JP3361528B2 - 質量分析器 - Google Patents

質量分析器

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JP3361528B2
JP3361528B2 JP50496997A JP50496997A JP3361528B2 JP 3361528 B2 JP3361528 B2 JP 3361528B2 JP 50496997 A JP50496997 A JP 50496997A JP 50496997 A JP50496997 A JP 50496997A JP 3361528 B2 JP3361528 B2 JP 3361528B2
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崇 馬場
泉 和気
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株式会社 日立製作所
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    • H01J49/4205Device types
    • H01J49/421Mass filters, i.e. deviating unwanted ions without trapping
    • H01J49/4215Quadrupole mass filters

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は線形イオントラップ質量分析器と線形質量フ
ィルタを結合することにより、高感度質量分析を実現す
る質量分析器に関するものである。
背景技術 高周波イオントラップ技術は、三次元四重極高周波電
場を用いてイオンを三次元閉空間に閉じ込めるポールト
ラップと、二次元四重極高周波電場と直流電圧を用いて
三次元閉空間に閉じこめる線形イオントラップ技術が実
現されている。このうちポールトラップはリング型電極
とその孔を見込む2つのエンドキャップ電極からなり、
リング型電極と2つのエンドキャップ電極の間に高周波
電圧を印加して電極内部に3次元高周波四重極電場を作
ってイオンを蓄積する。
イオンを蓄積する原理の解説は例えば、H.G.Dehmelt
著:Adv.At.Mol.Phys.3,53(1967)に示されている。
一方、線形イオントラップは、例えば、米国特許第4,
755,670号(1988年)、M.G.Raizen他:Phys.Rev.A45,649
3(1992年)、J.D.Prestage他:J.Appl.Phys.66 1013(1
989年)に示されているように、線形四極子電極構造
に、対角電極が同相になるように高周波電圧を印加し、
電極中心付近に四重極高周波電場を形成することでイオ
ンを電極長軸に対し垂直方向に安定に捕捉できるように
したものである。ただしこのままでは電極の端面からイ
オンが漏出するので、蓄積するイオンと同極の直流電圧
を電極端面に印加することでこれを防いでいる。
イオントラップ技術の産業への応用分野の一つは質量
分析である。ポールトラップを用いた質量分析器、すな
わちイオントラップ質量分析器は、1960年にポールらに
より発明された米国特許第2,939,952号により紹介され
ている。ただしこの時点では、その有効な操作方法が示
されず、低い分解能、狭い動作質量帯域のため、質量分
析器としての実用には到らなかった。米国特許第4,540,
884号に記載された操作方法「質量選択不安定モード」
が発明されるに到り、分析可能な質量範囲、検出感度、
検出分解能が実用レベルに達した。
一方、線形イオントラップを用いた質量分析装置は、
現在、実用の域に入っていない。先に示した米国特許第
4,755,670号(1988年)に、質量分析装置としての使用
方法を提案しているに過ぎない。その方法は、トラップ
内部に蓄積されているイオンの質量に依存する振動モー
ドを共鳴振動させて、その振動を電気的に検出するとい
うものである。その誘導される信号強度を考えると、分
析感度が低いと予想される。
以上に示したような、現在、実用化されているポール
トラップを用いた質量分析装置においても、さらに感度
を向上させようとすると、バックグランドイオンによる
悪影響が現れる。すなわち、バックグランドイオンが多
量に含有される場合、被検出イオンの検出感度が低下す
る。そこで、これを取り除く必要がでてくる。その一つ
の方法は、米国特許第5,134,286号に紹介されるイオン
トラップ質量分析器の操作方法である。これは、イオン
トラップへのイオン注入操作中および質量分析操作をす
る前段階で、トラップ内のイオン群のうちのバックグラ
ンドイオンを選択的に排出することを提案するものであ
る。
しかしこの方法には、バックグランドイオンの除去を
イオントラップ内において、しかもバックグランドイオ
ンを共鳴振動させて、すなわち、エネルギーを与えて行
うことに伴う以下の3つの欠点があり、より高感度な分
析への障害となっていた。
第一は、バックグランドイオン除去作業中に、共鳴振
動させられたバックグランドイオンが被検出イオンに衝
突し、蓄積されていた被検出イオンがトラップ電極外に
不測に失われてしまうことであり、第二は、大きな運動
エネルギーを持つバックグランドイオンが、捕捉されて
いる被検出イオンと衝突し、被検出イオンが破壊される
ことであり、第三は、イオン検出器およびトラップ電極
が大量のバックグランドイオンにより汚染され、検出感
度および分解能が低下することである。
以上の問題はバックグランドイオンを、イオントラッ
プ入射前に質量フィルタを使って取り除けばよく、その
一例が、例えば、K.L.Morand他:International Journa
l of Mass Spectrometry and Ion Processes:105
巻(1991年),13ページに記載されている。この公知例
では、質量分析器を、質量フィルタとポールトラップを
主体とする質量分析部とをカスケード接続とする構成を
提案している。質量フィルタでバックグランドイオン除
去を行い、試料イオンの純度を上げてから、ポールトラ
ップのエンドキャップ電極に設けた穴に入射し蓄積す
る。そしてこの質量分析部において被検出イオンの分析
を行う。この公知例によれば、質量分析部に捕捉された
イオン群はバックグランドイオンをほとんど含まないの
で、イオン蓄積後のバックグランドイオン除去操作は不
要となり、バックグランドイオンとの衝突による被検出
イオンの損失、破壊も抑えることが出来る。そして、イ
オントラップ電極とイオン検出器のバックグランドイオ
ンによる汚染もない。
しかし、この質量フィルタとポールトラップを主体と
する質量分析部とからなる質量分析器は、イオンを捕捉
する効率が低くなるため、高感度化には不利であるとい
う欠点を持っている。それは、線形構造を持つ質量フィ
ルタと三次元構造をもつポールトラップからなることに
よる。すなわち、入射される被検出イオンに、質量フィ
ルタとポールトラップの入射孔とを通過させるための高
い運動エネルギーを与えなければならない。そのため、
被検出イオンは入射孔周辺部と相対するエンドキャップ
電極壁に衝突し失われることになる。これを防止するた
めに入射孔を持つ電極の直流電位を下げ、相対する電極
の直流電位を上げておき、イオン入射直後に、両電位を
元に戻すことにより、イオンをトラップ内に捕捉するこ
とが行われるが、この結果、間欠的にイオンパルスを捕
捉するという操作になるので、一回あたりに捕捉できる
被検出イオンの数が少なくなり、感度は向上しない。
また、この方法とは別の手段、すなわち、ガスとの衝
突でイオンを減速させ、イオントラップ内部で停止させ
ることが考えられる。一般には、質量分析感度を向上す
るためにイオントラップ質量分析器を置く雰囲気は10-1
から10-6トールの圧力のヘリウムガスで充満される。そ
こで、このヘリウムガスでイオンを停止させることが考
えられる。このしかし、質量フィルタを通過してきたエ
ネルギーの高い被検出イオンを希薄なガスで停止させる
ことは困難である。
発明の開示 そこで本発明では、前述のInternational Journal of
Mass Spectrometry and Ion Processes:105巻(1991
年),13ページに記載されている質量分析器を質量フィ
ルタと質量分析部のカスケード接続構成とする点では同
じであるが、質量フィルタから質量分析部へのイオンの
移動、すなわちバックグランドイオンを取り除かれた被
検出イオンの質量分析部へのイオンの移動を、高効率
で、さらには連続的に行えるようにして、高感度質量分
析を実現することにある。また、本発明で採用する線形
イオントラップを高感度で質量分析動作させるための有
効な操作方法を実現することにある。
そこでまず、本発明は、質量フィルタと質量分析部と
をカスケード接続構成とするとともに両者を線形四極子
構造とし且つ質量フィルタと質量分析部の線形イオント
ラップを同軸上に直結する。なお、本発明において採用
する線形イオントラップの電極構造は、端電極も含め四
極子構造である、前述の米国特許第4,755,670あるいは
M.G.Raizen他:Phys.Rev.A45,6493(1992)に記載された
電極構造の線形イオントラップ構造とするのがよい。こ
うすると、質量フィルタと質量分析部とを同じ四極子電
極で構成することにより、両者の結合がきわめて良好に
できる。すなわち、質量フィルタを質量分析部に直列に
直結する事が出来る。従ってレンズを必要としない。ま
た、端電極を質量分析部と同じ四重子電極で構成するこ
とにより、質量分析部の線形イオントラップ構造は、そ
の端電極の中心軸上に電極が無いので、イオンが電極に
衝突し失われることがない。これにより、質量フィルタ
を通過したイオンを、レンズなしに、高効率で質量分析
部に導くことができるようになる。
以上を実施すると、電極構造は、質量フィルタ、質量
分析部、端電極の順にカスケード構造となる。そして、
イオン源として、例えば従来より四重極質量分析装置に
用いられていたイオン源を、質量フィルタに接続するこ
とにより、質量分析を行うことが出来る。この実施例を
(実施例1)に記載した。
さらに必要なら、以上の基本電極構造に加え、線形構
造であることにより、イオン化手段と質量フィルタと質
量分析部を直結した電極構造の両端に端電極を設けるこ
とができる。この2つの端電極にイオン化手段の電位以
上の電位を印加することにより、イオンは線形イオント
ラップ構造の電極内空間から失われることがなくなる。
この場合は、ポールトラップ構造のように、質量分析部
へのイオン導入のためのイオントラップ電極の電圧を変
化させる操作が不要となるので、イオントラップへの注
入は連続的に行うことが出来る。この実施例を(実施例
2)に記載した。
さらに、より高感度の超微量質量分析を行う場合は、
バックグランドイオンの種類が増えたり、また除去すべ
きバックグランドイオンの量が増大するであろう。この
際には、質量フィルタの高分解能分析能力を十分に発揮
させるために、質量フィルタへ送り込まれるイオン量を
極力少なくしたい。そこで、質量フィルタとは別のより
効率よくバックグランドイオンを除去する機能を追加す
る。本発明では、電極構造が線形四極子電極構造である
ことから、質量フィルタと線形イオントラップ構造の質
量分析部とからなる基本電極構造に加え、別の四極子電
極構造からなる特定のバックグランドイオン種を専門に
除去する機能を持たせたフィルタを多数組直列に連結す
ることが容易である。
特定イオンを除去する公知の方法の一つは、先にも述
べたように、米国特許第5,134,286の方法である。しか
しこの除去方法では、バックグランドイオンとの衝突で
被検出イオンが失われることが欠点となっていたが、本
発明の他の実施例では、この問題は、バックグランドイ
オンの共鳴振動数に一致した交流電圧を線形四極子電極
を構成する4本の各電極に4分の1周期ずらして印加
し、バックグランドイオンを螺旋運動させながら電極領
域外に排出することにより解決する。すなわち、螺旋運
動するバックグランドイオンは電極中心を通過しないの
で、電極中心に留まろうとする被検出イオンとの衝突を
避けることが出来るからである。この方法によって特定
バックグランドイオンを除去するフィルタと、これを備
えた質量分析装置の実施例は(実施例3)に記載した。
前述の米国特許4,755,670号においては、高周波電圧
は、相対する1組の電極を接地し、他の1組の電極に高
周波電圧を印加している。しかし、本発明の実施例で
は、前記公知例とは異なる高周波電圧印加方法を採用し
なければならない。すなわち、本発明では、質量分析
部、質量フィルタ部、またはその他の線形四極子電極部
に印加する四重極高周波電圧について、電極中心がほぼ
接地電位に対し静電位となり、電極中人軸でイオンが受
ける講習は振幅がイオンの運動エネルギーに比べて十分
小さくなるようにする。こうすることにより、一般に高
周波振幅値の異なる質量フィルタ部、質量分析部等の各
部の接続部をイオンが通過する際、電極中心部分を移動
するイオンは進行方向の高周波を感じなくなる。すなわ
ち、イオンはイオン源から質量分析部に向けて滑らかに
移動することが出来る。そのために、質量フィルタ、質
量分析部、端電極、バックグランド除去フィルタの各部
を構成する4本の電極の対角位置関係にある2組の電極
群に、同振幅、同周波数であるが位相が180度異なる高
周波電圧、ただし、各部の振幅値は可変になっている高
周波電圧を印加する。これにより、電極中心軸での高周
波振幅がイオンの運動エネルギーに比べ無視できるよう
にする。
以上のように、線形イオントラップを用いると、質量
フィルタとの結合により、高感度化が実現されるという
利点が生まれる。しかし、現在までに示された線形イオ
ントラップをイオントラップ質量分析器として用いる方
法は、米国特許第4,755,670号に示されたイオントラッ
プ電極に誘導される電流を測定するという感度の低い方
法のみであった。ここでは、線形イオントラップを用い
て高感度イオントラップ質量分析動作を実現する方法を
開示する。
第一の線形イオントラップを用いた高感度質量分析の
方法を、以下では共鳴放出モードとよぶ。蓄積されてい
るイオンはイオントラップ内部で調和振動モードをも
つ。この振動は永年運動とよばれ、その振動数は質量依
存性を持っている。そこで、トラップされているイオン
に外部より周波数掃引された周波数を印加する。そのと
き、外部交流周波数が、捕捉されているあるイオンの永
年運動振動数と一致するとこのイオンは共鳴振動をしな
がら、その振動振幅が大きくなっていく。やがて、その
振幅がイオントラップ電極よりも大きくなると、電極外
部に排出される。以上のように、周波数掃引して質量選
択しながらイオントラップ外部に放出されてくるイオン
を検出することにより、質量分析が可能となる。
しかし、共鳴振動により、徐々にイオンの振幅が大き
くなっていき、もし、検出器の無い電極側でイオンの運
動エネルギーが擬ポテンシャルの深さを越えると、イオ
ンは検出器のない側に排出されてしまい、安定した高感
度なイオン検出が出来なくなる。そこで、イオン検出器
の置かれている側にイオンが排出されるように、イオン
検出器が置かれていない側でポテンシャルを高く、逆に
イオン検出器がある側でポテンシャルを低くするため
に、双極静電場を印加する。
この共鳴放出モードを実施するために、以下の機能を
質量分析部を構成する線形イオントラップ部に付加す
る。その付加される手段として、以下の2通りの方法を
開示する。
付加機能は、電極内部に双極交流電場を発生するため
に、イオントラップを構成する4本の電極のうち、隣り
合う2本の電極からなる2組の電極群に双極交流電圧を
印加する交流回路と、電極内部に双極直流電場を発生す
るために必要な前記2組の電極群間に直流電圧を印加す
る直流回路と、前記交流電場により電極外に共鳴放出さ
れたイオンを検出するイオン検出器である。この方法で
は、線形イオントラップ電極の電極間の隙間よりイオン
が放出される。
また別の方法の付加機能は、電極内部に双極交流電場
を発生するために、イオントラップを構成する4本の電
極のうち、相対する1組の電極に交流電圧を印加するた
めの交流回路と、電極内部に双極直流電場を発生するた
めに、前記の交流電圧が印加された電極間に直流電圧を
印加する直流回路と、前記交流電場により電極外に共鳴
振動されたイオンが電極外部に放出されるために、電極
にイオン取り出し穴を設けることと、この穴から共鳴振
動されて排出されたイオンを検出するためのイオン検出
器である。この方法では、イオンは電極に設けられた取
り出し穴より放出される。
第二の線形イオントラップを用いた高感度質量分析の
方法は、従来の技術の部分で触れた質量選択不安定モー
ドを線形イオントラップで実施することである。ポール
トラップを用いて質量選択不安定モード実施する場合に
は、イオントラップ高周波電圧振幅を小振幅側から高振
幅側に振幅掃引することのみにより、イオンが質量選択
されてz軸方向に排出方向を限定して排出される。しか
し、線形イオントラップにおいては、X方向とY方向の
印加電場構造が対称であるために、イオントラップ高周
波電圧振幅を振幅掃引すると、イオンのほとんどは電極
に衝突することとなり、検出器に入射する確率がきわめ
て小さくなる。すなわり、イオンの検出効率を下げてし
まうことになる。そこで、この欠点を回避するために、
電極には四重極直流電圧を印加する。この付加機能によ
り、イオンの排出される方向を限定することができ、イ
オンの検出効率をあげることが出来る。
以上の質量選択不安定モードを線形イオントラップで
実施するために、質量分析部である線形イオントラップ
部には、以下の機能が必要となる。それは、まず、線形
イオントラップ電極部に印加するイオントラップ高周波
電圧を振幅掃引するために、高周波電圧印加回路に振幅
掃引機能を持たせること、そして、線形イオントラップ
電極内部に四重極直流電圧を印加するための直流電圧印
加装置、そして、イオンを電極外部に排出させるため
に、四極子電極のうちの1つにイオン取り出し穴を設け
ること、そして、排出されたイオンを検出するために、
前記排出穴を見込むように配置されたイオン検出器であ
る。
つづいて前記の共鳴振動モードの内の1つの方法およ
び質量選択不安定モードにおけるイオン取り出し穴を実
現する方法を開示する。イオンの収率を上げるために、
出来るだけ大きな穴とすることが望ましい。しかし、穴
を大きくするとイオントラップ高周波電場および必要に
より印加する直流電場が歪むこととなり、理想的な四重
極電場からずれ、質量分析の分解能を悪化させる可能性
がある。そこで、相反する要求である穴面積を大きくと
ることと、電場の歪みを極力抑えることを必要に応じて
両立させる工夫が必要となる。
電極にイオン取り出し穴を設ける第一の方法は、イオ
ントラップ中心軸に面している線形電極の部分に、電極
の長軸向きの長い穴を1つないし複数の穴の組み合わせ
た形で取り出し穴を設けることである。複数の穴の配列
の方法は、電極面のなかでも最もイオントラップ中心軸
に近い部分に、直線上一列に1つ乃至複数の幅の細い長
穴を配列する方法、さらに、このような穴群を複数列並
べて配列して、電極面を覆い、合計の穴面積を大きくし
た方法がある。以上のような方法により、電場形状の変
形を抑えて、しかも穴面積を大きく取ることが出来る。
電極にイオン取り出し穴を設ける第二の方法は、電極
表面を導体で出来た網で形成する方法である。細かい穴
の網で形成することにより先の第一の方法以上に電場の
歪みを抑えることが出来る。
電極にイオン取り出し穴を設ける第三の方法は、細い
複数の導体線を導体枠に張って実現する方法である。導
体枠は、導体線を張ったとき、複数の導体線がなす面が
他の電極と同形状になるように成形する。
図面の簡単な説明 第1図(a)は本発明の質量分析器の実施例の構成の
概要を示す図、第1図(b)は第1図(a)の線形四極
子電極をA−A位置で矢印方向に見た断面図である。
第2図は線形イオントラップの作用を記述するパラメ
ータを示す図である。
第3図は第2図に示す線形イオントラップの安定領域
包絡線を示す図である。
第4図は本発明の質量分析器の端電極電源の電気回路
の実施例を示す図である。
第5図は本発明の質量分析器のフィルタ電源の電気回
路の実施例を示す図である。
第6図は本発明の質量分析器の質量分析部の分析電源
の電気回路の1つの実施例を示す図である。
第7図は本発明の質量分析器の質量フィルタ、質量分
析部及び端電極のそれぞれに印加する直流電圧値の相対
的な大きさの関係の実施例を示す図である。
第8図は本発明の質量分析器の1つの操作手順例を示
した図である。
第9図は本発明の質量分析器にイオン源としてイオン
生成四極子電極を組み込んだ実施例を示す図である。
第10図は本発明の質量分析器にバックグランド除去フ
ィルタを組み込んだ実施例を示す図である。
第11図は本発明の質量分析器のバックグランド除去フ
ィルタを駆動する電気回路の実施例を示す図である。
第12図は本発明の質量分析器の質量分析部のイオン取
り出し穴とイオン検出器の位置関係を示した図である。
第13図は本発明本発明の質量分析器の質量分析部の分
析電源の電気回路の1つの実施例を示す図である。
発明を実施するための最良の形態 以下実施例により本発明をより詳細に説明する。
第一の実施例 第1図に本発明の質量分析器の第一の実施例を示す。
その質量分析法として共鳴放出モードの例を示す。ま
た、質量選択不安定モードによっても実施することも可
能である。質量選択不安定モードによる実施例は第4の
実施例に示した。
本実施例では、(a)に示すように、真空室33内に、
質量フイルタ1、質量分析部2、端電極3のそれぞれの
中心軸が一致するように、カスケードに配置される。質
量フイルタ1、質量分析部2、端電極3のそれぞれの電
極は4本あるが、図では、その内の各2本の10、11、1
4、15および18、19のみがみえている。各電極には、そ
れぞれに適したフイルタ電源31、分析電源32および端電
極電源33が接続される。質量分析部2に隣接してイオン
検出器27が配置され、質量分析部2に蓄積されたイオン
を検出する。質量フイルタ1の質量分析部2側と反対の
端部に被分析試料をイオン化するためのイオン源装置25
が配置される。イオン源装置25は適当なイオン源駆動装
置26によって、試料をイオン化する。本実施例では、従
来から質量フィルタによる質量分析装置で用いられてい
る種々のイオン源をそのまま用いることが出来ることが
特徴の1つである。
質量フイルタ1、質量分析部2、端電極3のそれぞれ
の電極の配置の例を質量フイルタ1について第1図
(b)に示す。図に示すように、4本のロッド電極10、
11、12および13が断面が正方形頂点上になるように、ロ
ッド長軸を平行に並べた構造である。これらの各ロッド
は4本のロッドの中心部分で高周波電場が四重極電場と
なるようにその断面が双曲線になるように作る。さらに
必要により電極表面の酸化等による経年変化を防止する
ために金メッキを施す。
質量フイルタ1、質量分析部2、端電極3の各電極
は、先にも述べたように、電極が一直線上に並ぶように
配置されるが、同一直線上にある各電極には同相の電圧
が印加される。勿論、隣接する各電極間は間隙もしくは
絶縁体を挿入することにより直流電気的に絶縁される。
しかし、電極の連続性が無くなるため、質量フイルタ
1、質量分析部2、端電極3の内部の高周波電場はその
影響を受け、一様性が乱れることになる。これはイオン
の中心軸方向の運動を妨げるポテンシャルを与えること
になる。そのために、各部分間の間隙は四極子電極対の
電極間の距離r0よりも十分短かくし、この影響を極力回
避する必要がある。そして、各部分の長さは2r0に比べ
て十分長くする。また各電極への配線は、使用する複数
の配線材導体金属種を同一順序で配列する必要がある。
それは異種金属を接続すると金属間には接触電位差と呼
ばれる電位差が発生するからである。各電極への配線方
法、配線材質を実質的に同一にしないと、電極間に予期
しない電位差が生じ、印加直流電圧が期待通りに決まら
ず、検出器分解能に不確定要素をあたえることとなる。
このように、カスケード接続構造とされた質量フィル
タ1とイオントラップ型の質量分析部2を動作させるた
めには、それぞれの電極の動作電圧およびイオン分析計
の動作電圧を決定し、さらに被検出イオンの共鳴振動数
を適切に設定する必要がある。本発明を実施するのに最
低限必要な原理と数式を以下に示す。
第2図に示す様に、四極子電極の対向する電極間の距
離をr0とし、対向する四極子電極を接続し、接続された
四極子電極対の間に角振動数Ωの高周波電圧Uacと直流
電圧Udcを印加すると電極内部には(数1)の電場が印
加される。
このポテンシャルの中にある電荷Q,質量mの荷電粒子
の運動方程式は(数2)で記述される。
この運動方程式を無次元化するために、時刻t,および
印加電圧UacとUdcを規格化し、(数3)のように定義す
る。
(数3)を用い、x,yをそれぞれr1,r2と書けば、(数
2)は(数4)のように書き下される。
結局、良く知られたマシュー方程式に帰着される。
この微分方程式の解はパラメータa,qのとる値によ
り、安定解か不安定解かのどちらかになる。線形四極子
電極の場合、イオンはx,y両方向に束縛されているの
で、その安定領域は第3図の様になる。
マシュー方程式の一般解は、複雑なものである。そこ
で、非均一な高周波の中の荷電粒子の平均運動を論じる
時に有効な擬ポテンシャルの方法を適用する。
イオンの運動をr(t)=<r(t)+ζ(t)と書
く。以下< >は時間1/Ωにわたる時間平均を表す。こ
こでζ(t)は(数5)で表される。
である。このζ(t)で表わされる振動数の運動をマイ
クロ運動(micromotion)という。<r(t)>におい
て、イオンが平均的に受ける力は(数6)で表すことが
出来る。
ここでΨ(〈r〉)を擬ポテンシャルという。
以上を四極子電極の場合に適用すると、擬ポテンシャ
ルは(数7)になる。
この調和型ポテンシャルに起因する振動運動は、永年
運動(secular motion)と呼ばれており、その振動数は
(数8)となる。
またDは、擬ポテンシャルの深さである。永年運動周波
数はマイクロ運動周波数Ωに比べゆっくりとした振動に
なる。
質量フィルタの動作原理は、質量フィルタ1を透過さ
せて質量分析部2に導入したい被検出イオンのパラメー
タa,q((数3)を参照)を第3図のA点付近の安定領
域内に設定し、他のイオンは不安定領域にすることによ
り、四極子電極で囲われる領域の外に排出して除去する
というものである。
そして質量分析部2では共鳴放出モードを実施する。
すなわち(数8)に示されるように永年運動が、質量依
存性を持っていることを利用して質量分離を行う。すな
わち永年運動と同振動数を持つ交流電場で特定イオン種
を共振させる分析方法である。すなわち外部から交流電
場を印加すると、この周波数に同調した永年運動周波数
を持つイオンが共鳴振動し、振幅が大きくなった電極外
に排出される。そのイオンを検出することにより、交流
電場周波数に対応する電荷質量比を持ったイオンが存在
することを検知するのである。
本実施例においては、四極子電極の中心軸位置が接地
に対し静電位になるように、四極子電極の対角位置にあ
る2組の電極に同振幅で逆相の高周波電圧を印加する。
それは、各電極部分に印加される高周波振幅または位相
が異なる場合でも、電極中心位置では高周波電圧がイオ
ンの運動に与える影響がほとんど無視できるようになる
からである。これにより、イオンは電極中心軸位置で
は、高周波電圧による影響を受けずに、なめらかに移動
出来ることになる。
第4図は本発明の質量分析器の端電極電源の電気回路
の実施例を、第5図は本発明の質量分析器のフィルタ電
源の電気回路の実施例を、第6図は本発明の質量分析器
の質量分析部の分析電源の電気回路の実施例をそれぞれ
示した。質量フィルタ1、質量分析部2、および端電極
3にはそれぞれの部分の機能に応じて、振幅の異なる同
周波数同位相のイオン蓄積用高周波電圧と、分析直流電
圧または分析交流電圧を印加する。
第4図は端電極3の各電極18−21に加える高周波電源
の実施例である。小さな印加高周波電力で大きな高周波
振幅を得るために、LC共鳴回路を用いる例である。電極
本体は電気的にコンデンサと等価であるので、これにコ
ンデンサ44、45を介して昇圧トランス40の2次側コイル
42を結合し、LC回路とする。そして2次側コイル42の中
心を接地する。そして周波数Ωをもつ高周波電力を1次
側コイル41から印加する。高周波電力は高周波発振器50
および高周波電力増幅器49で発生させる。電極と接地間
には電源48により高インピーダンスの抵抗46及び47を介
して直流電圧V2を印加するが、昇圧トランス40の2次側
コイル42はコンデンサ44及び45で四極子電極と接地との
間を直流的に絶縁されている。このとき、この抵抗44、
45にはLC共振回路の共振周波数に於けるインピーダンス
以上の抵抗値を持たせる。
第5図は、質量フィルタ1の電極10−13に加える高周
波電源回路の実施例である。この回路は、電極対に四重
極直流電圧が印加されるように、電圧V1に対し正、負の
電圧V1 +、V1 -を発生する2つの電源60及び61を用いる点
と、減衰器63等を用い高周波振幅を可変にする機能を追
加したことが端電極3の電源回路(第4図)と異なるの
みであるので各回路要素に付加すべき符号及び動作に関
する説明は省略した。
第6図は質量分析部2の電源回路の実施例である。質
量分析部2には、イオン蓄積のための高周波電源50に加
え、(数8)の永年運動ωを励起する交流電圧を印加す
る。この交流電圧は電源73から供給し、これを1次側コ
イルに加えられるトランス71、72の2次側コイルを介し
て印加する。この際、イオンが排出される方向をイオン
検出器27が設けられている位置に近い電極間隙方向とす
るため、イオン検出器27からみて、近い2本の電極14及
び16と遠い2本電極15および17との間に所定の交流電圧
が印加されるようにトランス71及び72の2次側極性を図
に示すように決める。イオン蓄積用の高周波電源50は、
このトランス71、72の2次側コイルの中点を介して電極
に加えられるものとしたので、これら2次側コイルのイ
ンダクタンスは、そのインピーダンスがイオン蓄積用の
高周波電源50の周波数において、電極インピーダンスよ
りも小さくなるようにする。
また、イオンの排出方向をイオン検出器の方向に特定
するためと、質量分析部2の電位を可変とするために、
直流電源74、75と高抵抗を用いて電圧を印加する。特に
質量分析を行うときに印加する双極電圧は、以下のよう
に決定する。
イオンは、共鳴振動により、徐々に振幅が大きくなっ
ていく。そのとき、もし、検出器の無い電極側でイオン
の運動エネルギーが擬ポテンシャルの深さを越えると、
イオンは検出器のない側に排出されてしまい、安定した
高感度なイオン検出が出来ない。そこで、イオン検出器
がない側で、ポテンシャルが高く、逆にイオン検出器が
ある側で、ポテンシャルが低くなるようにするために、
双極電場を印加する。そのポテンシャルの高さの差は、
イオンが半周期の間に増加するエネルギーよりも大き
く、かつ擬ポテンシャルの深さよりは十分小さく取って
おく。特に、擬ポテンシャルの近似が成り立つq<0.3
において、イオンの振幅がr0となったときに半周期あた
り増加するエネルギーを計算すると、(数9)となる。
ここで、Vanalysisは、分析交流電圧の振幅である。こ
の式に与えられる以上の静電圧を、分析対象イオンが正
イオンの場合は、イオン検出器から遠い側の2本の電極
に正の前記電圧を印加し、また分析対象イオンが負イオ
ンの場合は、負の電圧を印加すればよい。また、q≧0.
3の場合は擬ポテシャル近似が成り立たない。そこで
(数2)の微分方程式を数値計算により解き、、軌道と
運動エネルギーの変化を求め前記の方法で印加する静電
圧を決定する。
なお質量フイルタ1、質量分析部2及び端電極3各部
へ印加される高周波の周波数と位相をそろえる必要があ
る。そこで各部への印加高周波電力をつくる発振器50は
共通のものを用いる。さらに各部のLC共振回路周波数を
そろえることにより、電極での位相をそろえる。このた
めに、端電極3と質量フィルタ1の電極と並列に容量可
変コンデンサ51及び64を接続し、質量分析部2の共振周
波数と同調をとる。
質量分析のための操作手順は次のようである。以下の
操作は複雑であるのでコンピュータで制御するとが好ま
しい。
まず、存在を調べたい被検出イオンの質量電荷比を決
め、質量フィルタにおいてこれが安定領域に位置する
(数3)のa,q値を与える高周波及び直流電圧を印加す
る。また複数の被検出イオンがある場合は、それらのイ
オン群が安定領域に位置するような高周波及び、直流電
圧を印加する。そして質量分析部2及び端電極3に印加
する高周波の振幅は、被検出イオンに対する(数3)の
q値が0.9以下となるよう決め、イオンを安定に捕捉出
来るようにする。さらに質量フィルタ1、端電極3には
イオン源から質量分析部2へのイオンの流れが出来るよ
うに、そして端電極3の端面からイオンが漏出しないよ
うに、V1 +、V1 -およびV2の電圧を第7図のように印加す
る。
第7図でV1は質量フィルタ1の中心軸上の直流電圧で
あって、V1={(V1 +)+(V1 -)}/2で与えられる。V1
及びV2は質量分析部2の(数7)で与えられる擬ポテシ
ャルの深さD以下に取る。これにより、質量フィルタ1
から入射したイオンが質量分析部2の電極方向に逃げ出
すことを防止する。そしてイオンが端電極3の端面から
漏出しないようにV2>V1となるようにする。なお、図は
対象となるイオンが正の電荷を持つ場合であり、負の電
荷を持つイオンを対象とする場合は極性を反転する。
以上の質量フィルタ1の電圧を設定したら、第8図に
示した手順で質量分析を行う。すなわち、イオン源より
入射されたイオン群は、まず質量フィルタ1でバックグ
ランドイオンが除かれる。続いて質量フィルタ1を通過
したイオンは質量分析部2に至る。このままでは、イオ
ンは、端電極により反発され、質量フィルタ1を通過し
て、イオン源に戻ってしまい、失われてしまう。そこ
で、質量分析部2の直流電位を、2つの電位間を矩形波
的に変化させる。その電位の1つは、質量フィルタを通
過してきたイオンをほぼ停止させるのに必要な電位より
も0.1V程度低い電位とし(以下では高い側の電位と呼
ぶ)、もう1つの電位は接地電位とする。電位が高い側
の電位から接地電位に移行するときにイオントラップ部
分に存在しているイオンがイオントラップ内部に捕捉さ
れる。これらのイオンは、捕捉されている間に、雰囲気
のヘリウムガスとの衝突によりエネルギーを失い、減速
される。再び、高い電位に戻った時に、イオンが質量フ
ィルタ1側に戻るだけの運動エネルギーを持たない様に
するために、接地電位に留まる時間を設定する。以上の
操作を繰り返し、複数回イオンを蓄積するそのために、
質量分析部の電位を振動させるために、電源74、75の発
生する電圧を同時に矩形波的に変化させる。
つづいて、ある一定時間イオンを蓄積したら、質量分
析部2の電位を、イオン検出器の置かれている側の電位
を(数9)で与えられるΔVを用いて(−ΔV)とし、
もう1つの側の電位をΔVとする。そして、質量分析操
作を行う。すなわち、四極子電極に周波数掃引しながら
交流電場を印加する。その周波数が、イオンの永年運動
振動数と一致したとき、イオンは共鳴振動されて、電極
間隙から排出される。排出されたイオンは電子増倍管等
のイオン検出器27で検出する。印加周波数と排出イオン
数のスペクトルにより試料中の被検出イオンの質量数と
個数を測定する。
第二の実施例 先の実施例では、イオン源25から入射された被検出イ
オンが端電極3で反射され、イオン源25側まで戻ってき
て、被検出イオンの不測の損失を生じる可能性がある。
そこで、この実施例では、第1図のイオン源25に代え、
第9図のように、四極子電極84乃至87(86、87は第1図
と同様図示されない)を持つイオン生成部100を備える
ものとするとともに、やはり四極子電極80乃至83(82、
83は第1図と同様図示されない)を持つもう一つの端電
極4を設けたものである。こうすることにより、質量分
析器の両側が端電極によってイオンの通過を阻止するも
のと出来ると共に、イオンが存在する空間には構造物が
無いものと出来る。その他の構造は、本質的に第1図と
同じであり、従って参照符号も同じものとした。各部を
駆動する電源についても同様である。またイオン生成部
100も他の要素と同様な電源を有するが、図を簡略化す
るため電源と配線の表示は省略した。
イオン生成部100では、試料導入装置104から供給され
る試料を霧化装置103によって電極間から四極子電極内
部に入射する。この試料蒸気に対して、電子銃電源102
によって駆動される電子銃101から電子線を照射し、四
極子電極内部で試料をイオン化する。
発生したイオンが質量フィルタ1に導かれるように、
イオン生成部100の四極子電極の電極中心軸位置の直流
電圧は質量フィルタ1のそれよりも高くし、さらに2つ
の端電極3、4の四端子電極の電極中心軸位置の直流電
圧は、第7図で説明したと同様に、イオン生成部100の
四極子電極の電極中心軸位置の直流電圧よりも高くす
る。質量フィルタ1への試料イオンの入射速度はイオン
生成部100と質量フィルタとの電位差で決まる。以上に
よりイオンを質量分析部2に導く際の被検出イオンの損
失を避けられるので、質量分析器の感度と確度を向上す
る事が出来る。
このイオン生成部100と端電極の4の電源の回路は先
の実施例記載の端電極の電気回路(第4図)と同じ構成
で、電極中心軸位置の直流電圧を適切に設定すれば良
い。
第三の実施例 より高感度化の工夫の施された他の実施例についてさ
らに説明する。
前述の二つの実施例の質量分析器の感度をさらに上げ
るためには、バックグランドイオンの除去能力を上げる
ことが有効である。そこであらかじめバックグランドと
なるイオンを同定し、積極的に特定バックグランドイオ
ンを除去する新たなバックグランドイオン除去フィルタ
を1つ乃至複数個、イオン生成部100と質量フィルタ1
の間に挿入する。これにより、質量フィルタ1の空間電
荷効果による分解能の低下、および質量フィルタ電極の
汚染を防ぐことが出来る。
バックグランドイオン除去フィルタの構造は他の電極
と同じ線形四重極構造で、試料イオンを捕捉するための
高周波電圧をバックグランド除去電源250によって印加
する。そしてバックグランドイオン除去フィルタに印加
する永年運動励起用交流電圧を4本の電極に4分の1周
期ずつずらして印加する。するとイオンの永年運動は螺
旋状になるので、電極中心位置を通過しないようにな
り、バックグランドイオン以外のイオンとの衝突を回避
することができる。
第10図は、このバックグランドイオン除去フィルタを
一つ備えた質量分析器の実施例である。第9図に示した
第2の実施例と対比して容易に分かるように、バックグ
ランドイオン除去フィルタ200がイオン生成部100と質量
フイルタ1との間に挿入される。このバックグランドイ
オン除去フィルタ200も質量フィルタ1と同様に、線形
四極子電極118乃至121を持つが、図では118、119のみが
見えている。そして、第11図は1/4移相器80を用いて1/4
周期移相をずらして印加するバックグランドイオン除去
電源250の回路を例を示した。
また、端電極4、イオン生成部100、バックグランド
イオン除去フィルタ200、質量フィルタ1、質量分析部
2および端電極4の各要素における電極中心位置におけ
る直流電位の関係は、前述したように、両サイドの端電
極3、4からイオンが飛び出さないように設定されると
ともに、イオン生成部100からのイオンがフイルタ1を
介して質量分析部2に移行しやすいように設定されるこ
とは言うまでも無かろう。
第四の実施例 第一の実施例に示した質量分析部の質量分析方法は共
鳴振動モードによるものであった。そこで、本実施例で
は、もう1つの質量分析方法である質量選択不安定モー
ドを実施する例を示す。質量分析部以外の他の部分は、
実施例1から3に記載されている通りである。質量分析
部の分析方法のみを変更すればよい。
まず、第12図に模式的に示す様に、質量分析部の電極
の内の1つ、図の実施例では電極17、にイオンが排出さ
れるための穴を設ける。そして、この穴を通過してきた
イオンを検出するためのイオン検出器27をこの穴を見込
む位置に設置する。
質量選択モードを実施するための電気回路の実施例を
第13図に示した。第13図には、イオンを補足するための
高周波回路と、四重極静電圧Udcを印加するための電源
回路が示してある。ここで、高周波電源には、振幅掃引
を行うことの出来る機能を持たせる。また、四重極静電
圧の印加極性は、分析対象イオンが正イオンの場合に
は、取り出し穴を設けた電極に接地電位、他の側の電極
に正電圧が印加できるようにする。また逆に分析対象イ
オンが負イオンの場合は、取り出し穴を設けた電極に接
地電位、他の側の電極に負電圧が印加されるようにす
る。こうすることで、イオンの排出方向を穴の開いた電
極方向に取ることが出来る。
つづいて、本実施例の操作例を示す。まず、はじめに
分析対象イオンを質量分析部にため込む。その方法は、
実施例1から3に示したものと同様である。イオンをた
め込むときは、質量分析部の直流電圧Udcはゼロとし、
高周波電圧は、分析対象イオンが安定に捕捉される様
に、その安定パラメータqが、安定領域に位置するよう
に取る。イオンの蓄積が終了したら、直流電圧Udcを、
安定領域不安定領域境界線との交点においてaパラメー
タがイオン蓄積が可能な範囲で0でない値、すなわち0
<a<0.23に取る。とくに、0.1程度になるように取る
とイオンの不安定方向を十分限定でき、さらに安定領域
内のイオンを安定に捕捉できるので都合がよい。その
後、高周波振幅を大振幅側に向けて掃引する。すると、
軽いイオンから、重いイオンむけて順番に不安定となっ
ていく。不安定となったイオンは電極に設けた取り出し
穴から排出されるので、それをイオン検出器で検出す
る。ある高周波振幅の時に安定不安定境界に位置するイ
オンの質量電荷比は一意的に決定されるので、そのとき
排出されたイオンの質量電荷比を決定することが出来
る。
産業上の利用可能性 本発明によれば質量分析器の感度を向上することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 49/42 G01N 27/62

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】線形イオントラップ構造を形成する四極子
    電極よりなる質量フイルタ、線形イオントラップ構造を
    形成する四極子電極よりなる質量分析部および線形イオ
    ントラップ構造を形成する四極子電極よりなる端電極が
    同一軸上に上記の順序で線形に配列され、それぞれのイ
    オントラップ構造を形成する四極子電極には高周波電圧
    および直流電圧が付与され、被検出イオンを前記質量フ
    イルタ側から入射させ、前記質量分析部に蓄積されたイ
    オンがイオン検出器によって検知され、かつ前記質量分
    析部を構成する各部の4本からなる四極子電極の対角位
    置関係にある2組の電極群に、同周波数であるが位相が
    180度異なる高周波電圧、ただし、各部の振幅値は可変
    になっている高周波電圧を印加することを特徴とする質
    量分析器。
  2. 【請求項2】線形イオントラップ構造を形成する四極子
    電極よりなる端電極、線形イオントラップ構造を形成す
    る四極子電極よりなるイオン生成部、線形イオントラッ
    プ構造を形成する四極子電極よりなる質量フイルタ、線
    形イオントラップ構造を形成する四極子電極よりなる質
    量分析部および線形イオントラップ構造を形成する四極
    子電極よりなる端電極が同一軸上に線形に配列され、そ
    れぞれのイオントラップ構造を形成する四極子電極には
    高周波電圧および直流電圧が付与され、分析されるべき
    試料をイオン生成部の四極子電極外から注入して検出さ
    れるべきイオンを含むイオンを生成して、前記質量フイ
    ルタを介して前記質量分析部にイオンを蓄積した後、イ
    オン検出器によって検知されることを特徴とする質量分
    析器。
  3. 【請求項3】線形イオントラップ構造を形成する四極子
    電極よりなる端電極、線形イオントラップ構造を形成す
    る四極子電極よりなるイオン生成部、線形イオントラッ
    プ構造を形成する四極子電極よりなる質量フイルタ、線
    形イオントラップ構造を形成する四極子電極よりなる質
    量分析部および線形イオントラップ構造を形成する四極
    子電極よりなる端電極が同一軸上に線形に配列され、且
    つ前記質量フイルタとイオン生成部との間に特定のバッ
    クグラウンドイオンを除去するためのイオントラップ構
    造を形成する四極子電極よりなるフイルタを同一軸上に
    配列し、それぞれのイオントラップ構造を形成する四極
    子電極には高周波電圧および直流電圧が付与され、分析
    されるべき試料をイオン生成部の四極子電極外から注入
    して検出されるべきイオンを含むイオンを生成して、前
    記質量フイルタを介して前記質量分析部にイオンを蓄積
    した後、イオン検出器によって検知されることを特徴と
    する質量分析器。
  4. 【請求項4】前記質量分析器を構成する各部の4本から
    なる四極子電極の対角位置関係にある2組の電極群に、
    同周波数であるが位相が180度異なる高周波電圧、ただ
    し、各部の振幅値は可変になっている高周波電圧を印加
    することを特徴とする特許請求の範囲2または3に記載
    の質量分析器。
  5. 【請求項5】前記特定のバックグラウンドイオンを除去
    するためのイオントラップ構造を形成する四極子電極よ
    りなるフイルタの電極に印加される高周波電圧は分析さ
    れるべき試料イオンを安定に捕捉できる値であると共
    に、この高周波電圧とは別の特定の質量電荷比を有する
    イオンの共鳴振動周波数をもつ交流電圧を印加できると
    もに、この交流電圧が四極子電極を構成する各電極に4
    分の1周期ずらして印加されることを特徴とする特許請
    求の範囲第3項記載の質量分析器。
  6. 【請求項6】線形イオントラップ構造を形成する四極子
    電極よりなる質量フイルタ、線形イオントラップ構造を
    形成する四極子電極よりなる質量分析部および.線形イ
    オントラップ構造を形成する四極子電極よりなる端電極
    が同一軸上に線形に配列され、それぞれのイオントラッ
    プ構造を形成する四極子電極には高周波電圧および直流
    電圧が付与されるとともに質量分析部の四極子電極には
    イオンが排出される方向がイオン検出器の方向となるよ
    うに双極電場が電極内部に発生するように静電圧を重畳
    して印加して、被検出イオンを前記質量フイルタ側から
    入射させ、前記質量分析部に蓄積されたイオンがイオン
    検出器によって検知されることを特徴とする質量分析
    器。
  7. 【請求項7】質量分析部の四極子電極は、電極内部に双
    極交流電場を発生するために、隣り合う2本の電極から
    なる2組の電極群に交流電圧を印加する交流回路と、電
    極内部に双極直流電場を発生するために必要な前記2組
    の電極群に直流電圧を印加する直流回路で構成される請
    求項1、2、3または6いずれか一項に記載の質量分析
    器。
  8. 【請求項8】質量分析部の四極子電極は、電極内部に双
    極交流電場を発生するために、イオントラップを構成す
    る4本の電極のうち、相対する1組の電極に交流電圧を
    印加するための交流回路と、電極内部に双極直流電場を
    発生するために必要な前記の交流電圧が印加された電極
    間に直流電圧を印加する直流回路を備えるとともに、前
    記四極子電極の一つは、交流電場により電極外に共鳴振
    動されたイオンが電極外部に放出されるために、電極に
    イオン取り出し穴を設けられた請求項1、2、3または
    6いずれか一項に記載の質量分析器。
  9. 【請求項9】質量分析部の四極子電極は、電極内部に四
    重極高周波電場を発生するために振幅を掃引できる機能
    を持つ高周波電源とその印加回路、電極内部に四重極静
    電場を発生するための直流電圧を印加する電源回路を備
    えるとともに、前記四極子電極の一つは、イオンが不安
    定となったイオンが電極外部に放出されるために、電極
    にイオン取り出し穴を設けられた請求項1、2、3また
    は6いずれか一項に記載の質量分析器。
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