JP3362436B2 - 信号処理回路及び信号処理方法 - Google Patents

信号処理回路及び信号処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、R,G,B信号から2
つの色差信号(R−Y),(B−Y)を生成する信号処
理回路及び信号処理方法に関し、特に、3板CCDカメ
ラ信号処理に用いて好適な信号処理回路及び信号処理方
に関する。
【0002】
【従来の技術】3板CCDカメラ信号処理において、
R,G,Bの3原色信号から2つの色差信号、即ち(R
−Y),(B−Y)信号を生成する従来のクロママトリ
クス回路では、図4に示すように、R信号に対して掛け
算器41,42で別々の色差マトリクス係数(0.7,
−0.3)を掛け、G信号に対して掛け算器43で単一
の色差マトリクス係数(−0.59)を掛け、B信号に
対して掛け算器44,45で別々の色差マトリクス係数
(−0.11,0.89)を掛け、しかる後掛け算器4
1,43,44の各出力を加算器46で加算することに
よって(R−Y)信号を、また掛け算器42,43,4
5の各出力を加算器47で加算することによって(B−
Y)信号をそれぞれ得る構成となっていた。
【0003】このときの(R−Y),(B−Y)信号
は、
【数1】 (R−Y)=0.70R−0.59G−0.11B
【数2】 (B−Y)=−0.30R−0.59G+0.89B の構成比となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来のク
ロママトリクス回路では、3チャンネルのR,G,B信
号入力に対して直接色差マトリクス係数を掛けて(R−
Y),(B−Y)信号を生成する構成となっていたの
で、R,G,B信号に対して5個の掛け算器が必要であ
ることから、回路構成が複雑となり、かつ回路規模が大
きくなるという問題があった。さらに、従来回路では、
(R−Y),(B−Y)信号に対して色差ゲインを別々
に掛け、また色相(HUE)ゲインの補正については
R,G,Bの原色状態で補正するするように別回路で係
数を掛けていたので、さらに回路構成が複雑になってい
た。
【0005】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、回路規模の縮小化を
可能とした信号処理回路及び信号処理方法を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明による信号処理回路は、R,G,B信号から
(R−G),(B−G)信号を生成する第1の演算回路
と、この第1の演算回路から出力される(R−G),
(B−G)信号を同時化しかつ切り換えて点順次の(R
−G)/(B−G)信号として出力する回路と、この点
順次の(R−G)/(B−G)信号から点順次の(R−
Y)/(B−Y)信号を生成する第2の演算回路とを備
え、この第2の演算回路が、点順次の(R−G)/(B
−G)信号に基づく点順次の(B−G)/(R−G)信
号に対して第1の係数を掛ける第1の掛け算器と、この
第1の掛け算器の出力信号と前記点順次の(R−G)/
(B−G)信号とを加算して点順次の(R−Y)/(B
−Y)信号として出力する加算器と、この加算器から出
力される点順次の(R−Y)/(B−Y)信号に対して
第2の係数を掛ける第2の掛け算器とを有し、第1の係
数が色相ゲインの補正量に応じて可変であり、第2の係
数が色差ゲインの補正量に応じて可変である構成となっ
ている。
【0007】
【作用】R,G,B信号から(R−G),(B−G)信
号を生成し、この(R−G),(B−G)信号を同時化
しかつ切り換えて点順次の(R−G)/(B−G)信号
し、この点順次の(R−G)/(B−G)信号に対し
て色差マトリクス係数を掛けることによって点順次の
(R−Y)/(B−Y)信号を生成するに際して、点順
次の(B−G)/(R−G)信号に掛ける第1の係数
と、点順次の(R−Y)/(B−Y)信号に掛ける第2
の係数とを、色相ゲイン及び色差ゲインの各補正量に応
じてコントロールすることで、補正のための回路を別に
設けなくても、色相ゲイン及び色差ゲインを補正するこ
とができる。その結果、色相ゲイン及び色差ゲインを補
正可能な構成を採るに当たって回路規模をより小さくで
きる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図1は、本発明による一実施例のクロママ
トリクス回路が適用されたクロマ信号処理回路を示すブ
ロック図である。図において、R,G,Bの3原色信号
は、ホワイトバランス回路1R,1G,1Bで色調整が
行われ、さらにγ補正回路2R,2G,2Bでγ補正さ
れた後、ホワイトクリップ回路3R,3G,3Bに供給
される。ホワイトクリップ回路3R,3Bを経たR,B
信号は加算器4,5の各一入力となる。ホワイトクリッ
プ回路3Gを経たG信号は、インバータ6で反転されて
加算器4,5の各他入力となる。この加算器4,5及び
インバータ6によって、R,G,B信号から(R−
G),(B−G)信号を生成する演算回路が構成されて
いる。
【0009】すなわち、加算器4,5は、R,B信号と
インバータ6で反転されたG信号とを加算することによ
って(R−G),(B−G)信号を出力する。これら
(R−G),(B−G)信号は、例えば4fsc(fsc:
カラーサブキャリア周波数)のデータレートの信号とし
て帯域制限回路7に供給される。この帯域制限回路7で
は、4fscデータレートの(R−G),(B−G)信号
を同時化しかつ2fscデータレートの点順次の(R−
G)/(B−G)信号にするデシメイション(Decimatio
n)処理が行われると共に、ローパスフィルタ(L.P.
F)71にて信号帯域を十分に落とすフィルタリング処
理が行われる。ここで、デシメイション処理とは、信号
処理システム内でサンプリング周波数を降下させるため
の操作処理を言う。
【0010】帯域制限回路7から出力される点順次の
(R−G)/(B−G)信号は、直接セレクトスイッチ
8の一入力になるとともに、ローパスフィルタ9を経て
セレクトスイッチ8の他入力となる。セレクトスイッチ
8は、2入力のいずれか一方を選択することにより、各
々異なる出力帯域特性を持つ点順次の(R−G)/(B
−G)信号を出力することができる。セレクトスイッチ
8から出力される点順次の(R−G)/(B−G)信号
は、演算回路10に供給される。
【0011】この演算回路10は、点順次の(R−G)
/(B−G)信号に対して色差マトリクス係数を掛ける
ことによって点順次の(R−Y)/(B−Y)信号を生
成する回路である。ここでの(R−Y)/(B−Y)信
号は、
【数3】 (R−Y)=0.70(R−G)−0.11(B−G)
【数4】 (B−Y)=−0.30(R−G)+0.89(B−
G) の(R−G),(B−G)構成比で生成される。
【0012】図2は、演算回路10の一構成例を示すブ
ロック図である。同図において、点順次の(R−G)/
(B−G)信号は、信号処理回路21で(R−G)/
(B−G)の順番が入れ換えられて(B−G)/(R−
G)信号として掛け算器22に供給される。掛け算器2
2は、(B−G)信号に対して0.89の色差マトリク
ス係数を、(R−G)信号に対して0.70の色差マト
リクス係数を交互に掛ける処理を行う。一方、掛け算器
23には、点順次の(R−G)/(B−G)信号が直接
入力される。この掛け算器23は、(R−G)信号に対
して−0.30の色差マトリクス係数を、(B−G)信
号に対して−0.11の色差マトリクス係数を交互に掛
ける処理を行う。掛け算器22,23の各出力信号、即
ち点順次の(B−G)/(R−G)信号と点順次の(R
−G)/(B−G)信号とは加算器24で加算される。
これにより、加算器24の出力信号として、点順次の
(B−Y)/(R−Y)信号が得られることになる。
【0013】このように、R,G,B信号から(R−
G),(B−G)信号を生成し、この(R−G),(B
−G)信号を同時化しかつ切り換えて点順次の(R−
G)/(B−G)信号とし、信号帯域を十分に落とした
後に、点順次の(R−G)/(B−G)信号に色差マト
リクス係数を掛けて点順次の(R−Y)/(B−Y)信
号を生成することにより、回路構成が複雑で大規模とな
る掛け算器が2個で済むことになる。すなわち、R,
G,B信号に対して直接色差マトリクス係数を掛けるこ
とよって(R−G),(B−G)信号を生成していた従
来回路では掛け算器が5個必要であったのに対し、本構
成によれば、2個の掛け算器22,23で済むため、回
路構成を簡略化でき、回路規模を小さくできることにな
る。
【0014】図3は、演算回路10の他の構成例を示す
ブロック図である。本例における演算回路10は、色差
ゲイン及び色相ゲインの補正をも行い得るように構成さ
れている。すなわち、数3,数4の各式を変形すると、
【数5】 (R−Y)=0.70{(R−G)−0.16(B−G)}
【数6】 (B−Y)=0.89{(B−G)−0.34(R−G)} となり、色差マトリクス係数0.70及び0.89が色
差ゲインに、色差マトリクス係数0.16及び0.34
が色相ゲインにそれぞれ対応することになる。
【0015】図3において、点順次の(R−G)/(B
−G)信号は、加算器31の一入力になるとともに、デ
ータ入れ換え回路32で(R−G)/(B−G)の順番
が入れ換えられて(B−G)/(R−G)信号として掛
け算器33に供給される。掛け算器33は色相ゲインの
補正量に応じて係数が可変な構成となっており、その係
数の初期値として色相ゲインに関する理論上の色差マト
リクス係数0.16及び0.34が設定される。この初
期値は、色相ゲインの補正量に対応してコントロールさ
れることになる。そして、この掛け算器33において
は、(B−G)信号に対して色差マトリクス係数(−
0.16)を、(R−G)信号に対して色差マトリクス
係数(−0.34)を交互に掛ける処理が行われる。掛
け算器33を経た点順次の(B−G)/(R−G)信号
は加算器31の他入力となる。
【0016】加算器33は、点順次の(R−G)/(B
−G)信号と点順次の(B−G)/(R−G)信号とを
加算することにより、点順次の(R−Y)/(B−Y)
信号を出力する。この点順次の(R−Y)/(B−Y)
信号は掛け算器34に供給される。掛け算器34は色差
ゲインの補正量に応じて係数が可変な構成となってお
り、その係数の初期値として色差ゲインに関する理論上
の色差マトリクス係数0.70及び0.89が設定され
る。この初期値は、色差ゲインの補正量に対応してコン
トロールされることになる。そして、この掛け算器34
においては、(R−Y)信号に対して色差マトリクス係
数0.70を、(B−Y)信号に対して色差マトリクス
係数0.89を交互に掛ける処理が行われる。これによ
り、掛け算器34の出力信号として、色差ゲイン及び色
相ゲインの補正された点順次の(R−Y)/(B−Y)
信号が得られることになる。
【0017】このように、演算回路10を構成する2つ
の掛け算器33,34に十分なゲイン範囲を持たせ、こ
れら掛け算器33,34で色差マトリクス係数を掛ける
と同時にこれらの係数を色差ゲイン及び色相ゲインの各
補正量に応じてコントロールすることにより、色差ゲイ
ン及び色相ゲインの補正のための回路を別に設ける必要
がないので、回路規模を小さくできる。例えば、色差ゲ
イン及び色相ゲインの補正のための回路を(R−G),
(B−G)別々に2チャンネル持つ場合には、回路構成
が複雑で大規模となる掛け算器が4個必要となるのに対
し、本構成によれば2個で済むことになる。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
R,G,B信号から(R−G),(B−G)信号を生成
し、この(R−G),(B−G)信号を同時化しかつ切
り換えて点順次の(R−G)/(B−G)信号とし、こ
の点順次の(R−G)/(B−G)信号に色差マトリク
ス係数を掛けることによって点順次の(R−Y)/(B
−Y)信号を生成する構成としたことにより、R,G,
B信号に対して直接色差マトリクス係数を掛けることに
よって(R−Y),(B−Y)信号を生成していた従来
回路に比べて、少ない数の掛け算器で回路を構成できる
ので、回路構成の簡略化及び回路規模の縮小化が可能と
なる効果がある。
【0019】また、点順次の(R−G)/(B−G)信
号に色差マトリクス係数を掛けて点順次の(R−Y)/
(B−Y)信号を生成する掛け算器に十分なゲイン範囲
を持たせて色差マトリクス係数を掛けると同時に、これ
らの係数を色差ゲイン及び色相ゲインの各補正量に応じ
てコントロールするようにしたことにより、色差ゲイン
及び色相ゲインの補正のための回路を別に設ける必要が
ないので、回路規模をより小さくできることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一実施例のクロママトリクス回路
が適用されたクロマ信号処理回路を示すブロック図であ
る。
【図2】図1における演算回路の一構成例を示すブロッ
ク図である。
【図3】図1における演算回路の他の構成例を示すブロ
ック図である。
【図4】従来例を示すブロック図である。
【符号の説明】
4,5,24,31 加算器 7 帯域制限回路 9 ローパスフィルタ(L.P.F) 10 演算回路 21,32 データ入れ換え回路 22,23,33,34 掛け算器

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 R,G,B信号から2つの色差信号(R
    −Y),(B−Y)信号を生成する信号処理回路であっ
    て、 前記R,G,B信号から(R−G),(B−G)信号を
    生成する第1の演算回路と、 前記第1の演算回路から出力される(R−G),(B−
    G)信号を同時化しかつ切り換えて点順次の(R−G)
    /(B−G)信号として出力する回路と、 前記点順次の(R−G)/(B−G)信号から点順次の
    (R−Y)/(B−Y)信号を生成する第2の演算回路
    とを備え 前記第2の演算回路は、 前記点順次の(R−G)/(B−G)信号に基づく点順
    次の(B−G)/(R−G)信号に対して第1の係数を
    掛ける第1の掛け算器と、 前記第1の掛け算器の出力信号と前記点順次の(R−
    G)/(B−G)信号とを加算して点順次の(R−Y)
    /(B−Y)信号として出力する加算器と、 前記加算器から出力される点順次の(R−Y)/(B−
    Y)信号に対して第2の係数を掛ける第2の掛け算器と
    を有し、 前記第1の係数が色相ゲインの補正量に応じて可変であ
    り、前記第2の係数が色差ゲインの補正量に応じて可変
    である ことを特徴とする信号処理回路。
  2. 【請求項2】 R,G,B信号から(R−G),(B−
    G)信号を生成し、この生成したR−G),(B−G)
    信号を同時化しかつ切り換えて点順次の(R−G)/
    (B−G)信号とし、前記点順次の(R−G)/(B−
    G)信号から点順次の(R−Y)/(B−Y)信号を生
    成する信号処理方法であって、 前記点順次の(R−G)/(B−G)信号に基づく点順
    次の(B−G)/(R−G)信号に対して色相ゲインの
    補正量に応じて可変な第1の係数を掛け算し、 この第1の係数が掛けられた点順次の(B−G)/(R
    −G)信号と前記点順次の(R−G)/(B−G)信号
    とを加算して点順次の(R−Y)/(B−Y)信号を生
    成し、 前記点順次の(R−Y)/(B−Y)信号に対して色差
    ゲインの補正量に応じ て可変な第2の係数を掛ける こと
    を特徴とする信号処理方法。
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