JP3360405B2 - リニアモータの電機子巻線固定法 - Google Patents

リニアモータの電機子巻線固定法

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JP3360405B2 JP06775094A JP6775094A JP3360405B2 JP 3360405 B2 JP3360405 B2 JP 3360405B2 JP 06775094 A JP06775094 A JP 06775094A JP 6775094 A JP6775094 A JP 6775094A JP 3360405 B2 JP3360405 B2 JP 3360405B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高精度位置決めを必要
とする直線移動装置の駆動用リニアモータの電機子巻線
固定法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般にリニアモータは、平板状の
永久磁石からなる界磁磁石に空隙を介して対向する電機
子を備えているが、3相の電機子巻線を電機子に固定す
る場合、複数の要素コイルを絶縁シートにヘリカルに巻
付けて平滑な帯状コイルに形成し、非磁性体からなる平
板状の中間プレートの両側に帯状コイルを接着により固
定し、コイルエンドで中間プレートの両側の帯状コイル
を接続すると共に、コイルエンドから電源に接続する口
出線を引き出しているものが開示されている(例えば、
特開平5−184093号、特開平3−45157
号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来技術で
は、帯状コイルの中間部は導体部が2層になっている
が、図8に示した電機子Aの平断面図のように、コイル
エンド部Bは、帯状コイルCの折り返し部と口出線に接
続する口出し部Dが3層に重なる部分が生じ、平板状の
中間プレートEに帯状コイルCを接着した時、コイルエ
ンド部Bの厚さFが厚くなる。したがって、コイルエン
ド部Bが界磁磁石と接触するのを防ぐために、電機子巻
線と界磁磁石との間の空隙を大きくする必要が出るの
で、リニアモータの推力が低下する。また、所要の推力
を発生させる場合に電機子の熱損失が増加するという欠
点があった。本発明は、コイルエンドが中間プレートか
ら突出しないようにして、空隙長さを小さく維持し、推
力の低下や電機子の熱損失の増加を防ぐことを目的とす
るものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するた
め、本発明は、移動方向に伸びる平板状の中間プレート
の両側に電機子巻線を固定し、前記電機子巻線を、中間
に形成された直線部と両端に形成されたコイルエンド部
とリード引き出し部とからなる複数の要素コイルを接続
して閉回路を形成した二つの単位コイルで構成したもの
とし、前記単位コイルのコイルエンド部から引き出した
口出しリードの端部を要素コイルと平行で、かつ同一平
面上で同一形状に揃えて形成し、コイルエンド部から電
機子の長手方向に向かって突出させるようにしたリニア
モータの電機子巻線固定法において、前記中間プレート
の単位コイルのコイルエンド部に対応する部分に抜き穴
を設け、両側の単位コイルのコイルエンド部を抜き穴に
装入して互いに接着により固定したものである。
【0005】
【作用】上記手段により、中間プレートの両端付近に設
けた単位コイルのコイルエンド部より大きい範囲に広が
る抜き穴にコイルエンド部を装入するので、コイルエン
ド部が直線部の厚さより大きく膨らむことがない。ま
た、各口出しリードの端部を単位コイルと平行で、かつ
同一平面上で同一形状に揃えて形成し、一方のコイルエ
ンド部から電機子の長手方向に向かって絶縁シートから
突出させて引き出すので、口出しリードの接続部分が要
素コイルの直線部と同一平面上に形成され、コイルエン
ド部が厚くなることもない。したがって、電機子巻線と
界磁磁石との間の空隙を小さく維持することができる。
【0006】
【実施例】以下、本発明を図に示す実施例について説明
する。図1は本発明の実施例の電機子を示す正面図、図
2は電機子巻線の正面図、図3は中間プレートの正面
図、図4は電機子の平断面図である。図2において、電
機子巻線1は、中間に形成された直線部11と両端に形
成されたコイルエンド部12、13とリード引き出し部
14とからなる複数の要素コイルを接続して閉回路を形
成した二つの単位コイル2,3で構成する。すなわち、
一方の単位コイル2は、要素コイル21および要素コイ
ル22を長方形の絶縁シート4の両面に接着により固定
し、要素コイル21と要素コイル22の両縁を互いに接
続することによって形成し、他方の単位コイル3も同様
に要素コイル31および要素コイル32を長方形の絶縁
シート4の両面に接着により固定して、両縁を接続する
ことによって形成する。したがって、要素コイルは4層
に形成されている。リード引き出し部14には、各要素
コイルからそれぞれ6本の口出しリードU,Z,V,
X,W,Yを一方のコイルエンド部12から電機子の長
手方向、すなわち移動方向に向かって絶縁シート4から
突出させて引き出し、各要素コイルについて口出しリー
ドの端部の位置を揃える。二つの単位コイル2、3は、
図1に示すように、それぞれ移動方向に長く伸びる中間
プレート5の両側に接着によって固定する。中間プレー
ト5の両端付近には、図3に示すように、各単位コイル
2,3の両方のコイルエンド部12、13より大きい範
囲に広がる抜き穴51、52を設ける。単位コイル2,
3の直線部11はそれぞれ中間プレート5に直接接着
し、コイルエンド部12、13は抜き穴51、52の中
に装入し、それぞれ対向するコイルエンド部と接着によ
って固定する。したがって、図4に示すように、コイル
エンド部12、13は中間プレート5を挟んでいないの
で、直線部11の厚さより大きく膨らむことがない。
【0007】リード引き出し部14の口出しリードU,
Z,V,X,W,Yの配置は図5および図6に示してあ
る。すなわち、要素コイル21を図5の(a),要素コ
イル22を(b),要素コイル31を(c),要素コイ
ル32を(d)に示すように、奇数層と偶数層はそれぞ
れ同一形状をしており、各口出しリードを要素コイルと
平行で、かつ同一平面上に形成し、要素コイルを重ね合
わせたときに互いに口出しリードが重なるようにする。
3相の電機子巻線1の接続をする時は、図6および図7
に示すように、要素コイル21の口出しリードU,Z,
Vを外部に引き出す引き出しリード6に接続し、X,
W,Yを要素コイル22のU,Z,Vに渡り接続し、要
素コイル22のX,W,Yを要素コイル31のU,Z,
Vに渡り接続し、要素コイル31のX,W,Yを要素コ
イル32のU,Z,Vに渡り接続し、要素コイル31の
X,W,Yを外部に引き出す引き出しリード7に接続
し、二つの単位コイル2、3を直列に接続する。このよ
うに、各口出しリードの端部を同一形状に揃えて形成
し、一方のコイルエンド部から電機子の長手方向に向か
って絶縁シートから突出させて引き出してあるので、口
出しリードの接続部分が要素コイルの直線部と同一平面
上に形成され、コイルエンド部が厚くなることもない。
なお、上記実施例は二つの単位コイルを直列に接続した
例について説明したが、二つの単位コイルを並列に接続
して、誘起電圧が低い電機子巻線を形成してもよい。
【0008】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、中
間プレートに抜き穴を設け、コイルエンド部を抜き穴に
入れて互いに固定すると共に、単位コイルを構成する要
素コイル相互の渡り接続は要素コイルと同一平面上で、
しかも単位コイルの端部で行うので、コイルエンド部が
厚くなることもなく、またコイルエンド部の直線部より
膨らむことがない。したがって、複数の単位コイルから
なる電機子巻線と界磁磁石との間の空隙を小さく維持す
ることができ、推力の低下や電機子の熱損失の増加を防
ぐ効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の電機子を示す正面図である。
【図2】本発明の実施例の電機子巻線を示す正面図であ
る。
【図3】本発明の実施例の中間プレートを示す正面図で
ある。
【図4】本発明の実施例の電機子の平断面図である。
【図5】本発明の実施例の各要素コイルのコイルエンド
部付近を示す正面図である。
【図6】本発明の実施例の電機子巻線の接続状態を示す
側面図である。
【図7】本発明の実施例の電機子巻線の結線状態を示す
接続図である。
【図8】従来例の電機子を示す平面図である。
【符号の説明】
1 電機子巻線、11 直線部、12、13 コイルエ
ンド部、14 リード引き出し部、2、3 単位コイ
ル、21、22、31、32 要素コイル、4絶縁シー
ト、5 中間プレート、51、52 抜き穴、6、7
引き出しリード、U,Z,V,X,W,Y 口出しリー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 41/02 - 41/035 H02K 3/00 - 3/52

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動方向に伸びる平板状の中間プレート
    (5)の両側に電機子巻線(1)を固定し、 前記電機子巻線(1)を、中間に形成された直線部(1
    1)と両端に形成されたコイルエンド部(12、13)
    とリード引き出し部(14)とからなる複数の要素コイ
    ル(21、22、31、32)を接続して閉回路を形成
    した二つの単位コイル(2、3)で構成したものとし、 前記単位コイル(2、3)のコイルエンド部(12、1
    3)から引き出した口出しリード(U、Z、V、X、
    W、Y)の端部を要素コイル(21、22、31、3
    2)と平行で、かつ同一平面上で同一形状に揃えて形成
    し、コイルエンド部(12、13)から電機子の長手方
    向に向かって突出させるようにした リニアモータの電機
    子巻線固定法において、 前記中間プレート(5)の単位コイル(2、3)のコイ
    ルエンド部(12、13)に対応する部分に抜き穴(5
    1、52)を設け、両側の単位コイル(2、3)のコイ
    ルエンド部(12、13)を抜き穴(51、52)に装
    入して互いに接着により固定するようにしたことを特徴
    とするリニアモータの電機子巻線固定法。
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