JP3360837B2 - 気分転換装置 - Google Patents

気分転換装置

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JP3360837B2
JP3360837B2 JP08328291A JP8328291A JP3360837B2 JP 3360837 B2 JP3360837 B2 JP 3360837B2 JP 08328291 A JP08328291 A JP 08328291A JP 8328291 A JP8328291 A JP 8328291A JP 3360837 B2 JP3360837 B2 JP 3360837B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は環境シミュレータの自然
風発生装置及びこれを用いた気分転換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】今日のようなストレス社会においては、
精神的および肉体的な健康を保つために、ストレスをど
のように解消していくかが重要になる。このため、従来
より各種のストレス解消装置が提案されており、このよ
うなストレス解消装置の一つとして、カプセル型のもの
が知られている。この従来装置は、対象となる被験者を
カプセルの暗室内に収容し、各種の環境音楽などを用い
被験者の緊張をほぐし、ストレスの解消を図っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようなストレス解
消装置では、風発生装置などを用いてカプセル内に自然
風を発生させ、ストレスの解消をより効果的に行うこと
も考えられる。しかし、従来の送風機は、どうしても人
工的な風しか発生できず、人間の感覚にとって違和感の
ない自然の風を発生できる環境シミュレータはなかっ
た。
【0004】また、前記従来のストレス解消装置は、各
被験者に対し同一のプログラムで画一的にストレスの解
消を図ろうとしているため、ストレスレベルの異なる被
験者に対し幅広く対応できないという問題があった。す
なわち、従来のような画一的なストレス解消プログラム
では、標準よりストレスレベルが強い被験者や軽い被験
者には充分対応ができない。
【0005】また、ストレス解消プログラムは、ストレ
スの程度ばかりではなく、被験者の性格、年齢、性別等
の各種の要件を勘案して作成する必要がある。しかし、
従来のような画一プログラムでは、ある種の被験者には
効果的であっても、それ以外の被験者には殆ど効果が無
い場合が多いという問題もあった。
【0006】本発明の第1の目的は、人間にとって自然
に近い揺ぎをもった風を、人工的に発生させ、被験者の
精神状態を、現在のコンディションから被験者の希望す
るコンディションに誘導するよう気分転換させることが
できる気分転換装置を提供することにある。
【0007】また、本発明の第2の目的は、視覚的およ
び聴覚的な演出と、自然風発生装置により作り出される
揺らぎをもった自然風による演出とを複合的に組合わ
せ、被験者の精神状態を、現在のコンディションから被
験者の希望するコンディションに誘導するよう気分転換
させることができる気分転換装置を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記第1の目的を達成す
るため、請求項1に係る気分転換装置は、被験者を収容
する気分転換用スペースを有し、当該気分転換用スペー
スに向けて多チャンネルのエアー吹出口が設けられた
ウジングと、被験者に対し現在のコンディション及び被
験者の希望するコンディションを質問するとともに、質
問に対する回答が入力される対話型問い合わせ手段と、
被験者の回答に基づき、被験者の精神状態を現在のコン
ディションから被験者の希望するコンディションに誘導
する揺らぎをもつ自然風を発生させるための環境体験プ
ログラムを作成する体験プログラム作成手段と、作成さ
れた前記環境体験プログラムに基づき、前記各エアー吹
出口から前記気分転換用スペース内に前記揺らぎをもつ
自然風を発生させて前記気分転換用誘導環境を演出する
環境演出手段と、を含み、前記気分転換用スペース内に
収容された被験者の精神状態を希望するコンディション
に誘導することを特徴とする
【0009】また、前記第2の目的を達成するため、
求項2に係る気分転換装置は、被験者を収容する気分転
換用スペースを有するハウジングと、被験者に対し現在
のコンディション及び被験者の希望するコンディション
を質問するとともに、質問に対する回答が入力される対
話型問い合わせ手段と、光演出装置と、楽音発生装置
と、自然風発生装置とを含み、被験者の収容された前記
気分転換用スペース内に、前記気分転換用誘導環境を演
出する環境演出手段と、被験者の回答に基づき、前記環
境演出手段の光演出装置と楽音発生装置と自然風発生装
置とを組み合わせて制御して被験者の精神状態を現在の
コンディションから被験者の希望するコンディションに
誘導する環境体験プログラムを作成する体験プログラム
作成手段と、を含み、前記光演出装置は、作成された前
記環境体験プログラムに基づき、被験者の少なくとも前
方に、視覚的な気分転換用誘導環境を演出し、前記楽音
発生装置は、作成された前記環境体験プログラムに基づ
き、被験者の周囲に聴覚的な気分転換用誘導環境を演出
し、前記自然風発生装置は、前記気分転換用スペースに
向けて形成された多チャンネルのエアー吹出口を有し、
作成された前記環境体験プログラムに基づき、前記気分
転換用スペース内に前記揺らぎをもつ自然風を発生させ
て気分転換用誘導環境を演出し、当該各装置による気分
転換用誘導環境の演出を組み合せることにより、前記気
分転換用スペース内に収容された被験者の精神状態を希
望するコンディションに誘導することを特徴とする。
【0010】
【作用】本発明は以上の構成からなり、次にその作用を
説明する。
【0011】本発明に係る気分転換装置は、被験者の収
容スペースに向け多チャンネルのエアー吹出し口を設け
る。そして、各チャンネルごとに、エアー吹出し口から
吹出す風の強さの経時変化を表す吹出しデータをデータ
記憶手段に記憶しておく。このときの吹出しデータは、
各チャンネルの吹き出し口から吹き出される風が、全体
として自然風と感じるような揺ぎを持つように設定す
る。
【0012】これによりエアー吹出し制御手段が、前記
各吹出しデータに基づき、各チャンネルのエアー吹出し
口から吹出される風の強さを個別制御することで、収納
スペース内に自然風を人工的に発生させることができ
る。
【0013】また、本発明の気分転換装置によれば、ま
ず対話型問い合わせ手段から被験者に対し、被験者の現
在のコンディションおよび被験者の希望するコンディシ
ョンを質問する。被験者はこの質問に対し、前記対話型
問い合わせ手段を用いて回答を入力する。入力された被
験者の回答に基づき、体験プログラム作成手段は、被験
者の精神状態を現在のコンディションから希望するコン
ディションに誘導する環境体験プログラムを作成する。
【0014】そして、作成された環境体験プログラムに
基づき、気分転換用スペース内に気分転換用誘導環境が
演出される。このように、被験者固有のコンディション
に合せ、最適な気分転換用誘導環境が演出されるため、
気分転換用スペース内に収容された被験者は、精神状態
が希望するコンディションに誘導されるように気分転換
を図ることができる。
【0015】特に、請求項2の気分転換装置では、請求
項1の気分転換装置と同様の作用を奏することに加え、
視覚的および聴覚的な演出と、自然風発生装置により作
り出される揺ぎをもった自然風による演出とを複合的に
組合わせ、各種の気分転換用誘導環境を効果的に演出
し、被験者を気分転換させることができる。
【0016】
【実施例】次に本発明の好適な実施例を図面に基づき詳
細に説明する。
【0017】図2には、本実施例に係る気分転換装置の
概略図が示されている。この気分転換装置は防音・遮光
カプセル型のハウジング10内に気分転換用スペース1
2が形成されている。この気分転換用スペース12内に
は、被験者が着座するリクライニングシート50が設置
されており、その内部が暗室となるように形成されてい
る。
【0018】また、このハウジング10の外側壁には、
IDカード用書込/読出装置20が設けられ、被験者は
この書込/読出装置20に自分固有のIDカードを差し
込んだ後に、図示しないドアを介し気分転換用スペース
12へ出入りするようになっている。
【0019】前記気分転換用スペース12内には、リク
ライニングシート50の右前方位置に、対話型問い合わ
せ手段として液晶ディスプレイ30およびタッチセンサ
32が設置されている。前記液晶ディスプレイ30は、
リクライニングシート50に着座した被験者の手の届く
位置に設置されており、その画面上には被験者に対し現
在のコンディションおよび被験者の希望するコンディシ
ョンに関する質問メッセージ及びその回答モデルが表示
される。前記タッチセンサ32は、液晶ディスプレイ3
0の周囲に形成され、これを操作することにより、前記
質問メッセージに対する回答を入力するようになってい
る。
【0020】また、前記ハウジング10内には、次のよ
うな各種の環境演出装置が設けられている。
【0021】例えば、気分転換用スペース12の前方に
は、光演出手段の一部を構成するスクリーン覗き窓11
0が設置されており、このスクリーン覗き窓110に
は、光と色彩変化による空のイメージ映像が展開され
る。オレンジ色からピンク色に染まっていく夕焼,暗
雲,落雷の閃光,炎,星空のきらめき,さわやかな夜明
の空等、各種の空のイメージが、実際の画像ではなく光
と色彩変化により演出表示され、視覚的に刺激を与える
ようになっている。
【0022】また、この気分転換用スペース12内に
は、左右一対のフロントスピーカ210,210,左右
一対のリアスピーカ212,212および1個の天井ス
ピーカ214が楽音発生装置として設けられ、これら各
種スピーカ210,210,212,212,214を
用いて形成された三次元音響システムにより、自然音を
中心としたサウンドで各種環境を聴覚的に演出するよう
構成されている。例えば「森の中」を演出する場合に
は、上空を舞う小鳥達の声が天井スピーカ214から流
れ、左右のフロントスピーカ210,210からは木々
のざわめきが静かに拡がるように聞こえ、一対のリアス
ピーカ212,212からは耳を澄ますと谷底から川の
流れが聞こえてくるように演出される。
【0023】また、リクライニングシート50に座った
被験者の足下に向け、温風吹出口310が温風発生装置
の一部として設けられている。従って、例えば、被験者
に対し暖炉や焚火に当っているような情況を演出する場
合には、この温風吹出口310から吹出される温風によ
り足下を暖め、心身をリラックスさせることができる。
【0024】また、このハウジング10には、空気清浄
装置350が設けられ、気分転換用スペース12内の塵
や埃、煙草の煙から花粉まで清浄し、被験者に不快な感
じを与えないようにして心身をリラックスさせるように
なっている。
【0025】また、リクライニングシート50に着座し
た被験者の前方には、本発明の要部を構成する左右2チ
ャンネルの自然風吹出口410,412が設けられ、こ
の吹出口410、412から被験者に向け心地良いゆら
ぎを持った微風が吹出され心身をリフレッシュするよう
になっている。
【0026】また、リクライニングシート50のふくら
はぎ部分およびヘッドレストには、頭寒足熱装置として
ヒータ62,クーラー64が設置されている。これは、
自律訓練法では、心身をリラックスするために頭寒足熱
を訓練することに着目し、その状態を積極的につくり出
し、被験者の心身をリラックスさせるためである。
【0027】また、リクライニングシート50は、被験
者の全身が深く沈み込むように前後方向に傾度制御され
るよう構成され、このときの傾度角度と傾度速度を制御
することにより、全身が沈み込んだり浮き上がったりと
いう浮遊感が得られ、気分転換用スペース12内におい
て演出される気分転換用誘導環境に被験者をスムーズに
同化させるようになっている。
【0028】図1には、実施例の気分転換装置の制御回
路の要部が示されている。
【0029】実施例の気分転換装置は、被験者のIDカ
ードに書き込まれたデータが、IDカード用書込/読出
装置20により読み取られ、演算制御回路70へ入力さ
れるようになっている。演算制御回路70は、モニター
画面用制御装置34を制御し、液晶モニター30上に前
述した質問メッセージ及びその回答パターンを表示させ
る。そして、この質問メッセージに対し、タッチセンサ
32から入力される回答は演算制御回路70に入力され
る。すなわち、前記液晶モニター30上には、被験者に
対し現在のコンディションおよび被験者の希望するコン
ディションが質問される。そして、この質問に対する回
答がタッチセンサ32を用いて入力される。演算制御回
路70は、ROM72に記憶された所定の動作プログラ
ムに従い、対話型体験プログラム作成手段として機能す
るよう形成されている。具体的には、タッチセンサ32
から入力される被験者の回答に基づき、被験者の精神状
態を現在のコンディションから被験者の希望するコンデ
ィションに誘導する気分転換用誘導環境を演算し、その
ための環境体験プログラムを作成しこれをRAM74に
書込み記憶する。
【0030】そして、このような環境体験プログラムの
書込が終了すると、演算制御回路70は、作成された環
境体験プログラムに従い前述した各環境演算手段、具体
的には各種スピーカー等を用いて構成された楽音発生装
置200,スクリーン110等を用いて構成された光演
出装置100,左右2チャンネルの自然風吹出口41
0,412等を用いて構成された自然風発生装置40
0,空気清浄装置350,リクライニングシート50の
姿勢制御装置500,温風発生装置300、リクライニ
ングシート50に設けられたヒータ62,クーラー64
等からなる頭寒足熱装置60を単独であるいは複合的に
組合わせ制御し、気分転換用の誘導環境を演出する。
【0031】特に、本実施例では、視覚,聴覚的な誘導
環境ばかりでなく、これに加えて揺らぎをもつ自然風を
発生させ、さらには温風,頭寒足熱,リクライニングシ
ートの角度などといった体感的な気分転換用誘導環境の
演出も行なうことができるため、被験者をスムーズにか
つ無理なく誘導環境に同化させることが可能となる。
【0032】図3には、本実施例の気分転換装置の一連
の動作(問診1,導入部,展開部,発展部,終結部、問
診2の6セクションから構成される)が概略的に示され
ている。
【0033】実施例の装置は、まず、液晶モニター30
およびタッチセンサ32を用い、前記したような対話型
の問合わせ、すなわち問診を行なう。そして、この問診
に対する被験者の回答に基づき、導入部,展開部,発展
部,終結部の4つのセクションからなる環境体験プログ
ラムを作成する。
【0034】導入部は、外的な影響を排除し、被験者が
誘導環境へスムーズに同化し易いように誘導環境を演算
設定する。
【0035】展開部では、気分転換用誘導環境へ同化し
た被験者を、リラックスさせるように誘導環境を設定す
る。
【0036】発展部では、リラックスした被験者を希望
する状態へ導くように誘導環境を設定する。
【0037】終結部では、発展部に於て誘導され被験者
を最終的に被験者が希望する精神状態となるよう積極的
に誘導環境を設定する。
【0038】このような環境体験プログラムは、例えば
図4(a)に示すようにストーリー性を持った一連の主
環境と、同図(b)に示すように主環境を取巻く補助環
境とを組合せることによって形成することもできる。例
えば、春の小川の流れを演出する場合には、小川の流れ
等に、高原の鳥の音を重ねあわせて演出したほうがよ
い。また、早瀬を演出する場合には、早瀬の音ととも
に、自然風発生装置100を用い、木々を渡る風の状態
を演出してやればよい。
【0039】このようにして一連の環境体験プログラム
の作成が終了すると、次に演算制御回路70は、この環
境体験プログラムに従い、導入部,展開部,発展部,終
結部の順に各環境演出手段を制御し、被験者が収容され
た気分転換用スペース12内に気分転換用誘導環境を演
出する。
【0040】そして、一連の演出が終了すると、液晶モ
ニター30およびタッチセンサ32を用い、最終的な確
認の為の問診2を行ってデータ収集を行い、一連の動作
を終了する。
【0041】図5,図6には、本実施例の気分転換装置
の具体的な使用例が示されている。
【0042】例えば、図5は、イライラしている被験者
が気分転換を図る場合である。まず被験者は、自分のI
DカードをIDカード用書込/読出装置20にセット
し、ドアを開けて気分転換用スペース12内に入る。被
験者がリクライニングシート50に着座すると、液晶モ
ニター30,タッチセンサ32を用いた問診が開始さ
れ、被験者に対し現在のコンディションおよび被験者の
希望するコンディションが質問される。被験者はタッチ
センサ32を用いて現在のコンディションがイライラし
た状態であることを回答し、さらに希望するコンディシ
ョンとして気分をゆっくり休みたいと回答する。この回
答に基づき、演算回路70は図3に示す導入部,展開
部,発展部,終結部の環境体験プログラムを作成しRA
M74に書込む。
【0043】このような一連の問診および環境体験プロ
グラムの作成が終了すると、次に演算制御回路70は設
定された環境体験プログラムに基づき、図3に示す導入
部,展開部,発展部,終結部の各気分転換用誘導環境を
順次演出していく。例えば、導入部ではイライラに同調
した大自然のダイナミックなサウンドで気分転換用誘導
環境を演出したり、展開部では気分を転換する鮮烈な色
彩等で構成された気分転換用の誘導環境を演出し、発展
部では、頭を冷すゆらぎの涼風などを自然風として発生
させ気分転換用誘導環境を演出し、終結部では心身とも
にリラックスさせる浮遊感覚のリクライニングと頭寒足
熱を利用して誘導環境を演出する。
【0044】このような一連の気分転換用誘導環境の演
出により、気分転換用スペース12内に収容されている
被験者は、精神状態がイライラした状態から希望する精
神状態へと誘導されるように気分転換が図れることにな
る。
【0045】また、図6に示すよう、精神状態が憂鬱な
被験者が本実施例の装置を利用することにより、前記問
診の際に現在の現在のコンディションを憂鬱と答え、希
望するコンディションを元気になりたいと答えることに
より、この被験者に合せた環境体験プログラムが作成さ
れ、被験者の精神状態を希望するコンディションへと誘
導するよう気分転換が図られることになる。
【0046】このように、本実施例の気分転換装置によ
れば、被験者に対し対話型の問診を行い、被験者固有の
環境体験プログラムを作成して、気分転換用の誘導環境
を演出することができるため、被験者は気分転換を効果
的に達成することができる。
【0047】以下、本実施例の気分転換装置各部の具体
的な構成を詳細に説明する。
【0048】図7には、前述した楽音発生装置200を
構成する各一対のフロントスピーカー210,210,
一対のリアスピーカー212,212および天井スピー
カー214の立体的な配置が示されている。実施例の楽
音発生装置200は、これら5つのスピーカー以外に、
床部に配置された図示しないボトムスピーカーを有す
る。
【0049】図8には、各スピーカーへの楽音供給シス
テムが示されている。実施例では音源220として、3
台の2チャンネル型CDプレイヤ220A,220B,
220Cを用い、これら6チャンネル分の出力を楽音処
理回路230へ向け出力している。
【0050】楽音処理回路230は、このような6チャ
ンネルの入力に対しミキシング,イコライズ,遅延など
の各種高速デジタル処理を施し、中高域の5チャンネ
ル,低域の1チャンネルという合計6チャンネルの出力
を対応するスピーカーに向け出力する。
【0051】従って、各CDプレイヤ220A,220
B,220Cに所望の楽音が記憶されたコンパクトディ
スクを収容し、図7に示すように三次元的に配置された
各スピーカーから楽音を再生することにより、被験者の
前後左右および上方に設置された各スピーカー210,
212,214および室内の床部に配置された低音専用
のボトムスピーカーから、三次元的に、しかも体感振動
効果を伴って出力される楽音により,被験者の全身が音
空間に包まれるようになる。従って、例えば、頭上の鋭
い雷鳴が重低音とともに地面をゆさぶり、激しく動き回
る風と豪雨に襲われような嵐の情況をシミュレートして
演出することができる。すなわち、このような3次元的
な音響システムにより、音の方向,拡がり,奥行,密
度,複数の音像の移動など様々な音空間をシミュレート
して演出することができる。
【0052】さらに、前記3台のCDプレイヤー220
A,220B,220Cに収容される3枚のコンパクト
ディスクに、百数10種類の音素材を記憶させておくこ
とにより、音の素材を同時に最大6種類まで選択し、前
述したフレキシブルな空間・時間制御により、各種の環
境バリエーションを音空間として創生することができ
る。
【0053】図9には、実施例の光演出装置100の具
体的な構成が示され、この光演出装置100は、全体が
一つのユニット102として形成され、このユニット1
02は、被験者40に対しスクリーン覗き窓110が常
に最適位置に来るようその角度が調整自在に形成されて
いる。この光演出装置100は、ユニット102内に設
けられた4種の光源120,130,140,150を
有し、その内の3つの光源120,130,140から
の光は、天井側に配置された湾曲補助スクリーン114
上に投影されるようになっている。
【0054】また、残りの光源150は、スクリーン覗
き窓110の真後側に配置されており、この光源150
からの光と、補助スクリーン114上の投影像はハーフ
ミラー112により合成され、スクリーン覗き窓110
から眺められることになる。なお、このスクリーン覗き
窓110は、透明アクリル116で覆われている。
【0055】ここにおいて、前記光源120は、平行に
配設された6本の調光蛍光灯(照度可能範囲0〜100
%)122と、これら6本の調光蛍光灯122の表面に
装着されたカラーフィルター(赤×2,青×2,緑×
1)とを含む。そして、前記6本の調光蛍光灯122
を、それぞれ12ビットの制御データーで4096段階
に調光し、補助スクリーン114上に同時加法混色する
ようになっている。なお、色彩(明度,色相,彩度)は
無段階に制御されるようになっている。このようにして
補助スクリーン114上に各種の空のイメージを作り出
すことができる。
【0056】また、光源150は、百数十本の光ファイ
バー152と、カラーフィルター154と、調光ライト
156と、点滅効果ディスク158と、モーター160
とを含む。
【0057】前記点滅効果ディスク158は、透過領域
とこの非透過領域とが交互に形成され、モーター160
により回転駆動される。そして、調光ライト156から
の光は、ディスク158の透過領域で透過され、カラー
フィルター154を介して光ファイバー152の一端側
に入射される。このとき入射される光には、カラーフィ
ルター154により、複数の色調が与えられる。
【0058】光ファイバー152は、直径0.5mmと1
mmのものが用いられ、これら百数十本の光ファイバー1
52の他端側は、星空をイメージするようハーフミラー
112の裏面側に大小の点光源として配置されている。
従って、これら百数十本の点光源からは、点滅効果ディ
スク118と、カラーフィルター154によって異なる
またたきと色調が与えられ、スクリーン覗き窓110か
らは夜空にまたたく星空のイメージが眺められることに
なる。
【0059】また、光源130は、大型のキセノン・フ
ラッシュを用いて構成され、光源140は小型の2個の
キセノン・フラッシュを用いて構成されている。そし
て、これら各キセノン・フラッシュには、ブルー,紫な
どのカラーフィルターが装着され、これら各キセノン・
ランプを単独で、あるいは組み合わせて最少0.1秒単
位で発光させ、スクリーン114上に雷,花火等のイメ
ージを投影するように構成されている。
【0060】図10には、前述した各光源120,13
0,140,150を用いてスクリーン覗き窓110か
ら光演出される各種の空のイメージが示されている。前
述したように構成された光演出装置100は、間接光に
より物質的な距離間を感じさせない光空間を創出し、ス
クリーン覗き窓110上に直接的な映像、例えば風景な
どを表示する場合に比べ、被験者40に自由なイメージ
を想起させることができる。
【0061】特に、前記光源120は、同時加法混色に
よりあらゆる色彩光を合成できるため、鮮やかな原色か
ら微妙な色調まで無段階に設定し、バラエティに富んだ
光空間を作り出すことができる。
【0062】さらに、各光源120,130,140,
150の増減カーブや発光タイミングを独立に制御する
ことにより、時間と共に緩やかな変化をしていく色彩表
現から、急激な明滅残像効果まで無段階に設定すること
ができる。
【0063】従って、図10に示すよう、光源120を
用いた同時加法混色による揺らぎによる光空間や、光源
150を用いた点光源による映像や、光源130,14
0を用いたフラッシングによる光の効果などを組み合わ
せることにより、夕暮れ時や星空、嵐、など各種の空の
イメージを表す光空間を効果的に創出することができ
る。
【0064】図11には、空気循環システムの具体的な
構成が示されている。図中矢印は、循環する空気の流れ
を表しており、気分転換用スペース12内には対流ファ
ン320が設けられ、排気口付近には排気ファン322
が設けられている。そして、これらファン320,32
2を駆動することにより、吸気口から取り入れられた空
気は、空気清浄装置350により清浄され、温風吹出口
310,自然風吹出口410,412を介して気分転換
用スペース12内に吹き出される。また、空気清浄装置
350に隣接配置された脱臭器360を駆動することに
より、室内に殘る異臭、例えば体臭、口臭、化粧品の香
料などの匂いを根本的に除去するよう構成されている。
【0065】図12には、室内の冷却域と温熱域の分布
が示されている。実施例の装置では、自然風吹出口41
0,412の上流側に冷却ボックス420と、サーモモ
ジュール422と、吹出用のファン424とが設けられ
ている。そして、空気が冷却ポックス420を通過する
際、サーモモジュール422により冷却され、吹出口4
10,412から被験者40の頭部に向け冷風(後述す
る自然風)が吹き出されるように構成されている。
【0066】また、前記サーモモジュール422から発
生する熱は、温風吹出口310から吹き出される温風の
加熱用に用いられている。なお、温風を吹き出さない場
合には、サーモモジュール420の排熱は排熱ダクト4
26を介しハウジング外部に排出される。
【0067】このように、本実施例では、自然風吹出口
410,412から吹き出される冷風によって被験者4
0の頭部が冷却され、温風吹出口310から吹き出され
る温風によって被験者の下半身、特に足の部分が加熱さ
れるため、昔からいわれている頭寒足熱効果により被験
者に心地よい解放感を与えることができる。また、被験
者40の足下に吹き出される温風を、各種の誘導環境に
合わせて制御することによって、太陽光、炎、地熱、熱
風などを演出することもできる。
【0068】図13には、前記自然風発生装置400の
具体的な構成と、その制御回路が示されている。なお、
同図に示す制御回路は、図1に示す演算制御回路70の
うち、自然風発生装置400の制御を行う箇所を具体的
に表すものである。
【0069】自然風発生装置400は、各吹出口41
0,412のエア流路内に設置され、モータ430a、
430bによって駆動される制御ファン424a、42
4bを含み、各ファン424a,424bの回転数が別
個独立に制御されるように構成されている。
【0070】すなわち、左右の吹出口410,412か
ら同じ強さで空気を吹き出して風を作り出すと、被験者
40にとっては、例えば扇風機などによって作り出した
人工的な風と同じに感じられ、必ずしも十分な解放感は
得られない。これに対し、本実施例のように、左右2チ
ャンネルの吹出口410,412の吹き出し強さを別個
独立に制御し風を作り出すことによって、自然界に存在
する風と同じような揺らぎをもつ自然風を作り出すこと
ができる。
【0071】実施例では、試行錯誤法によって予め左右
2チャンネルの空気吹出強さを制御し、被験者40が自
然風と感じるような揺らぎをもった風を作り出すための
データを測定しておく。そして、この左右2チャンネル
の測定データを、ROM72の一部を構成する揺らぎデ
ータメモリ72a内に予め記憶しておくことにより、演
算制御回路70は、このデータに基づき各D/Aコンバ
ータ434a,434b,ドライバ432a,432b
を用いてモータ430a,430bを回転制御する。こ
れにより、被験者は、頭の部分に自然の風と同じような
揺らぎをもった風を感ずることができ、心身をリフレッ
シュすることができる。
【0072】特に、吹き出される冷風の強弱を制御する
ことによって、地形、気象、情景など各種の気分転換用
誘導環境、例えば川をわたってくるそよ風などを演出す
ることができる。さらに、本実施例では、空気清浄装置
350,脱臭器360などにより清浄されたピュアな空
気が自然の風として吹き出されるため、被験者は清浄さ
れたピュアな空気として送られてくる自然風を胸いっぱ
いに吸ってリラックスすることができる。
【0073】本実施例において、演算制御回路70は、
主制御部70aと、補助制御部70bとを含むよう構成
されている。そして、主制御部70aは、RAM74内
に演算記憶された環境体験プログラムに基づき、演出す
る気分転換用誘導環境に合わせた送風を指示する送風制
御信号を補助制御部70bへ向け出力する。実施例にお
いて、この送風制御信号は、風の揺らぎの種類を指定す
る第1の制御指令と、風の全体のレベル(強さ)を指定
する第2の制御指令とを含む。第1の制御指令は、緩や
かな揺らぎをもつ風と、激しい揺らぎをもつ風を選択的
に指定するものである。緩やかな揺らぎの風は、例えば
安定した気候や、広い場所をイメージする場合に用いら
れる。激しい揺らぎの風は、例えば気候が不安定な状況
や、山や谷などの険しい地形をイメージする場合に用い
られる。前記第2の制御指令は、風の強さを256段階
で指定するものである。
【0074】図14には、揺らぎをもった自然の風を発
生させるための左右2チャンネルの送風データの一例が
示されている。ここにおいて、横軸は時間軸を表し、縦
軸は各モータ430a,430bに印加する駆動電圧
(風の吹出し強さ)の値を示す。左右2チャンネルのモ
ータ430a,430bの回転数を、同図に示す相対比
率で個別制御することにより、揺らぎをもった自然風を
発生することができる。このとき、発生した自然風の強
さは、モータ430a,430bに印加する電圧を同じ
比率で増減することにより調整することができ、これに
より強い自然風、弱い自然風を随時発生させることがで
きる。
【0075】本実施例では、揺らぎデータメモリ72a
内に、このような左右2チャンネルの送風データが、そ
のレベルを変えて、緩やかな揺らぎの風について256
種類、激しい揺らぎの風について256種類の合計51
2種類記憶されている。
【0076】そして、補助制御部70bは、主制御部7
0aから出力される第1の制御指令および第2の制御指
令に基づき、揺らぎデータメモリ72aから該当する左
右2チャンネル送風データを呼び出し、緩やかな揺らぎ
をもった自然風、激しい揺らぎをもった自然風を、任意
の風の強さで随時発生させることができる。
【0077】図15には、夏の夕暮れをイメージした自
然風の演出の一例が示されている。このような演出デー
タは、環境体験プログラムとして、他の環境演出手段の
制御データと共にRAM74に記憶されている。
【0078】主制御部70aは、この環境体験プログラ
ムに基づき、送風制御信号を補助制御部70bへ向け出
力する。補助制御部70bは、この制御信号に基づき、
該当する左右2チャンネル送風データを揺らぎデータメ
モリ72aから読み出し、自然風の種類および強さを状
況に合わせて準じ制御していく。このような自然風の制
御を、楽音発生装置200による聴覚的な演出や、光演
出装置100による視覚的な演出を組み合わせることに
より、夕立の降る状況、夕立が上がって涼しい風が吹く
状況を効果的に演出することができる。なお、このとき
自然風の温度も合わせて制御することにより、よりリア
リティに富んだ環境演出を行なうことが可能となる。
【0079】なお、図13に示すよう実施例の気分転換
用スペース12内には、内部の温度を調節するため温度
センサ436が設けられ、このセンサが検出する温度が
設定以下になった場合にサーモモジュール422による
冷却を停止し、設定温度以上になった場合にサーモモジ
ュール422による加熱を停止するように構成されてい
る。
【0080】図16には、リクライニングシート50に
設けられた頭寒足熱装置60の具体的な構成が示され、
シートのヘッドレスト部には上下2段にわたってクーラ
ー64a,64bが設けられ、被験者のふくらはぎと当
接する部分には、ヒータ62が設けられている。そし
て、前記各クーラー64a,64bは常時オンされ、ヘ
ッドレスト部が20℃以下に保たれるように制御され
る。前記各クーラー64a,64bは、冷却面にゲル状
のクッションを介して被験者の後頭部から首筋にかけて
冷やすように構成されており、これによりリクライニン
グシート50にありがちな頭部の温度上昇(ボーッとし
た重苦しい不快感)が起こらず、しかも頸動脈部を適度
に冷やすので、室内全体の冷却よりも効率的な涼感が得
られる。なお、下段側のクーラー64bは、被験者40
が長身の場合にのみオフされ、肩などを冷やすことのな
いよう配慮されている。また、前記ヒータ62は、約4
0℃程度に温度制御されるようになっている。このよう
に被験者40のふくらはぎを直接温熱するためストレス
性の末梢血行不良を解消することができる。
【0081】このように、本実施例によれば、前述した
温風と冷風の吹出しによる頭寒足熱に加え、クーラー6
4a,64bとヒータ62により、頭寒足熱をより効果
的に行うことができる。
【0082】図17、18には、リクライニングシート
50の姿勢を制御する姿勢制御手段500の具体的な構
成が示されている。実施例において、リクライニングシ
ート50は、シート用フレーム52上にシートクッショ
ン54を取り付け、被験者40がヘッドレスト56に後
頭部をあて、ステップ58に足をのせて着座するよう構
成されている。
【0083】そして、このリクライニングシート50
と、床に取り付け固定するフロア取付け板530の間に
は、リクライニングシート50を支持するため、第1支
持アーム510、第2支持アーム520およびスプリン
グ540が設けられている。
【0084】第1支持アーム510は、フロア取付け板
530と、シート用フレーム52との間に回転軸51
2,514を介して回動自在に取り付けられ、被験者4
0が着座する腰の位置を主として支持するよう構成され
ている。
【0085】前記第2支持アーム520は、フロア取付
板530とシート用フレーム52との間に回転軸52
2,524を介して回動自在に取り付けられ、リクライ
ニングシート50のステップ58部分を主として支持す
るよう構成されている。
【0086】前記スプリング540は、リクライニング
シート50の後方向への傾きを規制するよう、シート用
フレーム52とフロア取付け板530との間に取付け固
定され、通常は、そのロッドが伸長するよう付勢力が与
えられている。
【0087】また、フロア取付け板530上には一対の
スプロケット560,562が設けられ、スプロケット
560,562間にはベルト554が掛け渡されてい
る。そして、一方のスプロケット562を、モータ56
6を用いて回転駆動することにより、ベルト564を時
計方向または反時計方向へ回転駆動するよう構成されて
いる。そして、このベルト564と、フレーム52は連
結部550を介して連結されており、この連結部550
は、フレーム52およびベルト564に対し、姿勢をあ
る程度変えることができるように取り付けられている。
【0088】従って、図17に示すよう、被験者40が
リクライニングシート50に着座した状態で、ベルト5
64を反時計方向に回転駆動させることにより、スプリ
ング540の付勢力に抗しリクライニングシー50を図
18に示すよう傾動制御することができる。また、ベル
ト564を反対方向に回転駆動させることにより、リク
ライニングシート50を元の位置に復帰させることがで
きる。
【0089】このとき、リクライニングシート50の傾
動中心は、第1支持アーム510および第2支持アーム
520の長さによって任意に設定でき、実施例では被験
者40の膝の部分を中心にリクライニングシート50を
前後方向へ傾動制御するよう形成されている。
【0090】このときの傾動範囲は、必要に応じて任意
に設定できるが、実施例では20°に設定され、しかも
その傾動速度は可変速制御されるようになっている。ま
た、このリクライニングシート50の始動および停止時
におけるショックを和らげるため、傾動制御時の速度制
御パターンは台形になるように、すなわち始動時には徐
々に速度を速めていき、その後は一定速度となり、停止
時には徐々に速度を下げるという速度制御が行われる。
【0091】このように、実施例のリクライニングシー
ト50は、通常のリイクラニングシートのように被験者
40の腰の部分を中心にして傾動制御されるのではな
く、膝部分を中心にして傾動制御されるため、被験者4
0は頭から足の先までシート全体が沈み込むようにリク
ライニングし、体重がわずかに重かったり軽かったりと
いう浮遊感を体感できる。
【0092】また、このリクライニングシート50の角
度調整は、ユニット化された光演出装置100の角度調
整と連動させることにより、視野、照度、音圧、風量等
の各刺激全体が相対的にズーミングする(遠ざかったり
近付いたりする)効果が得られ、視覚的、心理的な安静
から覚醒まで幅広くコントロールすることができる。
【0093】図19には、光演出装置100の角度調整
とを組み合わせて行われるリクライニングシート50の
角度制御の具体例が示されている。
【0094】実施例の装置では、リクライニングシート
50の角度が同じであっても、被験者40の身長に合わ
せて光演出装置ユニット102の角度が、スクリーン覗
き窓110を見やすくなる位置に調整される。
【0095】さらに、リクライニングシート50が膝部
分を中心にして後ろに大きく傾いた場合には、この傾き
角に応じて、被験者からスクリーン覗き窓110が一番
見やすい状態になるよう光演出装置ユニット102の角
度調整が行われる。
【0096】なお、前記光演出装置ユニット102に
は、左右一対のフロントスピーカ210,212や、左
右一対の自然風吹出し口410,412も一体に組み込
まれているため、リクライニングシート50の傾き角度
に応じて、被験者40の頭部と自然風吹出し口410,
412やスピーカ210,212までの距離が変化する
ズーミング効果も得られることが理解されよう。
【0097】次に、前述した各種環境演出手段を制御
し、所望の気分転換用誘導環境を演出するための環境体
験プログラム作成手順を詳細に説明する。
【0098】本実施例の気分転換装置を用いる場合に
は、前述したように被験者40が自分のIDカードをI
Dカード用書込/読出装置20にセットする。これによ
り、カードに書き込まれた個人情報は、書込/読出装置
20により読み取られる。このように、一旦IDカード
にデータに個人情報が書き込まれている場合には、その
分次回以降の問診の手間を省くことができる。
【0099】図20には、IDカードの記憶内容の一例
が示され、被験者40は、原則としてこの記憶内容の各
項目について問診により答えることになる。なお、ユー
ザーナンバー、体験回数などの項目は装置により自動的
に記憶され、更新されるものである。
【0100】以下の説明では、理解を簡単にするため
に、IDカードの問診記憶項目にデータが書き込まれて
いない場合を想定して説明する。
【0101】この場合の問診は、次のように行われる。
【0102】まず、被験者40がリクライニングシート
50に着座すると、液晶モニタ30上に個人属性に関す
る質問メッセージが順次表示される。この質問メッセー
ジに答え、被験者は、タッチセンサ32を用いて、性
別、年齢、身長の各データを入力する。このとき入力さ
れる身長データに基づき、図19に示すよう光演出装置
ユニットの角度調整が行われる。
【0103】次に、被験者40の気分・状態傾向に関す
る質問メッセージが表示され、図21に示す6種類の回
答モデルから、第1次回答、第2次回答を選択するよう
指示される。被験者は、タッチセンサ32を用いて質問
に対する回答を入力する。
【0104】次に、被験者40の性格傾向に関する質問
メッセージが表示され、図22に示す6種類の回答モデ
ルから、第1次回答、第2次回答を選択するよう指示さ
れる。被験者は、タッチセンサ32を用いて質問に対す
る回答を入力する。
【0105】次に、被験者40の嗜好傾向に関する質問
メッセージが表示され、被験者は、図23に示す回答モ
デルから各質問に対する回答を入力する。
【0106】次に、被験者40の願望傾向に対する質問
が行われ、図24(A)に示すような4種類の第1選択
用回答モデルと、同図(B)に示すような第2選択用回
答モデルが表示される。被験者は、この質問に対する第
1選択回答、第2選択回答を入力する。
【0107】このような回答に基づき、次に被験者のパ
ターン分けが以下のようにして行われる。
【0108】まず、図25に示すよう、被験者は年代
別、性別に分類される。そして、年代別に、男女専用の
データテーブルが割り当てられる。各データテーブル
は、第1テーブル,第2テーブル,第3テーブルの3種
類のテーブルから構成されている。
【0109】図26には、このようなデータテーブルの
一例として、二十代女性用のデータテーブルが示されて
いる。このデータテーブルは、同図(A)に示す第1テ
ーブルと、同図(B)に示す第2テーブルと、同図
(C)に示す第3テーブルとから構成されている。そし
て、各データテーブル内には、例えば風景、自然などを
テーマとしてストーリーが構成されたデータが複数格納
されている。例えば、同図(A)に示すテーブル1内に
は、ランク1のデータの一つとして、波の音をテーマと
したデータが格納されている。このデータは、打ち寄せ
る波の音を表す音源データと、この波の音に合わせた誘
導環境を演出するための各種データ、具体的には各演出
装置60,100,300,350,400,500の
一連の制御データとから構成されている。
【0110】ここにおいて、同図(A)に示す第1テー
ブルは、二十代女性の好感度を基準としてランク分けさ
れており、ランクが小さいほど好感度が高く、ランクが
大きいほど好感度が低い。また、同図(B)は、二十代
女性の興奮、安静を基準としてランク分けがなされてお
り、ランクが小さいほど興奮度が高く、ランクが大きい
ほど安静度が高くなるようになっている。また、同図
(C)は、二十代女性の快さを基準としてランク分けが
なされており、ランクが小さいほど快く、ランクが大き
いほど不快になるようになっている。
【0111】このように、各第1〜第3テーブルでは、
そのランク付けの基準が異なるため、例えば第1テーブ
ルではランク3に分類されている木々のざわめきに関す
るデータは、第2テーブルではランク4に分類されるこ
とがある。
【0112】また、これら各テーブルに格納されている
データの音源の音量、高低、テンポや、光源の照度、彩
度などの各種制御パラメータはいずれも基準レベルに設
定されており、被験者が回答した嗜好パターン(図23
参照)や、後述する被験者の気分状態傾向および性格傾
向に基づき、その値が変更される。
【0113】なお、実施例では、被験者の年代、性別に
より使用するデータテーブルを決定しているが、例えば
後述する被験者の気分状態傾向や性格状態傾向により、
例えば四十代の男性でも、ストレスが少なく、しかも性
格が外向的である場合には、三十代男性用のデータテー
ブルを使用するようにしてもよい。
【0114】また、図27に示すよう、前述した気分状
態傾向の質問に対する1次選択回答、2次選択回答に基
づき、被験者をストレスの度合いが高い順から5つのパ
ターンに分類する。例えば、主として憂鬱、不安などと
いうような回答をした場合には、最もストレス度が高い
パターン1に分類され、例えば主として疲労などといっ
た回答をした場合には、一般的ストレス、疲労群として
認識されるパターン4に分類され、主として好調という
回答をした場合には、最もストレス度の低いパターン5
に分類される。
【0115】ここにおいて、ストレス度の高いパターン
に分類された被験者は、外部からの刺激に強く反応して
いたり、刺激に弱いため、誘導環境を設定する際の刺激
を弱くするよう配慮する。また、ストレス度の低いパタ
ーンに分類された被験者は、比較的刺激に強い傾向があ
るため、誘導環境を設定する際の刺激の範囲を幅広くす
るよう配慮する。
【0116】また、図28に示すよう、性格傾向の質問
に対する1次選択回答、2次選択回答に基づき、被験者
は性格的に刺激に弱い順から4つのパターンに分類され
る。例えば、神経質で引っ込み思案であるというような
回答をした場合には、外部からの刺激に最も弱いパター
ン1に分類される。また、これとは逆に、積極的で多少
のことは気にしないと回答したものは、刺激に最も強い
パターン4に分類される。
【0117】従って、この場合においても、誘導環境を
設定した場合被験者に与える刺激は、パターン1,パタ
ーン2,…パターン4の順に順次大きく設定する。
【0118】次に、図29に示すよう、気分状態傾向パ
ターンおよび性格傾向パターンの組合せにより、被験者
をA,B…S,Tの合計20のいずれかのパターンに分
類する。このようなA,B,C…の各パターンに対応し
て、各データテーブルにおける使用ランクの制限や、各
種パラメータの制限がなされている。例えば、パターン
Aに分類される被験者は、ストレスの度合いが高く、外
部からの刺激に最も弱い。このため、被験者に強い刺激
の音を与えないよう、第1,第3テーブルで使用できる
データがランク1に制限され、第2テーブルで使用され
るデータがランク5に制限されている。さらに、被験者
にできるだけ刺激を与えないよう、使用する音源の音
量、高低、テンポに関する音源パラメータや、使用する
光源120の照度、彩度に対するパラメータが設定され
ている。
【0119】また、被験者がパターンTに属する場合に
は、ストレス度の度合いが最も低く、外部からの刺激に
も強いため、各テーブルで使用できるランクの制限はな
く、しかも使用する音源の音量、高低、テンポに対する
制限や、光源120の照度、彩度に対する制限は極めて
緩く、より幅広い範囲の刺激を与えるよう条件設定がさ
れている。
【0120】このようにして、被験者の気分状態傾向と
性格傾向パターンに基づき、被験者を図29のいずれか
のパターンに分類し、この分類パターンに応じて、デー
タテーブルで使用可能なランク、使用する音源の音量、
高低、テンポ、光源の照度、彩度などの各種条件設定が
なされるようになっている。
【0121】図30には、このようにしてパターン別に
分類された被験者用の環境体験プログラム作成手順のフ
ローチャートが示されている。
【0122】まず、ステップ(以下Sと記す)1〜S5
において、導入部、展開部の環境体験プログラムを作成
する。
【0123】すなわち、S1において、被験者の性別、
年齢層から対応するデータテーブルを選定する。これ
は、被験者が二十代の女性であるとし、図26に示すデ
ータテーブルが選定された場合を想定する。
【0124】次に、S2において、図29に示す使用ラ
ンクの制限という条件に基づき、使用するデータのラン
クを絞り、第1テーブルと第2テーブルから重複しない
ようにデータをランダムに選び出す。このとき、第1テ
ーブルからは、使用ランクの制限のもと被験者が誘導環
境へスムーズに同化しやすいようなデータが選択され
る。また、第2テーブルからは、被験者をリラックスさ
せるようなデータが選択される。
【0125】なお、ストーリー性を重視する場合には、
同系統の音源を揃える必要があり、時間の長短を考慮す
る場合には、2つ以上の音源を揃える必要がある。
【0126】このようにして、第1、第2テーブルから
導入部、展開部で使用されるデータが選択されると、次
にS3において、使用する音源の音量、高低、テンポを
設定し、次にS4において、使用する照明、およびその
色彩を選定する。このとき同時に自然風の種類や強さな
どの各種条件を設定する。
【0127】ここにおいて、前記音源の音量、高低、テ
ンポの設定や、使用する照明、色彩の選定は、図23に
示すよう被験者が回答した嗜好傾向パターンのみなら
ず、図29に示す被験者の分類テーブルに対応したパラ
メータの制限に基づいて行われる。
【0128】次にS4において、導入部、展開部の時間
を決定する。
【0129】このようにして、まず導入部、展開部にお
ける環境体験プログラムを作成する。この際、自然風の
種類、強さ、温風の風量は音源別に設定しておき、しか
もこのプリセットは音源の種類、その刺激度を考慮して
行われる。また、季節における温度変化や、音源別頭寒
足熱効果などを考慮したプリセットも行なっておく。
【0130】このようにして、導入部では、被験者の好
感度に応じたデータを用い、外的な影響を排除し、被験
者が誘導環境へスムーズに同化しやすいように、また展
開部では、被験者の興奮安静等を考慮したデータに基づ
き、気分転換用誘導環境へ同化した被験者をよりリラッ
クスさせる様に環境体験プログラムが作成されることに
なる。
【0131】次に、S6〜S9において、発展部、終結
部の環境体験プログラムが作成される。
【0132】すなわち、S6において、発展部、終了部
において使用するデータの選定を行なう。ここでは、採
用されるテーブルのうち、第2テーブル、第3テーブル
を使用する。そして、図24(A)に示す第1選択回答
に合わせて発展部のデータを選択し、同図(B)に示す
第2選択回答に合わせて終結部のデータを選定する。な
お、データの選定にあたっては、図29の説明において
詳述したように、使用ランクの制限という条件を満足す
るようにする。
【0133】次にS8において、使用する照明、色彩の
選定が行なわれる。このような照明、色彩の選定に合わ
せて、自然風の種類、強さ等の諸条件のプリセットも同
時に行なわれる。
【0134】次にS9において、発展部、終結部の時間
を決定する。この時間の決定は、使用する音源性や諸条
件の組合せにより行なう。
【0135】このようにして、発展部では、興奮安静を
基準にしてランク分けされた第2テーブルからデータが
選択され、リラックスした被験者を希望する状態に導く
ように、また終結部では、快、不快を基準にしてランク
分けされた第3テーブルからデータが選択され、発展部
において誘導された被験者を最終的に被験者が希望する
精神状態へと導くよう環境体験プログラムが作成され
る。
【0136】このようにして、導入部、展開部、発展
部、終結部の環境体験プログラムが作成されると、次に
S10において、全体のバランスがチェックされる。こ
こでは、同一音源の採用を避けるように、しかも破裂音
の連続使用をも避けるようにプログラムが修正される。
また、全体にストーリー性を持たせる場合には、使用す
る音源を再評価し、その組み替えを行なう。
【0137】このようにして、本実施例の気分転換装置
は、被験者との問診を通じて、被験者の現在の精神状態
と、被験者の願望傾向に基づき、被験者の精神状態を希
望するコンディション、すなわち願望状態に導くよう気
分転換させることができる。
【0138】図31には、このようにして形成された環
境体験プログラムの基本構造が示されている。
【0139】例えば、図29における分類パターンがA
に属するような被験者は、図31(A)に示すよう各テ
ーブルから刺激の弱いデータが選択され、環境体験プロ
グラムが作成される。
【0140】また、図29における分類パターンがKに
属するような被験者に対しては、図31(K)に示すよ
う使用データのランク制限がなされる。また、図29に
示す分類パターンがTに属するよう性格的に、またスト
レス度も少ないような被験者には、図31(T)に示す
よう使用ランクの制限が全て解除された状態で環境体験
プログラムの作成が行なわれることになる。
【0141】なお、本発明は、前記実施例に限定される
ものではなく、本発明の要旨の範囲内で各種の変形実施
が可能である。
【0142】例えば、本実施例は、環境体験プログラム
を、導入部、展開部、発展部、終結部の4つに分けて行
なう場合を例にとり説明したが、本発明はこれに限ら
ず、必要に応じてプログラムをより簡単に構成してもよ
く、またより細かく分けて構成することも可能である。
【0143】また、本実施例では、自然風発生装置の吹
出し口を左右2チャンネルの構造のものとして形成する
場合を例にとり説明したが、本発明はこれに限らず必要
に応じて3チャンネル以上のエアー吹出し口を設け、各
チャンネルのエアー吹出し口から吹出される風が、全体
として自然風に近い揺ぎをもったものとなるよう制御す
るようにしてもよい。
【0144】また、本実施例では、自然風発生装置を、
気分転換装置の環境演出手段の一つとして用いる場合を
例にとり説明したが、本発明はこれに限らず、必要に応
じてこれら以外の各種用途、例えばTVゲームの画面に
併せて自然風を発生させるために用いてもよい。
【0145】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の気分転換
装置によれば、多チャンネルのエアー吹出し口から吹出
される風の強さを、各チャンネルごとに制御することに
より、全体として揺ぎをもった自然の風を人工的に発生
させることができる。
【0146】また、本発明の気分転換装置によれば、被
験者の現在のコンディションおよび被験者の希望するコ
ンディションを被験者に問合せ、その回答から被験者を
希望するコンディションに誘導するための最適な気分転
換用誘導環境を演出し、被験者を効果的に気分転換させ
てやることが可能となる。特に、本発明の気分転換装置
によれば、視覚的、聴覚的な演出に自然風を組合せて、
気分転換用誘導環境を演出することができ、これにより
被験者をより効果的に気分転換させることが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる気分転換装置の制御回路の要部
ブロック図である。
【図2】本実施例にかかる気分転換装置の概略説明図で
ある。
【図3】本実施例の気分転換装置の動作順序を示す説明
図である。
【図4】本実施例の気分転換装置によって演出される気
分転換用誘導環境の一例を示す説明図である。
【図5】本実施例の気分転換装置の使用例を示す説明図
である。
【図6】本実施例の気分転換装置の使用例を示す説明図
である。
【図7】本実施例において使用される3次元音響システ
ムの説明図である。
【図8】本実施例に使用される楽音発生装置の一部を示
す説明図である。
【図9】本実施例に用いられる光演出装置の説明図であ
り、同図(A)はユニット化された光演出装置の立体的
な構成を示す説明図、同図(B)は光ファイバを用いて
構成された光源の要部説明図である。
【図10】実施例の光演出装置の具体的な演出例の説明
図である。
【図11】実施例に用いられる空気循環システムの説明
図であり、同図(A)は前方向からの空気の流れ、同図
(B)は横方向の空気の流れの説明図である。
【図12】実施例の気分転換装置内に形成される冷却域
と温熱域の説明図である。
【図13】本実施例に用いられる自然風発生装置の制御
回路の説明図である。
【図14】自然風発生装置を用い、自然風を得るための
右チャンネルと左チャンネルの吹出し強さの関係を示す
説明図である。
【図15】自然風の強さを可変して夏の夕暮れ時を演出
する場合の動作説明図であり、横軸は時間を表し、縦軸
は風の強さを表している。
【図16】本実施例に用いられるシートに装着された頭
寒足熱装置の具体的な構成を示す説明図である。
【図17】実施例に用いられるリクライニングシートの
姿勢制御装置の説明図である。
【図18】図17に示す姿勢制御装置を用いリクライニ
ングシートを傾けた状態の説明図である。
【図19】実施例に用いられる光演出装置ユニットとリ
クライニングシートの角度制御例の説明図であり、同図
(A),(B),(C)はそれぞれ身長の異なる被験者
に対する角度制御例をそれぞれ示しれている。
【図20】本実施例に用いられるIDカードの記憶内容
の説明図である。
【図21】被験者の気分・状態傾向に関する回答モデル
の説明図である。
【図22】被験者に対する性格傾向に関する回答モデル
の説明図である。
【図23】被験者の嗜好傾向に関する回答モデルの説明
図である。
【図24】被験者の願望に関する回答モデルの説明図で
あり、同図(A)は第1願望に対する回答モデルの説明
図、同図(B)は第2願望に対する回答モデルの説明図
である。
【図25】被験者の性別、年齢と、使用するデータテー
ブルとの関係を示す説明図である。
【図26】二十代女性のグループに対して使用されるデ
ータテーブルの一例を示す説明図であり、同図(A),
(B),(C)は、各データテーブルを構成する第1テ
ーブル,第2テーブル,第3テーブルを表している。
【図27】被験者の気分状態傾向パターンの説明図であ
る。
【図28】被験者の性格状態傾向パターンの説明図であ
る。
【図29】被験者を性格傾向パターンおよび気分状態傾
向パターンの組合せにより分類する場合の説明図であ
る。
【図30】本実施例にかかる気分転換装置の環境体験プ
ログラムの作成手順の一例を示すフローチャート図であ
る。
【図31】作成された環境体験プログラムにおいて使用
されるテーブルと、各テーブル内におけるデータの使用
ランクの具体例を示す説明図である。
【符号の説明】
10 ハウジング 12 気分転換用スペース 30 液晶モニタ 32 タッチセンサ 40 被験者 50 リクライニングシート 70 演算制御回路 100 光演出装置 200 楽音発生装置 400 自然風発生装置 410,412 自然風吹出し口
NM015801
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−289263(JP,A) 特開 平1−305248(JP,A) 特開 平2−291009(JP,A) 特開 平1−224832(JP,A) 特開 昭64−32871(JP,A) 特開 昭63−288165(JP,A) 特開 昭63−118822(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61M 21/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被験者を収容する気分転換用スペースを
    し、当該気分転換用スペースに向けて多チャンネルの
    エアー吹出口が設けられたハウジングと、被験者に対し現在のコンディション及び被験者の希望す
    るコンディションを質問するとともに、質問に対する回
    答が入力される対話型問い合わせ手段と、 被験者の回答に基づき、被験者の精神状態を現在のコン
    ディションから被験者の希望するコンディションに誘導
    する揺らぎをもつ自然風を発生させるための環境体験プ
    ログラムを作成する体験プログラム作成手段と、 作成された前記環境体験プログラムに基づき、前記各エ
    アー吹出口から前記気分転換用スペース内に前記揺らぎ
    をもつ自然風を発生させて前記気分転換用誘導環境を演
    出する環境演出手段と、 を含み、 前記気分転換用スペース内に収容された被験者の精神状
    態を希望するコンディションに誘導することを特徴とす
    る気分転換装置。
  2. 【請求項2】 被験者を収容する気分転換用スペースを
    有するハウジングと、 被験者に対し現在のコンディション及び被験者の希望す
    るコンディションを質問するとともに、質問に対する回
    答が入力される対話型問い合わせ手段と、 光演出装置と、楽音発生装置と、自然風発生装置とを含
    み、被験者の収容された前記気分転換用スペース内に、
    前記気分転換用誘導環境を演出する環境演出手段と、 被験者の回答に基づき、前記環境演出手段の光演出装置
    と楽音発生装置と自然風発生装置とを組み合わせて制御
    して被験者の精神状態を現在のコンディションから被験
    者の希望するコンディションに誘導する環境体験プログ
    ラムを作成する体験プログラム作成手段と、 を含み、 前記光演出装置は、 作成された前記環境体験プログラムに基づき、被験者の
    少なくとも前方に、視覚的な気分転換用誘導環境を演出
    し、 前記楽音発生装置は、 作成された前記環境体験プログラムに基づき、被験者の
    周囲に聴覚的な気分転換用誘導環境を演出し、 前記自然風発生装置は、 前記気分転換用スペースに向けて形成された多チャンネ
    ルのエアー吹出口を有し、作成された前記環境体験プロ
    グラムに基づき、前記気分転換用スペース内に前記揺ら
    ぎをもつ自然風を発生させて気分転換用誘導環境を演出
    し、 当該各装置による気分転換用誘導環境の演出を組み合せ
    ることにより、前記気分転換用スペース内に収容された
    被験者の精神状態を希望するコンディションに誘導する
    ことを特徴とする気分転換装置。
  3. 【請求項3】 請求項1、2において、 前記多チャンネルの少なくとも一つのチャンネルに対応
    付けられた複数種類の風の吹出データが選択可能に記憶
    された記憶手段を含み、 前記体験プログラム作成手段は、選択可能に記憶された
    前記吹出データを選択するとともに風の強さを指定し
    て、前記気分転換用スペース内に収容された被験者の精
    神状態を希望するコンディションに誘導する前記揺らぎ
    をもつ自然風を発生させるように前記環境体験プログラ
    ムを作成することを特徴とする気分転換装置。
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