JP3361888B2 - 凹凸化粧板の製造方法 - Google Patents

凹凸化粧板の製造方法

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JP3361888B2 JP16858194A JP16858194A JP3361888B2 JP 3361888 B2 JP3361888 B2 JP 3361888B2 JP 16858194 A JP16858194 A JP 16858194A JP 16858194 A JP16858194 A JP 16858194A JP 3361888 B2 JP3361888 B2 JP 3361888B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】この発明は、凹凸化粧板の製造方
法、特に、天然木の表面に表れる導管模様等を型取りし
た生産用型を用いて高い質感をもつ凹凸化粧板を製造す
るための製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の凹凸化粧板の製造方法としては、
特公昭64−1308号公報あるいは特開平4−119
847号公報等に記載されたものが知られる。前者の特
公昭64−1308号公報には、天然木表面をブラッシ
ングして春材部を凹部とし、凹部にパール顔料を含有す
る着色剤層を設けるものが記載される。また、後者の特
開平4−119847号公報には、天然木の突板表面の
導管模様を取り出してポリエステル樹脂表面に凹凸模様
として転写し、この凹凸模様の凹部に着色剤を充填する
ものが記載される。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
特公昭64−1308号公報に記載の製造方法にあって
は、自然木自体を化粧板とするため、物理的、化学的性
質にムラがあり、ブラッシング加工後の春材部の凹部の
形状や大きさ等が一枚毎に異なるため、木目模様の統一
性が得にくく、また、一枚毎にブラッシング加工をしな
ければならないので、大量生産に適さず、同一性のある
意匠的な面白さを演出できないという問題がある。ま
た、後者の特開平4−119847号公報に記載された
方法にあっても、天然木の導管模様が凹凸模様として表
れるに過ぎず意匠的な面白さを演出できないという問
題、さらに、凹凸模様を明瞭に表して高い質感を醸しだ
すことが困難であるという問題がある。この発明は、上
記問題に鑑みてなされたもので、天然木の物理的あるい
は化学的特性も凹凸模様として表して意匠的な面白みを
演出でき、また、大量生産にも適する凹凸化粧板の製造
方法を提供することを目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明に係る凹凸化粧板の製造方法は、天然木表
面の凹凸模様や導管模様を施した原稿の表面の凹凸模様
を型取りした生産用型を作成し、基板上に流動性樹脂を
流して該流動性樹脂上に前記生産用型を被せ、前記流動
性樹脂が硬化した後、前記生産用型を剥がして表面に前
記凹凸模様が転写された導管溝を有する半透明あるいは
不透明の凹凸樹脂層を基板上に形成し、該凹凸樹脂層の
導管溝に光輝性顔料を含む着色剤を目止め着色した化粧
紙の製造方法において、 前記光輝性顔料が二酸化チタン
被覆雲母を100部に対して、二酸化チタン被覆雲母を
還元して生成した低次酸化チタンをさらに二酸化チタン
で被覆した雲母箔を3部〜15部混入したものを用いた
ものである。 【0005】 【0006】 【作用】この発明の凹凸化粧板の製造方法によれば、突
板や天然木表面にブラシ等による擦過や薬品等による化
学処理を施して原稿を作成するため、原稿には導管模様
のみならず天然木等の物理的あるいは化学的特性をも凹
凸模様として表すこと、さらに、意匠的な要素も付加す
ることもできる。したがって、この原稿を基に作成した
生産用型を用いて凹凸化粧板を製造することで、凹凸化
粧板に意匠的な面白みを演出でき、また、高い質感を得
られる。またさらに、この製造方法では、凹凸樹脂層の
導管溝に光輝性顔料を含有した着色剤で目止め着色する
ため、導管溝、すなわち、導管模様を際立たせて表すこ
と、さらに、趣の異なる意匠的な演出等も可能となり、
より高い質感、商品価値を得られる。また特に、導管溝
の幅寸法を大きくすることで粒径の小さい光輝性顔料の
みならず、粒径の大きな光輝性顔料を含有した着色剤を
多量に導管溝に充填でき、優れた光輝特性を発揮させる
ことができる。 【0007】そして、この発明の凹凸化粧板の製造方法
は、凹凸樹脂層を不透明とすることで導管模様をより明
瞭に表すことができ、また、光輝性顔料として二酸化チ
タン被覆雲母と二酸化チタン被覆雲母を還元して生成し
た低次酸化チタンをさらに二酸化チタンで被覆した雲母
箔とを混合したものを用いることにより優れた光輝特性
を発揮させることができる。 【0008】 【実施例】以下、この発明の実施例を図面を参照して説
明する。図1から図4はこの発明の一実施例にかかる木
目化粧板製造用型の製造方法を説明するための図であ
り、図1が原形型を作製する際の状態を模式的に示す断
面図、図2が同複製用型を作製する際の状態を模式的に
示す断面図、図3が生産用型を作製する際の状態を模式
的に示す断面図、図4が同生産用型により製造された木
目化粧板の模式断面図である。 【0009】この実施例にあっては、原稿を作製し(原
稿の作製工程)、この原稿を基に原形型を形成し(原形
型の作製工程)、原形型から複製用型を作製し(複製原
稿の作製工程)、この複製用型からさらに生産用型を作
製し(生産型の作製工程)、この成形用型を用いて上記
木目化粧板を製造する(化粧板の生産工程)。以下、各
工程を各工程別に説明する。 【0010】(1) 原稿の作製工程 天然木や突板を原稿素材として、この原稿素材の表面を
ベルトサンダー等で研磨して生地調整(表面の平滑化処
理)を行い、次いで、原稿素材の表面を砥粒をコーティ
ングしたナイロンブラシで擦過する(擦過処理)。具体
的な一例としては、例えば、4mm厚の合板21に楢突板
(原稿)22を貼着し(図1参照)、この楢突板22
(以下、天然木で総称する)の表面を320番のサンデ
ィングペーパで研磨して平滑化処理を行った後に、この
平滑化処理した表面を砥粒をコーティングした電動式の
ナイロンブラシ、例えば、マキタ(株)製ホイールサン
ダーなどで擦過する。 【0011】ここで、上記ナイロンブラシで天然木22
の表面を擦過することで、天然木22表面には表面組織
の硬質部分と軟質部分との硬さの差に応じて軟質部が凹
となる凹凸模様、換言すれば、表面組織の硬さに応じた
凹凸模様が形成される。すなわち、平滑化処理では導管
以外の部分はほぼ平坦となるが、平滑化処理に続いて擦
過処理を行うことで平坦な部分にも組織の硬軟差(例え
ば、春材部と秋材部の差、繊維部とリグニンの差、髄線
の有無の差などに応じた硬軟差)に応じた凹部(凹凸模
様)22a(図1参照)が表れる。そして、この組織の
硬軟差に応じた凹凸模様22aが形成された天然木を原
稿として、次工程で原形型を作製する。 【0012】なお、上述した原稿の作製工程における擦
過処理は、上述した処理に限らず、次のような処理1〜
8によって代替することもでき、また、2つ以上の処理
を併せて行うことができる。 【0013】・処理1 平滑化処理の後、砥粒をコーティングしたナイロンブラ
シで擦って導管を掘り起こし、導管幅を深く、広くする
処理。 ・処理2 針葉樹のような導管が無い材の場合でも、上記ナイロン
ブラシで擦り、秋材部分や節のような硬質部と春材部分
のような軟質部との硬さの差に応じて軟質部分を凹とす
る硬軟差に応じた凹凸模様を形成する処理。 ・処理3 天然木表面の硬軟差に応じた凹凸模様とは別にナイロン
ブラシや金属ブラシ(粗さ80,100,240メッシ
ュ)で擦ることでブラシの動線に沿ったヘアーライン状
の凹部を形成する処理。 ・処理4 天然木表面を特殊な刃物で粗削りし、削り跡を残すよう
にした処理。 ・処理5 天然木表面に硫酸等の薬品を塗布して表面組織を劣化さ
せ、この後、金属製ブラシ等で表面を擦り硫酸による劣
化の差による凹凸模様を形成する処理。 ・処理6 天然木表面をバーナー等で焦がした後に金属製ブラシ等
で擦り、表面組織の加熱劣化の差に応じた凹凸模様を形
成する処理。 ・処理7 突板をアルミ板に貼り、ゴムシートを重ねて熱圧をかけ
突板組織の密度差に応じて凹凸模様を形成するようにし
た処理。 ・処理8 天然木の表面にサンドブラスト加工を施し、硬軟度に応
じた凹凸模様を形成する処理。 【0014】(2) 原形型の作製工程 この工程においては、図1に示すように、上記工程で作
製された楢突板22の表面、すなわち凹凸模様22aが
形成された面上にシリコーン樹脂(例えば、信越化学工
業株式会社製 KE1300T)31を0.1〜1.0
mmの厚さになるようできるだけ平らに塗り、このシリコ
ーン樹脂31を硬化させる。次いで、このシリコーン樹
脂31上にさらにシリコーン樹脂32を0.1〜1.0
mmの厚さになるようできるだけ平らに塗り、このシリコ
ーン樹脂32上に枠33に張設したシルクスクリーン用
ステンシル(例えば、テトロン製紗100メッシュ等)
34を被せる。ここで、ステンシル34は、その上側に
シリコーン樹脂32が滲み出してシリコーン樹脂32内
に沈み、シリコーン樹脂32内に埋没する。そして、シ
リコーン樹脂32が硬化してステンシル34とシリコー
ン樹脂31と一体に固着された時に、これらシリコーン
樹脂31,32およびステンシル34を楢突板22から
剥離して原形型30として用いる。この原形型30には
上述した楢突板22の凹凸模様22aが転写、すなわち
型取りされた凹凸模様31aが形成されている。 【0015】なお、上述した工程においては、シリコー
ン樹脂31上にステンシル34を被せてからシリコーン
樹脂32を塗布することも可能であり、また、ステンシ
ル34をシリコーン樹脂32上に被せた後にさらに3層
目のシリコーン樹脂を塗布することも可能である。 【0016】(3) 複製用型の作製工程 この工程においては、図2に示すように、厚さが2mm程
度のアルミ板、厚さが4.0〜5.5mm程度のMDFあ
るいは厚さが7〜10mm程度のパーティクルボード等か
らなる基材41にウレタン塗料系のプライマー層(例え
ば、カシュー(株) ストロン ストップシーラー5
号)43を塗布し、このプライマー層43を数時間乾
燥、半硬化させる。この後、プライマー層43上に不飽
和ポリエステル等の樹脂42を流して上記原形型30を
被せ、脱泡しつつ原形型30の裏面側からロール等で押
圧して樹脂を広げ、樹脂42を硬化させる。そして、硬
化後に、原形型30を剥がして基材41上の樹脂42に
原形型30の凹凸模様31aが転写された凹凸模様42
aを有する複製用型40を得、この複製用型40の傷や
泡などの欠陥を補修する。 【0017】(4) 生産用型の作製工程 この工程においては、図3に示すように、複製用型40
の表面に熱可塑性シート51を被せ、次いで、この熱可
塑性シート51を複製用型40に被せられた状態で熱可
塑性シート51に複製用型40の凹凸模様42aを熱プ
レスにより転写して生産用型50を得る。この生産用型
50はシート51の表面に複製用型40の凹凸模様42
aが転写された凹凸模様51aを有する。 【0018】なお、この工程では、上記原形型30の作
製と同様にして生産用型50を作製することも可能であ
る。すなわち、シリコーン樹脂の硬化触媒毒を遮断する
ために複製用型40の表面にバリヤコートを施した後、
シリコーン樹脂(例えば、信越化学工業株式会社製 K
E1300T)を1mm程度の厚さに塗布して乾燥硬化さ
せ、次いで、ステンシルを被せてさらにシリコーン樹脂
で被覆し、ステンシルをシリコーン樹脂内に埋没させ
る。そして、シリコーン樹脂が硬化した後に、ステンシ
ルと一体にシリコーン樹脂を複製用型40から剥がし、
樹脂に凹凸模様が形成された生産用型50を得る。 【0019】(5) 化粧板の生産工程 この工程では、図4に示すような化粧板を生産する。先
ず、基材11に接着剤12によって隠蔽紙13を貼着す
る。この基材11は厚さが2mm程度のアルミ板、厚さが
5mm程度のMDF(中密度繊維板)あるいは厚さが7〜
10mm程度のパーティクルボード等から、また、隠蔽紙
13は、チタン紙あるいは建材用薄紙、例えば、白チタ
ン紙(60g/m2 )が用いられ、下記の接着条件で接
着される。 接着条件 ・接着剤 CV−3105(コニシ(株)製) 又は、CVC−36(コニシ(株)製) ・塗布量 wet 6g/尺2 ナチュラルロールコーターを用いた塗工による ・温度 室温 ・圧力 5〜8kg/cm2 ・加圧時間 30分前後 【0020】そして、上記隠蔽紙13上に下記の組成の
材料から、ナチュラルロールコーターを用いた塗工によ
りプライマー層(下塗り層)14を被膜形成する。 プライマー層の材料 ・主剤 UV−28(ポリオール系)(玄々化学(株)製) 50部 ・硬化剤 CB−19(イソシアネート系)(玄々化学(株)製) 50部 ・着色顔料 PCNトナー(東京インキ(株)製) 20部〜50部 ・希釈剤 TU−40(玄々化学(株)製) 適量 【0021】次いで、このプライマー層14上に下記の
組成の流動性樹脂15を流し、この樹脂(層)15上に
上記生産用型50を被せ、生産用型50の上からロール
等で押圧して樹脂を延ばして基材11のプライマー層1
4上に広げる。 【0022】 流動樹脂の組成 ・不飽和ポリエステル樹脂 ゴーセラック 500B(日本合成化学(株)製) ゴーセラック 510A(日本合成化学(株)製) ゴーセラック 770 (日本合成化学(株)製) エスターR280(三井東圧化学(株)製)とエスターR1710(三井 東圧化学(株)製)とを1:1で混合したもの エスターCR211(三井東圧化学(株)製) 上記のいずれかを100部 ・硬化促進剤 ナフテン酸コバルト(6%) エスターEP400(三井東圧化学(株)製) エスターEP440(三井東圧化学(株)製) を0.5〜1.5部、およびのいずれかを0.3〜1.5部 ・硬化促進助剤 アセト酢酸メチル エスターEP440(三井東圧化学(株)製) のいずれかを0.1〜2.0部 ・硬化剤 パーメックN(日本油脂(株)製) パーメックH(日本油脂(株)製) のいずれかを1.0〜3.0部 ・着色顔料 PCNトナー(東京インキ(株)製) 5〜20部 なお、着色顔料は樹脂層とプライマー層とを同一色の構
成するため上述したプライマー層14と同一のものを用
いる。 【0023】そして、樹脂15が硬化した後に、生産用
型50を剥がす。ここで、樹脂層(凹凸樹脂層)15
は、プライマー層14と同一色の不透明で、その表面に
は生産用型50の凹凸模様51aが転写された凹凸模様
(導管溝、凹部)15aが形成される。なお、この樹脂
層15は有色半透明、有色透明、あるいは無色透明に構
成することも可能であるが、後述するワイピング層の目
止め樹脂との関連でより優れた美観を発揮するためには
半透明あるいは不透明が好ましい。 【0024】続いて、この樹脂層15の上面の凹部15
aに光輝性顔料を含む着色剤72を目止め充填してワイ
ピング塗料層16を形成する。この着色剤72は、光輝
性顔料として下記〜が用いられる。 シルバー系二酸化チタン被覆雲母のみ 虹彩系二酸化チタン被覆雲母のみ 二酸化チタン被覆雲母を還元して生成した低次酸化
チタンをさらに二酸化チタンで被覆した雲母箔 シルバー系二酸化チタン被覆雲母と、虹彩系二酸化
チタン被覆雲母とを混合したもの シルバー系二酸化チタン被覆雲母と、二酸化チタン
被覆雲母を還元して生成した低次酸化チタンをさらに二
酸化チタンで被覆した雲母箔とを混合したもの 虹彩系二酸化チタン被覆雲母と、二酸化チタン被覆
雲母を還元して生成した低次酸化チタンをさらに二酸化
チタンで被覆した雲母箔とを混合したもの そして、望ましくは、この光輝性顔料72は、二酸化チ
タン被覆雲母を100部に対して、二酸化チタン被覆雲
母を還元して生成した低次酸化チタンをさらに二酸化チ
タンで被覆した雲母箔を3〜15部程度混合したもの
で、粒径が5μm〜60μm程度のものが用いられる。 【0025】ただし、含有する光輝性顔料の種類は、シ
ルバー系二酸化チタン被覆雲母が白色系(光る白)の光
輝色彩効果を持つという特性、虹彩系二酸化チタン被覆
雲母が色の変化に富むという特性、二酸化チタン被覆雲
母を還元して生成した低次酸化チタンをさらに二酸化チ
タンで被覆した雲母箔が隠蔽性のある高い光輝性を発揮
するという特性を有するため用途等に応じて選択され、
また、その粒径も求められる光輝性の強さや導管溝の幅
寸法等に応じて適宜選択される。 【0026】具体的には、この実施例では光輝性顔料を
含む着色顔料72として下記のものを用い、この着色顔
料を凹部15a内にその延在方向(導管溝の流れ方向)
の一端に設けた耳から注ぎ込み、ゴムや金属からなるス
キージで他端側に向けて掻き取るようにして移動させ、
凹部15a内全域に充填する。 【0027】 着色顔料 ・主剤 ウレタンサンジング 16−25(ウレタン系) (ユニオンペイント(株)製 100部 ・硬化剤 コロネートL(日本ポリウレタン(株)製) タケネートD−110N(武田薬品(株)製) をいずれか5〜20部 ・光輝性顔料 シルバー系二酸化チタン被覆雲母 例えば、イリオジン100シリーズ(メルクジャパン(株)製) 虹彩系二酸化チタン被覆雲母 例えば、イリオジン200シリーズ(メルクジャパン(株)製) 二酸化チタン被覆雲母を還元して生成した低次酸化チタンをさらに二酸化 チタンで被覆した雲母箔 例えば、インフィニットカラー全種(資生堂(株)製) のいずれか、または、混合したものを1〜30部 【0028】そして、上記着色顔料72が乾燥した後
に、下記の組成の流動性樹脂を材料としてナチュラルロ
ールコーターを用いた塗工、あるいはスプレー塗装等の
方法で樹脂層15上にトップコート層17を形成する。 【0029】 流動性樹脂 ・不飽和ポリエステル樹脂 ゴーセラック 500B(日本合成化学(株)製) ゴーセラック 510A(日本合成化学(株)製) ゴーセラック 770 (日本合成化学(株)製) エスターR280(三井東圧化学(株)製)とエスターR1710(三井 東圧化学(株)製)とを1:1で混合したもの エスターCR211(三井東圧化学(株)製) 上記のいずれかを100部 ・硬化促進剤 ナフテン酸コバルト(6%)エスターEP400(三井東圧化学(株)製) エスターEP440(三井東圧化学(株)製) を0.5〜1.5部、およびのいずれかを0.3〜1.5部 ・硬化促進助剤 アセト酢酸メチル エスターEP440(三井東圧化学(株)製) のいずれかを0.1〜2.0部 ・硬化剤 パーメックN(日本油脂(株)製) パーメックH(日本油脂(株)製) のいずれかを1.0〜3.0部 ・着色顔料 PCNトナー(東京インキ(株)製) 5〜20部 【0030】上述のように、この実施例では、化粧板に
木目模様や導管模様のみならず、天然木の表面組織の硬
さ等の物理的性質や耐薬品性、難燃性等の組織の性質を
反映した凹凸模様(導管溝)15aが形成されるため、
木質感が強く表され、また、新たな質感がかもしださ
れ、美しく、商品価値の高い化粧板が生産できる。ま
た、この方法は、天然木を基に擦過等の処理を行い原稿
を作製し、この原稿から原形型を、原形型から複製用型
を、複製用型から生産用型を作製し、この生産用型から
化粧板を生産するため、1つの天然木、原稿から高級か
つ統一した品質の化粧板を大量に生産でき、コストの低
減が可能である。さらに、この製造された凹凸化粧板
は、樹脂層15の導管溝が光輝性顔料を有する着色剤7
2で目止め着色されて光輝性を有するため、より高い質
感、趣の異なる質感を醸しだすこと、また、光輝性顔料
の選択により意匠的な面白さを演出することもでき、よ
り高い商品価値が得られる。 【0031】なお、本発明によれば、図4に示す化粧板
のみならず、図5、図6、図7あるいは図8に示すよう
な化粧板を生産することも可能である。すなわち、図5
に示す化粧板は、シーラー層18がバインダーにワイピ
ング層16の光輝性顔料と異なる光輝性顔料を混合した
もの、あるいはさらに着色顔料を混合したもので樹脂層
15上に形成し、このシーラー層18上にワイピング塗
料層16を形成してトップコート層17で被覆して構成
される。 【0032】また、図6の化粧板は、樹脂層15にワイ
ピング塗料層16を形成し、これら樹脂層15とワイピ
ング塗料層16の上にシーラー層18を形成して構成さ
れる。さらに、図7の化粧板は、プライマー層14を設
けることなく隠蔽紙13に印刷を施してインク層19を
形成し、このインク層19を形成した隠蔽紙13上に透
明樹脂層15を設けたものである。またさらに、図8の
化粧板は、ワイピング塗料層16を設けた後、樹脂層1
5上およびワイピング塗料層16上に鏡面フィルム法に
より透明不飽和ポリエステル樹脂層(鏡面樹脂層)71
を形成し、樹脂層15を被覆するようにしたものであ
る。上述した図5,6,7,8の態様に関しては図4と
同一の部分には同一の番号を付して説明を省略してい
る。 【0033】 【発明の効果】以上説明したように、発明に係る凹凸
化粧板の製造方法は、天然木にブラシによる擦過や刃物
処理あるいは薬品の塗布等の処理を施して表面組織の硬
軟や耐薬品性に応じた凹凸模様を有する原稿、あるいは
導管模様を強調したり削り跡を残した原稿を作製し、次
いで、この原稿を基に生産用型を作製し、この生産用型
を基板上に流した樹脂に被せて樹脂が硬化した後に剥が
して導管模様が表面に転写された樹脂層を形成し、次
に、この樹脂層の導管溝を光輝性顔料を含有する着色剤
で目止め着色するため、木質感が強く表れ、また、新た
な質感をもつ化粧板を安価かつ大量に生産できる。 【0034】特に、発明に係る凹凸化粧板の製造方法
は、導管溝の幅寸法を大きくすることで粒径の小さい光
輝性顔料のみならず、粒径の大きな光輝性顔料を含有し
た着色剤を多量に導管溝内に充填でき、より優れた光輝
特性を発揮させることができる。 【0035】そして、発明に係る凹凸化粧板の製造方
法は、凹凸樹脂層を不透明とすることで導管模様をより
明瞭に表すことができ、また光輝性顔料として、二酸
化チタン被覆雲母と二酸化チタン被覆雲母を還元して生
成した低次酸化チタンをさらに二酸化チタンで被覆した
雲母箔とを混合したものを用いることで、後者の雲母箔
が隠蔽性と高い光輝性とを有するので、全ての角度から
目止め層を見ることができる(視野角を広くできる)。
【図面の簡単な説明】 【図1】この発明の一実施例にかかる凹凸化粧板の製造
方法において原形型の製造を説明するための模式断面図
である。 【図2】同製造方法において複製用型の製造を説明する
ための模式断面図である。 【図3】同製造方法において生産用型の製造を説明する
ための模式断面図である。 【図4】同製造方法により製造された木目化粧板の模式
断面図である。 【図5】同製造方法により製造された木目化粧板の他の
態様の模式断面図である。 【図6】同製造方法により製造される木目化粧板のまた
他の態様を表す模式断面図である。 【図7】同製造方法により製造される木目化粧板のさら
に他の態様を表す模式断面図である。 【図8】同製造方法により製造される凹凸化粧板のまた
さらに他の態様を表す模式断面図である。 【符号の説明】 11 基材 13 紙 14 プライマー層 15 樹脂層(凹凸樹脂層) 15a 凹凸模様(導管溝) 16 ワイピング塗料層 17 トップコート層 18 シーラー層 19 インク層 21 合板(基材) 22 楢突板(原稿) 22a 凹凸模様 30 原形型 31,32 シリコーン樹脂 33 枠 34 ステンシル 40 複製用型 50 生産用型 71 鏡面樹脂層 72 着色剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C01G 23/00 C01G 23/00 Z C08K 3/22 C08K 3/22 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 C01B 33/42 C01G 23/00 - 23/08 C08K 3/22

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 天然木表面の凹凸模様や導管模様を施し
    た原稿の表面の凹凸模様を型取りした生産用型を作成
    し、基板上に流動性樹脂を流して該流動性樹脂上に前記
    生産用型を被せ、前記流動性樹脂が硬化した後、前記生
    産用型を剥がして表面に前記凹凸模様が転写された導管
    溝を有する半透明あるいは不透明の凹凸樹脂層を基板上
    に形成し、該凹凸樹脂層の導管溝に光輝性顔料を含む着
    色剤を目止め着色した化粧紙の製造方法において、 前記光輝性顔料が二酸化チタン被覆雲母を100部に対
    して、二酸化チタン被覆雲母を還元して生成した低次酸
    化チタンをさらに二酸化チタンで被覆した雲母箔を3部
    〜15部混入したものであ ることを特徴とする凹凸化粧
    板の製造方法。
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