JP3355231B2 - α−オレフィン重合用触媒 - Google Patents

α−オレフィン重合用触媒

Info

Publication number
JP3355231B2
JP3355231B2 JP21345493A JP21345493A JP3355231B2 JP 3355231 B2 JP3355231 B2 JP 3355231B2 JP 21345493 A JP21345493 A JP 21345493A JP 21345493 A JP21345493 A JP 21345493A JP 3355231 B2 JP3355231 B2 JP 3355231B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substance
polymerization
catalyst component
solid catalyst
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP21345493A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0748411A (ja
Inventor
拓雄 片岡
雅由 齋藤
英雄 塚本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toho Titanium Co Ltd
Original Assignee
Toho Titanium Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toho Titanium Co Ltd filed Critical Toho Titanium Co Ltd
Priority to JP21345493A priority Critical patent/JP3355231B2/ja
Publication of JPH0748411A publication Critical patent/JPH0748411A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3355231B2 publication Critical patent/JP3355231B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭素数が3以上のα−
オレフィン類の重合用として使用した際に高活性を示
し、粒度分布に優れ、しかも立体規則性の高い重合体を
高収率で得ることのできる高性能のα−オレフィン重合
用触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】チタンハロゲン化物、マグネシウム化合
物および電子供与性化合物を必須成分とするオレフィン
類重合用固体触媒成分、ならびに該固体触媒成分と有機
アルミニウム化合物、ケイ素化合物等の電子供与体とか
らなる触媒を用いて、オレフィン類を重合させる方法に
関しては従来から数多くの提案がなされている。
【0003】一方、ジアルコキシマグネシウムと四塩化
チタンを原料として製造されるオレフィン類重合用固体
触媒成分については、例えば特開昭63−3010号公
報、特開平1−221405号公報、特開平1−315
406号公報、特開平3−227309号公報、特開平
3−70711号公報、特開平4−8709号公報等の
ほか多くの特許文献に例示されている。また、ジアルコ
キシマグネシウムとテトラアルコキシチタンおよび四塩
化チタンを用いたオレフィン類重合用触媒成分について
も古くから知られている。例えば、該固体触媒成分と有
機アルミニウム化合物を必須成分とする触媒の存在下で
オレフィンを重合する方法については、特開昭46−6
111号公報や特開昭49−87781号公報に示され
ており、近年では特開平2−23800号公報、特開平
3−207702号公報、特開平3−263409号公
報等にみられるように一層性能が改善された技術が提案
されている。
【0004】上記の各従来技術は、その目的が生成重合
体中に残存する塩素やチタン等の触媒残渣を除去するた
めの所謂、脱灰工程を省略し得る程の高活性をもつ触媒
成分の開発に端を発し、併せて立体規則性重合体の収率
向上や重合時における触媒活性の持続性を高めることに
注力したものであり、この課題に対してはそれぞれ優れ
た成果が発揮されている。ところが、この種の高活性型
触媒成分と有機アルミニウム化合物およびケイ素化合物
に代表される電子供与体とからなる組成のオレフィン類
重合用触媒を用いると、重合反応によって得られるポリ
マー粒子は概して不定形で粒度分布も広く、特に微粉重
合体が多くなるという問題がある。
【0005】この微粉重合体は、リアクターや配管内で
の付着物の沈積や閉塞などのトラブルを惹起するのみな
らず、静電気の発生原因となって安全なプラント運転を
行ううえで大きな障害となる。こうした問題に対処する
ため、プロセス内に微粉末を除去する装置を設置する等
の機械的手段による解決策も試みられているが、装置設
備に要するコストや維持保全に関する技術的問題などが
課題となる。
【0006】そこで、オレフィン類重合用触媒とくに固
体触媒成分の調製手段を改善して触媒を構成する粒子そ
のものの微粉を減少させる技術が開発されている。例え
ば特開昭58−83006号公報には、塩化マグネシウ
ムと高級アルコールとから液状物質を形成し、ハロゲン
化チタンで粒子を析出させる固体触媒成分の調製方法が
開示されており、該成分を有機アルミニウム化合物およ
び電子供与体と組み合わせて形成した触媒をオレフィン
重合に供することにより、粒度分布が狭く、微粉末の少
ない重合体を得ることに成功している。また特開平3−
72503号公報には、ジアルコキシマグネシウム、テ
トラアルコキシチタンおよび有機ケイ素化合物から液状
物質を形成し、ハロゲン化チタンで処理することにより
固体触媒成分を調製する方法が例示されており、同様の
目的を果たしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法においては、その実施例からも明らかなように固体
触媒成分の調製工程が煩雑であることや、安定的合成に
周密な処理操作を必要とすることに加え、原料マグネシ
ウム化合物に対する固体触媒成分の回収率も十分でない
ことから、工業的規模での生産には種々解決すべき課題
が残されていた。
【0008】本発明者らは、特に炭素数3以上のα−オ
レフィン類の重合に求められている立体規則性重合体の
収率、触媒活性ならびにその持続性を高度に維持しなが
ら、前記課題である重合体の粒子性状を改善すべく鋭意
研究を重ねた結果、特定の手段で調製した固体触媒成分
による触媒が前記目的に対して優れた性能を発揮するこ
とを確認した。
【0009】本発明は前記の知見に基づいて開発された
もので、その目的は、炭素数が3以上のα−オレフィン
類の重合に供した際、粒度分布が狭く、微粉重合体の少
ない立体規則性に優れたポリマーを高収率で得ることが
できる高性能のα−オレフィン重合用触媒を提供するこ
とにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明によるα−オレフィン重合用触媒は、(A)
(a)ジアルコキシマグネシウム、(b) テトラアルコキシ
チタンおよび (c)芳香族ジカルボン酸ジエステルを加熱
混合して得られる液状物質を、 (d)ポリスチレンの共存
下、20℃以下に保持した (e)四塩化ケイ素に接触させ
て微粒子を析出させ、その後昇温して反応させることに
より粒子状固体物質を生成し、次いで該粒子状固体物質
に (f)四塩化チタンを接触させ40〜130℃の温度域
で処理することによって得られる固体触媒成分、(B)
有機アルミニウム化合物および(C)電子供与体からな
ることを構成上の特徴とする。
【0011】本発明の固体触媒成分(A)を調製する成
分のうち、 (a)ジアルコキシマグネシウム(以下単に
「 (a)物質」ということがある)としては、ジエトキシ
マグネシウム、ジプロポキシマグネシウム、ジブトキシ
マグネシウム、ジフエノキシマグネシウム等が挙げられ
るが、本発明の目的にはジエトキシマグネシウムが好適
に用いられる。
【0012】(b)テトラアルコキシチタン(以下単に「
(b)物質」ということがある)としては、テトラエトキ
シチタン、テトラプロポキシチタン、テトラブトキシチ
タン、テトラエチルヘキシルチタン、テトラフエノキシ
チタン等を挙げることができるが、中でもテトラプロポ
キシチタンまたはテトラブトキシチタンが好ましく使用
される。
【0013】(c)芳香族ジカルボン酸ジエステル(以下
単に「 (c)物質」ということがある) としては、例えば
ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジプロピル
フタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレ
ート、ジアミルフタレート、ジイソアミルフタレート、
エチルブチルフタレート、エチルイソブチルフタレー
ト、エチルプロピルフタレート、イソオクチルフタレー
ト等が挙げられる。
【0014】上記の (a)物質と (b)物質および (c)物質
を加熱混合することにより得られる液状物質は、 (a)物
質、(b) 物質および (c)物質を撹拌下に通常50〜15
0℃の温度域で10分以上、好ましくは1時間以上混合
接触することにより形成される。この際の (a)物質、
(b) 物質および (c)物質の使用量比は任意であるが、好
ましくは (a)物質1gに対して (b)物質は0.5〜2.
0g、 (c)物質は0.01〜1.0gの範囲で用いられ
る。各物質の接触順序も任意であるが、操作上からは
(a)物質と (b)物質を接触させて液状物質を形成したの
ち、 (c)物質を添加する順序が好ましい。なお、形成さ
れる液状物質が高粘度を有する場合は、操作の容易性を
考慮してヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン等の
不活性有機溶媒で希釈して用いることも可能である。
【0015】このようにして得られた液状物質を、 (d)
ポリスチレン(以下単に「 (d)物質」ということがあ
る) の共存下で (e)四塩化ケイ素(以下単に「 (e)物
質」ということがある)と接触させることにより、微細
な粒子が析出される。この際、 (d)物質は (a)物質、
(b)物質および (c)物質とで形成される液状物質中に共
存させるか、予め (e)物質中に共存させるかは任意に選
択し得る。接触時の温度は20℃以下に設定する必要が
ある。この温度が20℃を越えると得られた触媒を用い
ても本発明が目的とする狭い粒度分布を得ることはでき
ず、かさ比重の低下も著しくなる。ついで、系内を昇温
して微粒子を反応させる。反応温度は50〜100℃の
範囲が好ましく、50℃未満では十分な反応が進行しな
いため長時間を要し、また100℃を越えると溶媒の蒸
発等が顕著となって反応のコントロールが難しくなる。
なお、この際の (d)物質および (e)物質の使用割合は任
意であって特に限定されないが、通常 (a)物質1g当り
(d)物質は0.005〜0.5gの範囲、 (e)物質は
0.5ml〜50mlの範囲で用いられる。また、必要に応
じて(e)物質をヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレ
ン等の不活性炭化水素溶媒で希釈して用いることも可能
である。
【0016】上記のようにして得られる粒子状固体物質
は濾過やデカンテーション等の方法により溶媒や未反応
成分を分離し、さらに (f)四塩化チタン(以下単に「
(f)物質」ということがある。)と接触させ、40〜1
30℃の温度域で処理することにより目的とする固体触
媒成分が得られる。この際、処理温度が40℃を下廻る
と反応の進行が不十分となり、130℃を越えると溶媒
の蒸発が顕著となるほか、使用物質が分解したりして反
応の制御が困難となる。また、処理時間は10分〜10
0時間の範囲で適宜に定められるが、好ましくは30分
から5時間の範囲である。また、必要に応じて (f)物質
をヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン等の不活性
炭化水素溶媒で希釈して用いることもできる。接触の方
法には特に限定はないが、 (e)物質中に該液状物質を添
加する方法が、微粉の発生を抑え粒度分布の狭い固体粒
子を形成する上で好ましい。なお、該固体触媒成分は必
要に応じ不活性炭化水素溶媒で洗浄後、さらに (f)物質
で繰り返し処理することも可能である。
【0017】以上の工程で調製された固体触媒成分はヘ
プタン等の不活性有機溶媒で洗浄することも可能であ
り、洗浄後そのままで或いは洗浄後に乾燥して(B)有
機アルミニウム化合物およびケイ素化合物等の(C)電
子供与体と組み合わせて本発明のα−オレフィン重合用
触媒を形成する。
【0018】本発明において用いられる(B)有機アル
ミニウム化合物は、一般式Rn AlX3-n (式中、Rは
炭化水素基、Xはハロゲン原子、nは1≦n≦3)で表
されるものであり、具体的にはトリエチルアルミニウ
ム、トリイソブチルアルミニウムなどのトリアルキルア
ルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド、ジブチル
アルミニウムクロリドなどのジアルキルアルミニウムハ
ライド、エチルアルミニウムジクロリド、プロピルアル
ミニウムジクロリドなどのアルキルアルミニウムジハラ
イド、エチルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアル
ミニウムセスキクロリドなどのアルキルアルミニウムセ
スキハライド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジブ
チルアルミニウムブトキシドなどのアルキルアルミニウ
ムアルコキシド、ジエチルアルミニウムヒドリド、ジブ
チルアルミニウムヒドリド、エチルアルミニウムジヒド
リドなどのアルキルアルミニウムヒドリドおよびこれら
の混合物を挙げることができる。
【0019】本発明において用いられる(C)電子供与
体としては、Si−O−C結合を有するケイ素化合物や
芳香族カルボン酸エステル類、ケトン類等の化合物が挙
げられるが、中でも好ましい化合物は一般式 Rm Si
(OR’)4-m (式中、Rはアルキ基、シクロアルキル
基、アリール基またはビニル基から選ばれる基、m個の
Rは互いに同一の基でも異なった基の組合せでもよく、
R’はアルキル基である。Rがアルキル基である場合は
そのアルキル基はR’と同一であっても異なってもよ
い。mは0≦m≦3である)で表されるケイ素化合物で
あり、フェニルアルコキシシラン、アルキルアルコキシ
シラン、フェニルアルキルアルコキシシラン、シクロア
ルキルアルコキシシラン、シクロアルキルアルキルアル
コキシシランなどを挙げることができる。より具体的な
化合物例としては、フェニルトリメトキシシラン、フェ
ニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシラ
ン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキ
シシラン、ジフェニルプロポキシシラン、ジフェニルジ
ブトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、テトラメ
トキシシラン、テトラエトキシシラン、トリメトキシエ
チルシラン、トリメトキシメチルシラン、トリエトキシ
メチルシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリ
プロポキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラ
ン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、ジシクロ
ヘキシルジメトキシシラン、ジシクロベンチルジメトキ
シシラン等が挙げられる。
【0020】α−オレフィン重合用触媒を形成する
(B)有機アルミニウム化合物の使用量は、固体触媒成
分中のチタン原子のモル当りモル比で1〜1000、ケ
イ素化合物等の(C)電子供与体は、前記有機アルミニ
ウム化合物のモル当りのモル比で0.01〜0.5の範
囲で用いられる。重合は、有機溶媒の存在下あるいは不
存在下でおこなうことができ、オレフィン単量体は気体
および液体のいずれの状態でも用いることができる。ま
た、分子量調節剤として補助的に水素を用いることもで
きる。重合の条件は、重合温度0〜150℃、重合圧力
0〜100kg/cm2・G に設定される。本発明に係る触
媒を用いて単独重合または共重合されるオレフィン類
は、炭素数3以上のプロピレン、1−ブテン、1−ヘキ
セン等である。
【0021】
【作用】本発明により得られる固体触媒成分、有機アル
ミニウムおよびケイ素化合物等の電子供与体とにより形
成された触媒を用い、炭素数が3以上のα−オレフィン
類の重合をおこなうと、100μm 以下の微粉がほとん
ど存在せず、極めて狭い粒度分布のポリマーを得ること
ができる。また、立体規則性重合体の収率が良好で、単
位触媒当りの重合体の収量(重合活性)も高く、かつそ
の持続性においても優れた性能を示す。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して具
体的に説明する。
【0023】実施例1 (1) 固体触媒成分の調製 窒素ガスで充分に置換され、撹拌機を具備した容量2l
の丸底フラスコにジエトキシマグネシウム100gおよ
びテトラブトキシチタン124mlを装入して懸濁状態と
し、130℃で6時間撹拌しながら処理することにより
粘度の高い均一溶液を得た。これを90℃まで冷却後、
90℃に予め加熱したトルエン800mlを加え、さらに
ジ−n−ブチルフタレート50mlおよびポリスチレン2
gを加えて1時間撹拌したところ、ポリスチレンは完全
に溶解し、無色透明な均一溶液が得られた。これとは別
に、撹拌機を具備した500mlの丸底フラスコに四塩化
ケイ素40mlおよびn−ヘプタン100mlを装入し、5
℃に冷却した。この中に、上記のようにして得られた均
一溶液90mlを、系内の温度を5℃に保ちつつ、1時間
かけて滴下することにより微粒子を析出させた。その
後、1時間かけて55℃まで昇温し、1時間反応させる
ことにより粒子状固体物質を得た。次いで、上澄み液を
除去したのちトルエン40mlおよび四塩化チタン40ml
を装入し、115℃で2時間処理を施した。さらに上記
と同様の操作を繰り返し、トルエンおよび四塩化チタン
で処理した。最後に40℃のn−ヘプタン100mlで7
回洗浄して10gの固体触媒成分を得た。この固体触媒
成分中のチタン含有率は3.5重量%であった。
【0024】(2) 重合用触媒の形成と重合 窒素ガスで十分に乾燥したのち、プロピレンガスで置換
された内容積2000mlの撹拌装置付きステンレス製オ
ートクレーブにn−ヘプタン20mlを装入し、プロピレ
ンガス雰囲気下に保ちつつトリエチルアルミニウム1.
32mmol、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン0.
13mmolおよび前記固体触媒成分をTiとして0.00
66mmol装入して重合用触媒を形成した。次いで液化プ
ロピレン1400mlを装入し、20℃で5分間撹拌し
た。その後、撹拌を継続しながら水素ガス1500mlを
装入し、直ちに系内の温度を75℃に昇温して1時間重
合を行ったところ、386gのポリプロピレンが得られ
た。重合活性を重合時間1時間における固体触媒成分1
g当りのポリマー収量で示すと、42,700g/g-cat.
であった。得られたポリマーの立体規則性の尺度とし
て、沸騰n−ヘプタンによる6時間の抽出で不溶な割合
(HI)を測定したところ、この値は98.8%であっ
た。また、得られたポリマーの平均粒径は350μm で
あり、粒度分布の広さをSPAN〔(Dp90−Dp10)/Dp5
0;ここで Dpxは積算重量xwt% におけるポリマー粒
径〕で示した値は0.5であった。また、100μm 以
下の微粉は1.5重量%であり、かさ比重は0.39g
/mlであった。
【0025】実施例2 (1) 固体触媒成分の調製 窒素ガスで十分に置換され、撹拌機を具備した容量2l
の丸底フラスコにトルエン800ml、ジエトキシマグネ
シウム100gおよびテトライソプロポキシチタン13
0mlを装入して懸濁状態とし、115℃で6時間撹拌し
ながら処理することにより半透明の溶液を得た。これを
90℃まで冷却したのち、ジイソブチルフタレート50
mlおよびポリスチレン4gを加えて1時間撹拌したとこ
ろ、ポリスチレンは完全に溶解した。これとは別に、撹
拌機を具備した500mlの丸底フラスコに四塩化ケイ素
40mlおよびn−ヘブタン100mlを装入し、0℃に冷
却した。この中に、上記のようにして得られた均一溶液
90mlを、系内の温度を0℃に保ちつつ1時間かけて滴
下することにより微粒子を析出させた。その後、1時間
かけて75℃まで昇温し、1時間反応させることにより
粒子状固体物質を得た。次いで、上澄み液を除去した
後、トルエン40mlおよび四塩化チタン40mlを装入
し、115℃で2時間処理をおこなった。さらに、上記
操作と同様にして、繰り返しトルエンおよび四塩化チタ
ンで処理を施した。最後に40℃のn−ヘプタン100
mlで7回洗浄することにより、10gの固体触媒成分を
得た。この固体触媒成分中のチタン含有率は2.8重量
%であった。
【0026】(2) 重合用触媒の形成と重合 上記固体触媒成分を用いて実施例1と同様に重合用触媒
を形成し、重合を実施した。重合活性は44,300g/
g-cat.、HIは97.8%であった。得られたポリマー
の平均粒径は400μm であり、粒度分布の広さをSP
ANで示した値は0.6であった。また、100μm 以
下の微粉は0.5重量%であり、かさ比重は0.38g
/mlであった。
【0027】実施例3 (1) 固体触媒成分の調製 ジエトキシマグネシウムおよびテトラブトキシチタンを
用い、実施例1と同様の条件で処理することにより粘度
の高い均一溶液を得た。これを90℃まで冷却後、90
℃に予め加熱したトルエン800mlを加え、さらにジ−
n−ブチルフタレート50mlを加え5分間撹拌したとこ
ろ無色透明な均一溶液が得られた。これとは別に、撹拌
機を具備した500mlの丸底フラスコに四塩化ケイ素4
0mlおよびポリスチレン0.4gを予め溶解したトルエ
ン100mlを装入し、5℃に冷却した。この中に、上記
のようにして得られた均一溶液90mlを、系内の温度を
5℃に保ちつつ1時間かけて滴下することにより微粒子
を析出させた。その後、1時間かけて55℃まで昇温
し、1時間反応させることにより粒子状固体物質を得
た。次いで、上澄み液を除去したのち四塩化チタン80
mlを装入し、125℃で2時間処理をおこなった。さら
に上記操作と同様にして、繰り返し四塩化チタン処理を
施した。最後に40℃のn−ヘプタン100mlで7回洗
浄することにより9.5gの固体触媒成分を得た。この
固体触媒成分中のチタン含有率は2.4重量%であっ
た。
【0028】(2) 重合用触媒の形成と重合 上記の固体触媒を用いて実施例1と同様に重合用触媒を
形成し、重合を実施した。重合活性は46,100g/g-
cat.、HIは98.8%であった。得られたポリマーの
平均粒径は450μm であり、粒度分布の広さをSPA
Nで示した値は0.6であった。また、100μm 以下
の微粉は0.5重量%であり、かさ比重は0.37g/ml
であった。
【0029】比較例1 (1) 固体触媒成分の調製 ジエトキシマグネシウムおよびテトラブトキシチタンを
用い、実施例1と同様の条件で処理することにより粘度
の高い均一溶液を得た。これを90℃まで冷却後、90
℃に予め加熱したトルエン800mlを加え5分間撹拌し
たところ、無色透明な均一溶液が得られた。これとは別
に、撹拌機を具備した500mlの丸底フラスコに四塩化
ケイ素40mlおよびポリスチレン0.4g を予め溶解し
たトルエン100mlを装入し、5℃に冷却した。この中
に、上記のようにして得られた均一溶液90mlを、系内
の温度を5℃に保ちつつ1時間かけて滴下することによ
り微粒子を析出させた。その後、1時間かけて55℃ま
で昇温し、1時間反応させることにより粒子状固体物質
を得た。次いで、上澄み液を除去したのち、ジ−n−ブ
チルフタレート2.5mlおよび四塩化チタン80mlを装
入し、30℃で2時間処理をおこなった。さらに、上記
操作と同様にして、繰り返し四塩化チタン処理を施し
た。最後に40℃のn−ヘプタン100mlで7回洗浄す
ることにより10.5g の固体触媒成分を得た。この固
体触媒成分中のチタン含有率は、6.4重量%であっ
た。
【0030】(2) 重合用触媒の形成と重合 上記の固体触媒成分を用いて、実施例1と同様にして重
合用触媒を形成し、重合を実施した。重合活性は16,
100g/g-cat.、HIは92.8%であった。得られた
ポリマーの平均粒径は250μm であり、粒度分布の広
さをSPANで示した値は1.7であった。また、10
0μm 以下の微粉は12重量%であり、かさ比重は0.
29g/mlであった。
【0031】比較例2 実施例1において、ポリスチレンを使用せずに固体触媒
成分を調製し、実施例1に記載の条件に従って重合用触
媒の形成および重合を実施した。重合活性は42,50
0g/g-cat.、HIは97.5%であった。得られたポリ
マーの平均粒径は250μm であり、粒度分布の広さを
SPANで示した値は1.3であった。また、100μ
m 以下の微粉は8.5重量%であり、かさ比重は0.3
0g/mlであった。
【0032】
【発明の効果】本発明に係る固体触媒成分、有機アルミ
ニウム化合物およびケイ素化合物等の電子供与体で形成
される触媒を用い、炭素数が3以上のα−オレフィン類
の重合をおこなった場合の触媒活性は十分に高い。この
ため、生成重合体中に存在する触媒残渣量を極めて低い
量に抑えることができ、生成重合体中の残留塩素量も脱
灰工程を全く必要としない程度まで低減化することがで
きる。また、生成重合体における立体規則性重合体の収
率は高く、従来技術によるものに比べて一層高密度の樹
脂を得ることができる。
【0033】また、本発明を構成する固体触媒成分は狭
い粒度分布を有している。従って、この固体触媒成分を
用いて形成した触媒を重合に供すると、得られる重合体
中には微粉末が少なく、リアクターや配管内での付着物
の沈着や閉塞などのトラブルや静電気発生の問題を解消
することができる。そのうえ、生成ポリマーは狭い粒度
分布を呈すると共に優れた流動性も付与されるから、ポ
リマーの後処理工程が容易となり、操業面でのエネルギ
ー省力化などコスト低減に大きく寄与する。
【0034】本発明の重合用触媒は、重合時における活
性の持続性が優れているため、ブロック共重合のような
長時間を要する重合反応において劣化することが少な
い。また、重合の極く初期における活性が比較的低くコ
ントロールされているためにリアクター内での急激な発
熱に起因する暴走反応の恐れがなく、より安定したプロ
セスコントロールが可能となる。
【0035】更に、触媒調製工程における原料マグネシ
ウム化合物のロスが少ないことや工業的に安価な原料を
利用できることに加え、触媒粒子の流動性が良いため洗
浄操作時の沈降速度が早く、乾燥後の粉体輸送も効率的
におこなうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の触媒構成と調製工程等を示したフロ
ーチャートである。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 4/65 - 4/658

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A) (a)ジアルコキシマグネシウム、
    (b)テトラアルコキシチタンおよび (c)芳香族ジカルボ
    ン酸ジエステルを加熱混合して得られる液状物質を、
    (d)ポリスチレンの共存下、20℃以下に保持した (e)
    四塩化ケイ素に接触させて微粒子を析出させ、その後昇
    温して反応させることにより粒子状固体物質を生成し、
    次いで該粒子状固体物質に (f)四塩化チタンを接触させ
    40〜130℃の温度域で処理することによって得られ
    る固体触媒成分、(B)有機アルミニウム化合物および
    (C)電子供与体からなることを特徴とする炭素数が3
    以上のα−オレフィン重合用触媒。
JP21345493A 1993-08-05 1993-08-05 α−オレフィン重合用触媒 Expired - Fee Related JP3355231B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21345493A JP3355231B2 (ja) 1993-08-05 1993-08-05 α−オレフィン重合用触媒

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21345493A JP3355231B2 (ja) 1993-08-05 1993-08-05 α−オレフィン重合用触媒

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0748411A JPH0748411A (ja) 1995-02-21
JP3355231B2 true JP3355231B2 (ja) 2002-12-09

Family

ID=16639488

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21345493A Expired - Fee Related JP3355231B2 (ja) 1993-08-05 1993-08-05 α−オレフィン重合用触媒

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3355231B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0748411A (ja) 1995-02-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3832039B2 (ja) α−オレフィン重合用触媒ならびにα−オレフィン重合体の製造方法
KR940008348B1 (ko) 올레핀 중합체의 제조방법
US4822763A (en) Catalyst component for polymerization of olefin
JPH0830089B2 (ja) オレフイン類重合用触媒
JP2502106B2 (ja) オレフイン重合用触媒成分の製造法
JP2001233879A (ja) マグネシウム化合物、オレフィン重合触媒及びオレフィン重合体の製造方法
CN108084305B (zh) 乙烯聚合固体钛催化剂组分及其制备方法和乙烯聚合固体钛催化剂
JP3355231B2 (ja) α−オレフィン重合用触媒
JP3130171B2 (ja) オレフィン類重合用固体触媒成分および重合方法
JP3444648B2 (ja) オレフィン類重合用固体触媒成分および触媒
JP2001233878A (ja) マグネシウム化合物、オレフィン重合触媒及びオレフィン重合体の製造方法
JP4001477B2 (ja) ポリオレフィンのmwdを調整するチーグラー・ナッタ触媒、製造方法、使用方法そしてそれを用いて製造したポリオレフィン
EP0565173A1 (en) Process for preparing polyolefins with broad molecular-weight distribution
JP2541817B2 (ja) オレフイン類重合用触媒
JP3330186B2 (ja) オレフィン類重合用固体触媒成分および重合方法
JPS6360765B2 (ja)
JPH01105A (ja) 立体規則性ポリオレフィンの製造方法
JPH1129611A (ja) オレフィン類重合用固体触媒成分および触媒
JP3289317B2 (ja) 立体規則性ポリオレフィンの製造方法
JP2563802B2 (ja) オレフイン類重合用触媒
JP3211296B2 (ja) 立体規則性ポリオレフィンの製造方法
JPH0435486B2 (ja)
JPS61176612A (ja) エチレンの重合法
JPH0680719A (ja) α−オレフィンの重合方法
JPH11147909A (ja) オレフィン類重合用固体触媒成分及び触媒

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080927

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080927

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090927

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090927

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090927

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees