JP3364169B2 - ガスタービン及びその燃焼器 - Google Patents

ガスタービン及びその燃焼器

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JP3364169B2
JP3364169B2 JP16252099A JP16252099A JP3364169B2 JP 3364169 B2 JP3364169 B2 JP 3364169B2 JP 16252099 A JP16252099 A JP 16252099A JP 16252099 A JP16252099 A JP 16252099A JP 3364169 B2 JP3364169 B2 JP 3364169B2
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flooring
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cylinder
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重実 萬代
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栄司 秋田
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    • F23COMBUSTION APPARATUS; COMBUSTION PROCESSES
    • F23RGENERATING COMBUSTION PRODUCTS OF HIGH PRESSURE OR HIGH VELOCITY, e.g. GAS-TURBINE COMBUSTION CHAMBERS
    • F23R3/00Continuous combustion chambers using liquid or gaseous fuel
    • F23R3/02Continuous combustion chambers using liquid or gaseous fuel characterised by the air-flow or gas-flow configuration
    • F23R3/04Air inlet arrangements

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
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  • Spray-Type Burners (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガスタービン燃焼器
に関し、燃焼器内を流れる空気流の編流および乱れを減
少させ、これに伴い燃焼不安定を軽減するような構造と
したものである。
【0002】
【従来の技術】図13はガスタービンの一般的な断面図
である。図において、1は圧縮機であり空気を圧縮して
燃焼用の空気やロータ、翼の冷却用の空気を発生させ
る。2は車室、3は車室2内でロータ周りに配設された
多数の燃焼器で、例えば16個が配置され、燃焼筒3
a、円筒3b、尾筒3cから構成される。100はガス
タービンのガスパスであり、多段の動翼101、静翼1
02から構成され、動翼はロータに、静翼は車室2側に
それぞれ固定されている。燃焼器尾筒3cから流出する
高温の燃焼ガスはガスパス100に流入し、ロータを回
転させる。
【0003】図14は図13におけるG部詳細図であ
り、燃焼器3の内部構造を示している。図において、4
は燃焼器入口流路、5はメイン流路でメインノズル7の
周囲の流路であり、メインノズル7は円形状に複数本、
例えば8本が配列されている。6はメインスワラであ
り、メインノズル7の流路5に設けられ、メイン流路5
を先端に向かって流れる流体に旋回流を与える。8はパ
イロットノズルであり中心に1本設けられ、周囲にはメ
インノズル7と同様パイロットスワラ9が設けられてい
る。又、10は燃焼筒である。
【0004】上記のガスタービン燃焼器において、圧縮
機1で圧縮された空気は、圧縮機出口より110で示す
ように車室2内に流出し、燃焼器内筒周囲を通り、11
0aで示すように燃焼器入口流路4内に流入する。その
後、110bで示すように複数本のメインノズル7の周
囲より方向転換して内部へ流入し、110cで示すよう
にメインノズル7周囲のメイン流路5、又パイロットノ
ズル8周囲へ110dのように流入し、それぞれメイン
スワラ6、パイロットスワラ9で旋回流が与えられ、1
10eのように各ノズル先端部へ流れて燃焼に供され
る。
【0005】図15は従来の燃焼器へ流入した空気の流
れ状態を示す図であり、圧縮機より流入する空気110
aは、メインノズル7の周囲より110bのように流入
するが、メインノズル7の外側周囲においては流れの剥
離による渦流120が生じ、又パイロットノズル8周囲
の基部から流入する際に渦流121や、パイロットノズ
ル8先端部へ沿って流れる渦流122や、燃焼器内壁出
口周囲には流れの乱れ123が発生する。
【0006】現状のガスタービンでは負荷を上昇するに
従ってNOX の発生も増加するが、これを抑える必要が
ある。負荷を上昇させると、これに伴って燃焼空気量も
増加させなければならず、図15で説明したように燃焼
器内で空気の渦120,121,122,123の強さ
が増加し、これにより燃焼不安定傾向が強まる。NO X
の発生量を抑えるために現状ではパイロット燃料比率、
バイパス弁開度の調整を行って上記の燃焼不安定の軽減
も行うようにしているが、現状の構造のままでは燃焼不
安定により運転条件の制約を受ける。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、従来の
ガスタービン燃焼器においては、燃焼器内に流入する空
気に編流、渦流流れの乱れが生じ、これに起因して燃焼
不安定が発生する。負荷が増加し、燃焼器へ流入する空
気量が多くなり編流、渦流流れの乱れの影響が大きくな
ると燃料の濃度が時間的、空間的に不均一となり、燃焼
が不安定になる。現状では、このような燃焼不安定を抑
えるためにパイロット燃焼比率やバイパス弁の開度調整
を行っているが、充分な燃焼安定性が得られていない。
そのために、最悪の場合には燃焼器の損傷の発生や、ガ
スタービン運転範囲の制限等の問題が発生している。
【0008】そこで本発明は、燃焼器内に流入する空気
を燃焼器内へスムーズに流入させ、かつ、流れを整流し
て編流や流れの乱れをなくし、燃料の濃度変化をなくし
て燃焼不安定を軽減することができるガスタービン燃焼
器を提供することを課題としてなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の課題を解
決するために次の(1)乃至()の手段を提供する。
【0010】(1)車室の燃焼器格納部に一端が固定さ
れた複数の支柱により周辺が支持された円筒を備え、同
円筒の中心にパイロットノズルを、同パイロットノズル
の周囲に複数のメインノズルを配設してなるガスタービ
ン燃焼器において、前記円筒の上流端周囲を半円形断面
形状(含、楕円形状)で所定の隙間を保って覆うようにリ
ング状に配設したフローリングと、同フローリングの下
流側で前記円筒内の前記パイロットノズル及びメインノ
ズル間で形成される空間を閉じるように配設された多孔
板とを備えてなることを特徴とするガスタービン燃焼
器。
【0011】(2)前記フローリングの断面形状は半円
形の両端を延長し半長円形とし、前記多孔板の周辺は前
記半長円形の周側面に固定されていることを特徴とする
(1)記載のガスタービン燃焼器。
【0012】(3)前記フローリングは所定の隙間を保
ち半円形の曲面を軸方向に多段配置したことを特徴とす
る(1)記載のガスタービン燃焼器。
【0013】(4)前記車室の燃焼器格納部の入口部周
囲には滑らかな曲面を有し同入口部全周囲壁面を覆うガ
イド部を設けたことを特徴とする(1)記載のガスター
ビン燃焼器。
【0014】(5)前記フローリングの上流側には同フ
ローリングの曲面に沿うような滑らかな曲面を有する断
面形状で前記フローリングと所定の間隔を保ち漏斗形状
のフローガイドを配設し、同フローガイドの拡大径部は
前記車室の燃焼器格納部内壁に固定され、小径部周囲は
前記パイロットノズル周囲に固定され、更に前記多孔板
は前記パイロットノズル及びメインノズルを支持するサ
ポートの後流側に配設されていることを特徴とする
(1)記載のガスタービン燃焼器。
【0015】(6)車室の燃焼器格納部に一端が固定さ
れた複数の支柱により周辺が支持された円筒を備え、同
円筒の中心にパイロットノズルを、同パイロットノズル
の周囲に複数のメインノズルを配設してなるガスタービ
ン燃焼器において、前記円筒の上流端周囲を半円形断面
形状で所定の隙間を保って覆うようにリング状に配設し
たフローリングを設け、同フローリングの上流側には所
定間隔を保って軸方向にそれぞれ半円形断面形状のフロ
ーリングを多段に配設すると共に、前記多段のフローリ
ング外側入口部全周を覆う円筒状の多孔板を備えてなる
ことを特徴とするガスタービン燃焼器。
【0016】
【0017】()圧縮機と、車室の燃焼器格納部に一
端が固定された複数の支柱により周辺が支持された円筒
を備え、同円筒の中心にパイロットノズルを、同パイロ
ットノズルの周囲に複数のメインノズルを有する燃焼器
とを備えたガスタービンにおいて、前記圧縮機出口全周
には、吐出空気が外側に配置された複数の前記燃焼器の
方向に流れるような滑らかな曲面を有するフローガイド
を設け、前記燃焼器には、前記円筒の上流端周囲を半円
形断面形状で所定の隙間を保って覆うようにリング状に
配置したフローリングと、同フローリングの下流側で前
記円筒内の前記パイロットノズル及びメインノズル間で
形成される空間を閉ぐように配設された多孔板とを設
け、更に前記車室の燃焼器格納部の入口部周囲には、滑
らかな曲面を有し同入口部全周囲壁面を覆うガイド部を
設けたことを特徴とするガスタービン
【0018】本発明の(1)においては、燃焼器へ流入
する空気は、まず円筒内にはフローリングの曲面に沿っ
てスムーズに流入し、その後多孔板の多数の孔を通過す
ることにより整流されて均一な流れとなり、従来のよう
な剥離渦や流れの乱れが生じることなくパイロットノズ
ル、メインノズルに沿って先端部へ流れるので、燃料の
濃度差に起因する燃焼不安定を軽減することができる。
【0019】本発明の(2)では、フローリングを半長
円形状の断面とし、多孔板の周辺は、この半長円形状の
延長された側面に固定することができるので加工が容易
となる。又(3)の発明は、フローリングが多段に配置
されているので、空気の燃焼器の円筒内に多段の円周状
の隙間から均一に導かれて流入するので、上記(1)の
発明の効果を更に助長する。
【0020】本発明の(4)では、燃焼器格納部の空気
が流入する入口部は格納部を突設するために角部を有す
る壁面で構成されており、燃焼器へ流入する空気は乱さ
れ、流れに乱れが生じた状態で燃焼器先端部のフローガ
イドへ導かれるが、入口部壁面が滑らかな曲面を形成す
るようにガイド部が設けてあり、このガイド部により流
入する空気流の乱れをなくすることができ、上記(1)
の発明の燃焼不安定軽減の効果が確実に得られるもので
ある。
【0021】本発明の(5)においては、流入する空気
は漏斗形状のフローガイドにより燃焼器上流端において
スムーズに方向転換し、かつフローリングにより導かれ
て円筒内部へ導かれ、更に多孔板がパイロットノズルと
メインノズルを支持するサポートよりも後流側に設けら
れているので、サポートにより多少流れが乱されたとし
ても、この乱れは多孔板により整流され、空気流を均一
にしてノズル先端部へ導くので、上記(1)の発明の燃
焼不安定軽減の効果がより一層確実となる。
【0022】本発明の(6)においては、フローリング
を多段配置とし、これらフローリング外周囲の空気流入
部の前に円筒状の多孔板を配置しているので、燃焼器へ
流入する空気はまず、多孔板で整流され円周状で均一な
流れとなり、その後、この均一な流れは多段のフローリ
ング間の隙間を通り、燃焼器の円筒内にスムーズに導か
れる。本発明の(6)においても、空気の流れの乱れを
少くし、燃焼不安定が軽減される。
【0023】
【0024】本発明の()においては、圧縮機出口に
はフローガイドが設けられ、圧縮機出口から燃焼器へ向
かう空気の流れを燃焼器周囲で均一に導き、燃焼器には
フローリングと多孔板を設けて燃焼器内の空気の乱れを
なくして燃焼不安定を軽減し、更に燃焼器へ流入する空
気も車室の燃焼器格納部入口部を滑らかな曲面のガイド
部でスムーズに流入させるようにしたので、空気流の圧
損が低減されると共に、燃焼不安定も防止できるガスタ
ービンを実現することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面に基づいて具体的に説明する。図1は本発明の実
施の第1形態に係るガスタービン燃焼器を示し、(a)
は内部の断面図、(b)は(a)におけるA−A矢視
図、(c)は(b)におけるB−B断面図、(d)は
(c)の変形例である。これら図において、燃焼器の構
造は図14で示す従来例と同じ構造であり、符号も同一
符号を引用し、本発明の特徴部分を中心に説明する。
【0026】図1において、20はフローリングであ
り、半円形状の断面でリング状をしており、燃焼筒10
の端部周囲を半円形状で覆うように支柱11に取付けら
れる。フローリング20は(c)図に示すように内径R
のチューブを半円状に縦割りしたものを円形のドーナツ
状とした形状である。
【0027】フローリング20の端部には近接してパン
チメタル(多孔板)50が配設されており、パンチメタ
ル50には開口率が40%〜60%で多数の孔が設けら
れている。開口率とは、パンチメタルの面積をS、孔の
合計面積をaとすると、a/Aで表される。51はパン
チメタルリブであり、(c),(d)に示すように燃焼
筒10の内壁全周に設けられた端部周辺のパンチメタル
である。このパンチメタルリブ51は、ノズル組立体を
燃焼筒10から抜くためにパンチメタル50を小さめに
作製しており、周辺の隙間を閉ぐために設けられてい
る。又、(d)に示すように、突起部54を設け、この
突起部54により端部でフローリング20内壁に沿って
流れる空気の乱れをなくし、流れをスムーズにするよう
にしても良い。上記の開口率は、あまり大きくすると整
流効果が弱くなり、又あまり小さいと圧損が増大するの
で、上記のように40%〜60%の範囲が好ましい。
【0028】上記のように本実施の第1形態において
は、燃焼器内にフローリング20とパンチメタル50及
びパンチメタルリブ51を設けた構成とすることによ
り、空気がスムーズに燃焼器内へ流入し、流れを整流す
ることにより乱れや渦流をなくし、燃焼不安定を抑制
し、振動を低減するものである。
【0029】流体の圧力損失の係数は、一般にζ=ΔP
/(Va v 2 /2g)で表される。ここで、ΔPは入口
と出口の圧力差、Va vは平均流速、gは加速度であ
る。フローリング20やパンチメタル50を備えてない
従来のζと比べると、フローリング20のみを設けると
従来を100%とすれば30%程度となり、又パンチメ
タル50及びパンチメタルリブ51のみを設けると40
%程度となる。従ってフローリング20とパンチメタル
50及びパンチメタルリブ51を設けると70%程度と
なり、従来よりは圧力損失はかなり減少する。
【0030】図2は上記に説明した実施の第1形態に係
る燃焼器の空気の流れを示す図であり、図示のようにフ
ローリング20、パンチメタル50、パンチメタルリブ
51を設けると、流入する空気110aはフローリング
20の滑らかな曲面に沿ってスムーズに110bのよう
に方向転換して流入し、130a,130bに示すよう
に渦や乱れを生ずることなくメインノズル7、パイロッ
トノズル8周囲を流れるので燃料濃度の変化が生ずるこ
となく、パンチメタル50及びパンチメタルリブ51の
整流作用により流れが均一となって燃焼不安定を起きに
くくさせることができる。
【0031】図3は本発明の実施の第2形態に係るガス
タービン燃焼器の内部を示し、(a)は断面図、(b)
はフローリングの断面図である。図において、21はフ
ローリングであり、図1,図2に示す実施の第1形態の
フローリング20と比べると、半円形状の断面ではな
く、その幅は内壁の半径Rに、更にLだけ長くした、半
長円形状をしている。本実施の第2形態では、このフロ
ーリング21の延長した側面にパンチメタル50の周辺
が接して固定されており、そのために実施の第1形態で
使用されていたパンチメタルリブ51を不要としてい
る。その他の構成は図1,図2に示す実施の第1形態と
同じであり、実施の第1形態と同様の効果が得られ、燃
焼不安定を軽減させることができる。
【0032】図4は本発明の実施の第3形態に係るガス
タービン燃焼器の内部断面図である。図において、本実
施の第3形態においては、図1,図2に示す実施の第1
形態のフローリング20の代わりに、図示のように2段
型のフローリング22を採用したものであり、その他の
構成は実施の第1形態と同じ構造である。
【0033】図4において、フローリング22は、半円
形状断面のフローリング22a,22bを所定幅の通路
Pを保って2段に配設したものであり、この場合、空気
は外側のフローリング22aの上面に沿って流れる空気
131と、22aと22bとの間に形成される通路Pを
流れる空気132と、22bの内側を流れる空気133
とでそれぞれ導かれて流入し、それぞれパンチメタル5
0、パンチメタルリブ52とで整流されてメインノズル
7、パイロットノズル8周囲に沿って渦や乱れが生ずる
ことなく先端に向かって流れる。
【0034】図5は本発明の実施の第1形態のフローリ
ング20と、実施の第3形態のフローリング22との流
れを比較した図であり、(a)はフローリングなし、
(b)は実施の第1形態、(c)は実施の第3形態の例
である。(a)フローリングなしの場合は、内周側に大き
く寄った速度分布となる。(b)における速度分布はV
ma x 1のようにメイン流路入口で変動しているが、
(c)では、その速度分布はV max 2が小さくなり(V
max 0>Vmax 1>Vmax 2)、(c)の実施の第
3形態のように2段型のフローリング22を採用するこ
とにより、流速の変動がより小さくなり、効果が高まる
ことになる。
【0035】図6は本発明の実施の第4形態に係るガス
タービン燃焼器の断面図である。図において、フローリ
ング20は図1,図2に示す実施の第1形態と同じであ
り、本実施の第4形態においては更に、燃焼器入口流路
4の車室2壁面周囲にベルマウス60を設けたものであ
る。
【0036】ベルマウス60がない図1,図2に示す実
施の第1形態においては、燃焼器入口流路4周囲の車室
2の内壁面は急激に変化する壁面で形成されているの
で、周囲壁面に渦流が生じやすかった。本実施の第4形
態ではベルマウス60を設け、入口流路4の周囲を滑ら
かな曲面に形成することにより、流入する空気110a
はベルマウス60に沿ってスムーズに流入し、フローリ
ング20まで導かれるので、流入過程において壁面での
流れの剥離による乱れがなくなる。本実施の第4形態に
おいても、実施の第1形態と同様に燃焼不安定を軽減さ
せる効果を有する。
【0037】図7は本発明の実施の第5形態に係るガス
タービン燃焼器の断面図である。図において、フローリ
ング20は図1,図2に示すものと同じであり、本実施
の第5形態においては、パンチメタルを下流位置パンチ
メタル52として下流側に設ける。即ち、メインノズル
7とパイロットノズル8とを支持するサポート12の下
流側に設置し、サポート12により起こる空気流の乱れ
をこのパンチメタル52で整流して先端に均一な流れの
空気を供給するようにしている。又、図1,図2と同じ
くパンチメタルリブ51も設けられている。
【0038】更に上流側には内筒フローガイド70を設
ける。内筒フローガイド70は漏斗形状であり、拡大部
の周辺を車室2の燃焼器先端部の内壁に固定し、流れ方
向に滑らかな曲面を有して、小径部はパイロットノズル
周囲に固定している。従って、この内筒フローガイド7
0とフローリング20の曲面とで空気の流入路を形成
し、空気はこの流路に沿って134で示すようにスムー
ズに流入し、又、フローガイド20の内側ではフローリ
ング20の円形状に沿って135で示すように内側に流
入する。流入した空気はサポート12を通過する際に多
少の乱れが発生するが、その後流側のパンチメタル52
により整流され、均一な流れとなって先端部へ流れ、実
施の第1形態と同様に燃焼不安定を軽減させることがで
きる。本実施の第5形態においても実施の第1形態と同
様に燃焼不安定を軽減させる効果を有する。
【0039】図8は本発明の実施の第6形態に係るガス
タービン燃焼器を示し(a)は断面図、(b)は(a)
におけるC−C矢視図である。本実施の第6形態におい
ては、フローリングを多段フローリング23として流入
する空気を上流の入口部において滑らかに流入させ、内
部での流れの乱れを低減させようとするものである。
【0040】多段フローリング23は、図示のように外
側23a、中間23b、内側23cのそれぞれのフロー
リングを所定の通路を保って多重配置した構成であり、
それぞれ23a,23b,23cは支柱11に固定され
ている。更にパンチメタル53を入口部に配置したもの
で、パンチメタル53は末広がりの円筒形状で、その拡
大部周囲は車室内壁に固定し、他端周囲は燃焼筒11端
部に接続している。
【0041】フローリング23は、図8(b)にその2
3aを代表して示すように、パンチメタル53の先端円
周部において2分され、内側の大きな円弧部23a−1
と外周側の23a−2とから構成されている。他の23
b,23cのフローリングにおいても同様の構成となっ
ている。このパンチメタル53は図1,図2に示す実施
の第1形態のものと同様に開口率が40%〜60%で構
成されることが好ましく、又、本実施の第6形態ではパ
ンチメタルリブが不要となるものである。
【0042】上記構成の燃焼器においては、流入する空
気は136,137,138,139で示すようにフロ
ーリング23a,23b,23cにより、それぞれ4区
分されてパンチメタル53に導かれ、パンチメタル53
の多孔により入口で整流され、その後各区分された通路
に沿ってスムーズに向きを変え、それぞれ内部へ流入す
る。従って流れが反転する直前でそれぞれ均一に4区分
されると共に、整流されるので、それ以降の流れの乱れ
が少くなり、燃焼不安定を軽減することができる。
【0043】図9は本発明の実施の第7形態に係るガス
タービン燃焼器を示し、(a)は全体図、(b)は燃焼
器のフローリングの部分断面図である。これら図におい
て、本実施の第7形態では、燃焼器入口にはベルマウス
を、燃焼器にはフローリング及びパンチメタルを、圧縮
機出口部には圧縮機出口フローガイドを、それぞれ設
け、燃焼器へ流入する空気の乱れを少くすると共に、流
れを均一にして燃焼不安定を軽減するものである。
【0044】まず、図9(a)では、図6で説明したよ
うに入口流路ベルマウス60を燃焼器の入口周囲に、パ
ンチメタル50を燃焼器内へ設け、(b)においては、
図1で説明したように半円形断面のフローリング20を
設ける。更に、(a)の圧縮機1出口には、ロータ周囲
に圧縮機出口から外側の複数の燃焼器へ向かって空気を
外向きに導くように開口する圧縮機出口フローガイド7
5を接続する。フローガイド75の開口部には強度を適
度に保つためにリブ76,77,78が所定間隔で取付
けられている。
【0045】上記の構成の実施の第7形態においては、
圧縮機出口からの空気は、圧縮機出口フローガイド75
に導かれて、140a,140bで示すように燃焼器2
の周囲に向かって均一に流入し、更に燃焼器入口のベル
マウス60で燃焼器内へスムーズに流入する。燃焼器内
ではフローガイド20により流入方向がスムーズに方向
転換し、更に、パンチメタル50で整流されて流れに乱
れが生じないようにメインノズル7、パイロットノズル
8周囲に供給される。本実施の第7形態においては、圧
縮機1の出口、燃焼器の入口、燃焼器内にそれぞれ流れ
をスムーズに導くガイド75、ベルマウス60、フロー
リング20をそれぞれ設けたので、燃焼器へ流入する空
気の編流を抑えて均一にして燃料濃度の変動を小さく抑
えるので燃焼不安定を更に軽減させることができる。
【0046】図10は本発明の参考例に係るガスタービ
ン燃焼器を示し、(a)はその断面図、(b)は(a)
におけるE−E断面図であり、図11は図10(a)に
おけるF−F断面図であり、円周方向に展開した状態の
図である。図10において、燃焼器には図1,図2と同
様にフローリング20が設けられている。本参考例にお
いては、更に、パイロットノズル8と8本の円周状に配
置されたメインノズルとの上流側の所定区間には充填物
からなるフェアリング80が設けられている。
【0047】フェアリング80は(b)に示すように、
メインノズル7とパイロットノズル8との間の空間部を
斜線で示すように充填物を埋め込み、フェアリングを形
成している。フェアリング80の長さ方向の形状はフロ
ーリング20又は燃焼筒11の先端部近辺まで伸び、図
11のE−E断面図で示すように上流側80aよりも下
流側80bの方を細くし、隣接するフェアリング間の間
隔dを下流へ行くに従って広げて行く。このような形状
にする理由は、上流側から下流側に向かうに従って空気
の流速が速くなるので、先に行くに従って、その空間部
の幅dを拡大し、流れをスムーズにして流速の乱れを小
さくするためのものである。
【0048】上記構成の参考例においては、流入する空
気は燃焼器内で方向転換してフェアリング80の上流端
から下流に向かってメインノズル7とパイロットノズル
8との間の隙間を流れようとするが、この隙間にはフェ
アリング80が充填されている。従って、隙間は図10
(b)及び図11に示すように隣接するメインノズル7
間の隙間で、その間隔が先端部で拡大するように形成さ
れているので、空気は流速が速まるにつれて流路も拡大
され、スムーズな流れとなってパイロットノズル8の周
囲に沿って流れ、先端部へ流出する。
【0049】一方、メインノズル7外側から流入する空
気は、図1で説明した実施の第1形態と同じくフローリ
ング20でスムーズに方向転換して流入する。従ってメ
インノズル7の周囲及びパイロットノズル8周囲から上
流側へ流れる空気の乱れは最少限に抑えられ、均一な空
気流としてノズル先端部へ供給するので燃焼不安定を軽
減することができる。
【0050】図12は本発明の効果を示す図であり、図
9で説明した実施の第7形態の実験値を代表して示して
おり、横軸は負荷を、縦軸は燃焼器の空気圧の変動を示
している。図において黒丸は従来の燃焼器、(削除)白丸
は図9に示すように、フローガイド20、パンチメタル
50及びパンチメタルリブ51、圧縮機出口フローガイ
ド75を設けた場合のデータである。図において、パン
チメタルに加え、フローガイド20、ベルマウス60、
圧縮機入口ガイド75を設けると空気圧の変動が減少す
ることがわかる。
【0051】
【発明の効果】本発明のガスタービン燃焼器は(1)車
室の燃焼器格納部に一端が固定された複数の支柱により
周辺が支持された円筒を備え、同円筒の中心にパイロッ
トノズルを、同パイロットノズルの周囲に複数のメイン
ノズルを配設してなるガスタービン燃焼器において、前
記円筒の上流端周囲を半円形断面形状で所定の隙間を保
って覆うようにリング状に配設したフローリングと、同
フローリングの下流側で前記円筒内の前記パイロットノ
ズル及びメインノズル間で形成される空間を閉じるよう
に配設された多孔板とを備えてなることを特徴としてい
る。このような構成により燃焼器へ流入する空気は、ま
ず円筒内にはフローリングの曲面に沿ってスムーズに流
入し、その後多孔板の多数の孔を通過することにより整
流されて均一な流れとなり、従来のような剥離渦や流れ
の乱れが生じることなくパイロットノズル、メインノズ
ルに沿って先端部へ流れるので、燃料の濃度差に起因す
る燃焼不安定を軽減することができる。
【0052】本発明の(2)では、フローリングを半長
円形状の断面とし、多孔板の周辺は、この半長円形状の
延長された側面に固定することができるので加工が容易
となる。又(3)の発明は、フローリングが多段に配置
されているので、空気の燃焼器の円筒内に多段の円周状
の隙間から均一に導かれて流入するので、上記(1)の
発明の効果を更に助長する。
【0053】本発明の(4)では、燃焼器格納部の空気
が流入する入口部は格納部を突設するために角部を有す
る壁面で構成されており、燃焼器へ流入する空気は乱さ
れ、流れに乱れが生じた状態で燃焼器先端部のフローガ
イドへ導かれるが、入口部壁面が滑らかな曲面を形成す
るようにガイド部が設けてあり、このガイド部により流
入する空気流の乱れをなくすることができ、上記(1)
の発明の燃焼不安定軽減の効果が確実に得られるもので
ある。
【0054】本発明の(5)においては、流入する空気
は漏斗形状のフローガイドにより燃焼器上流端において
スムーズに方向転換し、かつフローリングにより導かれ
て円筒内部へ導かれ、更に多孔板がパイロットノズルと
メインノズルを支持するサポートよりも後流側に設けら
れているので、サポートにより多少流れが乱されたとし
ても、この乱れは多孔板により整流され、空気流を均一
にしてノズル先端部へ導くので、上記(1)の発明の燃
焼不安定の軽減の効果がより一層確実となる。
【0055】本発明の(6)においては、フローリング
を多段配置とし、これらフローリング外周囲の空気流入
部の前に円筒状の多孔板を配置しているので、燃焼器へ
流入する空気はまず、多孔板で整流され円周状で均一な
流れとなり、その後、この均一な流れは多段のフローリ
ング間の隙間を通り、燃焼器の円筒内にスムーズに導か
れる。
【0056】
【0057】本発明の()においては、圧縮機出口に
はフローガイドが設けられ、圧縮機出口から燃焼器へ向
かう空気の流れの編流を燃焼器周囲で均一に導き、燃焼
器にはフローリングと多孔板を設けて燃焼器内の空気の
乱れをなくして燃焼不安定を軽減し、更に燃焼器へ流入
する空気も車室の燃焼器格納部入口部を滑らかな曲面の
ガイド部でスムーズに流入させるようにしたので、空気
流の圧損が低減されると共に、燃焼不安定も軽減できる
ガスタービンを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態に係るガスタービン燃
焼器を示し、(a)は断面図、(b)は(a)における
A−A断面図、(c)は(b)のB−B断面図、(d)
は(c)の応用例を示す。
【図2】本発明の実施の第1形態に係るガスタービン燃
焼器の空気流れを示す図である。
【図3】本発明の実施の第2形態に係るガスタービン燃
焼器の断面図である。
【図4】本発明の実施の第3形態に係るガスタービン燃
焼器の断面図である。
【図5】本発明の実施の第3形態の効果を示し、(a)
は第1形態の速度分布、(b)は第2形態の速度分布、
(c)は実施の第3形態の速度分布を示す図である。
【図6】本発明の実施の第4形態に係るガスタービン燃
焼器の断面図である。
【図7】本発明の実施の第5形態に係るガスタービン燃
焼器の断面図である。
【図8】本発明の実施の第6形態に係るガスタービン燃
焼器を示し、(a)は断面図、(b)は(a)における
C−C断面図である。
【図9】本発明の実施の第7形態に係るガスタービン燃
焼器を示し、(a)は全体の断面図、(b)は(a)に
おけるD部詳細図である。
【図10】本発明の参考例に係るガスタービン燃焼器を
示し、(a)は断面図、(b)は(a)におけるE−E
断面図である。
【図11】図10におけるF−F断面図で、円周方向を
展開して示した図である。
【図12】本発明の効果を示す図である。
【図13】ガスタービンの一般的な全体断面図である。
【図14】図13におけるG部詳細図である。
【図15】従来のガスタービン燃焼器の空気の流れを示
す図である。
【符号の説明】
1 圧縮機 2 車室 3 燃焼器 4 燃焼器入口流路 5 メイン流路 7 メインノズル 8 パイロットノズル 10 燃焼筒 11 支柱 12 サポート 20,21,22 フローリング 23 多段フローリング 50,53 パンチメタル 51 パンチメタルリブ 52 下流位置パンチメタル 60 ベルマウス 70 内筒フローガイド 75 圧縮機出口フローガイド 80 フェアリング 1 ...)()()()()()
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋田 栄司 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂製作所内 (72)発明者 有村 久登 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂製作所内 (56)参考文献 特開 平9−184630(JP,A) 特開 平7−198143(JP,A) 特開 平11−141878(JP,A) 特開 平8−82419(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F23R

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車室の燃焼器格納部に一端が固定された
    複数の支柱により周辺が支持された円筒を備え、同円筒
    の中心にパイロットノズルを、同パイロットノズルの周
    囲に複数のメインノズルを配設してなるガスタービン燃
    焼器において、前記円筒の上流端周囲を半円形断面形状
    で所定の隙間を保って覆うようにリング状に配設したフ
    ローリングと、同フローリングの下流側で前記円筒内の
    前記パイロットノズル及びメインノズル間で形成される
    空間を閉じるように配設された多孔板とを備えてなるこ
    とを特徴とするガスタービン燃焼器。
  2. 【請求項2】 前記フローリングの断面形状は半円形の
    両端を延長し半長円形とし、前記多孔板の周辺は前記半
    長円形の周側面に固定されていることを特徴とする請求
    項1記載のガスタービン燃焼器。
  3. 【請求項3】 前記フローリングは所定の隙間を保ち半
    円形の曲面を軸方向に多段配置したことを特徴とする請
    求項1記載のガスタービン燃焼器。
  4. 【請求項4】 前記車室の燃焼器格納部の入口部周囲に
    は滑らかな曲面を有し同入口部全周囲壁面を覆うガイド
    部を設けたことを特徴とする請求項1記載のガスタービ
    ン燃焼器。
  5. 【請求項5】 前記フローリングの上流側には同フロー
    リングの曲面に沿うような滑らかな曲面を有する断面形
    状で前記フローリングと所定の間隔を保ち漏斗形状のフ
    ローガイドを配設し、同フローガイドの拡大径部は前記
    車室の燃焼器格納部内壁に固定され、小径部周囲は前記
    パイロットノズル周囲に固定され、更に前記多孔板は前
    記パイロットノズル及びメインノズルを支持するサポー
    トの後流側に配設されていることを特徴とする請求項1
    記載のガスタービン燃焼器。
  6. 【請求項6】 車室の燃焼器格納部に一端が固定された
    複数の支柱により周辺が支持された円筒を備え、同円筒
    の中心にパイロットノズルを、同パイロットノズルの周
    囲に複数のメインノズルを配設してなるガスタービン燃
    焼器において、前記円筒の上流端周囲を半円形断面形状
    で所定の隙間を保って覆うようにリング状に配設したフ
    ローリングを設け、同フローリングの上流側には所定間
    隔を保って軸方向にそれぞれ半円形断面形状のフローリ
    ングを多段に配設すると共に、前記多段のフローリング
    外側入口部全周を覆う円筒状の多孔板を備えてなること
    を特徴とするガスタービン燃焼器。
  7. 【請求項7】 圧縮機と、車室の燃焼器格納部に一端が
    固定された複数の支柱により周辺が支持された円筒を備
    え、同円筒の中心にパイロットノズルを、同パイロット
    ノズルの周囲に複数のメインノズルを有する燃焼器とを
    備えたガスタービンにおいて、前記圧縮機出口全周に
    は、吐出空気が外側に配置された複数の前記燃焼器の方
    向に流れるような滑らかな曲面を有するフローガイドを
    設け、前記燃焼器には、前記円筒の上流端周囲を半円形
    断面形状で所定の隙間を保って覆うようにリング状に配
    置したフローリングと、同フローリングの下流側で前記
    円筒内の前記パイロットノズル及びメインノズル間で形
    成される空間を閉ぐように配設された多孔板とを設け、
    更に前記車室の燃焼器格納部の入口部周囲には、滑らか
    な曲面を有し同入口部全周囲壁面を覆うガイド部を設け
    たことを特徴とするガスタービン。
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