスト高になるばかりか、鋼板の表面性状を劣
化させる。 【0011】B、Sn:C、Ti量が本発明の範囲内に
あって、B量を0〜0.0022wt%、Sn量を0〜
0.0025wt%の範囲で種々変えた極低炭素Ti添
加鋼の冷圧板を、通常の極低炭素Ti添加冷延鋼板と同
様な製造条件で作製し、なんらかのトラブルによりライ
ンスピードを50m/min.まで低下させたときの連
続焼鈍をシミュレートした再結晶焼鈍を行った。そし
て、調質圧延後、90mm角の試験片を切出し、JIS
Z2247に記載されたエリクセン試験B法により高さ
11mmまで成形し、表面の肌荒れの程度を目視により
判定し、1(悪)から5(良)の5段階の肌荒れ評点を
つけて異常粒成長性を評価した。また、加工性の評価
は、JIS5号試験片を用い平均のランクフォード値
(r値)を測定して行った。 【0012】なお、実プレスにおける種々の加工におい
てオレンジピールの発生がなく加工できるには、肌荒れ
評点が4以上で、かつr値が2を超える必要のあること
が事前に明らかになっているので、これらの値を評価基
準とした。 【0013】図1に、肌荒れ評点、r値とB、Sn量の
関係を示す。図より、肌荒れ評点が4以上で、かつr値
が2を超えるには、B量が0.0001〜0.0015
wt%、Sn量が0.0001〜0.0020wt%
で、かつB+Sn≦0.0025wt%を満足するよう
にB、Sn量を調整する必要があることがわかる。 【0014】 【発明の実施の形態】上記C、Ti、B、Sn以外の元
素の量は、通常の加工用極低炭素Ti添加冷延鋼板が含
む範囲であれば、本発明の効果を本質的に左右すること
はないので、特に、規定されないが、以下の範囲内であ
ることが望ましい。 【0015】Si:加工性の劣化を招かないように0.
3wt%以下とする。 【0016】Mn:加工性の劣化を招かないように0.
5wt%以下とする。 【0017】P:粒界脆化を招かないように0.03w
t%以下とする。 【0018】S:0.003wt%未満だと、酸洗時に
スケールの剥離性が低下し、0.02wt%を超える
と、加工性を劣化させるので、0.003〜0.02w
t%とする。 【0019】 solAl:脱酸のために必要だが、
多量の添加はコスト高を招くので、0.1wt%以下、
望ましくは0.06%wt%以下とする。 【0020】N:加工性の劣化を招かないように0.0
03wt%以下とする。また、その製造条件も通常の加
工用極低炭素Ti添加冷延鋼板が製造されている範囲で
あればよい。 【0021】なお、本発明は、連続焼鈍後、各種電気め
っき処理やそれに加えて有機皮膜処理されたり、冷間圧
延後連続溶融亜鉛めっきラインにて焼鈍、めっき処理さ
れる極低炭素Ti添加冷延鋼板にも適用できる。 【0022】 【実施例】表1に示すような化学成分を有する鋼No.
1〜25を溶製し、仕上温度910℃、巻取温度640
℃の条件で板厚3.2mmの熱延鋼帯を製造した。ここ
で、試料No.1〜16が本発明鋼、試料No.17〜
25が比較鋼である。 【0023】この熱延鋼帯を焼鈍・酸洗し、75%の冷
延率で板厚0.8mmまで冷間圧延した。その後、85
0℃の焼鈍温度で、ラインスピードを通常の1/4に低
下させたことに相当する条件すなわち360秒の保持時
間で再結晶焼鈍を行った。なお、この焼鈍条件は、通常
の極低炭素Ti添加冷延鋼板を連続焼鈍するとき、最も
異常粒成長が起こり易く、加工時に肌荒れの発生頻度が
高くなる条件である。 【0024】そして、上記の方法で肌荒れ評点、r値を
測定した。また、JISG0552により粒度測定(粒
度No.)も行った。 【0025】結果を表1に示す。本発明鋼であるNo.
1〜16の試料は、肌荒れ評点が4以上で、r値が2を
越えており、優れた加工性と耐肌荒れ性を有することが
わかる。また、粒度No.も7を超えており、異常粒成
長が起こってないことがわかる。 【0026】C量(No.17)、B量(No.1
9)、Sn量(No.22)、B+Sn(No.21、
24)が本発明範囲の上限を超えたり、Ti量(No.
18)が本発明範囲の下限を下まわったりすると、耐肌
荒れ性は優れているが、2を超えるr値が得られず、加
工性に劣っていることがわかる。 【0027】Sn量(No.20)、B量(No.2
3)が本発明範囲の下限を下まわったり、Ti量(N
o.25)が本発明範囲の上限を超えたりすると、2を
超えるr値は得られるが、肌荒れ評点が3以下で耐肌荒
れ性に劣っていることがわかる。また、これらの試料で
は、粒度No.も7未満であり、異常粒成長が起こって
いることがわかる。 【0028】 【表1】【0029】 【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、加工性を劣化させることなく、異常粒成長の
起こり難い加工用極低炭素Ti添加冷延鋼板を提供でき
る。 【0030】したがって、連続焼鈍ラインで焼鈍中にな
んらかのトラブルが生じ、ラインスピードを低下させて
その対策を講じても、焼鈍中の鋼板は製品として使用で
きるため、歩留りの向上に大きく寄与する。
【図面の簡単な説明】 【図1】肌荒れ評点、r値とB、Sn量の関係を示す図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高田 康幸 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−306531(JP,A) 特開 平6−279921(JP,A) 特開 平6−41683(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 wt%で、C:0.004%以下、
    i:0.3%以下、Mn:0.5%以下、P:0.03
    %以下、S:0.003〜0.02%、sol.Al:
    0.1%以下、N:0.003%以下、Ti:0.00
    5〜0.08%、B:0.0001〜0.0015%、
    Sn:0.0001〜0.0020%を含み、残部実質
    的に鉄からなり、かつB+Sn≦0.0025%を満足
    することを特徴とする耐肌荒れ性に優れた加工用極低炭
    素Ti添加冷延鋼板。
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