JP3363757B2 - 工作機械の熱変位量パラメータ算出装置,工作機械,及び記憶媒体 - Google Patents

工作機械の熱変位量パラメータ算出装置,工作機械,及び記憶媒体

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JP3363757B2 JP26039197A JP26039197A JP3363757B2 JP 3363757 B2 JP3363757 B2 JP 3363757B2 JP 26039197 A JP26039197 A JP 26039197A JP 26039197 A JP26039197 A JP 26039197A JP 3363757 B2 JP3363757 B2 JP 3363757B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工作機械に装備さ
れた工作機械の熱変位量算出装置に対して使用される装
置に関し、詳しくは、工作機械の駆動状態に基づき、そ
の駆動状態と上記工作機械の熱変位量とを対応付ける所
定の対応関係を参照して工作機械の熱変位量を算出する
工作機械の熱変位量算出装置に対して使用され、上記対
応関係を規定するパラメータを算出する工作機械の熱変
位量パラメータ算出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばワークに切削や穴開け等を
施したり基板に部品を組み付けるための加工手段と、こ
の加工手段とワークや基板等の被加工物との相対位置を
変動させる駆動手段とを有する工作機械がある。一般
に、切削等の加工を行う工作機械では、例えばドリルや
タップ等の工具を保持するための保持機構、これに保持
された工具を回転駆動するための主軸駆動機構、工具の
X軸方向の送りのためのX軸送り機構、工具のY軸方向
の送りのためのY軸送り機構、工具のZ軸方向の送りの
ためのZ軸送り機構、これらの送り機構を制御するため
の制御装置等を備えている。
【0003】一例をあげると、図12及び図13に示さ
れる工作機械10がある。図12に示すように、この工
作機械10は、切削屑の飛散を防止するためのスプラッ
シュガード12の内側にワークW(図1参照)を載置す
るためのテーブル14、例えばドリルやタップ等の工具
交換のためのATCマガジン16、工作機械本体(以下
単に本体ともいう)20等が配置されている。またスプ
ラッシュガード12には、操作パネル22、ワークWの
入出やメンテナンスのためのワーク交換口24、主にメ
ンテナンス用の点検ハッチ26等が設けられている。
【0004】図13に示すように、本体20は、ドリル
やタップ等の工具T(図1)を保持するための主軸2
8、主軸28を回転駆動するための主軸モータ30、多
数の鋼球を内蔵して主軸側に固着されているナット部3
2とナット部32に内挿されるボールネジ34とからな
るボールネジ機構36、ボールネジ34を回転駆動する
ためのZ軸モータ38、ボールネジ34と平行に配され
ているガイドレール40、ガイドレール40と主軸28
側とを連結するスライド42等を備えている。
【0005】この本体20においては、ボールネジ機構
36とZ軸モータ38とでZ軸方向の送りのためのZ軸
送り機構が構成され、Z軸モータ38によりボールネジ
34を回転させることで主軸28のZ軸方向の移動が行
われる。また図12に示されるテーブル14をX軸及び
Y軸方向に移動させることができ、主軸28のZ軸方向
の移動と併せて、ワークWと工具TのX、Y、Z軸方向
の相対位置を変化させることができる。
【0006】このような工作機械では、例えばボールネ
ジ機構36の駆動に伴って摩擦熱が発生してボールネジ
34が延びることがある。また、他の機構においても発
熱がある。そうした発熱によって工作機械に熱変位が発
現する。この熱変位が例えばZ軸方向に発現すると、ワ
ークWに施される溝の深さや段差の高さ等に誤差が生じ
る。公差が熱変位量よりも十分に大きい場合にはこのよ
うな熱変位による加工誤差はあまり問題とはならない
が、そうでない場合には熱変位に対する補正が必要とな
る。そこで、工作機械の熱変位量を算出する熱変位量算
出装置を設け、予め定められている加工プログラムに従
って駆動手段を制御するに当たって、その熱変位量に応
じた補正を行いながら駆動手段を制御することが提案さ
れている(例えば特開昭62−88548号公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
工作機械の熱変位量算出装置においては、工作機械の駆
動中を通して熱変位量を算出する形態であったので、そ
の処理を実行するためのシステムを常時動かしておく必
要があった。このため、その算出処理に関わる負担が大
きかった。そこで、本願出願人は、工作機械の駆動を続
けることによって温度が上昇すると、やがて発熱量と放
熱量とが均衡する状態になることに着目し、次のように
熱変位量を算出することを提案した。すなわち、工作機
械の駆動中は、飽和熱変位量と工作機械の駆動時間とに
基づいて熱変位量を算出し、その熱変位量が飽和熱変位
量にほぼ等しくなると、それ以降は熱変位量として飽和
熱変位量の値を代用するのである(特願平8−2988
66号)。この場合、正確な飽和熱変位量が与えられれ
ば、各時点における熱変位量を正確に算出でき、しかも
その算出処理に関わる負担を小さくすることができる。
【0008】また、本願出願人は、飽和熱変位量の値
(例えばLとする)が与えられたとき、その工作機械を
t時間駆動したときの熱変位量lを、 l=L・{1−exp(−γt)} なる式で表すことや、熱変位量が飽和熱変位量Lに達す
るまで工作機械を駆動した後、駆動を停止してからt時
間経過したときの熱変位量lを、 l=L・exp(−γ′t) なる式で表すことも提案している(但し、γ,γ′は工
作機械固有の定数)。
【0009】ところが、上記L,γ,γ′等のパラメー
タは、多量の実験データに基づいて決定しなければなら
ないと考えられていた。この場合、代表的な工作機械を
代表的な使用環境下で駆動して上記実験データを収集
し、その実験データに基づいて決定された上記パラメー
タを全ての工作機械に適用することになる。従って、個
々の工作機械の特性や使用環境に応じたパラメータを設
定することができず、上記熱変位量も使用環境等に応じ
た正確な値を算出することが困難であった。
【0010】そこで、本発明は、工作機械の駆動状態に
基づき所定の対応関係を参照してその工作機械の熱変位
量を算出する工作機械の熱変位量算出装置に対して使用
され、上記対応関係を規定するパラメータを算出する工
作機械の熱変位量パラメータ算出装置において、個々の
工作機械の特性や使用環境に応じた上記パラメータを正
確かつ容易に算出することを目的としてなされた。
【0011】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】上記目的
を達するためになされた請求項1記載の発明は、被加工
物に加工を施すための加工手段と、該加工手段と被加工
物との相対位置を変動させる駆動手段と、与えられた加
工プログラムに基づき上記駆動手段を制御する駆動制御
手段と、を有する工作機械に装備され、該工作機械の駆
動状態を検出する駆動状態検出手段と、該駆動状態検出
手段が検出した駆動状態に基づき、その駆動状態と上記
工作機械の熱変位量とを対応付ける所定の対応関係を参
照して上記工作機械の熱変位量を算出し、その熱変位量
を上記駆動制御手段が上記駆動手段を制御するに当たっ
て考慮すべき補正値として提供する変位量算出手段と、
を備えた工作機械の熱変位量算出装置に対して使用さ
れ、上記変位量算出手段の上記熱変位量算出時に参照さ
れる上記対応関係を規定するパラメータを算出する工作
機械の熱変位量パラメータ算出装置であって、予め設定
された複数の加工プログラムを記憶するプログラム記憶
手段と、上記複数の加工プログラムの内の一つに基づく
制御を上記駆動制御手段に繰り返し実行させ、続いて、
上記複数の加工プログラムの内の他のものに基づく制御
を上記駆動手段に繰り返し実行させるプログラム実行手
段と、上記駆動制御手段が上記各加工プログラムに基づ
く制御を実行したとき、上記工作機械の熱変位量の実測
値を検出する実測値検出手段と、上記加工プログラムに
対応する上記工作機械の駆動状態と、上記実測値検出手
段が検出した上記熱変位量の実測値とに基づき、上記パ
ラメータを算出するパラメータ算出手段と、を備えたこ
とを特徴とする。
【0012】このように構成された本発明では、プログ
ラム記憶手段は、予め設定された複数の加工プログラム
を記憶しており、プログラム実行手段は、上記複数の
工プログラムの内の一つに基づく制御を上記駆動制御手
段に繰り返し実行させ、続いて、上記複数の加工プログ
ラムの内の他のものに基づく制御を上記駆動手段に繰り
返し実行させる。実測値検出手段は、駆動制御手段が各
加工プログラムに基づく制御を実行したとき、工作機械
の熱変位量の実測値を検出する。すると、パラメータ算
出手段が、上記加工プログラムに対応する工作機械の駆
動状態と、実測値検出手段が検出した熱変位量の実測値
とに基づき、上記パラメータを算出する。
【0013】一方、熱変位量算出装置では、駆動状態検
出手段が検出した工作機械の駆動状態に基づき、変位量
算出手段が、上記算出されたパラメータによって規定さ
れる対応関係を参照して工作機械の熱変位量を算出す
る。また、こうして算出された熱変位量は、駆動制御手
段が駆動手段を制御するに当たって考慮すべき補正値と
して提供される。
【0014】このように、本発明では、予め設定された
加工プログラムに基づく制御を駆動制御手段に繰り返し
実行させている。そして、その加工プログラムに基づく
制御を実行したときに検出された工作機械の熱変位量の
実測値と、上記加工プログラムに対応する工作機械の駆
動状態とに基づき、上記パラメータを算出している。こ
のため、工作機械の駆動状態と熱変位量との対応関係を
規定するパラメータを、実測値に基づいて正確かつ容易
に算出することができる。また、上記パラメータは実測
値に基づいて算出されるので、個々の工作機械の特性や
使用環境の影響を良好に反映している。従って、本発明
では、個々の工作機械の特性や使用環境に応じた上記パ
ラメータを正確かつ容易に算出することができ、熱変位
量算出装置による工作機械の熱変位量算出精度を良好に
向上させることができる。
【0015】更に、本発明では、上記複数の加工プログ
ラムの内の一つに基づく制御を上記駆動制御手段に繰り
返し実行させ、続いて、上記複数の加工プログラムの内
の他のものに基づく制御を上記駆動手段に繰り返し実行
させ、各加工プログラムを実行したときに検出された実
測値に基づいて上記パラメータを算出している。このた
め、上記パラメータに、加工プログラムの変更に対する
良好な順応性を持たせることができる。従って、本発明
によって算出されたパラメータを用いて熱変位量を算出
すれば、加工プログラムの変更や新規な加工プログラム
の提供がなされたときにも、前述のように、熱変位量算
出装置による工作機械の熱変位量算出精度を良好に向上
させることができる。
【0016】請求項2記載の発明は、請求項1記載の構
成に加え、上記プログラム実行手段が、発熱量と放熱量
とが均衡して上記熱変位量が飽和熱変位量となるまで同
一の加工プログラムに基づく制御を上記駆動制御手段に
繰り返し実行させ、上記工作機械を停止して上記工作機
械の熱変位がなくなった後に他の加工プログラムに基づ
く制御を同様に実行させ、上記実測値検出手段が、少な
くとも上記各加工プログラムに対応する飽和熱変位量の
実測値を検出し、上記パラメータ算出手段が、上記各加
工プログラムに対応する上記工作機械の駆動状態と、上
記各加工プログラムに対応する飽和熱変位量の実測値と
に基づき、上記工作機械の駆動状態と飽和熱変位量との
対応関係を規定するパラメータを算出することを特徴と
する。
【0017】発熱量と放熱量とが均衡するまで加工プロ
グラムを繰り返し実行させたときに生じる飽和熱変位量
は、その加工プログラムに対応する工作機械の駆動状態
と良好な対応関係を有する。また、飽和熱変位量が判れ
ば、前述の式等により工作機械の熱変位量を正確かつ容
易に算出することができる。更に、工作機械の駆動状態
は加工プログラム毎に一意的に算出することができ、そ
の駆動状態が同一であれば加工プログラムが異なっても
ほぼ同様の飽和熱変位量となる。本発明では、このよう
な工作機械の駆動状態と飽和熱変位量との対応関係を規
定するパラメータを算出しているので、そのパラメータ
に、加工プログラムの変更に対して一層良好な順応性を
持たせることができる。従って、本発明では、請求項1
記載の発明の効果に加えて、加工プログラムの変更や新
規な加工プログラムの提供がなされた場合の熱変位量算
出装置による工作機械の熱変位量算出精度を、一層良好
に向上させることができるといった効果が生じる。
【0018】請求項3記載の発明は、請求項2記載の構
成に加え、上記パラメータ算出手段が上記パラメータの
算出時に参照する上記工作機械の駆動状態、及び、上記
パラメータによって上記飽和熱変位量との対応関係が規
定される上記工作機械の駆動状態が、共に、上記駆動手
段が上記加工手段または上記被加工物を単位時間当たり
に移動させた平均移動距離であることを特徴とする。
【0019】本願出願人は、駆動手段が加工手段または
被加工物を単位時間当たりに移動させた平均移動距離
が、飽和熱変位量に対して、きわめて再現性に優れた良
好な対応関係を有することを発見した。そこで本発明で
は、パラメータ算出手段が、各加工プログラムに対応す
る平均移動距離と、上記各加工プログラムに対応する飽
和熱変位量の実測値とに基づき、上記平均移動距離と飽
和熱変位量との対応関係を規定するパラメータを算出し
ている。従って、本発明では、請求項2記載の発明の効
果に加えて、熱変位量算出装置による工作機械の熱変位
量算出精度を、一層良好に向上させることができるとい
った効果が生じる。
【0020】請求項4記載の発明は、請求項2または3
記載の構成に加え、上記実測値検出手段が、上記工作機
械の熱変位量の実測値を、上記飽和熱変位量に達するま
で所定時間毎に検出し、上記パラメータ算出手段が、上
記パラメータに加えて、上記工作機械の駆動時間と各時
点で検出された上記熱変位量の実測値とに基づき、上記
工作機械の駆動時間と熱変位量との対応関係を規定する
パラメータを算出することを特徴とする。
【0021】工作機械を駆動すると、その熱変位量は徐
々に増加し、飽和熱変位量に収束する。そこで、本発明
では、実測値検出手段が、工作機械の熱変位量の実測値
を飽和熱変位量に達するまで所定時間毎に検出し、パラ
メータ算出手段が、上記パラメータに加えて、工作機械
の駆動時間と各時点で検出された熱変位量の実測値とに
基づき、上記工作機械の駆動時間と熱変位量との対応関
係を規定するパラメータを算出する。このため、本発明
では、請求項2または3記載の発明の効果に加えて、工
作機械の熱変位量が飽和熱変位量に達するまでの間で、
熱変位量算出装置による工作機械の熱変位量算出精度を
一層良好に向上させることができるといった効果が生じ
る。
【0022】請求項5記載の発明は、請求項2〜4のい
ずれかに記載の構成に加え、上記実測値検出手段が、上
記工作機械の熱変位量の実測値を、上記工作機械を停止
してから上記熱変位がなくなるまで所定時間毎に検出
し、上記パラメータ算出手段が、上記パラメータに加え
て、上記工作機械の停止時間と各時点で検出された上記
熱変位量の実測値とに基づき、上記工作機械の停止時間
と残存する熱変位量との対応関係を規定するパラメータ
を算出することを特徴とする。
【0023】工作機械を停止すると、その熱変位量は徐
々に減少し、最後には熱変位がなくなる。そこで、本発
明では、実測値検出手段が、工作機械の熱変位量の実測
値を、工作機械を停止してから熱変位がなくなるまで所
定時間毎に検出し、パラメータ算出手段が、上記パラメ
ータに加えて、工作機械の停止時間と各時点で検出され
た熱変位量の実測値とに基づき、工作機械の停止時間と
残存する熱変位量との対応関係を規定するパラメータを
算出する。このため、本発明では、請求項2〜4のいず
れかに記載の発明の効果に加えて、工作機械の停止中に
おける熱変位量算出装置による工作機械の熱変位量算出
精度を、一層良好に向上させることができるといった効
果が生じる。なお、本発明で熱変位がなくなるとは、数
学的な意味でなくなることをいうわけではなく、熱変位
の影響が、工作機械の仕様やワークに要求される公差等
を考慮して設定される誤差の範囲に収まることをいう。
【0024】請求項6記載の発明は、請求項1〜5のい
ずれかに記載の構成に加え、上記実測値検出手段が、上
記加工手段が上記被加工物に対する所定位置に相対移動
したとき、その加工手段を検出する加工手段検出手段
と、上記駆動手段を制御して、上記加工手段を上記加工
手段検出手段に検出される位置まで相対移動させる加工
手段移動手段と、を備え、該加工手段移動手段により、
上記加工手段を上記加工手段検出手段に検出される位置
まで相対移動させるのに必要とした上記駆動手段の駆動
量と、工作機械に熱変位が発生していないときに必要と
される上記駆動量とを比較し、その比較結果に基づいて
上記実測値を検出することを特徴とする。
【0025】本発明の実測値検出手段では、加工手段移
動手段によって、加工手段を、加工手段検出手段に検出
される位置まで相対移動させ、続いて、その相対移動に
必要とした駆動手段の駆動量と、工作機械に熱変位が発
生していないときに必要とされる上記駆動量とを比較
し、その比較結果に基づいて工作機械の熱変位量の実測
値を検出している。このため、工作機械の熱変位量の正
確な実測値を自動的に容易に検出することができる。ま
た、本発明では、加工手段検出手段は接触式のセンサ等
のように構成の簡単なもので済ませることができ、加工
手段移動手段は駆動手段と共通の構成とすることもでき
る。従って、本発明では、請求項1〜5のいずれかに記
載の発明の効果に加えて、装置の構成を簡略化して製造
コストを低減すると共に、一層正確かつ容易に上記パラ
メータを算出することができるといった効果が生じる。
【0026】請求項7記載の発明の工作機械は、請求項
1〜6のいずれかに記載の工作機械の熱変位量パラメー
タ算出装置を装備したことを特徴する。このように、本
発明の工作機械は、請求項1〜6のいずれかに記載の工
作機械の熱変位量パラメータ算出装置を予め装備してい
る。このため、この工作機械を初めて設置したときや工
作機械の使用環境が変化したときには、上記熱変位量パ
ラメータ算出装置による上記パラメータの算出をその場
で行って、上記パラメータを使用環境に対応したものに
更新することができる。また、工作機械の特性に経時変
化等が発生したときに上記算出を行えば、上記パラメー
タを工作機械の特性に対応したものに更新することがで
きる。
【0027】従って、本発明の工作機械では、その工作
機械の特性や使用環境に応じた上記パラメータを正確か
つ容易に算出することができ、延いては、その工作機械
の熱変位量を正確に算出して、被加工物の加工精度を向
上させることができる。請求項8記載の発明は、被加工
物に加工を施すための加工手段と、該加工手段と被加工
物との相対位置を変動させる駆動手段と、与えられた加
工プログラムに基づき上記駆動手段を制御する駆動制御
手段と、を有する工作機械に装備され、該工作機械の駆
動状態を検出する駆動状態検出手段と、該駆動状態検出
手段が検出した駆動状態に基づき、その駆動状態と上記
工作機械の熱変位量とを対応付ける所定の対応関係を参
照して上記工作機械の熱変位量を算出し、その熱変位量
を上記駆動制御手段が上記駆動手段を制御するに当たっ
て考慮すべき補正値として提供する変位量算出手段と、
を備えた工作機械の熱変位量算出装置に対して使用さ
れ、上記変位量算出手段の上記熱変位量算出時に参照さ
れる上記対応関係を規定するパラメータを算出するため
のコンピュータプログラムを記憶した記憶媒体であっ
て、予め設定された複数の加工プログラムを記憶する加
工プログラム記憶部と、上記複数の加工プログラムの内
の一つに基づく制御を上記駆動制御手段に繰り返し実行
させ、続いて、上記複数の加工プログラムの内の他のも
に基づく制御を上記駆動手段に繰り返し実行させるプ
ログラム実行処理、上記駆動制御手段が上記各加工プロ
グラムに基づく制御を実行したとき上記工作機械の熱変
位量の実測値を検出する実測値検出処理、及び、上記加
工プログラムに対応する上記工作機械の駆動状態と上記
実測値検出処理によって検出された上記熱変位量の実測
値とに基づき上記パラメータを算出するパラメータ算出
処理を、実行させるコンピュータプログラムを記憶した
処理記憶部と、を備えたことを特徴とする。
【0028】本発明の記憶媒体はこのように構成されて
いるので、加工プログラム記憶部は請求項1記載のプロ
グラム記憶手段として機能する。また、コンピュータ等
の制御手段に本発明の処理記憶部に記憶されたコンピュ
ータプログラムを実行させれば、請求項1記載のプログ
ラム実行手段、実測値検出手段、及びパラメータ算出手
段に相当するプログラム実行処理、実測値検出処理、及
びパラメータ算出処理を実行させることができる。従っ
て、本発明に記憶されたコンピュータプログラムを上記
制御手段に実行させれば、請求項1記載の発明と同様の
効果が生じる。
【0029】また、本発明に記憶された各処理のプログ
ラムに、請求項2,3,4,5,または6記載の発明に
限定した要件を付加すれば、それを実行させたとき、対
応する請求項2,3,4,5,または6記載の発明と同
様の効果が生じる。更に、工作機械に装備されたコンピ
ュータ等の制御手段に、本発明の記憶媒体を設ければ、
その工作機械では請求項7記載の発明と同様の効果が生
じる。
【0030】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例を図面を参
照して説明することにより、発明の実施の形態を具体的
に説明する。
【0031】
【実施例】本実施例の工作機械のメカニカルな構成は、
次の検出器49を設けた点を除いては従来例として図1
2及び図13に示したものと同じであるので、これらを
使用して工作機械10のメカニカルな構成の説明は省略
する。
【0032】図1は、検出器49の構成を表す概略図で
ある。図1に示すように、検出器49はテーブル14の
片隅に固定され、主軸28に保持された工具Tが接触し
たときに接触信号を発生するものである。また、検出器
49はワークWに従い最適な位置で計測が行い得るよう
に、Z軸上の位置が変更できるように構成されており、
その位置が変更された場合は、後述のCPU72等に記
憶された上記Z軸上の位置に関わるデータが更新され
る。
【0033】図2は、第1実施例としての工作機械10
の制御系の構成を表すブロック図である。図2に示すよ
うに、この制御系は、主軸28の回転を制御するための
主軸制御系50、主軸28のZ軸位置を制御するための
Z軸制御系60、この制御系の中枢となる本発明の工作
機械の熱変位量パラメータ算出装置及び工作機械の熱変
位量算出装置としてのマイコン部70、操作パネル2
2、検出器49、及び、テーブル14のX軸位置を制御
するためのX軸制御系(図示略)やテーブル14のY軸
位置を制御するためのY軸制御系(図示略)等から構成
されている。
【0034】主軸制御系50は、主軸モータ30、主軸
モータ30に電力を供給するための主軸サーボアンプ5
2、及び主軸サーボアンプ52の供給電力を制御するた
めの軸制御回路54からなり、軸制御回路54はマイコ
ン部70のCPU72からの指示に従って主軸サーボア
ンプ52の動作を制御する構成である。Z軸制御系60
は、Z軸モータ38、Z軸モータ38に電力を供給する
ためのZ軸サーボアンプ62及びZ軸サーボアンプ62
の供給電力を制御するための軸制御回路64からなり、
軸制御回路64はマイコン部70のCPU72からの指
示に従ってZ軸サーボアンプ62の動作を制御する構成
である。また、図示を省略したX軸制御系及びY軸制御
系も、これら主軸制御系50並びにZ軸制御系60とほ
ぼ同様の構成である。
【0035】マイコン部70は、制御プログラム等を格
納しているROMや入出力ポート等を内蔵するワンチッ
プ型のCPU72、RAM74及び時計76等からな
り、周知のマイクロコンピュータとして構成されてい
る。このマイコン部70(厳密にはCPU72)は、ワ
ークWに施すべき加工に対応した加工プログラムに従っ
て主軸制御系50、Z軸制御系60等を制御して、ワー
クWに所定の加工を施させるのである。また、マイコン
部70は操作パネル22及び検出器49に接続されてお
り、マイコン部70は、操作パネル22または検出器4
9からの入力信号を取得したり、操作パネル22に信号
を送って操作パネル22の液晶ディスプレイの画像や文
字の表示を制御することやLEDの点滅を制御すること
等ができる。
【0036】なお、CPU72のROMには、以下に説
明する各種処理のプログラムを記憶した処理記憶部と、
その処理の内、後述のパラメータ算出処理にて使用され
る加工プログラム(加工プログラムA,加工プログラム
Bの2種類)を記憶した加工プログラム記憶部とが設け
られている。
【0037】RAM74は、周知のようにCPU72の
ワークエリアとなるが、本実施例では、このRAM74
上に図3に示される構成のピッチ誤差補正テーブルが設
けられている。このピッチ誤差補正テーブルは、例えば
ボールネジ機構36の駆動誤差を補正するためのテーブ
ルである。
【0038】Z軸移動を受け持つボールネジ機構36
は、製造公差等によりボールネジ34の回転量とナット
部32の移動量(すなわち主軸28のZ軸方向移動量)
との誤差が避けられないので、それを補正する必要があ
る。そこで適当な数の補正ポイントを設定し(ボールネ
ジ34の長さが500mmで20mm毎に補正するとす
れば、補正ポイントは25箇所となる。)、その補正ポ
イント毎にボールネジ34の回転による移動量の計算値
と実測値との誤差を求め、その誤差に相当するボールネ
ジ34の回転量(ピッチ)をピッチ誤差補正テーブルに
書き込んでおき、各補正ポイント毎にそのピッチ分だけ
ボールネジ34を正あるいは逆回転させることによって
主軸28のZ軸位置を正確ならしめている。X軸及びY
軸についても同様である。
【0039】時計76は、いわゆる電子時計であって、
年月日時刻を算出してそのデータをCPU72に送るこ
とができる。なおCPU72は、一定の周期例えば1/
1000秒毎にカウント値をインクリメントするカウン
タを内蔵していて、そのカウンタを使用することによ
り、例えばある加工の開始から終了までの所要時間のよ
うな、経過時間を計測することもできる。
【0040】さて、この工作機械10を駆動すると、例
えばそのZ軸方向に、ボールネジ34の膨張等によって
熱変位が発生する。そこで、CPU72は、その熱変位
を補正しつつ加工プログラムを実行するため、以下の各
処理によって熱変位量を算出している。先ず、熱変位量
の算出に必要とされる後述の各種パラメータやマップ
が、既に設定されている場合の処理(すなわち、工作機
械の熱変位量算出装置としてのCPU72の処理)につ
いて説明する。図4は、工作機械10の熱変位量を算出
する熱変位量算出処理を表すフローチャートである。な
お、CPU72は、電源投入後この熱変位量算出処理を
所定タイミングで割り込み処理として実行し、加工プロ
グラムの実行等によって発生する熱変位量を算出してい
る。
【0041】図4に示すように、CPU72は処理を開
始すると、先ず、S1(Sはステップを表す:以下同
様)にて、電源OFFの間の移動距離を0と見なす処理
を行う。後述のように、過去に熱変位量が算出されてそ
の影響が現在も残存している場合、その影響を考慮して
工作機械10の熱変位量を算出する必要がある。また、
このような熱変位量は、工場の休憩時間等に工作機械1
0の電源がOFFされた後にも残存している場合があ
る。そこで、このS1では、電源がOFFされていた間
における主軸28のZ軸方向の移動距離を0とするので
ある。
【0042】続くS2では、時計76の出力に基づき、
所定のサンプリングタイム(a分間隔とする)となった
か否かを判断する。そして、サンプリングタイムでなけ
れば(S2:NO)そのまま待機し、サンプリングタイ
ムであれば(S2:YES)S3へ移行する。S3で
は、加工プログラムの実行状態等から工作機械10の駆
動状態を検出し、それに基づいてサンプリングタイム間
における主軸28のZ軸方向の移動距離を算出する。そ
の後、S4へ移行し、飽和熱変位量としての最大変位量
Lを次のように算出する。
【0043】工作機械10の駆動を続けることによって
温度が上昇すると、やがて発熱量と放熱量とが均衡す
る。このときの熱変位量が最大変位量Lである。工作機
械10を一定の状態で駆動し続けた場合、最大変位量L
は、主軸28の単位時間当たりの平均移動距離Xに対し
て図5に示す対応関係を有する。すなわち、図5に示す
ように、平均移動距離Xが増加するに従って最大変位量
Lも増加する。また、この対応関係は一次関数の直線に
よって表される。S4では、S3にて算出した移動距離
を単位時間当たりの平均移動距離X(ここではmm/min)
に換算し、図5のマップを参照して対応する最大変位量
Lを算出するのである。なお、図5のマップは、数式や
データテーブルの形態でCPU72に格納されてもよ
い。
【0044】続くS5では、次のようにしてサンプリン
グタイム間の熱変位量lを算出する。図6に例示するよ
うに、最大変位量がL1aであった場合、工作機械10駆
動中の熱変位量lは、直線l=L1aに対する漸近線10
2を描く。また、熱変位量lが最大変位量L1aに達した
後(図6ではt=8hourの時点)、工作機械10を
停止すると、熱変位量lは直線l=0に対する漸近線1
04を描く。ここで、漸近線102は、 l=L1a・{1−exp(−γt)} ……(1) で、漸近線104は、 l=L1a・exp(−γ′t) ……(2) で、それぞれ表される。但し、γ,γ′工作機械10固
有の定数であり、t及びlの単位はそれぞれhour,
μmである。従って、この式より、工作機械10の駆動
開始後a分後の熱変位量l1aは、 l1a=L1a・{1−exp(−γ・a/60)} となる。また、工作機械10停止後a分後の熱変位量l
-1a は、 l-1a =L1a・exp(−γ′・a/60) となる。S5では、主に式(1)を用いてサンプリング
タイム間の熱変位量lを算出する。更に、続くS6で
は、後述の保持時間以内の熱変位量lを加算して、次の
ように総熱変位量を算出した後、S2へ移行して次のサ
ンプリングタイムまで待機する。
【0045】本実施例では、サンプリングタイム間の移
動距離に基づいて熱変位量lを算出した場合(S3〜S
5)、熱変位量lはその後式(2)に従って減少するも
のと考える。すなわち、図7(A)に曲線201で例示
するように、時刻0から時刻1aまでの間の移動距離に
基づいて算出された熱変位量l1aの時刻1aにおける値
1a-1は、前述のように、 l1a-1=L1a・{1−exp(−γ・a/60)} となる。但し、L1aは時刻1aのサンプリングタイムに
て算出された最大変位量である。そして、時刻2aにお
ける熱変位量l1aの値l1a-2は、式(2)より、 l1a-2=l1a-1・exp(−γ′・a/60) 以下同様に、時刻3a,時刻4aにおける熱変位量l1a
の値l1a-3,l1a-4は、 l1a-3=l1a-1・exp(−γ′・2a/60) l1a-4=l1a-1・exp(−γ′・3a/60) となる。同様に、時刻1aから時刻2aまでの間の移動
距離に基づいて最大変位量L2aが算出されたとすると、
それに対応する熱変位量l2aは図7(B)に曲線202
で例示するように変化し、その時刻2a,3a,4aに
おける値l2a-1,l2a-2,l2a-3は、それぞれ、 l2a-1=L2a・{1−exp(−γ・a/60)} l2a-2=l2a-1・exp(−γ′・a/60) l2a-3=l2a-1・exp(−γ′・2a/60) となる。S6では、このようにして算出された熱変位量
1a,l2a,……のその時刻における値を加算して総熱
変位量を算出するのである。例えば、時刻1a,2a,
3a,4a,5a,……のサンプリングタイム間の移動
距離に基づいて、図7(C)に曲線201,202,2
03,204,205,……で例示する熱変位量lが算
出されたとすると、S6で算出される総熱変位量は、図
7(C)に曲線200で例示するように変化する。
【0046】また、各時刻で算出された熱変位量lは、
前述のように時間の経過に伴って減少するので、S5に
て算出してから所定の時間(例えば120分)を経過し
た熱変位量lが総熱変位量に及ぼす影響は無視すること
が可能となる。そこで、CPU72は、上記所定の時間
を保持時間としてROMに記憶しており、保持時間以内
に算出された熱変位量lについてのみ上記加算を行って
総熱変位量を算出している。このため、S6の処理で加
算しなければならない熱変位量lの個数は、120/a
+1以下の自然数に抑えられ、その算出処理に関わる負
担を小さくすることができる。従って、その処理に関わ
るソフト構成等を簡略化すると共に処理速度を向上させ
ることができる。
【0047】また、CPU72は、各時刻で算出された
熱変位量lを、それを算出した時刻と対応づけてRAM
74のテーブルに記憶しており、その記憶内容を電源O
FFの間にも、図示しないバックアップ電源により保持
している。このため、電源が一旦OFFされて再びON
されたときには、S1にて電源OFFの間の移動距離を
0(従って熱変位量lも0)と見なすと共に、S6へ移
行して、前回の電源ONの期間中に算出された熱変位量
lの内、算出されてから保持時間を経過していないもの
の影響を加算して総熱変位量を算出することができる。
次に、図5のマップやγ,γ′等のパラメータを算出す
る熱変位量パラメータ算出処理(工作機械の熱変位量パ
ラメータ算出装置としてのCPU72の処理)について
説明する。図8は、その熱変位量パラメータ算出処理を
表すフローチャートである。なお、CPU72は、操作
パネル22が所定の手順で操作されたときにこの処理を
実行する。また、操作パネル22を操作してこの処理を
実行させるタイミングとしては、工作機械10を製造し
たとき、工作機械10を初めて設置したとき、工作機械
10を環境の異なるところへ移設したとき、工作機械1
0の特性に経時変化が発生したとき等、種々のタイミン
グが考えられる。
【0048】処理を開始するとCPU71は、先ず、S
11にて、加工プログラムAに応じて主軸28,Z軸モ
ータ38等を駆動する制御を実行する。なお、この加工
プログラムに応じた制御を実行するときは、実際にワー
クWに加工を施しても、ワークWをテーブル14上に載
置せずに主軸28等を空駆動してもよく、いずれの場合
も同様の算出結果が得られる。
【0049】一つのワークWに対する加工プログラムA
に応じた一連の制御が終了すると、S13へ移行し、現
在のタイミングについて次のような判断を行う。すなわ
ち、この処理のプログラムでは、工作機械10の熱変位
量を実測するための実測タイミングが所定時間毎に設定
されていると共に、その加工プログラムAの制御を所定
回繰り返した後に工作機械10を停止するための終了タ
イミングが設定されている。S13では、上記いずれの
タイミングでもない場合はS11へ移行して再び加工プ
ログラムAの制御を実行し、実測タイミングであった場
合はS15へ、終了タイミングであった場合はS21
へ、それぞれ移行するのである。なお、実測タイミング
は、工作機械10を酷暑の環境下で駆動しても最初の実
測が行われるまでに熱変位量が最大変位量Lとならない
ように、充分に短い間隔に設定してもよい。また、終了
タイミングは、工作機械10を酷寒の環境下で駆動して
も熱変位量が最大変位量Lに達するように、充分に遅い
時点に設定してもよい。
【0050】S13にて実測タイミングであると判断し
た場合は、S15の実測値検出処理を実行する。この処
理では、Z軸制御系60,及び,X軸制御系,Y軸制御
系を駆動して、主軸28に保持された工具Tを検出器4
9に接触させる。CPU72は、検出器49から接触信
号を受信して上記接触を確認するまでに必要としたZ軸
制御系60の駆動量を算出し、工作機械10に熱変位が
発生していないときに必要とされる計算上の上記駆動量
と比較する。そして、その比較結果に基づき、工作機械
10の熱変位量の実測値(Z軸方向)を検出するのであ
る。実測値の検出後は、再びS11へ移行し、加工プロ
グラムAの制御を実行する。
【0051】S13にて終了タイミングであると判断し
た場合は、S21へ移行して工作機械10を停止した
後、S23へ移行する。S23では、現在のタイミング
について次のような判断を行う。すなわち、工作機械1
0の熱変位量を実測するための実測タイミングか、工作
機械10の停止を終了し、新たに加工プログラムの制御
を開始するための終了タイミングかを判断する。上記い
ずれのタイミングでもない場合はそのまま待機し、実測
タイミングであった場合はS25へ、終了タイミングで
あった場合はS31へ、それぞれ移行する。S25で
は、S15と同様に工作機械10の熱変位量の実測値を
検出して、再びS23へ移行する。なお、実測タイミン
グは、工作機械10を酷寒の環境下で停止しても最初の
実測が行われるまでに熱変位がなくならないように、充
分に短い間隔に設定してもよい。また、終了タイミング
は、工作機械10を酷暑の環境下で停止しても熱変位が
解消されるように、充分に遅い時点に設定してもよい。
【0052】S23にて終了タイミングであると判断し
た場合は、S31へ移行し、前述のS11〜S25と同
様の処理を加工プログラムBに対して実行する。すなわ
ち、加工プログラムBの制御を実行し(S31)、実測
タイミングでも終了タイミングでもない場合はそのまま
S31を繰り返す。実測タイミングとなる毎に、S35
の実測値検出処理を実行して工作機械10の熱変位量の
実測値を検出し、終了タイミングとなると工作機械10
を停止する(S41)。停止後も、実測タイミングとな
る毎に工作機械10の熱変位量の実測値を検出し(S4
5)、終了タイミングとなるとS51へ移行する。S5
1では、次に示すパラメータ算出処理を実行して処理を
終了する。
【0053】図9は、工作機械10における熱変位量l
の実測値の変化を表すグラフであり、S15,S25,
S35,S45にて検出された実測値を■で示してい
る。なお、図9のグラフでは、説明の便宜上、加工プロ
グラムAに対する熱変位量lの実測値の変化と、加工プ
ログラムBに対する熱変位量lの実測値の変化とを重ね
て表示している。
【0054】加工プログラムAを繰り返す間(S1
1)、S15で検出される実測値は漸近線102aに沿
って増大し、最大変位量Laに達する。工作機械10を
停止すると(S21)、S25で検出される実測値は漸
近線104aに沿って減少し、やがて熱変位がなくな
る。なお、ここで熱変位がなくなるとは、数学的な意味
でなくなることをいうわけではなく、熱変位の影響が、
工作機械10の仕様やワークWに要求される公差等を考
慮して設定される誤差の範囲に収まることをいう。同様
に、加工プログラムBを繰り返す間(S31)、S35
で検出される実測値は漸近線102bに沿って最大変位
量Lbまで増大し、工作機械10を停止すると(S4
1)、S45で検出される実測値は漸近線104bに沿
って減少する。また、CPU72のROMには、加工プ
ログラムA,Bに対応する平均移動距離Xa,Xbが、
その加工プログラムA,Bと共に予め記憶されている。
【0055】そこで、S51では、図5にて説明したマ
ップの直線が(Xa,La)と(Xb,Lb)との2点
を通るように、その直線を表す一次関数(L=aX+
b)の係数a,bを求める。また、図9の漸近線102
a及び102bが、それぞれ、 l=La・{1−exp(−γt)} ……(3) 及び l=Lb・{1−exp(−γt)} ……(4) で与えられることを利用して、S51では、上記式
(3),(4)に応じた曲線と上記各実測値との誤差が
最も小さくなるようにγの値を求める。同様に、漸近線
104a及び104bが l=La・exp(−γ′t) ……(5) 及び l=Lb・exp(−γ′t) ……(6) で与えられることを利用して、上記式(5),(6)に
応じた曲線と上記各実測値との誤差が最も小さくなるよ
うにγ′の値を求める。S51では、このようにして図
5のマップ及びγ,γ′の値を算出すると、本処理を終
了するのである。
【0056】本実施例では、このように熱変位量の実測
値に基づいて図5のマップ(係数a,b)及びγ,γ′
等のパラメータを算出し、そのパラメータを用いて図4
の熱変位量算出処理を実行することができる。このた
め、個々の工作機械10の特性や使用環境に応じた上記
パラメータを容易に算出することができ、熱変位量算出
処理による総熱変位量の算出精度を良好に向上させるこ
とができる。
【0057】また、本実施例では、複数の加工プログラ
ム(加工プログラムA,加工プログラムB)に対して最
大変位量La,Lbの実測値を求め、各加工プログラム
A,Bの平均移動距離Xa,Xbとその最大変位量L
a,Lbとに基づき、平均移動距離Xと最大変位量Lと
の対応関係を規定するパラメータを算出している。本願
出願人は、上記平均移動距離Xが、最大変位量Lに対し
てきわめて再現性に優れた良好な対応関係を有すること
を発見した。更に、平均移動距離Xは加工プログラム毎
に一意的に算出することができ、その平均移動距離Xが
同一であれば加工プログラムが異なっても最大変位量L
の値はほぼ同様となる。このため、本実施例の熱変位量
算出処理は加工プログラムの変更に対してきわめて良好
な順応性を有し、加工プログラムの変更や新規な加工プ
ログラムの提供がなされたときにも、工作機械10の熱
変位量をきわめて正確に算出することができる。
【0058】なお、上記実施例では、最大変位量Lと平
均移動距離Xとを対応付けているが、最大変位量Lと対
応付けることのできる工作機械10の駆動状態として
は、主軸28を単位距離移動させるのに要した経過時
間、ATC回数(すなわち工具Tの交換回数)、主軸2
8の加減速回数、主軸モータ30の単位時間当たりの回
転量(この回転によってもZ軸方向の伸びが発生)等、
種々の駆動状態を採用することができる。主軸28の移
動に要した上記経過時間を最大変位量Lと対応付け、そ
の対応関係を表すマップを実測値に基づいて求めた場
合、上記実施例と同様に、工作機械10の熱変位量をき
わめて正確に算出することができる。
【0059】更に、最大変位量Lを、平均移動距離Xま
たは上記経過時間に加えて、ATC回数、主軸28の加
減速回数、主軸モータ30の単位時間当たりの回転量等
を加味した多次元マップによって算出すると共に、その
マップを実測値に基づいて設定すれば、工作機械10の
熱変位量を一層正確に算出することができる。但し、最
大変位量LをATC回数,上記加減速回数,または上記
回転量のみと対応付け、平均移動距離X及び上記経過時
間を共に無視した場合、本発明の効果が一応生じるもの
の、上記実施例ほどの算出精度は得られない。
【0060】また、最大変位量Lと平均移動距離Xとを
対応付けるマップは、図5に例示したものに限定され
ず、図10(A)に例示する折れ線や、図10(B)に
例示する曲線によって定義してもよい。特に、上記実施
例の熱変位量パラメータ算出処理によって算出された上
記マップを表す直線(L=aX+b)の係数bが0でな
い場合、マップを次のような折れ線で表してもよい。す
なわち、実際の工作機械10では、X→0の場合L→0
となる。そこで、例えば、X=X0 (X0 は比較的小さ
い設定値)の点でマップの線を屈曲させ、 L=aX+b(X≧X0 ) L=(aX0 +b)X/X0 (X≦X0 ) なる式で上記マップを表してもよい。更に、加工プログ
ラムを3種類以上使用して、各加工プログラムの平均移
動距離Xと、その加工プログラムを実行して実測した最
大変位量Lとの組を三つ以上取得すれば、上記マップを
二次関数等の高次の関数によって定義することができ
る。
【0061】更に、上記実施例では、最大変位量Lと平
均移動距離Xとを対応付けるマップの他に、工作機械1
0の駆動時間または停止時間と熱変位量との対応関係を
規定するパラメータγ,γ′を算出している。このた
め、熱変位量が最大変位量Lに達するまでの間、及び、
工作機械10停止中における熱変位量の算出精度を、一
層良好に向上させることができる。また、上記実施例で
は、終了タイミングを充分に遅い時点に設定することに
より最大変位量Lの実測値を検出しているが、各実測タ
イミングで検出される熱変位量の実測値(S15,S3
5)に変化がなくなったとき、その実測値を最大変位量
Lの実測値として工作機械10を停止してもよい(S2
1,S41)。同様に、工作機械10停止中の熱変位量
の実測値(S25,S45)に変化がなくなったとき、
他の加工プログラムの実行(S31)またはパラメータ
算出処理(S51)を行ってもよい。これらの場合、熱
変位量パラメータ算出処理に要する処理時間を短縮する
ことができる。
【0062】なお、上記実施例において、主軸28が加
工手段に、ボールネジ機構36及びZ軸制御系60,X
軸制御系,Y軸制御系が駆動手段及び加工手段移動手段
に、検出器49が加工手段検出手段に、CPU72内の
ROMがプログラム記憶手段に、CPU72が駆動状態
検出手段,変位量算出手段,プログラム実行手段,実測
値検出手段,及びパラメータ算出手段に相当し、CPU
72の処理の内、S3が駆動状態検出手段に、S4〜S
6が変位量算出手段に、S11及びS31がプログラム
実行手段に、S15,S25,S35,及びS45が実
測値検出手段に、S51がパラメータ算出手段に、それ
ぞれ相当する処理である。
【0063】次に、本発明の第2実施例を説明する。図
11は第2実施例としての工作機械10の制御系の構成
を表すブロック図である。なお、本実施例の工作機械1
0もメカニカルな構成は第1実施例と同じであり、制御
系の構成は次の点で異なる。すなわち、図11に示すよ
うに、マイコン部70は前述の構成に加えてインタフェ
ース(I/F)78を備えており、このインタフェース
78を介してパソコン80に接続されている。パソコン
80は、制御プログラム等を格納しているROMや入出
力ポート等を内蔵するワンチップ型のCPU82、RA
M84、時計86、及びマイコン部70と接続されるイ
ンタフェース(I/F)88等からなり、周知のマイク
ロコンピュータとして構成されている。また、パソコン
80には、キーボード91及びCRT92も接続されて
いる。この制御系では、加工プログラムに基づいてマイ
コン部70が工作機械10を制御しており、パソコン8
0からマイコン部70へは加工プログラムA,B等が送
信される。また、マイコン部70からパソコン80へ
は、検出器49を用いて検出した熱変位量の実測値等、
上記パラメータの算出に必要なデータが送信される。
【0064】このため、パソコン80では、前述の加工
プログラムA,Bをマイコン部70に順次送信し、その
加工プログラムに対応した工作機械10の制御をマイコ
ン部70に実行させることができる(図8のS11及び
S31参照)。マイコン部70は、加工プログラムA,
Bの実行中及び工作機械10の停止中に、前述の実測タ
イミングで熱変位量の実測値を検出し(図8のS15,
S25,S35,およびS45参照)、パソコン80へ
送信する。すると、パソコン80では、前述のS51と
同様に、パラメータ算出処理を実行する。
【0065】このように構成された本実施例でも、第1
実施例とほぼ同様の作用・効果が生じる。なお、本実施
例では、インタフェース88を介して接続される工作機
械10を変更すれば、一つのパソコン80によって複数
の工作機械10に対する熱変位量パラメータの算出を行
うことができる。これに対して、前述の第1実施例で
は、本発明の熱変位量パラメータ算出装置が工作機械1
0と一体に装備されている。このため、工作機械10を
初めて設置したり移設して使用環境が変化した場合や、
工作機械10の特性に経時変化が発生した場合に、上記
パラメータの算出がその場で行える。従って、工作機械
10の特性や使用環境に応じた上記パラメータを正確か
つ容易に算出することができ、延いては、その工作機械
10の熱変位量を正確に算出して、ワークWの加工精度
を向上させることができる。
【0066】以上、実施例を挙げて本発明を説明した
が、本発明は上記実施例になんら限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施
することができる。例えば、本発明は、最大変位量Lに
関連しない他のパラメータの算出に適用してもよく、テ
ーブル14を移動させる機構に適用してもよい。
【0067】また、上記各実施例では、工具Tを検出器
49に接触させることによって主軸28が所定位置に移
動したことを検出し、そのときのZ軸制御系60の駆動
量に基づいて熱変位量の実測値を検出しているが、実測
値検出手段としてはこの他種々の構成を採用することが
できる。例えば、工具Tを介さずに主軸28を検出器4
9に直接接触させてもよく、主軸28を側方から撮影
し、画像処理等によって熱変位量の実測値を検出しても
よい。更に、加工が施されたワークWの寸法誤差をノギ
ス等によって測定し、その寸法誤差を熱変位量の実測値
として操作パネル22から入力してもよい。この場合、
操作パネル22及びその入力を読み込む処理が実測値検
出手段に相当する。但し、上記実施例の検出器49を用
いた構成を採用すれば、検出器49を増設しただけの簡
単な構成によって、工作機械10の熱変位量の正確な実
測値を自動的に容易に検出することができる。従って、
装置の構成を簡略化して製造コストを低減すると共に、
一層正確かつ容易に上記パラメータを算出することがで
きる。
【0068】また更に、上記実施例では、図8の処理を
実行するためのプログラムや加工プログラムA,BをC
PU72のROMに記憶しているが、これらのプログラ
ムはフロッピディスクやCD−ROM等の記憶媒体に記
憶しておいてもよいことはいうまでもない。この場合、
一般のコンピュータ等、任意の制御手段に上記処理を実
行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の工作機械の検出器の構成を表す概略
図である。
【図2】 第1実施例の工作機械の制御系の構成を表す
ブロック図である。
【図3】 その工作機械のピッチ誤差補正テーブルの構
成を表す説明図である。
【図4】 その工作機械のCPUが実行する熱変位量算
出処理を表すフローチャートである。
【図5】 最大変位量の算出に使用するマップの構成を
表す説明図である。
【図6】 最大変位量に対応した熱変位量の経時変化を
例示する説明図である。
【図7】 熱変位量から総熱変位量を算出する処理を例
示する説明図である。
【図8】 上記CPUが実行する熱変位量パラメータ算
出処理を表すフローチャートである。
【図9】 その処理で検出された実測値の変化を例示す
る説明図である。
【図10】 最大変位量の算出に使用する他のマップの
構成を表す説明図である。
【図11】 第2実施例の工作機械の制御系の構成を表
すブロック図である。
【図12】 実施例および従来例の工作機械の構成を表
す説明図である。
【図13】 実施例および従来例の工作機械の構成を表
す説明図である。
【符号の説明】
10…工作機械 14…テーブル 16…ATCマ
ガジン 20…本体 28…主軸 30…主軸モータ 36…ボール
ネジ機構 38…Z軸モータ 49…検出器 60…Z軸
制御系 70…マイコン部 72,82…CPU 7
4,84…RAM 76,86…時計 80…パソコン
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23Q 15/00 - 15/28 G05B 19/18 - 19/46

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加工物に加工を施すための加工手段
    と、該加工手段と被加工物との相対位置を変動させる駆
    動手段と、与えられた加工プログラムに基づき上記駆動
    手段を制御する駆動制御手段と、を有する工作機械に装
    備され、 該工作機械の駆動状態を検出する駆動状態検出手段と、 該駆動状態検出手段が検出した駆動状態に基づき、その
    駆動状態と上記工作機械の熱変位量とを対応付ける所定
    の対応関係を参照して上記工作機械の熱変位量を算出
    し、その熱変位量を上記駆動制御手段が上記駆動手段を
    制御するに当たって考慮すべき補正値として提供する変
    位量算出手段と、 を備えた工作機械の熱変位量算出装置に対して使用さ
    れ、 上記変位量算出手段の上記熱変位量算出時に参照される
    上記対応関係を規定するパラメータを算出する工作機械
    の熱変位量パラメータ算出装置であって、 予め設定された複数の加工プログラムを記憶するプログ
    ラム記憶手段と、上記複数の 加工プログラムの内の一つに基づく制御を上
    記駆動制御手段に繰り返し実行させ、続いて、上記複数
    加工プログラムの内の他のものに基づく制御を上記駆
    動手段に繰り返し実行させるプログラム実行手段と、 上記駆動制御手段が上記各加工プログラムに基づく制御
    を実行したとき、上記工作機械の熱変位量の実測値を検
    出する実測値検出手段と、 上記加工プログラムに対応する上記工作機械の駆動状態
    と、上記実測値検出手段が検出した上記熱変位量の実測
    値とに基づき、上記パラメータを算出するパラメータ算
    出手段と、 を備えたことを特徴とする工作機械の熱変位量パラメー
    タ算出装置。
  2. 【請求項2】 上記プログラム実行手段が、発熱量と放
    熱量とが均衡して上記熱変位量が飽和熱変位量となるま
    で同一の加工プログラムに基づく制御を上記駆動制御手
    段に繰り返し実行させ、上記工作機械を停止して上記工
    作機械の熱変位がなくなった後に他の加工プログラムに
    基づく制御を同様に実行させ、 上記実測値検出手段が、少なくとも上記各加工プログラ
    ムに対応する飽和熱変位量の実測値を検出し、 上記パラメータ算出手段が、上記各加工プログラムに対
    応する上記工作機械の駆動状態と、上記各加工プログラ
    ムに対応する飽和熱変位量の実測値とに基づき、上記工
    作機械の駆動状態と飽和熱変位量との対応関係を規定す
    るパラメータを算出することを特徴とする請求項1記載
    の工作機械の熱変位量パラメータ算出装置。
  3. 【請求項3】 上記パラメータ算出手段が上記パラメー
    タの算出時に参照する上記工作機械の駆動状態、及び、
    上記パラメータによって上記飽和熱変位量との対応関係
    が規定される上記工作機械の駆動状態が、共に、上記駆
    動手段が上記加工手段または上記被加工物を単位時間当
    たりに移動させた平均移動距離であることを特徴とする
    請求項2記載の工作機械の熱変位量パラメータ算出装
    置。
  4. 【請求項4】 上記実測値検出手段が、上記工作機械の
    熱変位量の実測値を、上記飽和熱変位量に達するまで所
    定時間毎に検出し、 上記パラメータ算出手段が、上記パラメータに加えて、
    上記工作機械の駆動時間と各時点で検出された上記熱変
    位量の実測値とに基づき、上記工作機械の駆動時間と熱
    変位量との対応関係を規定するパラメータを算出するこ
    とを特徴とする請求項2または3記載の工作機械の熱変
    位量パラメータ算出装置。
  5. 【請求項5】 上記実測値検出手段が、上記工作機械の
    熱変位量の実測値を、上記工作機械を停止してから上記
    熱変位がなくなるまで所定時間毎に検出し、 上記パラメータ算出手段が、上記パラメータに加えて、
    上記工作機械の停止時間と各時点で検出された上記熱変
    位量の実測値とに基づき、上記工作機械の停止時間と残
    存する熱変位量との対応関係を規定するパラメータを算
    出することを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載
    の工作機械の熱変位量パラメータ算出装置。
  6. 【請求項6】 上記実測値検出手段が、 上記加工手段が上記被加工物に対する所定位置に相対移
    動したとき、その加工手段を検出する加工手段検出手段
    と、 上記駆動手段を制御して、上記加工手段を上記加工手段
    検出手段に検出される位置まで相対移動させる加工手段
    移動手段と、 を備え、該加工手段移動手段により、上記加工手段を上
    記加工手段検出手段に検出される位置まで相対移動させ
    るのに必要とした上記駆動手段の駆動量と、工作機械に
    熱変位が発生していないときに必要とされる上記駆動量
    とを比較し、その比較結果に基づいて上記実測値を検出
    することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の
    工作機械の熱変位量パラメータ算出装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の工作機
    械の熱変位量パラメータ算出装置を装備したことを特徴
    とする工作機械。
  8. 【請求項8】 被加工物に加工を施すための加工手段
    と、該加工手段と被加工物との相対位置を変動させる駆
    動手段と、与えられた加工プログラムに基づき上記駆動
    手段を制御する駆動制御手段と、を有する工作機械に装
    備され、 該工作機械の駆動状態を検出する駆動状態検出手段と、 該駆動状態検出手段が検出した駆動状態に基づき、その
    駆動状態と上記工作機械の熱変位量とを対応付ける所定
    の対応関係を参照して上記工作機械の熱変位量を算出
    し、その熱変位量を上記駆動制御手段が上記駆動手段を
    制御するに当たって考慮すべき補正値として提供する変
    位量算出手段と、 を備えた工作機械の熱変位量算出装置に対して使用さ
    れ、 上記変位量算出手段の上記熱変位量算出時に参照される
    上記対応関係を規定するパラメータを算出するためのコ
    ンピュータプログラムを記憶した記憶媒体であって、 予め設定された複数の加工プログラムを記憶する加工プ
    ログラム記憶部と、上記複数の 加工プログラムの内の一つに基づく制御を上
    記駆動制御手段に繰り返し実行させ、続いて、上記複数
    加工プログラムの内の他のものに基づく制御を上記駆
    動手段に繰り返し実行させるプログラム実行処理、上記
    駆動制御手段が上記各加工プログラムに基づく制御を実
    行したとき上記工作機械の熱変位量の実測値を検出する
    実測値検出処理、及び、上記加工プログラムに対応する
    上記工作機械の駆動状態と上記実測値検出処理によって
    検出された上記熱変位量の実測値とに基づき上記パラメ
    ータを算出するパラメータ算出処理を、実行させるコン
    ピュータプログラムを記憶した処理記憶部と、 を備えたことを特徴とする記憶媒体。
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