JP3357861B2 - Mis半導体装置及び不揮発性半導体記憶装置 - Google Patents

Mis半導体装置及び不揮発性半導体記憶装置

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JP3357861B2 JP15358399A JP15358399A JP3357861B2 JP 3357861 B2 JP3357861 B2 JP 3357861B2 JP 15358399 A JP15358399 A JP 15358399A JP 15358399 A JP15358399 A JP 15358399A JP 3357861 B2 JP3357861 B2 JP 3357861B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、MIS(Metal In
sulator Semiconductor )半導体装置及び不揮発性半導
体記憶装置に関し、特に高誘電体膜と低誘電体膜とが積
層された絶縁層を有する半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、LSIの高集積化・高速化のため
に素子の微細化が進んでおり、それに伴ってキャパシタ
或いはトランジスタの構成要素であるMOS構造におい
ては、シリコン酸化膜のさらなる薄膜化が要求されてい
る。しかし、シリコン酸化膜の膜厚が4nm以下になる
と、デバイスが動作する電場領域において電子がダイレ
クトトンネリングを起こすようになるので、リーク電流
が増大しデバイスの消費電力を増大させる等の問題を招
く。
【0003】そのため、シリコン酸化膜に置き換わる次
世代のゲート絶縁膜が求められ、高誘電体膜が注目され
るようになった。その理由は、高誘電体膜がシリコン酸
化膜と同一のキャパシタンスをシリコン酸化膜よりも厚
い膜厚で得られることにある。電子が絶縁膜をトンネリ
ングする確率は絶縁膜の膜厚が厚くなるほど低くなるの
で、高誘電体膜からなるMIS構造を用いれば、トンネ
ル電流が低く抑えられると一般的に信じられている。
【0004】図27は、電圧を2V、換算膜厚を2.5
nmに固定した場合における誘電率とトンネル電流密度
の関係を計算したものである。なお、本明細書でいう
「換算膜厚」とは、絶縁層或いは絶縁膜の厚さを、誘電
率に基づいてシリコン酸化膜の厚さに換算した値であ
る。この計算をするためには誘電率とバリアハイトを結
ぶ関係式を必要とするが、ここでは図28の実線で近似
したものを使用した。絶縁膜にかかる電圧は2V、換算
膜厚は2.5nm、温度は300Kに固定している。誘
電率が高くなるにつれてトンネル電流密度は低くなる
が、ある誘電率から再びトンネル電流密度は上昇する。
【0005】この理由は、次の通りである。絶縁膜は誘
電率が高くなるにつれてバンドギャップが小さくなる傾
向にあるので、ゲート電極及びシリコン基板に対するバ
リアハイトが低くなる(図28)。すると、室温におい
ても電子の熱励起成分により、フェルミ準位より高い準
位からトンネリングする確率やバリアを越えて絶縁膜中
の伝導帯に流れ込む確率が高くなり、トンネル電流密度
が増大する。
【0006】このように、高誘電率の絶縁膜は室温にお
いて電子の熱励起成分により電流が増大することが本発
明者の検討により判ってきた。図27の結果から、シリ
コン窒化膜のような低誘電率の絶縁膜ではカソードのフ
ェルミレベル近傍からのトンネル電流が支配的であり、
またチタン酸化物のような高誘電率の絶縁膜では電子の
熱励起成分による電流(熱励起電流)が支配的になり、
誘電率が10から30の絶縁膜が最もトンネル電流を低
く抑えられると予想される。なお、ここでいう誘電率と
は比誘電率を意味する。また、トンネル電流が低い(高
い)とは、トンネル電流の絶対値が低い(高い)ことを
意味する。
【0007】そこで、従来までによく知られている誘電
率が異なる絶縁膜同士を積層にすることで、フェルミ準
位からの電流と熱励起電流の両方を抑えられる絶縁膜形
成の可能性が思いつく。
【0008】図29、30は、シリコン酸化膜とシリコ
ン窒化膜とを積層構造にしたときに流れるトンネル電流
密度を計算したものである。積層膜全体の換算膜厚を
1.5nmに固定した場合に、シリコン酸化膜とシリコ
ン窒化膜の膜厚の割合を変えている。ここで、シリコン
酸化膜とシリコン窒化膜の誘電率はそれぞれ3.9、
7.8、バリアハイトはそれぞれ3.2、2.1eVで
ある。破線と実線は、それぞれ温度が0Kと300Kの
ときのトンネル電流密度である。また、真空中における
電子の質量がmのとき膜中をトンネリングしている電子
の有効質量は0.46mとしている。
【0009】図29は、n+ ポリシリコンゲート電極/
シリコン窒化膜/シリコン酸化膜/p型シリコン基板構
造の絶縁層に負の電圧0.5Vをかけた場合に流れるト
ンネル電流密度と、シリコン窒化膜とシリコン酸化膜と
の合計の換算膜厚1.5nmに占めるシリコン窒化膜の
換算膜厚との関係を表している。つまり、横軸が0nm
のときはシリコン窒化膜は無く、シリコン酸化膜は換算
膜厚1.5nm(実膜厚1.5nm)のときを表し、横
軸が1.5nmのときはシリコン窒化膜は1.5nm
(実膜厚3nm)で、シリコン酸化膜は無いことを表し
ている。そして、横軸が0nmと1.5nmの間のとき
は、シリコン窒化膜とシリコン酸化膜の換算膜厚の合計
が1.5nmのときに占めるシリコン窒化膜の換算膜厚
を表している。
【0010】この図29の条件の場合、シリコン窒化膜
とシリコン酸化膜の換算膜厚の割合を変化させたときの
トンネル電流は、温度によらずシリコン窒化膜単層の場
合が最も低くなる。図30は、図29と同様の膜構造に
おいてシリコン窒化膜とシリコン酸化膜を逆にした場合
であるが、図29と同様にシリコン窒化膜単層の場合が
最もトンネル電流が低くなる。
【0011】だが、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜の
積層でも各単層膜より電流が低く抑えられる場合がある
ことが知られている。シリコン酸化膜とシリコン窒化膜
を積層にしてもカソードのフェルミ準位近傍からの電流
が支配的であるにも拘わらず、低誘電体膜同士の積層膜
が各単層膜より電流を抑制できる理由は、各膜の誘電率
及びバリアハイトが異なるので極性によりバリアが非対
称になるからである。この非対称バリアの特性により、
合計換算膜厚一定の条件において膜厚の割合を変化させ
たとき、電流が低く抑えられる膜厚の割合がある。だ
が、低く抑えられる電流値は小さく、またその効果は次
世代デバイスで使用すると考えられる電圧(1.5V以
下)よりも高い領域で生じる。低電圧になるにつれて、
非対称バリアの効果は少なくなり、シリコン酸化膜単層
とシリコン窒化膜単層の場合の電流値の中間に電流値が
近づくので、図29及び図30のように次世代デバイス
の動作電圧領域では、シリコン窒化膜単層が最も電流値
を抑制できることになる。つまり、低誘電率の絶縁膜同
士を積層にしても、次世代デバイスの動作電圧領域では
低誘電体膜のいずれか単層よりもトンネル電流を低くす
ることはできない。
【0012】一方、チタン酸化膜のような高誘電体膜
と、さらに高誘電率の絶縁膜とを積層構造にしたものと
して、例えば特開平9−51074号公報がある。この
例では、「いわゆるMIM(Metal Insulator Metal)
型又はMIS型のキャパシタ構造の誘電体層を、耐リー
ク特性の良い第1の誘電体膜と、この第1の誘電体膜上
に成膜され、より誘電率が高い第2の誘電体膜との2層
構造にする。好ましくは、第1の誘電体膜は、10〜2
0nmの膜厚で、酸化チタン又は酸化タンタルから構成
する。」とある。しかし、上述したように、高誘電体膜
はバンドギャップが小さいので室温においてさえ熱励起
電流により電流が増大すると考えられる。従って、チタ
ン酸化膜のような高誘電体膜とそれよりも誘電率の高い
絶縁膜を積層しても、熱励起電流の影響が問題となる。
【0013】このように、低誘電率の絶縁膜同士の積層
構造ではフェルミ準位からの電流が抑えられず、高誘電
率の絶縁膜同士の積層構造では熱励起電流が抑えられな
いという問題がある。そこで、これらに替わる構造とし
て低誘電率の絶縁膜と高誘電率の絶縁膜を積層にするこ
とが考えられる。しかしながら、有限温度において問題
となると予想される熱励起電流を抑える目的で、絶縁膜
のバンドギャップ及び誘電率などの特性や膜厚の割合ま
でも考慮し構成された積層構造は現在まで提案されてい
ない。このため、上述のことを考慮せずに、低誘電率の
絶縁膜と高誘電率の絶縁膜を積層してMIS構造を作成
しても、熱励起電流或いはフェルミ準位近傍からの電流
が高くなり、それをデバイスに用いたとき消費電力が高
くなる等の問題を生じると考えられる。
【0014】また、LSIの高集積化及び高速化に伴っ
て素子の微細化が進み、不揮発性記憶素子であるフラッ
シュメモリにおいてはトンネルシリコン酸化膜の薄膜化
が要求されている。しかし、フローティングゲートに電
荷を長時間保持するためには、ストレスリーク電流がな
いと仮定しても、トンネルシリコン酸化膜の膜厚は原理
的に6nm以下にできないと言われている。(日経マイ
クロデバイス1997年1月号) 例えば、0、25μm世代のフラッシュメモリはフロー
ティングゲートに約2万個の電子を蓄えている。フラッ
シュメモリのテータは10年間保存しなければならず、
そのためには80%の電子が残らなければならい。これ
を電流密度に換算すると、トンネルシリコン酸化膜のリ
ーク電流を10-10 A/cm2 以下に抑えねばならない
ことになる。データの保持のとき、或いは読み出しのと
きにトンネルシリコン酸化膜に加わる電圧は約3Vであ
ると考えられ、その場合にトンネル電流を10-15 A/
cm2 以下にするには6nm以上のシリコン酸化膜が必
要になる。
【0015】電源電圧を3Vより低くして薄膜化する方
法も考えられるが、3V以下ではシリコン酸化膜をダイ
レクトトンネル電流が流れるので、その領域では電圧を
低くしてもそれほど電流値を低くすることができない。
つまり、ただ単純に電源電圧を低くするだけでは、リー
ク電流を低くすることにあまり効果的な手段とは言えな
い。
【0016】ダイレクトトンネル電流を抑制するため
に、シリコン酸化膜に替わるトンネル絶縁膜として高誘
電体膜の適用も考えられている。その理由は、前述した
ように、シリコン酸化膜と同じキャパシタンスが高誘電
体膜ではシリコン酸化膜よりも厚い膜厚で得られるの
で、ダイレクトトンネル電流が抑制できると信じられて
いるからである。確かに、フローティングゲートのフェ
ルミ準位から基板の方向に高誘電体膜をトンネリングす
る電子の確率はトンネル距離が長くなると低くなり、従
ってダイレクトトンネル電流は低く抑えられることにな
る。しかし、これは絶対零度においてのみ成り立つ仮定
である。実際には、有限温度において電子はフェルミ・
ディラック統計に従った分布をとり、場合によってはそ
の影響を考慮しなければならない。
【0017】一般的に絶縁膜は、高誘電率になるとバン
ドギャップが小さくなる傾向にあり、従ってシリコン基
板に対するバリアハイトが低くなる傾向にある。バリア
ハイトが低くなると、室温においてさえ電子の熱励起成
分によって高誘電体膜のバリアを越えて流れる電流、い
わゆる熱励起電流が支配的になり、リーク電流値が高く
なることが発明者の検討により明らかになった。それゆ
え、高誘電体膜そのままではフラッシュメモリのトンネ
ル絶縁膜として適用が難しい。
【0018】また、フラッシュメモリのトンネル絶縁膜
が6nmよりも薄膜化できないと以下のことが問題にな
る。フローティングゲートに蓄えている約2万個の電子
をトンネル酸化膜から移動させるには、フラッシュメモ
リのデータ消去或いは書き込みに要する時間を約100
msと仮定すると、10-4A/cm2 以上の電流が必要
になる。トンネルシリコン酸化膜の膜厚が6nmのと
き、基板とフローティングゲートの間にかかる電圧は6
V以上を必要とする。そして、基板とフローティングゲ
ートの間に6V以上の電圧を加えるには、カップリング
比を0.6とすると、基板とコントロールゲートとの間
には約10V(=6/0.6)という高電圧が要求され
る。
【0019】このようにフラッシュメモリは、リーク電
流を低く抑えるためにトンネルシリコン酸化膜を6nm
以下に薄膜化できないという問題があり、薄膜化できな
いがゆえデータの消去及び書き込みのときに高電圧を要
するという問題、そして高集積化及び高速化を困難にす
るという問題がある。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情を
考慮して成されたもので、有限温度における熱励起電流
とフェルミ準位近傍からの電流の両方を抑え、リーク電
流の低減をはかることができる、誘電率の高い絶縁膜と
誘電率の低い絶縁膜を積層した絶縁層を用いたMIS構
造の半導体装置を提供することを目的とする。
【0021】本発明はまた、トンネル絶縁膜が換算膜厚
で6nmよりも薄膜でありながら、リーク電流が極めて
低く抑えられるのでデータ保持特性に要求されているス
ペックを満たし、しかも従来よりも低電圧でテータ消去
及び書き込みが可能な不揮発性半導体記憶装置を提供す
ることを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の視点は、
半導体から実質的になる下地層と、前記下地層上に配設
された絶縁層と、前記絶縁層上に配設された電極と、を
具備し、前記下地層と前記電極との間に前記絶縁層が挟
まれるMIS半導体装置であって、前記絶縁層は積層さ
れた第1及び第2絶縁膜を具備し、前記第1絶縁膜は、
シリコン酸化物、シリコン酸窒化物、シリコン窒化物か
らなる群から選択された材料から実質的になり、前記第
2絶縁膜はチタン酸化物から実質的になることと、前記
絶縁層は誘電率に基づいてシリコン酸化物に換算した換
算膜厚が3nm以下で、且つ前記第1絶縁膜の実際の厚
さの前記第2絶縁膜の実際の厚さに対する実膜厚比が
0.0088〜6.5の範囲にあるように設定されるこ
とと、を特徴とする。
【0023】本発明の第2の視点は、第1の視点のMI
S半導体装置において、前記換算膜厚が1.5nm以下
で、前記実膜厚比が0.0088〜1.55の範囲にあ
ることを特徴とする。
【0024】本発明の第3の視点は、第1の視点のMI
S半導体装置において、前記換算膜厚が1.5〜3nm
で、前記実膜厚比が0.014〜6.5の範囲にあるこ
とを特徴とする。
【0025】本発明の第4の視点は、半導体から実質的
になる下地層と、前記下地層上に配設された絶縁層と、
前記絶縁層上に配設された電極と、を具備し、前記下地
層と前記電極との間に前記絶縁層が挟まれるMIS半導
体装置であって、前記絶縁層は積層された第1、第2及
び第3絶縁膜を具備すると共に前記第1及び第3絶縁膜
の間に前記第2絶縁膜が挟まれることと、前記第1及び
第3絶縁膜は、シリコン酸化物、シリコン酸窒化物、シ
リコン窒化物からなる群から選択された材料から実質的
になり、前記第2絶縁膜はチタン酸化物から実質的にな
ることと、前記絶縁層は誘電率に基づいてシリコン酸化
物に換算した換算膜厚が3nm以下で、且つ前記第1及
び第3絶縁膜の実際の厚さの合計値の前記第2絶縁膜の
実際の厚さに対する実膜厚比が0.002〜5.92の
範囲にあるように設定されることと、を特徴とする。
【0026】本発明の第5の視点は、第4の視点のMI
S半導体装置において、前記換算膜厚が1.5nm以下
で、前記実膜厚比が0.002〜0.61の範囲にある
ことを特徴とする。
【0027】本発明の第6の視点は、第4の視点のMI
S半導体装置において、前記換算膜厚が1.5〜3nm
で、前記実膜厚比が0.002〜5.92の範囲にある
ことを特徴とする。
【0028】本発明の第7の視点は、半導体から実質的
になる下地層と、前記下地層上に配設された絶縁層と、
前記絶縁層上に配設された電極と、を具備し、前記下地
層と前記電極との間に前記絶縁層が挟まれるMIS半導
体装置であって、前記絶縁層は積層された第1、第2及
び第3絶縁膜を具備すると共に前記第1及び第3絶縁膜
の間に前記第2絶縁膜が挟まれることと、前記第1及び
第3絶縁膜はチタン酸化物から実質的になり、前記第2
絶縁膜は、シリコン酸化物、シリコン酸窒化物、シリコ
ン窒化物からなる群から選択された材料から実質的にな
ることと、前記絶縁層は誘電率に基づいてシリコン酸化
物に換算した換算膜厚が3nm以下で、且つ前記第2絶
縁膜の実際の厚さの前記第1及び第3絶縁膜の実際の厚
さの合計値に対する実膜厚比が0.008〜12.9の
範囲にあるように設定されることと、を特徴とする。
【0029】本発明の第8の視点は、第7の視点のMI
S半導体装置において、前記換算膜厚が1.5nm以下
で、前記実膜厚比が0.017〜2.46の範囲にある
ことを特徴とする。
【0030】本発明の第9の視点は、第7の視点のMI
S半導体装置において、前記換算膜厚が1.5〜3nm
で、前記実膜厚比が0.008〜12.9の範囲にある
ことを特徴とする。
【0031】本発明の第10の視点は、第1乃至第9の
視点のいずれかのMIS半導体装置において、前記下地
層の表面内に、チャネル領域と、前記チャネル領域を挟
む一対のソース/ドレイン領域と、が形成され、前記電
極は前記絶縁層を介して前記チャネル領域に対向するゲ
ート電極からなることを特徴とする。
【0032】本発明の第11の視点は、第1乃至第9の
視点のいずれかのMIS半導体装置において、前記絶縁
層はキャパシタ絶縁層からなり、前記下地層及び前記電
極は一対のキャパシタ電極からなることを特徴とする。
【0033】本発明の第12の視点は、チャネル領域
と、前記チャネル領域を挟む一対のソース/ドレイン領
域と、が表面内に形成された半導体から実質的になる下
地層と、前記下地層上に配設されたトンネル絶縁層と、
前記トンネル絶縁層上に配設されたフローティングゲー
ト電極と、を具備し、前記フローティングゲート電極は
前記トンネル絶縁層を介して前記チャネル領域に対向す
る不揮発性半導体記憶装置であって、前記トンネル絶縁
層は、積層された第1、第2及び第3絶縁膜を具備する
と共に前記第1及び第3絶縁膜の間に前記第2絶縁膜が
挟まれることと、前記第1及び第3絶縁膜は、シリコン
酸化物、シリコン酸窒化物、シリコン窒化物からなる群
から選択された材料から実質的になり、前記第2絶縁膜
はチタン酸化物から実質的になることと、前記トンネル
絶縁層は誘電率に基づいてシリコン酸化物に換算した換
算膜厚が6nm以下に設定されることと、を特徴とす
る。
【0034】本発明の第13の視点は、第12の視点の
不揮発性半導体記憶装置において、前記換算膜厚が5.
5nm以下で、前記第1及び第3絶縁膜の実際の厚さの
合計値の前記第2絶縁膜の実際の厚さに対する実膜厚比
が0.076〜0.389の範囲にあることを特徴とす
る。
【0035】本発明の第14の視点は、チャネル領域
と、前記チャネル領域を挟む一対のソース/ドレイン領
域と、が表面内に形成された半導体から実質的になる下
地層と、前記下地層上に配設されたトンネル絶縁層と、
前記トンネル絶縁層上に配設されたフローティングゲー
ト電極と、を具備し、前記フローティングゲート電極は
前記トンネル絶縁層を介して前記チャネル領域に対向す
る不揮発性半導体記憶装置であって、前記トンネル絶縁
層は、互いに並設された第1及び第2絶縁膜と、互いに
並設され且つ前記第1及び第2絶縁膜上に夫々積層され
た第3及び第4絶縁膜と、を具備し、前記第1及び第4
絶縁膜は、シリコン酸化物、シリコン酸窒化物、シリコ
ン窒化物からなる群から選択された材料から実質的にな
り、前記第2及び第3絶縁膜はチタン酸化物から実質的
になることと、前記トンネル絶縁層は誘電率に基づいて
シリコン酸化物に換算した換算膜厚が6nm以下に設定
されることと、を特徴とする。
【0036】本発明の第15の視点は、第14の視点の
不揮発性半導体記憶装置において、前記換算膜厚が3.
5nm以下で、前記第1絶縁膜の実際の厚さの前記第3
絶縁膜の実際の厚さに対する実膜厚比及び前記第4絶縁
膜の実際の厚さの前記第2絶縁膜の実際の厚さに対する
実膜厚比が0.102〜0.2の範囲にあることを特徴
とする。
【0037】本発明の第16の視点は、第12乃至第1
5の視点のいずれかの不揮発性半導体記憶装置におい
て、前記フローティングゲート電極に層間絶縁膜を介し
て対向するコントロールゲート電極を更に具備すること
を特徴とする。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細を図示の実施
形態によって説明する。なお、以下の説明において、略
同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一
符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
【0039】また、下記の実施の形態において、次の点
に留意されたい。即ち、半導体装置への電圧は、ゲート
電極側が負となるように印加されている。印加電圧の数
値は積層絶縁膜に印加される値が示されている。また、
電流密度は、実際には図示の如く負の値を有するもので
あるが、それ等の絶対値に基づいて論じられている。
【0040】[MIS半導体装置]本発明者は、低誘電
率の絶縁膜と高誘電率の絶縁膜を積層した構造に対して
鋭意研究及び各種実験を行った。そして、低誘電率の絶
縁膜と高誘電率の絶縁膜を積層した構造において、積層
膜全体を誘電率に基づいてシリコン酸化膜の厚さに換算
した換算膜厚で一定にした状態で、複数の絶縁膜の各膜
厚の割合(比)に対するトンネル電流密度を調べたとこ
ろ、ある特定の材料選択における各々の膜厚比のある割
合で、いずれかの絶縁膜単層の場合よりもトンネル電流
密度が小さくなるのを見出した。これは、積層膜におけ
る高誘電率絶縁膜の割合をある値よりも高くすると同じ
換算膜厚に対する積層膜全体の膜厚を厚くでき、逆に高
誘電率絶縁膜の割合をある値より低くすると熱励起によ
る電流の影響が問題とならなくなるが、これらの両方を
共に満足する領域が存在することを意味する。
【0041】本発明は、このような事実に基づいて成さ
れたもので、積層絶縁膜における膜厚比を後述の割合に
設定することにより、誘電率を大きくしながらリーク電
流の低減をはかることが可能となる。ここで、高誘電率
側の絶縁膜としては例えば、チタン酸化膜(TiO2
を用いることができ、誘電率30以上の絶縁膜であれば
上記の効果が確認された。低誘電率側の絶縁膜としては
シリコン酸化膜(SiO2 )、シリコン酸窒化膜(Si
ON)、シリコン窒化膜(Si3 4 )を用いることが
でき、バンドギャップが4.5eV以上の絶縁膜であれ
ば上記の効果が確認された。
【0042】例えば、絶縁層が第1及び第2の絶縁膜の
2層からなる積層膜であり、電荷がe、プランク定数を
2πで割った定数がh′、ボルツマン定数がkB 、電極
における電子の有効質量がm、絶縁層を構成している第
1及び第2の絶縁膜をトンネリングしている電子の有効
質量がそれぞれm1,* 及びm2,* 、電極におけるフェル
ミエネルギーがEF で物理定数が定義されており、第1
の絶縁膜の誘電率がε 1 、実膜厚がT1 であり、第2の
絶縁膜の誘電率がε2 、実膜厚がT2 であり、酸化膜換
算した第1と第2の絶縁膜の和がTall,eff であり、温
度がTであり、絶縁層全体にかかる電圧がVall であ
り、第1及び第2の絶縁膜にかかる電場がD1 及びD2
であるとき、トンネル電流が、
【0043】
【数1】
【0044】と表現されている場合、膜厚がTall,eff
である第1の絶縁膜及び第2の絶縁膜それぞれに流れる
トンネル電流J(Tall,eff 、0)及びJ(0、T
all,eff )よりも、第1の絶縁膜及び第2の絶縁膜がト
ンネル電流J(T1 、T2 )を低くする膜厚T1 及びT
2 の積層構造で絶縁層が構成される。
【0045】また、絶縁層が第1、第2、第3の絶縁膜
の3層からなる積層膜であり、トンネル電流が(1)式
のトンネル電流式に、絶縁層を構成している第3の絶縁
膜をトンネリングしている電子の有効質量がm3,* 、第
3の絶縁膜の誘電率がε3 、実膜厚がT3 、第3の絶縁
膜にかかる電場がD3 であり、
【0046】
【数2】
【0047】と変更することで表現されている場合、膜
厚がTall,eff である第1、第2、第3の絶縁膜それぞ
れに流れるトンネル電流J(Tall,eff 、0、0)、J
(0、Tall,eff 、0)、J(0、0、Tall,eff )よ
りも、第1、第2、第3の絶縁膜がトンネル電流J(T
1 、T2 、T3 )を低くする膜厚T1 、T2 、T3 の積
層構造で絶縁層が構成される。
【0048】(第1の実施形態)図1は、本発明の第1
の実施形態に係わる半導体装置を説明するためのもの
で、二つの絶縁膜が積層になっているMIS構造の断面
図である。
【0049】p型シリコン基板1の表面上に、シリコン
窒化膜2とチタン酸化膜3からなる絶縁層が形成され、
その上にゲート電極4が形成されている。このMIS構
造を作成するには、まずp型シリコン基板1の表面にシ
リコン窒化膜2を形成する。次いで、チタン酸化膜3を
形成する。最後に、リンを2×1020cm-3拡散させた
n+ ポリシリコンゲート電極4を形成する。
【0050】なお、シリコン基板1の代わりには、絶縁
膜上のシリコン、ポリシリコン層を用いることができ
る。ゲート電極4は他の材料でもよく、アルミニウム
(Al)、プラチナ(Pt)、金(Au)、銀(A
g)、チタン(Ti)、タングステン(W)、チタンナ
イトライド(TiN)、ジルコニウムナイトライド(Z
rN)、チタンシリサイド(TiSi)、タングステン
シリサイド(WSi)、モリブデンシリサイド(MoS
i)、タンタルシリサイド(TaSi)のいずれでも構
わない。
【0051】また、シリコン窒化膜2の形成方法は、ア
ンモニアを含む窒素ガス雰囲気でRTN(Rapid Therma
l Nitridation)により形成する方法、CVD(Chemica
l Vapor Deposition)或いはJVD (Jet Vapor Depos
ition)により堆積して形成する方法、プラズマ窒化に
より形成する方法、ラジカル窒素により形成する方法の
いずれでも構わない。チタン酸化膜3の形成方法は、C
VDにより堆積して形成する方法、スパッタによって形
成する方法のいずれでも構わない。
【0052】図2は、図1のMIS構造のフラットバン
ド電圧におけるエネルギーバンド図である。図の左から
n+ ポリシリコンゲート電極4のフェルミ準位EF 、伝
導帯EC 、価電子帯EV 、次はチタン酸化膜3の伝導帯
及び価電子帯、次はシリコン窒化膜2の伝導帯及び価電
子帯、最後はp型シリコン基板1のフェルミ準位EF
伝導帯EC 、価電子帯EV である。
【0053】フラットバンド電圧VFBが積層にした絶縁
膜2、3にかかっており、そのときn+ ポリシリコンゲ
ート電極4のフェルミ準位EF とp型シリコン基板1の
伝導帯EC が一致する。また、チタン酸化膜3の実膜厚
をT1 、シリコン窒化膜2の実膜厚をT2 、バリアハイ
トφB1をn+ ポリシリコンゲート電極4のフェルミ準位
F とチタン酸化膜3の伝導帯EC の差、バリアハイト
φB2をn+ ポリシリコンゲート電極4のフェルミ準位E
F とシリコン窒化膜2の伝導帯EC の差とする。
【0054】図3は、図1のMIS構造のn+ ポリシリ
コンゲート電極4に負の電圧をかけ、絶縁膜2、3から
なる絶縁層全体に電圧Vall がかかったときのエネルギ
ーバンド図である。このとき、チタン酸化膜3には
1 、シリコン窒化膜2にはV2の電圧がかかる。そし
て、n+ ポリシリコンゲート電極4から電子がトンネリ
ングして電流が流れる。
【0055】このMIS構造を流れるトンネル電流J
(T1 、T2 )は、前記の式(数1)により表現でき
る。ここで、eは電荷、h′はプランク定数を2πで割
った定数、kB はボルツマン定数、mは電極における電
子の有効質量で真空における電子の質量と同じ値、m
1,* 及びm2,* はそれぞれチタン酸化膜3及びシリコン
窒化膜2の絶縁膜をトンネリングしている電子の有効質
量、ε1 及びε2 はそれぞれチタン酸化膜3及びシリコ
ン窒化膜2の誘電率、Tは温度、T1,eff 及びT2, eff
はそれぞれチタン酸化膜3の実膜厚T1 及びシリコン窒
化膜2の実膜厚T2をシリコン酸化膜に換算した膜厚、
all はチタン酸化膜3の実膜厚T1 とシリコン窒化膜
2 の実膜厚T2 の和、Tall,eff はチタン酸化膜3の
換算膜厚T1, eff とチタン酸化膜3の換算膜厚T2,eff
の和、D1 及びD2 はそれぞれチタン酸化膜3及びシリ
コン窒化膜2にかかる電場である。
【0056】図4は、チタン酸化膜3とシリコン窒化膜
2とを積層構造にしたときに流れるトンネル電流密度J
(T1 、T2 )を計算したものである。積層膜2、3全
体の換算膜厚Tall,eff を1.5nmに固定した場合
に、チタン酸化膜3とシリコン窒化膜2の膜厚の割合を
変えている。ここで、チタン酸化膜3の誘電率ε1 とシ
リコン窒化膜2の誘電率ε2 はそれぞれ89、7.8、
バリアハイトφB1、φB2はそれぞれ1.0eV、2.1
eVであり、温度は300Kである。また、真空中にお
ける電子の質量がmのとき膜中をトンネリングしている
電子の有効質量は0.46mとしている。
【0057】なお、チタン酸化物(TiO2 )は結晶構
造がブルッカイト、ルチル、アナターゼの3種類あり、
また結晶方位により誘電率が異なる異方性を有するた
め、その誘電率は30乃至180の幅を有する。しか
し、本願明細書で述べるチタン酸化膜の換算膜厚は、チ
タン酸化物の誘電率を代表的に89に統一して計算して
いる。従って、後述する換算膜厚比はチタン酸化物の誘
電率に依存して大きく異なる。また、トンネル電流は、
積層膜を構成する各膜のバリアハイト及び実膜厚によっ
て決定される。このような理由から、本発明の思想を明
確に表す上では、換算膜厚比よりも実膜厚比の方が優先
する。
【0058】この図は、積層膜からなる絶縁層に負の電
圧0.5Vをかけた場合に流れるトンネル電流密度J
(T1 、T2 )と、チタン酸化膜3とシリコン窒化膜2
との合計の換算膜厚Tall,eff が1.5nmのときに占
めるチタン酸化膜3の換算膜厚T1,eff との関係を表し
ている。
【0059】つまり、横軸が0nmのときはチタン酸化
膜3は無く、シリコン窒化膜2は換算膜厚T2,eff
1.5nm(実膜厚T2 が約3nm)のときを表し、横
軸が1.5nmのときはチタン酸化膜3は換算膜厚T
1,eff が1.5nm(実膜厚T1が約34.2nm)、
シリコン窒化膜2は無いことを表している。そして、横
軸が0nmと1.5nmの間のときは、シリコン窒化膜
2とチタン酸化膜3の換算膜厚の合計Tall,eff が1.
5nmのときに占めるシリコン窒化膜2の換算膜厚T
2,eff を表している。
【0060】この図から、シリコン窒化膜2単層の場合
(T2,eff =1.5nm)からチタン酸化膜3が占める
割合が増えていくと電流値が低くなっていき、T1,eff
が0.22nm(T1 が5.0nm)で電流値は増加に
転じることが判る。つまり、換算膜厚Tall,eff が1.
5nmのとき、チタン酸化膜3及びシリコン窒化膜2は
それぞれT1,eff が0.22nm(T1 が5.0nm)
及びT2,eff が1.78nm(T2 が3.56nm)の
膜厚の割合で電流値が最小になることが判る。シリコン
窒化膜2の単層で電流値は3.9×10-5A/cm2
チタン酸化膜3の単層で電流値は4.2×10-10 A/
cm2 であるが、チタン酸化膜3及びシリコン窒化膜2
の積層が上述の膜厚のとき、電流値は5×10-17 A/
cm2 にまで低く抑えることができる。
【0061】チタン酸化膜3とシリコン窒化膜2を積層
構造にして、膜厚の割合により電流値が低くできる理由
は以下の通りである。チタン酸化膜3は、誘電率ε1
高いので実膜厚T1 は厚くできゲート電極のフェルミ準
位近傍からの電流を低くすることができるが、バリアハ
イトφB1が低いので熱励起電流の影響が大きくなる。一
方、シリコン窒化膜2は、誘電率ε2 が低いので実膜厚
2 は厚くできずゲート電極のフェルミ準位近傍からの
電流は低くできないが、バリアハイトφB2が高いので熱
励起電流の影響が小さい。それ故、チタン酸化膜3とシ
リコン窒化膜2とを積層にすることで、フェルミ準位近
傍からの電流及び熱励起電流の両方の電流成分を低くで
きるので、全体として電流を低くすることができるので
ある。
【0062】本実施形態によれば、積層全体の換算膜厚
all,eff が1.5nmであり、電圧Vall が0.5V
のとき、チタン酸化膜3の単層膜及びシリコン窒化膜2
の単層膜それぞれに流れるトンネル電流密度J(T
all,eff 、0)=4.2×10-1 0 A/cm2 及びJ
(0、Tall,eff )=3.9×10-5A/cm2 であ
る。従って、これらの値よりも、チタン酸化膜3及びシ
リコン窒化膜2がトンネル電流密度J(T1 、T2 )を
低くする膜厚の割合の領域、つまり電流密度が4.2×
10-10 A/cm2 未満になる膜厚の割合の領域、1.
83≦T1 <34.2、2.84≧T2 >0(0.08
≦T1,eff <1.5、1.42≧T2,eff >0)の積層
膜からなるMIS構造を用いることにより、電流を低く
抑えたデバイスを作ることができる。
【0063】(第2の実施形態)図5は、第1の実施形
態と同様の構成において、換算膜厚Tall,eff が3nm
で、絶縁層にかかる電圧Vallが1.4Vの場合に、チ
タン酸化膜3と シリコン窒化膜2とを積層構造にした
ときに流れるトンネル電流密度J(T1 、2 )を計算
したものである。ここで、T1 、2 は、それぞれチタ
ンオキサイ ド膜3、シリコン窒化膜2の実膜厚、T
1,eff 、T2,eff は、それぞれチタン酸化膜3、シリコ
ン窒化膜2の換算膜厚である。
【0064】本実施形態によれば、積層膜全体の換算膜
厚Tall,eff が3nmであり、電圧Vall が1.4Vの
とき、チタン酸化膜3の単層膜及びシリコン窒化膜2の
単層膜それぞれに流れるトンネル電流密度はJ(T
all,eff 、0)=5.8×10-1 0 A/cm2 及びJ
(0、Tall,eff )=1.2×10-14 A/cm2 であ
る。従って、これらの値よりも、チタン酸化膜3及びシ
リコン窒化膜2がトンネル電流密度J(T1 、T2 )を
低くする膜厚の割合の領域、つまり電流密度が1.2×
10-14 A/cm2 未満になる膜厚の割合の領域、4.
2≦T2 <6、21.2≧T1 >0(2.07≦T
2,eff <3、0.93≧T1,eff > 0)の積層膜から
なるMIS構造を用いることにより、電流を低く抑えた
デバイスを作ることができる。
【0065】(第3の実施形態)図6は、第1の実施形
態におけるシリコン窒化膜2をシリコン酸化膜に換えた
場合であり、チタン酸化膜3とシリコン酸化膜とを積層
構造にしたときに流れるトンネル電流密度J(T1 、T
2 )を計算したものである。即ち、換算膜厚Tal l,eff
が1.5nmで、絶縁層にかかる電圧Vallが0.5V
の場合である。ここで、T1 、T2 は、それぞれチタン
酸化膜3、シリコン酸化膜の実膜厚、T1, eff 、T
2,eff は、それぞれチタン酸化膜3、シリコン酸化膜の
換算膜厚である。
【0066】本実施形態によれば、積層膜全体の換算膜
厚Tall,eff が1.5nmであり、電圧Vall が0.5
Vのとき、チタン酸化膜3の単層膜及びシリコン酸化膜
の単層膜それぞれに流れるトンネル電流密度J(T
all,eff 、0)=4.2×10-1 0 A/cm2 及びJ
(0、Tall,eff )=1.1A/cm2 である。従っ
て、これらの値よりも、チタン酸化膜3及びシリコン酸
化膜がトンネル電流密度J(T 1 、T2 )を低くする膜
厚の割合の領域、つまり電流密度が4.2×10-10
/cm2 未満になる膜厚の割合の領域、3.65≦T1
<34.2、1.34≧T2 >0(0.16≦T1,eff
<1.5、1.34≧T2,eff > 0)の積層膜からな
るMIS構造を用いることにより、電流を低く抑えたデ
バイスを作ることができる。
【0067】(第4の実施形態)図7は、第3の実施形
態において換算膜厚Tall,eff が3nm、絶縁層にかか
る電圧Vall が1.4Vの場合、チタン酸化膜3とシリ
コン酸化膜とを 積層構造にしたときに流れるトンネル
電流密度J(T1 、T2 )を計算したものである。ここ
で、T1 、T2 は、それぞれチタン酸化膜3、シリコン
酸化膜の実膜厚、T1,eff 、T2,eff は、それぞれチタ
ン酸化膜3、シリコン酸化膜の換算膜厚である。
【0068】本実施形態によれば、積層膜全体の換算膜
厚Tall,eff が3nmであり、電圧Vall が1.4Vの
とき、チタン酸化膜3の単層膜及びシリコン酸化膜の単
層膜それぞれに流れるトンネル電流密度J
(Tall,eff 、0)=5.8×10-10 A/cm2 及び
J(0、Tall,eff )=1.7×10-7A/cm2 であ
る。従って、これらの値よりも、チタン酸化膜3及びシ
リコン酸化膜がトンネル電流密度J(T1 、T2 )を低
くする膜厚の割合の領域、つまり電流密度が5.8×1
-1 0 A/cm2 未満になる膜厚の割合の領域、1.8
3≦T1 <34.2、2.92≧T2 >0(0.08≦
1,eff <1.5、2.92≧T2,eff >0)の積層膜
からなるMIS構造を用いることにより、電流を低く抑
えたデ バイスを作ることができる。
【0069】(第5の実施形態)図8は、図1における
シリコン窒化膜2とチタン酸化膜3の積層順序を逆にし
たものである。各絶縁膜の形成方法は、図1の実施形態
と同じである。
【0070】図9は、図8のMIS構造のフラットバン
ド電圧におけるエネルギーバンド図である。図の左から
n+ ポリシリコンゲート電極4のフェルミ準位EF 、伝
導帯EC 、価電子帯EV 、次はシリコン窒化膜2の伝導
帯及び価電子帯、次はチタン酸化膜3の伝導帯及び価電
子帯、最後はp型シリコン表面層1のフェルミ準位
F 、伝導帯EC 、価電子帯EV である。
【0071】フラットバンド電圧VFBが絶縁膜2、3を
積層した絶縁層にかかっており、そのときn+ ポリシリ
コンゲート電極4のフェルミ準位EF とp型シリコン表
面層の伝導帯EC が一致する。また、シリコン窒化膜2
の実膜厚をT1 、チタン酸化膜3の実膜厚をT2 、バリ
アハイトφB2をn+ ポリシリコンゲート電極4のフェル
ミ準位EF とシリコン窒化膜2の伝導帯EC の差、バリ
アハイトφB1をn+ ポリシリコンゲート電極4のフェル
ミ準位EF とチタン酸化膜3の伝導帯EC の差とする。
【0072】図10は、図8のMIS構造のn+ ポリシ
リコンゲート電極4に負の電圧をかけ、絶縁膜2、3か
らなる絶縁層全体に電圧Vall がかかったときのエネル
ギーバンド図である。このとき、シリコン窒化膜2には
1 、チタン酸化膜3にはV 2 の電圧がかかる。そして
n+ ポリシリコンゲート電極4から電子がトンネリング
して電流が流れる。
【0073】このMIS構造を流れるトンネル電流J
(T1 、T2 )は、前記の式(数1)により表現でき
る。ここで、ε1 及びε2 はそれぞれシリコン窒化膜2
及びチタン酸化膜3の誘電率、T1,eff 及びT2,eff
それぞれシリコン窒化膜2の実膜厚T1 及びチタン酸化
膜3の実膜厚T2 をシリコン酸化膜に換算した膜厚、T
al l はシリコン窒化膜2の実膜厚T1 とチタン酸化膜3
の実膜厚T2 の和、Tall, eff はシリコン窒化膜2の換
算膜厚T1,eff とチタン酸化膜3の換算膜厚T2,ef f
和、D1 及びD2 はそれぞれシリコン窒化膜2及びチタ
ンオキイド膜3にかかる電場である。
【0074】図11は、シリコン窒化膜2とチタン酸化
膜3とを積層構造にしたときに流れるトンネル電流密度
J(T1 、T2 )を計算したものである。積層膜2、3
全体の換算膜厚Tall,eff を1.5nmに固定した場合
に、シリコン窒化膜2とチタン酸化膜3の膜厚の割合を
変えている。ここで、バリアハイトφB1、φB2はそれぞ
れ2.1eV、1eVである。この図は絶縁層に負の電
圧0.5Vをかけた場合に流れるトンネル電流密度はJ
(T1 、T2 )と、チタン酸化膜3とシリコン窒化膜2
の換算膜厚Tall,eff が1.5nmのときに占めるシリ
コン窒化膜2の換算膜厚T1,eff との関係を表してい
る。
【0075】本実施形態によれば、積層全体の換算膜厚
all,eff が1.5nmであり、電圧Vall が0.5V
のとき、シリコン窒化膜2の単層膜及びチタン酸化膜3
の単層膜それぞれに流れるトンネル電流密度J(T
all,eff 、0)=4.2×10-5A/cm2 、及びJ
(0、Tall,eff )=4.2×10-10 A/cm2 であ
る。従って、これらの値よりも、シリコン窒化膜2及び
チタン酸化膜3がトンネル電流密度J(T1 、T2 )を
低くする膜厚の割合の領域、つまり電流密度が4.2×
10-10 A/cm2 未満になる膜厚の割合の領域、0<
1 ≦2.76、34.2>T2 ≧2.74(0<T
1,eff ≦1.38、1.5>T2,eff ≧0.12)の積
層膜からなるMIS構造を用いることにより、電流を低
く抑えたデバイスを作ることができる。
【0076】なお、第1の実施形態の場合では電圧の範
囲に制限はないが、この実施形態では電圧の範囲に制限
が生ずる。前述したように、低誘電率の絶縁膜は熱励起
による電流を抑えられるが、フェルミ準位近傍からの電
流を抑えられない。この第5の実施形態構造では、高誘
電率の絶縁膜よりも低誘電率の絶縁膜に電圧が大きくか
かるので、低誘電率の絶縁膜に引きずられ高誘電率の絶
縁膜の伝導帯が低くなる。カソードのフェルミ準位近傍
から低誘電率の絶縁膜をトンネリングした電流は、高誘
電率の絶縁膜の伝導帯の上を越えて流れる。そのため、
電圧が高い場合には、低誘電率の絶縁膜単体及び高誘電
率の絶縁膜単体を流れる電流よりも、積層にしたこの構
造の方が電流が高くなってしまう。
【0077】そこで、低誘電率の絶縁膜から高誘電率の
絶縁膜へ電子がトンネリングする方向では、高誘電率の
絶縁膜の伝導帯を低くしないように、電圧は充分低い必
要があり、それは高誘電率の絶縁膜におけるバリアハイ
トよりも充分小さい電圧である必要がある。
【0078】(第6の実施形態)図12は、絶縁層がシ
リコン窒化膜2、チタン酸化膜3、シリコン窒化膜5の
順で積層になっているMIS構造の断面図である。これ
は、図1の構成に加え、チタン酸化膜3とゲート電極4
との間にシリコン窒化膜5が形成されている場合であ
る。シリコン窒化膜5の形成方法は、第1の実施形態で
述べたシリコン窒化膜の形成方法のいずれでも構わな
い。
【0079】図13は、図12のMIS構造のフラット
バンド電圧におけるエネルギーバンド図である。図2の
n+ ポリシリコンゲート電極4とチタン酸化膜3の間に
シリコン窒化膜5のエネルギーバンドが挟まったもので
ある。
【0080】フラットバンド電圧VFBが絶縁膜5、2、
3を積層した絶縁層にかかっており、そのときn+ ポリ
シリコンゲート電極4のフェルミ準位EF とp型シリコ
ン表面層の伝導帯EC が一致する。シリコン窒化膜5の
実膜厚、換算膜厚、誘電率は、それぞれT0
0,eff 、ε0 (=ε2 )であり、シリコン窒化膜5に
かかる電圧、電場は、 それぞれV0 、D0 (=D2
である。また、バリアハイトはφB0(=φB2)である。
シリコン窒化膜2及びチタン酸化膜3の実膜厚、換算膜
厚、誘電率、電圧、電場、バリアハイトの定義は、第1
の実施形態と同じである。
【0081】図14は、図12のMIS構造のn+ ポリ
シリコンゲート電極4に負の電圧をかけ、絶縁層全体に
電圧Vall がかかったときのエネルギーバンド図であ
る。このとき、シリコン窒化膜5にはV0 、チタン酸化
膜3にはV1 、シリコン窒化膜2にはV2 の電圧がかか
る。そして、n+ ポリシリコンゲート電極4から電子が
トンネリングして電流が流れる。
【0082】このMIS構造を流れるトンネル電流J
(T0 、T1 、T2 )は、第1の実施形態のJ(T1
2 )を次のように変更することで表現できる。
【0083】
【数3】
【0084】図15は、図12のMIS構造に流れるト
ンネル電流密度J(T0 、T1 、T 2 )を計算したもの
である。積層膜5、2、3全体の換算膜厚Tall,eff
1.5nmに固定した場合に、チタン酸化膜3とシリコ
ン窒化膜2、5の膜厚の割合を変えている。但し、シリ
コン窒化膜2と5は同じ膜厚にした。この図は、絶縁層
に負の電圧0.5Vをかけた場合に流れるトンネル電流
密度J(T0 、T1 、T2 )と、チタン酸化膜3とシリ
コン窒化膜2、5との合計の換算膜厚Tall,ef f が1.
5nmのときに占めるシリコン窒化膜2(5)の換算膜
厚T0,eff (T 2,eff )との関係を表している。
【0085】この図から、チタン酸化膜3単層の場合
(T1,eff =1.5nm)からシリコン窒化膜2、5が
占める割合が増えていくと電流値が低くなっていき、T
0,eff及びT2,eff が0.65nm(T0 及びT2
1.30nm)で電流値は増加に転じる。つまり、換算
膜厚Tall,eff が1.5nmのとき、シリコン窒化膜
2、5及びチタン酸化膜3はそれぞれT0,eff 及びT
2,eff が0.65nm(T0 及びT2 が1.30n
m)、及びT1,eff が0.2nm(T1 が4.56n
m)の膜厚の割合で電流値が最小になることが判る。シ
リコン窒化膜2(5)単層で電流値は3.9×10-5
/cm2 、チタン酸化膜3単層で電流値は4.2×10
-10 A/cm2 であるが、チタン酸化膜3及びシリコン
窒化膜2、5の積層が上述の膜厚のとき、電流値は1.
6×10-14 A/cm2 にまで低く抑えることができ
る。
【0086】本実施形態によれば、積層膜全体の換算膜
厚Tall,eff が1.5nmであり、Vall が0.5Vの
とき、チタン酸化膜3の単層膜及びシリコン窒化膜2
(5)の単層膜それぞれに流れるトンネル電流密度はJ
(0、Tall,eff 、0)=4.2×10-10 A/cm2
及びJ(Tall,eff 、0、0)=3.9×10-5A/c
2 である。従って、これらの値よりも、チタン酸化膜
3及びシリコン窒化膜2(5)がトンネル電流密度J
(T0 、T1 、T2 )を低くする膜厚の割合の領域、つ
まり電流密度が4.2×10-10 A/cm2 未満になる
膜厚の割合の領域、0≦T0 (=T2 )<1.4、3
4.2≧T1 >2.28(0≦T0,eff (=T 2,eff
<0.70、1.5≧T1,eff >0.1)の積層膜から
なるMIS構造を用いることにより、電流を低く抑えた
デバイスを作ることができる。
【0087】この構造では絶縁膜構造が対称になってい
るので膜にかかる電圧が同じであれば極性によらず、ト
ンネリングする電流が同じになることが特徴的である。
【0088】なお、上記においてシリコン窒化膜2及び
5を同じ膜厚で固定したが、シリコン窒化膜2(5)の
単層膜及びチタン酸化膜3の単層膜それぞれに流れる電
流密度J(Tall,eff 、0、0)(=J(0、0、T
all,eff ))及びJ(0、Tal l,eff 、0)よりも、チ
タン酸化膜3及びシリコン窒化膜2及び5がトンネル電
流密度J(T0 、T1 、T2 )を低くする膜厚の割合の
領域であれば、T0 とT 2 は異なる膜厚でも構わない。
また、シリコン窒化膜2及び5のどちらかがシリコン酸
化膜でも構わない。
【0089】(第7の実施形態)図16は、第6の実施
形態において換算膜厚Tall,eff が3nm、絶縁層にか
かる電圧Vallが1.4Vの場合の、シリコン窒化膜
5、チタン酸化膜3、シリコン窒化膜2の順に積層構造
にしたときに流れるトンネル電流密度J(T0 、T 1
2 )を計算したものである。ここで、T0 及びT2
シリコン窒化膜の実膜厚、T1 はチタン酸化膜の実膜
厚、T0,eff 及びT2,eff はシリコン窒化膜の換算膜
厚、T1,eff はチタン酸化膜の換算膜厚である。
【0090】本実施形態によれば、積層膜全体の換算膜
厚Tall,eff が3nmであり、電圧Vall が1.4Vの
とき、チタン酸化膜3の単層膜及びシリコン窒化膜2
(5)の単層膜それぞれに流れるトンネル電流密度J
(0、Tall,eff 、0)=4.2×10-10 A/cm2
及びJ(Tall,eff 、0、0)=1.2×10-14 A/
cm2 である。従って、これらの値よりも、チタン酸化
膜3及びシリコン窒化膜2(5)がトンネル電流密度J
(T0 、T1 、T2 )を低くする膜厚の割合の領域、つ
まり電流密度が4.2×10-10 A/cm2 未満になる
膜厚の割合の領域、2.4≦T0 (=T2 )<3、1
3.7≧T1 >0(1.2≦T0,eff (=T2, eff )<
1.5、0.6≧T1,eff >0)の積層膜からなるMI
S構造を用いることにより、電流を低く抑えたデバイス
を作ることができる。
【0091】(第8の実施形態)図17は、第6の実施
形態のシリコン窒化膜をシリコン酸化膜に換えた場合で
あり、シリコン酸化膜、チタン酸化膜、シリコン酸化膜
の順に積層構造にしたときに流れるトンネル電流密度J
(T0 、T1 、T2 )を計算したものである。即ち、換
算膜厚Tall,eff が1.5nmであり、電圧Vall
0.5Vの場合である。ここで、T0 及びT2 はシリコ
ン酸化膜の実膜厚、T1 はチタン酸化膜の実膜厚、T
0,eff 及びT2,eff はシリコン酸化膜の換算膜厚、T
1,eff はチタン酸化膜の換算膜厚である。
【0092】本実施形態によれば、積層膜全体の換算膜
厚Tall,eff が1.5nmであり、電圧Vall が0.5
Vのとき、チタン酸化膜3の単層膜及びシリコン酸化膜
の単層膜それぞれに流れるトンネル電流密度はJ(0、
all,eff 、0)=4.2×10-10 A/cm2 及びJ
(Tall,eff 、0、0)=1.1A/cm2 である。従
って、これらの値よりも、チタン酸化膜3及びシリコン
酸化膜がトンネル電流密度J(T0 、T1 、T2 )を低
くする膜厚の割合の領域、つまり電流密度が4.2×1
-10 A/cm2 未満になる膜厚の割合の領域、4.1
1≦T1 <34.2、0.66≧T0 (=T2 )>0
(0.18≦T1,eff <1.5、0.66≧T
0,eff (=T2,eff )>0)の積層膜からなるMIS構
造を用いることにより、電流を低く抑えたデバイスを作
ることができる。
【0093】(第9の実施形態)図18は、第8の実施
形態において換算膜厚Tall,eff が3nm、絶縁層にか
かる電圧Vall が1.4Vの場合に、シリコン酸化膜、
チタン酸化膜、シリコン酸化膜の順に積層構造にしたと
きに流れるトンネル電流密度J(T0 、T1 、T 2 )を
計算したものである。ここで、T0 及びT2 はシリコン
酸化膜の実膜厚、T1 はチタン酸化膜の実膜厚、T
0,eff 及びT2,eff はシリコン酸化膜の換算膜厚、T
1,eff はチタン酸化膜の換算膜厚である。
【0094】本実施形態によれば、積層膜全体の換算膜
厚Tall,eff が3nmであり、電圧Vall が1.4Vの
とき、チタン酸化膜3の単層膜及びシリコン酸化膜の単
層膜それぞれに流れるトンネル電流密度はJ(0、T
all,eff 、0)=5.8×10 -10 A/cm2 及びJ
(Tall,eff 、0、0)=1.7×10-7A/cm2
ある。従って、これらの値よりも、チタン酸化膜及びシ
リコン酸化膜がトンネル電流密度J(T0 、T1
2 )を低くする膜厚の割合の領域、つまり電流密度が
5.8×10-10 A/cm2 未満になる膜厚の割合の領
域、1.83≦T1 <34.2、1.46≧T0 (=T
2 )>0(0.08≦T1,eff <1.5、1.46≧T
0,eff (=T2,eff )>0)の積層膜からなるMIS構
造を用いることにより、電流を低く抑えたデバイスを作
ることができる。
【0095】(第10の実施形態)図19は絶縁層が、
チタン酸化膜、シリコン窒化膜、チタン酸化膜の順で積
層になっているMIS構造の断面図である。これは、図
1の構成に加えて、シリコン窒化膜2とシリコン表面層
1との間にチタン酸化膜6が形成されている場合であ
り、第6の実施形態の場合とはシリコン窒化膜とチタン
酸化膜の位置を入れ替えたものに相当する。チタン酸化
膜6の形成方法は、第1の実施形態で述べたチタン酸化
膜の形成方法のいずれでも構わない。
【0096】図20は、図19のMIS構造のフラット
バンド電圧におけるエネルギーバンド図である。図2の
シリコン基板1とシリコン窒化膜2の間にチタン酸化膜
6のエネルギーバンドが挟まったものである。
【0097】フラットバンド電圧VFBが絶縁膜2、3、
6を積層した絶縁層にかかっており、そのときn+ ポリ
シリコンゲート電極4のフェルミ準位EF とp型シリコ
ン基板1の伝導帯EC が一致する。チタン酸化膜6
(3)の実膜厚、換算膜厚、誘電率は、それぞれ、
3 、T3,eff 、ε3 (=ε1 )であり、チタン酸化膜
3にかかる電圧、電場は、それぞれ、V3 、D3 (=D
1 )である。また、バリアハイトは、φB3(=φB1)で
ある。シリコン窒化膜2及びチタン酸化膜3(6)の実
膜厚、換算膜厚、誘電率、電圧、電場、バリアハイトの
定義は、第1の実施形態と同じである。
【0098】図21は、図19のMIS構造のn+ ポリ
シリコンゲート電極4に負の電圧をかけ、絶縁膜2、
3、6を積層した絶縁層に電圧Vall がかかったときの
エネルギーバンド図である。このとき、チタン酸化膜3
にはV1 、シリコン窒化膜2にはV2 、チタン酸化膜6
にはV3 の電圧がかかる。そして、n+ ポリシリコンゲ
ート電極4から電子がトンネリングして電流が流れる。
【0099】このMIS構造を流れるトンネル電流密度
J(T1 、T2 、T3 )は、第6の実施形態のJ
(T0 、T1 、T2 )を次のように変更することで実現
できる
【0100】
【数4】
【0101】図22は、図19のMIS構造に流れるト
ンネル電流密度J(T1 、T2 、T 3 )を計算したもの
である。積層膜2、3、6全体の換算膜厚Tall,eff
1.5nmに固定した場合に、チタン酸化膜3、6とシ
リコン窒化膜2の膜厚の割合を変えている。但し、チタ
ン酸化膜3と6は同じ膜厚にした。この図は、絶縁層に
負の電圧0.5Vをかけた場合に流れるトンネル電流密
度J(T1 、T2 、T 3 )と、チタン酸化膜3、6とシ
リコン窒化膜2との合計の換算膜厚Tall,effが1.5
nmのときに占めるチタン酸化膜3(6)の換算膜厚T
1,eff (T3,ef f )との関係を表している。
【0102】この図から、シリコン窒化膜2単層の場合
(T2,eff =1.5nm)からチタン酸化膜3、6が占
める割合が増えていくと電流値が低くなっていき、T
1,eff及びT3,eff が0.15nm(T1 及びT3
3.42nm)で電流値は増加に転じる。つまり、換算
膜厚Tall,eff が1.5nmのとき、チタン酸化膜3、
6及びシリコン窒化膜2はそれぞれT1,eff 及びT
3,eff が0.15nm(T1 及びT3 が3.42n
m)、及びT2,eff が1.2nm(T2 が2.4nm)
の膜厚の割合で電流値が最小になることが判る。シリコ
ン窒化膜2単層で電流値は3.9×10-5A/cm2
チタン酸化膜3(6)単層で電流値は4.2×10-1 0
A/cm2 であるが、チタン酸化膜3、6及びシリコン
窒化膜2の積層が上述の膜厚のとき、電流値は1.3×
10-16 A/cm2 にまで低く抑えることができる。
【0103】本実施形態によれば、積層全体の換算膜厚
all,eff が1.5nmであり、電圧Vall が0.5V
とき、チタン酸化膜3(6)の単層膜及びシリコン窒化
膜2の単層膜それぞれに流れるトンネル電流密度はJ
(Tall,eff 、0、0)=4.2×10-10 A/cm2
及びJ(0、Tall,eff 、0)=3.9×10-5A/c
2 である。従って、これらの値よりも、チタン酸化膜
3(6)及びシリコン窒化膜2がトンネル電流密度J
(T1 、T2 、T3 )を低くする膜厚の割合の領域、つ
まり電流密度が4.2×10-10 A/cm2 未満になる
膜厚の割合の領域、1.14≦T1 (=T3 )<17.
1、2.8≧T2 >0(0.05≦T1,eff(=T
3,eff )<0.75、1.4≧T2,eff >0)の積層膜
からなるMIS構造を用いることにより、電流を低く抑
えたデバイスを作ることができる。
【0104】なお、上記においてチタン酸化膜3及び6
を同じ膜厚で固定したが、チタン酸化膜3(6)の単層
膜及びシリコン窒化膜2の単層膜それぞれに流れる電流
密度J(Tall,eff 、0、0)(=J(0、0、T
all,eff ))及びJ(0、Tall, eff 、0)よりも、チ
タン酸化膜3及び6、シリコン窒化膜 2がトンネル電流
密度J(T1 、T2 、T3 )を低くする膜厚の割合の領
域であれば、T1 とT3 は異なる膜厚でも構わない。
【0105】(第11の実施形態)図23は、第10の
実施形態において換算膜厚Tall,eff が3nm、絶縁層
にかかる電圧Vall が1.4Vの場合の、チタン酸化
膜、シリコン窒化膜、チタン酸化膜の順に積層構造にし
たときに流れるトンネル電流密度J(T1 、T2
3 )を計算したものである。ここで、T1 及びT3
チタン酸化膜の実膜厚、T 2 はシリコン窒化膜の実膜
厚、T1,eff 及びT3,eff はチタン酸化膜の換算膜厚、
2,eff はシリコン窒化膜の換算膜厚である。
【0106】本実施形態によれば、積層膜全体の換算膜
厚Tall,eff が3nmであり、電圧Vall が1.4Vの
とき、シリコン窒化膜の単層膜及びチタン酸化膜の単層
膜それぞれに流れるトンネル電流密度はJ(0、T
all,eff 、0)=1.2×10-1 4 A/cm2 及びJ
(Tall,eff 、0、0)=5.8×10-10 A/cm2
である。従って、これらの値よりも、チタン酸化膜及び
シリコン窒化膜がトンネル電流密度J(T1 、T2 、T
3 )を低くする膜厚の割合の領域、つまり電流密度が
1.2×10-14 A/cm2 未満になる膜厚の割合の領
域、24.2≦T1 (=T3 )<34.2、1.76≧
2 >0(1.06≦T1,eff (=T3,eff )<1.
5、0.88≧T2,eff >0)の積層膜からなるMIS
構造を用いることにより、電流を低く抑えたデバイスを
作ることができる。
【0107】(第12の実施形態)図24は、第10の
実施形態のシリコン窒化膜をシリコン酸化膜に換えた場
合であり、チタン酸化膜、シリコン酸化膜、チタン酸化
膜の順に積層構造にしたときに流れるトンネル電流密度
J(T1 、T2 、T3 )を計算したものである。即ち、
換算膜厚Tall,eff が1.5nmで、絶縁層にかかる電
圧Vallが0.5Vの場合である。ここで、T1 及びT
3 はチタン酸化膜の実膜厚、T2 はシリコン酸化膜の実
膜厚、T1,eff 及びT3,eff はチタン酸化膜の換算膜
厚、T2,effはシリコン酸化膜の換算膜厚である。
【0108】本実施形態によれば、積層膜全体の換算膜
厚Tall,eff が1.5nmであり、電圧Vall が0.5
Vのとき、シリコン酸化膜の単層膜及びチタン酸化膜
の単層膜それぞれに流れるトンネル電流密度はJ(0、
all,eff 、0)=1.1A/cm2 及びJ(T
all,eff 、0、0)=4.2×10-10 A/cm2 であ
る。従って、これらの値よりも、チタン酸化膜及びシリ
コン酸化膜がトンネル電流密度J(T1 、T2 、T3
を低くする膜厚の割合の領域、つまり電流密度が4.2
×10-10 A/cm2 未満になる膜厚の割合の領域、
2.05≦T1 (=T3)<17.1、1.32≧T2
>0(0.09≦T1,eff (=T3,eff )<0.75、
1.32≧T2,eff >0)の積層膜からなるMIS構造
を用いることにより、電流を低く抑えたデバイスを作る
ことができる。
【0109】(第13の実施形態)図25は、第12の
実施形態において換算膜厚Tall,eff が3nm、絶縁層
にかかる電圧Vall が1.4Vの場合に、チタン酸化
膜、シリコン酸化膜、チタン酸化膜の順に積層構造にし
たときに流れるトンネル電流密度J(T1 、T2
3 )を計算したものである。ここで、T1 及びT3
チタン酸化膜の実膜厚、T 2 はシリコン酸化膜の実膜
厚、T1,eff 及びT3,eff はチタン酸化膜の換算膜厚、
2,eff はシリコン酸化膜の換算膜厚である。
【0110】本実施形態によれば、積層膜全体の換算膜
厚Tall,eff が3nmであり、電圧Vall が1.4Vの
とき、シリコン酸化膜の単層膜及びチタン酸化膜の単
層膜それぞれに流れるトンネル電流密度はJ(0、T
all,eff 、0)=1.7×10 -7A/cm2 及びJ(T
all,eff 、0、0)=5.8×10-10 A/cm2 であ
る。従って、これらの値よりも、チタン酸化膜及びシリ
コン酸化膜がトンネル電流密度J(T1 、T2 、T3
を低くする膜厚の割合の領域、つまり電流密度が5.8
×10-10 A/cm2 未満になる膜厚の割合の領域、
1.14≦T1 (=T3 )<17.1、2.9≧T2
0(0.05≦T1,eff (=T3,eff )<1.5、2.
9≧T2,eff >0)の積層膜からなるMIS構造を用い
ることにより、電流を低く抑えたデバイスを作ることが
できる。
【0111】(第1乃至第13の実施形態に共通の事
項)即ち、第1乃至第13の実施形態は、半導体基板又
は半導体層上に絶縁層を介して電極を形成した構造を有
する半導体装置において、前記絶縁層は、誘電率の異な
る複数の絶縁膜を積層してなり、酸化膜換算した前記絶
縁層の膜厚が一定の条件かつ有限温度の条件において、
前記絶縁層の膜厚と同じ膜厚である絶縁膜のいずれかの
単層だけのときよりもトンネル電流を低くする割合で、
前記絶縁層の積層絶縁膜の各膜厚が設定されてなること
を特徴とする。
【0112】また、第1乃至第13の実施形態は、半導
体基板又は半導体層上に絶縁層を介して電極を形成した
構造を有する半導体装置において、前記絶縁層は、熱励
起した電子によるトンネル電流を低くするバンドギャッ
プが4.5eV以上の絶縁膜と、ゲート電極のフェルミ
準位近傍からのトンネル電流を低くする誘電率30以上
の絶縁膜とを一つ以上ずつ積層にした構造からなり、酸
化膜換算した前記絶縁層の膜厚が一定の条件かつ有限温
度の条件において、前記絶縁層の膜厚と同じ膜厚である
絶縁膜のいずれかの単層だけのときよりもトンネル電流
を低くする割合で、前記絶縁層の積層絶縁膜の各膜厚が
設定されてなることを特徴とする。
【0113】換言すると、第1乃至第13の実施形態
は、半導体基板又は半導体層上に絶縁層を介して電極を
形成した構造を有する半導体装置の設計方法において、
前記絶縁層を、熱励起した電子によるトンネル電流を低
くするバンドギャップが4.5eV以上の絶縁膜と、フ
ェルミ準位近傍からのトンネル電流を低くする誘電率3
0以上の絶縁膜とを一つ以上ずつ積層にした構造に設計
し、かつ酸化膜換算した前記絶縁層の膜厚が一定の条件
かつ有限温度の条件において、前記絶縁層の膜厚と同じ
膜厚である絶縁膜のいずれかの単層だけのときよりもト
ンネル電流を低くする割合で、前記絶縁層の積層絶縁膜
の各膜厚を設定することを特徴とする。
【0114】ここで、第1乃至第13の実施形態の望ま
しい実施態様としては、次のものがあげられる。
【0115】(1) 熱励起した電子によるトンネル電流を
低くするバンドギャップが4.5eV以上の絶縁膜を第
1の絶縁膜とし、カソード電極のフェルミ準位近傍から
のトンネル電流を低くする誘電率30以上の絶縁膜を第
2の絶縁膜としたとき、第1の絶縁膜から第2の絶縁膜
の順に電子が流れる方向に、第2の絶縁膜のバリアハイ
トより低い電圧を絶縁層にかけて使用した場合に、酸化
膜換算した絶縁層の膜厚が一定の条件かつ有限温度の条
件において、絶縁層の膜厚と同じ膜厚である絶縁膜のい
ずれかの単層だけのときよりもトンネル電流を低くする
割合で、絶縁層の積層絶縁膜の各膜厚が設定されてなる
こと。
【0116】(2) 熱励起した電子によるトンネル電流を
低くするバンドギャップが4.5eV以上の絶縁膜を第
1の絶縁膜とし、カソード電極のフェルミ準位近傍から
のトンネル電流を低くする誘電率30以上の絶縁膜を第
2の絶縁膜としたとき、第2の絶縁膜から第1の絶縁膜
の順に電子が流れる方向に絶縁層に電圧をかけて使用し
た場合に、酸化膜換算した絶縁層の膜厚が一定の条件か
つ有限温度の条件において、絶縁層の膜厚と同じ膜厚で
ある絶縁膜のいずれかの単層だけのときよりもトンネル
電流を低くする割合で、絶縁層の積層絶縁膜の各膜厚が
設定されてなること。
【0117】(3) 熱励起した電子によるトンネル電流を
低くするバンドギャップが4.5eV以上の絶縁膜を第
1、第3の絶縁膜とし、カソード電極のフェルミ準位近
傍からのトンネル電流を低くする誘電率30以上の絶縁
膜を第2の絶縁膜としたとき、第1、第2、第3の絶縁
膜を積層にした絶縁層に電圧をかけて使用した場合に、
酸化膜換算した絶縁層の膜厚が一定の条件かつ有限温度
の条件において、絶縁層の膜厚と同じ膜厚である第1、
第2、第3の絶縁膜のいずれかの単層だけのときよりも
トンネル電流を低くする割合で、絶縁層の積層絶縁膜の
各膜厚が設定されてなること。
【0118】(4) 熱励起した電子によるトンネル電流を
低くするバンドギャップが4.5eV以上の絶縁膜を第
2の絶縁膜とし、カソード電極のフェルミ準位近傍から
のトンネル電流を低くする誘電率30以上の絶縁膜を第
1、第3の絶縁膜としたとき、第1、第2、第3の絶縁
膜を積層にした絶縁層に電圧をかけて使用した場合に、
酸化膜換算した絶縁層の膜厚が一定の条件かつ有限温度
の条件において、絶縁層の膜厚と同じ膜厚である第1、
第2、第3の絶縁膜のいずれかの単層だけのときよりも
トンネル電流を低くする割合で、絶縁層の積層絶縁膜の
各膜厚が設定されてなること。
【0119】上述の如く、第1乃至第13の実施形態
は、各構成膜だけから構成した等価の換算膜厚の絶縁膜
よりも、低トンネル電流を呈するようなMIS半導体装
置の積層絶縁膜を提供するものである。このため、表1
に示すように、積層絶縁膜におけるシリコン酸化膜(表
1中SiO)、シリコン窒化膜(表1中SiN)若しく
はシリコン酸窒化膜と、チタン酸化膜(表1中TiO)
との膜厚比の範囲が設定されることが望ましい。なお、
ここで、各構成膜は少なくとも1原子層は存在すること
を前提とし、シリコン酸化物(SiO2 )及びシリコン
窒化物(Si3 4 )の1原子層は0.25nm、チタ
ン酸化物(TiO2 )の1原子層は0.5nmとする。
【0120】表1において、「ATR」及び「ETR」
は夫々実膜厚比及び換算膜厚比を示し、またATR及び
ETRにおいて「()」内に示された数字はより望まし
い範囲を示す。また、表1において、いずれの膜が上下
(基板側或いは電極側)かは膜厚比に影響しない。ま
た、シリコン酸窒化膜(SiON)は表1に示されてい
ないが、これはシリコン酸化物とシリコン窒化物と混合
材料からなるため、その膜厚比の範囲はシリコン酸化物
とシリコン窒化物とを合わせた最も広い範囲となる。
【0121】
【表1】
【0122】なお、上述した各実施形態では、シリコン
窒化膜或いはシリコン酸化膜とチタン酸化膜とを積層に
した絶縁層からなるMIS構造について示したが、積層
にする一方の絶縁膜のバンドギャップが4.5以上(例
えば、シリコン酸化膜(SiO2 )、シリコン酸窒化膜
(SiON)、シリコン窒化膜(Si3 4 ))であ
り、もう一方の絶縁膜の誘電率が30以上(例えば、T
iO2 膜、BST((Ba、Sr)TiO3 )膜、Sr
TiO3 膜、PZT((Pb(Zr、Ti)O3)膜、
PLZT((PB、La)(Zr、Ti)O3 ))膜、
Ta2 5 膜)であればよい。また、三層膜において一
層と二層或いは二層と三層の順が入れ替わった構造でも
よく、四層以上の多層膜でも構わない。
【0123】また、上記実施形態において、ゲート電極
n+ ポリシリコン、基板がp型シリコン層表面のMIS
構造の例を記載したが、積層膜全体にかかる電圧及び積
層膜に電流が流れる方向を同じにし、且つ各積層膜に対
するゲート電極のバリアハイトを考慮すれば、異なるゲ
ート電極及び基板の不純物の型及び材料でも同様な効果
が得られる。
【0124】(第14の実施形態)図26は、本発明の
第14の実施形態に係わるnチャネルMISトランジス
タの素子構造を示す断面図である。
【0125】本実施形態において、p型シリコン基板1
上に素子分離のためのシリコン熱酸化膜12が形成され
ている。シリコン基板1の表面には、リンのイオン注入
によってn型のソース及びドレイン拡散層10及び11
が形成されている。シリコン基板1の表面には、第1乃
至第13の実施形態で説明した絶縁層7が形成されてい
る。ゲート電極となる多結晶シリコン膜8上にはCVD
シリコン酸化膜9が形成されている。さらに、ゲート電
極の側壁にはシリコン窒化膜13が形成されている。ま
た、全面にCVDシリコン酸化膜15を堆積後に、コン
タクト孔が開口され、配線となるアルミ電極16がスパ
ッタにより形成されパターニングされている。
【0126】以上が、本発明の絶縁層を適用した一実施
形態を示すnチャンネルトランジスタの構造断面図であ
る。また、第1乃至第13の実施形態で説明した絶縁層
は不揮発性メモリ素子のゲート電極間絶縁膜、或いは容
量素子のキャパシタ絶縁膜にも適用できる。また、第6
乃至第13の実施形態で説明した3つの絶縁膜を有する
絶縁層は不揮発性メモリ素子のトンネル絶縁膜にも適用
できる。
【0127】[不揮発性半導体記憶装置]本発明者ら
は、不揮発性半導体記憶装置に関連し、低誘電率(大き
いバンドキャップ)の膜と高誘電率(小さいバンドギャ
ップ)の膜とを積層にした構造に対して鋭意研究及び各
種実験を行った。そして、低誘電率の絶縁膜と高誘電率
の絶縁膜を積層した構造において、積層膜全体を換算膜
厚一定にした状態で、複数の絶縁膜の各膜厚の割合
(比)に対するトンネル電流密度を調べた。その結果、
ある特定の材料選択における各々の膜厚比のある割合
で、絶縁層にかかる電圧が低いときには各絶縁膜単層よ
りもトンネル電流が低く抑えられ、その電圧からわずか
に電圧を増やすと各絶縁膜単層よりもトンネル電流を高
くできることがわかった。この特徴を不揮発性半導体記
憶装置、フラッシュメモリに適用すれば、換算膜厚6n
m以下の膜厚で10年以上の長期間のデー夕保持と低電
圧でテータ消去及び書き込み可能な半導体装置を製作で
きる。
【0128】(第15の実施形態)図31は、本発明の
第15の実施形態に係わる半導体装置を説明するための
もので、三つの絶縁膜が積層になっているMIS構造の
断面図である。不揮発性半導体記憶装置はこの構造を含
み構成される。
【0129】p型シリコン基板51の表面上に、シリコ
ン酸化膜52、54とチタン酸化膜53からなる絶縁層
が形成され、その上にゲート電極55が形成されてい
る。このMIS構造を形成するためには、まずp型シリ
コン基板51の表面にシリコン酸化膜52を形成する。
次いで、チタン酸化膜53を形成する。さらに、シリコ
ン酸化膜54を形成する。最後に、リンを2×1020
-3拡散させたn+ ポリシリコンゲート電極55を形成
する。このゲート電極は不揮発性半導体記憶装置におい
てフローティングゲート電極になる。
【0130】なお、ポリシリコンゲート電極55は他の
材料でもよく、シリコン単結晶、アルミニウム(A
l)、プラチナ(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、チ
タン(Ti)、タングステン(W)、チタンナイトライ
ド(TiN)、ジルコニウムナイトライド(ZrN)、
チタンシリサイド(TiSi)、タングステンシリサイ
ド(WSi)、モリブデンシリサイド(MoSi)、タ
ンタルシリサイド(TaSi)のいずれでも構わない。
また、シリコン酸化膜の形成方法は、熱酸化による方
法、CVDによる方法、ラジカルの酸素を使う方法など
何でも良く特定されない。チタン酸化膜の形成方法は、
CVDにより堆積し形成する方法、スパッタにより形成
する方法のいずれでも良く特定されない。ただし、各ゲ
ート電極材料ごとに仕事関数の値が変わるので、以下で
述べるバリアハイトの値は使用するゲート電極ごとに変
更して考える必要がある。
【0131】図32は図31のMIS構造のフラットバ
ンド電圧におけるエネルギーバンド図である。図の左か
らn+ ポリシリコンゲート電極55のフェルミ準位
F 、伝導体EC 、価電子帯EV 、次はシリコン酸化膜
54の伝導体及び価電子帯、次はチタン酸化膜53の伝
導体及び価電子帯、次はシリコン酸化膜52の伝導体及
び価電子帯、最後はp型シリコン基板51のフェルミ準
位EF 、伝導体EC 、価電子帯EV である。フラットバ
ンド電圧VFBが積層にした絶縁膜52、53、54にか
かっており、そのときn+ ポリシリコンゲート電極55
のフェルミ準位EFとp型シリコン基板51の伝導体E
C が一致する。また、チタン酸化膜53の実膜厚を
2 、シリコン酸化膜52、54の実膜厚をT1
3 、バリアハイトφ B2をn+ ポリシリコンゲート電極
55のフェルミ準位EF とチタン酸化膜53の伝導体E
C の差、バリアハイトφB1(=φB3)をn+ ポリシリコ
ンゲート電極55のフェルミ準位EF とシリコン酸化膜
52の伝導体EC の差とする。
【0132】図33は図31のMIS構造のn+ ポリシ
リコンゲート電極55に負の電圧をかけ、絶縁膜52、
53,54からなる絶縁層全体に電圧Vall がかかった
ときのエネルギーバンド図である。このとき、シリコン
酸化膜52にはV1 、チタン酸化膜53にはV2 、シリ
コン酸化膜54にはV3 の電圧がかかる。そして、n+
ポリシリコンゲート電極55から電子がトンネリングし
電流が流れる。
【0133】このMIS構造を流れるトンネル電流J
(T1 、T2 、T3 )は、前記の式(数2)により表現
できる。
【0134】図34は図31のシリコン酸化膜52、チ
タン酸化膜53、シリコン酸化膜54の積層構造を流れ
る電流密度J(T1 、T2 、T3 )を計算したものであ
る。積層膜52、53、54全体の換算膜厚Tall,eff
を3.5nmに固定した場合に、チタン酸化膜53とシ
リコン酸化膜52、54の膜厚の割合を変えている。こ
こで、チタン酸化膜53の誘電率ε2 とシリコン酸化膜
52(54)の誘電率ε1 (=ε3 )はそれぞれ89、
3.9、バリアハイトφB2、φB1(=φB3)はそれぞれ
1.0、3.2eVであり、温度は300Kである。ま
た、真空中における電子の質量がmのとき膜中をトンネ
リングしている電子の有効質量は0.46mとしてい
る。
【0135】この図は絶縁層に電圧3Vと1Vをかけた
場合に流れるトンネル電流密度J(T1 、T2 、T3
と、シリコン酸化膜52、チタン酸化膜53、シリコン
酸化膜54との合計の換算膜厚Tall,eff が3.5nm
のときに占めるシリコン酸化膜52(54)の換算膜厚
1,eff との関係を表している。ただし、シリコン酸化
膜52、54は同じ膜厚にした。
【0136】つまり、横軸が0nmのときはシリコン酸
化膜52(54)は無く、チタン酸化膜は換算膜厚T
2,eff が3.5nm(実膜厚T2 が約79.9nm)の
ときを表し、横軸が1.75nmのときはシリコン酸化
膜52(54)は換算膜厚T1, eff (=T3,eff )が
1.75nm(実膜厚T1 (=T3 )も1.75n
m)、つまりシリコン酸化膜の膜厚が3.5nmであ
り、チタン酸化膜52は無いことを表している。そし
て、横軸が0nmと1.75nmの間のときは、シリコ
ン酸化膜52、チタン酸化膜53、シリコン酸化膜54
の換算膜厚の合計 Tall,eff が3.5nmのときに占め
るシリコン酸化膜52(54)の換算膜厚T1,eff(=
3,eff )を表している。
【0137】絶縁層に1Vかかっているとき、チタン酸
化膜53単層の場合(T2,eff =3.5nm)からシリ
コン酸化膜52(54)が占める割合が増えていくと電
流値が低くなっていき、T1,eff (=T3,eff )が1.
66nmで電流値は7.34×10-17 A/cm2 と最
も抑えられ、そこから電流値は増加に転じる。
【0138】また、絶縁層に3Vかかっているとき、チ
タン酸化膜53単層の場合(T2,ef f =3.5nm)か
らシリコン酸化膜52(54)が占める割合が増えてい
くと電流値が高くなっていき、T1,eff ( =
3,eff )が1.15nmで電流値は6.35×10-2
A/cm2 と最も高くなり、そこから電流値は減少に転
じる。
【0139】トンネル絶縁膜の換算膜厚が3.5nmの
場合において、電荷保持しているときの電圧が1Vでリ
ーク電流が10-15 A/cm2 以下であり、電荷を注入
或いは放出する電圧が3Vでリーク電流が10-4A/c
2 以上が必要だとする。そのとき図34より、チタン
酸化膜53の膜厚が0.34<T2,eff <0.64
(7.76<T2 <14.60)、シリコン酸化膜52
(54)の膜厚が1.43<T1,eff (=T1 )<1.
58であれば、その条件を満たすことになる。
【0140】図35はチタン酸化膜とシリコン酸化膜の
各単層膜、及びその積層構造を流れる電流と電圧の関係
を示す。
【0141】破線は、シリコン酸化膜単層及びチタン酸
化膜単層の場合である。1Vで電流値が10-15 A/c
2 よりも高くなり、さらに3Vにおいて電流値が10
-4A/cm2 よりも低くなっている。従って、各単層膜
が換算膜厚3.5nmの場合にはフラッシュメモリが要
求するスペックを満足することができない。
【0142】実線は、チタン酸化膜とシリコン酸化膜の
積層の場合である。チタン酸化膜53の膜厚T2,eff
0.5nm(T2 は11.4nm)、シリコン酸化膜T
1,ef f は1.5nm(T1 も1.5nm)である。電荷
を保持しているときにトンネル絶縁層にかかる電圧1V
において電流は10-15 A/cm2 以下に抑えられ、電
荷を注入あるいは放出するために必要な電流10-4A/
cm2 以上が3Vという低電圧において実現できる(図
35中の符号A、B参照)。
【0143】このようにして、上述の膜厚の割合のチタ
ン酸化膜53とシリコン酸化膜52、54の積層構造に
よってトンネル絶縁層を形成すれば、換算膜厚にして
3.5nmの薄膜からなるフラッシュメモリが作製でき
る。
【0144】(第16の実施形態)図36は図31の積
層膜52、53、54全体の換算膜厚Tall,eff を3n
mとした場合の、積層構造に流れる電流密度J(T1
2 、T3 )を計算したものである。積層膜52、5
3、54全体の換算膜厚Tall,eff を3nmに固定した
場合に、チタン酸化膜53とシリコン酸化膜52、54
の膜厚の割合を変えている。
【0145】この図は絶縁層に電圧2.5Vと0.75
Vをかけた場合に流れるトンネル電流密度J(T1 、T
2 、T3 )と、シリコン酸化膜52、チタン酸化膜5
3、シリコン酸化膜54との合計の換算膜厚Tall,eff
が3nmのときに占めるシリコン酸化膜52(54)の
換算膜厚T1,eff との関係を表している。ただし、シリ
コン酸化膜52と54は同じ膜厚にした。
【0146】つまり、横軸が0nmのときはシリコン酸
化膜52(54)は無く、チタン酸化膜は換算膜厚T
2,eff が3nm(実膜厚T2 が約68.5nm)のとき
を表し、横軸が1.5nmのときはシリコン酸化膜52
(54)は換算膜厚T1,eff (=T3,eff )が1.5n
m(実膜厚T1 (=T3 )も1.5nm)、つまりシリ
コン酸化膜の膜厚が3nmであり、チタン酸化膜52は
無いことを表している。そして、横軸が0nmと1.5
nmの間のときは、シリコン酸化膜52、チタン酸化膜
53、シリコン酸化膜54の換算膜厚の合計Tall,eff
が3nmのときに占めるシリコン酸化膜52(54)の
換算膜厚T1,eff(=T3,eff )を表している。
【0147】絶縁層に0.75Vかかっているとき、チ
タン酸化膜53単層の場合(T2,ef f =3nm)からシ
リコン酸化膜52(54)が占める割合が増えていくと
電流値が低くなっていき、T1,eff (=T3,eff )が
1.40nmで電流値は1.08×10-16 A/cm2
と最も抑えられ、そこから電流値は増加に転じる。
【0148】また、絶縁層に2.5Vかかっていると
き、チタン酸化膜53単層の場合(T 2,eff =3nm)
からシリコン酸化膜52(54)が占める割合が増えて
いくと電流値が高くなっていき、T1,eff (=
3,eff )が1.16nmで電流値は3.84×10-2
A/cm2 と最も高くなり、そこから電流値は減少に転
じる。
【0149】トンネル絶縁膜の換算膜厚が3nmの場合
において、電荷保持しているときの電圧が0.75Vで
リーク電流が10-15 A/cm2 以下であり、電荷を注
入或いは放出する電圧が2.5Vでリーク電流が10-4
A/cm2 以上が必要だとする。そのとき図36より、
チタン酸化膜53の膜厚が0.16<T2,eff <0.
56(3.65<T2 <12.8)、シリコン酸化膜5
2(54)の膜厚が1.22<T1,eff (=T1 )<
1.42であれば、その条件を満たすことになる。
【0150】図37はチタン酸化膜とシリコン酸化膜の
各単層膜、その積層構造を流れる電流と電圧の関係であ
る。
【0151】破線は、シリコン酸化膜単層及びチタン酸
化膜単層の場合である。0.75Vで電流値が10-15
A/cm2 よりも高くなり、さらに2.5Vにおいて電
流値が10-4A/cm2 よりも低くなっている。従っ
て、各単層膜が換算膜厚3nmの場合にはフラッシュメ
モリが要求するスペックを満足することができない。
【0152】実線は、チタン酸化膜とシリコン酸化膜の
積層の場合である。チタン酸化膜53の膜厚T2,eff
0.2nm(T2 は4.56nm)、シリコン酸化膜T
1,ef f は1.4nm(T1 も1.4nm)である。電荷
を保持しているときにトンネル絶縁層にかかる電圧0.
75Vにおいて電流は10-15 A/cm2 以下に抑えら
れ、電荷を注入あるいは放出するために必要な電流10
-4A/cm2 以上が2.5Vという低電圧において実現
できる(図37中の符号A、B参照)。
【0153】このようにして、上述の膜厚の割合のチタ
ン酸化膜53とシリコン酸化膜52、54の積層構造に
よってトンネル絶縁層を形成すれば、換算膜厚にして3
nmの薄膜からなるフラッシュメモリが作製できる。
【0154】(第17実施形態)図38は図31の積層
膜52、53、54全体の換算膜厚Tall,eff を2.5
nmとした場合の、積層構造に流れる電流密度J
(T1 、T2 、T3 )を計算したものである。積層膜5
2、53、54全体の換算膜厚Tall,eff を2.5nm
に固定した場合に、チタン酸化膜53とシリコン酸化膜
52、54の膜厚の割合を変えている。
【0155】この図は絶縁層に電圧2Vと0.5Vをか
けた場合に流れるトンネル電流密度J(T1 、T2 、T
3 )と、シリコン酸化膜52、チタン酸化膜53、シリ
コン酸化膜54との合計の換算膜厚Tall,eff が2.5
nmのときに占めるシリコン酸化膜52(54)の換算
膜厚T1,eff との関係を表している。ただし、シリコン
酸化膜52と54は同じ膜厚にした。
【0156】つまり、横軸が0nmのときはシリコン酸
化膜52(54)は無く、チタン酸化膜は換算膜厚T
2,eff が2.5nm(実膜厚T2 が約57.0nm)の
ときを表し、横軸が1.25nmのときはシリコン酸化
膜52(54)は換算膜厚T1, eff (=T3,eff )が
1.25nm(実膜厚T1 (=T3 )も1.25n
m)、つまりシリコン酸化膜の膜厚が2.5nmであ
り、チタン酸化膜52は無いことを表している。そし
て、横軸が0nmと1.25nmの間のときは、シリコ
ン酸化膜52、チタン酸化膜53、シリコン酸化膜54
の換算膜厚の合計Tall,effが2.5nmのときに占め
るシリコン酸化膜52(54)の換算膜厚T1,eff (=
3,eff )を表している。
【0157】絶縁層に0.5Vかかっているとき、チタ
ン酸化膜53単層の場合(T2,eff=2.5nm)から
シリコン酸化膜52(54)が占める割合が増えていく
と電流値が低くなっていき、T1,eff (=T3,eff )が
1.14nmで電流値は1.70×10-16 A/cm2
と最も抑えられ、そこから電流値は増加に転じる。
【0158】また、絶縁層に2.0Vかかっていると
き、チタン酸化膜53単層の場合(T 2,eff =2.5n
m)からシリコン酸化膜52(54)が占める割合が増
えていくと電流値が高くなっていき、T1,eff (=T
3,eff )が1.25nmで電流値は7.81×10-2
/cm2 と最も高くなり、そこから電流値は減少に転じ
る。
【0159】トンネル絶縁膜の換算膜厚が2.5nmの
場合において、電荷保持しているときの電圧が0.5V
でリーク電流が10-15 A/cm2 以下であり、電荷を
注入或いは放出する電圧が2Vでリーク電流が10-4
/cm2 以上が必要だとする。そのとき図38より、チ
タン酸化膜53の膜厚が0.18<T2,eff <0.38
(4.11<T2 <8.67)、シリコン酸化膜52
(54)の膜厚が1.06<T1,eff (=T1 )<1.
16であれば、その条件を満たすことになる。
【0160】図39はチタン酸化膜とシリコン酸化膜の
各単層膜、その積層構造を流れる電流と電圧の関係であ
る。
【0161】破線は、シリコン酸化膜単層及びチタン酸
化膜単層の場合である。0.5Vで電流値が10-15
/cm2 よりも高くなり、さらに2Vにおいて電流値が
10 -4A/cm2 よりも低くなっている。従って、各単
層膜が換算膜厚2.5nmの場合にはフラッシュメモリ
が要求するスペックを満足することができない。
【0162】実線は、チタン酸化膜とシリコン酸化膜の
積層の場合である。チタン酸化膜53の膜厚T2,eff
0.22nm(T2 は5.02nm)、シリコン酸化膜
1, eff は1.14nm(T1 も1.14nm)であ
る。電荷を保持しているときにトンネル絶縁層にかかる
電圧0.5Vにおいて電流は10-15 A/cm2 以下に
抑えられ、電荷を注入あるいは放出するために必要な電
流10-4A/cm2 以上が2Vという低電圧において実
現できる(図39中の符号A、B参照)。
【0163】このようにして、上述の膜厚の割合のチタ
ン酸化膜53とシリコン酸化膜52、54の積層構造に
よってトンネル絶縁層を形成すれば、換算膜厚にして
2.5nmの薄膜からなるフラッシュメモリが作製でき
る。
【0164】(第18実施形態)図40は図31の積層
膜52、53、54全体の換算膜厚Tall,eff を5.5
nmとした場合の、積層構造に流れる電流密度J
(T1 、T2 、T3 )を計算したものである。積層膜5
2、53、54全体の換算膜厚Tall,eff を5.5nm
に固定した場合に、チタン酸化膜53とシリコン酸化膜
52、54の膜厚の割合を変えている。この図は絶縁層
に電圧5Vと2Vをかけた場合に流れるトンネル電流密
度J(T1 、T2 、T3 )と、シリコン酸化膜52、チ
タン酸化膜53、シリコン酸化膜54との合計の換算膜
厚Tall,eff が5.5nmのときに占めるシリコン酸化
膜52(54)の換算膜厚T1,eff との関係を表してい
る。ただし、シリコン酸化膜52と4は同じ膜厚にし
た。
【0165】つまり、横軸が0nmのときはシリコン酸
化膜52(54)は無く、チタン酸化膜は換算膜厚T
2,eff が5.5nm(実膜厚T2 が約125.6nm)
のときを表し、横軸が2.75nmのときはシリコン酸
化膜52(54)は換算膜厚T 1,eff (=T3,eff )が
2.75nm(実膜厚T1 (=T3 )も2.75n
m)、つまりシリコン酸化膜の膜厚が5.5nmであ
り、チタン酸化膜52は無いことを表している。そし
て、横軸が0nmと2.75nmの間のときは、シリコ
ン酸化膜52、チタン酸化膜53、シリコン酸化膜54
の換算膜厚の合計Tall,ef f が5.5nmのときに占め
るシリコン酸化膜52(54)の換算膜厚T1,eff(=
3,eff )を表している。
【0166】絶縁層に2Vかかっているとき、チタン酸
化膜53単層の場合(T2,eff =5.5nm)からシリ
コン酸化膜52(54)が占める割合が増えていくと電
流値が低くなっていき、T1,eff (=T3,eff )が2.
72nmで電流値は1.56×10-7A/cm2 と最も
抑えられ、そこから電流値は増加に転じる。
【0167】また、絶縁層に5Vかかっているとき、チ
タン酸化膜53単層の場合(T2,ef f =5.5nm)か
らシリコン酸化膜52(54)が占める割合が増えてい
くと電流値が高くなっていき、T1,eff (=T3,eff
が1.18nmで電流値は148A/cm2 と最も高く
なり、そこから電流値は減少に転じる。
【0168】トンネル絶縁膜の換算膜厚が5.5nmの
場合において、電荷保持しているときの電圧が2Vでリ
ーク電流が10-15 A/cm2 以下であり、電荷を注入
或いは放出する電圧が5Vでリーク電流が10-4A/c
2 以上が必要だとする。そのとき図40より、チタン
酸化膜53の膜厚が0.34<T2,eff <0.86
(7.76<T2 <19.6)、シリコン酸化膜52
(54)の膜厚が2.32<T1,eff (=T1 )<2.
58であれば、その条件を満たすことになる。
【0169】図41はチタン酸化膜とシリコン酸化膜の
各単層膜、その積層構造を流れる電流と電圧の関係であ
る。
【0170】破線は、シリコン酸化膜単層及びチタン酸
化膜単層の場合である。チタン酸化膜単層の場合、2V
で電流値が10-15 A/cm2 よりも高くなり、両場合
とも5Vにおいて電流値が10-4A/cm2 よりも低く
なっている。従って、各単層膜が換算膜厚5.5nmの
場合にはフラッシュメモリが要求するスペックを満足す
ることができない。
【0171】実線は、チタン酸化膜とシリコン酸化膜の
積層の場合である。チタン酸化膜53の膜厚T2,eff
0.7nm(T2 は16.0nm)、シリコン酸化膜T
1,ef f は2.4nm(T1 も2.4nm)である。電荷
を保持しているときにトンネル絶縁層にかかる電圧2V
において電流は10-15 A/cm2 以下に抑えられ、電
荷を注入あるいは放出するために必要な電流10-4A/
cm2 以上が5Vという低電圧において実現できる(図
41中の符号A、B参照)。
【0172】このようにして、上述の膜厚の割合のチタ
ン酸化膜53とシリコン酸化膜52、54の積層構造に
よってトンネル絶縁層を形成すれば、換算膜厚にして
5.5nmの薄膜からなるフラッシュメモリが作製でき
る。
【0173】(第19の実施形態)図42は、本発明の
第19の実施形態に係わる半導体装置を説明するための
もので、二つの絶縁膜が積層になったものを並列に含ん
だ絶縁膜構造からなるMIS構造の断面図である。不揮
発性半導体記憶装置はこの構造を含み構成される。
【0174】p型シリコン基板51の表面上に、面積S
1 の領域にシリコン酸化膜62a、チタン酸化膜63a
の順に積層した構造(SiO2 /TiO2 )と、面積S
2 の領域にチタン酸化膜63b、シリコン酸化膜62b
の順に積層した構造(TiO 2 /SiO2 )が並列に形
成し、その上にリンを2×1020cm-3拡散させたn+
ポリシリコンゲート電極55を形成する。
【0175】この積層構造を流れるトンネル電流Jは次
式のように表現できる。
【0176】 J=[S1 J(T1 、T2 )+S2 J(T2 、T1 )]/(S1 +S2 ) …(数5) ここでJ(Ti 、Tj )とは、絶縁膜i、jの順に電子
が流れる方向のトンネル電流を表し、T1 、T2 はそれ
ぞれ、SiO2 、TiO2 の実膜厚を表すものとする。
J(Ti 、Tj )は、前記の式(数1)により表現でき
る。
【0177】J(T1 、T2 )とJ(T2 、T1 )は、
誘電率の低い膜に高い電場がかかるという性質から、膜
厚の比によらず[J(T1 、T2 )の絶対値]>[J
(T2、T1 )の絶対値]の関係を満たす傾向にある。
このことから、二つの絶縁膜が積層になったものを並列
に含んだこの構造では、電圧が正負それぞれの場合につ
いて常にSiO2 、TiO2 の順に電子が流れる方向の
電流J(T1 、T2 )が支配的になる。
【0178】図43はシリコン酸化膜62a(62
b)、チタン酸化膜63a(63b)の積層構造を流れ
る電流密度J(T1 、T2 )を計算したものである。積
層膜62a、63a(62b、63b)全体の換算膜厚
all,eff を3.5nmに固定した場合に、チタン酸化
膜63a(63b)とシリコン酸化膜62a(62b)
の膜厚の割合を変えている。ここで、チタン酸化膜63
a(63b)の誘電率ε2とシリコン酸化膜62a(6
2b)の誘電率ε1 はそれぞれ89、3.9、バリアハ
イトφB2、φB1はそれぞれ1.0、3.2eVであり、
温度は300Kである。また、真空中における電子の質
量がmのとき膜中をトンネリングしている電子の有効質
量は0.46m、シリコン酸化膜62aと62b、及
び、チタン酸化膜63aと63bはそれぞれ同じ膜厚、
絶縁層の各領域の面積S1 とS2 は同じ大きさとしてい
る。
【0179】この図は絶縁層に電圧3Vと0.5Vをか
けた場合に流れるトンネル電流密度J(T1 、T2
と、シリコン酸化膜62a(62b)、チタン酸化膜6
3a(63b)との合計の換算膜厚Tall,eff が3.5
nmのときに占めるシリコン酸化膜62a(62b)の
換算膜厚T1,eff との関係を表している。
【0180】つまり、横軸が0nmのときはシリコン酸
化膜62a(62b)は無く、チタン酸化膜63a(6
3b)は換算膜厚T2,eff が3.5nm(実膜厚T2
約79.9nm)のときを表し、横軸が3.5nmのと
きはシリコン酸化膜62a(62b)は換算膜厚T
1,eff が3.5nm(実膜厚T1 も3.5nm)であ
り、チタン酸化膜63a(63b)は無いことを表して
いる。そして、横軸が0nmと3.5nmの間のとき
は、シリコン酸化膜62a(62b)、チタン酸化膜6
3a(63b)の換算膜厚の合計Tall,eff が3.5n
mのときに占めるシリコン酸化膜62a(62b)の換
算膜厚Tall,eff を表している。
【0181】絶縁層に0.5Vかかっているとき、チタ
ン酸化膜63a(63b)単層の場合(T2,eff =3.
5nm)からシリコン酸化膜62a(62b)が占める
割合が増えていくと電流値が低くなっていき、T1,eff
が3.31nmで電流値は7.39×10-18 A/cm
2 と最も抑えられ、そこから電流値は増加に転じる。
【0182】また、絶縁層に3Vかかっているとき、チ
タン酸化膜63a(63b)単層の場合(T2,eff
3.5nm)からシリコン酸化膜62a(62b)が占
める割合が増えていくと電流値が高くなっていき、T
1,eff が1.24nmで電流値は6.54×10A/c
2 と最も高くなり、そこから電流値は減少に転じる。
【0183】トンネル絶縁膜の換算膜厚が3.5nmの
場合において、電荷保持しているときの電圧が0.5V
でリーク電流が10-15 A/cm2 以下であり、電荷を
注入或いは放出する電圧が3Vでリーク電流が10-4
/cm2 以上が必要だとする。そのとき図43より、チ
タン酸化膜63a(63b)の膜厚0.63<T2,ef f
<1.05(14.4<T2 <24.0)、シリコン酸
化膜62a(62b)の膜厚が2.45<T1,eff (=
1 )<2.87であれば、その条件を満たすことにな
る。
【0184】図44はチタン酸化膜とシリコン酸化膜の
各単層膜、その積層構造を流れる電流と電圧の関係を示
す。
【0185】破線は、それぞれ、シリコン酸化膜単層、
チタン酸化膜単層の場合である。各単層の場合は、0.
5Vで電流値が10-15 A/cm2 よりも高くなり、さ
らに3Vにおいて電流値が10-4A/cm2 よりも低く
なっている。従って、各単層膜が換算膜厚3.5nmの
場合にはフラッシュメモリが要求するスペックを満たせ
ない。
【0186】実線は、シリコン酸化膜、チタン酸化膜の
順に電子が流れる場合(SiO2 /TiO2 )である。
チタン酸化膜63a(63b)の膜厚T2,eff は0.9
nm(T2 は20.5nm)、シリコン酸化膜62a
(62b)の膜厚T1,eff は1.5nm(T1 は1.5
nm)である。電荷を保持しているときにトンネル絶縁
層にかかる電圧0.5Vにおいて電流は10-15 A/c
2 以下に抑えられ、電荷を注入あるいは放出するため
に必要な電流10-4A/cm2 以上が3Vという低電圧
において実現できる。
【0187】このようにして、上述の膜厚の割合のチタ
ン酸化膜63a(63b)とシリコン酸化膜62a(6
2b)の積層構造によって図42のトンネル絶縁層を形
成すれば、換算膜厚にして3.5nmの薄膜からなるフ
ラッシュメモリが作製できる。
【0188】(第15乃至第19の実施形態に共通の事
項)上述の如く、第15乃至第19の実施形態は、リー
ク電流が極めて低く且つ低電圧でテータ消去及び書き込
みが可能となるような不揮発性半導体記憶装置の積層絶
縁膜を提供するものである。このため、表2に示すよう
に、積層絶縁膜におけるシリコン酸化膜(表2中Si
O)とチタン酸化膜(表2中TiO)との膜厚比の範囲
が設定されることが望ましい。なお、ここで、各構成膜
は少なくとも1原子層は存在することを前提とし、シリ
コン酸化物(SiO2 )の1原子層は0.25nm、チ
タン酸化物(TiO2 )の1原子層は0.5nmとす
る。表2において、「ATR」及び「ETR」は夫々実
膜厚比及び換算膜厚比を示す。
【0189】
【表2】
【0190】第15乃至第19の実施形態において、シ
リコン酸化膜とチタン酸化膜とを積層にした絶縁層から
なるMIS構造について示したが、積層にする一つの絶
縁膜のバンドギャップが4.5以上(例えば、シリコン
酸化膜(SiO2 )、シリコン酸窒化膜(SiON)、
シリコン窒化膜(Si3 4 )であり、もう一つの絶縁
膜の誘電率が30以上(例えば、TiO2 膜、BST
((Ba、Sr)TiO 3 )膜、SrTiO3 膜、PZ
T((Pb(Zr、Ti)O3 )膜、PLZT((P
B、La)(Zr、Ti)O3 ))膜、Ta2 5 膜)
であればよい。また、上記実施形態において、ゲート電
極n+ ポリシリコン、基板がp型シリコン層表面のMI
S構造の例を記載したが、積層膜全体にかかる電圧及び
積層膜に電流が流れる方向を同じにし、且つ各積層膜に
対するゲート電極のバリアハイトを考慮すれば、異なる
ゲート電極及び基板の不純物の型及び材料でも同様な効
果が得られる。
【0191】第15乃至第17の実施形態の三層膜にお
いて一層と二層或いは二層と三層の順が入れ替わった構
造でもよく、四層以上の多層膜でも構わない。また、一
層と三層の膜厚は同一の必要はなく、その膜厚を変えて
片側からの電流を流れやすくし、もう片側からの電流を
抑えることも可能である。
【0192】第19の実施形態の二つの積層膜を並列に
含む構造において、二つ以上の積層膜を含んでも構わな
く、積層膜が占める領域の面積は同じ必要はない。ま
た、二つ以上含まれる各積層膜はそれぞれ異なる構造で
構わない。
【0193】(第20の実施形態)図45は第20の実
施形態に係わる不揮発性半導体記憶装置のフローティン
グゲート型nチャンネルトランジスタの素子構造を示す
断面図である。
【0194】本実施形態において、p型シリコン基板7
1上に素子分離のためのシリコン熱酸化膜83が形成さ
れている。シリコン基板表面には、リン或いはヒ素のイ
オン注入によってn型のソース/ドレイン拡散層80が
形成されている。シリコン基板表面には第15乃至第1
9の実施形態で説明した絶縁層76が形成されている。
絶縁層76上にフローティングゲート電極77が形成さ
れ、更にその上にはゲート電極間絶縁膜78を介してコ
ントロールゲート電極79が形成されている。これらの
構造は、層間絶縁膜81、82により被覆され、ここ
に、コンタクト孔開口後、配線となるアルミ電極84が
スパッタにより形成されパターニングされている。
【0195】以上が、本発明の絶縁層を適用した一実施
形態を示すフローティングゲート型nチャンネルトラン
ジスタの構造である。なお、第15乃至第19の実施形
態の絶縁層は不揮発性半導体記憶装置のゲート電極間絶
縁膜にも適用できる。
【0196】本発明は、上記の実施例にのみ限定される
ものではなく、その主旨を逸脱しない範疇において種々
変形して実施することができる。
【0197】
【発明の効果】本発明に係るMIS構造の半導体装置に
よれば、誘電率の高い絶縁膜と誘電率の低い絶縁膜を積
層した絶縁層を用い、この絶縁層の有限温度における熱
励起電流とフェルミ準位近傍からの電流の両方を抑える
ことができ、リーク電流の低減をはかることができる。
【0198】本発明に係る不揮発性半導体記憶装置によ
れば、トンネル絶縁膜が換算膜厚で6nmよりも薄膜で
ありながら、リーク電流が極めて低く抑えられるのでデ
ータ保持特性に要求されているスペックを満たし、しか
も従来よりも低電圧でテータ消去及び書き込みが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態を説明するためのもので、n+
ポリシリコン/チタン酸化膜/シリコン窒化膜/p型シ
リコン基板からなるMIS構造の断面図。
【図2】図1のMIS構造のフラットバンドにおけるエ
ネルギーバンド図。
【図3】図1のMIS構造のゲートに負の電圧をかけた
ときのエネルギーバンド図。
【図4】図1のMIS構造における積層絶縁膜の膜厚比
とトンネル電流との関係(電圧0.5V、換算膜厚1.
5nm)を示す図。
【図5】第2の実施形態を説明するためのもので、図1
のMIS構造の積層絶縁膜の膜厚比とトンネル電流との
関係(電圧1.4V、換算膜厚3nm)を示す図。
【図6】第3の実施形態を説明するためのもので、図1
のMIS構造の積層絶縁膜の膜厚比とトンネル電流との
関係(電圧0.5V、換算膜厚1.5nm)を示す図。
【図7】第4の実施形態を説明するためのもので、図1
のMIS構造の積層絶縁膜の膜厚比とトンネル電流との
関係(電圧1.4V、換算膜厚3nm)を示す図。
【図8】第5の実施形態を説明するためのもので、n+
ポリシリコン/シリコン窒化膜/チタン酸化膜/p型シ
リコン基板からなるMIS構造の断面図。
【図9】図8のMIS構造のフラットバンドにおけるエ
ネルギーバンド図。
【図10】図8のMIS構造のゲートに負の電圧をかけ
たときのエネルギーバンド図。
【図11】図8のMIS構造における積層絶縁膜の膜厚
比とトンネル電流との関係(電圧0.5V、換算膜厚
1.5nm)を示す図。
【図12】第6の実施形態を説明するためのもので、n
+ ポリシリコン/シリコン窒化膜/チタン酸化膜/シリ
コン窒化膜/p型シリコン基板からなるMIS構造の断
面図。
【図13】図12のMIS構造のフラットバンドにおけ
るエネルギーバンド図。
【図14】図12のMIS構造のゲートに負の電圧をか
けたときのエネルギーバンド図。
【図15】図12のMIS構造における積層絶縁膜の膜
厚比とトンネル電流との関係(電圧0.5V、換算膜厚
1.5nm)を示す図。
【図16】第7の実施形態を説明するためのもので、図
12のMIS構造の積層絶縁膜の膜厚比とトンネル電流
との関係(電圧1.4V、換算膜厚3nm)を示す図。
【図17】第8の実施形態を説明するためのもので、図
12のMIS構造の積層絶縁膜の膜厚比とトンネル電流
の関係(電圧0.5V、換算膜厚1.5nm)を示す
図。
【図18】第9の実施形態を説明するためのもので、図
12のMIS構造の積層絶縁膜の膜厚比とトンネル電流
との関係(電圧1.4V、換算膜厚3nm)を示す図。
【図19】第10の実施形態を説明するためのもので、
n+ ポリシリコン/チタン酸化膜/シリコン窒化膜/チ
タン酸化膜/p型シリコン基板からなるMIS構造の断
面図。
【図20】図19のMIS構造のフラットバンドにおけ
るエネルギーバンド図。
【図21】図19のMIS構造のゲートに負の電圧をか
けたときのエネルギーバンド図。
【図22】図19のMIS構造における積層絶縁膜の膜
厚比とトンネル電流との関係(電圧0.5V、換算膜厚
1.5nm)を示す図。
【図23】第11の実施形態を説明するためのもので、
図19のMIS構造の積層絶縁膜の膜厚比とトンネル電
流との関係(電圧1.4V、換算膜厚3nm)を示す
図。
【図24】第12の実施形態を説明するためのもので、
図19のMIS構造の積層絶縁膜の膜厚比とトンネル電
流との関係(電圧0.5V、換算膜厚1.5nm)を示
す図。
【図25】第13の実施形態を説明するためのもので、
図19のMIS構造の積層絶縁膜の膜厚比とトンネル電
流との関係(電圧1.4V、換算膜厚3nm)を示す
図。
【図26】第14の実施形態を説明するためのもので、
nチャンネルMISトランジスタの素子構造を示す断面
図。
【図27】従来の問題点を説明するためのもので、電圧
を2V、換算膜厚を2.5nmに固定した場合における
誘電率とトンネル電流密度との関係を示す図。
【図28】誘電率とバリアハイトとの関係を示す図。
【図29】従来のMIS構造における積層絶縁膜の膜厚
比とトンネル電流との関係を示す図。
【図30】従来のMIS構造における積層絶縁膜の膜厚
比とトンネル電流との関係を示す図。
【図31】第15の実施形態を説明するためのもので、
n+ ポリシリコン/シリコン酸化膜/チタン酸化膜/シ
リコン酸化膜/p型シリコン基板からなるMIS構造の
断面図。
【図32】図31のMIS構造のフラットバンド電圧に
おけるエネルギーバンド図。
【図33】図31のMIS構造のゲートに負の電圧をか
けたときのエネルギーバンド図。
【図34】図31のMIS構造における積層絶縁膜の膜
厚比とトンネル電流との関係(電圧1Vと3V、換算膜
厚3.5nm)を示す図。
【図35】図31のMIS構造におけるトンネル電流と
電圧の関係(換算膜厚3.5nm)を示す図。
【図36】第16の実施形態を説明するためのもので、
図31のMIS構造における積層絶縁膜の膜厚比とトン
ネル電流との関係(電圧0.75Vと2V、換算膜厚3
nm)を示す図。
【図37】第16の実施形態を説明するためのもので、
図31のMIS構造におけるトンネル電流と電圧の関係
(換算膜厚3nm)を示す図。
【図38】第17の実施形態を説明するためのもので、
図31のMIS構造における積層絶縁膜の膜厚比とトン
ネル電流との関係(電圧0.5Vと2V、換算膜厚2.
5nm)を示す図。
【図39】第17の実施形態を説明するためのもので、
図31のMIS構造におけるトンネル電流と電圧の関係
(換算膜厚2.5nm)を示す図。
【図40】第18の実施形態を説明するためのもので、
図31のMIS構造における積層絶縁膜の膜厚比とトン
ネル電流との関係(電圧2Vと5V、換算膜厚5.5n
m)を示す図。
【図41】第18の実施形態を説明するためのもので、
図31のMIS構造におけるトンネル電流と電圧の関係
(換算膜厚5.5nm)を示す図。
【図42】第19の実施形態を説明するためのもので、
n+ ポリシリコン/シリコン酸化膜・チタン酸化膜/チ
タン酸化膜・シリコン酸化膜/p型シリコン基板からな
るMIS構造の断面図。
【図43】図42のMIS構造における積層絶縁膜の膜
厚比とトンネル電流との関係(電圧0.5Vと3V、換
算膜厚3.5nm)を示す図。
【図44】図42のMIS構造におけるトンネル電流と
電圧の関係(換算膜厚3.5nm)を示す図。
【図45】第20の実施形態を説明するためのもので、
不揮発性半導体記憶装置のフローティングゲート型nチ
ャンネルトランジスタの素子構造を示す断面図。
【符号の説明】
1…シリコン基板 2、5…シリコン窒化膜 3、6…チタン酸化膜 4…ゲート電極 7…絶縁層 8…ゲート電極 9…シリコン酸化膜 10、11…ソース及びドレイン拡散層 12…素子分離絶縁膜 13…シリコン窒化膜 14…シリサイド膜 15…CVD酸化膜 16…アルミ電極 51…シリコン基板 52、54…シリコン酸化膜 53…チタン酸化膜 55…ゲート電極 62a、62b…シリコン酸化膜 63a、63b…チタン酸化膜 71…シリコン基板 76…絶縁層 77…フローティングゲート電極 78…絶縁膜 79…コントロールゲート電極 80…ソース/ドレイン拡散層 81、82…層間絶縁膜 83…素子分離絶縁膜 84…アルミ電極84
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/78 H01L 29/788

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体から実質的になる下地層と、前記下
    地層上に配設された絶縁層と、前記絶縁層上に配設され
    た電極と、を具備し、前記下地層と前記電極との間に前
    記絶縁層が挟まれるMIS半導体装置であって、 前記絶縁層は積層された第1及び第2絶縁膜を具備し、
    前記第1絶縁膜は、シリコン酸化物、シリコン酸窒化
    物、シリコン窒化物からなる群から選択された材料から
    実質的になり、前記第2絶縁膜はチタン酸化物から実質
    的になることと、 前記絶縁層は誘電率に基づいてシリコン酸化物に換算し
    た換算膜厚が3nm以下で、且つ前記第1絶縁膜の実際
    の厚さの前記第2絶縁膜の実際の厚さに対する実膜厚比
    が0.0088〜6.5の範囲にあるように設定される
    ことと、を特徴とするMIS半導体装置。
  2. 【請求項2】前記換算膜厚が1.5nm以下で、前記実
    膜厚比が0.0088〜1.55の範囲にあることを特
    徴とする請求項1に記載のMIS半導体装置。
  3. 【請求項3】前記換算膜厚が1.5〜3nmで、前記実
    膜厚比が0.014〜6.5の範囲にあることを特徴と
    する請求項1に記載のMIS半導体装置。
  4. 【請求項4】半導体から実質的になる下地層と、前記下
    地層上に配設された絶縁層と、前記絶縁層上に配設され
    た電極と、を具備し、前記下地層と前記電極との間に前
    記絶縁層が挟まれるMIS半導体装置であって、 前記絶縁層は積層された第1、第2及び第3絶縁膜を具
    備すると共に前記第1及び第3絶縁膜の間に前記第2絶
    縁膜が挟まれることと、前記第1及び第3絶縁膜は、シ
    リコン酸化物、シリコン酸窒化物、シリコン窒化物から
    なる群から選択された材料から実質的になり、前記第2
    絶縁膜はチタン酸化物から実質的になることと、 前記絶縁層は誘電率に基づいてシリコン酸化物に換算し
    た換算膜厚が3nm以下で、且つ前記第1及び第3絶縁
    膜の実際の厚さの合計値の前記第2絶縁膜の実際の厚さ
    に対する実膜厚比が0.002〜5.92の範囲にある
    ように設定されることと、を特徴とするMIS半導体装
    置。
  5. 【請求項5】前記換算膜厚が1.5nm以下で、前記実
    膜厚比が0.002〜0.61の範囲にあることを特徴
    とする請求項4に記載のMIS半導体装置。
  6. 【請求項6】前記換算膜厚が1.5〜3nmで、前記実
    膜厚比が0.002〜5.92の範囲にあることを特徴
    とする請求項4に記載のMIS半導体装置。
  7. 【請求項7】半導体から実質的になる下地層と、前記下
    地層上に配設された絶縁層と、前記絶縁層上に配設され
    た電極と、を具備し、前記下地層と前記電極との間に前
    記絶縁層が挟まれるMIS半導体装置であって、 前記絶縁層は積層された第1、第2及び第3絶縁膜を具
    備すると共に前記第1及び第3絶縁膜の間に前記第2絶
    縁膜が挟まれることと、前記第1及び第3絶縁膜はチタ
    ン酸化物から実質的になり、前記第2絶縁膜は、シリコ
    ン酸化物、シリコン酸窒化物、シリコン窒化物からなる
    群から選択された材料から実質的になることと、 前記絶縁層は誘電率に基づいてシリコン酸化物に換算し
    た換算膜厚が3nm以下で、且つ前記第2絶縁膜の実際
    の厚さの前記第1及び第3絶縁膜の実際の厚さの合計値
    に対する実膜厚比が0.008〜12.9の範囲にある
    ように設定されることと、を特徴とするMIS半導体装
    置。
  8. 【請求項8】前記換算膜厚が1.5nm以下で、前記実
    膜厚比が0.017〜2.46の範囲にあることを特徴
    とする請求項7に記載のMIS半導体装置。
  9. 【請求項9】前記換算膜厚が1.5〜3nmで、前記実
    膜厚比が0.008〜12.9の範囲にあることを特徴
    とする請求項7に記載のMIS半導体装置。
  10. 【請求項10】前記下地層の表面内に、チャネル領域
    と、前記チャネル領域を挟む一対のソース/ドレイン領
    域と、が形成され、前記電極は前記絶縁層を介して前記
    チャネル領域に対向するゲート電極からなることを特徴
    とする請求項1乃至9のいずれかに記載のMIS半導体
    装置。
  11. 【請求項11】前記絶縁層はキャパシタ絶縁層からな
    り、前記下地層及び前記電極は一対のキャパシタ電極か
    らなることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記
    載のMIS半導体装置。
  12. 【請求項12】チャネル領域と、前記チャネル領域を挟
    む一対のソース/ドレイン領域と、が表面内に形成され
    た半導体から実質的になる下地層と、 前記下地層上に配設されたトンネル絶縁層と、 前記トンネル絶縁層上に配設されたフローティングゲー
    ト電極と、を具備し、前記フローティングゲート電極は
    前記トンネル絶縁層を介して前記チャネル領域に対向す
    る不揮発性半導体記憶装置であって、 前記トンネル絶縁層は、積層された第1、第2及び第3
    絶縁膜を具備すると共に前記第1及び第3絶縁膜の間に
    前記第2絶縁膜が挟まれることと、前記第1及び第3絶
    縁膜は、シリコン酸化物、シリコン酸窒化物、シリコン
    窒化物からなる群から選択された材料から実質的にな
    り、前記第2絶縁膜はチタン酸化物から実質的になるこ
    とと、 前記トンネル絶縁層は誘電率に基づいてシリコン酸化物
    に換算した換算膜厚が6nm以下に設定されることと、
    を特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
  13. 【請求項13】前記換算膜厚が5.5nm以下で、前記
    第1及び第3絶縁膜の実際の厚さの合計値の前記第2絶
    縁膜の実際の厚さに対する実膜厚比が0.076〜0.
    389の範囲にあることを特徴とする請求項12に記載
    の不揮発性半導体記憶装置。
  14. 【請求項14】チャネル領域と、前記チャネル領域を挟
    む一対のソース/ドレイン領域と、が表面内に形成され
    た半導体から実質的になる下地層と、 前記下地層上に配設されたトンネル絶縁層と、 前記トンネル絶縁層上に配設されたフローティングゲー
    ト電極と、を具備し、前記フローティングゲート電極は
    前記トンネル絶縁層を介して前記チャネル領域に対向す
    る不揮発性半導体記憶装置であって、 前記トンネル絶縁層は、互いに並設された第1及び第2
    絶縁膜と、互いに並設され且つ前記第1及び第2絶縁膜
    上に夫々積層された第3及び第4絶縁膜と、を具備し、
    前記第1及び第4絶縁膜は、シリコン酸化物、シリコン
    酸窒化物、シリコン窒化物からなる群から選択された材
    料から実質的になり、前記第2及び第3絶縁膜はチタン
    酸化物から実質的になることと、 前記トンネル絶縁層は誘電率に基づいてシリコン酸化物
    に換算した換算膜厚が6nm以下に設定されることと、
    を特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
  15. 【請求項15】前記換算膜厚が3.5nm以下で、前記
    第1絶縁膜の実際の厚さの前記第3絶縁膜の実際の厚さ
    に対する実膜厚比及び前記第4絶縁膜の実際の厚さの前
    記第2絶縁膜の実際の厚さに対する実膜厚比が0.10
    2〜0.2の範囲にあることを特徴とする請求項14に
    記載の不揮発性半導体記憶装置。
  16. 【請求項16】前記フローティングゲート電極に層間絶
    縁膜を介して対向するコントロールゲート電極を更に具
    備することを特徴とする請求項12乃至15のいずれか
    に記載の不揮発性半導体記憶装置。
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