JP3067208B2 - 非共鳴周波数を持つ印加信号を利用する四極子質量分析方法 - Google Patents

非共鳴周波数を持つ印加信号を利用する四極子質量分析方法

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JP3067208B2 JP7503108A JP50310895A JP3067208B2 JP 3067208 B2 JP3067208 B2 JP 3067208B2 JP 7503108 A JP7503108 A JP 7503108A JP 50310895 A JP50310895 A JP 50310895A JP 3067208 B2 JP3067208 B2 JP 3067208B2
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Description

【発明の詳細な説明】 関連出願の相互参照 本願は1993年3月18日に出願された米国特許出願第03
/034,170号の一部継続出願であり、それは1992年5月14
日に出願された米国特許出願第07/884,455号の継続出願
であり、それは1991年2月28日に出願された米国特許出
願第07/662,191号の継続出願である。これらの先行する
出願は参考としてここに組み入れる。
発明の分野 本願発明は質量分析方法に関し、その方法において
は、イオンをイオントラップに安定的に捕捉し、その
後、検出のために選択的に励起する。さらに、詳しく
は、本願発明は、イオンを捕捉場によって安定的に捕捉
し、選択された捕捉イオンの発振の周波数帯域の周波数
成分とほぼ一致する(しかし異なる)周波数を持つ補充
場を捕捉場と重畳させて結合場を形成し、さらに、その
結合場を変えて、選択されて安定的に捕捉されたイオン
を順に励起する方法である。
発明の背景 従来の質量分析方法のある種類においては、結合場
(異なる空間形状の捕捉及び補充場要素からなる)をイ
オントラップに確立し、その結合場を変更して検出のた
めに安定して捕捉されたイオンを共鳴的に励起する。例
えば、米国特許第3,065,640号(1962年11月27日に特
許)はその図1に関連して三次元四極子イオントラップ
(quadrupole ion trap)を開示する。それは、DC電圧2
Vdc及びAC電圧2Vacをそのトラップの端部電極13及びリ
ング電極11にまたがって印加してそのトラップ内に四極
子捕捉場を形成する点、補充電圧(DC成分Vg及びAC成分
2Vβからなる)をその四極子トラップの端部電極12及び
13にまたがって印加してそのトラップ内に結合(捕捉及
び補充)場を形成する点、並びに同時に印加した電圧Vg
及びVdcの一方又は両方を高めることによって結合場を
変えて、外部の検出器26で検出するために端部電極12を
通るホール25を介してトラップから捕捉イオンを排出す
る点を教示する(例えば、第3欄、13行乃至18行、及び
第9欄、9行乃至23行参照)。
「MS/MS」方法として知られている従来の質量分析技
術のある種類においては、選択された範囲内の質量電荷
比(以下「m/znとして示す)を持つイオン(「親イオ
ン」としてしられている)をイオントラップ内で隔離す
る。その後、安定的に捕捉された親イオンは(例えば、
トラップ内でバックグランウンドガス分子と衝突させる
ことによって)分離して又は分離するように導かれて
「娘イオン「として知られるイオンを生成する。その娘
イオンはその後トラップから排出されて(典型的には共
鳴排出によって)検出される。
例えば、1988年4月5日に発行された米国特許第4,73
6,101号は、イオン(既定の範囲内のm/zを持つ)が三次
元四極子捕捉場(捕捉電圧を四極子イオントラップのリ
ング及び端部電極に印加することによって確立される)
内に捕捉されるMS/MS方法を開示する。その捕捉場はそ
の後走査されて不要な親イオン(所望のm/zを持つ親イ
オンではないイオン)を連続的にトラップから排出す
る。捕捉場はその後再び変えられて対象の娘イオンを蓄
積することができるようになる。捕捉された親イオンは
分離されて娘イオンを生成し、その娘イオンは連続的に
(質量電荷比を基準に順に)検出のためにトラップから
排出される。
米国特許第4,736,101号は(第5欄、16行乃至42行に
おいて)分離期間の後にトラップに補充AC場を確立し
(捕捉場に加えて、)その間、捕捉電圧を走査する(又
は、その間、捕捉電圧を一定に保持するとともに補充AC
場の周波数を走査する)点を教示する。補充AC場の周波
数は捕捉イオン発振の周波数帯域の成分の1つと一致
し、これにより、その補充AC場は、各捕捉イオンの永続
的(永年)周波数が(変化する結合場内で)補充AC場の
周波数と一致するようになると、トラップから安定的に
捕捉されたイオンの列を共鳴的に排出する。
同様に、米国特許第4,882,484号(1989年11月21日に
発行)は、安定的に捕捉されたイオンを三次元四極子
(ほぼ四極子)トラップから共鳴排出することを教示し
ており、それは、イオントラップ領域内に確立された結
合場(RF捕捉および補充AC場成分を持つ)を走査するこ
とによって、例えば、補充場の周波数を走査することに
よって又は捕捉場のパラメータを走査する間に補充場の
周波数を一定に保持することによって達成される。
従来の共鳴励起技術(共鳴排出方法を含む)の問題点
は、結合場のパラメータの変更を共鳴励起の間慎重に制
御して、異なるイオン種の同時排出(質量分析の損失)
及び他の望ましくない干渉影響を回避しなければならな
い点にある。例えば、結合場の補充AC場成分を掃引又は
走査する間、他の結合場のパラメータを一定に保持する
という、従来の共鳴励起方法を考慮しなればならない。
この場合には、補充AC場成分を確立するAC補充電圧信号
のピークピーク振幅を慎重に制御しなければならず(そ
れは特定の振幅に維持されて対象のイオンが共鳴状態を
確立するようにしなければならない)、さらに、補充電
圧信号のAC周波数の変化の速度も慎重に制御して異なる
イオン種の同時排出による受け入れられないような質量
解像能の低下を回避しなければならない。
エルスバイアー(Elsevier)によって1976年に出版さ
れ、ピー・エイチ・ドーソン(P.H.Dawson)によって編
集された、「四極子質量分析及びその応用」(Quadrupo
le Mass Spectrometry and its Applications)は、49
頁乃至50頁において、共鳴励起の間に利用された補充場
の周波数が、安定的に捕捉されたイオンの共鳴周波数に
近似するがそれとは異なると、異なる共鳴周波数を持つ
イオンを、変化する結合場によって検出のために同時に
励起することができる点を開示する。これは分解能を望
ましくなく限定すると言われている。
安定的に捕捉されたイオンを励起するための他の従来
技術は「質量選択的不安定状態」励起として知られてい
る。この技術の例が上掲の米国特許第4,882,484号と欧
州特許出願公開第350,159A(1990年1月10日に公開)と
に開示されている。
質量選択的不安定励起においては、捕捉場(典型的に
は四極子捕捉場)をトラップ領域に確立して安定的にイ
オンを捕捉し、そして、その捕捉場の1又は2以上のパ
ラメータを掃引(又は走査)して捕捉されたイオンが連
続的に不安定になるようにする。各安定的に捕捉された
イオンは、捕捉場によって決定された安定的内の位置に
位置付けられるパラメータによって特徴付けられる。図
2は四極子捕捉場用の安定図の例である(図2は以下で
より詳細に説明する)。図2を参照すると、安定包絡線
内(βr=0、βz=1、βr=1及びβz=0と付さ
れた4つの曲線によって境界がつけられた領域内)の
「a」及び「q」のパラメータを持つイオンは、四極子
捕捉場に安定的に捕捉することができる(図2内のパラ
メータ「e」及び「m」はそれぞれ電荷数及び質量を示
す)。質量選択的不安定励起を実行する場合において
は、変化する捕捉場によりイオンが不安定になり、そし
て、安定的に捕捉された連続するイオンの「a」及び/
又は「q」のパラメータを安定図の外側に(安定図内か
ら)移動させることによってそれらのイオンが排出され
る。
従来のいくつかの質量選択的不安定励起方法において
は、補充場が、捕捉場の掃引又は走査の間にトラップ内
に確立される(AC発振器が電極の一方又は両方に接続さ
れる)。例えば、上掲の欧州特許出願350,159Aは(第3
欄58行乃至第4欄25行において)、四極子イオントラッ
プ内で四極子捕捉場のパラメータを掃引く又は走査する
間に補充AC電圧をその四極子イオントラップの端部電極
に印加する点を教示する。その出願はまた四極子捕捉場
のパラメータを固定し、そして補充AC周波数を掃引又は
走査して質量選択的不安定排出を完了することができる
点も教示する。その出願は、さらに、四極子捕捉場がRF
周波数成分を持ち、補充AC電圧の周波数がほぼそのRF周
波数の半分に等しく(例えば、RF周波数の半分のプラス
又はマイナス20パーセント内)、さらに、補充AC電圧が
z(軸線)方向へのイオン運動の特徴のある周波数に一
致する周波数を持つ点を教示する。
米国特許第4,749,860号(1988年6月日に発行)に開
示された従来の他の捕捉イオン励起方法においては、補
充AC電圧が、四極子イオントラップ内で四極子捕捉場の
パラメータを掃引又は走査する間に(例えば、米国特許
第4,749,860号の図2に示された走査図内の期間Cの間
に)、その四極子イオントラップの端部電極に印加され
る。その補充AC電圧の周波数は、安定的に捕捉されたイ
オンの連続を共鳴的に排出するように選択される。同時
に、他の捕捉イオンは、変化する結合場において連続的
に不安定になるといわれている。
しかし、質量選択的不安定励起の欠点は、蓄積するこ
とができるイオン数及び十分な質量分析能により分析さ
れた質量に対するダイナミックレンジが非常に限定され
る点にある。本願発明に係る方法を実行すると、ダイナ
ミックレンジを拡張することによってその欠点を回避
し、従来の共鳴励起方法の上記の欠点も回避することが
できる。
三次元四極子捕捉操作ではなく、四極子質量フィルタ
操作に関連して、上掲の「四極子質量分析及びその応
用」(1976年)は、74頁乃至76頁において、正弦波補充
場を四極子質量フィルタを確立する場に重ね、その補充
場の周波数はフィルタを通過して伝搬する選択イオンの
永続的周波数とは少しの量(Δω)だけ異なる点を教示
する。そのような補充場(それは、「近似共鳴」又は
「非共鳴」(「共鳴外れ」(off−resonance))補充場
というように示すことができる)は、フィルタを通過す
る運動がそのような永続的周波数を持つイオンを、運動
がわずかに異なる永続的周波数を持つイオンから分離
(フィルタ)(うなり周波数状態を確立することによっ
て)することができるといわれている。しかし、その文
献は、「非共鳴」場を、変化する結合場(三次元イオン
トラップ内に確立されたもの)の1つの成分として印加
して、選択された捕捉イオンを連続的に励起(共鳴励起
又は質量選択的不安定励起とは異なる機構によって)し
なければならない点は示唆していない。また、三次元ト
ラップ操作ではなくて、質量フィルタ操作に関連して、
1960年に発行された米国特許2,950,389号は近似共鳴補
充場の印加により、フィルタを通過する運動が第1永続
的周波数を持つイオンを、わずかに異なる永続周波数を
運動が持つイオンから分離(フィルタ)することができ
る点を教示する。
発明の概要 本願発明は質量分析方法であり、それは結合場(捕捉
場及び補充場からなる)を確立する工程と、結合場の少
なくとも1つのパラメータを変更してその結合場内に捕
捉されたイオンを連続的に(例えば検出のために)励起
する工程とを含む。補充場は、その補充場の周波数が、
捕捉場のみによって安定的に捕捉されたイオンの発振周
波数帯域の周波数成分の周波数と近似的に一致する(し
かし異なる)という意味において、「非共鳴」周波数を
持つ周期的に変化する場である。ここでは、補充場は
「非共鳴」場というように示すことがある。
本願発明に係る連続的イオン励起(ここでは「非共
鳴」走査又は励起というように示すことがある)は、ト
ラップから瞬時にイオン列を排出することができるが
(又は列内の各イオンを検出のような所望の目的のため
に十分な程度まで瞬時に励起することができるが)、そ
の理由は補充場が連続内の各イオンの軌道(trajector
y)を増加するからであり、それはその補充場が十分な
大きさをピークピーク振幅を持って所望の短時間周期内
において各イオン質量軌道を所望の量まで増加するため
であり、それは、共鳴状態を確立することがない状態で
又は共鳴状態が運動のイオン周波数と補充場周波数との
間に確立される前に行われる。
実施例の1つの種類においては、捕捉イオンは、結合
場の捕捉場成分の少なくとも1つのパラメータを変える
間に非共鳴場を一定に保持することによって連続的に励
起される。他の実施例においては、捕捉場は、捕捉場を
一定に保持する間に非共鳴場の少なくとも1つのパラメ
ータを変更(例えば、掃引又は走査)することによって
連続的に励起される。
すべての実施においては、非共鳴場のピークピーク振
幅が十分に高く維持されてイオンが共鳴励起状態になる
前にそれらのイオンを励起する(非共鳴励起作用を介し
て)。例えば、非共鳴場周波数が掃引されると、一連の
イオンのいずれかの発振的運動が、変化している結合場
内で共鳴励起に状態になる前に、非共鳴場のピークピー
ク振幅が十分高く維持され、それにより、非共鳴励起を
介して結合場から一連の捕捉イオンの各々が排出され
る。
これに対し、従来の共鳴励起方法においては、結合場
の変化速度が制御され、また、(固定され又は変化す
る)補充場(その周波数は捕捉イオンの周波数に一致す
る)のピークピーク振幅も制御されて、それを、対象の
イオンの運動の頻度を印加補充AC場の周波数に一致させ
る値に維持し、それにより、共鳴状態が励起のために確
立される。それらのパラメータが適切に制御されない
と、異なる(しかし類似する)m/z比率を持つイオンの
同時排出(つまり、第1m/z比率を持つイオンの共鳴励起
と第1m/z比率とはわずかに異なる第2m/z比率を持つ第2
イオンの同時非共鳴励起とを経由して)が生じることが
ある。典型的な従来の共鳴励起においては、補充場のピ
ークピーク振幅は1ボルトより小さく制御することがあ
るが(これにより上述のような干渉効果を回避する)、
本願発明の対応する実施例(同一の捕捉場を用いるも
の)においては、非共鳴場を生成する補充信号は1ボル
トよりかなり大きなピークピーク振幅を持つことができ
る(これにより、質量分析が従来の共鳴励起の場合より
もかなり速やかに実行できる)。
本願発明の望ましい実施例においては、変化する結合
場は選択された捕捉イオンを検出のために(又は検出以
外の目的のために)結合場から連続的に排出する。他の
例においては、本願発明は結合場から捕捉イオンを排出
することなくその捕捉イオンを連続的に励起する。
望ましい実施例においては、結合場は三次元四極子イ
オントラップの2つの端部電極及びリング電極から囲ま
れるトラップ領域に確立される。それらの実施例におい
ては、結合場は、基本電圧を1又は2以上のリング電極
及び端部電極に印加することによって生成される四極子
捕捉場と、補充AC電圧を端部電極に印加することによっ
て生成される補充場とからなる。基本電圧のRF(又はD
C)成分の振幅(又はRF成分の周波数)は、補充AC電圧
を端部電極に印加する間に走査若しくはそうでなければ
変化させることができ、又は四極子捕捉場を一定に保持
する一方補充AC電圧のパラメータを走査又はそうでなけ
れば変化させ、これにより、検出のための(又はバッフ
ァガスの存在内でイオン反応又は分離の誘導を含むよう
な他の様々な目的のいずれかのための)m/z比率の範囲
を持つイオンを連続的にかつ非共鳴的に励起する。
図面の簡単な説明 図1は本願発明の望ましい実施例の種類を実行するた
めに有用な装置の簡略化した概略図である。
図2は図1の装置によって発生することがきる四極子
捕捉場用の安定図である。
好ましい実施例の詳細な説明 ある種類の望ましい実施例を図2に示す安定図を参照
しながら説明する。それらの実施例においては、捕捉場
(結合場の捕捉場成分)は(振幅V及び周波数Ωの)正
弦波RF電圧成分と選択的に(振幅Uの)DC電圧成分とを
持ち、図1に示す種類の四極子イオントラップのリング
及び端部電極に印加される。
四極子イオントラップのために、周知のマシュー(Ma
thieu)式の解が図2に示された形状を持つ安定図を明
示する。図2を参照すると、「a」及び「q」のパラメ
ータが安定包絡線内にある(βr=0、βz=1、βr
=1及びβz=0が付された4つの曲線によって境界が
付けられた領域内にある)イオンを四極子捕捉場に安定
的に捕捉することができる(図2内のパラメータ「e」
及び「m」はそれぞれ電荷数及び質量を示す)。半径方
向の運動が範囲0<βr<1内にあるパラメータβrに
よって特徴付けられ、さらに、軸方向の運動が範囲0<
βz<1内のパラメータβzによって特徴付けられたイ
オンが安定的に捕捉される。
図1に示す四極子イオントラップ装置は本願発明の望
ましい実施例の種類を実行するのに有益である。図1の
装置はリング電極11及び端部電極12、13を含む。基本電
圧発生装置14のスイッチが(制御回路31からの制御信号
に応答して)オンに切り換えられて基本電圧が電極11と
電極12及び13との間に印加されると、三次元四極子捕捉
場が、電極11乃至13によって囲まれた領域16に確立され
る。基本電圧は振幅V及び周波数ωを持つ正弦波電圧か
らなるとともに選択的に振幅UのDC成分を持つ。ωは典
型的な例では無線周波数(RF)レンジ内にある。
イオン蓄積領域16は半径r0と垂直方向寸法z0を持つ。
電極11、12及び13は結合変圧器32を介して接地された共
通モードである。
補充AC電圧発生装置35のスイッチをオンに切り換えて
(制御回路31からの制御信号に応答して)、所望の補充
AC電圧を、図示するように端部電極12及び13に(又は、
その代わりに、電極11と電極12及び13の一方又は両方と
の間に)印加することができる。望ましい実施例におい
ては、発生装置35によって生成された補充AC電圧信号は
ピークピーク振幅Vsuppと「非共鳴」周波数ωsupp(以
下に説明する)を持つように選択される。四極子捕捉場
と補充AC電圧によって確立される補充(「非共鳴」)場
からなる結合場を変えて検出のために(又は他の目的の
ために)本願発明にしたがって連続的に所望の捕捉イオ
ンを励起することができる。いつかの実施例において
は、結合場は、両方の要素14及び35から出力された電圧
信号によって生じる結合場の1又は2以上のパラメータ
(V、ω、U、Vsupp及びωsupp)を走査又は掃引(以
下「走査」と示す)することによって変えることがで
き、これによって連続的に所望の捕捉イオンを励起する
ことができる。
フィラメント17は、フィラメント電源18によって電力
が与えられるときには、イオン化電子ビームを端部電極
12の孔を介して領域16に指向する。電子ビームは領域16
内のサンプル分子をイオン化し、これにより、その結果
のイオンを四極子捕捉場によって領域16内に捕捉するこ
とができる。筒状ゲート電極及びレンズ19はフィラメン
トレンズ制御回路21によって制御されて電子ビームをゲ
ート制御して所望によりオフ及びオンする。
1つの実施例においては、端部電極13は貫通孔23を持
ち、それを介してイオンを領域16から排出して、外部に
配置した電子倍増管検出器24によって検出することがで
きる。電位計27は検出器24の出力に現れた電流信号を受
取り、それを電圧信号に変換し、それは回路28内で加算
されるとともに記憶されてプロセッサ29内で処理され
る。
図1の装置の変形例においては、貫通孔23が省略され
てトラップ内検出器が代わりに用いられる。そのような
トラップ内検出器はトラップの端部電極自体から構成す
ることができる。例えば、一方又は他方の端部電極を燐
光性の材料(それはその表面の1つへのイオンの入射に
応答して光子を出力する)から構成(又は部分的に構
成)することができる。実施例の他の種類においては、
トラップ内検出器は端部電極とは別のものとするが、そ
れらの一方又は両方に一体的に取り付けられる(イオン
を検出するためであり、そのイオンは端部電極に衝突す
るが、領域16に面する端部電極の表面の形状に重大なゆ
がみを生じさせるものではない)。トラップ内のこの種
類の1つの例としてはファラデー効果検出器があり、そ
こでは、電気的に絶縁された導電ピンが、そのチップ先
端が端部電極表面と同一高さとなるように配置される
(望ましくは、端部電極13の中央にあるz軸線に沿った
位置である)。他の例としては、他の種類のイオン検出
器、例えば、検出すべきイオンが検出器に直接衝突する
ことを要求しないイオン検出器を採用することができる
(この後者の種類の検出器の例はここでは「原位置検出
器」として示し、それは共鳴出力吸収検出手段と画像電
流検出手段とを含む)。
各トラップ内検出器の出力は適切な検出器回路電極を
介してプロセッサ29に供給される。
いくつかの実施例においては、発生装置35は十分な出
力の補充AC信号をリング電極(端部電極ではなく)に供
給する発生装置によって置き換えられ、それにより、z
軸線方向ではなく半径方向(つまり、リング電極11に向
かう半径方向)にイオンがトラップを出るように誘導す
る。z軸線に沿って設けられた検出器を用いて他のイオ
ンを検出する前に不要なイオンを半径方向にトラップか
ら排出するように高出力の補充信号をトラップに印加す
ると、補充信号の印加の間に検出器の飽和を回避するこ
とができるのでイオン検出器の作動寿命を十分に増加さ
せることができる。
四極子捕捉場がDC成分を持つと、それは高周波及び低
周波カットオフの両方を持つことがあり、低周波カット
オフより低い又は高周波カットオフより高い発振周波数
を持つイオンを捕捉できなくなる。
制御回路31は制御信号を発生して、基本電圧発生器1
4、フィラメント制御回路21及び補充AC電圧発生装置35
の制御を行う。回路31はプロセッサ29から受けとるコマ
ンドに応答して制御信号を回路14、21及び35に送り、さ
らにプロセッサ29からの要求に応答してデータをプロセ
ッサ29に送る。
制御回路31は、望ましくは、補充AC電圧発生装置35に
よって現わされた各補充電圧信号の周波数−振幅帯域を
速やかに作りかつ制御する型のデジタルプロセッサ又は
アナログプロセッサからなる(又は、適当なデジタル信
号プロセッサ又はアナログプロセッサを発生器35内に組
み込むことができる)。この目的に適したデジタルプロ
セッサは市販の入手可能なモデルから選択することがで
きる。デジタル信号プロセッサを用いると、異なる周波
数−振幅帯域を持つ補充電圧信号の連続を速やかに発生
することができる(例えば、イオン蓄積の間のノッチフ
ィルタ済み広帯域信号の印加)。
本願発明によると、捕捉場がトラップ領域(例えば、
図1の領域16)に確立され、イオンが捕捉場に形成又は
誘導されてそこに安定的に捕捉される。捕捉場は、イオ
ン周波数の捕捉レンジに対応する選択されたレンジ内の
m/z比率を持つイオンを蓄積することができる。結合場
(捕捉場及び補充場からなる)がトラップ領域に確立さ
れ、その結合場の少なくとも1つのパラメータが変えら
れて捕捉されたイオンの内から選択されたものを連続的
に励起する(例えば検出のために)。補充場は周期的に
変化し、その周波数は捕捉場のみによって安定的に捕捉
されたイオンの運動の周波数に近似的に一致する(しか
し異なる)「非共鳴」周波数である。その補充場はここ
では「非共鳴」(「共鳴外れ」)場というように示すこ
とがある。
本願発明による連続的なイオン励起によると(「非共
鳴」走査又は励起)、トラップ領域から捕捉イオン列を
瞬時に排出することができるが(又は、そのような列中
の各イオンを所望の目的のために十分な程度まで瞬時に
励起することができるが)、それは、非共鳴場が列内の
各イオンの軌道の増加を引き起こすからであり、また、
非共鳴場が十分な大きさのピークピーク振幅を持って各
イオンの軌道を所望の短い時間周期内で所望の大きさま
で増加することができるからである。
実施例の1つの種類においては、捕捉イオンは、結合
場の捕捉場成分の少なくとも1つのパラメータを変える
間に、非共鳴場を一定に保持することによって連続的に
励起される。他の実施例においては、捕捉イオンは、捕
捉場を一定に保持する間に、非共鳴場の少なくとも1つ
のパラメータを変えることによって連続的に励起され
る。
すべての実施例においては、非共鳴場のピークピーク
振幅は十分に高く保持されて、イオンが共鳴励起になる
前にそれらのイオンを励起する(非共鳴励起機構を介し
て)。例えば、非共鳴場周波数が掃引されると、非共鳴
場のピークピーク振幅が十分に高く保持されて、連続す
る捕捉イオンの各々を、非共鳴励起を介して結合場から
排出するが、それは連続内のすべてのイオンの永続的運
動が、変化する結合場内で共鳴励起になる前に行われ
る。
これに対し、従来の共鳴励起方法においては、結合場
パラメータ及び(一定の又は変化する)補充場(その周
波数は捕捉イオンの永続的周波数と一致する)のピーク
ピーク振幅の変化速度は制御されて、異なる(しかし類
似する)m/z比率を持つイオンの同時排出(つまり、第1
m/z比率を持つイオンの共鳴励起と第1m/z比率とは僅か
に異なる第2m/z比率を持つ第2イオンの同時非共鳴励起
とを介して)を引き起こす値より低い値に保持される。
典型的な従来の共鳴励起においては、補充場のピークピ
ーク振幅は1ボルトより小さな値に制御されなければな
らないが(上述の干渉影響を排除するため)、本願発明
の対応する実施例(同一の捕捉場を採用するもの)にお
いては、非共鳴場を生成する補充信号は1ボルトよりか
なり大きなピークピーク振幅を持つことができる(質量
分析が従来の共鳴励起の場合よりもかなり速やかに実行
することができるようになるためである)。
図2を参照すると、本願発明に係る変化する結合場の
非共鳴場成分が以下の方法により連続する捕捉イオンを
励起する。各捕捉イオンの運動の周波数は安定包絡線内
の点に位置付けられたパラメータによって画定される
(捕捉場が四極子場ではない実施例においては安定包絡
線の形状は図2のものとは異ならせることができる)。
変化する結合場の非共鳴場成分は連続内の各イオンを励
起して(非共鳴励起を介して)イオンを不安定にするこ
となくイオンの軌道を拡大する。言い換えると、非共鳴
励起の間、イオンの運動のパラメータは安定包絡線内の
ある点に位置付けられ続ける。各イオンは、安定包絡線
内でイオンが位置付けられる点が共鳴点と一致する前に
(つまり、イオン運動の周波数が印加補充AC信号の周波
数と一致する前に、その結果、イオンが、変化する結合
場内で共鳴励起になる前に)、所望の時間内で(非共鳴
励起を介して)所望の程度まで励起される。
望ましい実施例においては、変化する結合場は選択さ
れた捕捉イオンを結合場から検出のために(又は検出で
はない目的のために)連続的に排出する。他の実施例に
おいては、本願発明は捕捉イオンを結合場から排出する
ことなくそれを連続的に励起する。
望ましい実施例においては、結合場は三次元四極子イ
オントラップ(例えば図1に示すもの)のトラップ領域
(例えば、図1に示す領域16)内に確立される。それら
の実施例においては、結合場は、上述の基本電圧をトラ
ップの1つ又は2以上のリング電極及び端部電極に印加
することによって生成される四極子捕捉場と、補充AC電
圧を端部電極に印加することによって生成される非共鳴
補充場とからなる。基本電圧のRF(又はDC)成分の振幅
(又はRF成分の周波数)は、補充AC電圧を端部電極に印
加する間に、走査若しくは別の方法で変更することがで
き、又は四極子捕捉場は、補充AC電圧のパラメータを走
査若しくは別の方法で変更する間に、一定に保持するこ
とができ、これにより、m/z比率のレンジを持つイオン
を検出のために(又はバッファガスの存在内でイオン反
応又は分離を誘導するようなことを含む様々な他の目的
のいずれのために)連続的に励起することができる。
第2の補充場を捕捉場に重ねて(非共鳴場を捕捉場に
重畳する前に又はその間に)、第2の選択されたレンジ
内のm/z比率を持つ不要なイオンを結合場から排出する
ことができ、そこでは、第2補充場は、第1周波数から
ノッチ周波数帯域までの低周波レンジ内の周波数成分
と、そのノッチ周波数帯域から第2周波数までの高周波
レンジ内の周波数成分とを持ち、また、第1周波数及び
第2周波数にまたがる周波数レンジは捕捉レンジを含
む。そのような第2の補充場はイオンをトラップ領域か
ら排出し(選択されたイオンとは異なるもの)、これに
より、そうでない場合に、連続する質量分析操作を妨げ
るであろう不要なイオンの蓄積を妨げる。
上述の実施例の変形においては、第2補充場は2又は
3以上のノッチ帯域を持つ(つまり、周波数成分の不存
在)。例えば、第2補充場は、第1周波数から第1ノッ
チ周波数帯域間での低周波レンジ内の周波数成分と、そ
の第1ノッチ周波数帯域から第2ノッチ周波数帯域間で
の中間周波数レンジ内の周波数成分と、その第2ノッチ
周波数帯域から第2周波数までの高周波レンジ内の周波
数成分とを持つことができる。多くの質量分析の応用の
ために、第2補充場の周波数成分の各々は望ましくは10
mVから10ボルトまでの範囲の振幅を持つ。
いくつかの実施例においては、結合場の1又は2以上
のパラメータを変えて、(MS)質量分析操作(ここで
n=2、3、4またはそれより多い)を実行するように
捕捉イオンを連続的に励起する。そのような(MS)
作においては、結合場は変えられて(例えば、その結合
場の非共鳴場成分を切り換えると共にその周波数を変え
ることによって)、親又は娘イオンの分離を引き起こ
し、その後、異なる方法で(例えば、掃引又は走査され
ることにより)変えられて娘イオンの質量分析を実行す
る。
上述の実施例のいずれにおいても、捕捉場及び非共鳴
場は電圧信号をトラップ領域を囲むイオントラップ装置
電極に印加することによって確立される。望ましい実施
例においては、捕捉場は正弦波基本電圧によって決定さ
れる四極子場であり、正弦波基本電圧は、四極子イオン
トラップのリング電極及び端部電極の1つ又は2以上に
印加されるDC電圧成分(振幅Uのもの)とRF電圧成分
(振幅V及び周波数ωのもの)とを持つ。
望ましい実施例においては、バッファ又は衝突ガス
(例えば、ヘリウム、水素、アルゴン、又は窒素のよう
なものであるが、それらには限定されない)が、実験及
び/又は質量分析工程のいかなる部分の間でも(つま
り、結合場を変化する工程の間に)トラップ領域に導か
れ又はそれから除去されて質量分解能及び/又は感度を
改善する。
本願発明の他の実施例においては、結合場の捕捉場成
分は六極子(又は八極子又はより高次数の多数極子)捕
捉場であり、それは正弦波(又は他の周期的な)基本電
圧を六極子(又は八極子又はより高次数の多数極子)イ
オントラップの電極に印加することによって確立され
る。
本願発明のいずれの実施例においても、 結合場を変更する間、その結合場の1又は2以上のパ
ラメータの変更速度は所望の質量分析を達成するように
制御され、 結合場を変更する間に自動感度制御方法を用いること
ができ、 結合場を変更する間に非連続質量分析を実行すること
ができ(例えば、結合場は、それに連続する非共鳴場を
重ねることによって変更することができ、その場合、各
非共鳴場は任意に選択されたm/z比率のイオンを励起す
るように選択された周波数を持つ)、 結合場は第2補充場を含むことができ、それは、例え
ば、質量分析操作にともなう密封されたイオントラップ
(例えば、Oリングによって密封されたもの)への透過
性ガスの漏出やいずれかの他の不要なm/z比率による干
渉を排除するように選択された周波数帯域での1又は2
以上のノッチ(つまり、周波数が存在しない)を含む周
波数帯域を持つことができ、 結合場は1又は2以上の「ポンプ」場を含むことがで
きる(各々は捕捉場と実質的に同一の空間形状を持
つ)。それらの場は、例えば、選択されて、結合された
捕捉及びポンプ場が、化学的イオン化(CI)操作又は選
択反応イオンCI操作のような所望の質量分析操作を実行
するために適切に選択された周波数帯域に1又は2以上
のノッチを含む周波数帯域を画定し、その間に不要なイ
オンの存在による損傷からイオン検出器を保護すること
ができ、 結合場の存在においては、イオントラップに導かれた
電子のエネルギーを制御してその電子が不要なイオンを
作り出さないようにすることができ(例えば、トラップ
及び/又は関連する真空チャンバ内で衝突、CI及び/又
は溶媒ガスをイオン化することによって)、 結合場はイオンサイクロトロン共鳴(ICR)トラップ
に確立することができ、また、結合場を変えてイオンを
検出のためにそのICRトラップ内で励起することがで
き、 異なるガス圧をイオン注入移送システム、イオントラ
ップ及び/又はイオン検出器に維持して分析全体の実行
を最適化することができ、 イオントラップ又は真空システムを用いることがで
き、それは空中ガスを結合場の領域に供給するように設
計されたOリング又は透過膜を持ち、1若しくは2以上
のガスはイオン化されるとともにCI若しくは電荷交換反
応の実行に用いるために蓄積され、又はイオン化されな
いガスはトラップイオンの衝突分離又は冷却を行うこと
ができ、さらに、 分析イオンを蓄積かつ/又は集中し、さらに質量分析
計の真空チャンバとして機能する電極構造を持つイオン
トラップ質量分析計においては、結合場は不要なイオン
を電極構造内から除去するための周波数−振幅帯域を持
つように設計できる。
本願発明の上記の方法の他の様々な変更及び変形は本
願発明の範囲及び意図を逸脱することなく当業者には明
白であろう。本願発明は特定の望ましい実施例に関して
説明されたが、請求の範囲に記載されたように、本願発
明はそのような特定の実施例に不当に限定されるべきで
はない点は理解すべきである。

Claims (22)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)選択された範囲内の質量対電荷比を
    持つイオンを安定的に捕捉できるトラップ領域を四極子
    イオントラップ装置に形成する工程と、 (b)電圧を前記四極子イオントラップ装置の少なくと
    も1つの電極に印加することによって前記トラップ領域
    内で選択された捕捉イオンを励起する工程とを含む質量
    分析方法であって、 前記工程(b)が、 前記電圧のパラメータを変えて、前記トラップ領域にお
    けるピークピーク振幅を実質的に高く保持し、これによ
    り、前記選択された捕捉イオンが共鳴励起になる前に、
    該選択された捕捉イオンを非共鳴励起作用によって連続
    的に励起する工程を含む方法。
  2. 【請求項2】請求項1の方法において、前記ピークピー
    ク振幅は1ボルトより大きな振幅である方法。
  3. 【請求項3】請求項1の方法において、前記パラメータ
    は前記電圧の振幅又は周波数である方法。
  4. 【請求項4】請求項1の方法において、前記電圧は、振
    幅V及び周波数ωのRF電圧成分を持つ正弦波基本電圧信
    号又は振幅Vsupp及び周波数ωsuppの正弦波補充電圧信
    号である方法。
  5. 【請求項5】請求項4の方法において、前記正弦波基本
    電圧はDC電圧成分も持つ方法。
  6. 【請求項6】請求項1の方法において、前記工程(b)
    は前記パラメータの変化速度を制御して所望の質量分析
    を達成する工程を含む方法。
  7. 【請求項7】(a)選択された範囲内の質量対電荷比を
    持つイオンを安定的に捕捉できるトラップ領域を四極子
    イオントラップ装置に形成する工程と、 (b)電圧を前記四極子イオントラップ装置の少なくと
    も1つの電極に印加することによって前記トラップ領域
    内で選択された捕捉イオンを励起する工程であって、前
    記電圧のパラメータを変えて、前記トラップ領域におけ
    るピークピーク振幅を実質的に高く保持し、これによ
    り、前記選択された捕捉イオンが共鳴励起になる前に、
    該選択された捕捉イオンを非共鳴励起作用によって励起
    して非連続的に質量分析を実行する工程とを含む質量分
    析方法。
  8. 【請求項8】(a)選択された範囲内の質量対電荷比を
    持つイオンを安定的に捕捉できるトラップ領域を四極子
    イオントラップ装置に形成する工程と、 (b)前記トラップ領域内で選択された捕捉イオンを励
    起する工程であって、該励起のための信号が選択周波数
    帯域において少なくとも1つのノッチを含む周波数帯域
    を持ち、また、該工程の間に、前記イオントラップ領域
    を形成する信号のピークピーク振幅を実質的に高く保持
    し、これにより、前記選択された捕捉イオンが共鳴励起
    になる前に、該選択された捕捉イオンを非共鳴励起作用
    によって励起する工程とを含む質量分析方法。
  9. 【請求項9】(a)選択された範囲内の質量対電荷比を
    持つイオンを安定的に捕捉できるトラップ領域を四極子
    イオントラップ装置に形成する工程と、 (b)前記トラップ領域内で選択された捕捉イオンを励
    起する工程であって、該工程の間に、前記イオントラッ
    プ領域を形成する信号のピークピーク振幅を実質的に高
    く保持し、これにより、前記選択された捕捉イオンが共
    鳴励起になる前に、該選択された捕捉イオンを比共鳴励
    起作用によって励起し、また、前記イオントラップ領域
    内で、前記選択された捕捉イオンの各々の軌道を所望の
    時間内に所望の大きさまで拡大する工程とを含む質量分
    析方法。
  10. 【請求項10】(a)選択された範囲内の質量対電荷比
    を持つイオンを安定的に捕捉できるトラップ領域を四極
    子イオントラップ装置に形成する工程と、 (b)前記トラップ領域内で選択された捕捉イオンを励
    起して、前記イオントラップ領域を形成する信号のピー
    クピーク振幅を実質的に高く保持し、これにより、前記
    選択された捕捉イオンが共鳴励起になる前に、該選択さ
    れた捕捉イオンを非共鳴励起作用によって連続的に励起
    する工程と、 (c)衝突ガス又はバッファガスの少なくとも一方を前
    記トラップ領域に導いて質量分解能及び感度の少なくと
    も一方を改善する工程とを含む質量分析方法。
  11. 【請求項11】(a)選択された範囲内の質量対電荷比
    を持つイオンを安定的に捕捉するために2つのトラップ
    領域を四極子イオントラップ装置のイオントラップ領域
    に重畳させて形成する工程と、 (b)前記イオントラップ領域において、選択された捕
    捉イオンを連続的に励起するために前記2つのトラップ
    領域を形成するための信号のピークピーク振幅を実質的
    に高く保持し、該信号の少なくとも1つのパラメータを
    走査する工程とを含み、 前記工程(b)が、 前記2つのトラップ領域の一方を固定する一方他方のト
    ラップ領域におけるピークピーク振幅を実質的に高く保
    持し、これにより、前記選択された捕捉イオンが共鳴励
    起になる前に、該選択された捕捉イオンを非共鳴励起作
    用によって連続的に励起する工程を含む質量分析方法。
  12. 【請求項12】請求項11の方法において、前記イオント
    ラップ領域は基本電圧を四極子イオントラップ装置の少
    なくとも1つの電極に印加することによって形成され、
    さらに、前記工程(b)は、 前記基本電圧の成分の振幅を走査する工程を含む方法。
  13. 【請求項13】請求項11の方法において、前記イオント
    ラップ領域は基本電圧を四極子イオントラップ装置の少
    なくとも1つの電極に印加することによって形成され、
    さらに、前記工程(b)は、 前記基本電圧の周波数を走査する工程を含む方法。
  14. 【請求項14】(a)選択された範囲内の質量対電荷比
    を持つイオンを安定的に捕捉できるトラップ領域を四極
    子イオントラップ装置に形成する工程と、 (b)前記トラップ領域において、選択された捕捉イオ
    ンを連続的に励起するために前記トラップ領域を形成す
    る信号のピークピーク振幅を実質的に高く保持し、前記
    トラップ領域を形成するための信号の少なくとも1つの
    パラメータを走査する工程とを含み、 前記工程(b)が、 前記トラップ領域を形成する信号のパラメータを1つの
    パラメータを走査する工程であって、該トラップ領域を
    形成する信号のピークピーク振幅を実質的に高く保持
    し、これにより、前記選択された捕捉イオンが共鳴励起
    になる前に、該選択された捕捉イオンを非共鳴励起作用
    によって連続的に励起する工程を含む質量分析方法。
  15. 【請求項15】請求項14の方法において、前記イオント
    ラップ領域は前記補充AC電圧を四極子イオントラップ装
    置の少なくとも1つの電極に印加することによって形成
    され、さらに、前記工程(b)は、 前記補充AC電圧の成分の振幅を走査する工程を含む方
    法。
  16. 【請求項16】請求項14の方法において、前記イオント
    ラップ領域は補充AC電圧を四極子イオントラップ装置の
    少なくとも1つの電極に印加することによって形成さ
    れ、さらに、前記工程(b)は、 前記補充AC電圧の周波数を走査する工程を含む方法。
  17. 【請求項17】(a)選択された範囲内の質量対電荷比
    を持つイオンを安定的に捕捉できるトラップ領域を四極
    子イオントラップ装置に形成する工程と、 (b)前記トラップ領域において、選択された捕捉イオ
    ンを連続的に励起するために前記イオントラップを形成
    するための信号の少なくとも1つのパラメータを走査す
    る工程であって、前記励起のための信号が、選択周波数
    帯域において少なくとも1つのノッチを含む周波数帯域
    を持ち、また、該工程の間に、前記イオントラップ領域
    を形成する信号のピークピーク振幅を実質的に高く保持
    し、これにより、前記選択された捕捉イオンが共鳴励起
    になる前に、該選択された捕捉イオンを非共鳴励起作用
    によって連続的に励起する工程とを含む質量分析方法。
  18. 【請求項18】(a)選択された範囲内の質量対電荷比
    を持つイオンを安定的に捕捉できるトラップ領域を四極
    子イオントラップ装置に形成する工程と、 (b)前記トラップ領域内で選択された捕捉イオンを連
    続的に励起するために前記イオントラップを形成するた
    めの信号の少なくとも1つのパラメータを走査する工程
    であって、該工程(b)の間に、前記信号は十分に大き
    なピークピーク振幅を持ち、これにより、前記選択され
    た捕捉イオンが共鳴励起になる前に、該選択された捕捉
    イオンを非共鳴励起作用によって励起し、また、前記選
    択されたトラップイオンの各々の軌道を所望の時間内に
    所望の大きさまで拡大する工程とを含む質量分析方法。
  19. 【請求項19】(a)選択された範囲内の質量対電荷比
    を持つイオンを安定的に捕捉できるトラップ領域を四極
    子イオントラップ装置に形成する工程と、 (b)前記トラップ領域内で選択された捕捉イオンを連
    続的に励起するために前記イオントラップ領域を形成す
    るための信号の少なくとも1つのパラメータを走査して
    ピークピーク振幅を実質的に高く保持し、これにより、
    前記選択された捕捉イオンが共鳴励起になる前に、該選
    択された捕捉イオンを非共鳴励起作用によって連続的に
    励起する工程と、 (c)衝突ガス及びバッファガスの少なくとも一方を前
    記トラップ領域に導いて質量分解能及び感度の少なくと
    も一方を改善する工程とを含む質量分析方法。
  20. 【請求項20】請求項1の方法において、前記工程
    (b)は前記選択された捕捉イオンを検出のために連続
    的に励起する工程を含む方法。
  21. 【請求項21】請求項1の方法において、前記工程
    (b)は前記選択された捕捉イオンを前記トラップ領域
    から排出するために連続的に励起する工程を含む方法。
  22. 【請求項22】請求項1の方法において、前記工程
    (b)は前記選択されたイオンを前記トラップ領域から
    排出するために連続的に励起し、これに続いて前記トラ
    ップ領域の外側に配置された検出器による検出が行われ
    る工程を含む方法。
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