JP3357687B2 - 薄膜トランジスタおよび液晶表示装置の製造方法 - Google Patents

薄膜トランジスタおよび液晶表示装置の製造方法

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JP3357687B2 JP18790792A JP18790792A JP3357687B2 JP 3357687 B2 JP3357687 B2 JP 3357687B2 JP 18790792 A JP18790792 A JP 18790792A JP 18790792 A JP18790792 A JP 18790792A JP 3357687 B2 JP3357687 B2 JP 3357687B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は薄膜トランジスタおよび
液晶表示装置の製造方法に関するもので、特にそれに用
いられる半導体素子の半導体層の非晶質シリコン膜にレ
ーザービームのようなエネルギービームを照射し溶融再
結晶化させて得た再結晶シリコン膜を有する半導体装置
を用いた薄膜トランジスタおよび液晶表示装置の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置の開発が鋭意行なわれてい
るが、近年では特に高精細化、多画素化、大面積化に注
力されており、またその用途も、一般的な民生用の液晶
テレビの他にも、高精細なハイビジョンテレビや、コン
ピュータの表示端末や、産業用のグラフィックワークス
テーション表示端末など、多様な分野にひろがってきて
いる。
【0003】そのなかでも、画素部スイッチング素子以
外に、いわゆる液晶駆動回路をスイッチング素子アレイ
基板側に薄膜トランジスタとして作り込んだ構成の、液
晶駆動回路一体型の液晶表示装置の開発が盛んに行なわ
れている。液晶駆動回路の薄膜トランジスタなどの活性
層としては、従来はアモルファス(非晶質)シリコンを
用いていたが、特に回路動作速度を向上するために移動
度がさらに高い多結晶シリコン等を採用することが検討
され、またその再結晶化技術とも合わせて、より高性能
な活性層を得るべく開発が進められている。
【0004】現在、液晶表示素子に用いられる基板材料
としては通常、石英やガラスといった透明絶縁基板を用
いている。そして活性層としては、アモルファスシリコ
ンを用いるか、またはCVD(Chemical Vapor Deposit
ion:化学的気相成長法)等により形成する多結晶シリコ
ンを用いている。
【0005】しかし現在のところ、結晶性の面では未だ
通常の半導体素子のような性能が得られていない。この
結晶性を改善するために、アモルファスシリコンを低温
で固相成長させる方法や、レーザービーム等のエネルギ
ービームを照射してアモルファスシリコンを再結晶化す
る方法等が試みられている。
【0006】しかしながら、アモルファスシリコンを低
温で固相成長させる方法では、活性層を含む半導体層全
体の粒径を一様に大きくすることはできるものの、チャ
ンネル領域など必要な部位の選択的な粒径制御ができな
い。すなわち粒径や、粒界の発生位置などを制御するこ
とができない。
【0007】また、ビームスポット中心部とその周辺お
よび近傍とで溶融温度の差ができるため、中央部ではた
とえ単結晶化していても両端部ではグレインバウンダリ
と呼ばれる粒界が発生し半導体素子の特性を低下させて
おり、これが解決すべき大きな問題となっている。
【0008】グレインバウンダリは溶融後に再結晶化す
る際の状況に依存し、温度差の大きいところに集中する
ことが知られている。そこで、素子作成の際の単結晶化
必要領域には、温度分布をなるべく均一にして温度差を
小さくし、半導体素子の単結晶化必要領域を避けてその
外の部分にグレインバウンダリを集中させるように制御
すればよいことになる。
【0009】このような溶融の制御法として代表的なも
のを図4に示す。図4(a)に示す方法は(例えば西村
正他(三菱電機)による応用物理、第54巻第12号に開
示)、エネルギービームを照射して再結晶化させる多結
晶シリコン膜401の下地の酸化膜403の厚みを制御
することにより、下地熱流出を制御して多結晶シリコン
膜401の熱分布をより均一に制御しようというもので
ある。
【0010】また図4(b)に示す方法は(例えばK.Su
gahara et al.(Mitsubishi Electric Corp.)The 18th C
onference on Solid State Device and Materials(198
6)pp.405-408 )に開示)、Si3 4 膜などからなる
膜405、407をレーザービームの照射対象の試料す
なわち多結晶シリコン膜409上に形成して、エネルギ
ービームの照射および熱拡散を制御し、多結晶シリコン
膜409を再結晶化した後にはこの膜405、407を
剥離するというものである。多結晶シリコン膜409は
下地SiO2 膜411およびSi基板413の上に配設
されている。
【0011】しかしながら、前者の方法は、下地の酸化
膜403が熱伝導性の比較的高いシリコン基板などの場
合にはシードと呼ばれる種部からの熱流出が大きく、有
効であるものの、液晶表示素子に用いられるガラスや石
英などの熱伝導性が比較的低い透明絶縁基板が下地であ
る場合には、有効ではないという問題がある。
【0012】また後者の方法は、一旦加工作成したSi
3 4 膜などからなる膜405、407を、再結晶化後
に剥離するため、その成膜、パターニング、エッチン
グ、剥離など、工程が増えて製造工程が煩雑となり、歩
留まりの低下や製造コストの上昇を招いてしまうという
問題がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来のシ
リコン溶融再結晶化技術は、Si基板上での技術が先行
してきており、液晶表示装置用の技術としてそのSi基
板上での技術を用いてくることが多かったが、液晶表示
装置の場合には、ガラスや石英といった基板を用いるた
めに、通常のシリコンウェハーと異なることが多く、こ
れに起因した問題が発生していた。そのなかでも特に、
レーザービーム照射時にシリコン基板では熱伝導の良い
ウェハーにより熱がうまく拡散されていたものが、ガラ
ス基板ではシリコンウェハーに比べて熱伝導性が悪いた
めに熱が拡散されにくく、その結果熱分布に偏りが生じ
てグレインバウンダリが生じるという問題を解決するこ
とが急務となっていた。
【0014】また、Si3 4 膜などからなる膜をレー
ザービームの照射対象となる活性層を含む半導体層上に
形成し、この膜によりエネルギービームの照射および熱
拡散を制御して再結晶化後にこの膜を剥離するという方
法では、一旦加工作成したSi3 4 膜などからなる膜
をエネルギービームの照射後に剥離するため、この膜の
成膜、パターニング、エッチング、溶融後の膜の剥離な
どの工程が増えて製造工程が煩雑となり、歩留まりの低
下や製造コストの上昇を招いてしまうという問題があっ
た。
【0015】本発明はこのような問題を解決するために
成されたもので、その目的は、製造工程を煩雑にするこ
となく簡易な構成とその製造方法によりスイッチング素
子として用いられる薄膜トランジスタのような半導体素
子の活性層の再結晶化を均一に行ない、粒界(グレイン
バウンダリ)等の欠陥発生を制御して素子部に発生する
ことを避けて、その特性を向上させ、表示特性の良好な
液晶表示装置を提供することにある。
【0016】
【0017】本発明に係る液晶表示装置の製造方法は、
透明絶縁基板の主面上に、高融点金属からなる遮光層を
形成する工程と、前記透明絶縁基板の主面上に前記遮光
層直上または前記遮光層上に層間絶縁層を介して非晶質
シリコン層を形成する工程と、この非晶質シリコン層に
レーザービームのようなエネルギービームを照射し、該
エネルギービームのビームスポット部分に集中的に投入
される熱を前記遮光層によって拡散させ、前記非晶質シ
リコン層を溶融再結晶化して結晶シリコン層を形成する
工程と、前記遮光層上に島状の結晶シリコンが残るよう
に、該結晶シリコン層を素子分離する工程と、前記素子
分離してなる島状の結晶シリコンをスイッチング用半導
体素子のチャンネル領域のような半導体層として形成す
る工程と、前記スイッチング用半導体素子に接続される
複数の走査線と複数の信号線と複数の画素電極とを配設
してスイッチング素子アレイ基板を形成する工程と、前
記画素電極に対向する対向電極を基板の主面上に配設し
て対向基板を形成する工程と、前記スイッチング素子ア
レイ基板の主面と前記対向基板の主面とを対向して組合
わせた間隙に液晶組成物を封入する工程を具備すること
を特徴としている。また、本発明に係る薄膜トランジス
タの製造方法は、再結晶化されてなる半導体層上に絶縁
膜を介してゲート電極を備えた薄膜トランジスタの製造
方法において、透明絶縁基板の主面上に、高融点金属か
らなる遮光層を形成する工程と、前記透明絶縁基板の前
記遮光層直上または前記遮光層上に層間絶縁膜を介して
非晶質シリコン膜を形成する工程と、前記非晶質シリコ
ン層にエネルギービームを照射して熱を与え、前記非晶
質シリコン層に与えられる熱の分布を均一化させて前記
非晶質シリコン層を溶融再結晶化してなる半導体層を形
成する工程と、少なくとも前記薄膜トランジスタのチャ
ンネル領域が前記遮光層上に配置されるよう前記半導体
層上に前記絶縁膜を介して前記ゲート電極を形成する工
程とを備えたことを特徴としている。ここに非晶質シリ
コン層の再結晶化は、エネルギービームの照射、例えば
レーザービームの照射によって行うことができる。
【0018】なお、前記の遮光層としては、タングステ
ン、チタン、ニッケル、タンタル、ニオブ等の高融点金
属またはその珪素化化合物を用いることが好ましい。
【0019】
【作用】本発明に係る技術によれば、画素の表示に係る
部分を避け画素スイッチング用半導体素子を覆うような
パターンに形成された、いわゆるブラックマトリックス
と呼ばれるような遮光層を、ガラス基板などの透明絶縁
性基板の主面上に下地として先に高融点金属を用いて作
り込んだ後に、画素スイッチング用の半導体素子の活性
層として、例えば多結晶シリコン膜をその遮光層の上に
形成しレーザービームのようなエネルギービームを照射
して溶融再結晶化する。
【0020】その際に、下地として配設された高融点金
属からなる熱導伝性の良好な遮光層近辺では、エネルギ
ービームの熱流出が大きくなり、ビームスポット近傍で
の熱分布が均一化される。
【0021】一般的に、多結晶シリコン膜などの溶融再
結晶化は、一旦、溶融された後、融点(1412℃)以下と
なるところから起こり単結晶成長を起こしてゆき、結晶
粒界等の結晶欠陥はその後から固化する領域で単結晶化
の結晶性を引き継げない領域に集中する。すなわちこの
ような溶融再結晶の際の活性層に熱分布の偏りがある
と、特に熱分布の偏りの大きい部分に結晶粒界等の結晶
欠陥が発生する。
【0022】そこで、上記のように高融点金属からなる
熱導伝性の良好な遮光層によって活性層の熱分布の偏り
を抑えれば、結晶粒界等の結晶欠陥の発生を避けること
ができ、素子形成部以外の部分に欠陥の発生を限定する
ことができる。
【0023】ただしこのとき、遮光層をどのような金属
で形成するかが問題となる。レーザー照射時には、活性
層は融点の1412℃以上の高温となることから、この温度
に耐えられる物質であることが必要となる。このため融
点が1412℃以下のアルミのような金属では不適合であ
り、耐熱性および熱伝導性に優れた高融点金属またはそ
のシリサイドが好適となる。具体的には、W(タングス
テン)、Ti(チタン)、Ni(ニッケル)、Ta(タ
ンタル)、ニオブ(Nb)等の高融点金属またはこれら
の珪素化化合物が好適である。
【0024】また、遮光層をスイッチング素子アレイ基
板側に設けているので、スイッチング素子アレイ基板と
対向基板との位置合わせが従来のような対向基板側に遮
光層を設けたものと比べて格段に容易になる。
【0025】さらに、上記の遮光層には、従来の遮光層
の作用に併せてエネルギービーム照射で集中的に与えら
れた熱を分散および流出させる放熱作用をも兼備させて
いるので、熱分散作用および放熱作用を持つ膜などを遮
光層以外に新たに配設する、あるいはそれを剥離すると
いう煩雑さを避けることができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の詳細を図面に基づいて詳細に
説明する。
【0027】図1は本発明に係る液晶表示装置の半導体
回路部概略構造を示す断面図である。石英基板1上に、
膜厚4000オングストロームのタングステンシリサイド
(WSix )を用いた遮光層3が形成されている。
【0028】その上に全面を覆うようにSiO2 からな
る膜厚4000オングストロームの第1の層間絶縁膜5が配
設されている。
【0029】そしてその上に1000オングストロームの厚
さの島状に形成された多結晶シリコンをレーザービーム
で溶融再結晶化した活性層7が配置されている。この活
性層7は、所定の位置に不純物がドープされて両脇にソ
ース9およびドレイン11、その間にチャンネル領域1
3が形成されている。そしてこの活性層7は、前記の遮
光層3が配置された領域上に乗るような位置に配置され
ている。したがってこの活性層7の配設されている石英
基板1の主面の裏側から活性層7へと入射しようとする
入射光を遮光層3が遮断し、かつこの遮光層3が活性層
7へ照射されるエネルギービームによる熱を第1の層間
絶縁膜5を介して分散および放出させて、活性層7の熱
分布を均一化させる。また遮光層3はスイッチング素子
アレイ基板側の石英基板1上に設けられているので、ス
イッチング素子アレイ基板と対向基板(図示省略)との
位置合わせが、従来の対向基板側に遮光層を設けたもの
と比べて格段に容易となっている。さらに上記の遮光層
3には、従来の遮光層の遮光作用に加えて、エネルギー
ビーム照射によりビームスポットに集中的に与えられた
熱を分散および流出させる放熱作用をも兼備させている
ので、遮光層以外に熱分散作用および放熱作用を持つ膜
などを新たに配設したり、あるいはそれを剥離したりす
る煩雑さを避けることができる。
【0030】この活性層7を覆うようにゲート絶縁膜1
5が配設され、さらにその上に接続されるゲートポリ電
極17が配置されている。
【0031】そしてこれらを覆うように第2の層間絶縁
膜19が形成されている。そしてアルミとシリコンの合
金からなる信号線21および走査線23がそれぞれコン
タクトホール25、27を通って各々ドレイン11およ
びゲートポリ電極17に接続されている。また画素電極
29としてITO(Indium Tin Oxide)からなる透明電
極が形成され、その一端がコンタクトホール31を通っ
てソース9に接続されている。なお簡略化のために補助
容量等は省略してある。
【0032】次に、本発明に係る液晶表示装置の製造方
法を説明する。図2は本発明に係る液晶表示装置の製造
プロセスを示す断面図である。同図では説明のために、
図の中心から左側と右側とで向きを90度ずらした位置の
断面を示している。
【0033】石英基板1に遮光層3を堆積後エッチング
で形成した。この遮光層3としてはタングステンシリサ
イド(WSix )を用い、スパッタ法で膜厚4000オング
ストロームを形成し、ドライエッチングでパターンニン
グを行なった。
【0034】その後、CVD法で第1の層間絶縁膜5と
してSiO2 を4000オングストローム、活性層7となる
多結晶シリコン膜32を1000オングストローム、キャッ
プ層33としてSiO2 を1000オングストローム、この
順に堆積した。第1の層間絶縁膜5はSiO2 以外にも
SiNx を用いることもできる。キャップ層33は、活
性層7にレーザービームを照射して溶融させる際に、こ
の作業を行なう試料室側に試料の飛沫などが飛び散らな
いために形成するものである。キャップ層33は再結晶
化の際のみ必要なものであり、再結晶化後は剥離する。
このキャップ層33としては、SiO2 やSiNx 等の
絶縁膜の他にも、W(タングステン)等の導電性の膜を
用いることもできる。
【0035】そしてビーム径を80μm程度に絞ったレー
ザービームを活性層7とする前の多結晶シリコン膜32
にスキャンしながら照射しこれを溶融再結晶化して結晶
シリコン膜35とした後、キャップ層33をNH4 F液
で剥離した。活性層7とする前の多結晶シリコン膜32
へのレーザービームのスキャン照射方法自体は、通常の
照射方法を用いた。
【0036】ここで、結晶欠陥を顕在化するために結晶
シリコン膜35にセコエッチングを施した試料を顕微鏡
で観察したところ、再結晶化してなる結晶シリコン膜3
5は遮光層3上においてはほぼ均一な粒径に単結晶化し
ており、特に素子のチャンネル部においては欠陥が見受
けられず均一に単結晶化していた。逆に画素部中央部辺
りの遮光層3が配置されていない部分においてはグレイ
ンバウンダリが集中していた。このことから、遮光層3
が、結晶シリコン膜35の再結晶化においてグレインバ
ウンダリ等の欠陥の制御に有効であることが確認され
た。
【0037】結晶シリコン膜35をドライエッチングに
より島状に素子分離して活性層7を形成した後、ゲート
絶縁膜15、ゲートポリ電極17を通常の半導体プロセ
スで作成し、チャンネル領域13を残してイオン注入し
ソース9、ドレイン11を形成し、活性層7を得た。
【0038】そして第2の層間絶縁膜19を形成後、こ
の第2の層間絶縁膜19およびゲート絶縁膜15にコン
タクトホール25、27、31を穿設し、これらのコン
タクトホール25、27、31を通してアルミとシリコ
ンの合金からなる信号線21、走査線23、および透明
電極からなる画素電極29の一端を、それぞれドレイン
11、ゲートポリ電極17、ソース9に各々接続するよ
うに配設した。また画素電極29はITOを成膜しエッ
チングして形成した。
【0039】以上のような本実施例の液晶表示装置の半
導体素子の電気的特性を図3に示す。図3に見られるよ
うに、本実施例の液晶表示装置の半導体素子において
は、移動度や駆動力の増加、しきい値電圧特性の改善、
リーク電流の低減等が実現されていることが確認され
た。また本実施例の液晶表示装置は図1に示すように基
板主面の裏側から光を投射するプロジェクタタイプの液
晶表示装置としているが、特に光によるリーク電流の低
減が顕著であるので液晶表示装置の画像のコントラスト
特性が格段に改善されたものとなった。
【0040】なお、遮光層3の材質としては、本実施例
で用いたようなWSix には限定しない。遮光層3の材
質はレーザービームによる溶融再結晶化時に耐えられる
熱伝導性の良好な高融点のものであればよく、本実施例
のようなWSix の他にも、いわゆる高融点金属である
W、Ti、Ni、Ta、Nb(タングステン、チタン、
ニッケル、タンタル、ニオブ)等の金属や、その珪素化
化合物(シリサイド)でもほぼ同様の効果を得ることが
できる。
【0041】また、本実施例では、画素部のスイッチン
グ用半導体素子に対してのみレーザービーム照射を行な
い、その部分に配置した熱伝導性の良好な高融点金属か
らなる遮光層でレーザービーム照射による熱の分布を均
一化しているが、これには限定しない。この部分以外に
も、例えば液晶表示素子の周囲の基板上に一体型に配置
された液晶駆動回路内の半導体素子を溶融再結晶化させ
る場合などにも、本発明の技術を応用することができ
る。この場合では、液晶表示素子の内部のスイッチング
用半導体素子に設ける遮光層と同質で同層の膜を液晶表
示素子の周囲の液晶駆動回路にも延長して用いて、液晶
駆動回路の半導体素子を溶融再結晶化させる際の熱分布
を均一化させるようにすれば、遮光層のパターンニング
だけを本実施例から変更するだけでよいので、工程数を
煩雑に増加させてしまうことなしに液晶駆動回路にも本
発明の技術を応用することができる。
【0042】また、半導体素子の製造プロセス上の整合
性を取ることができれば、前記の遮光層はスイッチング
素子アレイ基板の主面側表面とスイッチング用半導体素
子との層間に配置することには限定しない。例えば、ス
イッチング素子アレイ基板の主面側表面上にスイッチン
グ用半導体素子を配設し、その半導体素子のチャンネル
領域を含めてその上を覆うように前記の遮光層を配設し
てもよい。ただしこのとき、半導体素子の層構造におい
て、チャンネル領域部分を含む層と遮光層とが、半導体
素子のチャンネル領域部分に与えられる熱を遮光層によ
って分散できるように十分近い層に配置されていること
が必要であることは言うまでもない。
【0043】また第1の層間絶縁膜5、第2の層間絶縁
膜19としては、SiO2 以外にSiNx などを用いて
もよく、またその膜形成方法もCVD法以外にスパッタ
法を用いてもよい。またキャップ層33としては、Si
x 以外の材質を用いてもよく、あるいはこのキャップ
層33自体を省略しても良い場合もある。その他にも材
質などは本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々変形が可
能である。
【0044】
【発明の効果】以上の詳細な説明で明示したように、本
発明によれば、製造工程を煩雑にすることなく簡易な製
造方法により活性層の再結晶化を行なって液晶表示装置
の半導体素子の特性を向上させ、その結果、表示性能の
優れた液晶表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液晶表示装置の半導体素子部分の
構造を示す図。
【図2】本発明に係る液晶表示装置の半導体素子部分の
製造方法を示す図。
【図3】本発明に係る液晶表示装置の半導体素子の特性
評価の結果を示す図。
【図4】従来のエネルギービーム照射による再結晶化法
で用いられていた下地酸化膜の膜厚を変える方法を示す
図(a)およびエネルギービームの照射を制御する膜を
用いる方法を示す図(b)。
【符号の説明】
1…石英基板、3…遮光層、5…第1の層間絶縁膜、7
…活性層、9…ソース、11…ドレイン、13…チャン
ネル領域、15…ゲート絶縁膜、17…ゲートポリ電
極、19…第2の層間絶縁膜、21…信号線、23…走
査線、25、27、31…コンタクトホール、29…画
素電極、32…非晶質シリコン膜、33…キャップ層、
35…結晶シリコン膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1362 G02F 1/1343 G02F 1/13 101 H01L 29/78

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明絶縁基板の主面上に、高融点金属か
    らなる遮光層を形成する工程と、 前記透明絶縁基板の主面上に前記遮光層直上または前記
    遮光層上に層間絶縁層を介して非晶質シリコン層を形成
    する工程と、 この非晶質シリコン層にレーザービームのようなエネル
    ギービームを照射し、該エネルギービームのビームスポ
    ット部分に集中的に投入される熱を前記遮光層によって
    拡散させ、前記非晶質シリコン層を溶融再結晶化して結
    晶シリコン層を形成する工程と、 前記遮光層上に島状の結晶シリコンが残るように、該結
    晶シリコン層を素子分離する工程と、 前記素子分離してなる島状の結晶シリコンをスイッチン
    グ用半導体素子のチャンネル領域のような半導体層とし
    て形成する工程と、 前記スイッチング用半導体素子に接続される複数の走査
    線と複数の信号線と複数の画素電極とを配設してスイッ
    チング素子アレイ基板を形成する工程と、 前記画素電極に対向する対向電極を基板の主面上に配設
    して対向基板を形成する工程と、 前記スイッチング素子アレイ基板の主面と前記対向基板
    の主面とを対向して組合わせた間隙に液晶組成物を封入
    する工程を具備することを特徴とする液晶表示装置の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 再結晶化されてなる半導体層上に絶縁膜
    を介してゲート電極を備えた薄膜トランジスタの製造方
    法において、 透明絶縁基板の主面上に、高融点金属からなる遮光層を
    形成する工程と、 前記透明絶縁基板の前記遮光層直上または前記遮光層上
    に層間絶縁膜を介して非晶質シリコン膜を形成する工程
    と、前記非晶質シリコン層にエネルギービームを照射して熱
    を与え、前記非晶質シリコン層に与えられる熱の分布を
    均一化させて前記非晶質シリコン層を溶融 再結晶化して
    なる半導体層を形成する工程と、 少なくとも前記薄膜トランジスタのチャンネル領域が前
    記遮光層上に配置されるよう前記半導体層上に前記絶縁
    膜を介して前記ゲート電極を形成する工程と、を備えた
    ことを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記遮光層は、タングステン、チタン、
    ニッケル、タンタル、ニオブの高融点金属のうちから選
    ばれた1種類の高融点金属、または前記高融点金属の珪
    素化合物からなることを特徴とする請求項2記載の薄膜
    トランジスタの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記遮光層は、タングステンシリサイド
    からなることを特徴とする請求項3記載の薄膜トランジ
    スタの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記エネルギービームはレーザービーム
    であることを特徴とする請求項2記載の薄膜トランジス
    タの製造方法。
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