JP3355533B2 - ジフルオロメタンの精製方法 - Google Patents

ジフルオロメタンの精製方法

Info

Publication number
JP3355533B2
JP3355533B2 JP13615393A JP13615393A JP3355533B2 JP 3355533 B2 JP3355533 B2 JP 3355533B2 JP 13615393 A JP13615393 A JP 13615393A JP 13615393 A JP13615393 A JP 13615393A JP 3355533 B2 JP3355533 B2 JP 3355533B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hfc
difluoromethane
component
gas
hcl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP13615393A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06345671A (ja
Inventor
博基 大野
一男 村槙
治之 河合
哲夫 中條
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko KK
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP13615393A priority Critical patent/JP3355533B2/ja
Publication of JPH06345671A publication Critical patent/JPH06345671A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3355533B2 publication Critical patent/JP3355533B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C17/00Preparation of halogenated hydrocarbons
    • C07C17/38Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジフルオロメタン(以
下、HFC−32またはCH22と記す)を精製する方
法に関するものであり、簡単な装置を用いて、効率よく
酸分除去を行ない、かつ目的物であるHFC−32の損
失を低減させることを特徴とするHFC−32の精製方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】炭素数1〜4のハロゲン化炭化水素をH
Fによってフッ素化する方法には大別して気相法と液相
法がある。近年、塩素や臭素を分子中に含むフロン、ハ
ロンによるオゾン層破壊の問題がクローズアップされ、
それらの代替物質として分子内に水素を含むハロゲン化
炭化水素(一般にHCFCと略)や塩素、臭素を分子内
に含まないフッ化炭化水素(一般にHFCと略)が提案
され、すでに量産化されているものもある。これらの
内、ジクロロメタンとHFと反応させるHFC−32の
製造において、気相法としてフッ素化触媒は、Cr化合
物(米国特許(US)−2745886、US−323
5612、US−3755477、特開昭59−225
131)等が提案され、一方、液相法でハロゲン化アン
チモンを触媒としてジクロロメタンをフッ素化する手法
も開示されている(US−2005711)が、いずれ
も触媒に関する提案であり、実質的な製造法に関するプ
ロセス提案はなされていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これまでHFC−32
の実質的な製造法に関するプロセス提案がなかった理由
として、 フッ素化反応の反応・精製系では系内は酸、有機ハロ
ゲン化物が混在し、理想系とかけ離れ、複雑な挙動を示
す場合が多く、このため、目的成分と他の成分を効率よ
く分離するために、正確な気液平衡データを採取し、最
適なプロセスを構築する必要がある。
【0004】HFC−32は主として半導体製造プロ
セスにおけるエッチャントとして使用される程度で大量
に必要とされる物質ではなかった。しかし、最近になっ
てオゾン層を破壊する恐れのないことから、現在、冷蔵
庫やルームエアコン等の冷媒として大量に使用されてい
るHCFC−22(CHClF2)の代替冷媒として脚光
をあび、効率よく大量に製造するプロセスが必要とされ
ている。
【0005】本発明が解決しようとする課題は、上記事
情に鑑み、HFC−32の実質的な製造法、特にHFC
−32の精製方法に関するプロセス提案であり、ジフル
オロメタンとHClを主成分とする生成物の蒸留方法に
おいて、生成物を蒸留塔に導入して、HCl含有軽質成
分とジフルオロメタンを主成分とする重質成分とに分離
し、蒸留塔から前記のジフルオロメタンを主成分とする
重質成分をガスサイドカットし、気相でアルカリ水溶液
と接触させることにより酸分除去を行ない、かつ目的物
であるジフルオロメタンの溶解損失を低減させるという
HFC−32の効率のよい精製方法を提供するものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、ジフルオロメ
タンとHClを主成分とする生成物の蒸留方法におい
て、生成物を蒸留塔に導入して、HCl含有軽質成分と
ジフルオロメタンを主成分とする重質成分とに分離し、
蒸留塔から前記のジフルオロメタンを主成分とする重質
成分をガスサイドカットし、気相でアルカリ水溶液と接
触させることにより酸分除去を行ない、かつ目的物であ
るジフルオロメタンの溶解損失を低減させることを特徴
とするジフルオロメタンの精製方法である。
【0007】一般にHFC−32の製法は(1)式に示
すように、 CH2Cl2+2HF→CH22+2HCl……………………(1)式 ジクロロメタンとHFを反応させることによって行なわ
れる。この反応は、例えばアルミナ・クロミナ等の触媒
の存在下、ジクロロメタンに対するHFのモル比:2〜
10、反応温度150〜400℃、反応圧力:大気圧〜
20kg/cm2(ゲージ圧)、SV:100〜5000Hr-1
の範囲で行なわれる。
【0008】反応生成物は、目的物であるHFC−3
2、中間体であるクロロフルオロメタン(CH2Cl
F)、未反応原料のジクロロメタン(CH2Cl2)、副生
HClおよび未反応原料のHFの他に、微量不純物とし
て、CHF3,CH3F,CH3CF3,CF3CHF2,C
3Cl等が生成し、反応、精製系では系内は酸、有機ハ
ロゲン化物が混在し、複雑な挙動を示す。
【0009】このため、目的成分と他の成分を効率よく
分離するための製造プロセスを本発明者等は特願平5−
50953号等で提案している。ジクロロメタンとHF
を前記のような反応条件下で反応を行ない、反応生成物
を第1蒸留塔でHFと共沸混合物を形成しないHClと
HFC−32を塔頂より留出させ、第2蒸留塔へ導き、
HClとHFC−32は共沸関係を有しないので塔頂よ
りHCl、塔底よりHFC−32を分離することができ
る。塔底より抜き出されたHFC−32を主成分とする
液には、前記のような微量不純物が含有され、これら微
量不純物の中でHClおよびHFと共沸関係を有するも
のがあり、HClおよびHFが微量、通常は1重量パー
セント以下の割合で含有されるため、HFC−32の精
製、即ち微量の酸分除去が必要となる。
【0010】酸分除去の方法として、一般的には、例え
ばリーダライムまたはγ−アルミナ等による除去が考え
られるが、酸分を完全に除去することは困難である。ま
た、HFC−32を主成分とする液とアルカリ水溶液と
の液−液洗浄も考えられるが、比重差が接近し二層分
離しにくい、液−液洗浄ではHFC−32の水への溶
解損失が大きい、更に0℃以下でHFC−32の水和
物が形成し工程ラインの閉塞等のプロセス上の欠点が生
じることを見出し、解決のため、鋭意検討した。
【0011】液−液洗浄が前記のような欠点を有するた
め、解決策として 蒸留塔塔底にリボイラーを設置し、ガスサイドカット
により気相でHFC−32を抜き出すことにより、蒸発
器をなくすという経済的メリットが付与される。
【0012】ガスサイドカットされたHFC−32を
主成分とするガスは、例えば圧力調整器により、例えば
常圧にされるが、断熱膨張によりガス温度が約−20℃
以下となるため、アルカリ洗浄塔での氷結防止の対策と
してヒートアップが必要となるが、操作圧力を下げるこ
とにより、高価な耐圧設備を使用せずに済む、またHF
C−32の水への溶解損失を低減できるという経済的な
メリットが付与される。
【0013】HFC−32を主成分とするガスと水酸
化カリウム水溶液とを気−液接触を行なうことにより、
塩効果によりHFC−32の水への溶解ロスを通常の約
1/5に低減でき、更に塩、例えばKFは約48%の水
への溶解度があり、この領域まで循環使用することによ
り、使用する水を低減でき、溶解損失を著しく減らせ
る。一方、水酸化ナトリウム水溶液では、塩、例えばN
aFは約4%の溶解度しかなく、水酸化カリウム水溶液
に比べて大量の水溶液を必要とし溶解損失が増大し経済
的でない。
【0014】アルカリ洗浄塔の操作温度を0℃以上、
好ましくは1〜30℃、更に好ましくは1〜10℃の範
囲で操作することにより、HFC−32の溶解損失の低
減、またHFC−32の水和物の形成が防止でき、工程
ラインの閉塞等の欠点が防止できる。 これらを組み合わせることによって、目的物であるHF
C−32中の微量酸分を完全に除去し、かつ目的物であ
るHFC−32の溶解損失を著しく低減できる経済的な
プロセスを提供するものである。以下に実施例を示し、
更に詳細に説明する。
【0015】
【実施例】図1は本発明に係るHFC−32の精製方法
のフローを示す図で、図中符号1は蒸留塔であり、冷却
器(コンデンサー)符号2およびリボイラー符号3を備
えている。HFC−32とHClを主成分とする生成物
11は蒸留塔へ導入され、好ましい操作圧力の目安とし
て、例えば8kg/cm2G下で蒸留され、塔頂留出分12と
ガスサイドカット留分13とに分けられる。
【0016】塔頂留出分12はHClが主体で精製さ
れ、他の用途に使用される。ガスサイドカット留分13
は好ましい操作条件の目安として、例えば8kg/cm2
下、3℃で抜き出される。抜き出されたガスサイドカッ
ト留分は、アルカリ洗浄塔4に導入される前に好ましい
操作圧力の目安として、例えば圧力調整器によって、常
圧にするが、断熱膨張させるとガス温度が−20℃以下
となるため、アルカリ洗浄塔で氷結を起さぬよう、ヒー
トアップが必要となる。
【0017】アルカリ洗浄塔へ導入されるガスサイドカ
ット留分の好ましい条件の目安として、例えば常圧、1
〜30℃で導入されるが、ガス温度はより低温で氷結を
起さない温度がHFC−32の溶解損失を抑えるために
はより好ましい。アルカリ洗浄塔4は好ましい操作条件
の目安として、例えば常圧、操作温度1〜30℃で操作
され、水酸化カリウム水溶液が図中符号14より供給さ
れる。アルカリ洗浄塔で水酸化カリウム水溶液は例えば
循環ポンプにより循環され、排水処理系へ送られる。ア
ルカリ洗浄塔留出分16は目的物であるHFC−32を
主成分とするガスであり、別に設けられた精製工程へ導
かれる。
【0018】次に実施例を示して、本発明を具体的に説
明する。 実施例1 本発明に係る実施例の図1のフローを例として各部にお
ける成分重量%、およびガスサイドカット留分13の量
を100とした場合の各部の流量を表1に例示する。
【0019】
【表1】
【0020】表1より明らかなように、HFC−32を
主成分とする重質成分をガスサイドカットし、気相で水
酸化カリウム水溶液と接触させることにより酸分を完全
に除去し、かつ目的物であるHFC−32の溶解損失を
著しく低減できる。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るHF
C−32の精製方法は、HFC−32をガスサイドカッ
トし、気相でアルカリ水溶液と接触させることにより酸
分除去を行ない、かつ目的物であるHFC−32の溶解
損失を低減させる経済的な利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のHFC−32の精製方法の実施例を示
すフロー図である。
【符号の説明】
1 蒸留塔 2 冷却器(コンデンサー) 3 リボイラー 4 アルカリ洗浄塔 11 生成物 12 蒸留塔留出分 13 蒸留塔サイドカット留分 14 供給アルカリ水溶液 15 排水 16 アルカリ洗浄塔留出分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中條 哲夫 神奈川県川崎市川崎区扇町5−1 昭和 電工株式会社化学品研究所内 (56)参考文献 特開 平5−78267(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 17/383 C07C 19/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジフルオロメタンとHClを主成分とす
    る生成物の蒸留方法において、生成物を蒸留塔に導入し
    てHCl含有軽質成分とジフルオロメタンを主成分とす
    る重質成分とに分離し、蒸留塔からジフルオロメタンを
    主成分とする重質成分をガスサイドカットし、該ガスサ
    イドカット成分を気相でアルカリ水溶液と接触させるこ
    とにより酸分除去を行なうことを特徴とするジフルオロ
    メタンの精製方法。
  2. 【請求項2】 前記アルカリ水溶液が水酸化カリウム水
    溶液である請求項1記載の方法。
JP13615393A 1993-06-07 1993-06-07 ジフルオロメタンの精製方法 Expired - Lifetime JP3355533B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13615393A JP3355533B2 (ja) 1993-06-07 1993-06-07 ジフルオロメタンの精製方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13615393A JP3355533B2 (ja) 1993-06-07 1993-06-07 ジフルオロメタンの精製方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06345671A JPH06345671A (ja) 1994-12-20
JP3355533B2 true JP3355533B2 (ja) 2002-12-09

Family

ID=15168556

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13615393A Expired - Lifetime JP3355533B2 (ja) 1993-06-07 1993-06-07 ジフルオロメタンの精製方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3355533B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE69500938T2 (de) * 1994-02-28 1998-04-30 Atochem Elf Sa Verfahren zur Trennung von Fluorwasserstoff und Difluormethan

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06345671A (ja) 1994-12-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8212092B2 (en) Process for the reduction of acidic contaminates in fluorinated hydrocarbons
CN102918010A (zh) 联合生产反式-1-氯-3,3,3-三氟丙烯和反式-l,3,3,3-四氟丙烯的综合方法
JP2009221228A (ja) ヘキサフルオロエタンの生成物の精製方法
JP3361814B2 (ja) フルオロカーボン/フッ化水素共沸混合物からの硫酸によるフッ化水素の分離
RU2114813C1 (ru) Способы получения 1,1,1,3,3-пентафторпропана, способ получения 1,1,1,3,3-пентафтор-2-галогено-3-хлорпропана, способ получения 1,1,1,2,3,3-гексахлорпропена, способ получения 1,1,1,3,3-пентафтор-2,3-дихлорпропана
WO2002018305A2 (en) Production and use of octafluoropropane
US20070129582A1 (en) Production processes and systems
JP3355533B2 (ja) ジフルオロメタンの精製方法
CN102596867B (zh) 含氟化合物的纯化方法
JPH05178768A (ja) 1,1,1,2−テトラフルオロエタンとフッ化水素の分離方法
JP2010090045A (ja) フッ化水素の分離方法
JPH0733691A (ja) ジフルオロメタンの製造方法
JP2661441B2 (ja) 1,1,1−トリフルオロ−2−クロロエタンおよび/または1,1,1,2−テトラフルオロエタンの製法
JP3170800B2 (ja) ジフルオロメタンおよび1,1,1,2−テトラフルオロエタンの製造方法
JP3159043B2 (ja) テトラフルオロメタンの製造方法
JP3180228B2 (ja) トリクロルエチレン中の安定剤の除去方法
JPH06263657A (ja) ジフルオロメタンの製造法
US6605193B2 (en) Recovery of HFC-32
US5744661A (en) Purification of 1, 1-difluoroethane
US4599455A (en) Process of purifying fluorinated carbonyl compound mixed with hydrogen fluoride
JPH06263658A (ja) ジフルオロメタンの製法
JP4574259B2 (ja) フルオロメタンの精製方法
KR20020019589A (ko) 헥사플루오로에탄 제조방법 및 그것의 용도
US6239319B1 (en) Processes for the preparation of perfluoroalkanes and iodine pentafluoride
JP2003206272A (ja) 含フッ素アルカンスルホニルフルオリドの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081004

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091004

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091004

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111004

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111004

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121004

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121004

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131004

Year of fee payment: 11

EXPY Cancellation because of completion of term