JP3355533B2 - ジフルオロメタンの精製方法 - Google Patents
ジフルオロメタンの精製方法Info
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C17/00—Preparation of halogenated hydrocarbons
- C07C17/38—Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Description
下、HFC−32またはCH2F2と記す)を精製する方
法に関するものであり、簡単な装置を用いて、効率よく
酸分除去を行ない、かつ目的物であるHFC−32の損
失を低減させることを特徴とするHFC−32の精製方
法に関する。
Fによってフッ素化する方法には大別して気相法と液相
法がある。近年、塩素や臭素を分子中に含むフロン、ハ
ロンによるオゾン層破壊の問題がクローズアップされ、
それらの代替物質として分子内に水素を含むハロゲン化
炭化水素(一般にHCFCと略)や塩素、臭素を分子内
に含まないフッ化炭化水素(一般にHFCと略)が提案
され、すでに量産化されているものもある。これらの
内、ジクロロメタンとHFと反応させるHFC−32の
製造において、気相法としてフッ素化触媒は、Cr化合
物(米国特許(US)−2745886、US−323
5612、US−3755477、特開昭59−225
131)等が提案され、一方、液相法でハロゲン化アン
チモンを触媒としてジクロロメタンをフッ素化する手法
も開示されている(US−2005711)が、いずれ
も触媒に関する提案であり、実質的な製造法に関するプ
ロセス提案はなされていない。
の実質的な製造法に関するプロセス提案がなかった理由
として、 フッ素化反応の反応・精製系では系内は酸、有機ハロ
ゲン化物が混在し、理想系とかけ離れ、複雑な挙動を示
す場合が多く、このため、目的成分と他の成分を効率よ
く分離するために、正確な気液平衡データを採取し、最
適なプロセスを構築する必要がある。
セスにおけるエッチャントとして使用される程度で大量
に必要とされる物質ではなかった。しかし、最近になっ
てオゾン層を破壊する恐れのないことから、現在、冷蔵
庫やルームエアコン等の冷媒として大量に使用されてい
るHCFC−22(CHClF2)の代替冷媒として脚光
をあび、効率よく大量に製造するプロセスが必要とされ
ている。
情に鑑み、HFC−32の実質的な製造法、特にHFC
−32の精製方法に関するプロセス提案であり、ジフル
オロメタンとHClを主成分とする生成物の蒸留方法に
おいて、生成物を蒸留塔に導入して、HCl含有軽質成
分とジフルオロメタンを主成分とする重質成分とに分離
し、蒸留塔から前記のジフルオロメタンを主成分とする
重質成分をガスサイドカットし、気相でアルカリ水溶液
と接触させることにより酸分除去を行ない、かつ目的物
であるジフルオロメタンの溶解損失を低減させるという
HFC−32の効率のよい精製方法を提供するものであ
る。
タンとHClを主成分とする生成物の蒸留方法におい
て、生成物を蒸留塔に導入して、HCl含有軽質成分と
ジフルオロメタンを主成分とする重質成分とに分離し、
蒸留塔から前記のジフルオロメタンを主成分とする重質
成分をガスサイドカットし、気相でアルカリ水溶液と接
触させることにより酸分除去を行ない、かつ目的物であ
るジフルオロメタンの溶解損失を低減させることを特徴
とするジフルオロメタンの精製方法である。
すように、 CH2Cl2+2HF→CH2F2+2HCl……………………(1)式 ジクロロメタンとHFを反応させることによって行なわ
れる。この反応は、例えばアルミナ・クロミナ等の触媒
の存在下、ジクロロメタンに対するHFのモル比:2〜
10、反応温度150〜400℃、反応圧力:大気圧〜
20kg/cm2(ゲージ圧)、SV:100〜5000Hr-1
の範囲で行なわれる。
2、中間体であるクロロフルオロメタン(CH2Cl
F)、未反応原料のジクロロメタン(CH2Cl2)、副生
HClおよび未反応原料のHFの他に、微量不純物とし
て、CHF3,CH3F,CH3CF3,CF3CHF2,C
H3Cl等が生成し、反応、精製系では系内は酸、有機ハ
ロゲン化物が混在し、複雑な挙動を示す。
分離するための製造プロセスを本発明者等は特願平5−
50953号等で提案している。ジクロロメタンとHF
を前記のような反応条件下で反応を行ない、反応生成物
を第1蒸留塔でHFと共沸混合物を形成しないHClと
HFC−32を塔頂より留出させ、第2蒸留塔へ導き、
HClとHFC−32は共沸関係を有しないので塔頂よ
りHCl、塔底よりHFC−32を分離することができ
る。塔底より抜き出されたHFC−32を主成分とする
液には、前記のような微量不純物が含有され、これら微
量不純物の中でHClおよびHFと共沸関係を有するも
のがあり、HClおよびHFが微量、通常は1重量パー
セント以下の割合で含有されるため、HFC−32の精
製、即ち微量の酸分除去が必要となる。
ばリーダライムまたはγ−アルミナ等による除去が考え
られるが、酸分を完全に除去することは困難である。ま
た、HFC−32を主成分とする液とアルカリ水溶液と
の液−液洗浄も考えられるが、比重差が接近し二層分
離しにくい、液−液洗浄ではHFC−32の水への溶
解損失が大きい、更に0℃以下でHFC−32の水和
物が形成し工程ラインの閉塞等のプロセス上の欠点が生
じることを見出し、解決のため、鋭意検討した。
め、解決策として 蒸留塔塔底にリボイラーを設置し、ガスサイドカット
により気相でHFC−32を抜き出すことにより、蒸発
器をなくすという経済的メリットが付与される。
主成分とするガスは、例えば圧力調整器により、例えば
常圧にされるが、断熱膨張によりガス温度が約−20℃
以下となるため、アルカリ洗浄塔での氷結防止の対策と
してヒートアップが必要となるが、操作圧力を下げるこ
とにより、高価な耐圧設備を使用せずに済む、またHF
C−32の水への溶解損失を低減できるという経済的な
メリットが付与される。
化カリウム水溶液とを気−液接触を行なうことにより、
塩効果によりHFC−32の水への溶解ロスを通常の約
1/5に低減でき、更に塩、例えばKFは約48%の水
への溶解度があり、この領域まで循環使用することによ
り、使用する水を低減でき、溶解損失を著しく減らせ
る。一方、水酸化ナトリウム水溶液では、塩、例えばN
aFは約4%の溶解度しかなく、水酸化カリウム水溶液
に比べて大量の水溶液を必要とし溶解損失が増大し経済
的でない。
好ましくは1〜30℃、更に好ましくは1〜10℃の範
囲で操作することにより、HFC−32の溶解損失の低
減、またHFC−32の水和物の形成が防止でき、工程
ラインの閉塞等の欠点が防止できる。 これらを組み合わせることによって、目的物であるHF
C−32中の微量酸分を完全に除去し、かつ目的物であ
るHFC−32の溶解損失を著しく低減できる経済的な
プロセスを提供するものである。以下に実施例を示し、
更に詳細に説明する。
のフローを示す図で、図中符号1は蒸留塔であり、冷却
器(コンデンサー)符号2およびリボイラー符号3を備
えている。HFC−32とHClを主成分とする生成物
11は蒸留塔へ導入され、好ましい操作圧力の目安とし
て、例えば8kg/cm2G下で蒸留され、塔頂留出分12と
ガスサイドカット留分13とに分けられる。
れ、他の用途に使用される。ガスサイドカット留分13
は好ましい操作条件の目安として、例えば8kg/cm2G
下、3℃で抜き出される。抜き出されたガスサイドカッ
ト留分は、アルカリ洗浄塔4に導入される前に好ましい
操作圧力の目安として、例えば圧力調整器によって、常
圧にするが、断熱膨張させるとガス温度が−20℃以下
となるため、アルカリ洗浄塔で氷結を起さぬよう、ヒー
トアップが必要となる。
ット留分の好ましい条件の目安として、例えば常圧、1
〜30℃で導入されるが、ガス温度はより低温で氷結を
起さない温度がHFC−32の溶解損失を抑えるために
はより好ましい。アルカリ洗浄塔4は好ましい操作条件
の目安として、例えば常圧、操作温度1〜30℃で操作
され、水酸化カリウム水溶液が図中符号14より供給さ
れる。アルカリ洗浄塔で水酸化カリウム水溶液は例えば
循環ポンプにより循環され、排水処理系へ送られる。ア
ルカリ洗浄塔留出分16は目的物であるHFC−32を
主成分とするガスであり、別に設けられた精製工程へ導
かれる。
明する。 実施例1 本発明に係る実施例の図1のフローを例として各部にお
ける成分重量%、およびガスサイドカット留分13の量
を100とした場合の各部の流量を表1に例示する。
主成分とする重質成分をガスサイドカットし、気相で水
酸化カリウム水溶液と接触させることにより酸分を完全
に除去し、かつ目的物であるHFC−32の溶解損失を
著しく低減できる。
C−32の精製方法は、HFC−32をガスサイドカッ
トし、気相でアルカリ水溶液と接触させることにより酸
分除去を行ない、かつ目的物であるHFC−32の溶解
損失を低減させる経済的な利点を有する。
すフロー図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 ジフルオロメタンとHClを主成分とす
る生成物の蒸留方法において、生成物を蒸留塔に導入し
てHCl含有軽質成分とジフルオロメタンを主成分とす
る重質成分とに分離し、蒸留塔からジフルオロメタンを
主成分とする重質成分をガスサイドカットし、該ガスサ
イドカット成分を気相でアルカリ水溶液と接触させるこ
とにより酸分除去を行なうことを特徴とするジフルオロ
メタンの精製方法。 - 【請求項2】 前記アルカリ水溶液が水酸化カリウム水
溶液である請求項1記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13615393A JP3355533B2 (ja) | 1993-06-07 | 1993-06-07 | ジフルオロメタンの精製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13615393A JP3355533B2 (ja) | 1993-06-07 | 1993-06-07 | ジフルオロメタンの精製方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06345671A JPH06345671A (ja) | 1994-12-20 |
JP3355533B2 true JP3355533B2 (ja) | 2002-12-09 |
Family
ID=15168556
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13615393A Expired - Lifetime JP3355533B2 (ja) | 1993-06-07 | 1993-06-07 | ジフルオロメタンの精製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3355533B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE69500938T2 (de) * | 1994-02-28 | 1998-04-30 | Atochem Elf Sa | Verfahren zur Trennung von Fluorwasserstoff und Difluormethan |
-
1993
- 1993-06-07 JP JP13615393A patent/JP3355533B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06345671A (ja) | 1994-12-20 |
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