JP3339807B2 - 工作機械の熱変位量算出装置及び記憶媒体 - Google Patents

工作機械の熱変位量算出装置及び記憶媒体

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JP3339807B2
JP3339807B2 JP23284097A JP23284097A JP3339807B2 JP 3339807 B2 JP3339807 B2 JP 3339807B2 JP 23284097 A JP23284097 A JP 23284097A JP 23284097 A JP23284097 A JP 23284097A JP 3339807 B2 JP3339807 B2 JP 3339807B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工作機械に装備さ
れ、その工作機械で発現する熱変位量を算出する工作機
械の熱変位量算出装置及びその装置を実現するための記
憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばワークに切削や穴開け等を
施したり基板に部品を組み付けるための加工手段と、こ
の加工手段とワークや基板等の被加工物との相対位置を
変動させる駆動手段とを有する工作機械がある。一般
に、切削等の加工を行う工作機械では、例えばドリルや
タップ等の工具を保持するための保持機構、これに保持
された工具を回転駆動するための主軸駆動機構、工具の
X軸方向の送りのためのX軸送り機構、工具のY軸方向
の送りのためのY軸送り機構、工具のZ軸方向の送りの
ためのZ軸送り機構、これらの送り機構を制御するため
の制御装置等を備えている。
【0003】一例をあげると、図14および図15に示
される工作機械10がある。図14に示すように、この
工作機械10は、切削屑の飛散を防止するためのスプラ
ッシュガード12の内側にワーク(図示しない)を載置
するためのテーブル14、例えばドリルやタップ等の工
具交換のためのATCマガジン16、工作機械本体(以
下単に本体ともいう)20等が配置されている。またス
プラッシュガード12には、操作パネル22、ワークの
入出やメンテナンスのためのワーク交換口24、主にメ
ンテナンス用の点検ハッチ26等が設けられている。
【0004】図15に示すように、本体20は、ドリル
やタップ等の工具を保持するための主軸28、主軸28
を回転駆動するための主軸モータ30、多数の鋼球を内
蔵して主軸側に固着されているナット部32とナット部
32に内挿されるボールネジ34とからなるボールネジ
機構36、ボールネジ34を回転駆動するためのZ軸モ
ータ38、ボールネジ34と平行に配されているガイド
レール40、ガイドレール40と主軸28側とを連結す
るスライド42等を備えている。
【0005】この本体20においては、ボールネジ機構
36とZ軸モータ38とでZ軸方向の送りのためのZ軸
送り機構が構成され、Z軸モータ38によりボールネジ
34を回転させることで主軸28のZ軸方向の移動が行
われる。また図14に示されるテーブル14をX軸およ
びY軸方向に移動させることができ、主軸28のZ軸方
向の移動と併せて、ワークと工具のX、Y、Z軸方向の
相対位置を変化させることができる。
【0006】このような工作機械10では、例えばボー
ルネジ機構36の稼働に伴って摩擦熱が発生してボール
ネジ34が延びることがある。また、他の機構において
も発熱がある。そうした発熱によって工作機械10に熱
変位が発現する。この熱変位が例えばZ軸方向に発現す
ると、ワークに施される溝の深さや段差の高さ等に誤差
が生じる。公差が熱変位量よりも十分に大きい場合には
このような熱変位による加工誤差はあまり問題とはなら
ないが、そうでない場合には熱変位に対する補正が必要
となる。そこで、工作機械の熱変位量を算出する熱変位
量算出装置を設け、予め定められている加工プログラム
に従って駆動手段を制御するに当たって、その熱変位量
に応じた補正を行いながら駆動手段を制御することが提
案されている(例えば特開昭62−88548号公
報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
工作機械の熱変位量算出装置においては、工作機械の稼
働中を通して熱変位量を算出する形態であったので、そ
の処理を実行するためのシステムを常時動かしておく必
要があった。このため、その算出処理に関わる負担が大
きかった。そこで、本願出願人は、工作機械が稼働を続
けることによって温度が上昇すると、やがて発熱量と放
熱量とが均衡する状態になることに着目し、次のように
熱変位量を算出することを提案した。すなわち、工作機
械の駆動中は、飽和熱変位量(上記均衡状態における熱
変位量)と工作機械の駆動時間とに基づいて各時点にお
ける熱変位量を算出し、その熱変位量が飽和熱変位量に
ほぼ等しくなると、それ以降は熱変位量として飽和熱変
位量の値を代用するのである(特願平8−298866
号)。この場合、正確な飽和熱変位量が与えられれば、
各時点における熱変位量を算出でき、しかもその算出処
理に関わる負担を小さくすることができる。
【0008】ところが、上記工作機械の熱変位量算出装
置では、飽和熱変位量を固定値としているので、次のよ
うな場合に熱変位量の算出精度が若干低下することがあ
った。すなわち、工作機械の熱変位量は、その駆動状態
に応じて変化する。例えば、工作機械10では、主軸2
8の単位時間当たりにおけるZ軸方向の平均移動距離が
長かったり、主軸28がZ軸方向に単位距離移動するの
に要した経過時間が短かったりすると、工作機械10の
Z軸方向の熱変位量が大きくなる。
【0009】また、工作機械の熱変位量は、その使用度
合に応じても変化する。例えば、工作機械10では、A
TCマガジン16による工具の交換回数(以下、ATC
回数という)や、主軸28のZ軸方向への加減速回数が
多いと、工作機械10のZ軸方向の熱変位量が算出され
た値より大きくなる。更に、上記平均移動距離や上記経
過時間等に対応する駆動状態が同じであっても、ATC
回数や上記加減速回数等の使用度合が加工プログラムに
よって異なる場合がしばしば見受けられる。
【0010】従って、主軸28のZ軸方向の駆動状態に
応じて飽和熱変位量等を修正することが考えられたとし
ても、全ての加工プログラムに対してZ軸方向の熱変位
量を正確に算出することはできない。また、X軸方向,
Y軸方向,または主軸の回転に対する熱変位量にも同様
の課題が生じる。
【0011】そこで、本発明は、工作機械の使用度合に
応じて正確な熱変位量を算出することのできる工作機械
の熱変位量算出装置、及び、その装置を実現するための
記憶媒体を提供することを目的としてなされた。
【0012】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】上記目的
を達するためになされた請求項1記載の発明は、被加工
物に加工を施すための加工手段と、該加工手段と被加工
物との相対位置を変動させる駆動手段とを有する工作機
械に装備され、該工作機械の熱変位量を算出する工作機
械の熱変位量算出装置であって、上記工作機械の駆動状
態を検出する駆動状態検出手段と、該駆動状態検出手段
が検出した駆動状態に基づき、上記工作機械の熱変位量
を算出する変位量算出手段と、上記駆動手段による上記
加工手段または上記被加工物の加減速回数、または、上
記加工手段が使用する工具の交換回数を、上記工作機械
の使用度合として検出する使用度合検出手段と、該使用
度合検出手段が検出した使用度合に基づき、上記変位量
算出手段が算出する熱変位量を補正する変位量補正手段
と、を備えたことを特徴とする。
【0013】このように構成された本発明では、駆動状
態検出手段は、工作機械の駆動状態を検出し、変位量算
出手段は、その駆動状態検出手段が検出した駆動状態に
基づき、工作機械の熱変位量を算出する。また、使用度
合検出手段は、上記駆動手段による上記加工手段または
上記被加工物の加減速回数、または、上記加工手段が使
用する工具の交換回数を上記工作機械の使用度合として
検出し、変位量補正手段は、その使用度合検出手段が検
出した使用度合に基づき、上記変位量算出手段が算出す
る熱変位量を補正する。このように、本発明では、変位
量算出手段が工作機械の駆動状態に基づいて算出する工
作機械の熱変位量を、変位量補正手段が、その工作機械
の使用度合に基づいて補正している。このため、本発明
では、工作機械の使用度合に応じて正確な熱変位量を算
出することができる。また、本発明では、工作機械の駆
動状態及び使用度合を検出し、その駆動状態及び使用度
合に基づいて工作機械の熱変位量を算出している。この
ため、加工プログラムが変更されたか否かに関わらず、
正確かつ容易に熱変位量を算出することができる。しか
も、本発明では、使用度合検出手段がこの加減速回数ま
たは交換回数を使用度合として検出し、その使用度合に
基づいて変位量補正手段が熱変位量を補正している。上
記駆動手段による加工手段または被加工物の加減速回数
や、上記加工手段が使用する工具の交換回数は、種々あ
る使用度合の内でも、工作機械の熱変位量に及ぼす影響
が特に大きい。このため、本発明では、工作機械の熱変
位量 を一層正確に算出することができる。
【0014】なお、変位量補正手段は、変位量算出手段
が算出を終了した熱変位量に対して補正を行っても、変
位量算出手段の算出中に熱変位量の補正を行ってもよ
い。請求項2記載の発明は、請求項1記載の構成に加
え、上記変位量算出手段が、同様の駆動状態を続けた場
合における上記工作機械の熱変位の最大値としての飽和
熱変位量を、上記工作機械の駆動状態に基づいて算出
し、その飽和熱変位量と上記工作機械の駆動時間とに基
づいて上記熱変位量を算出すると共に、上記変位量補正
手段が、上記使用度合に基づいて上記飽和熱変位量を補
正することを特徴する。
【0015】本願出願人は、工作機械の駆動状態(例え
ば、加工手段または被加工物の単位時間当たりの平均移
動距離や、それらが単位距離移動するのに要した経過時
間等)と、その駆動状態を続けた場合における工作機械
の熱変位の最大値としての飽和熱変位量との間には、比
較的再現性のよい対応関係があることを発見した。ま
た、工作機械の熱変位量は駆動時間に応じて増加し、そ
の変化は上記飽和熱変位量に対する漸近線を描く。例え
ば、飽和熱変位量をL、駆動時間をtとした場合、熱変
位量lの変化を、 l=L・{1−exp(−γt)} 但し、γは工作機械固有の定数 なる式で表すことも提案されている。そこで、本発明の
変位量算出手段は、上記飽和熱変位量を工作機械の駆動
状態に基づいて算出し、その飽和熱変位量と上記工作機
械の駆動時間とに基づいて、各時点における熱変位量を
算出するのである。もちろん、変位量算出手段は上記以
外の式を用いて熱変位量を算出してもよい。このよう
に、本発明では、工作機械の駆動状態に基づいて飽和熱
変位量を算出し、その飽和熱変位量に基づいて工作機械
の熱変位量を算出している。このため、工作機械の駆動
状態に応じた熱変位量を、正確かつ容易に算出すること
ができる。しかも、その算出に用いられる飽和熱変位量
には、変位量補正手段が、上記使用度合に基づいて補正
を行っている。このため、前述のように、変位量算出手
段によって算出された熱変位量は工作機械の使用度合に
応じたものとなる。
【0016】従って、本発明では、請求項1記載の発明
の効果に加えて、工作機械の熱変位量を、一層正確かつ
容易に算出することができるといった効果が生じる。
【0017】
【0018】請求項記載の発明は、請求項1または2
記載の構成に加え、上記変位量算出手段及び上記変位量
補正手段が所定時間毎または上記工作機械の所定駆動量
毎に上記熱変位量を算出すると共に、上記変位量算出手
段及び上記変位量補正手段が以前に熱変位量を算出して
いるとき、その熱変位量の影響を上記変位量算出手段及
び上記変位量補正手段が新たに算出した熱変位量に加算
して、現在の上記工作機械の熱変位量とする変位量加算
手段を更に備えたことを特徴とする。
【0019】加工プログラムには、工作機械を高速で駆
動するステップと低速で駆動するステップとを含むもの
がある。この場合、上記熱変位量を工作機械の平均的な
駆動状態に基づいて算出すると、工作機械を高速で駆動
するステップでは熱変位量が小さめに、低速で駆動する
ステップでは大きめに算出されてしまう。また、加工プ
ログラムには、工具の交換や加減速を頻繁に行うステッ
プとそれほど頻繁には行わないステップとを含むものが
ある。この場合、それらの頻度の平均的な値に基づいて
上記熱変位量を補正すると、上記頻度が高いステップで
は熱変位量を小さめに、上記頻度が低いステップでは大
きめに補正してしまう。
【0020】そこで、本発明では、変位量算出手段及び
変位量補正手段が、所定時間毎または上記工作機械の所
定駆動量毎に、その時点で検出されている駆動状態及び
使用度合に基づいて上記算出及び補正を行っている。こ
のため、所定時間毎または工作機械の所定駆動量毎に設
定された各時点において、その時点で検出された駆動状
態及び使用度合に応じて正確な熱変位量を算出すること
ができる。なお、本発明が請求項2記載の構成を備えて
いる場合、所定時間毎または上記所定駆動量毎に、変位
量算出手段が飽和熱変位量の算出からやり直すと一層効
果的である。
【0021】また、各時点で算出された熱変位量は、そ
の後徐々に減少しながらも影響を及ぼす。例えば、熱変
位量が飽和熱変位量Lに達するまで工作機械を駆動した
後、駆動を停止してから時間t経過したときの熱変位量
lを、 l=L・exp(−γt) 但し、γは工作機械固有の定数 なる式で表すことも提案されている。そこで、本発明で
は、変位量算出手段及び変位量補正手段が以前に熱変位
量を算出しているとき、変位量加算手段により、その熱
変位量の影響を変位量算出手段及び変位量補正手段が新
たに算出した熱変位量に加算して、現在の上記工作機械
の熱変位量としている。
【0022】従って、本発明では、請求項1または2
載の発明の効果に加えて、工作機械の各時点における駆
動状態及び使用度合に応じて、一層正確な熱変位量を算
出することができるといった効果が生じる。請求項
載の発明は、請求項記載の構成に加え、上記工作機械
の熱変位量の影響が残存する保持時間を記憶する保持時
間記憶手段を、更に備え、上記変位量加算手段が、上記
変位量算出手段及び上記変位量補正手段が算出してから
上記保持時間以上経過した熱変位量は無視して現在の上
記熱変位量を算出することを特徴とする。
【0023】工作機械の熱変位量はある期間の間はその
影響が残存するが、その後は影響がなくなる。なお、こ
こで影響がなくなるとは、数学的な意味でなくなること
をいうわけではなく、熱変位量の影響が、工作機械の仕
様やワークに要求される公差等を考慮して設定される誤
差の範囲に収まることをいう。そこで、本発明では、保
持時間記憶手段により工作機械の熱変位量の影響が残存
する保持時間を記憶しておき、変位量加算手段が、変位
量算出手段及び変位量補正手段が算出してから上記保持
時間以上経過した熱変位量は無視して現在の熱変位量を
算出する。このため、変位量加算手段は、上記保持時間
内に算出された熱変位量のみを考慮して上記加算を行え
ばよく、その算出処理に関わる負担を小さくすることが
できる。
【0024】従って、本発明では、請求項記載の発明
の効果に加えて、算出処理に関わる負荷を小さくして、
その処理に関わるソフト構成等を簡略化すると共に処理
速度を向上させることができるといった効果が生じる。
請求項記載の発明は、請求項1〜のいずれかに記載
の構成に加え、上記熱変位量に影響を及ぼす条件に対応
して定められた調整値を、上記変位量算出手段または上
記変位量加算手段によって算出された熱変位量に加算ま
たは減算して上記工作機械の熱変位量とする変位量調整
手段を、更に備えたことを特徴とする。
【0025】工作機械の熱変位量には、上記駆動状態や
使用度合の他、種々の条件が影響を及ぼす。例えば朝等
の気温が比較的低いとき等では工作機械の温度上昇が緩
やかになり、算出された熱変位量と実際の熱変位量との
誤差が無視できない程度になることもある。そこで、本
発明では、変位量調整手段により、熱変位量に影響を及
ぼす条件に対応して定められた調整値を、変位量算出手
段または変位量加算手段によって算出された熱変位量に
加算または減算して上記工作機械の熱変位量としてい
る。このため、本発明では、請求項1〜のいずれかに
記載の発明の効果に加えて、工作機械の熱変位量を一層
正確に算出することができるといった効果が生じる。な
お、上記調整値は、例えばオペレータが、操作パネル等
の調整入力手段によって入力してもよく、熱変位量算出
装置側で、予め設定されている手順で決められる調整値
を求めてもよい。
【0026】請求項記載の発明は、請求項記載の構
成に加え、上記調整値は時刻に対応して定められてい
て、上記変位量調整手段は時刻に基づいて上記調整値を
選択して使用することを特徴とする。この構成とすれ
ば、例えば1日の時間帯(朝、昼、夜等)に応じて、算
出された熱変位量と実際の熱変位量との誤差を自動的に
解消することができる。従って、本発明では、請求項
記載の発明の効果に加えて、時刻に関わらず常に正確な
熱変位量を算出することができるといった効果が生じ
る。
【0027】請求項記載の発明は、請求項記載の構
成に加え、上記調整値は上記工作機械の環境温度に対応
して定められていて、上記変位量調整手段は該環境温度
に基づいて上記調整値を選択して使用することを特徴と
する。この構成とすれば、工作機械が設置されている場
所の気温すなわち環境温度に応じて、算出された熱変位
量と実際の熱変位量との誤差を自動的に解消することが
できる。従って、本発明では、請求項記載の発明の効
果に加えて、環境温度に関わらず常に正確な熱変位量を
算出することができるといった効果が生じる。
【0028】請求項記載の発明は、被加工物に加工を
施すための加工手段と、該加工手段と被加工物との相対
位置を変動させる駆動手段とを有する工作機械に対して
使用され、該工作機械の熱変位量を算出するためのコン
ピュータプログラムを記憶した記憶媒体であって、上記
工作機械の駆動状態を検出する駆動状態検出処理と、該
駆動状態検出処理により検出された駆動状態に基づき、
上記工作機械の熱変位量を算出する変位量算出処理と、
上記駆動手段による上記加工手段または上記被加工物の
加減速回数、または、上記加工手段が使用する工具の交
換回数を、上記工作機械の使用度合として検出する使用
度合検出処理と、該使用度合検出処理により検出された
使用度合に基づき、上記変位量算出処理によって算出さ
れる熱変位量を補正する変位量補正処理と、を実行させ
るコンピュータプログラムを記憶したことを特徴とす
る。
【0029】本発明の記憶媒体はこのように構成されて
いるので、工作機械に接続されたコンピュータ等の制御
手段に、本発明に記憶されたコンピュータプログラムを
実行させれば、請求項1記載の駆動状態検出手段、変位
量算出手段、使用度合検出手段、及び変位量補正手段に
相当する駆動状態検出処理、変位量算出処理、使用度合
検出処理、及び変位量補正処理を実行させることができ
る。従って、本発明に記憶されたコンピュータプログラ
ムを上記制御手段に実行させれば、請求項1記載の発明
と同様の効果が生じる。また、本発明に記憶された各処
理のプログラムに、請求項2,3,4,5,6,または
記載の発明に限定した要件を付加すれば、上記制御手
段にそれを実行させたとき、対応する請求項2,3,
4,5,6,または記載の発明と同様の効果が生じ
る。
【0030】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例を図面を参
照して説明することにより、発明の実施の形態を具体的
に説明する。
【0031】
【実施例】本実施例の工作機械のメカニカルな構成は従
来例として図14及び図15に示したものと同じである
ので、これらを使用して工作機械10のメカニカルな構
成の説明は省略する。
【0032】図1は、第1実施例としての工作機械10
の制御系の構成を表すブロック図である。図1に示すよ
うに、この制御系は、主軸28の回転を制御するための
主軸制御系50、主軸28のZ軸位置を制御するための
Z軸制御系60、この制御系の中枢となる本発明の工作
機械の熱変位量算出装置としてのマイコン部70、操作
パネル22、及びテーブル14のX軸位置を制御するた
めのX軸制御系(図示略)やテーブル14のY軸位置を
制御するためのY軸制御系(図示略)等から構成されて
いる。
【0033】主軸制御系50は、主軸モータ30、主軸
モータ30に電力を供給するための主軸サーボアンプ5
2、及び主軸サーボアンプ52の供給電力を制御するた
めの軸制御回路54からなり、軸制御回路54はマイコ
ン部70のCPU72からの指示に従って主軸サーボア
ンプ52の動作を制御する構成である。Z軸制御系60
は、Z軸モータ38、Z軸モータ38に電力を供給する
ためのZ軸サーボアンプ62及びZ軸サーボアンプ62
の供給電力を制御するための軸制御回路64からなり、
軸制御回路64はマイコン部70のCPU72からの指
示に従ってZ軸サーボアンプ62の動作を制御する構成
である。また、図示を省略したX軸制御系及びY軸制御
系も、これら主軸制御系50並びにZ軸制御系60とほ
ぼ同様の構成である。
【0034】マイコン部70は、制御プログラム等を格
納しているROMや入出力ポート等を内蔵するワンチッ
プ型のCPU72、RAM74及び時計76等からな
り、周知のマイクロコンピュータとして構成されてい
る。このマイコン部70(厳密にはCPU72)は、制
御プログラムに従って主軸制御系50、Z軸制御系60
等を制御して、ワークに所定の加工を施させるものであ
る。また、マイコン部70は操作パネル22に接続され
ており、マイコン部70は、操作パネル22からの入力
信号を取得したり、操作パネル22に信号を送って操作
パネル22の液晶ディスプレイの画像や文字の表示を制
御することやLEDの点滅を制御すること等ができる。
【0035】RAM74は、周知のようにCPU72の
ワークエリアとなるが、本実施例では、このRAM74
上に図2に示される構成のピッチ誤差補正テーブルが設
けられている。このピッチ誤差補正テーブルは、例えば
ボールネジ機構36の駆動誤差を補正するためのテーブ
ルである。
【0036】Z軸移動を受け持つボールネジ機構36
は、製造公差等によりボールネジ34の回転量とナット
部32の移動量(すなわち主軸28のZ軸方向移動量)
との誤差が避けられないので、それを補正する必要があ
る。そこで適当な数の補正ポイントを設定し(ボールネ
ジ34の長さが500mmで20mm毎に補正するとす
れば、補正ポイントは25箇所となる。)、その補正ポ
イント毎にボールネジ34の回転による移動量の計算値
と実測値との誤差を求め、その誤差に相当するボールネ
ジ34の回転量(ピッチ)をピッチ誤差補正テーブルに
書き込んでおき、各補正ポイント毎にそのピッチ分だけ
ボールネジ34を正あるいは逆回転させることによって
主軸28のZ軸位置を正確ならしめている。X軸及びY
軸についても同様である。
【0037】時計76は、いわゆる電子時計であって、
年月日時刻を算出してそのデータをCPU72に送るこ
とができる。なおCPU72は、一定の周期例えば1/
1000秒毎にカウント値をインクリメントするカウン
タを内蔵していて、そのカウンタを使用することによ
り、例えばある加工の開始から終了までの所要時間のよ
うな、経過時間を計測することもできる。
【0038】さて、この工作機械10を駆動すると、例
えばそのZ軸方向に、ボールネジ34の膨張等によって
熱変位が発現する。そこで、CPU72は、その熱変位
を補正しつつ加工プログラムを実行するため、図3の熱
変位量算出処理を実行している。なお、CPU72は、
電源投入後この熱変位量算出処理を所定タイミングで割
り込み処理として実行し、加工プログラムの実行等によ
って発現する熱変位量を算出している。
【0039】図3に示すように、CPU72は処理を開
始すると、先ず、S1(Sはステップを表す:以下同
様)にて、電源OFFの間の移動距離を0と見なす処理
を行う。後述のように、過去に熱変位量が算出されてそ
の影響が現在も残存している場合、その影響を考慮して
工作機械10の熱変位量を算出する必要がある。また、
このような熱変位量は、工場の休憩時間等に工作機械1
0の電源が一時的にOFFされた後にも残存している場
合がある。そこで、このS1では、電源がOFFされて
いた間における主軸28のZ軸方向の移動距離を0とす
るのである。
【0040】続くS2では、時計76の出力に基づき、
所定のサンプリングタイム(a分間隔とする)となった
か否かを判断する。そして、サンプリングタイムでなけ
れば(S2:NO)そのまま待機し、サンプリングタイ
ムであれば(S2:YES)S3へ移行する。S3で
は、加工プログラムの実行状態等から工作機械10の駆
動状態を検出し、それに基づいてサンプリングタイム間
における主軸28のZ軸方向の移動距離を算出する。そ
の後、S4へ移行し、飽和熱変位量としての最大変位量
Lを次のように算出する。
【0041】工作機械10の駆動を続けることによって
温度が上昇すると、やがて発熱量と放熱量とが均衡す
る。このときの熱変位量が最大変位量Lである。本願出
願人は、工作機械10の駆動状態(例えば、主軸28の
単位時間当たりの平均移動距離)と、その駆動状態を続
けた場合における工作機械10の最大変位量Lとの間に
は、比較的再現性のよい対応関係があることを発見し
た。工作機械10を一定の状態で駆動し続けた場合、最
大変位量Lは、主軸28の単位時間当たりの平均移動距
離に対して図4に示す対応関係を有する。図4に示すよ
うに、平均移動距離が増加するに従って最大変位量Lも
増加する。また、この対応関係は、平均移動距離が所定
値以上となると傾きがなだらかになる折れ線グラフによ
って表される。これは、主軸28が高速で移動すると、
空冷効果によって放熱量が増加し、熱変位が抑制される
ためである。S4では、S3にて算出した移動距離を単
位時間当たりの平均移動距離(ここではmm/min)に換算
し、図4のマップを参照して対応する最大変位量Lを算
出するのである。なお、図4のマップは、数式やデータ
テーブルの形態でCPU72に格納されてもよい。
【0042】続くS5では、上記サンプリングタイム間
のATC回数(ATCマガジン16による工具の交換回
数)、及び、そのサンプリングタイム間における主軸2
8のZ軸方向への加減速回数を、加工プログラムの実行
状態等から検出する。続いて、S6へ移行し、S5にて
検出されたATC回数及び加減速回数に基づき、S4に
て算出された最大変位量Lを補正する。工作機械10の
Z軸方向の熱変位量は、上記工具の交換や加減速が頻繁
に行われるほど大きくなる。従って、S5にて検出され
たATC回数及び加減速回数が大きいほど、その状態が
継続された場合の最大変位量Lも大きくなる。そこで、
このS6では、ATC回数及び加減速回数に基づいて最
大変位量Lを補正するのである。本実施例では、この補
正の方式として以下に示す方式A,Bを備えており、オ
ペレータが操作パネル22を操作することによって所望
の方式を選択することができる。
【0043】方式A: ATC回数1回につき0.5μm、加減速回数1回につ
き0.2μmを最大変位量Lにそれぞれ加算する。例え
ば、最大変位量Lが20μmで、サンプリングタイム間
のATC回数及び加減速回数がそれぞれ10回及び20
回であった場合、補正後の最大変位量Lは、20+0.
5×10+0.2×20=20+5+4=29μmとな
る。
【0044】方式B: ATC回数1回につき1%、加減速回数1回につき0.
8%、最大変位量Lを増量する。例えば、最大変位量L
が20μmで、サンプリングタイム間のATC回数及び
加減速回数がそれぞれ10回及び20回であった場合、
補正後の最大変位量Lは、20+20×0.01×10
+20×0.008×20=20+2+3.2=25.
2μmとなる。
【0045】続くS7では、次のようにしてサンプリン
グタイム間の熱変位量lを算出する。図5に例示するよ
うに、最大変位量がL1aであった場合、工作機械10駆
動中の熱変位量lは、直線l=L1aに対する漸近線10
2を描く。また、熱変位量lが最大変位量L1aに達した
後(図5ではt=8hourの時点)、工作機械10を
停止すると、熱変位量lは直線l=0に対する漸近線1
04を描く。ここで、漸近線102は、 l=L1a・{1−exp(−γt)} ……(1) で、漸近線104は、 l=L1a・exp(−γt) ……(2) で、それぞれ表される。但し、γは工作機械10固有の
定数であり、t及びlの単位はそれぞれhour,μm
である。従って、この式より、工作機械10の駆動開始
後a分後の熱変位量l1aは、 l1a=L1a・{1−exp(−γ・a/60)} となる。また、工作機械10停止後a分後の熱変位量l
-1a は、 l-1a =L1a・exp(−γ・a/60) となる。S7では、S6による補正後の最大変位量Lに
基づき、主に式(1)を用いてサンプリングタイム間の
熱変位量lを算出する。更に、続くS8では、後述の保
持時間以内の熱変位量lを加算して、次のように総熱変
位量を算出した後、S2へ移行して次のサンプリングタ
イムまで待機する。
【0046】本実施例では、サンプリングタイム間の移
動距離,ATC回数,及び加減速回数に基づいて熱変位
量lを算出した場合(S3〜S7)、熱変位量lはその
後式(2)に従って減少するものと考える。すなわち、
図6(A)に曲線201で例示するように、時刻0から
時刻1aまでの間の移動距離に基づいて算出された熱変
位量l1aの時刻1aにおける値l1a-1は、前述のよう
に、 l1a-1=L1a・{1−exp(−γ・a/60)} となる。但し、L1aは時刻1aのサンプリングタイムに
て算出・補正された最大変位量である。時刻2aにおけ
る熱変位量l1aの値l1a-2は、式(2)より、 l1a-2=l1a-1・exp(−γ・a/60) 以下同様に、時刻3a,時刻4aにおける熱変位量l1a
の値l1a-3,l1a-4は、 l1a-3=l1a-1・exp(−γ・2a/60) l1a-4=l1a-1・exp(−γ・3a/60) となる。同様に、時刻1aから時刻2aまでの間の移動
距離,ATC回数,及び加減速回数に基づいて最大変位
量L2aが算出されたとすると、それに対応する熱変位量
2aは図6(B)に曲線202で例示するように変化
し、その時刻2a,3a,4aにおける値l2a-1,l
2a-2,l2a-3は、それぞれ、 l2a-1=L2a・{1−exp(−γ・a/60)} l2a-2=l2a-1・exp(−γ・a/60) l2a-3=l2a-1・exp(−γ・2a/60) となる。S8では、このようにして算出された熱変位量
1a,l2a,……のその時刻における値を加算して総熱
変位量を算出するのである。例えば、時刻1a,2a,
3a,4a,5a,……のサンプリングタイム間の移動
距離,ATC回数,及び加減速回数に基づいて、図6
(C)に曲線201,202,203,204,20
5,……で例示する熱変位量lが算出されたとすると、
S8で算出される総熱変位量は、図6(C)に曲線20
0で例示するように変化する。
【0047】また、各時刻で算出された熱変位量lは、
前述のように時間の経過に伴って減少するので、S7に
て算出してから所定の時間(例えば120分)を経過し
た熱変位量lが総熱変位量に及ぼす影響は無視すること
が可能となる。そこで、CPU72は、上記所定の時間
を保持時間としてROMに記憶しており、保持時間以内
に算出された熱変位量lについてのみ上記加算を行って
総熱変位量を算出している。このため、S8の処理で加
算しなければならない熱変位量lの個数は、120/a
+1以下の自然数に押さえられ、その算出処理に関わる
負担を小さくすることができる。従って、その処理に関
わるソフト構成等を簡略化すると共に処理速度を向上さ
せることができる。
【0048】また、CPU72は、各時刻で算出された
熱変位量lを、それを算出した時刻と対応づけてRAM
74のテーブルに記憶しており、その記憶内容を電源O
FFの間にも、図示しないバックアップ電源により保持
している。このため、電源が一旦OFFされて再びON
されたときには、S1にて電源OFFの間の移動距離を
0(従って熱変位量lも0)と見なすと共に、S8へ移
行して、前回の電源ONの期間中に算出された熱変位量
lの内、算出されてから保持時間を経過していないもの
の影響を加算して総熱変位量を算出することができる。
【0049】以上説明したように、本実施例のマイコン
部70では、サンプリングタイム間の移動距離に基づい
て最大変位量Lを算出し、その最大変位量Lと工作機械
10の駆動時間とに基づいて工作機械10の熱変位量l
を算出している。しかも、熱変位量lの算出に先だっ
て、最大変位量LをATC回数及び加減速回数に基づい
て補正している。このため、マイコン部70では、工作
機械10の使用度合(ATC回数及び加減速回数)に応
じて、正確かつ容易に熱変位量lを算出することができ
る。また、最大変位量Lを算出する際に参照した図4の
マップは、移動距離(すなわち移動速度)が大きい領域
では傾きがなだらかになる折れ線形状を呈している。こ
のため、空冷効果の影響を考慮して、最大変位量Lをき
わめて正確に算出することができる。
【0050】また、マイコン部70では、移動距離の算
出、及びATC回数,加減速回数の検出をサンプリング
タイム毎に定期的に実行し、その時点で算出または検出
された移動距離,ATC回数,及び加減速回数に基づい
て最大変位量L及び熱変位量lを算出し、更に算出後の
熱変位量lに過去に算出された熱変位量lの影響を加算
している。このため、各時刻における工作機械10の駆
動状態及び使用度合に応じて、総熱変位量をきわめて正
確に算出することができる。従って、工作機械10を高
速で駆動するステップと低速で駆動するステップ、また
は、工具の交換や主軸28の加減速を頻繁に行うステッ
プとそうでないステップとが加工プログラムに含まれて
いても、各時刻における総熱変位量をきわめて正確に算
出することができる。
【0051】また、マイコン部70では、上記移動距
離,ATC回数,及び加減速回数を随時算出または検出
して総熱変位量を算出しているので、加工プログラムが
変更された否かに関わらず、前述のように正確かつ容易
に総熱変位量を算出することができる。なお、上記実施
例において、主軸28が加工手段に、ボールネジ機構3
6及びZ軸モータ38が駆動手段に、CPU72内のR
OMが保持時間記憶手段に、CPU72が駆動状態検出
手段,変位量算出手段,使用度合検出手段,変位量補正
手段,及び変位量加算手段に相当し、CPU72の処理
の内、S3が駆動状態検出手段に、S4及びS7が変位
量算出手段に、S5が使用度合検出手段に、S6が変位
量補正手段に、S8が変位量加算手段に、それぞれ相当
する処理である。
【0052】次に、本発明の第2実施例を説明する。図
7は、第2実施例としての工作機械10の制御系の構成
を表すブロック図である。なお、本実施例の工作機械1
0もメカニカルな構成は従来例と同じであり、制御系の
構成は次の点で第1実施例と異なる。すなわち、図7に
示すように、マイコン部70は前述の構成に加えてイン
タフェース(I/F)78を備えており、このインタフ
ェース78を介してパソコン80に接続されている。パ
ソコン80は、制御プログラム等を格納しているROM
や入出力ポート等を内蔵するワンチップ型のCPU8
2、RAM84、時計86、及びマイコン部70と接続
されるインタフェース(I/F)88等からなり、周知
のマイクロコンピュータとして構成されている。また、
パソコン80には、キーボード91及びCRT92も接
続されている。この制御系では、加工プログラムに基づ
いて、マイコン部70が工作機械10を制御しており、
マイコン部70からパソコン80へは主軸28の移動距
離等、総熱変位量の算出に必要なデータが送信される。
また、パソコン80は後述する熱変位量算出処理を行
い、算出した総熱変位量をマイコン部70へ送信する。
すると、マイコン部70は、送信された総熱変位量に基
づき、補正を行いつつ上記加工プログラムを実行する。
【0053】図8は、パソコン80(厳密にはCPU8
2)が実行する熱変位量算出処理を表すフローチャート
である。なお、CPU82は、工作機械10の電源の状
態を監視しており、その電源がONされると図8の処理
を所定タイミングで繰り返し実行する。図8に示すよう
に、この熱変位量算出処理は、図3に示した熱変位量算
出処理と殆ど同じであるので、異なる部分についてのみ
説明する。
【0054】S3に代えて実行されるS3aでは、移動
距離をCPU82が自ら算出するのではなく、マイコン
部70から送信される移動距離を読み込む。S5に代え
て実行されるS5aでは、ATC回数,加減速回数をC
PU82が自ら検出するのではなく、マイコン部70か
ら送信されるATC回数,加減速回数を読み込む。更
に、S8に代えて実行されるS8aでは、総熱変位量を
S8と同様に算出した後、その総熱変位量をマイコン部
70に送信する。その他の処理は第1実施例と同様であ
るので、図3で使用した符号をそのまま使用して詳細な
説明を省略する。
【0055】このように構成された本実施例でも、第1
実施例とほぼ同様の作用・効果が生じる。なお、本実施
例でもCPU82は、各時刻で算出された熱変位量l
を、それを算出した時刻と対応づけてRAM84のテー
ブルに記憶するが、この記憶内容は必ずしもバックアッ
プしなくてもよい。これは、工作機械10の電源をOF
Fしてもパソコン80の電源をONに保持しておけば、
記憶内容は消失しないからである。また、本実施例で
は、インタフェース88を介して接続される工作機械1
0を変更すれば、一つのパソコン80によって複数の工
作機械10に対する総熱変位量の算出を行うことができ
る。
【0056】以上、実施例を挙げて本発明を説明した
が、本発明は上記実施例になんら限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施
することができる。例えば、上記実施例では、主軸28
のZ軸方向の移動距離から工作機械10のZ軸方向の熱
変位量を算出しているが、主軸28が回転すると主軸2
8自身に熱変位が発現する。そこで、主軸モータ30の
回転量を移動距離として算出して、その移動距離からZ
軸方向の熱変位量を算出してもよい。また、図3または
図8の処理によって算出された前述の総熱変位量に、主
軸28の回転量から算出した熱変位量を加算して、工作
機械10全体としてのZ軸方向の熱変位量を算出しても
よい。この場合、Z軸方向の熱変位量を一層正確に算出
することができる。更に、本発明はワークを移動させる
機構に適用してもよい。
【0057】また、最大変位量Lを求めるためのマップ
は図4のものに限定されるものではなく、図9(A)に
例示するように3種類以上の傾きを有する折れ線で形成
してもよく、図9(B)に例示するように曲線で形成し
てもよく、更に必要に応じて、平均移動距離の大きい部
分で傾きが急になるようなマップを使用したり、多数段
の曲線でマップを構成したりしてもよい。また更に、こ
れらのマップも前述のように、数式やデータテーブルで
構成してもよい。
【0058】また、過去に算出された熱変位量lの影響
を加算する形態も種々考えられ、例えば、図10に例示
する形態を採用してもよい。図10では、時刻1aで算
出された熱変位量l1 を起点として、時刻2aにおける
熱変位量l2 を算出するための曲線を描き、こうして算
出された熱変位量l2 を起点として、時刻3aにおける
熱変位量l3 を算出するための曲線を描いている。
【0059】ここで、時刻1a,2a,3aで算出され
る最大変位量は、L1 ,L2 ,L3と変化している。熱
変位量l1 は前述の方法と同様に算出できるが、時刻2
a以降における熱変位量lは次のように算出することが
できる。例えば、時刻2aにおける熱変位量l2 を算出
するには、最大変位量L2 に対応した前述の式(1) l=L2 ・{1−exp(−γt)} よりl=l1 となるtの値tl1を求め、時刻2aはその
a分後の時刻と外挿して l2 =L2 ・[1−exp{−γ(tl1+a/60)}] とするのである。このような算出方法を採用しても、前
述の算出方法(図6)と同様の作用・効果が生じる。但
し、前述の算出方法では、一時的に誤ったデータが入力
されても、少なくとも120分後にはその影響が排除さ
れるといった効果が生じる。
【0060】更に、工作機械10の熱変位量には、主軸
28の移動距離や駆動時間,ATC回数,加減速回数の
他、種々の条件が影響を及ぼす。例えば朝等の気温が比
較的低いとき等では工作機械10の温度上昇が緩やかに
なり、算出された総熱変位量と実際の熱変位量との誤差
が無視できない程度になることもある。そこで、例えば
図3のS8を図11のように変更し、各種調整を行える
ようにしてもよい。
【0061】すなわち、S81では、S8と同様に総熱
変位量を算出する。続くS82では、CPU72は、S
81で算出した総熱変位量に対する調整の要否を判断す
る。この要否判断は、(1)操作パネル22を介して調
整値が入力されている、(2)時刻に対応して設定され
た調整値がある、(3)環境温度に対応して調整値を使
用する必要がある、等の条件が成立しているか否かによ
ってなされる。条件が成立していれば、調整要(S8
2:YES)であり、S83にて総熱変位量に調整値を
加算あるいは減算して調整する。一方、調整不要(S8
2:NO)であれば、S81にて算出された総熱変位量
をそのまま保持してS2(図3)の処理へ移行する。す
なわち、S83は変位量調整手段に相当する処理であ
る。
【0062】この場合、例えば、調整値を時刻に対応し
て定めれば、1日の時間帯(朝、昼、夜等)に応じて、
算出された総熱変位量と実際の熱変位量との誤差を自動
的に解消することができる。従って、時刻に関わらず常
に正確な総熱変位量を算出することができる。また、調
整値を工作機械10の環境温度に対応して定めれば、工
作機械10が設置されている場所の気温すなわち環境温
度に応じて、算出された総熱変位量と実際の熱変位量と
の誤差を自動的に解消することができる。従って、環境
温度に関わらず常に正確な総熱変位量を算出できる。な
お、図3のS7,図8のS7またはS8aをこのように
変更しても同様の効果が生じる。
【0063】また更に、上記実施例では、所定時間毎
(サンプリングタイム毎)に熱変位量を算出している
が、工作機械10の所定駆動量毎に算出してもよい。こ
の例を図12のフローチャートを用いて説明する。な
お、図12のフローチャートは、第1実施例の制御系に
適用される処理を表しており、第2実施例に適用される
処理は、図8で行った置換と同様の置換を行うことによ
って与えられる。
【0064】電源が投入されてCPU72が処理を開始
すると、先ずS11にて、S1と同様に電源OFFの間
の移動距離を0と見なす。続くS13では、工作機械1
0の駆動状態を検出し、それに基づいて主軸28が単位
距離移動したか否かを判断する。単位距離移動していな
い場合は(S13:NO)、S15へ移行してサンプリ
ングタイムとなったか否かを判断し、サンプリングタイ
ムでなければ(S15:NO)前述のS13へ移行す
る。ここで、本処理におけるサンプリングタイムは充分
に長く設定されており、通常は、サンプリングタイムと
なる前に主軸28が単位距離移動して(S13:YE
S)S17へ移行する。S17では、S13及びS15
で形成されたループ処理を継続した時間、すなわち主軸
28が単位距離移動するのに要した経過時間を算出し、
S19にてその経過時間に対応する最大変位量Lを図1
3のマップを参照して算出する。経過時間は前述の平均
移動距離のほぼ逆数となるので、図13のマップと図4
のマップとは傾きが逆になる。
【0065】続くS21,23では、S5,S6と同様
に、最大変位量LをATC回数,加減速回数に応じて補
正する。更に、続くS25,S27では、S7,S8と
同様に、熱変位量lを算出した後それを加算して総熱変
位量を算出する。また、S13,S15のループ処理を
継続する間にサンプリングタイムとなった場合(S1
5,YES)、この場合は主軸28が殆ど停止している
と考えられる。そこで、この場合はその間の熱変位量l
を0と見なして(S29)、総熱変位量の算出を行う
(S27)。
【0066】このような処理を行っても、上記実施例と
同様に正確な総熱変位量を算出することができる。ま
た、本処理では、主軸28が単位距離移動する毎に総熱
変位量を算出しているので、主軸28の移動速度が速い
ほど頻繁に総熱変位量を算出することができる。従っ
て、主軸28の移動速度の変化が激しい場合にも、きわ
めて正確に総熱変位量を算出することができる。また、
主軸28が殆ど停止している場合には上記サンプリング
タイム毎に総熱変位量を算出するので、装置の信頼性を
一層向上させることができる。
【0067】更に、工作機械10の駆動状態としては、
上記のものも含めて如何なる駆動状態を検出してもよ
く、その駆動状態に基づいて熱変位量を算出する形態も
種々考えられる。例えば、飽和熱変位量の概念を用いな
い形態も考えられる。また、上記実施例では、ATC回
数及び加減速回数に基づいて最大変位量L(飽和熱変位
量)を補正しているが、その他のパラメータを補正して
もよい。
【0068】例えば、ATC回数及び加減速回数に応じ
た補正を行うことなく一旦総熱変位量を算出し、その総
熱変位量に応じた補正を行いつつ加工プログラムを実行
する際に、ATC回数及び加減速回数に応じた補正を上
記総熱変位量に加えてもよい。この場合、更に次のよう
な実施の形態も考えられる。すなわち、主軸28の加減
速は実際にワークに加工しているときにカウントされる
ことが多い。従って、Z軸の低い位置において加減速が
頻繁に行われる。そこで、加減速回数に応じた補正は、
Z軸の低い箇所で補正値を多めにし、高い箇所では少な
目にするのである。この場合も、ワークの加工精度をき
わめて良好に向上させることができる。
【0069】また更に、使用度合としては、ATC回数
または加減速回数のいずれか一方のみを検出しても
い。ATC回数及び加減速回数は種々ある使用度合の内
でも、工作機械の熱変位量に及ぼす影響が特に大きい。
上記実施例では、ATC回数及び加減速回数を使用度合
として検出し、それに基づいて最大変位量Lを補正して
いるので、上記総熱変位量を一層正確に算出することが
できる。更に、上記実施例では、図3,図8,図11,
または図12の処理を実行するためのプログラムをCP
U72または82のROMに記憶しているが、これらの
プログラムはフロッピディスクやCD−ROM等の記憶
媒体に記憶しておいてもよいことはいうまでもない。こ
の場合、一般のコンピュータ等、任意の制御手段に上記
処理を実行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例の工作機械の制御系の構成を表す
ブロック図である。
【図2】 その工作機械のピッチ誤差補正テーブルの構
成を表す説明図である。
【図3】 その工作機械のCPUが実行する熱変位量算
出処理を表すフローチャートである。
【図4】 最大変位量の算出に使用するマップの構成を
表す説明図である。
【図5】 最大変位量に対応した熱変位量の経時変化を
例示する説明図である。
【図6】 熱変位量から総熱変位量を算出する処理を例
示する説明図である。
【図7】 第2実施例の工作機械の制御系の構成を表す
ブロック図である。
【図8】 その工作機械に接続されたパソコンが実行す
る熱変位量算出処理を表すフローチャートである。
【図9】 最大変位量の算出に使用する他のマップの構
成を表す説明図である。
【図10】 熱変位量から総熱変位量を算出する他の処
理を表す説明図である。
【図11】 熱変位量算出処理の変形例を表すフローチ
ャートである。
【図12】 熱変位量算出処理の更に他の形態を表すフ
ローチャートである。
【図13】 その処理で最大変位量の算出に使用するマ
ップの構成を表す説明図である。
【図14】 実施例および従来例の工作機械の構成を表
す説明図である。
【図15】 実施例および従来例の工作機械の構成を表
す説明図である。
【符号の説明】
10…工作機械 14…テーブル 16…ATCマ
ガジン 20…本体 28…主軸 30…主軸モータ 36…ボール
ネジ機構 38…Z軸モータ 70…マイコン部 72,
82…CPU 74,84…RAM 76,86…時計 80
…パソコン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23Q 15/00 - 15/28 G05B 19/18 - 19/46

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加工物に加工を施すための加工手段
    と、該加工手段と被加工物との相対位置を変動させる駆
    動手段とを有する工作機械に装備され、該工作機械の熱
    変位量を算出する工作機械の熱変位量算出装置であっ
    て、 上記工作機械の駆動状態を検出する駆動状態検出手段
    と、 該駆動状態検出手段が検出した駆動状態に基づき、上記
    工作機械の熱変位量を算出する変位量算出手段と、上記駆動手段による上記加工手段または上記被加工物の
    加減速回数、または、上記加工手段が使用する工具の交
    換回数を、 上記工作機械の使用度合として検出する使用
    度合検出手段と、 該使用度合検出手段が検出した使用度合に基づき、上記
    変位量算出手段が算出する熱変位量を補正する変位量補
    正手段と、 を備えたことを特徴とする工作機械の熱変位量算出装
    置。
  2. 【請求項2】 上記変位量算出手段が、同様の駆動状態
    を続けた場合における上記工作機械の熱変位の最大値と
    しての飽和熱変位量を、上記工作機械の駆動状態に基づ
    いて算出し、その飽和熱変位量と上記工作機械の駆動時
    間とに基づいて上記熱変位量を算出すると共に、 上記変位量補正手段が、上記使用度合に基づいて上記飽
    和熱変位量を補正することを特徴する請求項1記載の工
    作機械の熱変位量算出装置。
  3. 【請求項3】 上記変位量算出手段及び上記変位量補正
    手段が所定時間毎または上記工作機械の所定駆動量毎に
    上記熱変位量を算出すると共に、 上記変位量算出手段及び上記変位量補正手段が以前に熱
    変位量を算出しているとき、その熱変位量の影響を上記
    変位量算出手段及び上記変位量補正手段が新たに算出し
    た熱変位量に加算して、現在の上記工作機械の熱変位量
    とする変位量加算手段を、 更に備えたことを特徴とする請求項1または2記載の工
    作機械の熱変位量算出装置。
  4. 【請求項4】 上記工作機械の熱変位量の影響が残存す
    る保持時間を記憶する保持時間記憶手段を、更に備え、 上記変位量加算手段が、上記変位量算出手段及び上記変
    位量補正手段が算出してから上記保持時間以上経過した
    熱変位量は無視して現在の上記熱変位量を算出すること
    を特徴とする請求項記載の工作機械の熱変位量算出装
    置。
  5. 【請求項5】 上記熱変位量に影響を及ぼす条件に対応
    して定められた調整値を、上記変位量算出手段または上
    記変位量加算手段によって算出された熱変位量に加算ま
    たは減算して上記工作機械の熱変位量とする変位量調整
    手段を、 更に備えたことを特徴とする請求項1〜のいずれかに
    記載の工作機械の熱変位量算出装置。
  6. 【請求項6】 上記調整値は時刻に対応して定められて
    いて、上記変位量調整手段は時刻に基づいて上記調整値
    を選択して使用することを特徴とする請求項記載の工
    作機械の熱変位量算出装置。
  7. 【請求項7】 上記調整値は上記工作機械の環境温度に
    対応して定められていて、上記変位量調整手段は該環境
    温度に基づいて上記調整値を選択して使用することを特
    徴とする請求項記載の工作機械の熱変位量算出装置。
  8. 【請求項8】 被加工物に加工を施すための加工手段
    と、該加工手段と被加工物との相対位置を変動させる駆
    動手段とを有する工作機械に対して使用され、該工作機
    械の熱変位量を算出するためのコンピュータプログラム
    を記憶した記憶媒体であって、 上記工作機械の駆動状態を検出する駆動状態検出処理
    と、 該駆動状態検出処理により検出された駆動状態に基づ
    き、上記工作機械の熱変位量を算出する変位量算出処理
    と、上記駆動手段による上記加工手段または上記被加工物の
    加減速回数、または、上記加工手段が使用する工具の交
    換回数を、 上記工作機械の使用度合として検出する使用
    度合検出処理と、 該使用度合検出処理により検出された使用度合に基づ
    き、上記変位量算出処理によって算出される熱変位量を
    補正する変位量補正処理と、 を実行させるコンピュータプログラムを記憶したことを
    特徴とする記憶媒体。
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