JP3357623B2 - 光ファイバ干渉型センサ、光ファイバ干渉型信号検出方法、光ファイバ干渉型振動センサ、光ファイバ干渉型振動検出方法、光ファイバケーブル対照方法、光ファイバ心線対照方法及び光ファイバ通話方法 - Google Patents

光ファイバ干渉型センサ、光ファイバ干渉型信号検出方法、光ファイバ干渉型振動センサ、光ファイバ干渉型振動検出方法、光ファイバケーブル対照方法、光ファイバ心線対照方法及び光ファイバ通話方法

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靖 中村
義春 宇波
▲慎▼一 新見
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ループ状光ファイ
バ中にその開放端それぞれから光を入射して光ファイバ
中を時計回りと反時計回りに伝搬させ、互いに反対側の
開放端から出てくる伝搬光を干渉させてその干渉光の強
度変化からこのループ状光ファイバの途中に加わる振動
等の物理的変化を検出する光ファイバ干渉型信号検出技
術及び光ファイバ干渉型振動検出技術に関する。
【0002】本発明はまた、上記の光ファイバ干渉型信
号検出技術を応用した、光ファイバケーブルの切替工事
や撤去工事の際に、多数の光ファイバケーブル中から目
的とする光ファイバケーブルを対照するための光ファイ
バケーブル対照技術に関する。
【0003】本発明はまた、上記の光ファイバ干渉型信
号検出技術を応用した、光ファイバケーブル内の多数の
光ファイバ心線の中から目的とする光ファイバ心線を対
照するための光ファイバ心線対照技術、及び対照した光
ファイバ心線を通話用回線として利用し、その光ファイ
バを切断せずに通話を行う光ファイバ通話技術に関す
る。
【0004】
【従来の技術】従来、光ファイバとレーザを応用した干
渉型のセンサが種々提案されている。例えば、マッハ・
ツェンダ干渉計は、光源からのレーザ光を分岐して二つ
の光路を伝搬させ、この二つの伝搬光を合波して干渉さ
せることによって、各光路間で生じた位相変位を干渉縞
の変化によって検出する。
【0005】このような光ファイバ干渉型センサ技術の
一つとして、レーザとループ状光ファイバを用いた簡易
な構成の装置を用いて、光ファイバに加わる振動等の物
理的変化を検出することができるセンサを構成できるこ
とが分かった。
【0006】また、この光ファイバ干渉型センサ技術を
光ファイバケーブル対照技術、光ファイバ心線対照技
術、光ファイバ通話技術に利用することができることも
分かった。
【0007】例えば、とう道やマンホール内などにおけ
る光ファイバケーブルの切替工事や撤去工事の際に、誤
った光ファイバケーブルの切断事故を防ぐために多数の
光ファイバケーブルの中から目的の光ファイバケーブル
を識別するために光ファイバケーブル対照が行われる。
同様に、光ファイバの切替工事の際には、ケーブル内の
多数の光ファイバ心線の中から目的の光ファイバ心線を
識別するために光ファイバ心線対照も行われる。
【0008】従来の光ファイバケーブル対照技術は次の
ようなものである。取り除く光ファイバケーブルの末端
に光を入射した状態で、光ファイバケーブルに超音波を
与えて光の偏波の状態をモニターし、目的のケーブルを
探り出すのである。
【0009】また、他の従来の光ファイバケーブル対照
技術は次のようなものである。光源からの光を光カプラ
により2系統に分波し、光ファイバケーブル中の異なる
2心線に入射伝搬させ、光ファイバケーブル終端におい
てこれら2心線からの光を再び光カプラを用いて合波
し、光検出器で受光する。この光ファイバケーブルの途
中点で振動を印加すると、印加された振動により光ファ
イバケーブルは応力を受け、伝搬する光の光路長が変化
する。その結果、2心線を伝搬するそれぞれの光の相対
的な位相差と偏波面が変化する。これらの変化は光ファ
イバケーブル終端において合波される際、干渉強度の変
化として受信され、対照光ファイバケーブルであると識
別できる。
【0010】これらの従来の光ファイバケーブル対照技
術はそのまま、光ファイバ心線対照技術にも適用されて
いる。
【0011】しかしながら、このような従来の光ファイ
バケーブル対照技術、光ファイバ心線対照技術では、光
偏波面を変化させて行うため、他の要因で光の偏波面が
変化した場合、正確にケーブル対照や心線対照ができな
いことがあり、対照確率は70%程度であり、材質によ
ってはさらに低下する問題点があった。また、装置が非
常に高価である問題点もあった。
【0012】また、2心線の長さの差がコヒーレント長
以上になると測定できない限界があり、さらには、受信
部側にも光カプラが必要であり、ここで2心線からの光
の偏波が直交すると光の干渉は起こらない問題点があっ
た。
【0013】これに対して、上述した光ファイバ干渉型
信号検出技術を応用すれば、簡易にして安価な構成の装
置を用いた、多数の光ファイバケーブルの中から目的の
光ファイバケーブルを確実に識別することができる光フ
ァイバケーブル対照技術が実現できる。
【0014】これらの技術とは別に、従来、光ファイバ
ケーブルや光ファイバ心線の切替、撤去工事の際に遠く
離れた作業者間の連絡のために、上述の対照技術で心線
対照された光ファイバを通話用回線として利用し、その
光ファイバを切断せずに通話を行う無切断通話技術が知
られている。
【0015】この従来の無切断通話技術としては、光フ
ァイバに曲げを加えて損失を発生させ、曲げ径を変化さ
せることによる輝度変調を利用するものや、光ファイバ
に歪みを加え、偏波特性の変化を利用するものがある。
【0016】輝度変調を行う無切断通話技術では、無切
断で送信するのに、すでにある一定の曲げを与えた光フ
ァイバにスピーカなどの振動を加えることによって曲げ
径を変化させ、この曲げ径の変化による損失変化を利用
して輝度を変化させて変調を行っている。例えば、特開
平4−368029号公報に開示された光通話方法、特
開平5−264909号公報に開示された光ファイバ通
話装置における光ファイバの曲げ径設定方法がある。
【0017】また、特開平7−38502号公報に開示
された光ファイバ通話装置は、光ファイバ側方入射・側
方出射方式を用いている。そして、送信側では、光源か
らの光を輝度変調して一定の曲率で曲げられた光ファイ
バの曲げ部に光を入射して送信し、受信側では、光ファ
イバの曲げ部からの漏洩光を光電変換して受信する。
【0018】しかしながら、特開平4−368029号
公報に開示された光通話方法では、曲げを与えた光ファ
イバに振動を加えて輝度を変化させ、変調を行うので、
変調度が9%と低く、これを補う必要がある。また、光
ファイバに振動を加えるための機構が非常に複雑で、装
置が高価で大型になってしまう問題点がある。
【0019】また特開平7−38502号公報に開示さ
れた光ファイバ通話装置では、光ファイバ側方入射にお
いて、光ファイバへ光を結合させるときの損失が非常に
大きいため、ダイナミックレンジを大きくとることが困
難であり、明瞭な通話ができない問題点がある。
【0020】また、光偏波面を超音波などで変化させて
通話を行うものは、何らかの要因で光の偏波面が変化し
た場合、例えば、偏波面が直交した状態では、正常に通
話を行うことができない問題点がある。
【0021】これに対しても、上述した光ファイバ干渉
型信号検出技術を応用すれば、簡易にして安価な構成の
装置を用いた、変調度を飛躍的に向上し、かつ光ファイ
バへの機械的負荷を低減した光ファイバ通話技術が実現
できる。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述のよう
に、光ファイバ干渉計型センサ技術の一つとして、レー
ザとループ状光ファイバを用いた簡易な構成の装置を用
いて、振動等の信号を検出することができる光ファイバ
干渉型信号検出技術及び光ファイバ干渉型振動検出技術
を提供することを目的とする。
【0023】本発明はまた、上記の光ファイバ干渉型信
号検出技術を応用した、簡易にして安価な構成の装置を
用いた、多数の光ファイバケーブルの中から目的の光フ
ァイバケーブルを確実に識別することができる光ファイ
バケーブル対照技術を提供することを目的とする。
【0024】本発明はまた、上記の光ファイバ干渉型信
号検出技術を応用した、簡易にして安価な構成の装置を
用いた、変調度を飛躍的に向上し、かつ光ファイバへの
機械的負荷を低減した光ファイバ心線対照技術及び光フ
ァイバ通話技術を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、光源
と受光素子とその全長で、一部が開放された1つのルー
プを形成するループ状光ファイバの開放部の両端とが分
岐結合素子に接続されて成る光ファイバ干渉型センサで
あって、前記光源から出射された光を前記分岐結合素子
によって分岐して前記ループ状光ファイバに前記開放部
の両端それぞれから入射させ、このループ状光ファイバ
中を時計回りと反時計回りに伝搬させ、前記ループ状光
ファイバ中を時計回りに伝搬した時計回り伝搬光と反時
計回りに伝搬した反時計回り伝搬光とを前記分岐結合素
子に入射させて結合し、前記分岐結合素子によって結合
された前記時計回り伝搬光と反時計回り伝搬光とを前記
受光素子に入射させ、前記ループ状光ファイバの任意の
場所に局所的に加わる物理的変化に起因する当該時計回
り伝搬光と反時計回り伝搬光との位相差による干渉光の
強度変化を示す信号をこの受光素子から出力するもので
ある。
【0026】この発明の光ファイバ干渉型センサでは、
受光素子が出力する信号に基づき、ループ状光ファイバ
中を時計回り伝搬する光と反時計回りに伝搬する光とに
位相変化をもたらす物理的変化が当該ループ状光ファイ
バ上の任意の場所の検出点に加わるのを検出することが
できる。
【0027】請求項2の発明の光ファイバ干渉型信号検
出方法は、光源から出射された光を分岐結合素子によっ
て分岐して、その全長で、一部が開放された1つのルー
プを形成するループ状光ファイバにその開放部の両端そ
れぞれから入射させてこのループ状光ファイバ中を時計
回りと反時計回りに伝搬させ、前記ループ状光ファイバ
中を伝搬した時計回り伝搬光と反時計回り伝搬光とを前
記分岐結合素子によって結合して受光素子に入射させ、
前記受光素子が出力する前記時計回り伝搬光と反時計回
り伝搬光との位相差による干渉光の強度変化を示す信号
に基づいて、前記ループ状光ファイバの任意の場所に局
所的に加わる物理的変化を検出するものである。
【0028】請求項3の発明の光ファイバ干渉型信号検
出方法は、請求項2において、ループ状光ファイバの途
中又はループ状光ファイバと分岐結合素子との間に光遅
延素子を挿入して、光ファイバ中の光伝搬を遅延させる
ものである。
【0029】この発明の光ファイバ干渉型信号検出方法
では、ループ状光ファイバ中の光伝搬経路のちょうど中
間点に物理的な変化が加わっても、時計回り伝搬光と反
時計回り伝搬光との位相差を必ず生じさせ、その位相差
による干渉光の強度変化を示す信号から時計回り伝搬光
と反時計回り伝搬光とに位相変化をもたらす物理的な変
化を確実に検出することができる。
【0030】請求項4の発明は、光源と受光素子とその
全長で、一部が開放された1つのループを形成するルー
プ状光ファイバの開放部の両端とが分岐結合素子に接続
されて成る光ファイバ干渉型振動センサであって、前記
光源から出射された光を前記分岐結合素子によって分岐
して前記ループ状光ファイバに前記開放部の両端それぞ
れから入射させ、このループ状光ファイバ中を時計回り
と反時計回りに伝搬させ、前記ループ状光ファイバ中を
伝搬した時計回り伝搬光と反時計回り伝搬光とを前記分
岐結合素子に入射させて結合し、前記分岐結合素子によ
って結合された前記時計回り伝搬光と反時計回り伝搬光
とを前記受光素子に入射させ、この時計回り伝搬光と反
時計回り伝搬光との位相差による干渉光の、前記ループ
状光ファイバの任意の場所に局所的に加わる振動による
強度変化を示す信号をこの受光素子から出力するもので
ある。
【0031】この発明の光ファイバ干渉型振動センサで
は、受光素子が出力する信号に基づき、ループ状光ファ
イバ中を時計回り伝搬する光と反時計回りに伝搬する光
とに位相変化をもたらす物理的変化として、このループ
状光ファイバの任意の場所に局所的に加わる振動を検出
することができる。
【0032】請求項5の発明の光ファイバ干渉型振動検
出方法は、光源から出射された光を分岐結合素子によっ
て分岐して、その全長で、一部が開放された1つのルー
プを形成するループ状光ファイバにその開放部の両端そ
れぞれから入射させてこのループ状光ファイバ中を時計
回りと反時計回りに伝搬させ、前記ループ状光ファイバ
中を伝搬した時計回り伝搬光と反時計回り伝搬光とを前
記分岐結合素子によって結合して受光素子に入射させ、
前記受光素子が出力する前記時計回り伝搬光と反時計回
り伝搬光との位相差による干渉光の強度変化を示す信号
に基づいて、前記ループ状光ファイバの任意の場所に局
所的に加わる振動を検出するものである。
【0033】請求項6の発明の光ファイバ振動検出方法
は、請求項5において、ループ状光ファイバの途中又は
ループ状光ファイバと分岐結合素子との間に光遅延素子
を挿入して、光ファイバ中の光伝搬を遅延させるもので
ある。
【0034】この発明の光ファイバ振動検出方法では、
ループ状光ファイバ中の光伝搬経路のちょうど中間点に
振動が加わっても、時計回り伝搬光と反時計回り伝搬光
との位相差を必ず生じさせ、その位相差による干渉光の
強度変化を示す信号からその振動を確実に検出すること
ができる。
【0035】請求項7の発明の光ファイバケーブル対照
方法は、検出対象とする既設の1本の光ファイバケーブ
ル中の2本の光ファイバの一方の端部同士、又は検出対
象とする既設の1本の光ファイバケーブル中の1本の光
ファイバと他の任意の光ファイバの一方の端部同士を接
続してそれぞれの他端が共に開放端となったループ状光
ファイバを形成し、このループ状光ファイバの前記開放
端それぞれから光を入射し、それぞれの反対の開放端か
ら戻ってきた光を干渉させて、その位相変位を検出する
光送受信部をこのループ状光ファイバに接続し、この光
送受信部の光源から光を発し、この光源からの光をこの
光送受信部の分岐結合素子で受けて前記開放端それぞれ
に分岐して前記ループ状光ファイバに入射すると共に、
当該ループ状光ファイバ中を伝搬してそれぞれの開放端
から戻ってきた光を結合し、前記光送受信部の受光素子
にて、前記分岐結合素子から出力される光を受けて光電
変換して、前記ループ状光ファイバ中を時計回りに伝搬
した光と反時計回りに伝搬した光との位相差による干渉
光の強度変化を示す信号を出力し、前記検出対象とする
光ファイバケーブルの任意の場所に局所的に物理的な変
化を加えたときに、前記受光素子が出力する信号に基づ
いてこの物理的な変化を検出するものである。
【0036】請求項8の発明の光ファイバケーブル対照
方法は、検出対象とする既設の1本の光ファイバケーブ
ル中の2本の光ファイバの一方の端部同士、又は検出対
象とする既設の1本の光ファイバケーブル中の1本の光
ファイバと他の任意の光ファイバの一方の端部同士を接
続してそれぞれの他端が共に開放端となったループ状光
ファイバを形成し、このループ状光ファイバの前記開放
端それぞれから光を入射し、それぞれの反対の開放端か
ら戻ってきた光を干渉させて、その位相変位を検出する
光送受信部をこのループ状光ファイバに接続し、この光
送受信部の光源から光を発し、この光源からの光をこの
光送受信部の分岐結合素子で受けて前記開放端それぞれ
に分岐して前記ループ状光ファイバに入射すると共に、
当該ループ状光ファイバ中を伝搬してそれぞれの開放端
から戻ってきた光を結合し、前記光送受信部の受光素子
にて、前記分岐結合素子から出力される光を受けて光電
変換して、前記ループ状光ファイバ中を時計回りに伝搬
した光と反時計回りに伝搬した光との位相差による干渉
光の強度変化を示す信号を出力し、前記検出対象とする
光ファイバケーブルの任意の場所に局所的に振動を加え
たときに、前記受光素子が出力する信号に基づいてこの
振動を検出するものである。
【0037】これらの発明の光ファイバケーブル対照方
法では、次のようにしてケーブル対照を行なう。まず同
じ対照ケーブル中の特定の2本の光ファイバのそれぞれ
の一方の端部同士、あるいは対照ケーブル中の特定の1
本の光ファイバと他の光ファイバケーブル中の特定の1
本の光ファイバとのそれぞれの一方の端部同士を接続し
てそれぞれの他端が共に開放端となったループ状光ファ
イバを形成する。
【0038】そして、光源からの光を分岐結合素子によ
ってループ状光ファイバ中にその開放部の両端それぞれ
から入射させ、また、ループ状光ファイバのそれぞれ反
対側の開放端から戻ってきた光を同じく分岐結合素子に
よって結合させ、この結合光を受光素子によって受光さ
せておく。
【0039】この状態で、中間部によって多数本の光フ
ァイバケーブルに順に、例えば、圧力、曲げあるいは引
張力のような物理的な変化を加え、又は振動を加えてい
く。
【0040】受光素子は、分岐結合素子からの光を光電
変換し、ループ状光ファイバ中を伝搬してきた時計回り
伝搬光と反時計回り伝搬光との位相差による干渉光の強
度変化を示す信号を出力する。したがって、多数本の光
ファイバケーブルの中で中間部によって物理的な変化又
は振動が加えられている光ファイバケーブルの中にルー
プ状光ファイバが通されている場合には、受光素子から
出力される信号がケーブルに加えられた物理的な変化又
は振動に対応した変化を示すので、それが対照ケーブル
であると判断することができる。
【0041】請求項9の発明の光ファイバケーブル対照
方法は、請求項7又は8において、ループ状光ファイバ
中又はループ状光ファイバと光送受信部との間に光遅延
素子を挿入して、このループ状光ファイバ中の光伝搬を
遅延させるものであり、ループ状光ファイバ中の光伝搬
経路のちょうど中間点に物理的変化又は振動が加わって
も、時計回り伝搬光と反時計回り伝搬光との位相差を必
ず生じさせ、その位相差による干渉光の強度変化を示す
信号からその物理的変化又は振動を確実に検出すること
ができ、ケーブル対照を正確に行なうことができる。
【0042】請求項10の発明の光ファイバ心線対照方
法は、検出対象とする光ファイバ心線中の2本の光ファ
イバの一方の端部同士、又は検出対象とする光ファイバ
心線中の1本の光ファイバと任意の光ファイバの一方の
端部同士を接続してそれぞれの他端が共に開放端となっ
たループ状光ファイバを形成し、このループ状光ファイ
バの前記開放端それぞれから光を入射し、それぞれの反
対の開放端から戻ってきた光を干渉させて、その位相変
位を検出する光送受信部をこのループ状光ファイバに接
続し、この光送受信部の光源から光を発し、この光源か
らの光をこの光送受信部の分岐結合素子で受けて前記開
放端それぞれに分岐して前記ループ状光ファイバ中に入
射すると共に、当該ループ状光ファイバ中を伝搬してそ
れぞれの開放端から戻ってきた光を結合し、前記光送受
信部の受光素子にて、前記分岐結合素子から出力される
光を受けて光電変換して、前記ループ状光ファイバから
の時計回り伝搬した光と反時計回り伝搬した光との位相
差による干渉光の強度変化を示す信号を出力することに
より、前記検出対象とする光ファイバ心線の任意の場所
に局所的に物理的変化を加えたときに、前記受光素子の
出力する信号に基づいてこの物理的変化を検出するもの
である。
【0043】請求項11の発明の光ファイバ心線対照方
法は、検出対象とする光ファイバ心線中の2本の光ファ
イバの一方の端部同士、又は検出対象とする光ファイバ
心線中の1本の光ファイバと任意の光ファイバの一方の
端部同士を接続してそれぞれの他端が共に開放端となっ
たループ状光ファイバを形成し、このループ状光ファイ
バの前記開放端それぞれから光を入射し、それぞれの反
対の開放端から戻ってきた光を干渉させて、その位相変
位を検出する光送受信部をこのループ状光ファイバに接
続し、この光送受信部の光源から光を発し、この光源か
らの光をこの光送受信部の分岐結合素子で受けて前記開
放端それぞれに分岐して前記ループ状光ファイバ中に入
射すると共に、当該ループ状光ファイバ中を伝搬してそ
れぞれの開放端から戻ってきた光を結合し、前記光送受
信部の受光素子にて、前記分岐結合素子から出力される
光を受けて光電変換して、前記ループ状光ファイバから
の時計回り伝搬した光と反時計回り伝搬した光との位相
差による干渉光の強度変化を示す信号を出力することに
より、前記検出対象とする光ファイバ心線の任意の場所
に局所的に振動を加えたときに、前記受光素子の出力す
る信号に基づいてこの振動を検出するものである。
【0044】これらの発明の光ファイバ心線対照方法で
は、次のようにして光ファイバ心線対照を行なう。まず
光ファイバケーブル中の対照光ファイバと他の特定の1
本の光ファイバとの一方の端部同士を光接続部にて接続
してそれぞれの他端が共に開放端となったループ状光フ
ァイバを形成しておく。そして、光源からの光を分岐結
合素子によってループ状光ファイバ中にその開放部の両
端それぞれから入射させる。またループ状光ファイバの
それぞれ反対側の開放端から戻ってきた光を同じく分岐
結合素子によって結合させ、この結合光を受光素子によ
って受光させる。
【0045】この状態で、中間部によりケーブル内の多
数の光ファイバ心線に対して順に、例えば、圧力、曲げ
あるいは引張力のような物理的変化、又は振動を加えて
いく。
【0046】受光素子は、分岐結合素子からの光を光電
変換し、ループ状光ファイバ中を伝搬してきた時計回り
伝搬光と反時計回り伝搬光との位相差による干渉光の強
度変化を示す信号を出力する。したがって、対照光ファ
イバ心線に中間部によって振動が加えられている場合に
は、受光素子から出力される信号が対照光ファイバ心線
に加えられた物理的変化又は振動に対応した変化を示す
ので、それが対照光ファイバ心線であると判断すること
ができる。
【0047】請求項12の発明の光ファイバ心線対照方
法は、請求項10又は11において、ループ状光ファイ
バ中又はループ状光ファイバと光送受信部との間に光遅
延素子を挿入して、このループ状光ファイバ中の光伝搬
を遅延させるものであり、ループ状光ファイバ中の光伝
搬経路のちょうど中間点に物理的変化又は振動が加わっ
ても、時計回り伝搬光と反時計回り伝搬光との位相差を
必ず生じさせ、その位相差による干渉光の強度変化を示
す信号からその物理的変化又は振動を確実に検出するこ
とができ、光ファイバ心線対照を正確に行なうことがで
きる。
【0048】請求項13の発明の光ファイバ通話方法
は、既設の1本の光ファイバケーブル中若しくは既設の
2本の光ファイバケーブル中の任意の2本の光ファイバ
の一方の端部同士を光接続部にて接続してそれぞれの他
端が共に開放端となったループ状光ファイバを形成し、
このループ状光ファイバの前記開放端それぞれから光を
入射し、それぞれの反対の開放端から戻ってきた光を干
渉させて、その位相変位を検出する光送受信部をこのル
ープ状光ファイバに接続し、この光送受信部と前記光接
続部との間で、前記2本の光ファイバの少なくとも一方
の任意の点に中間部を取り付け、前記光送受信部にて、
光源から光を発し、音声を第1のマイクで電気信号に変
換して、駆動回路で前記第1のマイクからの電気信号に
基づき前記光源からの光を変調し、この光源からの光を
分岐結合素子で受けて前記ループ状光ファイバの前記開
放端それぞれに分岐して入射すると共に、前記ループ状
光ファイバの前記開放端それぞれから戻ってきた光を前
記分岐結合素子で結合し、この分岐結合素子から出力さ
れる光を第1の受光素子で受けて光電変換し、第1の音
声出力手段でこの第1の受光素子からの信号から音声信
号を復調して出力し、前記中間部にて、前記ループ状光
ファイバの一部に曲げを付与し、この曲げ部分からの漏
洩光を第2の受光素子で受けて、前記ループ状光ファイ
バ中を時計回りに伝搬する光と反時計回りに伝搬する光
との位相差による干渉光の強度変化を示す信号に光電変
換し、第2の音声出力手段でこの第2の受光素子からの
信号から音声信号を復調して出力すると共に、音声を第
2のマイクで電気信号に変換し、加振器を用いて前記第
2のマイクからの電気信号で前記光ファイバに振動を加
え、これによって、前記光送受信部又は中間部にて音声
を発したときに、前記中間部又は光送受信部にて音声を
受けるものである。
【0049】この発明の光ファイバ通話方法では、まず
既設の1本の光ファイバケーブル中若しくは既設の2本
の光ファイバケーブル中の任意の2本の光ファイバの一
方の端部同士を光接続部にて接続してそれぞれの他端が
共に開放端となったループ状光ファイバを形成する。
【0050】そして、ループ状光ファイバの開放端があ
る作業点においては、光送受信部の第1のマイクによっ
て音声を電気信号に変換し、さらに駆動回路によってこ
の電気信号に基づき光源からの光を変調する。そして、
光源からの光を分岐結合素子によってループ状光ファイ
バの開放端それぞれに分岐して入射させる。これに対し
て、ループ状光ファイバの他の作業点においては、中間
部の曲げ付与手段によってループ状光ファイバの一部に
曲げを付与し、第2の受光素子によってこの曲げ部分か
らの漏洩光を受けて光電変換し、さらに、第2の受光素
子からの信号から第2の音声出力手段によって音声信号
を復調して取り出す。
【0051】これとは逆に、ループ状光ファイバの他の
作業点において、中間部の第2のマイクによって音声を
電気信号に変換し、さらに、加振器によって光ファイバ
の曲げ部分に音声信号に対応した振動を加える。これに
対して、ループ状光ファイバの開放端のある作業点にお
いては、ループ状光ファイバ中を伝搬してきた時計回り
伝搬光と反時計回り伝搬光とを分岐結合素子によって結
合し、さらに第1の受光素子によってこの結合光を光電
変換し、時計回り伝搬光と反時計回り伝搬光との位相差
による干渉光の強度変化を示す信号を出力し、この信号
から第1の音声出力手段によって音声信号を復調し、中
間部で発せられた音声を再生する。
【0052】これにより、心線対照したループ状光ファ
イバを利用して、その開放端の作業点と他の作業点との
間で作業者間の連絡が可能となる。
【0053】請求項14の発明の光ファイバ通話方法
は、請求項13において、ループ状光ファイバ中又はル
ープ状光ファイバと光送受信部との間に光遅延素子を挿
入して、光ファイバ中の光伝搬を遅延させるものであ
り、ループ状光ファイバ中の光伝搬経路のちょうど中間
点を他の作業点に設定した場合でも、ループ状光ファイ
バの開放端にある作業点では時計回り伝搬光と反時計回
り伝搬光との位相差を必ず生じさせ、その位相差による
干渉光の強度変化を示す信号から中間部で加えられた信
号を確実に検出することができ、光ファイバを利用した
通話が確実に行なえる。
【0054】請求項15の発明の光ファイバ通話方法
は、請求項13又は14において、光送受信部内の駆動
回路が光源からの光をFM変調し、光送受信部内の第1
の音声出力手段が第1の受光素子からの信号をAM復調
して音声信号を取り出し、中間部内の第2の音声出力手
段が第2の受光素子からの信号をFM復調して音声信号
を取り出すものであり、光送受信部側から中間部側への
信号と、その逆の中間部側から光送受信部側への信号と
の変調方式が異なるので、いずれの側においても相手側
からの音声信号を混信することなく明瞭に再生すること
ができる。
【0055】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を式に
基づいて詳説する。なお、以下の説明では、説明を簡単
にするため、光源は直流変調されているものとし、分岐
結合素子の分岐結合効率は等しいものとする。
【0056】図1は本発明の光ファイバ干渉型センサを
示していて、駆動回路10で励起され、レーザダイオー
ドで成る発光素子(レーザ光源)1から発したレーザ光
は、分岐結合素子2によって分岐されてループ状光ファ
イバ3の両端に入射され、このループ状光ファイバ3を
時計回り方向A及び反時計回り方向Bに伝搬する。そし
て方向Aに伝搬した光(「A波」と称する)及び方向B
に伝搬した光(「B波」と称する)は、ループ状光ファ
イバ3のそれぞれの反対端に達した後に分岐結合素子2
にて結合され、フォトダイオードで成る受光素子5にて
干渉光として検出され、この受光素子5で光電変換さ
れ、光強度に応じた電気信号に変換され、さらに増幅器
11によって増幅されて出力される構成である。
【0057】図2は、ループ状光ファイバ3を伝搬する
光の位相状態を示す。同図(a)は分岐結合素子2に光
ファイバカプラを使用した場合の、分岐された直後の光
の波形を示す。分岐結合素子2に光ファイバカプラを使
用した場合は、クロスポート側がπ/2ずれるので、方
向Aの光と方向Bの光との位相はπ/2ずれる。同図
(b)はループ状光ファイバを伝搬してそれぞれの反対
端に達した光の波形を示す。方向Aの伝搬光と方向Bの
伝搬光とは伝搬方向が異なるものの、同一の光路(ルー
プ状光ファイバ3)を通過するので、損失と位相変化は
ほぼ同量だけ(光の可逆性による)受けるので、振幅と
位相は(a)での差を除けば、ほぼ同等となる。そし
て、これらの方向A及び方向Bに伝搬したレーザ光は分
岐結合素子2にて合成され、同図(c)に示す一定の位
相で干渉を生じる。分岐結合素子2に光ファイバカプラ
を使用した場合、この分岐結合素子2に対する再通過の
際にクロスポート側を通過する光がさらにπ/2ずれる
ので、方向Aの光と方向Bの光との位相はさらにπ/2
ずれて、全体でπだけずれることになる。
【0058】ここで、レーザ光の波長を1.3μmとす
ると、光の真空中の速度が約30万km/secである
ことから、その周期は4×10−15secとなるの
で、図2(a),(b),(c)の横軸は、10−15
sec程度となる。
【0059】通常の受光素子の光電変換においては、光
の位相情報を変換せず、その強度情報のみ変換するの
で、ほぼ一定の直流信号(光源の直流信号)が受光素子
から出力される。分岐結合素子に光ファイバカプラを使
用した場合には、方向Aの伝搬光と方向Bの伝搬光との
間で位相が全体でπずれるので、出力は理想的な条件下
では同図(d)に示すように0になるのである。
【0060】図3は、本発明の光ファイバ干渉型センサ
の加振点に振動を加えた時の状態を示す。発光素子1で
あるレーザは駆動回路10により励起されてレーザ光を
出力する。加振点Pで振動を加えられて変化した光は、
ループ状光ファイバ3を時計回り方向A及び反時計回り
方向Bに伝搬する。また、受光素子5で光電変換され
た、受光強度に応じた大きさの電気信号は増幅器11に
よって増幅されて出力される。
【0061】次に、図4を参照して、加振点に振動が加
わった場合の状態変化を説明する。同図(a)に示す波
形Vの振動で加振点を振動させると、ループ状光ファイ
バ3は、その振動によって、局所的に長さ方向に伸縮
し、長さが変化する。その結果、光の光路長が変化し、
方向Aと方向Bに伝搬する光は、加振点Pにおいて同図
(b)に示すように振動Vの振幅に対応した位相の大き
さで位相変位を生じる。すなわち、方向Aに伝搬する光
と方向Bに伝搬する光とは進行方向が逆なので、ループ
状光ファイバ3の光路長が変化することによって、逆方
向で等量の位相変位を受ける。こうして、加振点Pで振
動Vを加えられて変化した光は、ループ状光ファイバ3
を時計回り方向A及び反時計回り方向Bに伝搬した後、
分岐結合素子2において合波され、さらに受光素子5で
光電変換され、受光強度に応じた電気信号になる。そし
て、増幅器11によって増幅されて振動信号として出力
される図5は、ループ状光ファイバ伝搬後の受光部にお
ける方向Aに伝搬する光と方向Bに伝搬する光との位相
状態を示す。分岐結合部2において、方向Aに伝搬する
光と方向Bに伝搬する光は同図(a)に示すように位相
変位する。すなわち、A波とB波は加振点からの伝搬距
離に差に応じた遅延t1を有して同様に位相変位を受け
るので、分岐結合部2において合波された光は、同図
(b)に示すようにその包絡線Eが振動の振幅に対応し
て変化する干渉光を生じる。すなわち、光は周期10
−15sec程度の波動なので10−4sec程度のタ
イムスパンでは、光強度の変化は振幅の包絡線Eで表わ
される。その結果、受光素子5からは光の強度に対応し
た電気出力が得られるので、同図(c)に示すように加
振された振動信号にほぼ一致した波形の電気信号Fが出
力される。なお、信号が0(無い)のときは、受光素子
5の電気出力はほぼ0となる。
【0062】また、加振点からの方向Aと方向Bとの伝
搬距離の差が0、すなわち分岐結合素子2から等距離の
位置にて加振すると、同一時刻で加振点で加振された方
向Aと方向Bとの伝搬光は分岐結合部に同時に到着する
のでA波とB波の加振による位相がほぼ等しい状態とな
り、(a)に示すA波とB波の加振による位相差がほぼ
0となって、合波された干渉光には振動信号による位相
変化がもたらされないので、合波光の波形は振動信号に
よって変化せず、検出不能となる。
【0063】ここで図5(a)〜(c)の横軸は、例え
ば振動信号を1kHz〜1MHzとすれば、信号周期が
10−3〜10−6secであることから10−3〜1
−6sec程度である。遅延時間t1は、例えば光フ
ァイバ長の差を1kmとすれば、光ファイバ内の群速度
が20万km/sec程度なので10−6sec程度と
なる。
【0064】次に、本発明の光ファイバ干渉型センサの
具体的な構成を式に基づいて説明する。なお、以下の説
明においては、説明を簡単にするために、図3の光ファ
イバ干渉型センサにおいて光源1にレーザダイオードを
使用し、かつレーザ光は直流変調されているものとし、
分岐結合素子2には分岐結合効率が等しい3dB光カプ
ラを使用しているものとする。
【0065】レーザダイオード1からの光は3dBカプ
ラ2を通過して時計周りの光Aと反時計周りの光Bとに
ほぼ同じパワーで伝搬する。それぞれの2つの光A,B
は3dBカプラ3で再度結合され、光A,Bが同時にフ
ォトダイオード5で検出される。そして、2つの光によ
る干渉の結果が光の検出電流として現れる。
【0066】光A、光Bは同一の光源の光から分岐され
て同一のループ状光ファイバ3内を伝搬してくるので、
同時刻に光源から放出された光は同時刻にカプラ2に達
して結合し、途中で位相変位がなければ同一位相で干渉
する。加振点Pにおいて加振器6により光ファイバ3に
振動を加えると、光ファイバ3が局所的に伸縮して、伝
搬する光信号の位相に振動と同一周期の変動をもたら
す。
【0067】図4(b)において、φ(t)は、加振器6
による加振点Pでのファイバ3中を伝搬する光の電界に
加わる位相変位量である。ある時刻に光源であるレーザ
ダイオード1から放出された光がそれぞれファイバ3中
を伝搬して加振点Pにおいて光Aの電界が位相変位を受
けた時刻をtaとする。また、同じ時刻に光源1から放
出され分岐された光Bの電界は、加振点Pまでの光路長
が光Aより長いために、加振点Pには光Aより時間的に
遅れて到着する。その遅れて到着した光Bが位相変位を
受けた時刻tbとする。したがって、その時の光Aの電
界が受けた位相変位φ(ta)と光Bの電界が受けた位相変
位φ(tb)は、光路差による到達時間差により同じではな
くなってしまう。なお、加振点Pの挿入位置によりta
とtbの時間差は変化する。また、その時間差により位
相変位の差にも変化が生じる。
【0068】光A,Bの電界が加振点Pを通過してある
位相変位を受け、3dBカプラ2で再び重ね合わされ、
フォトダイオード5に入射される直前の光A,Bの電界
の位相変位波形φAとφBは図5(a)のようになる。
【0069】いま光Aに加振点Pで加えられた位相変位
をφ(ta)、光Bの位相変位をφ(tb)とする。また光の角
周波数をωo、カプラ2により分岐された光A,Bの電
界の振幅をそれぞれA,Bとし、ループ状光ファイバ3
の光路長は光Aの時計周り方向、光Bの反時計周り方向
とも同じで、また偏波の影響は計算を簡単にするため無
視することとする。
【0070】このとき、フォトダイオード5の受光面で
加振(位相変位)の影響を受けた光Aの電界は次の数1
式となる。
【0071】
【数1】 また、光カプラ2においては、結合光(クロスポート
側)は透過光(スルーポート側)に対して位相がπ/2
遅れ、光Bは光カプラ2の結合ポートを2回通過するた
め、光Bの電界は次の数2式となる。
【0072】
【数2】 そして、フォトダイオード5には、数1,2式の電界が
重なって入力され、受光された光電流はパワーに比例す
るので、出力電流をIとすると、数3式のように表わさ
れる。
【0073】
【数3】 この数3式を展開整理し、フォトダイオード5の検出で
きない光の角速度の項を無視すると、出力電流Iは次の
数4式となる。
【0074】
【数4】 数4式より、光電流に再生される信号には、|φ(ta)−
φ(tb)+π|の変化が現れることになり、元の加振点P
での位相変位φ(t)、すなわち加振点Pでの振動の振幅
変位に対応する変化が現れることになる。
【0075】ここで、加振点Pがループ状光ファイバ3
のちょうど中点である場合、φ(ta)=φ(tb)となり差分
が0になると、数4式の値は定数となって信号の変化が
現れない。また中点近傍で|φ(ta)−φ(tb)+π|の再生
信号レベルがノイズレベルより小さい時には、再生信号
を検出することができない。したがって、再生信号が十
分に検出できるレベルを確保するには、|φ(ta)−φ(t
b)+π|を十分大きくする必要がある。そこで、図6に
示したように、ループ状光ファイバ3の中点に、装置の
諸元によって決まる適当な長さの光ファイバのドラムで
構成した光遅延素子7を挿入することによって、時間差
ta−tbを十分に確保して信号の再生が可能になる。
【0076】なお、上記の各実施の形態では分岐結合素
子2に対する光入力を発光素子1によって行い、また分
岐結合素子2からの光出力を受光素子5によって光電変
換し、その電気信号を利用する構成にした。しかしなが
ら、これらの発光素子1と駆動回路10、また受光素子
5と増幅回路11などは信号処理装置側に組み込む図7
に示した構成にして、センサ側には分岐結合素子2に対
して光信号を入力し、またそれから光信号を取り出すた
めの入力端子8と出力端子9だけを設け、別途に発光素
子と駆動回路、また受光素子と増幅回路を含む信号処理
装置をこれらの入力端子8と出力端子9に接続するよう
にしてもよい。
【0077】
【実施例】長さ10kmの波長1.3μm用の単一モー
ド光ファイバ(SMF)をループ状にして、その両端を
光カプラに接続し、光カプラの反対側に1.3μmの半
導体レーザ光源とPID受光素子を接続して光ファイバ
干渉型センサを構成した。
【0078】半導体レーザにはCW発振回路を接続し、
直流信号でレーザをCW発振させた。PID受光素子に
は、増幅回路を接続して、その出力をオシロスコープで
観測した。
【0079】加振器には、10kHzの振動発生器の出
力に小型スピーカを接続したものを使用して、光ファイ
バの一部の上に小型スピーカを置いた。振動発生器にて
10kHzの振動信号を発生させると、増幅回路の出力
から10kHzの信号が、ほぼ歪み無しに観測された。
【0080】続いて、光ファイバ干渉型振動センサを構
成するのに最も有効な構成はどうなるのか、種々の実験
を試みた。以下、その実験結果を説明する。
【0081】<実験1> 基本実験系は図8に示したものである。長さが共に20
kmの2本の光ファイバ21,22の一方の端部にマス
ターユニット23を光コネクタ24によって接続し、2
本の光ファイバ21,22それぞれの他方の端部に2m
の補助光ファイバ25,26を接続した。そして片側の
補助光ファイバ26の一部を曲げて、その曲げ部分27
にローカルユニット28を取り付けた。さらに、補助光
ファイバ25,26の反対側の端部間には2kmの光遅
延素子29を接続した。
【0082】光ファイバはすべてSMF(単一モードフ
ァイバ)を使用し、光コネクタ24等にはすべてFCコ
ネクタを使用した。
【0083】マスターユニット23には、図3及び図6
に示した発光素子1としての1.55μm波長のDFB
レーザダイオード(Distributed Feedback Laser Diod
e)、駆動回路10として20kHzのパルス変調を行
うパルス回路、受光素子5としてのフォトダイオード、
分岐結合素子2、そしてこの受光素子5の出力する電気
信号を増幅する増幅回路11を含み、さらに、発光素子
1のレーザ光に音声からマイクによって変換したを電気
信号を重畳するためのマイク端子30、増幅回路11か
らの信号を音声信号に変換するイヤホンを接続するため
のイヤホン端子31を備えている。
【0084】またローカルユニット28には、補助光フ
ァイバ26の曲げ部分27から漏洩する光信号を受光す
る受光素子(図示せず)、この受光素子の電気出力信号
を音声信号に変換するイヤホンを接続するためのイヤホ
ン端子32、曲げ部分27に対して音声信号をマイクに
よって変換した電気信号を入力して振動を生起させるマ
イク端子33を備えている。
【0085】測定は、ローカルユニット28のマイク端
子33に信号を入力し、マスターユニット23のイヤホ
ン端子31からの出力をスペクトラムアナライザを使用
して行った。ローカルユニット28における入力信号
は、1kHz,40mVRMSサイン波である。
【0086】比較例として、発光素子1には同じ1.5
5DFBレーザダイオードを用い、駆動回路10にCW
発振回路を用いてレーザダイオードを連続発光させ、同
じ実験を行った。
【0087】実験結果では、20kHzパルス光を用い
た実施例の場合、連続発光を用いた比較例よりもS/N
比が約30dB優れたものであった。
【0088】<実験2> 光源には20kHzパルス光を用いるのが有利であるこ
とが分かったので、次に、同じ20kHzのパルス光に
して、その光源の種類を変えて再生信号のスペクトル波
形を測定した。ローカルユニット28における入力信号
は、1kHz,40mVRMSサイン波である。
【0089】比較したのは、実験1において有効と分か
った1.55DFBレーザダイオードを光源に用いたも
のと、比較例として、1.55ファブリペローレーザダ
イオード、1.55SLD、そして1.55帯のASE
(光アンプからのブロードな光出力をいう)をそれぞれ
光源に用いたもので測定した。
【0090】これにより、コヒーレントの高いDFBレ
ーザダイオードが最適であることが分かった。しかしな
がら、他の種類の光源でも用途によっては使用可能であ
ることも分かった。
【0091】<実験3> 光遅延素子29にどれくらいの長さのものを使用するの
が有効かを実験した。図8に示した実験系で、発光素子
にはDFBレーザダイオードを用い、20kHzパルス
光により、光遅延素子29の長さを、1km,2km,
3km,4kmと変えて実験した。ローカルユニット2
8における入力信号は、1kHz,40mVRMSサイ
ン波である。
【0092】この実験結果から、2km程度の長さで最
も良好な結果が得られた。
【0093】以上の実験1〜実験3の結果から、光ファ
イバ干渉型センサとして、 ・発光素子にはDFBレーザダイオードを用い、 ・発光方式にはパルス光を用い、 ・光遅延素子の長さは2km程度 とする構成が、上記の実験系ではローカルユニット28
に加える音声信号をマスターユニット23で再生するの
に最も有効であることが分かった。
【0094】<実験4> また、図9に示した実験系により、光遅延素子29を用
いないで、ループ状光ファイバ35に対して、A方向、
B方向の光路差を20km,40kmに設定して、ロー
カルユニット28に加える音声信号をマスターユニット
23で再生する特性がどのように変化するかを確かめ
た。なお、この図9の実験系では、図8に示した各要素
と共通する要素には同一の符号を付して示してある。
【0095】この実験から、光路差が大きいほど再生さ
れる信号が大きくなることが確かめられた。したがっ
て、ローカルユニット28の設置場所をできるだけ光路
差がでる位置に設定するのが好ましいことが確かめられ
た。
【0096】なお、上記では振動センサとして加振点に
加えられた振動を再生するセンサについて説明した。こ
の装置によって振動の忠実な再生ができることから、こ
の技術を応用して、加振点に音声信号を電気信号に変換
して注入し、光送受信部でこれを音声信号に再生するよ
うにし、また逆に光送受信部で音声信号を電気信号に変
換して光信号に注入し、これを加振点で再生するように
すれば、無切断の双方向の通話装置として利用すること
が可能となる。
【0097】また、以上の実施の形態において、分岐結
合素子に光ファイバカプラ、光導波路カプラなどの光カ
プラを使用したが、ハーフミラーを使用した他の分岐結
合素子を使用することもできる。また、単一モード光フ
ァイバを使用したが、振動が低周波で光ファイバが短尺
の場合には、多モード光ファイバを使用することもでき
る。また、光源にレーザ光源を使用したが、光ファイバ
が短尺で、振動が低周波の場合はLEDなどの他の光源
も使用できる。また、本センサを光ファイバに外部から
加わる振動のセンサとしたが、例えば衝撃などの振動以
外に光ファイバに外部から加えられて伝搬光の位相変位
をもたらすような物理量のセンサとしても使用すること
ができる。また、光ファイバループ全体を物理量検知用
のセンシング部とすることができる。さらに、光ファイ
バループは1重に限らず、多重ループにすることによ
り、より感度を向上させることができる。またさらに、
センシング部に、物理量を伝搬光の位相変位に効率よく
変換するような変換素子(電界、磁界などの電気光学セ
ンサ、圧力などの物理光学センサなど)を用いることも
できる。
【0098】次に、本発明の光ファイバケーブル対照器
の実施の形態を説明する。ケーブル対照作業では、マン
ホールなどの作業現場に布設されている多数本のケーブ
ルの中から目的とする光ファイバケーブルを探索する。
その作業では、例えば、電話局や中継局において撤去、
交換を決定したケーブルを光送受信機器から切り離して
作業を開始し、順繰りにある地点から次の地点まで撤去
作業を進めるので、目的とするケーブルの両端は特定さ
れている。しかしながら、中間点では多数のケーブルが
布設されているために、対照ケーブルを直ちに特定する
ことができない。そこで、図10に示す光ファイバケー
ブル対照器を用いて多数本のケーブルの中から目的とす
る光ファイバケーブルを対照する。
【0099】図10に示したケーブル対照器の一つの実
施の形態において、光ファイバケーブル対照器101
は、対照ケーブル103の一端において対照ケーブル1
03内の任意の2本の光ファイバ105,106に接続
する光送受信検出部により構成されている。途中点(ケ
ーブル対照作業を行なう地点)において、振動加振器1
02により多数のケーブルそれぞれに順に振動を加振さ
れ、対照ケーブル103の他端104においては、その
中の任意の光ファイバ105,106の他端同士が光コ
ネクタ107により接続されている。
【0100】この光ファイバケーブル対照器101は、
対照ケーブル103の一端において、2本の光ファイバ
105,106に端部から光信号を入射させ、同じ光フ
ァイバ105,106から戻ってくる伝搬光を受信して
所定の加振信号をその伝搬光から検出することができる
か否かにより、加振器102で加振している光ファイバ
ケーブルが目的とする対照ケーブル103であるかどう
かを判定する。この光ファイバケーブル対照器101
は、主要要素としてレーザ光を発光する発光素子11
1、分岐結合素子112及び受光素子113を備えてい
る。
【0101】このような構成の光ファイバケーブル対照
器101を用いるケーブル対照作業に際しては、対照ケ
ーブル103の一端の対照ケーブル内の2本の光ファイ
バ105,106に光送受信検出部101を接続し、他
端において対照ケーブル内の2本の光ファイバ105,
106を接続し、そして途中点において多数本のケーブ
ルそれぞれに順に加振器102で加振していく。いま、
加振器102が加振している光ファイバケーブルが対照
ケーブル103であれば、次のようにしてそれが対照ケ
ーブルであると判定することができる。
【0102】光ファイバケーブル対照器101の発光素
子111からの光信号を、分岐結合素子112を通して
2本の光ファイバ105,106それぞれの端部から時
計回り方向A、反時計回り方向Bに入射させる。
【0103】方向A及び方向Bからループ状に結合され
た光ファイバ105,106をそれぞれ通って戻ってく
る伝搬光は、振動加振器102によって光ファイバケー
ブルに振動が加振されていない限り、一定の干渉を起こ
す。そこに振動加振器102によって振動が印加される
と光の干渉現象に変化が生じる。この変化は受光素子1
13からの信号を観測することによって検出することが
できる。受光素子113が受光し、光電変換した後の電
気信号はオシロスコープによって波形観測することによ
って確認することができ、あるいはその電気信号を増幅
してスピーカで音声にして出力させてそれを聞いたり、
スペクトラルアナライザにかけて分析することによって
確認することもできる。
【0104】したがって、多数本のケーブルそれぞれの
途中点に順に振動加振器102によって振動が加えてゆ
き、光ファイバケーブル対照器101で干渉現象に変化
を示すケーブルがあれば、それが対照ケーブル103で
あると判断することができるのである。
【0105】光ファイバケーブル対照器101のさらに
詳しい構成は、図11に示してある。光コネクタ115
A,115Bは、ケーブル対照する2本の光ファイバに
それぞれ接続される。アイソレータ116は、光の方向
性結合器であって、発光素子(これには、発光ダイオー
ド又はレーザダイオードが用いられる)111からの光
を分岐結合素子112に入力すると共に、分岐結合素子
112から発光素子111への光の入力を阻止する。発
光パワー安定化回路117は発光素子111をパルスさ
せると共にそのパルス発光出力を一定に保ち、変調回路
119は発振器118の発振周波数により光パルスをF
M変調する。なお、用途によっては発光素子111を直
流発振させてもよく、その場合には変調回路119は不
要である。
【0106】分岐結合素子112は、アイソレータ11
6から入力される光を分岐して光コネクタ115A,1
15Bに出力し、また光コネクタ115A,115Bか
ら入力される光を結合して受光素子113へ出力する。
受光素子113は、分岐結合素子112から出力される
光を受けて光電変換して増幅回路119に出力し、増幅
回路119はその入力を増幅する。
【0107】増幅回路119の増幅出力は、スピーカ1
20又はイヤホン121に出力して音声信号に変換し、
作業者に音声にして聞かせる。増幅回路119の出力は
また、出力端子122に出力され、ここに接続されるオ
シロスコープ123によって波形観測することもでき
る。
【0108】なお、振動加振器102を対照ケーブル1
03の端部104の近くに設置する場合、光信号を伝搬
させる2本の光ファイバ105,106が結合されたル
ープ状光ファイバの中点近くに加振点が設定されるた
め、A方向、B方向の伝搬光の光路長がほぼ等しくな
り、両光による干渉現象の変化が小さくなることがあ
る。
【0109】そこで、図12に示したように、図10に
おける光コネクタ107の部分に光遅延素子108を挿
入して両方の光ファイバ105,106を接続すること
により、A方向、B方向の伝搬光の光路長に大きな差を
持たせるようにする。これにより、ケーブル対照の精度
を高めることができる。
【0110】また、光ファイバケーブル対照器101の
構成は、図13に示す単純なものであってもよい。この
光ファイバケーブル対照器101は、図11に示した装
置と同様の作用をする分岐結合素子112、そして2本
の光ファイバの端部に接続するための光コネクタ115
A,115Bを備え、また反対端には光入力端子141
と光出力端子142を備えた構造である。
【0111】この光ファイバケーブル対照器101が採
用される場合、ケーブル対照作業では、光入力端子14
1に対して、別部品である外部の発振器143によって
駆動される光源(これには、レーザダイオード、LED
ダイオードを用いる)144が接続され、その光源14
4からの光が入力される。
【0112】そして、光出力端子142に対して、光オ
シロスコープ145が接続される。この光オシロスコー
プ145は伝搬光の干渉波形を直接に表示する。あるい
は、光出力端子142に対してそこから出力される光信
号を電気信号に変換するO/Eコンバータ146が接続
され、このO/Eコンバータ146にオシロスコープ1
47が接続される。オシロスコープ147は電気信号に
変換された後の干渉波形を表示する。
【0113】このような構造の光ファイバケーブル対照
器101を採用する場合にも、図10及び図11に示し
た光ファイバケーブル対照器と同様にケーブル対照がで
きる。
【0114】なお、上記の光ファイバケーブル対照器
で、ループ状光ファイバを形成するためにそれぞれの一
端同士を接続する2本の光ファイバ105,106を選
択するのに、対照ケーブル103内の2本ではなく、そ
のうちの1本については、同じルートの別のケーブルに
収容されているものを選択したり、さらには、別ルート
のケーブルに収容されているものを選択することもでき
る。
【0115】次に、本発明の光ファイバ心線対照器の実
施の形態を説明する。図14は、光ファイバー心線対照
器の基本的構成を示している。
【0116】本発明の光ファイバ心線対照器では、ま
ず、光ファイバケーブルの中の光ファイバ心線を特定す
るために心線対照を行い、必要ならばこの特定された光
ファイバ心線を用いて後述する光ファイバ通話装置によ
って通話を行う。
【0117】光送受信ユニット201は、主要要素とし
てレーザ光を発光する発光素子211、分岐結合素子2
12及び受光素子213を備えている。
【0118】ローカルユニット203は、心線対照のみ
の場合、図10に示した光ファイバケーブル対照器10
1と共に用いた振動加振器102と同一である。
【0119】光送受信ユニット201は、特定の2本の
対照光ファイバ心線202A及び202Bそれぞれの一
端に接続され、対照光ファイバ心線202A,202B
は、光送受信ユニット201に接続されない他方の端部
が光コネクタ204によって接続されてループ状になっ
ている。
【0120】このループ状になった光ファイバ202
A,202Bを方向A、方向Bに通ってきた光は、ロー
カルユニット203において振動を加振されない限り、
一定の光の干渉を生じている。そこにローカルユニット
203の加振器によって振動が加振されると、光の干渉
現象に変化が生じ、その変化が光送受信ユニット201
から出力される信号に現れる。
【0121】そこで一人の作業者が光ファイバケーブル
202中多数の光ファイバ心線に順にローカルユニット
203を当てて加振しながら、もう一人の作業者が光送
受信ユニット201からの信号をスピーカで聞いたり、
オシロスコープなどで波形観測することによって、対照
光ファイバ心線であるかどうか判定することができる。
【0122】ローカルユニット203において光ファイ
バ心線202Aに加振する場合、加振点から方向A、方
向Bの光伝搬距離の差がほぼ0である場合、すなわち、
光送受信ユニット201から等距離に位置にて加振する
場合、時計回り伝搬光(方向B)と反時計回り伝搬光
(方向A)との位相差がほぼ0となって、干渉光には振
動信号による位相変化がもたらされず、振動の検出が不
能となる。そのような場合には、図15に示したよう
に、2本の光ファイバ202A,202Bの接続部分に
光コネクタ204に代えて、光遅延素子205を挿入す
る。この光遅延素子205には、装置の大きさにもよる
が、例えば、2km程度の長さの光ファイバコイルを採
用することができる。
【0123】光送受信ユニット201のさらに詳しい構
成は、図16に示してある。光コネクタ215A,21
5Bは、心線対照する2本の光ファイバにそれぞれ接続
される。光入力端子216には、発振器220にて変調
された光源(例えば、レーザダイオード)221からの
光が入力される。分岐結合素子212から出力される光
は光出力端子217から出力される。
【0124】分岐結合素子212は、光コネクタ215
A,215B及び光入力端子216から入力される光を
結合し、光コネクタ215A,215B及び光出力端子
217へ出力される光を分岐する。光コネクタ215
A,215B、光入力端子216、光出力端子217、
分岐結合素子212は一体に構成されている。
【0125】光出力端子217から出力される光は、光
オシロスコープ222により波形表示させて干渉光の波
形を直接確認できるようにする。光出力端子217から
出力される光はまたO/Eコンバータ223によって光
電変換し、その電気出力をオシロスコープ224にかけ
ることによって波形観測するようにもできる。
【0126】次に、本発明の光ファイバ心線対照器に光
ファイバ通話装置を組み合わせた実施の形態を説明す
る。基本的な構造は図14又は図15に示したものと同
じである。
【0127】そして、光送受信ユニット201の具体的
な構成は、図17に示すものであり、また、ローカルユ
ニット203の基本構造は図18に示してある。ローカ
ルユニット203はケーブル202中の光ファイバ心線
の一部に曲げを付与し、その曲げ部分300から漏洩す
る光信号を受光する受光素子301、また、光ファイバ
心線に振動を加える加振器302を備えている。
【0128】まず光送受信ユニット201について説明
する。光コネクタ215A,215Bは、2本の光ファ
イバ202A,202Bそれぞれに接続される。送信回
路側のアイソレータ216は、発光素子211からの光
を分岐結合素子212に入力すると共に、分岐結合素子
212から発光素子211への光の入力を阻止する。発
光素子211はレーザダイオードであり、発光パワー安
定化回路217によって駆動され、所定周期の一定出力
のパルス光を発光する。発光パワー安定化回路217に
は、構成が簡単なパルスFM回路を採用することができ
る。
【0129】変調回路219は、マイク220から入力
され、増幅回路221で増幅された音声信号により発光
パワー安定化回路217によるパルス信号をFM変調
し、発光素子211の光パルス信号に音声信号によるF
M変調をかける。
【0130】光送受信ユニット201における受信回路
側の受光素子213はフォトダイオードである。この受
光素子213は、分岐結合素子212で合波されたA方
向、B方向の伝搬光を光電変換する。増幅回路222は
受光素子213からの信号出力を増幅し、さらに復調回
路223はその増幅された信号をAM復調して音声帯域
の信号のみを取り出し、これをイヤホン224から出力
させる。このイヤホン224に代えてスピーカ225か
ら出力させる構成でもよい。
【0131】図18に示した基本的構成のローカルユニ
ット203の具体的な回路構成を図19に示してある。
図19に示すローカルユニット203において、受信回
路側は、曲げ付与部303によって光ファイバ202A
に曲げ部分300を形成する。そしてこの曲げ部分30
0から漏洩する光を受光素子301によって受光して光
電変換する。増幅回路304は受光素子301の出力す
る電気信号を増幅し、復調回路305に出力する。復調
回路305はFM復調回路で構成され、光送受信ユニッ
ト201側からの光パルス信号をFM復調して元の音声
信号を取り出し、これを増幅回路306で増幅させた後
にイヤホン307から音声にして出力させる。ここでも
イヤホン307に代えてスピーカ308を採用すること
ができる。
【0132】ローカルユニット203において、加振器
302にはオーディオスピーカを使用し、このスピーカ
のコーン紙の振動を直接に光ファイバ心線202Aに与
えて振動させる構成である。そのため、送信回路側は、
マイク311と加振駆動回路312だけである。
【0133】この実施の形態の光ファイバ心線対照器及
び光ファイバ通話装置を用いた光ファイバ心線対照の方
法を次に説明する。
【0134】まず光ファイバ心線対照に際しては、図1
4又は図15に示すように、対照する光ファイバ心線2
02A,202Bの一端を光コネクタ204により、又
は光遅延素子205によって接続してループ状光ファイ
バを形成しておく。そして、ローカルユニット203を
対照作業地点に設置し、ケーブル内の任意の光ファイバ
に加振器302を取り付け、また曲げ付与部303によ
って曲げ部分300を形成する。
【0135】一方、光送受信ユニット201側では、光
コネクタ215A,215Bをそれぞれ心線対照する光
ファイバ202A,202Bに接続する。
【0136】そして、光送受信ユニット201側におい
て、発光パワー安定化回路217により発光素子211
を駆動して一定出力のパルスレーザ光を発光させ、分岐
結合素子212を経て、ループ状光ファイバの開放端そ
れぞれに入射させ、光信号をループ状になった光ファイ
バ202A,202Bに時計回りのB方向、反時計回り
のA方向に伝搬させる。一方、対照作業地点では、ロー
カルユニット203により、そのマイク311を用いて
所定周期の音信号、例えば、1kHzのサイン波を入力
し、加振器302によってケーブル内の多数の光ファイ
バ心線を順に加振する。
【0137】この状態で、光送受信ユニット201側で
は、時計回り伝搬光、反時計回り伝搬光を分岐結合素子
212によって合波し、受光素子213によって干渉光
を受光して光電変換し、さらに増幅回路222で電気信
号を増幅して復調回路223に通す。
【0138】ローカルユニット203側で加振器302
によって光ファイバに加振される振動信号は1kHzの
可聴音域の信号である。したがって、受光素子213か
ら出力される電気信号にはこの振動信号が含まれていれ
ば、復調回路223から出力される信号はこの可聴音域
の振動信号を復調する。この結果、イヤホン224から
出力される音を聞くことにより、対照光ファイバ心線で
あるかどうか判断することができる。
【0139】なお、この光ファイバ心線の対照は、実験
3の条件下で行うのが有効である。
【0140】心線対照作業が完了し、目的とする光ファ
イバ心線が決定されれば、その光ファイバ心線(ここで
は、光ファイバ心線202A,202Bがそのようなも
のとしている)を通じて、光送受信ユニット201−ロ
ーカルユニット203間での通話を行うことが可能であ
る。この光ファイバを利用した通話は次のようにして行
う。
【0141】それぞれのユニット201,203におい
て発話にはマイク220,311それぞれを用い、受話
にはイヤホン224,307(あるいはスピーカ22
5,308)それぞれを用いる。
【0142】<光送受信ユニット201からローカルユ
ニット203への送信> マイク220によって発話すれば、増幅回路221が音
声信号を増幅し、変調回路219が発光パワー安定化回
路217のパルス駆動信号に対してFM変調をかけ、こ
のFM変調後のパルス駆動信号によって発光素子211
をパルス発光させ、FM変調された光パルス信号にして
光ファイバ心線202A,202Bに送込まれる。ここ
で、これらの光ファイバ心線202A,202Bはルー
プを形成しているので、FM変調された光パルス信号が
戻ってくるが、送受信ユニット201内にはFM変調波
の復調回路が備えられていないので、自分の発した音声
信号が自ユニット側で再生されることはない。
【0143】FM変調を受けた光パルス信号がローカル
ユニット203に達すると、ここでは、曲げ部分300
において漏洩し、受光素子301により受光される。受
光素子301で受光された光信号は光電変換されて増幅
回路304に入力され、増幅された後に復調回路305
に入力される。
【0144】受光素子301の出力する電気信号は光パ
ルス信号であり、これはFM変調された信号である。し
たがって、復調回路305によってFM復調すれば、取
り出される信号は送られてきた音声信号であり、これが
増幅された後にイヤホン307から音になって出力され
る。作業者はその音によって光送受信ユニット201側
から送られてきた音声を聞き分けることができる。
【0145】<ローカルユニット203から光送受信ユ
ニット201への送信> 光送受信ユニット201からはFM変調を受けていない
通常の光パルス信号が常時、光ファイバ心線202A,
202B中を時計回り、反時計回りに伝搬している。こ
の状態で、マイク311によって発話する。
【0146】発せられた音声はマイク311によって電
気信号に変換されて加振駆動回路312に入力され、こ
こで増幅された後、コーン紙で成る加振器302を振動
させる。この結果、光ファイバ心線202Aには音声信
号に対応した振動が加振される。
【0147】光ファイバ心線202Aが加振されること
により、光ファイバ心線対照作業の場合と同様に、その
中を伝搬する時計回りの伝搬光と反時計回りの伝搬光と
の間で振動に対応して位相差に変化が現れる。したがっ
て、光送受信ユニット201の分岐結合素子212で合
波されて干渉光となり、さらに受光素子213によって
光電変換されて出力される電気信号にはローカルユニッ
ト203で加振された振動に対応した強度変化を示す信
号が含まれることになる。
【0148】そこで、増幅回路222によって増幅さ
れ、復調回路223によってAM復調された後、イヤホ
ン224から出力される信号は、ローカルユニット20
3側で入力された音声である。したがって、作業者はそ
の音によってローカルユニット203側から送られてき
た音声を聞き分けることができる。
【0149】こうして、この光ファイバ心線対照器で
は、心線対照した光ファイバ心線を利用して、同じ装置
のまま、光ファイバを利用した無切断通話装置としても
使用できるのである。
【0150】なお、本実施の形態の光ファイバ心線対照
器では、ローカルユニット203側に光遅延素子205
を接続しない場合、図17において破線で描かれている
ように、分岐結合素子212から一方の光コネクタ21
5Aに通じる光路上に同様の光遅延素子230を介在さ
せることができる。
【0151】次に、本発明の光ファイバ心線対照器及び
光ファイバ通話装置の他の実施の形態を説明する。図2
0及び図21は本発明の光ファイバー心線対照器及び光
ァイバ通話装置の他の実施の形態を示している。この実
施の形態の特徴は、図17及び図19に示した実施の形
態の装置に対して、さらに、光送受信ユニット201
2、ローカルユニット203それぞれにおいて相手方を
呼出すための呼出し機能を付加したことを特徴としてい
る。
【0152】図20に示すように、光送受信ユニット2
01内の送信回路側には、呼出信号発生回路231、呼
出スイッチ(SW)232が付加され、この呼出信号発
生回路231の出力が増幅回路221に入力される。送
受信ユニット201内の受信回路側には、呼出信号検知
回路233、ブザー234が付加され、復調回路223
の出力が呼出信号検知回路233にも入力され、その呼
出信号検知出力によってブザー234が駆動される。な
お、この呼出信号検知出力をスピーカ225に入力する
ようにしてもよい。
【0153】さらに上記の送信回路側には、心線対照用
信号発生回路241と対照スイッチ(SW)242が付
加され、心線対照用信号発生回路241の出力が発光素
子211の発光パワー安定化回路217に入力される。
その他の構成要素は、図17に示した装置と共通であ
る。
【0154】図21に示すように、ローカルユニット2
03内の受信回路側には、呼出信号検知回路321とブ
ザー322が付加され、増幅回路306の出力がこの呼
出信号検知回路321に入力され、その呼出信号検知出
力によってブザー322が駆動される。ローカルユニッ
ト203内の送信回路側には、呼出信号発生回路323
と呼出スイッチ(SW)324が付加され、この呼出信
号発生回路323の出力が加振駆動回路312に入力さ
れ、ここで増幅されて振動信号となり、加振器302を
加振する。さらに、上記の受信回路側には、対照用信号
検知回路325が付加され、前段の増幅回路304の出
力が入力され、その対照用信号検知出力によってブザー
322が駆動される。その他の構成要素は、図19に示
した装置と共通である。
【0155】この実施の形態の光ファイバ心線対照装置
及び光ファイバ通話装置では、光ファイバ通話に用いる
光ファイバ心線を特定するために、まず心線対照を行
う。心線対照を行う場合、光送受信ユニット201の対
照スイッチ224を操作して心線対照用信号発生回路2
41から変調信号(270Hzの矩形波)を出力し、発
光パワー安定化回路217から出るパルス駆動信号にA
M変調をかけ、この変調後のパルス駆動信号によって発
光素子211を駆動して発光させ、光ファイバ202
A,202B内に送り出す。
【0156】ローカルユニット203では、光ファイバ
202Aの曲げ部分300から漏洩する伝搬光を受光素
子301が受光して光電変換し、変換後の電気信号を前
段の増幅回路304で増幅させる。この増幅回路304
の出力は復調回路305と対照信号検知回路325とに
共に入力されるが、復調回路305ではFM信号のみを
復調するので、対照信号であるAM信号に対しては反応
しない。しかしながら、対照信号検知回路325が増幅
された270HzのAM信号を検知して復調し、これに
よってブザー322を鳴動させる。したがって、ローカ
ルユニット203側の作業者は、このブザー322の鳴
動音を聞いて、心線対照ができたことを確認することが
できる。
【0157】ローカルユニット203側で光ファイバ心
線の対照ができれば、以後、心線対照された光ファイバ
を使用して光送受信ユニット201とローカルユニット
203との間で光ファイバ無切断通話が可能となる。そ
こで、ローカルユニット203側から通話を開始するた
めには、作業者はローカルユニット203内の呼出スイ
ッチ324を操作する。これによって、呼出信号発生回
路323が所定周波数の呼出信号を発生し、これによっ
て加振器302が光ファイバ202Aを加振し、上述し
たマイク311による加振の場合と同様に光ファイバ2
02A,202B内を伝搬する光の位相差に変化を起こ
させる。
【0158】光送受信ユニット201では、受光素子2
13で受光され、さらに復調回路223によってAM復
調された音声帯域の電気信号に対して、呼出信号検知回
路233が呼出信号を検出すれば、ブザー234(又は
スピーカ225)を鳴動させて作業者に、ローカルユニ
ット203側から通話呼出があったことを知らせる。
【0159】以降は、図17及び図19に示した光ファ
イバ通話装置と同様の方法で、光送受信ユニット201
とローカルユニット203との間で光ファイバ202
A,202Bを利用した無切断通話が行われる。
【0160】逆に、光送受信ユニット201側からロー
カルユニット203側を呼出す動作は、次の通りであ
る。光送受信ユニット201側に備えられている呼出ス
イッチ232を操作すれば、呼出信号発生回路231が
所定周波数の呼出信号を増幅回路221に出力し、さら
に変調回路219で発光素子211に対するパルス駆動
信号をFM変調し、これによって発光素子211に呼出
信号によるFM変調された光パルス信号を発光させ、光
ファイバ202A,202Bを通じてローカルユニット
203側に送り出す。
【0161】ローカルユニット203側では、光ファイ
バ202Aの曲げ部分300から漏洩する伝搬光を受光
素子301が受光して光電変換し、変換後の電気信号を
前段の増幅回路304で増幅させる。この増幅回路30
4の出力は復調回路305と対照信号検知回路325と
に共に入力される。こんどはFM信号なので、対照信号
検知回路325側は反応しないが、復調回路305では
そのFM信号を復調すし、増幅回路306で増幅され
る。復調後の呼出信号は呼出信号検知回路321によっ
て検出され、これによってブザー322を鳴動させる。
したがって、ローカルユニット203側の作業者は、こ
のブザー322の鳴動音を聞いて、光送受信ユニット2
01側から通話呼出がきたことを確認することができ
る。
【0162】この場合も、以降は、図17及び図19に
示した光ファイバ通話装置と同様の方法で、光送受信ユ
ニット201とローカルユニット203との間で光ファ
イバ202A,202Bを利用した無切断通話が行われ
る。
【0163】なお、ローカルユニット203側に光パワ
ーメータの機能を付加すれば、無切断通話、心線対照、
光パワー測定などの光工事の測定に必要な機能を一つの
装置で行うことができる。その結果、光工事の際にロー
カルユニットとして携行設置する装置が一つで済み、便
利である。
【0164】また、以上の実施の形態においては、2本
の光ファイバの内、1心の光ファイバのみにローカルユ
ニットを取り付けているが、2本の両方にローカルユニ
ットを取り付けてもよい。これは例えば、テープ心線等
のように2本の光ファイバが同一のテープ心線内にあっ
て、2心を切り離せず、その結果、振動や曲げが2心同
時に生ずるような場合にも本発明を適用できる。
【0165】さらにまた、本発明の光ファイバケーブル
対照器又は光ファイバ心線対照器においては、ループを
構成する2本の光ファイバは、単一モードファイバ(S
MF)が望ましいが、ケーブルが短尺の場合や検出器の
S/Nが向上できる場合には、多モード光ファイバを使
用してもよい。発光素子はレーザダイオードが望ましい
が、光ファイバが多モード光ファイバのような場合に
は、LEDも使用できる。ケーブルが非常に長尺であっ
たり、検出器のS/Nが問題となるような場合には、特
に干渉性の高いDFBレーザを使用することが望まし
い。
【0166】2本の光ファイバは、別々のケーブル、さ
らには別ルートのケーブルに収納されたファイバであっ
てもよい。
【0167】さらにコネクタ107の代わりに光ファイ
バ端部同士を融着接続してもよく、またV溝接続等の他
の接続をしてもよい。また、振動加振器を使用せずに、
中間点において作業者が光ケーブル又は光ファイバ心線
をたたいたりして軽い衝撃等の物理的変化を加えてもよ
い。これにより位相変位が生じて、光送受信検出部で
は、スピーカからこの衝撃音等を聞いたり、オシロスコ
ープで観測したりすることができ、光ケーブル対照又は
光ファイバ心線対照ができる。
【0168】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明の光ファイ
バ干渉型センサによれば、受光素子が出力する信号に基
づき、ループ状光ファイバ中を時計回り伝搬する光と反
時計回りに伝搬する光とに位相変化をもたらす物理的変
化が当該ループ状光ファイバの任意の場所の検出点に加
わってもそれを検出することができる。
【0169】請求項2の発明の光ファイバ干渉型信号検
出方法によれば、受光素子が出力する信号に基づき、ル
ープ状光ファイバ中を時計回り伝搬する光と反時計回り
に伝搬する光とに位相変化をもたらす物理的変化がルー
プ状光ファイバの任意の場所に局所的に作用してもそれ
を検出することができる。
【0170】請求項3の発明の光ファイバ干渉型信号検
出方法によれば、請求項2の発明の効果に加えて、ルー
プ状光ファイバ中の光伝搬経路のちょうど中間点に物理
的な変化点があっても、時計回り伝搬光と反時計回り伝
搬光との位相差を必ず生じさせ、その位相差による干渉
光の強度変化を示す信号から時計回り伝搬光と反時計回
り伝搬光とに位相変化をもたらす物理的な変化を確実に
検出することができる。
【0171】請求項4の発明の光ファイバ干渉型振動セ
ンサによれば、受光素子が出力する信号に基づき、ルー
プ状光ファイバ中を時計回り伝搬する光と反時計回りに
伝搬する光とに位相変化をもたらす物理的変化として、
このループ状光ファイバの任意の場所に局所的に加わる
振動を検出することができる。
【0172】請求項5の発明の光ファイバ振動検出方法
によれば、受光素子が出力する時計回り伝搬光と反時計
回り伝搬光との位相差による干渉光の強度変化を示す信
号に基づいてループ状光ファイバに加わる振動を検出す
ることができる。
【0173】請求項6の発明の光ファイバ振動検出方法
によれば、請求項5の効果に加えて、ループ状光ファイ
バ中の光伝搬経路のちょうど中間点に振動が加わって
も、時計回り伝搬光と反時計回り伝搬光との位相差を必
ず生じさせ、その位相差による干渉光の強度変化を示す
信号からその振動を確実に検出することができる。
【0174】請求項7及び8の発明の光ファイバケーブ
ル対照方法によれば、多数本の光ファイバケーブルの中
で中間部によって物理的な変化又は振動が加えられてい
る光ファイバケーブルの中にループ状光ファイバが通さ
れている場合には、受光素子から出力される信号がケー
ブルに加えられた物理的な変化又は振動に対応した変化
を示すので、それが対照ケーブルであると判断すること
ができ、目的とするケーブルの対照が正確にできる。
【0175】請求項9の発明の光ファイバケーブル対照
方法によれば、請求項7又は8の発明の効果に加えて、
ループ状光ファイバ中又はループ状光ファイバと光送受
信部との間に光遅延素子を挿入して、このループ状光フ
ァイバ中の光伝搬を遅延させるので、ループ状光ファイ
バ中の光伝搬経路のちょうど中間点に物理的変化又は振
動が加わっても、時計回り伝搬光と反時計回り伝搬光と
の位相差を必ず生じさせ、その位相差による干渉光の強
度変化を示す信号からその物理的変化又は振動を確実に
検出することができ、ケーブル対照を正確に行なうこと
ができる。
【0176】請求項10及び11の発明の光ファイバ心
線対照方法によれば、多数本の光ファイバ心線の中で中
間部によって物理的な変化又は振動が加えられている光
ファイバ心線を対照する場合には、受光素子から出力さ
れる信号がケーブルに加えられた物理的な変化又は振動
に対応した変化を示すので、それが対照光ファイバ心線
であると正確に判断することができる。
【0177】請求項12の発明の光ファイバ心線対照方
法は、請求項10又は11の発明の効果に加えて、ルー
プ状光ファイバ中又はループ状光ファイバと光送受信部
との間に光遅延素子を挿入して、このループ状光ファイ
バ中の光伝搬を遅延させるので、ループ状光ファイバ中
の光伝搬経路のちょうど中間点に物理的変化又は振動が
加わっても、時計回り伝搬光と反時計回り伝搬光との位
相差を必ず生じさせ、その位相差による干渉光の強度変
化を示す信号からその物理的変化又は振動を確実に検出
することができ、光ファイバ心線対照を正確に行なうこ
とができる。
【0178】請求項13の発明の光ファイバ通話方法に
よれば、心線対照したループ状光ファイバを利用して、
その開放端の作業点と他の作業点との間で作業者間の連
絡が可能となる。
【0179】請求項14の発明の光ファイバ通話方法に
よれば、請求項13の発明の効果に加えて、ループ状光
ファイバ中の光伝搬経路のちょうど中間点を他の作業点
に設定した場合でも、光遅延素子の働きによりループ状
光ファイバの開放端にある作業点では時計回り伝搬光と
反時計回り伝搬光との位相差を必ず生じさせ、その位相
差による干渉光の強度変化を示す信号から中間部で加え
られた信号を確実に検出することができ、光ファイバを
利用した通話が確実に行なえる。
【0180】請求項15の発明の光ファイバ通話方法に
よれば、光送受信部側から中間部側への信号と、その逆
の中間部側から光送受信部側への信号との変調方式が異
なるので、いずれの側においても相手側からの音声信号
を混信することなく明瞭に再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ファイバケーブル干渉型センサの1
つの実施の形態の構成を示すブロック図。
【図2】上記の実施の形態の光ファイバケーブル干渉型
センサの各部の信号波形図。
【図3】上記の実施の形態の光ファイバケーブル干渉型
センサの使用状態を示すブロック図。
【図4】上記の実施の形態の光ファイバケーブル干渉型
センサにおける加振点の振動信号及び加振により影響を
受ける時計回り伝搬光及び反時計回り伝搬光との位相変
位を示す波形図。
【図5】上記の実施の形態の光ファイバケーブル干渉型
センサにおける受光素子の出力の加振による変化を示す
波形図。
【図6】本発明の光ファイバケーブル干渉型センサのさ
らに別の実施の形態の構成を示すブロック図。
【図7】本発明の光ファイバケーブル干渉型センサのさ
らに別の実施の形態の構成を示すブロック図。
【図8】本発明の光ファイバケーブル干渉型センサの1
つの実験モデルを示すブロック図。
【図9】本発明の光ファイバケーブル干渉型センサの別
の実験モデルを示すブロック図。
【図10】本発明の光ファイバケーブル対照器の一つの
実施の形態の構成を示すブロック図。
【図11】本発明の光ファイバケーブル対照器の上記の
実施の形態における光送受信部の詳しい構成を示すブロ
ック図。
【図12】本発明の光ファイバケーブル対照器の別の実
施の形態の構成を示すブロック図。
【図13】本発明の光ファイバケーブル対照器のさらに
別の実施の形態の構成を示すブロック図。
【図14】本発明の光ファイバ心線対照器の一つの実施
の形態の構成を示すブロック図。
【図15】本発明の光ファイバ心線対照器の別の実施の
形態の構成を示すブロック図。
【図16】本発明の光ファイバ心線対照器のさらに別の
実施の形態の構成を示すブロック図。
【図17】本発明の光ファイバ心線対照器のさらに別の
実施の形態の構成を示すブロック図。
【図18】本発明の光ファイバ通話装置の1つの実施の
形態におけるローカルユニットの構成を示すブロック
図。
【図19】本発明の光ファイバ通話装置のさらに別の実
施の形態におけるローカルユニットの構成を示すブロッ
ク図。
【図20】本発明の光ファイバ通話装置のさらに別の実
施の形態における光送受信ユニットの構成を示すブロッ
ク図。
【図21】本発明の光ファイバ通話装置のさらに別の実
施の形態におけるローカルユニットの詳しい構成を示す
ブロック図。
【符号の説明】
1 発光素子 2 分岐結合素子 3 ループ状光ファイバ 5 受光素子 6 加振器 7 光遅延素子 8 光入力端子 9 光出力端子 10 駆動回路 11 増幅回路 101 光送受信部 102 振動加振器 103 光ファイバケーブル 105 光ファイバ 106 光ファイバ 107 光コネクタ 108 光遅延素子 111 発光素子 112 分岐結合素子 113 受光素子 201 光送受信ユニット 202 光ファイバケーブル 202A 光ファイバ 202B 光ファイバ 203 ローカルユニット 204 光コネクタ 205 光遅延素子 211 発光素子 212 分岐結合素子 213 受光素子 301 受光素子 302 加振器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−82113(JP,A) 特開 昭63−275916(JP,A) 特開 昭59−218903(JP,A) 特表 昭59−500584(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01H 9/00 G01C 19/72 JICSTファイル(JOIS) (54)【発明の名称】 光ファイバ干渉型センサ、光ファイバ干渉型信号検出方法、光ファイバ干渉型振動センサ、光フ ァイバ干渉型振動検出方法、光ファイバケーブル対照方法、光ファイバ心線対照方法及び光ファ イバ通話方法

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と受光素子とその全長で、一部が開
    放された1つのループを形成するループ状光ファイバの
    開放部の両端とが分岐結合素子に接続されて成る光ファ
    イバ干渉型センサであって、 前記光源から出射された光を前記分岐結合素子によって
    分岐して前記ループ状光ファイバに前記開放部の両端そ
    れぞれから入射させ、このループ状光ファイバ中を時計
    回りと反時計回りに伝搬させ、 前記ループ状光ファイバ中を時計回りに伝搬した時計回
    り伝搬光と反時計回りに伝搬した反時計回り伝搬光とを
    前記分岐結合素子に入射させて結合し、 前記分岐結合素子によって結合された前記時計回り伝搬
    光と反時計回り伝搬光とを前記受光素子に入射させ、
    記ループ状光ファイバの任意の場所に局所的に加わる物
    理的変化に起因する当該時計回り伝搬光と反時計回り伝
    搬光との位相差による干渉光の強度変化を示す信号をこ
    の受光素子から出力することを特徴とする光ファイバ干
    渉型センサ。
  2. 【請求項2】 光源から出射された光を分岐結合素子に
    よって分岐して、その全長で、一部が開放された1つの
    ループを形成するループ状光ファイバにその開放部の両
    端それぞれから入射させてこのループ状光ファイバ中を
    時計回りと反時計回りに伝搬させ、 前記ループ状光ファイバ中を伝搬した時計回り伝搬光と
    反時計回り伝搬光とを前記分岐結合素子によって結合し
    て受光素子に入射させ、 前記受光素子が出力する前記時計回り伝搬光と反時計回
    り伝搬光との位相差による干渉光の強度変化を示す信号
    に基づいて、前記ループ状光ファイバの任意の場所に局
    所的に加わる物理的変化を検出することを特徴とする光
    ファイバ干渉型信号検出方法。
  3. 【請求項3】 前記ループ状光ファイバの途中又は前記
    ループ状光ファイバと前記分岐結合素子との間に光遅延
    素子を挿入して、前記光ファイバ中の光伝搬を遅延させ
    ることを特徴とする請求項2に記載の光ファイバ干渉型
    信号検出方法。
  4. 【請求項4】 光源と受光素子とその全長で、一部が開
    放された1つのループを形成するループ状光ファイバの
    開放部の両端とが分岐結合素子に接続されて成る光ファ
    イバ干渉型振動センサであって、 前記光源から出射された光を前記分岐結合素子によって
    分岐して前記ループ状光ファイバに前記開放部の両端そ
    れぞれから入射させ、このループ状光ファイバ中を時計
    回りと反時計回りに伝搬させ、 前記ループ状光ファイバ中を伝搬した時計回り伝搬光と
    反時計回り伝搬光とを前記分岐結合素子に入射させて結
    合し、 前記分岐結合素子によって結合された前記時計回り伝搬
    光と反時計回り伝搬光とを前記受光素子に入射させ、こ
    の時計回り伝搬光と反時計回り伝搬光との位相差による
    干渉光の、前記ループ状光ファイバの任意の場所に局所
    的に加わる振動による強度変化を示す信号をこの受光素
    子から出力することを特徴とする光ファイバ干渉型振動
    センサ。
  5. 【請求項5】 光源から出射された光を分岐結合素子に
    よって分岐して、その全長で、一部が開放された1つの
    ループを形成するループ状光ファイバにその開放部の両
    端それぞれから入射させてこのループ状光ファイバ中を
    時計回りと反時計回りに伝搬させ、 前記ループ状光ファイバ中を伝搬した時計回り伝搬光と
    反時計回り伝搬光とを前記分岐結合素子によって結合し
    て受光素子に入射させ、 前記受光素子が出力する前記時計回り伝搬光と反時計回
    り伝搬光との位相差による干渉光の強度変化を示す信号
    に基づいて、前記ループ状光ファイバの任意の場所に局
    所的に加わる振動を検出することを特徴とする光ファイ
    バ干渉型振動検出方法。
  6. 【請求項6】 前記ループ状光ファイバの途中又は前記
    ループ状光ファイバと前記分岐結合素子との間に光遅延
    素子を挿入して、前記光ファイバ中の光伝搬を遅延させ
    ることを特徴とする請求項5に記載の光ファイバ干渉型
    振動検出方法。
  7. 【請求項7】 検出対象とする既設の1本の光ファイバ
    ケーブル中の2本の光ファイバの一方の端部同士、又は
    検出対象とする既設の1本の光ファイバケーブル中の1
    本の光ファイバと他の任意の光ファイバの一方の端部同
    を接続してそれぞれの他端が共に開放端となったルー
    プ状光ファイバを形成し、 このループ状光ファイバの前記開放端それぞれから光を
    入射し、それぞれの反対の開放端から戻ってきた光を干
    渉させて、その位相変位を検出する光送受信部をこのル
    ープ状光ファイバに接続し、 この光送受信部の光源から光を発し、この光源からの光
    をこの光送受信部の分岐結合素子で受けて前記開放端そ
    れぞれに分岐して前記ループ状光ファイバに入射すると
    共に、当該ループ状光ファイバ中を伝搬してそれぞれの
    開放端から戻ってきた光を結合し、 前記光送受信部の受光素子にて、前記分岐結合素子から
    出力される光を受けて光電変換して、前記ループ状光フ
    ァイバ中を時計回りに伝搬した光と反時計回りに伝搬し
    た光との位相差による干渉光の強度変化を示す信号を出
    力し、前記検出対象とする光ファイバケーブルの任意の場所に
    局所的に 物理的な変化を加えたときに、前記受光素子が
    出力する信号に基づいてこの物理的な変化を検出するこ
    とを特徴とする光ファイバケーブル対照方法。
  8. 【請求項8】 検出対象とする既設の1本の光ファイバ
    ケーブル中の2本の光ファイバの一方の端部同士、又は
    検出対象とする既設の1本の光ファイバケーブル中の1
    本の光ファイバと他の任意の光ファイバの一方の端部同
    を接続してそれぞれの他端が共に開放端となったルー
    プ状光ファイバを形成し、 このループ状光ファイバの前記開放端それぞれから光を
    入射し、それぞれの反対の開放端から戻ってきた光を干
    渉させて、その位相変位を検出する光送受信部をこのル
    ープ状光ファイバに接続し、 この光送受信部の光源から光を発し、この光源からの光
    をこの光送受信部の分岐結合素子で受けて前記開放端そ
    れぞれに分岐して前記ループ状光ファイバに入射すると
    共に、当該ループ状光ファイバ中を伝搬してそれぞれの
    開放端から戻ってきた光を結合し、 前記光送受信部の受光素子にて、前記分岐結合素子から
    出力される光を受けて光電変換して、前記ループ状光フ
    ァイバ中を時計回りに伝搬した光と反時計回りに伝搬し
    た光との位相差による干渉光の強度変化を示す信号を出
    力し、前記検出対象とする光ファイバケーブルの任意の場所に
    局所的に 振動を加えたときに、前記受光素子が出力する
    信号に基づいてこの振動を検出することを特徴とする光
    ファイバケーブル対照方法。
  9. 【請求項9】 前記ループ状光ファイバ中又は前記ルー
    プ状光ファイバと光送受信部との間に光遅延素子を挿入
    して、このループ状光ファイバ中の光伝搬を遅延させる
    ことを特徴とする請求項又はに記載の光ファイバケ
    ーブル対照方法。
  10. 【請求項10】 検出対象とする光ファイバ心線中の
    本の光ファイバの一方の端部同士、又は検出対象とする
    光ファイバ心線中の1本の光ファイバと任意の光ファイ
    バの一方の端部同士を接続してそれぞれの他端が共に開
    放端となったループ状光ファイバを形成し、 このループ状光ファイバの前記開放端それぞれから光を
    入射し、それぞれの反対の開放端から戻ってきた光を干
    渉させて、その位相変位を検出する光送受信部をこのル
    ープ状光ファイバに接続し、 この光送受信部の光源から光を発し、この光源からの光
    をこの光送受信部の分岐結合素子で受けて前記開放端そ
    れぞれに分岐して前記ループ状光ファイバ中に入射する
    と共に、当該ループ状光ファイバ中を伝搬してそれぞれ
    の開放端から戻ってきた光を結合し、 前記光送受信部の受光素子にて、前記分岐結合素子から
    出力される光を受けて光電変換して、前記ループ状光フ
    ァイバからの時計回り伝搬した光と反時計回り伝搬した
    光との位相差による干渉光の強度変化を示す信号を出力
    することにより、前記検出対象とする光ファイバ心線の任意の場所に局所
    に物理的変化を加えたときに、前記受光素子の出力す
    る信号に基づいてこの物理的変化を検出することを特徴
    とする光ファイバ心線対照方法。
  11. 【請求項11】 検出対象とする光ファイバ心線中の
    本の光ファイバの一方の端部同士、又は検出対象とする
    光ファイバ心線中の1本の光ファイバと任意の光ファイ
    バの一方の端部同士を接続してそれぞれの他端が共に開
    放端となったループ状光ファイバを形成し、 このループ状光ファイバの前記開放端それぞれから光を
    入射し、それぞれの反対の開放端から戻ってきた光を干
    渉させて、その位相変位を検出する光送受信部をこのル
    ープ状光ファイバに接続し、 この光送受信部の光源から光を発し、この光源からの光
    をこの光送受信部の分岐結合素子で受けて前記開放端そ
    れぞれに分岐して前記ループ状光ファイバ中に入射する
    と共に、当該ループ状光ファイバ中を伝搬してそれぞれ
    の開放端から戻ってきた光を結合し、 前記光送受信部の受光素子にて、前記分岐結合素子から
    出力される光を受けて光電変換して、前記ループ状光フ
    ァイバからの時計回り伝搬した光と反時計回り伝搬した
    光との位相差による干渉光の強度変化を示す信号を出力
    することにより、前記検出対象とする光ファイバ心線の任意の場所に局所
    に振動を加えたときに、前記受光素子の出力する信号
    に基づいてこの振動を検出することを特徴とする光ファ
    イバ心線対照方法。
  12. 【請求項12】 前記ループ状光ファイバ中又は前記ル
    ープ状光ファイバと光送受信部との間に光遅延素子を挿
    入して、このループ状光ファイバ中の光伝搬を遅延させ
    ることを特徴とする請求項10又は11に記載の光ファ
    イバ心線対照方法。
  13. 【請求項13】 既設の1本の光ファイバケーブル中若
    しくは既設の2本の光ファイバケーブル中の任意の2本
    光ファイバの一方の端部同士を光接続部にて接続して
    それぞれの他端が共に開放端となったループ状光ファイ
    バを形成し、 このループ状光ファイバの前記開放端それぞれから光を
    入射し、それぞれの反対の開放端から戻ってきた光を干
    渉させて、その位相変位を検出する光送受信部をこのル
    ープ状光ファイバに接続し、 この光送受信部と前記光接続部との間で、前記2本の光
    ファイバの少なくとも一方の任意の点に中間部を取り付
    け、 前記光送受信部にて、光源から光を発し、音声を第1の
    マイクで電気信号に変換して、駆動回路で前記第1のマ
    イクからの電気信号に基づき前記光源からの光を変調
    し、この光源からの光を分岐結合素子で受けて前記ルー
    プ状光ファイバの前記開放端それぞれに分岐して入射す
    ると共に、 前記ループ状光ファイバの前記開放端それぞれから戻っ
    てきた光を前記分岐結合素子で結合し、この分岐結合素
    子から出力される光を第1の受光素子で受けて光電変換
    し、第1の音声出力手段でこの第1の受光素子からの信
    号から音声信号を復調して出力し、 前記中間部にて、前記ループ状光ファイバの一部に曲げ
    を付与し、この曲げ部分からの漏洩光を第2の受光素子
    で受けて、前記ループ状光ファイバ中を時計回りに伝搬
    する光と反時計回りに伝搬する光との位相差による干渉
    光の強度変化を示す信号に光電変換し、第2の音声出力
    手段でこの第2の受光素子からの信号から音声信号を復
    調して出力すると共に、 音声を第2のマイクで電気信号に変換し、加振器を用い
    て前記第2のマイクからの電気信号で前記光ファイバに
    振動を加え、 これによって、前記光送受信部又は中間部にて音声を発
    したときに、前記中間部又は光送受信部にて音声を受け
    ることを特徴とする光ファイバ通話方法。
  14. 【請求項14】 前記ループ状光ファイバ中又は前記ル
    ープ状光ファイバと光送受信部との間に光遅延素子を挿
    入して、光ファイバ中の光伝搬を遅延させることを特徴
    とする請求項13に記載の光ファイバ通話方法。
  15. 【請求項15】 前記光送受信部内の前記駆動回路は、
    前記光源からの光をFM変調し、 前記光送受信部内の前記第1の音声出力手段は、前記第
    1の受光素子からの信号をAM復調して音声信号を取り
    出し、 前記中間部内の前記第2の音声出力手段は、前記第2の
    受光素子からの信号をFM復調して音声信号を取り出す
    ことを特徴とする請求項13又は14に記載の光ファイ
    バ通話方法。
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