JP3355665B2 - 塩化ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents
塩化ビニル系重合体の製造方法Info
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Description
製造方法に関し、さらに詳しくは重合器内壁、及びその
他重合反応中に単量体が接触する部分にスケールが付着
するのを防止し得る改善された塩化ビニル系重合体の製
造方法に関する。
において重合するに際して、重合器内壁等にスケールが
付着するのを防止するために、重合器内部表面に薬剤を
塗布する方法が多種提案されている。その塗布剤とし
て、例えば、スルフォキシド化合物又は/及びスルフォ
ン化合物を塗布する方法(特開昭51−151788号
公報)、フェノールとアルデヒドとの初期縮合物と含窒
素化合物の共縮合物を塗布する方法(特公昭61−84
3号公報)、チオジフェノールと漂白剤との反応生成物
を塗布する方法(特表昭56−500417号公報)な
どが開示されている。これらの塗布剤を使用し、これに
反応後の内壁面の高圧水洗浄を組み合わせても、20〜
70バッチの重合を反復繰り返して実施すると、重合器
の内壁等にスケールが徐々に付着し、重合器の除熱能力
が低下したり、重合中に剥離したスケールが製品中に混
入し、これが樹脂成形品のフィッシュ・アイの原因とな
るなどして、製品の品質を低下させるなどの問題があっ
た。また、フェノールとアルデヒドとの初期縮合物と含
窒素化合物の共縮合物を塗布する方法は、これらが重合
系内に塩化ビニルなどの単量体に対して数ppm程度の僅
かな量が残留するだけでも、重合の遅延の原因となると
いう欠点があり、また、スルフォキシド化合物又は/及
びスルフォン化合物を塗布する方法は、重合缶内壁・邪
魔板・撹拌翼等への付着力が小さいためか、十分なスケ
ール防止効果を得ることができないなどの問題点があっ
た。一方、近年大型重合器やリフラックス・コンデンサ
ーを使用する塩化ビニル系重合体の製造方法が工業的規
模で採用されるようになったことにより、スケール防止
効果、及びその持続性に優れた塗布剤が切望されてい
る。すなわち、大型重合器はその内容積に対して反応熱
を除去するためのジャケットの冷却面積が相対的に小さ
いため、重合の生産性を高めるためにはスケールの付着
を防止し、ジャケットの除熱能力を維持させることがき
わめて重要である。また、重合器内壁と同様に重合反応
中に単量体が接触するリフラックス・コンデンサーは内
部の伝熱管などの構造が複雑であるため、一度スケール
が付着すると、その除去作業に多大の時間と労力を要す
る。したがって、スケール防止効果及びその持続性に優
れ、かつ品質の低下を招かない塗布剤を開発すること
は、極めて重要な技術課題とされるのである。
体粒子の粗粒化及びフィッシュ・アイの増加など品質の
低下を招かず、かつスケール防止の持続性の優れた塗布
剤を塗布することにより、重合器の内壁やリフラックス
・コンデンサー等へのスケール付着防止性の改善された
塩化ビニル系重合体の製造方法を提供することにある。
化ビニル単量体又は塩化ビニルと共重合し得る単量体と
塩化ビニル単量体との混合物を水性媒体中において重合
するに際し、含硫黄フェノール系化合物若しくはフェニ
ルスルフィド、多価フェノール及び芳香族アミンの熱縮
合物を予め重合器の内壁に塗布する塩化ビニル系重合体
の製造方法、特に、当該製造方法において熱縮合物を構
成する成分のモル割合が、含硫黄フェノール系化合物若
しくはフェニルスルフィドが全構成成分モル数の総和に
対して、20〜85モル%であり、芳香族化合物の多価
アルコールに対するモル比率が0.5〜10倍である塩
化ビニル系重合体の製造方法を提供するものである。本
発明のかかる目的は、塩化ビニル単量体又は塩化ビニル
と共重合し得る単量体と塩化ビニル単量体との混合物を
水性媒体中において重合するに際し、含硫黄フェノール
系化合物若しくはフェニルスルフィド、多価フェノール
及び芳香族アミンの熱縮合物を予め重合器の内壁を始め
とし、その他の単量体が接触する部分に適宜塗布するこ
とによって達成される。本発明に用いられる含硫黄フェ
ノール系化合物若しくはフェニルスルフィドは、例えば
ビスフェノール系化合物から選ばれる。この代表例とし
ては、4,4'−チオジフェノール、4,4'−スルフォニ
ルジフェノール、レゾルシノールスルフォキシド、フェ
ニルスルフィドなどが例示されるが、これらに限定され
るものではない。
ンゼン環骨格を1のみ有するものであり、ビスフェノー
ル類は含まない。この代表例としては、フェノール、カ
テコール、レゾルシノール、ピロガロール、ヒドロキノ
ン、ヒドロキシヒドロキノン、フロログリシノール、
(o,m,p−)ヒドロキシベンズアルデヒド、サリチ
ル酸、4−ヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ
安息香酸、(o,m,p−)ニトロフェノール、4,4'
−ジヒドロキシフェニルメタン、(o,m,p−)クロ
ロフェノール、(o,m,p−)ブロモフェノール、
(o,m,p−)クレゾール、p−t−ブチルフェノー
ル、p−t−ブチルカテコールなどが例示されるが、こ
れらに特定されるものではない。また、本発明に用いら
れる芳香族アミンは、アミノフェノール、アミノアニソ
ール、アミノフェネトール、N−メチルアミノフェノー
ル、N−ジメチルアミノフェノール、アミノクレゾー
ル、アミノカテコール、アミノグアヤコール、アミノレ
ゾルシン、アミノヒドロキノン、ジアミノフェノール、
ジアミノアニソール、ジアミノレゾルシン、アニリン、
フェニレンジアミン、N−メチルアニリン、N,N−ジ
メチルアニリン、トルイジン、N−メチルアントラニル
酸、ジアミノ安息香酸、アミノベンゼンスルフォン酸、
メチルアニリンスルフォン酸、ジメチルアニリンスルフ
ォン酸、アニリンジスルフォン酸、アミノトルエンスル
フォン酸、フェニレンジアミンスルフォン酸などが例示
されるが、これらに限定されるものではない。本発明に
おいて、塗布剤として用いられる含硫黄フェノール化合
物と、多価フェノール及び芳香族アミンの反応による熱
縮合物の製造方法としては、酸性触媒の存在下、含硫黄
フェノール化合物と、多価フェノール及び芳香族アミン
の各成分を同時に反応させるか、含硫黄フェノール化合
物と、多価フェノール又は芳香族アミンの一方の成分を
反応させたのち、他方の成分を添加して反応させる。そ
の反応は100〜400℃好ましくは150〜300℃
の温度で1〜10時間にわたって反応せしめる方法が代
表的である。ここで用いられる酸性触媒としては、塩
酸、硫酸、燐酸などの鉱酸、パラトルエンスルフォン
酸、メタンスルフォン酸、シュウ酸、蟻酸などの有機酸
及び塩化アルミニウム、塩化第二鉄、塩化第一錫、三弗
化ほう素、三臭化ほう素などのルイス酸を使用すること
ができる。また酸性触媒の量は、反応温度、熱縮合物を
構成する各成分の仕込み比率若しくは仕込み順序及び所
望の反応時間によっても異なるが、通常は、全構成成分
の仕込みモル数あたり0.001〜1モルの範囲を採用
することができる。
の塗布剤として特に有用な反応生成物は、含硫黄フェノ
ール化合物、多価フェノール及び芳香族アミンを原料と
し、含硫黄フェノール化合物、多価フェノール及び芳香
族アミンの合計モル数に対する含硫黄フェノール化合物
のモル割合が20〜85モル%、好ましくは30〜75
モル%であり、さらに、芳香族アミンの多価フェノール
に対するモル割合が0.5〜10倍、好ましくは1〜5
倍となるように仕込んで反応させることが望ましい。前
記した含硫黄フェノール化合物の仕込みモル割合が20
モル%未満であると、重合禁止作用が若干低下し、従っ
てスケールの成長を防止効果もやや落ちる傾向があり、
一方、含硫黄フェノール化合物の多価フェノールに対す
るモル割合が85モル%を超えると、強い重合禁止効果
のため、重合態様によっては、重合速度の遅延や重合体
粒子の品質の低下などの悪影響が生じるおそれもあるの
で、当該モル割合は20〜85モル%が望ましい。ま
た、前記した芳香族アミンの多価フェノールに対するモ
ル割合が0.5倍未満であると、芳香族アミンの有する
非共有電子対による金属面への付着性が低下するためと
推定される塗膜の耐水性の低下傾向が現れ、長時間の重
合中に塗布剤が重合器の内壁面などから水性媒体中に溶
出して、スケール防止効果の持続性が低下するおそれが
あり、一方、芳香族アミンの多価フェノールに対するモ
ル比が10を超えると、親水効果が低下し反応生成物の
塗布溶液を調製する際のアルカリ性水に対する溶解性が
劣り、塗布量低下又は作業性の困難からスケール防止効
果が低下する可能性があり、当該モル割合を0.5〜1
0倍にすることが望ましい。すなわち、含硫黄フェノー
ル化合物、多価フェノール及び芳香族アミンを特定の割
合で反応させることにより得られる反応生成物からなる
塗布剤は、含硫黄フェノール化合物による強い重合禁止
効果、多価フェノールによる塗膜の親水効果、芳香族ア
ミンによる化合物の塗膜密着効果を調和的に有し、製品
の品質の低下を招かずにスケール防止効果及びその優れ
た持続効果を発揮するのである。
ば、得られる反応生成物の分子量及び軟化点は、前記し
た三成分の原料の仕込みの割合、反応温度、反応時間、
触媒量によって変化し、通常、分子量(GPCによる)
は約500〜3,000、軟化点は70〜250℃の範
囲である。このようにして得られた反応生成物は、アル
コール等極性有機溶剤に溶解して用いてもよいが、通
常、水酸化ナトリウムなどアルカリ金属水酸化物の水溶
液に溶解して使用する。塗布方法は、スプレーあるいは
ハケ塗りなどの公知の方法で重合器の内壁を始めとし、
撹拌機、バッフル、リフラックス・コンデンサーなどの
重合反応中に単量体が接触する部分に塗膜を形成するこ
とができる。このように、水酸化ナトリウムなどアルカ
リ金属水酸化物の水溶液による調製が可能ということ
は、有機溶媒使用の場合に起こる排水のCODの問題、
重合器内での作業環境及び防爆安全性の点から大変有用
である。塗布量は従来の塗布剤を使用する場合と同程度
でよく、一般には固形分で0.001〜20g/m2 、
好ましくは0.1〜10g/m2 である。また、必要に
応じて塗布後の当該表面を加熱乾燥することもできる
し、又は簡単な水洗を行ってもよい。このようにして、
内部表面に塗布剤の塗膜を形成させた重合器を用いて、
塩化ビニル系重合体の製造が行われるが、本発明の方法
は、水性媒体中での重合、すなわち懸濁重合、乳化重
合、微細懸濁重合に適用できる。本発明は、塩化ビニル
の単独重合反応及び塩化ビニル単量体と共重合し得る単
量体との共重合反応に用いることができる。本発明にお
ける塩化ビニル単量体と共重合し得る単量体は塩化ビニ
ルと共重合するものであれば特に制限なくどのような単
量体もよく、例えば酢酸ビニルなどのアルキルビニルエ
ステル、セチルビニルエーテルなどのアルキルビニルエ
ーテル、エチレン又はプロピレンなどのα−モノオレフ
ィン類、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチルなどの
アクリル酸アルキルエステル類を使用することができ
る。
化剤、重合開始剤は、通常の塩化ビニルの懸濁重合又は
乳化重合において使用されるものである。懸濁剤として
は例えばポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルの部分
ケン化物、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチ
ルセルロースなどのセルロース誘導体、無水マレイン酸
−酢酸ビニル共重合体などの合成高分子物質等が例示さ
れる。また、乳化剤としては、高級脂肪酸のソルビタン
エステル又はグリセリンエステル、及びこれらのポリオ
キシエチレン付加物などのノニオン性界面活性剤、ラウ
リル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナ
トリウムなどのアニオン性界面活性剤などが例示され
る。重合開始剤としては例えばジ−2−エチルヘキシル
パーオキシジカーボネート、ジエトキシエチルパーオキ
シジカーボネート、α−クミルパーオキシネオデカネー
ト、t−ブチルパーオキシピバレート、3,5,5−トリ
メチルヘキサノイルパーオキサイド及びアセチルシクロ
ヘキシルスルフォニルパーオキサイドなどのような有機
過酸化物ならびにα,α'−アゾビスイソブチロニトリル
及びα,α'−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリ
ルなどのアゾ化合物の一種又は二種以上の混合物が挙げ
られる。また、乳化重合では過硫酸カリウム、過硫酸ア
ンモニウム等の水溶性触媒が必要に応じてL−アスコル
ビン酸等の還元剤と用いられる。また、所望に応じてメ
ルカプトアルカノール、チオグリコール酸アルキルエス
テルなどの連鎖移動剤、ケン化度20〜55モル%のポ
リビニルアルコール類などの油溶性懸濁助剤、pH調整剤
及び重合禁止剤などを使用することもできる。重合は通
常35〜80℃の温度で撹拌下に行われ、各成分の仕込
み量及び仕込み部数などは、従来塩化ビニル系重合で行
われている慣用の条件でよく、特に限定されるものでは
ない。
に説明する。なお、実施例及び比較例中の部及び%は特
に断りのない限り重量基準である。また、各実施例で示
した塩化ビニル系重合体の物性値は次の方法により測定
した。 (1)フィッシュ・アイ 塩化ビニル系重合体100gにジオクチルフタレート4
5g、ステアリン酸カドミウム2g、ステアリン酸バリ
ウム1g、及びグリーントナー1gを加えて混合した
後、145℃の6インチロールで6分間混練して厚さ
0.4mmのシートに引出し、そのシートの表面100c
m2中に観察される透明粒子の数をもって示した。
脱イオン水350kg、塩化ビニル単量体250kg、部分
ケン化ポリビニルアルコール140g、ジ−2−エチル
ヘキシルパーオキシジカーボネート30g及びt−ブチ
ルパーオキシピバレート50gを仕込んで62℃で5時
間塩化ビニルの重合を行った。重合終了後、重合器の内
壁に付着したスケールの重量を測定した結果、スケール
は液相部で15g/m2、気相部で10g/m2であっ
た。
トリウム水溶液に溶解し、純分濃度1.0%の塗布液を
調整した後、この塗布液を内容積950リットルのステ
ンレス製重合器の内壁に2g/m2の塗布量(純分換
算、以下同じ)となるように塗布し、80℃で10分間
乾燥した。次いで比較例1と同様の操作で塩化ビニルの
重合を行った。重合終了後、重合器の内壁に付着したス
ケールの厚みを測定した結果、スケールは液相部で12
g/m2、気相部で7g/m2であった。
0.3g、m−フェニレンジアミン21.7gをそれぞれ
秤量し、触媒として燐酸9.8gを添加し、270℃で
1時間反応を行った。反応終了後200℃まで冷却し、
反応生成物を冷水中に投入し冷却を行った。水洗脱水
後、窒素雰囲気下に50℃で12時間乾燥を行った。そ
の結果、赤褐色の樹脂状の反応生成物が得られた。この
反応生成物を0.5%水酸化ナトリウム水溶液に溶解
し、純分濃度1.0%の塗布液を調整した後、この塗布
液を内容積950リットルのステンレス製重合器の内壁
に2g/m2の塗布量(純分換算、以下同じ)となるよ
うに塗布し、80℃で10分間乾燥した。次いで比較例
1と同様の操作で塩化ビニルの重合を行った。重合終了
後、重合器の内壁に付着したスケールの厚みを測定した
結果、スケールは液相部で5g/m2、気相部で5g/
m2であった。
0.3g、レゾルシン22.1gをそれぞれ秤量し触媒と
して燐酸9.8gを添加し、270℃で1時間反応を行
った。反応終了後200℃まで冷却し、反応生成物を冷
水中に投入し冷却を行った。水洗脱水後、窒素雰囲気下
に50℃で12時間乾燥を行った。その結果、褐色の樹
脂状の反応生成物が得られた。この反応生成物を0.5
%水酸化ナトリウム水溶液に溶解し、純分濃度1.0%
の塗布液を調整した後、この塗布液を内容積950リッ
トルのステンレス製重合器の内壁に2g/m2の塗布量
となるように塗布し、80℃で10分間乾燥した。次い
で比較例1と同様の操作で塩化ビニルの重合を行った。
重合終了後、重合器の内壁に付着したスケールの厚みを
測定した結果、スケールは液相部で9g/m2、気相部
で11g/m2であった。
ゾルシン22.1gをそれぞれ秤量し触媒として燐酸9.
8gを添加し、270℃で1時間反応を行った。反応終
了後200℃まで冷却し、反応生成物を冷水中に投入し
冷却を行った。水洗脱水後、窒素雰囲気下に50℃で1
2時間乾燥を行った。その結果、黒褐色の樹脂状の反応
生成物が得られた。この反応生成物を0.5%水酸化ナ
トリウム水溶液に溶解し、純分濃度1.0%の塗布液を
調整した後、この塗布液を内容積950リットルのステ
ンレス製重合器の内壁に2g/m2の塗布量となるよう
に塗布し、80℃で10分間乾燥した。次いで比較例1
と同様の操作で塩化ビニルの重合を行った。重合終了
後、重合器の内壁に付着したスケールの厚みを測定した
結果、スケールは液相部で9g/m2、気相部で11g
/m2であった。
0.3g、レゾルシン22.1g、m−フェニレンジアミ
ン21.7gをそれぞれ秤量し触媒として燐酸9.8gを
添加し、270℃で1時間反応を行った。反応終了後2
00℃まで冷却し、反応生成物を冷水中に投入し冷却を
行った。水洗脱水後、窒素雰囲気下に50℃で12時間
乾燥を行った。その結果、黒褐色の樹脂状の反応生成物
が得られた。この反応生成物を0.5%水酸化ナトリウ
ム水溶液に溶解し、純分濃度1.0%の塗布液を調整し
た後、この塗布液を内容積950リットルのステンレス
製重合器の内壁に2g/m2の塗布量となるように塗布
し、80℃で10分間乾燥した。次いで比較例1と同様
の操作で塩化ビニルの重合を行った。重合終了後、重合
器の内壁に付着したスケールの厚みを測定した結果、ス
ケールは液相部、気相部とも皆無であった。
−ブチルカテコール37.0g、アミノフェノール24.
3gをそれぞれ秤量し触媒として塩化アルミニウム9.
8gを添加し、270℃で1時間反応を行った。反応終
了後200℃まで冷却し、反応生成物を冷水中に投入し
冷却を行った。水洗脱水後、窒素雰囲気下に50℃で1
2時間乾燥を行った。その結果、黒褐色の樹脂状の反応
生成物が得られた。この反応生成物を0.5%水酸化ナ
トリウム水溶液に溶解し、純分濃度1.0%の塗布液を
調整した後、この塗布液を内容積950リットルのステ
ンレス製重合器の内壁に2g/m2の塗布量となるよう
に塗布し、80℃で10分間乾燥した。次いで比較例1
と同様の操作で塩化ビニルの重合を行った。重合終了
後、重合器の内壁に付着したスケールの厚みを測定した
結果、スケールは液相部で1g/m2、気相部で3g/
m2であった。
ピロガロール26.5g、アミノアニソール25.9gを
それぞれ秤量し触媒としてパラトルエンスルフォン酸
9.8gを添加し、270℃で1時間反応を行った。反
応終了後200℃まで冷却し、反応生成物を冷水中に投
入し冷却を行った。水洗脱水後、窒素雰囲気下に50℃
で12時間乾燥を行った。その結果、黒褐色の樹脂状の
反応生成物が得られた。この反応生成物を0.5%水酸
化ナトリウム水溶液に溶解し、純分濃度1.0%の塗布
液を調整した後、この塗布液を内容積950リットルの
ステンレス製重合器の内壁に2g/m2の塗布量となる
ように塗布し、80℃で10分間乾燥した。次いで比較
例1と同様の操作で塩化ビニルの重合を行った。重合終
了後、重合器の内壁に付着したスケールの厚みを測定し
た結果、スケールは液相部で2g/m2、気相部で皆無
であった。
00g、レゾルシン600g、m−フェニレンジアミン
900gをそれぞれ秤量し触媒として燐酸180gを添
加し、250℃で1時間反応を行った。反応終了後20
0℃まで冷却し、反応生成物を冷水中に投入し冷却を行
った。水洗脱水後、窒素雰囲気下に50℃で12時間乾
燥を行った。その結果黒褐色の樹脂状の反応生成物が得
られた。この反応生成物を0.5%水酸化ナトリウム水溶
液に溶解し、純分濃度1.0%の塗布液を調整した後、
この塗布液を内容積35cm3のステンレス製重合器の内
壁に2g/m2の塗布量となるように塗布し、塗布面を
3分間水洗したのちに、重合器を脱気し脱イオン水16
トンを仕込み、つづいて塩化ビニル単量体13.5ト
ン、部分ケン化ポリビニルアルコール7.5kg、ジ−2
−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート3.5kgを
同時に仕込み、57.5℃の温度で8時間塩化ビニルの
重合を行った。重合が終了し内容物を排出した後、重合
器内を250kg/cm2の高圧水で15分間洗浄した。高
圧水で洗浄ののちの重合器の内壁に付着したスケールの
厚みを測定した、スケールは液相部、気相部とも皆無で
あった。
2.5g、レゾルシン41.2g、m−フェニレンジアミ
ン40.5gをそれぞれ秤量し触媒として燐酸9.8gを
添加し、270℃で1時間反応を行った。反応終了後2
00℃まで冷却し、反応生成物を冷水中に投入し冷却を
行った。水洗脱水後、窒素雰囲気下に50℃で12時間
乾燥を行った。その結果、黒褐色の樹脂状の反応生成物
が得られた。この反応生成物を0.5%水酸化ナトリウ
ム水溶液に溶解し、純分濃度1.0%の塗布液を調整し
た後、この塗布液を内容積950リットルのステンレス
製重合器の内壁に2g/m2の塗布量となるように塗布
し、80℃で10分間乾燥した。次いで比較例1と同様
の操作で塩化ビニルの重合を行った。重合終了後、重合
器の内壁に付着したスケールの厚みを測定した結果、ス
ケールは液相部で2g/m2、気相部で2g/m2であっ
た。
4.7g、レゾルシン10.4g、m−フェニレンジアミ
ン24.3gをそれぞれ秤量し触媒として燐酸9.8gを
添加し、270℃で1時間反応を行った。反応終了後2
00℃まで冷却し、反応生成物を冷水中に投入し冷却を
行った。水洗脱水後、窒素雰囲気下に50℃で12時間
乾燥を行った。その結果、黒褐色の樹脂状の反応生成物
が得られた。この反応生成物を0.5%水酸化ナトリウ
ム水溶液に溶解し、純分濃度1.0%の塗布液を調整し
た後、この塗布液を内容積950リットルのステンレス
製重合器の内壁に2g/m2の塗布量となるように塗布
し、80℃で10分間乾燥した。次いで比較例1と同様
の操作で塩化ビニルの重合を行った。重合終了後、重合
器の内壁に付着したスケールの厚みを測定した結果、ス
ケールは液相部、気相部とも皆無であった。
4.7g、レゾルシン20.8g、m−フェニレンジアミ
ン13.9gをそれぞれ秤量し触媒として燐酸9.8gを
添加し、270℃で1時間反応を行った。反応終了後2
00℃まで冷却し、反応生成物を冷水中に投入し冷却を
行った。水洗脱水後、窒素雰囲気下に50℃で12時間
乾燥を行った。その結果、黒褐色の樹脂状の反応生成物
が得られた。この反応生成物を0.5%水酸化ナトリウ
ム水溶液に溶解し、純分濃度1.0%の塗布液を調整し
た後、この塗布液を内容積950リットルのステンレス
製重合器の内壁に2g/m2の塗布量となるように塗布
し、80℃で10分間乾燥した。次いで比較例1と同様
の操作で塩化ビニルの重合を行った。重合終了後、重合
器の内壁に付着したスケールの厚みを測定した結果、ス
ケールは液相部は皆無であり、気相部は2g/m2であ
った。
3.3g、レゾルシン11.2g、m−フェニレンジアミ
ン5.5gをそれぞれ秤量し触媒として燐酸9.8gを添
加し、270℃で1時間反応を行った。反応終了後20
0℃まで冷却し、反応生成物を冷水中に投入し冷却を行
った。水洗脱水後、窒素雰囲気下に50℃で12時間乾
燥を行った。その結果、黒褐色の樹脂状の反応生成物が
得られた。この反応生成物を0.5%水酸化ナトリウム
水溶液に溶解し、純分濃度1.0%の塗布液を調整した
後、この塗布液を内容積950リットルのステンレス製
重合器の内壁に2g/m2の塗布量となるように塗布
し、80℃で10分間乾燥した。次いで比較例1と同様
の操作で塩化ビニルの重合を行った。重合終了後、重合
器の内壁に付着したスケールの厚みを測定した結果、ス
ケールは液相部で1g/m2、気相部で皆無であった。
7.6g、レゾルシン3.3g、m−フェニレンジアミン
3.3gをそれぞれ秤量し触媒として燐酸9.8gを添加
し、270℃で1時間反応を行った。反応終了後200
℃まで冷却し、反応生成物を冷水中に投入し冷却を行っ
た。水洗脱水後、窒素雰囲気下に50℃で12時間乾燥
を行った。その結果、褐色の樹脂状の反応生成物が得ら
れた。この反応生成物を0.5%水酸化ナトリウム水溶液
に溶解し、純分濃度1.0%の塗布液を調整した後、こ
の塗布液を内容積950リットルのステンレス製重合器
の内壁に2g/m2の塗布量となるように塗布し、80
℃で10分間乾燥した。次いで比較例1と同様の操作で
塩化ビニルの重合を行った。重合終了後、重合器の内壁
に付着したスケールの厚みを測定した結果、スケールは
液相部で4g/m2、気相部で3g/m2であった。
2.1g、レゾルシン61.1g、m−フェニレンジアミ
ン11.0gをそれぞれ秤量し触媒として燐酸9.8gを
添加し、270℃で1時間反応を行った。反応終了後2
00℃まで冷却し、反応生成物を冷水中に投入し冷却を
行った。水洗脱水後、窒素雰囲気下に50℃で12時間
乾燥を行った。その結果、黒褐色の樹脂状の反応生成物
が得られた。この反応生成物を0.5%水酸化ナトリウ
ム水溶液に溶解し、純分濃度1.0%の塗布液を調整し
た後、この塗布液を内容積950リットルのステンレス
製重合器の内壁に2g/m2の塗布量となるように塗布
し、80℃で10分間乾燥した。次いで比較例1と同様
の操作で塩化ビニルの重合を行った。重合終了後、重合
器の内壁に付着したスケールの厚みを測定した結果、ス
ケールは液相部で3g/m2、気相部で7g/m2であっ
た。
2.1g、レゾルシン6.0g、m−フェニレンジアミン
66.1gをそれぞれ秤量し触媒として燐酸9.8gを添
加し、270℃で1時間反応を行った。反応終了後20
0℃まで冷却し、反応生成物を冷水中に投入し冷却を行
った。水洗脱水後、窒素雰囲気下に50℃で12時間乾
燥を行った。その結果、黒褐色の樹脂状の反応生成物が
得られた。この反応生成物を0.5%水酸化ナトリウム水
溶液に溶解し、純分濃度1.0%の塗布液を調整しよう
としたが、この場合は完全には溶解しなかったため、上
澄み液を内容積950リットルのステンレス製重合器の
内壁に2g/m2の塗布量となるように塗布し、80℃
で10分間乾燥した。次いで比較例1と同様の操作で塩
化ビニルの重合を行った。重合終了後、重合器の内壁に
付着したスケールの厚みを測定した結果、スケールは液
相部で4g/m2、気相部で4g/m2であった。以上の
結果より、本発明の方法によれば、スケールが殆ど付着
しない重合反応が行える。従って、繰り返し重合を行っ
ても長期間にわたって重合器ジャケットの除熱能力を維
持することができ、またフィッシュ・アイが増加するこ
ともないので高能率で高品質の製品を製造することがで
きる。
スケールの付着防止を効果的にしかもその効果を長期間
持続できるという点において優れており、スケール除去
作業に要する時間を大幅に削減できるのみならず、スケ
ールの付着による重合器の除熱能力の低下を防止できる
ので、塩化ビニル系重合体製造の生産性を向上する利点
が得られる。また、製品中へのスケールの混入によって
生成するフィッシュ・アイを低減することができる外、
粒度、多孔性など製品の品質を悪化させることなくスケ
ールの付着を防止できる利点がある。さらに、アルカリ
水溶液として本発明スケール防止剤を塗布できるので、
塗布工程における排水上の問題、作業環境及び安全性の
問題が発生しない利点もある。
Claims (4)
- 【請求項1】塩化ビニル単量体又は塩化ビニルと共重合
し得る単量体と塩化ビニル単量体との混合物を水性媒体
中において重合するに際し、含硫黄フェノール系化合物
若しくはフェニルスルフィド、多価フェノール及び芳香
族アミンの熱縮合物を予め重合器の内壁に塗布すること
を特徴とする塩化ビニル系重合体の製造方法。 - 【請求項2】熱縮合物を構成する成分のモル割合が、含
硫黄フェノール系化合物が全構成成分モル数の総和に対
して、20〜85モル%であり、芳香族化合物の多価ア
ルコールに対するモル比率が0.5〜10倍であること
を特徴とする請求項1記載の塩化ビニル系重合体の製造
方法。 - 【請求項3】含硫黄フェノール系化合物が、ビスフェノ
ール系化合物からなるものである、請求項1又は2記載
の製造方法。 - 【請求項4】多価フェノールが、ベンゼン環骨格を1の
み有するものである請求項1、2又は3記載の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28392792A JP3355665B2 (ja) | 1992-09-29 | 1992-09-29 | 塩化ビニル系重合体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28392792A JP3355665B2 (ja) | 1992-09-29 | 1992-09-29 | 塩化ビニル系重合体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06107708A JPH06107708A (ja) | 1994-04-19 |
JP3355665B2 true JP3355665B2 (ja) | 2002-12-09 |
Family
ID=17672018
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28392792A Expired - Lifetime JP3355665B2 (ja) | 1992-09-29 | 1992-09-29 | 塩化ビニル系重合体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3355665B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2581421A1 (en) | 2011-10-12 | 2013-04-17 | Ineos Europe AG | Additive |
-
1992
- 1992-09-29 JP JP28392792A patent/JP3355665B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06107708A (ja) | 1994-04-19 |
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