JP4274749B2 - 光ファイバリング干渉型センサの位相差算出方法及び位相差算出システム - Google Patents
光ファイバリング干渉型センサの位相差算出方法及び位相差算出システム Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバリング干渉型センサを用いて、光ファイバ内での時計方向、反時計方向の伝搬光間の位相差検出を行う位相差算出方法及び位相差算出システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバを用いた光ファイバリング干渉型センサが種々提案されている。例えば、本出願人が出願した光ファイバリング干渉型センサに関する特許出願(特願平11−70803号)がある。
【0003】
この光ファイバリング干渉型センサの基本原理は以下のとおりである。
【0004】
先ず、図8に示すように、発光素子11(光源)と、受光素子15と、ループ状光ファイバ13(又は途中に光遅延素子16を挿入されて)の両端とを、光分岐結合素子12に接続する。この接続状態下において、光源である発光素子11から出射された光を光分岐結合素子12によって分岐し、ループ状光ファイバ13の両端に入射させる。入射された光は、このループ状光ファイバ13内を時計回り(CD)の経路B方向と反時計回り(CCD)経路Aの方向に伝搬する。
【0005】
そして、時計回り伝搬光と反時計回り伝搬光とを前記光分岐結合素子12に入射させ結合し、結合された干渉光を受光素子15に入射させる。これにより、干渉光の強度変化を示す信号を受光素子15から出力する。
【0006】
即ち、光ファイバ13の一部に加振が加えられた場合、受光素子15は光路AとBの光路長変動を干渉状態の変化として検出する。
【0007】
図9は、発光素子11または光入力端子、受光素子15または光出力端子と、光分岐結合素子12とを、2本の接続光ファイバ17で接続した構成により、遠端のループ状光ファイバ13内に加えられた振動を受光素子15が検知する光ファイバリング干渉型センサの構成を示す。
【0008】
また図10は、接続光ファイバを1本にした場合の光ファイバリング干渉型センサの構成例を示す。
【0009】
上記した各構成例の光ファイバリング干渉型センサにおいて、光分岐結合素子12のポートから入射した光は、反対側の2つのポートから透過光と結合光として分岐され出射される。この時、透過光と結合光との間にπ/2の位相差が生じる。
【0010】
従って、上記した図8,9の構成を持つ光ファイバリング干渉型センサでは、静的な状態における受光素子でのループ状光ファイバ13内の光路Aを伝搬した光と光路Bを伝搬した光との位相差θがπとなり、図10の構成を持つ系ではその位相差が0となる。
【0011】
この状態で、ループ状光ファイバ13の一部に振動などの外乱が与えられると、伝搬光の位相差が変化する。その結果、受光素子15によって、変化した伝搬光の位相差に対応した光強度が検出される。
【0012】
受光素子15で検出される光の干渉成分をPc ,非干渉成分をPi とすると、受光素子15で検出される光強度Ppdは、
Ppd=Pi+(Pc(1+cosθ))/2 …(1)
で表される。
【0013】
したがって、位相差θが変化した時のPpdの変化量|dPpd/dθ|は、θ=nπ(nは整数)のとき最小となり、θ=(n+1/2)πのとき最大となる。
【0014】
前述した様に、静的な状態での位相差θは、図8,9で示した構成を持つ系でπとなり、図10で示した構成を持つ系で0であるため、振動などがループ状光ファイバに加えられた場合でも、受光素子で得られるPpdの変化量が上記した様に小さいので(θ=0,π,2π,3π,...のとき最小(nは整数、例えばn=0,1,2,3,…))、センサ感度が非常に低いという問題があった。
【0015】
また従来では、センサ感度を改善する方法として以下の方法(a)〜(c)が知られている。
【0016】
(a)位相変調器(図示せず)をループ状光ファイバ内に挿入し、ロックインアンプ(図示せず)を用いて静的な状態での位相差θが(n+1/2)πになる様に、変調信号に同期したタイミングで干渉光信号を検出する方法。
【0017】
(b)光路Aと光路Bとの位相差が(n+1/2)πになる様な空間で実現する方法。
【0018】
(c)3×3光分岐素子によって(2/3)πの非相反位相バイアスを得る方法。
【0019】
上記したように、光ファイバリング干渉型センサの様々な系において、受光素子15で観測される光ファイバループ内の光路Aを伝搬した光と光路Bを伝搬した光との位相差θは、センサの感度に影響を及ぼす。
【0020】
以下に、位相差θに関して検討する。
【0021】
受光素子15で検出される光強度Ppdから位相差θを得るには式(1)から
θ=cos-1{2(Ppd−Pi )/Pc −1}…(2)
を算出すれば良い。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のcos-1関数(式(2)を参照)は、2πの周期関数のため解が無限に存在する。一方、位相差θは連続的に変化するのでそのcos-1関数の波形から推定が可能であるが、位相差θが、静止状態の時のθ=πから、π+δだけ変化したものなのか(図7の直線aを参照)、あるいはπ-δだけ変化したものなのか(図7の直線bを参照)を、受光素子から得られる光強度のみで区別することは困難であるという課題があった。
【0023】
本発明は、上述の如き従来の課題を解決するためになされたもので、その目的は、光ファイバリング干渉型センサから出力される伝搬光の位相差θを算出するための位相差算出方法、位相差算出装置、及び位相差算出システムを提供するものである。
【0024】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明の請求項1記載の光ファイバリング干渉型センサの位相差算出方法は、光源と、複数の受光素子と、ループ状光ファイバの開放部の両端とがNが3以上であるN×N分岐結合素子に接続され、前記光源から出射された光を前記分岐結合素子によって分岐して前記ループ状光ファイバの前記開放部の両端それぞれから入射させ、このループ状光ファイバ内を時計回りと反時計回りに伝搬させ、時計回り伝搬光と反時計回り伝搬光とを前記N×N分岐結合素子にて結合し、結合された前記時計回り伝搬光と反時計回り伝搬光とを前記受光素子に入射させ、この時計回り伝搬光と反時計回り伝搬光との位相差による干渉光の強度変化を示す信号をこの受光素子から出力する光ファイバリング干渉型センサを用いて、前記ループ状光ファイバに加わる物理変化を検出する位相差算出方法において、前記複数の受光素子は、異なる非相反位相バイアスを有し、位相バイアスがπ以外となる2つ以上の干渉光強度を測定し、前記複数の受光素子から順次選択される各受光素子において、前記位相差の周期関数で変化する前記干渉光強度について前記受光素子ごとに予め定められた複数の前記位相差の区間に対応する範囲内の光強度が得られた場合に、この光強度を用いて前記位相差を算出し、前記各受光素子に対応する前記区間は、前記測定される干渉光強度が前記位相差に対してリニアに変化するとみなせる位相差区間であって、その区間端において少なくとも他のいずれか1つの受光素子の前記干渉光強度が前記位相差に対してリニアに変化するとみなせる位相差区間と連続する位相差区間であることを特徴とする。
【0025】
本発明の請求項2記載の位相差算出方法は、請求項1記載の位相差算出方法において、前記複数の受光素子内の第1の受光素子から得られた第1の光強度が、前記第1の受光素子に対応した前記区間に対応する範囲内の光強度である場合、前記第1の光強度から前記位相差を算出し、前記第1の光強度が対応する前記区間に対応する範囲外の光強度に変化した場合、隣接する区間を担当する第2の受光素子から得られた第2の光強度が前記第2の受光素子に対応した区間に対応する範囲内の光強度である場合、前記第2の光強度から前記位相差を算出し、前記第2の光強度が対応する前記区間に対応する範囲外の光強度に変化した場合、順次、隣接する前記受光素子から得られる光強度が、当該受光素子に対応した区間に対応する範囲内にあるかを判定して、前記区間に対応する範囲内に前記光強度がある場合は前記位相差を算出することを特徴とする。
【0026】
本発明の請求項3記載の位相差算出方法は、請求項1記載の位相差算出方法において、前記N×N分岐結合素子として3×3光分岐結合素子を用い、3個の前記受光素子を用い、n番目の受光素子 (n=1,2,3) で検出された光の干渉成分(P cn )、非干渉成分(P in )から位相差θを得る位相差算出方法であって、変数mに1を代入する第1のステップと、次に、変数mを3で除算して得られる剰余に+1を加え、得られた値を変数nに代入する第2のステップと、次に、前記変数mの値が奇数か否かを判定し、奇数の場合、φ= cos -1 { - 2( Ppdn - Pin ) /Pcn +1}により0≦φ<πの範囲でφを計算し、mの値が偶数の場合、φ= cos -1 {2( Ppdn - Pin ) /Pcn - 1}により0≦φ<πの範囲でφを計算する第3のステップと、次に、前記第3のステップで得られたφがπ /3 以上か否かを判定し、φ≧π /3 の場合、φが 2 π /3 未満か否かをさらに判定し、満足する場合、θ=φ+ ( m -2) π /3 により位相差θを計算し、φ≧π /3 を満足しない場合、m−1を前記変数mに代入して、第2のステップへ戻り、φが 2 π /3 未満でない場合、m+1を前記変数mに代入し、第2のステップへ戻る第4のステップとを含むことを特徴とする。
【0027】
本発明の請求項4記載の位相差算出方法は、請求項1記載の位相差算出方法において、前記N×N分岐結合素子として3×3光分岐結合素子を用い、2個の前記受光素子を用い、n番目の受光素子 (n=1,2) で検出された光の干渉成分(P cn )、非干渉成分(P in )から、位相差θを得る位相差算出方法であって、変数mに0を代入する第1のステップと、次に、変数mが偶数か否かを判定し、変数mが偶数の場合、さらに値m/2が偶数か否かを判定し、前記値m/2が偶数の場合、φ= cos -1 { - 2( Ppd2 - Pi2 ) /Pc2 +1}により0≦φ<πの範囲でφを計算し、前記値m/2が偶数でない場合、φ= cos -1 {2( Ppd2 - Pi2 ) /Pc2 - 1}により0≦φ<πの範囲でφを計算し、一方、変数mが偶数でない場合、 さらに (m+1)/2 が偶数か否かを判定し、 (m+1)/2 が偶数の場合、φ= cos -1 { - 2( Ppd3 - Pi3 ) /Pc3 +1}により0≦φ<πの範囲でφを計算し、 (m+1)/2 が偶数でない場合、φ= cos -1 {2( Ppd3 - Pi3 ) /Pc3 - 1}により0≦φ<πの範囲でφを計算する第2のステップと、次に、前記変数mが偶数の場合であって、前記φがπ /6 以上か否かを判定し、前記φがπ /6 以上の場合、さらに前記φが 2 π /3 未満か否かを判定し、前記φが 2 π /3 未満の場合、θ=φ+ (m/2 - 1/3) πにより位相差θを計算し、前記φが 2 π /3 未満でない場合、m+1を前記mに代入し、前記第2のステップへ戻り、一方、前記φがπ /6 以上でない場合、m−1を前記mに代入し、前記第2のステップへ戻り、前記mが偶数でない場合であって、前記φがπ /3 以上の場合、前記φが 5 π /6 未満か否かを判定し、前記φが 5 π /6 未満の場合、θ=φ+ ( m−1 ) π /2 により位相差θを計算し、φが 5 π /6 未満でない場合、m+1を前記mに代入し、前記第2のステップへ戻り、一方、前記mが偶数でない場合であって、前記φがπ /3 以上でない場合、m−1を前記mに代入し、前記第1のステップへ戻る第3のステップと、を含むことを特徴とする。
【0028】
本発明の請求項5記載の位相差算出システムは、光源と、複数の受光素子と、ループ状光ファイバと、前記光源と前記複数の受光素子と前記ループ状光ファイバの開放部の両端とが接続されたNが3以上であるN×N分岐結合素子とから成り、前記光源から出射された光を前記分岐結合素子によって分岐し、前記ループ状光ファイバの前記開放部の両端それぞれから入射させ、前記ループ状光ファイバ内を時計回りと反時計回りに伝搬させ、時計回り伝搬光と反時計回り伝搬光とを前記分岐結合素子にて結合し、結合された前記時計回り伝搬光と前記反時計回り伝搬光とを前記複数の受光素子に入射させ、前記時計回り伝搬光と前記反時計回り伝搬光との位相差による干渉光の強度変化を示す信号を、前記複数の受光素子から出力する光ファイバリング干渉型センサと、前記ループ状光ファイバに加わる物理変化を検出するため、前記複数の受光素子から得られる光強度を基に、前記伝搬光の位相差を算出する位相差算出装置とを備えた位相差算出システムであって、前記複数の受光素子は、異なる非相反位相バイアスを有し、位相バイアスがπ以外となる2つ以上の干渉光強度を測定し、前記位相差算出装置は、前記複数の受光素子から順次選択する各受光素子において、前記位相差の周期関数で変化する前記干渉光強度について前記受光素子ごとに予め定められた複数の前記位相差の区間に対応する範囲内の光強度が得られた場合に、この光強度を用いて前記位相差を算出し、前記各受光素子に対応する前記区間は、前記測定される干渉光強度が前記位相差に対してリニアに変化するとみなせる位相差区間であって、その区間端において少なくとも他のいずれか1つの受光素子の前記干渉光強度が前記位相差に対してリニアに変化するとみなせる位相差区間と連続する位相差区間であることを特徴とする。
【0029】
本発明の請求項6記載の位相差算出システムは、請求項5記載の位相差算出システムにおいて、前記位相差算出装置は、前記複数の受光素子内の第1の受光素子から得られた第1の光強度が、前記第1の受光素子に対応した前記区間に対応する範囲内の光強度である場合、前記第1の光強度から前記位相差を算出し、前記第1の光強度が対応する前記区間に対応する範囲外の光強度に変化した場合、隣接する区間を担当する第2の受光素子から得られた第2の光強度が前記第2の受光素子に対応した区間に対応する範囲内の光強度である場合、前記第2の光強度から前記位相差を算出し、前記第2の光強度が対応する前記区間に対応する範囲外の光強度に変化した場合、順次、隣接する前記受光素子から得られる光強度が、当該受光素子に対応した区間に対応する範囲内にあるかを判定して、前記区間に対応する範囲内に前記光強度がある場合は前記位相差を算出することを特徴とする。
【0030】
本発明の請求項7記載の位相差算出システムは、前記N×N分岐結合素子として3×3光分岐結合素子を用い、3個の前記受光素子を備えた請求項6記載の位相差算出システムであって、前記位相差算出装置は、変数mに1を代入する第1の計算手段と、変数mを3で除算して得られる剰余に+1を加え、得られた値を変数nに代入する第2の計算手段と、前記変数mの値が奇数か否かを判定し、奇数の場合、n番目の受光素子(n=1,2,3)で検出された光の干渉成分(Pcn)、非干渉成分(Pin)から、φ=cos-1{-2(Ppdn - Pin)/Pcn+1}により0≦φ<πの範囲でφを計算し、mの値が偶数の場合、φ=cos-1{2(Ppdn - Pin)/Pcn -1}により0≦φ<πの範囲でφを計算する第3の計算手段と、前記第3の計算手段で得られたφがπ/3以上か否かを判定し、φ≧π/3の場合、φが2π/3未満か否かをさらに判定し、満足する場合、θ=φ+(m-2)π/3により位相差θを計算し、φ≧π/3を満足しない場合、前記第2の計算手段へm−1を前記変数mに代入させ、φが2π/3未満でない場合、前記第2の計算手段へm−1を前記変数mに代入させる第4の計算手段とを含むことを特徴とする。
【0031】
本発明の請求項8記載の位相差算出システムは、前記N×N分岐結合素子として3×3光分岐結合素子を用い、2個の前記受光素子を備えた請求項6記載の位相差算出システムであって、前記位相差算出装置は、変数mに0を代入する第1の計算手段と、変数mが偶数か否かを判定し、変数mが偶数の場合、さらに値m/2が偶数か否かを判定し、前記値m/2が偶数の場合、n番目の受光素子(n=1,2)で検出された光の干渉成分(Pcn)、非干渉成分(Pin)から、φ=cos-1{-2(Ppd2 - Pi2)/Pc2+1}により0≦φ<πの範囲でφを計算し、前記値m/2が偶数でない場合、φ=cos-1{2(Ppd2 - Pi2)/Pc2 -1}により0≦φ<πの範囲でφを計算し、一方、変数mが偶数でない場合、さらに(m+1)/2が偶数か否かを判定し、(m+1)/2が偶数の場合、φ=cos-1{-2(Ppd3 - Pi3)/Pc3+1}により0≦φ<πの範囲でφを計算し、 (m+1)/2が偶数でない場合、φ=cos-1{2(Ppd3 - Pi3)/Pc3 -1}により0≦φ<πの範囲でφを計算する第2の計算手段と、前記変数mが偶数の場合であって、前記φがπ/6以上か否かを判定し、前記φがπ/6以上の場合、さらに前記φが2π/3未満か否かを判定し、前記φが2π/3未満の場合、θ=φ+(m/2 - 1/3)πにより位相差θを計算し、前記φが2π/3未満でない場合、前記第2の計算手段へm−1を前記変数mに代入させ、一方、前記φがπ/6以上でない場合、前記第2の計算手段へm−1を前記変数mに代入させ、前記mが偶数でない場合であって、前記φがπ/3以上の場合、前記φが5π/6未満か否かを判定し、前記φが5π/6未満の場合、θ=φ+(m−1)π/2により位相差θを計算し、φが5π/6未満でない場合、前記第2の計算手段へm−1を前記変数mに代入させ、一方、前記mが偶数でない場合であって、前記φがπ/3以上でない場合、前記第2の計算手段へm−1を前記変数mに代入させる第3の計算手段とを含むことを特徴とする。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0033】
実施の形態.
本発明の光ファイバリング干渉型センサの位相差算出方法及び位相差算出システムに関して図面を参照しながら以下に説明する。
【0034】
図3は、光ファイバ13と、3×3光分岐結合素子30(N=3)と、1個の発光素子11、3個の受光素子等15-1〜15-3から構成された光ファイバリング干渉型センサ35と、この光ファイバリング干渉型センサ35から出力された受光素子の光強度Ppdn(nは正の整数)を基にして伝搬光の位相差θを算出するための位相差算出装置34からなる位相差算出システム36を示すブロック図である。尚、ADC32はアナログ/デジタルコンバータである。
【0035】
この構成において、発光素子(光源)11から発せられた光は、3×3光分岐結合素子光30を介して、時計回り(CW)伝搬光と反時計回り(CCW)伝搬光とに分岐され、光ファイバ13を伝搬して3×3光分岐結合素子30で結合される。そして、3×3光分岐結合素子30及び光分岐結合素子12を用いたことで、光ファイバ13のループを伝搬する伝搬光の干渉波の光強度の周期変動は、受光素子15-1,15-2,15-3の入力ポート側で、互いに2/3πずれることになる。このように、3つの受光素子15-1,15-2,15-3が、互いに干渉するこれらの伝搬光の状態を2/3πずれた光強度としてそれぞれ検出する。
【0036】
光ファイバ13のリングが静的状態下にある場合、即ち、何らの加振等の外乱が加えられていない場合、時計回り(CW)伝搬光と反時計回り(CCW)伝搬光との間の位相差θはゼロ(θ=0)となる。
【0037】
即ち、図3に示した光ファイバ13のリングに対して何も加振が加えられない状態では、各受光素子15-1〜15-3から出力される光強度は、図1に示す参照番号P1,P2,P3に示すような一定値となり、それらの光強度は変動しない。
【0038】
図3に示す3個の受光素子15-1〜15-3において、n番目の受光素子(n=1,2,3)で検出された光の干渉成分をPcn,非干渉成分をPinとすると、n番目の受光素子15で得られる光強度Ppdnは
Ppd1 =Pi1 +Pc1 {1+cos(θ+2π/3)}/2 …(3)
Ppd2 =Pi2 +Pc2 {1+cos(θ−2π/3)}/2 …(4)
Ppd3 =Pi3 +Pc3 (1+cosθ)/2 …(5)
で表すことができる。
【0039】
図1は、3つの受光素子15-1〜15-3での光強度Ppdn(n=1,2,3)と位相差θとの関係を示す説明図である。
【0040】
図1において、各受光素子15-1,15-2,15-3で得られる光強度はPpd1 ,Ppd2 ,Ppd3である。これらの光強度Ppdn(n=1,2,3)は、その最大値がPpdn =Pin+Pcn、その最小値がPpdn =Pin、その振幅がPcn/2である周期関数cosθの波形である。
【0041】
一方、光ファイバリング干渉型センサ35の光ファイバ13へ加振が加えられた場合、各受光素子15-1〜15-3から得られる光強度Ppdn(n=1,2,3)は、図1に示すように周期的に変動する。この周期的に変動する光強度Ppdnの関数の中で最もスケールファクタの良い部分を太線で表わしている(図1内の太線部分を参照)。
【0042】
図1で明らかなように、ある受光素子から出力される光強度Ppdnのスケールファクタの悪い部分(太線以外の部分)は、他の受光素子から得られる光強度Ppdnの太線で示した部分で補完できることが判る。
【0043】
このように、π/3毎の区間において、各受光素子15-1〜15-3から得られる光強度Ppdnのそれぞれの太線の部分(スケールファクタが良い部分)においては、光強度Ppdn とθはリニアに近い形で対応するので、現在どの区間であるかが判明すれば、光強度Ppdn から自動的に位相差θの値を得ることが出来る。
【0044】
伝搬光の位相差θは連続的に変化するため、位相差θの変化を順に追っていくことで現在の区間を特定することができる。即ち、各受光素子で検出される伝搬光の光強度Ppdnは、位相差θの周期関数(cos関数)で変化する。そして、伝搬光の位相差θは連続的に変化するので、光強度Ppdnの変化を追って行くことで位相差θの値を知ることができる。
【0045】
図2は、図3に示した光ファイバリング干渉型センサ35を用いた位相差算出装置34において、位相差θを算出する為の動作を示したフローチャートである。
【0046】
次に、図2のフローチャートを参照しながら、図3の位相差算出装置34で実行される位相差算出方法を説明する。
【0047】
図2に示したフローチャートでは、各受光素子15-1〜15-3で得られる光強度Ppdn(n=1,2,3)は周期関数(COS関数)に従って変化する。
【0048】
この光強度Ppdnの周期関数に基づいた変化において、非干渉成分Pin,干渉成分Pcnを用いて、0≦φ<πの範囲でφを算出し、算出して得られたφがπ/3≦φ<2π/3であれば、それを補正(θ=φ+(m-2)π/3)してθを得るものである。
【0049】
ここで、φ=π/3と2π/3は、図1での光強度Ppdnの変化におけるPthnHとPthnL(n=1,2,3)に対応する。従って、受光素子15-1〜15-3から得られる光強度Ppdnの値が、PthnHとPthnLとの範囲内にある場合、位相差θに対してリニアに変化すると見なされるので、このリニアな部分を用いて、光強度Ppdnから伝搬光の位相差θを算出する。
【0050】
尚、Pin,Pcn(n=1,2,3)は光ファイバリング干渉型センサ35の測定系(光ファイバ13と3×3光分岐結合素子30等からなる)が決まれば決定する値である。また、PthnH、PthnL(n=1,2,3)は、各受光素子15-1〜15-3で得られる光強度の範囲であり、この範囲内の光強度を用いて位相差θを計算する。
【0051】
先ず、変数mに1を代入する(ステップS20)。
【0052】
次に、変数m(初期値はm=1)を3で除算して得られる剰余に+1を加え、得られた値を変数nに代入する。ここで、mを3で除算した剰余とは、m以下でかつ最も大きい3の倍数をmから減算した値を意味する。例えば、m=0ならば、n=1であり、m=−4ならばn=3となる(ステップS21)。
【0053】
次に、mの値が奇数か否かを判定する。奇数の場合、処理の流れはステップS23に進む。ステップS23では、計算式φ=cos-1{-2(Ppdn - Pin)/Pcn+1}によりφを計算する。
【0054】
一方、変数mの値が偶数の場合、処理の流れはステップS24に進む。ステップS24では、計算式φ=cos-1{2(Ppdn - Pin)/Pcn -1}によりφを計算する。
【0055】
尚、ステップS23及びS24のcos-1の式においては、0<=φ<πの範囲でφを算出する。
【0056】
次に、計算で得られたφがπ/3以上か否かを判定する(ステップS25)。
【0057】
ステップS25での判定の結果がφ>=π/3の場合、処理の流れはステップS27へ進む。
【0058】
ステップS25での判定結果が、φ>=π/3を満足しない場合、処理の流れはステップS26へ進む。ステップS26ではm - 1を変数mに代入する。その後、処理の流れはステップS21へ戻り、上記の処理を繰り返す。
【0059】
ステップS27において、φが2π/3未満か否かを判定する(ステップS27)。満足する場合、計算式θ=φ+(m-2)π/3に従って位相差θを計算する(ステップS28)。位相差算出装置34は、計算で得られた位相差θを外部へ出力する。
【0060】
一方、ステップS27においてφが2π/3未満でない場合、処理の流れはステップS29へ進む。ステップS29ではm + 1を変数mに代入する。その後、処理の流れはステップS21へ戻り上記の処理を繰り返す。
【0061】
以上のように、本実施の形態の位相差算出装置34では、ステップS21において、mの初期値は1であるので、最初は、2番目の受光素子15-2(n=2)から得られた光強度Ppd2に関してチエックを行い、条件が満足すれば、位相差θを計算する。次に、1番目か3番目の受光素子(n=1またはn=3)から得られた光強度を用いて、θを算出する。
【0062】
上記の位相差算出装置34で実行した位相差算出方法では、3×3(N=3)の光分岐結合素子の場合を説明したが、4×4(N=4)や5×5(N=5)等の光分岐結合素子を用いた場合であっても、干渉光どうしの位相バイアスがπ以外となるものが2つ以上測定可能で有れば、同様に位相差θを算出することができる。
【0063】
また、図3で示した構成における接続光ファイバを削減して簡単な構成とするために、図4に示す位相差算出システム38の構成の様に、受光素子の1つを削減した構成の光ファイバリング干渉型センサ37を用いてもよい。
【0064】
この構成の場合、光強度Ppdnのφの区間の分け方や閾値が煩雑になるが、基本的な位相差θの算出方法は同じである。
【0065】
図5は、図4で示した構成における光ファイバリング干渉型センサ37内における2つの受光素子15-2,15-3から出力される光強度Ppd2とPpd3と位相差θとの相関を示す説明図である。
【0066】
図5において、受光素子15-2から得られる光強度Ppd2の値が、Pth2H1とPth2L1およびPth2H2とPth2L2との範囲内にある場合、位相差θに対してリニアに変化すると見なされるので、このリニアな部分を用いて、光強度Ppd2から伝搬光の位相差θを算出するものである。
【0067】
同様に、受光素子15-3から得られる光強度Ppd3の値が、Pth3H1とPth3L1およびPth3H2とPth3L2との範囲内にある場合、位相差θに対してリニアに変化すると見なされるので、このリニアな部分を用いて、光強度Ppd3から伝搬光の位相差θを算出するものである。
【0068】
図6は、図4に示した構成の光ファイバリング干渉型センサ37を用いて位相差算出装置が位相差θを算出するための処理動作を示すフローチャートである。
【0069】
先ず、変数mに0を代入する(ステップS61)。
【0070】
次に、ステップS61において変数mが偶数か否かを判定する。変数mが偶数の場合、ステップSS62で、値m/2が偶数か否かを判定する。値m/2が偶数の場合、ステップS63で、計算式φ=cos-1{-2(Ppd2 - Pi2)/Pc2+1}によりφを計算する。
【0071】
ステップS62でm/2が偶数でない場合、ステップS64で、計算式φ=cos-1{2(Ppd2 - Pi2)/Pc2 -1}によりφを計算する。
【0072】
そして、ステップS63,ステップS64での計算処理が終了したら、ステップS68へ進む。
【0073】
一方、ステップS61の判定でmが偶数でない場合、ステップS65で(m+1)/2が偶数か否かを判定する。
【0074】
ステップS65の判定で、(m+1)/2が偶数の場合、ステップS66で、計算式φ=cos-1{-2(Ppd3 - Pi3)/Pc3+1}によりφを計算する。
【0075】
尚、ステップS65の判定で、(m+1)/2が偶数でない場合、ステップS67で、計算式φ=cos-1{2(Ppd3 - Pi3)/Pc3 -1}によりφを計算する。
【0076】
そして、ステップS66,ステップS67での計算処理が終了したら、ステップS70へ進む。
【0077】
ステップS68では、φがπ/6以上か否かを判定する。
【0078】
ステップS68の判定で、φがπ/6以上の場合、さらにステップS71で、φが2π/3未満か否かを判定する。
【0079】
一方、ステップS68の判定でφがπ/6以上でない場合、ステップS69で、m-1をmに代入し、処理の流れはステップS61へ戻る。
【0080】
さらにステップS71の判定で、φが2π/3未満の場合、ステップS74で、θ=φ+(m/2 - 1/3)πを計算する。そして、計算で得られた位相差θを外部装置(図示せず)へ出力する。その後、処理の流れはステップS61へ戻る。
【0081】
一方、ステップS71の判定で、φが2π/3未満でない場合、ステップS73で、m+1をmに代入し、処理の流れはステップS61へ戻る。
【0082】
また、ステップS70の判定で、φがπ/3以上の場合、ステップS72で、φが5π/6未満か否かを判定する。
【0083】
ステップS72の判定で、φが5π/6未満の場合、ステップS75で、θ=φ+(m - 1)π/2を計算する。そして、計算で得られた位相差θを外部装置(図示せず)に出力する。その後、処理の流れはステップS61へ戻る。
【0084】
一方、ステップS70の判定でφがπ/3以上でない場合、ステップS69で、m-1をmに代入し、処理の流れはステップS61へ戻る。
【0085】
また、ステップS72の判定でφが5π/6未満でない場合、ステップS73で、m+1をmに代入し、処理の流れはステップS61へ戻る。
【0086】
尚、ステップS63,S64,S66,及びS67のcos-1の式においては、0<=φ<πの範囲でφを算出する。
【0087】
このように、図3で示した構成から受光素子の1つを削減した構成、即ち図4に示す構成の場合でも位相差θを算出することができる。
【0088】
以上、詳細に説明したように、本発明の光ファイバリング干渉型センサを用いた位相差算出方法及びシステムによれば検出可能な位相差の範囲が理論上無限大に拡大することができる。一方、従来の方法では位相差の検出範囲が波形の1周期分しか取れず、測定範囲を超えた場合でも超えたことを検知できない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る3×3光分岐結合素子からなる光ファイバリング干渉型センサから得られる伝搬光の位相差θと光強度Ppdnとの相関を示す波形図である。
【図2】図3に示す位相差算出装置において、図1に示した波形図を基に伝搬光の位相差θを算出するためのフローチャートである。
【図3】本発明に係る3×3光分岐結合素子から構成された光ファイバリング干渉型センサと位相差算出装置とからなる位相差算出システムを示すブロック図である。
【図4】光ファイバリング干渉型センサと位相差算出装置とからなる位相差算出システムの他の構成例を示すブロック図である。
【図5】図4で示した光ファイバリング干渉型センサから得られる伝搬光の位相差θと光強度Ppdnとの相関を示す波形図である。
【図6】図5の波形図から伝搬光の位相差θを算出するためのフローチャートである。
【図7】位相差θと光強度Ppdnの相関を示す説明図である。
【図8】光ファイバリング干渉型センサの基本的原理を説明するブロック図である。
【図9】光ファイバリング干渉型センサの構成例を示すブロック図である。
【図10】光ファイバリング干渉型センサの他の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
11 発光素子または光入力素子
12 光分岐結合素子
13 光ファイバ
15−1,15−2,15−3 受光素子または光出力端子
16 光遅延素子
30 3×3 光分岐結合素子
32 ADコンバータ
34 位相差算出装置
35 光ファイバリング干渉型センサ
36 位相差算出装置
37 光ファイバリング干渉型センサ
38 位相差算出システム
Claims (8)
- 光源と、複数の受光素子と、ループ状光ファイバの開放部の両端とがNが3以上であるN×N分岐結合素子に接続され、前記光源から出射された光を前記分岐結合素子によって分岐して前記ループ状光ファイバの前記開放部の両端それぞれから入射させ、このループ状光ファイバ内を時計回りと反時計回りに伝搬させ、時計回り伝搬光と反時計回り伝搬光とを前記N×N分岐結合素子にて結合し、結合された前記時計回り伝搬光と反時計回り伝搬光とを前記受光素子に入射させ、この時計回り伝搬光と反時計回り伝搬光との位相差による干渉光の強度変化を示す信号をこの受光素子から出力する光ファイバリング干渉型センサを用いて、前記ループ状光ファイバに加わる物理変化を検出する位相差算出方法において、
前記複数の受光素子は、異なる非相反位相バイアスを有し、位相バイアスがπ以外となる2つ以上の干渉光強度を測定し、
前記複数の受光素子から順次選択される各受光素子において、
前記位相差の周期関数で変化する前記干渉光強度について前記受光素子ごとに予め定められた複数の前記位相差の区間に対応する範囲内の光強度が得られた場合に、この光強度を用いて前記位相差を算出し、
前記各受光素子に対応する前記区間は、前記測定される干渉光強度が前記位相差に対してリニアに変化するとみなせる位相差区間であって、その区間端において少なくとも他のいずれか1つの受光素子の前記干渉光強度が前記位相差に対してリニアに変化するとみなせる位相差区間と連続する位相差区間であることを特徴とする光ファイバリング干渉型センサの位相差算出方法。 - 前記複数の受光素子内の第1の受光素子から得られた第1の光強度が、前記第1の受光素子に対応した前記区間に対応する範囲内の光強度である場合、前記第1の光強度から前記位相差を算出し、
前記第1の光強度が対応する前記区間に対応する範囲外の光強度に変化した場合、隣接する区間を担当する第2の受光素子から得られた第2の光強度が前記第2の受光素子に対応した区間に対応する範囲内の光強度である場合、前記第2の光強度から前記位相差を算出し、
前記第2の光強度が対応する前記区間に対応する範囲外の光強度に変化した場合、順次、隣接する前記受光素子から得られる光強度が、当該受光素子に対応した区間に対応する範囲内にあるかを判定して、前記区間に対応する範囲内に前記光強度がある場合は前記位相差を算出する
ことを特徴とする請求項1記載の位相差算出方法。 - 前記N×N分岐結合素子として3×3光分岐結合素子を用い、3個の前記受光素子を用い、n番目の受光素子(n=1,2,3)で検出された光の干渉成分(Pcn)、非干渉成分(Pin)から位相差θを得る位相差算出方法であって、
変数mに1を代入する第1のステップと、
次に、変数mを3で除算して得られる剰余に+1を加え、得られた値を変数nに代入する第2のステップと、
次に、前記変数mの値が奇数か否かを判定し、奇数の場合、φ=cos-1{-2(Ppdn - Pin)/Pcn+1}により0≦φ<πの範囲でφを計算し、mの値が偶数の場合、φ=cos-1{2(Ppdn - Pin)/Pcn -1}により0≦φ<πの範囲でφを計算する第3のステップと、
次に、前記第3のステップで得られたφがπ/3以上か否かを判定し、φ≧π/3の場合、φが2π/3未満か否かをさらに判定し、満足する場合、θ=φ+(m-2)π/3により位相差θを計算し、φ≧π/3を満足しない場合、m−1を前記変数mに代入して、第2のステップへ戻り、φが2π/3未満でない場合、m+1を前記変数mに代入し、第2のステップへ戻る第4のステップと、
を含むことを特徴とする請求項1記載の位相差算出方法。 - 前記N×N分岐結合素子として3×3光分岐結合素子を用い、2個の前記受光素子を用い、n番目の受光素子(n=1,2)で検出された光の干渉成分(Pcn)、非干渉成分(Pin)から、位相差θを得る位相差算出方法であって、
変数mに0を代入する第1のステップと、
次に、変数mが偶数か否かを判定し、変数mが偶数の場合、さらに値m/2が偶数か否かを判定し、前記値m/2が偶数の場合、φ=cos-1{-2(Ppd2 - Pi2)/Pc2+1}により0≦φ<πの範囲でφを計算し、前記値m/2が偶数でない場合、φ=cos-1{2(Ppd2 - Pi2)/Pc2 -1}により0≦φ<πの範囲でφを計算し、一方、変数mが偶数でない場合、さらに(m+1)/2が偶数か否かを判定し、(m+1)/2が偶数の場合、φ=cos-1{-2(Ppd3 - Pi3)/Pc3+1}により0≦φ<πの範囲でφを計算し、(m+1)/2が偶数でない場合、φ=cos-1{2(Ppd3 - Pi3)/Pc3 -1}により0≦φ<πの範囲でφを計算する第2のステップと、
次に、前記変数mが偶数の場合であって、前記φがπ/6以上か否かを判定し、前記φがπ/6以上の場合、さらに前記φが2π/3未満か否かを判定し、前記φが2π/3未満の場合、θ=φ+(m/2 - 1/3)πにより位相差θを計算し、前記φが2π/3未満でない場合、m+1を前記mに代入し、前記第2のステップへ戻り、一方、前記φがπ/6以上でない場合、m−1を前記mに代入し、前記第2のステップへ戻り、
前記mが偶数でない場合であって、前記φがπ/3以上の場合、前記φが5π/6未満か否かを判定し、前記φが5π/6未満の場合、θ=φ+(m−1)π/2により位相差θを計算し、φが5π/6未満でない場合、m+1を前記mに代入し、前記第2のステップへ戻り、一方、前記mが偶数でない場合であって、前記φがπ/3以上でない場合、m−1を前記mに代入し、前記第1のステップへ戻る第3のステップと、
を含むことを特徴とする請求項1記載の位相差算出方法。 - 光源と、複数の受光素子と、ループ状光ファイバと、前記光源と前記複数の受光素子と前記ループ状光ファイバの開放部の両端とが接続されたNが3以上であるN×N分岐結合素子とから成り、前記光源から出射された光を前記分岐結合素子によって分岐し、前記ループ状光ファイバの前記開放部の両端それぞれから入射させ、前記ループ状光ファイバ内を時計回りと反時計回りに伝搬させ、時計回り伝搬光と反時計回り伝搬光とを前記分岐結合素子にて結合し、結合された前記時計回り伝搬光と前記反時計回り伝搬光とを前記複数の受光素子に入射させ、前記時計回り伝搬光と前記反時計回り伝搬光との位相差による干渉光の強度変化を示す信号を、前記複数の受光素子から出力する光ファイバリング干渉型センサと、
前記ループ状光ファイバに加わる物理変化を検出するため、前記複数の受光素子から得られる光強度を基に、前記伝搬光の位相差を算出する位相差算出装置と、
を備えた位相差算出システムであって、
前記複数の受光素子は、異なる非相反位相バイアスを有し、位相バイアスがπ以外となる2つ以上の干渉光強度を測定し、
前記位相差算出装置は、前記複数の受光素子から順次選択する各受光素子において、前記位相差の周期関数で変化する前記干渉光強度について前記受光素子ごとに予め定められた複数の前記位相差の区間に対応する範囲内の光強度が得られた場合に、この光強度を用いて前記位相差を算出し、
前記各受光素子に対応する前記区間は、前記測定される干渉光強度が前記位相差に対してリニアに変化するとみなせる位相差区間であって、その区間端において少なくとも他のいずれか1つの受光素子の前記干渉光強度が前記位相差に対してリニアに変化するとみなせる位相差区間と連続する位相差区間であることを特徴とする位相差算出システム。 - 前記位相差算出装置は、前記複数の受光素子内の第1の受光素子から得られた第1の光強度が、前記第1の受光素子に対応した前記区間に対応する範囲内の光強度である場合、前記第1の光強度から前記位相差を算出し、
前記第1の光強度が対応する前記区間に対応する範囲外の光強度に変化した場合、隣接する区間を担当する第2の受光素子から得られた第2の光強度が前記第2の受光素子に対応した区間に対応する範囲内の光強度である場合、前記第2の光強度から前記位相差を算出し、
前記第2の光強度が対応する前記区間に対応する範囲外の光強度に変化した場合、順次、隣接する前記受光素子から得られる光強度が、当該受光素子に対応した区間に対応する範囲内にあるかを判定して、前記区間に対応する範囲内に前記光強度がある場合は前記位相差を算出する
ことを特徴とする請求項5記載の位相差算出システム。 - 前記N×N分岐結合素子として3×3光分岐結合素子を用い、3個の前記受光素子を備えた請求項6記載の位相差算出システムであって、
前記位相差算出装置は、
変数mに1を代入する第1の計算手段と、
変数mを3で除算して得られる剰余に+1を加え、得られた値を変数nに代入する第2の計算手段と、
前記変数mの値が奇数か否かを判定し、奇数の場合、n番目の受光素子(n=1,2,3)で検出された光の干渉成分(Pcn)、非干渉成分(Pin)から、φ=cos-1{-2(Ppdn - Pin)/Pcn+1}により0≦φ<πの範囲でφを計算し、mの値が偶数の場合、φ=cos-1{2(Ppdn - Pin)/Pcn -1}により0≦φ<πの範囲でφを計算する第3の計算手段と、
前記第3の計算手段で得られたφがπ/3以上か否かを判定し、φ≧π/3の場合、φが2π/3未満か否かをさらに判定し、満足する場合、θ=φ+(m-2)π/3により位相差θを計算し、φ≧π/3を満足しない場合、前記第2の計算手段へm−1を前記変数mに代入させ、φが2π/3未満でない場合、前記第2の計算手段へm−1を前記変数mに代入させる第4の計算手段と、
を含むことを特徴とする請求項6記載の位相差算出システム。 - 前記N×N分岐結合素子として3×3光分岐結合素子を用い、2個の前記受光素子を備えた請求項6記載の位相差算出システムであって、
前記位相差算出装置は、
変数mに0を代入する第1の計算手段と、
変数mが偶数か否かを判定し、変数mが偶数の場合、さらに値m/2が偶数か否かを判定し、前記値m/2が偶数の場合、n番目の受光素子(n=1,2)で検出された光の干渉成分(Pcn)、非干渉成分(Pin)から、φ=cos-1{-2(Ppd2 - Pi2)/Pc2+1}により0≦φ<πの範囲でφを計算し、前記値m/2が偶数でない場合、φ=cos-1{2(Ppd2 - Pi2)/Pc2 -1}により0≦φ<πの範囲でφを計算し、一方、変数mが偶数でない場合、さらに(m+1)/2が偶数か否かを判定し、(m+1)/2が偶数の場合、φ=cos-1{-2(Ppd3 - Pi3)/Pc3+1}により0≦φ<πの範囲でφを計算し、(m+1)/2が偶数でない場合、φ=cos-1{2(Ppd3 - Pi3)/Pc3 -1}により0≦φ<πの範囲でφを計算する第2の計算手段と、
前記変数mが偶数の場合であって、前記φがπ/6以上か否かを判定し、前記φがπ/6以上の場合、さらに前記φが2π/3未満か否かを判定し、前記φが2π/3未満の場合、θ=φ+(m/2 - 1/3)πにより位相差θを計算し、前記φが2π/3未満でない場合、前記第2の計算手段へm−1を前記変数mに代入させ、一方、前記φがπ/6以上でない場合、前記第2の計算手段へm−1を前記変数mに代入させ、
前記mが偶数でない場合であって、前記φがπ/3以上の場合、前記φが5π/6未満か否かを判定し、前記φが5π/6未満の場合、θ=φ+(m−1)π/2により位相差θを計算し、φが5π/6未満でない場合、前記第2の計算手段へm−1を前記変数mに代入させ、一方、前記mが偶数でない場合であって、前記φがπ/3以上でない場合、前記第2の計算手段へm−1を前記変数mに代入させる第3の計算手段と、
を含むことを特徴とする請求項6記載の位相差算出システム。
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