JP3355415B2 - 磁気検知マーカーとその存在判定システム - Google Patents

磁気検知マーカーとその存在判定システム

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JP3355415B2
JP3355415B2 JP7346793A JP7346793A JP3355415B2 JP 3355415 B2 JP3355415 B2 JP 3355415B2 JP 7346793 A JP7346793 A JP 7346793A JP 7346793 A JP7346793 A JP 7346793A JP 3355415 B2 JP3355415 B2 JP 3355415B2
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渉 末永
正夫 金澤
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Nissin Electronics Co Ltd
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Nissin Electronics Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化粧品、薬剤、菓子な
どの添付文、または食品の付属物などの被包装物が、そ
れらの商品の梱包後、商品と共に混載されていることの
有無の識別を行うための、磁性塗料を用いた磁気検知マ
ーカーに関する。
【0002】
【従来の技術】物品を遠隔で識別または検知する方法
は、空港などで利用されている金属検知器または百貨店
やスーパーマーケットなどの大型店や図書館などの公共
施設から品物が無断で持ち出される被害を防止するため
の盗難防止システムに使用されている。
【0003】前者は身につけている金属類の磁気的性質
または渦電流による磁化変化を検知する磁気システムで
あり、後者は品物にソフト磁性材を用いたラベルを貼り
付けておき、品物が質問領域を通過する際に、このラベ
ルのソフト磁性材によって磁界変化をおこさせ、この磁
化変化を検知させる磁気システムが用いられている。こ
れらはいずれも基本的な原理は同様で、1934年仏国
特許第763681号に最初に開示された電子物品監視
装置の考えに基ずいている。
【0004】磁気システムのマーカーに使用する軟磁性
材として最近システムの感度および信頼性を向上させる
目的で、特開昭58−39396号公報、特開昭59−
161794号公報には非晶質金属を用いることが提案
されており、特開昭53−10300号公報には非対称
的形状の強磁性材料からなり、マーカーを小さくするよ
う工夫がなされた磁束コレクタマーカーが提案されてい
る。さらに、特開昭63−83899号公報、特開平1
−217594号公報には、磁束コレクタマーカーの改
良が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したマーカーは、
盗難防止の保険的色彩が強くマーカー一つ当たりの単価
が高く、非晶質金属ストライプまたはストライプをエッ
チングしたものを紙またはフィルムを基材とする少なく
とも2枚のテープの間に把持されているのが一般的であ
り複雑な製造工程を有する。また、厚さも200μm以
上であり、先に述べた用途を考えた場合、被包装物に貼
付すると嵩ばり、折曲げることもできなかった。さら
に、交番磁界の印加によって生ずる渦電流の効果を、マ
ーカーの磁界に対する磁化の非線形性を利用して低減す
るメカニズムを利用したものであった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために、電子物品監視システムにおいて、交番
磁界でなく直流磁界に応答する磁性材料の材料特性の主
要因について基礎にたちかえって鋭意検討した結果、直
流磁界により渦電流が生じないこと、非磁性基材上に設
けた磁性層の保磁力および体積が主要因であることを見
い出し、本発明に至った。
【0007】すなわち、本発明は、上記課題を解決する
ため、(1)被包装物上に、高透磁性で低保磁力の磁性
粉を結合剤中に分散してなる磁性層を有し、前記磁性層
が、検出領域内において入射した直流磁界に対して磁化
変化を発生させることを特徴とする磁気検知マーカー、
(2)基材上に、高透磁性で低保磁力の磁性粉を結合剤
中に分散してなる磁性層を有する磁気フィルムからな
り、前記磁性層が、検出領域内において入射した直流磁
界に対して磁化変化を発生させることを特徴とする磁気
検知マーカー、(3)少なくとも基材の一方の面に設け
られた磁性層と、前記基材の他方の面に設けられた粘着
層と、前記粘着層を覆う剥離紙とからなることを特徴と
する貼合型の磁気検知マーカー、(4)少なくとも基材
の一方の面に設けられた磁性層と、前記磁性層の上に設
けられた粘着層と、前記粘着層を覆う剥離紙とからなる
ことを特徴とする貼合型の磁気検知マーカー、(5)少
なくとも剥離性基材の一方の面に設けられた磁性層と、
前記磁性層の上に設けられた粘着層とからなることを特
徴とする転写型の磁気検知マーカー、(6)上記
(1)、(2)、(3)、(4)または(5)の磁気検
知マーカーに対して、直流磁界を加え、その加えられた
直流磁界に起因する前記検知マーカーから発生する磁化
変化を出力信号して検出し、前記出力信号の有無によ
り、前記磁気検知マーカーの存在の有無を判定すること
を特徴とする磁気検知マーカーの存在判定システムを提
供する。
【0008】以下、図面を用いて、本発明について詳し
く説明する。
【0009】第1に、図1を用いて、被包装物上に磁性
層を有する磁気検知マーカーについて述べる。
【0010】図1は、被包装物A上に、高透磁性で低保
磁力の磁性粉を結合剤中に分散してなる磁性層1を有
し、磁性層1が、検出領域内において入射した直流磁界
に対して磁化変化を発生させることを特徴とする磁気検
知マーカーの一例を示す模式平面図および断面図であ
る。
【0011】被包装物Aとしては、例えば、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリエチレンナフタレート、ポリビニルアルコー
ル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、
ナイロン、ポリスチレン、エチレン酢酸ビニル共重合
体、エチレン−ビニル共重合体などからなるプラスチッ
クフィルムまたはシート;紙、含浸紙;これらの各材料
からなる複合体を使用でき、これら以外の材料であって
も、被包装物Aに必要な強度、構成などを有するもので
あれば、特に制限なく使用できる。
【0012】次に、被包装物A上に磁性層1を設ける方
法を述べる。
【0013】磁性層1は、初透磁率が高く、微少な交番
磁界で磁束ができるだけ変化するように保磁力が低い方
が望ましい。したがって、磁性層1を構成する磁性塗料
中の磁性粉の透磁率は101オーダー以上が好ましく、
抗磁力は25エルステッド以下が望ましい。
【0014】前記磁性粉としては、例えば、Ni−Fe
−a(aはMo、Cu、Mn、Nb、Taの少なくとも
1種類を含んでいる系)のようなNi−Fe系;Fe−
Al−Si−b(bはCr、Ti、Cuの少なくとも1
種類を含んでいる系)のようなFe−Al−Si系;F
e−Si−B−c(cはNb、Cr、Ni、Cu、Zn
の少なくとも1種類を含んでいる系)のようなFe−S
i−B系;Co−Fe−Si−B系、Co−Zr−Nb
系、Co−Zr−Ta系のようなアモルファス合金系;
Fe−Co系、Fe−Co−Si−Al系、Fe−(A
l、Ga)−(Si、Ge)系、Fe−Ga−Si−R
u系のようなFe系などの従来公知の低保磁力の軟磁性
材料からなる合金粉末を挙げることができる。これらの
軟磁性粉末の製造法は公知であり、本発明においては公
知の方法に従って製造したものを用いることができる。
【0015】磁性層1を形成するための磁性塗料に使用
する結合剤としては、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、塩化ビニルおよび酢酸ビニルと、ビニルアルコー
ル、無水マレイン酸またはアクリル酸との共重合体、塩
化ビニル−酢酸ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アク
リロニトリル共重合体、スルホン酸基−アミノ基などの
極性基を有する塩化ビニル系共重合体のような塩化ビニ
ル系共重合体;ニトロセルロースのようなセルロース誘
導体;ポリビニルアセタール樹脂;アクリル樹脂;ポリ
ビニルブチラール樹脂;エポキシ樹脂;フェノキシ樹
脂;ポリウレタン樹脂;ポリエステルポリウレタン樹
脂;スルホン酸基などの極性基を有するポリウレタン樹
脂、ポリカーボネートポリウレタン系樹脂などを挙げる
ことができる。結合剤として用いる樹脂は、単独で使用
することもできるが、塩化ビニル系樹脂とポリウレタン
系樹脂、セルロース誘導体とポリウレタン系樹脂のよう
に2種類以上の樹脂を組み合わせて使用することもでき
る。
【0016】前記磁性塗料中の結合剤の使用量は、磁性
分100重量部当たり15〜30重量部の範囲が好まし
い。
【0017】また、磁性塗料に用いる分散剤としては、
レシチン、高級アルコール、界面活性剤などを挙げるこ
とができる。これらの分散剤の使用量は、磁性粉100
重量部当たり0.5〜3.0重量部の範囲が好ましい。
【0018】前記磁性粉、前記結合剤、および前記分散
剤を、各種の混練・分散機を用いて分散して磁性塗料を
作製する。混練・分散にあたっては、二本ロール、三本
ロールなどのロール型混練機、ボール型回転ミル、サン
ドミルなどの分散機に、上述の各成分をすべて同時に、
または個々順次投入される。
【0019】このようにして作製された磁性塗料を、被
包装物A上に印刷し、5000〜10000ガウスの磁
場強度をもつ永久磁石またはソレノイド磁石により磁場
配向処理を施した後、乾燥させることによって、磁性層
1を形成することができる。この時、磁性層1をカレン
ダー処理しても構わない。この磁場配向処理およびカレ
ンダー処理は塗膜密度が向上し、透磁率が高くなるので
これらの処理を施すことは望ましい。
【0020】前記磁性塗料の印刷方法としては、例え
ば、グラビア印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷な
どが挙げられる。
【0021】磁性層1の厚さは、5〜30μmの範囲が
好ましく、特に10〜20μmの範囲にあることが望ま
しく、大きさは、幅10〜30mm、長さ10〜50mmの
範囲が好ましい。
【0022】第2に、図2を用いて、貼合型の磁気検知
マーカーについて述べる。
【0023】図2は、基材B上に、高透磁性で低保磁力
の磁性粉を結合剤中に分散してなる磁性層4を有し、磁
性層4が、検出領域内において入射した直流磁界に対し
て磁化変化を発生させることを特徴とする貼合型の磁気
検知マーカーの一例を示す模式断面図である。
【0024】基材Bとしては、例えば、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリエチレンナフタレート、ポリビニルアルコー
ル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、
ナイロン、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体フィルム、エチレン−ビニル共重合体フィルムなどか
らなるプラスチックフィルムまたはシート;紙、含浸
紙;これらの各材料からなる複合体を使用でき、これら
以外の材料であっても、必要な強度、構成などを有する
ものであれば、特に制限なく使用できる。
【0025】基材Bの一方の面に磁性層4を設ける方法
としは、例えば、前記磁性塗料を、基材Bに塗布し、5
000〜10000ガウスの磁場強度をもつ永久磁石ま
たはソレノイド磁石により磁場配向処理を施した後、乾
燥させることによって、磁性層を形成する方法が挙げら
れる。このとき、磁性層4をカレンダー処理しても構わ
ない。この磁場配向処理およびカレンダー処理は塗膜密
度が向上し、透磁率が高くなるので、これらの処理を施
すことは望ましい。
【0026】前記磁性塗料の塗布方法としては、例え
ば、エアードクターコート、ブレードコート、ロッドコ
ート、押し出しコート、エアーナイフコート、スクイズ
コート、含侵コート、リバースロールコート、トランス
ファーロールコート、グラビアコート、キスコート、キ
ャストコート、スプレイコートなどが挙げられる。
【0027】磁性層4の厚さは、5〜30μmの範囲が
好ましく、特に10〜20μmの範囲にあることが望ま
しい。
【0028】この貼合型の磁気検知マーカーを被包装物
などに貼付させるために、基材Bの他方の面に粘着層2
を設ける方法を述べる。
【0029】粘着層2としては、感熱性接着剤、感圧性
接着剤からなる層が挙げられる。つまり、粘着層2を形
成するには、前記磁性塗料と同様に公知の塗布方法によ
り、例えば、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、塩化ビニル−プロピオン酸共重合体、ゴム系樹
脂、アクリル共重合体樹脂、シアノアクリレート樹脂、
セルロース系樹脂、アイオノマー樹脂、ポリオレフィン
系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリア
ミド樹脂、アクリロニトリルブタジエン樹脂、天然ゴム
などを必要に応じて、可塑剤、助剤などを添加して、適
宜用いることができ、通常5〜10μmの厚さに形成す
る。
【0030】さらに、図2に示すように、剥離紙3で粘
着層2を被覆するか、または、図示していないが、磁性
層4上に剥離処理を施した保護層を設け、従来の粘着テ
ープ同様のロール状に巻回して使用することもできる。
【0031】なお、図示していないが、基材Bの一方の
面のみに、磁性層4、粘着層2、および剥離紙3を設け
た構成としてもよい。
【0032】第3に、図3を用いて、転写型の磁気検知
マーカーについて述べる。
【0033】図3は、剥離性基材Cの一方の面に、高透
磁性で低保磁力の磁性粉を結合剤中に分散してなる磁性
層5と、磁性層5上の粘着層6とを有し、磁性層5が検
出領域内において入射した直流磁界に対して磁化変化を
発生させることを特徴とする転写型の磁気検知マーカー
の模式断面図である。
【0034】剥離性基材Cとしては、例えば、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化
ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネー
ト、ナイロン、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム
などを用いることができる。
【0035】剥離性基材C上に磁性層5を設ける方法と
しては、前記磁性塗料を、基材Cに塗布し、5000〜
10000ガウスの磁場強度をもつ永久磁石またはソレ
ノイド磁石により磁場配向処理を施した後、乾燥させる
ことによって、磁性層5を形成する方法が挙げられる。
このとき、磁性層5をカレンダー処理しても構わない。
この磁場配向処理およびカレンダー処理は塗膜密度が向
上し、透磁率が高くなるので、これらの処理を施すこと
は望ましい。
【0036】前記磁性塗料の塗布方法としては、例え
ば、エアードクターコート、ブレードコート、ロッドコ
ート、押し出しコート、エアーナイフコート、スクイズ
コート、含侵コート、リバースロールコート、トランス
ファーロールコート、グラビアコート、キスコート、キ
ャストコート、スプレイコートなどが挙げられる。
【0037】磁性層5の厚さは、5〜30μmの範囲が
好ましく、特に10〜20μmの範囲にあることが望ま
しい。
【0038】また、被包装物などに転写させるために必
要な粘着層6を、磁性層5上に設ける方法を以下に述べ
る。
【0039】粘着層6を形成するには、前記磁性塗料と
同様に公知の塗布方法により、例えば、塩化ビニル樹
脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−プロ
ピオン酸共重合体、ゴム系樹脂、アクリル共重合体樹
脂、シアノアクリレート樹脂、セルロース系樹脂、アイ
オノマー樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂などを、必要に
応じて、可塑材、助剤などを添加して、適宜用いること
ができ、通常5〜10μmの厚さに形成する。
【0040】貼合型および転写型の磁気検知マーカーを
被包装物に対して使用するには、被包装物と、貼合型ま
たは転写型の磁気検知マーカーを加熱および加圧して、
接着させる。貼合型の磁気検知マーカーは、剥離紙を剥
離後、加熱および加圧して使用する。転写型の磁気検知
マーカーは、加熱および加圧後、剥離性基材を剥離して
使用する。
【0041】具体的には、金属ロールまたはゴムロール
の一対を対向させて設置し、一方のロールを加熱してお
いて、貼合型または転写型磁気検知マーカー側に接触さ
せ、前記ロール間の圧力と前記ロールの熱によって加熱
および加圧を行うか、あるいは熱プレスを用いて行うと
よい。加熱および加圧の条件は使用する材料によっても
異なるが、一例を挙げると、温度は100℃乃至300
℃、圧力は熱ロール方式では約10Kg/cm2 、熱プレス
方式では10Kg/cm2前後、速度としては50m/分く
らいが適当である。
【0042】なお、図示していないが、被包装物に、磁
気検知マーカーとして機能する前記磁気塗料の印刷、貼
合型の磁気検知マーカーの貼合、または転写型の磁気検
知マーカーの転写を行った後、さらに別の被包装物を積
層させることにより、磁気検知マーカーを隠蔽し、外観
を改善させてもよい。
【0043】第4に、図4を用いて、上記磁気検知マー
カーの存在判定システムについて述べる。
【0044】図4は、上記で述べた磁気検知マーカーに
対して、直流磁界を加え、その加えられた直流磁界に起
因する前記検知マーカーから発生する磁化変化を出力信
号として検出し、前記出力信号の有無により、前記磁気
検知マーカーの存在の有無を判定することを特徴とする
磁気検知マーカーの存在判定システムの原理を示す模式
構成図である。
【0045】この存在判定システムは、直流磁界励振部
100と受信信号検出部200とから構成される。
【0046】直流磁界励振部100は、直流電圧電源1
01と、直流電圧を直流電流に変換する電圧−電流変換
器102と、直流電流により直流磁界を発生させる励振
コイル103とから構成される。
【0047】受信信号検出部200であり、励振コイル
103に対抗するように配置され、差動接続された二つ
の受信コイル201と、誘起された信号を増幅する差動
増幅器202と、検出判断する比較器203とから構成
される。
【0048】耐外乱特性を向上させるため、差動接続に
より構成された受信コイル201の出力は通常状態では
零であるが、検出領域内を本発明の磁気検知マーカーが
通過すると直流磁界が影響を受け、二つの受信コイルを
鎖交する磁束が時間差をもって変化することにより、各
コイルに電圧が誘起され差動出力信号が得られる。
【0049】直流磁界を検出する方式のため、本発明の
磁気検知マーカーを構成する磁性層のみに感度があり、
被包装物が導電性をもつ場合でも、通過速度を選択値以
下に設定することにより、渦電流損によるノイズを発生
しない。通過速度の選択値としては、80m/分以下が
好ましい。
【0050】したがって、受信コイル201に誘起され
る出力信号が発生するか否かを調べることによって、被
包装物に使用された本発明の磁気検知マーカーの有無の
存在確認の判定ができる。
【0051】なお、励振コイルにより検出領域内に発生
する直流磁界の強さは20エルステッド以下が好まし
く、本原理説明では励振コイル103に直流電流を供給
することによって直流磁界を発生させているが、永久磁
石に置き換えることによって目的を達成できることはい
うまでもない。
【0052】
【実施例】以下に、本発明をより具体的に説明するため
に実施例を挙げる。
【0053】(実施例1)保磁力10エルステッドの磁
性粉である「センダスト粉末」(粉末組成=Al:5
%、Si:10%、Fe:85%;粉末形状:鱗片状;
平均粒径:15μm)100重量部、レシチン3重量
部、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合
体「VAGH」(米国ユニオンカーバイト社製)10重
量部、ポリウレタンエラストマー「T−5206」(大
日本インキ化学工業(株)製)10重量部を加圧ニーダ
ーにて混練し、得られた混練物に、メチルエチルケト
ン、トルエン、およびシクロヘキサノンの等重量混合液
300重量部を加え、ボールミルにて分散して、磁性塗
料を得た。
【0054】得られた磁性塗料を被包装物の表面上に、
幅20mm、長さ20mmの大きさで、乾燥塗布厚が6.5
μmとなるようにスクリーン印刷して磁界強度2000
ガウスにて配向処理を施し、図1に示した本発明の磁気
検知マーカーを作製した。
【0055】次に、検出領域内に磁界振幅0.5エルス
テッドの直流磁界を加え、作製した磁気検知マーカーを
アルミ包装レトルト食品「ククレカレー」に添付し、図
4に示した本発明の磁気検知マーカーの存在判定システ
ムを用いて、20m/分の速度で通過させたときの出力
を測定した。
【0056】(実施例2)実施例1と同様にして、磁性
塗料を得た。
【0057】この磁性塗料を厚さ24μmのポリエステ
ルフィルム面上に、乾燥塗布厚が6.5μmとなるよう
塗布し、磁界強度2000ガウスにて配向処理を施し
た。
【0058】さらに、ポリアミド樹脂「トーマイド」
(富士化成工業(株)製)100重量部に、トルエンお
よびイソプロピルアルコールの等重量混合液300重量
部を加え、攪拌機にて溶解後ワニスを得た。
【0059】このワニスを磁気塗膜面と反対側のポリエ
ステルフィルム面上に乾燥塗布厚が25μmとなるよう
塗布し、幅20mm、長さ20mmの大きさに切り出し、図
2に示した本発明の貼合型の磁気検知マーカーを作製し
た。
【0060】この貼合型の磁気検知マーカーを被包装物
に120℃にて貼り合わせて、実施例1と同様にして、
評価測定を行った。
【0061】(実施例3)実施例1と同様にして、磁性
塗料を得た。
【0062】この磁性塗料を厚さ24μmの剥離性ポリ
エステルフィルム面上に、乾燥塗布厚が6.5μmとな
るよう塗布し、磁界強度2000ガウスにて配向処理を
施した。
【0063】さらに、ポリアミド樹脂「トーマイド」
(富士化成工業(株)製)100重量部にトルエンおよ
びイソプロピルアルコールの等重量混合液300重量部
を加え、攪拌機にて溶解後ワニスを得た。
【0064】このワニスを磁気塗膜面上に乾燥塗布厚が
5μmとなるよう塗布し、幅20mm、長さ20mmの大き
さに切り出し、図3に示した本発明の転写型の磁気検知
マーカーを作製した。
【0065】この転写型の磁気検知マーカーを被包装物
に120℃にて転写し、剥離性ポリエステルフィルムを
剥離して、実施例1と同様にして、評価測定を行った。
【0066】(比較例1)直径2.0mmの鉄球を被包装
物にセロテープにて添付して、実施例1と同様にして、
評価測定を行った。
【0067】(比較例2)渦電流の出力のノイズを明確
にするため、アルミ包装レトルト食品「ククレカレー」
のみを、実施例1と同様にして、評価測定を行った。
【0068】実施例1〜3と比較例1〜2で測定した出
力電圧を、下記表1に示した。比較例1が示した出力は
一般的に金属検出器で検知される下限の目安であり、比
較例2が示す渦電流による効果に対して、実施例1〜3
の出力は直径2mmの鉄球より充分に大きいことは明らか
である。
【0069】
【表1】
【0070】
【発明の効果】商品の説明書などの被包装物が、商品梱
包後、商品と共に混載されていることの有無を開梱しな
いで容易に遠隔で検出できる。さらに、万引き防止用に
使用されている従来の金属リボンと異なり、製造コスト
が安く、加工性および生産性が優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】被包装物上に高透磁性で低保磁力の磁性粉を結
合剤中に分散してなる磁性層を有する本発明の磁気検知
マーカーの一例を示す模式断面図および平面図である。
【図2】本発明の貼合型の磁気検知マーカーの一例を示
す模式断面図である。
【図3】本発明の転写型の磁気検知マーカーの一例を示
す模式断面図である。
【図4】本発明の磁気検知マーカーの存在判定システム
の原理を示す模式構成図である。
【符号の説明】 1 磁性層 A 被包装物 2 粘着層 3 剥離紙 4 磁性層 B 基材 5 磁性層 6 粘着層 C 剥離性基材 100 直流磁界励振部 101 直流電源 102 電圧−電流変換器 103 励振コイル 200 受信信号検出部 201 受信コイル 202 差動増幅器 203 比較器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前川 康敬 東京都八王子市大和田町7−3−505 (56)参考文献 特開 平3−21887(JP,A) 特開 平1−318198(JP,A) 特開 平1−217594(JP,A) 特開 昭57−60258(JP,A) 特開 昭60−25472(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01V 3/00 G08B 13/24 G06K 1/12 G06K 7/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被包装物上に、高透磁性で低保磁力の磁
    性粉を結合剤中に分散してなる磁性層を有し、前記磁性
    層が、検出領域内において入射した直流磁界に対して磁
    化変化を発生させることを特徴とする磁気検知マーカ
    ー。
  2. 【請求項2】 基材上に、高透磁性で低保磁力の磁性粉
    を結合剤中に分散してなる磁性層を有する磁気フィルム
    からなり、前記磁性層が、検出領域内において入射した
    直流磁界に対して磁化変化を発生させることを特徴とす
    る磁気検知マーカー。
  3. 【請求項3】 少なくとも基材の一方の面に設けられた
    磁性層と、前記基材の他方の面に設けられた粘着層と、
    前記粘着層を覆う剥離紙とからなることを特徴とする貼
    合型の磁気検知マーカー。
  4. 【請求項4】 少なくとも基材の一方の面に設けられた
    磁性層と、前記磁性層の上に設けられた粘着層と、前記
    粘着層を覆う剥離紙とからなることを特徴とする貼合型
    の磁気検知マーカー。
  5. 【請求項5】 少なくとも剥離性基材の一方の面に設け
    られた磁性層と、前記磁性層の上に設けられた粘着層と
    からなることを特徴とする転写型の磁気検知マーカー。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3、4または5に記載の
    磁気検知マーカーに対して、直流磁界を加え、その加え
    られた直流磁界に起因する前記検知マーカーから発生す
    る磁化変化を出力信号して検出し、前記出力信号の有無
    により、前記磁気検知マーカーの存在の有無を判定する
    ことを特徴とする磁気検知マーカーの存在判定システ
    ム。
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