JP3354900B2 - X線マスクおよびその製造方法 - Google Patents

X線マスクおよびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体集積回路等の
製造において多用されているパタン形成技術に関するも
ので、X線を用いて半導体やガラス材料等からなる基板
上に集積回路パタンを形成する技術、いわゆるX線リソ
グラフィ技術において用いられるX線マスクの構造およ
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路の作製において、基板上
に微細なパタンを形成する際には、リソグラフィと呼ば
れる写真の原理を応用した技術が用いられてきた。この
技術では以下のようにしてパタンを形成する。図4に示
すように、まず、光42を透過するマスク基板44上
に、光を吸収し通さない材料によって所望のパタンを形
成した吸収体パタン45を有するマスク43を作製す
る。次に、集積回路を作製するLSI(大規模集積回
路)基板47上に、レジスト46と呼ばれる感光性樹脂
を塗布する。このLSI基板47上に、マスク43を置
き、その上から光42を照射する。マスク基板44が吸
収体パタン45で覆われていない部分では、光42は、
マスク43を通過して、LSI基板47上のレジスト4
6を感光させる。一方、マスク基板44が吸収体パタン
45で被覆されている部分では、光42がマスク43で
遮断されているので、レジストは感光しない。LSI基
板47上のレジスト46を吸収体パタン45にしたがっ
て適度に感光させた後、基板を現像液に浸すと、感光し
た部分と感光しない部分では溶解速度が異なるので、基
板上にマスクパタンと同じレジストパタンが形成され
る。この方法で、基板上にパタンを形成する場合、転写
可能な最小寸法は、光42の波長、光学レンズの性能
と、吸収体パタン45の精度に依存する。従来、この転
写には水銀ランプから発するg線(波長約0.436μ
m)が広く用いられ、紫外線リソグラフィ技術と呼ばれ
てきた。集積回路が高度化するにしたがって微細パタン
が要求されるようになり、高精度な転写に有利な波長の
短いi線(0.365μm)が用いられるようになって
きた。近年では、波長0.248μmのKrFエキシマ
レーザが開発され、幅0.20μm程度のパタンまで転
写できるようになってきた。今後の半導体集積回路で
は、さらに微細な幅0.2μm以下のパタンが要求さ
れ、さらに波長の短いArF、F2等のレーザ光を用い
たリソグラフィが検討されているが、光源の安定性やレ
ンズ等に多くの問題があり実用化は困難となっている。
そこで、紫外線以外の新しいリソグラフィ技術の実用化
が急務となってきた。紫外線に代わって、波長5〜15
Åの軟X線を用いるX線リソグラフィ技術は約20年以
上も前から提案されていたが、強力なX線源がないこと
や、マスク作製が困難であるなどの理由で実用化には至
らなかった。しかし、SOR(シンクロトロン放射)リ
ングの開発以来、次第に注目を集めるようになった。X
線は波長が短いことから、回折現象も小さく、0.1μ
m以下のパタンでも容易に転写することができる。この
技術が実用化されれば半導体集積回路の高密度、大容量
化は飛躍的に進展するものと期待されている。現在、X
線リソグラフィ技術の最大の問題は高精度マスクの製造
にある。紫外線リソグラフィでは、マスク基板に用いら
れるガラスを十分に厚く(約6mm)することができる
ので歪みが生じにくいこと、一方、吸収体は0.1μm
以下の十分に薄い金属で構成できること、また、通常マ
スクと転写される基板の間にレンズを置いて、マスクパ
タンを1/5程度に縮小して転写することから、マスク
パタンの精度は大きな問題とはならなかった。しかし、
X線リソグラフィの場合、効果的なレンズがないので、
マスクパタンは等倍でLSI基板に転写される。転写時
に発生する精度低下を考慮すると、X線マスクのパタン
は転写パタンに要求される精度より高精度に形成されな
ければならない。ところが、X線マスクの吸収体は0.
5〜1μmの厚さでないとX線を効果的に遮断すること
はできない。一方、マスク基板(X線リソグラフィでは
メンブレンと呼ばれる)は、1〜2μmの薄さでないと
X線を十分に透過させることができない。
【0003】図5に、従来のX線マスクの構造を模式的
に示す。51は吸収体パタン、52はメンブレンであ
る。53は薄いメンブレンを支えるためのシリコン(S
i)ウエハであり、54は、Siウエハ53を補強し、
取り扱いを容易にするためのフレームである。このX線
マスクは、図6に示す工程で作製される。まず、Siウ
エハ64に、メンブレンとなる薄膜62と、吸収体とな
る薄膜61、吸収体のエッチングマスクとなる薄膜63
を堆積する〔図6(a)〕。次に、Siウエハ64を裏
面からエッチングしてメンブレン62aを形成する〔図
6(b)〕。その後、吸収体のエッチングマスクとなる
薄膜63上に、電子ビーム露光技術を用いて、レジスト
パタン65を形成する〔図6(c)〕。次に、レジスト
パタン65をマスクとして、吸収体のエッチングマスク
となる薄膜63をエッチングし、吸収体のエッチングマ
スク63aを形成する〔図6(d)〕。続いて、吸収体
となる薄膜61をエッチングし、吸収体パタン61aを
形成する〔図6(e)〕。最後に、フレーム66を接着
する〔図6(f)〕。メンブレン62aには、X線を透
過しやすいSiN(窒化ケイ素)、SiC(炭化ケイ
素)等が用いられている。また、吸収体パタン61aに
は、Ta(タンタル)、W(タングステン)もしくはこ
れらの合金が用いられているが、WまたはW合金は、強
酸に弱いため洗浄方法に問題がある。TaまたはTa合
金は耐酸性に優れており、有望視されている。数年前ま
ではTaが一般的であったが、近年、多結晶であるTa
よりも、アモルファスであるTa、Ge(ゲルマニウ
ム)等の合金も用いられるようになってきた。また、吸
収体のエッチングマスク63aにはSiO2(二酸化ケ
イ素)、Cr(クロム)等が用いられている。X線マス
クの問題は、メンブレンが薄い膜で構成されているため
に機械的強度が極めて小さく、マスクの構成材がわずか
な応力を持っていたり、外部から力が加わると変形して
パタンの位置精度が低下することである。通常、このよ
うな薄いメンブレンを数cmの領域にわたって平坦性良
く保ち、外部からの振動の影響を小さくするには、メン
ブレンそのものが一定の引っ張り応力を保持していなけ
ればならない。このメンブレンの引っ張り応力によって
周囲のSi支持枠は、内側に縮むと共に、外周が持ち上
がるように変形する。また、吸収体が応力を持っている
と、その力によってメンブレンが変形する。このため、
均一で一定の応力を持つメンブレン膜の形成技術、応力
をできる限り小さくする吸収体膜の形成技術、剛性の大
きい厚いSiウエハの使用などの研究が積み重ねられて
きた。吸収体膜の形成技術については、電子サイクロト
ロン共鳴を利用したプラズマ流を用いたスパッタ法で極
めて安定したα−Taを形成する手法が開発された。こ
のα−Taは、吸収体として極めて優れた特性を持って
おり、X線マスクの実用化が大きく進展した。これらの
技術を用いた結果、メンブレンの応力は5%以内に、ま
た吸収体の応力も10MPa以下に制御することが可能
となり、簡単なパタンのマスクなら位置精度が20nm
の精度で作製できるようになった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、メン
ブレン、吸収体の応力制御技術が進み、X線マスクを安
定して作製できるようになり、実際の集積回路のような
微細で複雑なパタンを持ったX線マスクの作製が検討さ
れるようになった。ところが、微細なパタンが密集する
X線マスクを作製すると、その領域で吸収体パタンが大
きく歪み、パタン位置精度が低下する現象が観察され
た。図7は、問題となる歪みの例を示している。図7
(A)に示すように、縦方向に伸びる長さ10mm、幅
0.1μmラインが0.2μm周期で10mmの範囲に敷
き詰められている。パタン周囲には、位置を測定するた
めの測定マークが形成されている。吸収体膜を堆積した
時点では応力は10MPa程度であり、各加工工程で、
この応力が変化しないことは確認されている。ところ
が、吸収体をエッチングしたとき、図7(B)のよう
に、パタンの縦(長手)方向に伸びるように0.3μm
以上の位置歪が発生する。この位置歪は、ラインの本数
が少ない時には観察されない。1mm以上の領域にわた
って密集すると、観察できる大きさとなる。また、この
位置歪はパタンの幅が小さいほど、またパタンの周期が
小さいほど大きい。パタン幅が0.3μm程度の場合
は、大きな位置歪は観察されないが、0.15μmより
小さくなると顕著になる。このとき横方向には大きな位
置歪はない。短いラインが密集するようなパタンでは、
ラインの長さが短くなるにしたがって位置歪量が小さく
なり、縦横の長さが同じホールが密集したような領域で
は大きな位置歪は生じない。図7の結果は、電子サイク
ロトロン共鳴を利用したスパッタで形成したα−Taの
結果であるが、RFスパッタで形成したTa膜、TaG
e膜でもほぼ同様な結果が得られており、Taもしくは
Ta合金の共通の問題と考えられる。この現象の原因は
明らかになっていない。10MPa以下に吸収体応力が
制御されていれば、0.1μm以上の位置歪が発生する
ことはない。吸収体をエッチングすることによって、パ
タンの長手方向に圧縮応力が生じたものと考えられる
が、この応力が、なぜ生じたかは明らかでない。吸収体
パタンの形成において、このような位置歪が生じ、パタ
ン位置精度が低下することは、X線マスクにとって致命
的であり、この問題が解決できなければ、X線リソグラ
フィを用いて、将来の微細で高密度な集積回路パタンを
高精度に形成することは不可能となる。この問題の解
明、解決に向けて精力的に研究が進められているが、こ
れまでに有力な手掛かりは得られていない。
【0005】本発明の目的は、上記従来技術における問
題点を解消し、微細なX線吸収体パタンが密集する領域
を形成してもパタンの位置歪を生じないX線マスクの構
造およびその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的を達成
するために、特許請求の範囲に記載のような構成とする
ものである。すなわち、本発明は請求項1に記載のよう
に、X線を透過するマスク基板上に、X線を吸収する材
料からなる吸収体パタンを載置した構造のX線マスクに
おいて、上記吸収体パタンは、少なくともTa(タンタ
ル)で構成されており、その下地材料層としてRu(ル
テニウム)層を形成した構造のX線マスクとするもので
ある。ここでいう載置とは、マスク基板上に吸収体パタ
ンが配置され、それが固定された状態をいう。た、請
求項に記載のように、請求項1に記載のX線マスクに
おいて、吸収体パタンのTaは、α構造のTaを主たる
成分とするTa合金を用いるX線マスクとするものであ
る。また、請求項に記載のように、請求項1または請
求項2に記載のX線マスクを作製する方法において、少
なくとも吸収体パタンのTaを電子サイクロトロン共鳴
によるプラズマを用いたスパッタ法により形成する工程
を含むX線マスクの製造方法とするものである。上記請
求項1または請求項2において、本発明のX線マスクに
用いる下地材料層として、Ruを単層で用いることを述
べているが、下地材料層を2層以上、複数層用いてもよ
く、その膜厚を適切に設定することにより、本発明の効
果を奏することができる。
【0007】本発明は、微細な吸収体パタンが密集する
領域を形成しても、パタンの位置歪が生じないマスクの
構造を提供するものである。発明者らは、吸収体パタン
の形成と位置歪の関係を詳細に調査し、この位置歪が吸
収体直下の材料(下地材料層)に依存することを突き止
めた。すなわち、吸収体がSiN(窒化ケイ素)やSi
C(炭化ケイ素)上に直接形成されると、図7のような
位置歪が発生するが、吸収体とメンブレンの間にCr、
Ru、TiNあるいはTaNがあるときは位置歪が生じ
ないことを見い出した。Crの場合、厚さが200Åで
は効果がなく、1000Å以上が必要となる。 一方、
Ru、TiNとTaNは200Åでも効果がある。以上
のことは、位置歪の発生する要因が吸収体とメンブレン
の界面、もしくは界面付近の状態にあることを示してい
る。例えば、吸収体とメンブレンの付着力、あるいはメ
ンブレンと吸収体の界面での反応等が関係していると考
えられる。本発明において、最近、吸収体として検討が
進められているTaGe(タンタルゲルマニウム)吸収
体については効果がない。これは、TaGeと下地材料
の間にGe層ができるため、下地材料は何であってもG
e層で吸収体との界面の特性が決まるためと考えられ
る。ECR(電子サイクロトロン共鳴)スパッタ法は、
広く用いられているDCスパッタ、RFスパッタ、マグ
ネトロンスパッタ等に比べ低い圧力で膜形成を行うため
に不純物が混入し難いという特長がある。また、α−T
aは結晶粒が大きく、下地材料の界面に不安定な層が形
成されない。これらのことからECRスパッタ法で形成
したα−Taでは、本発明の効果を十分に発揮すること
ができる。本発明のX線マスク構造は、例えば図1に示
すように、薄いメンブレン12をシリコンウエハ13に
より支え、メンブレン12の上に、Ru、Cr、Ti
N、TaNのうちの少なくとも1種よりなる適切な厚さ
の下地材料層15を介して、Taまたはα−Taを主た
る成分とするTa合金よりなる吸収体パタンを形成した
構造を有するものである。このような構造のX線マスク
とすることにより、吸収体パタン形成時の位置歪を極め
て小さく制御することができ、パタンの幅、パタンの密
度に関係なく、Ta膜を吸収体とする高精度のX線マス
クを作製することができ、高精度で大容量の集積回路パ
タンを有する無欠陥のX線マスクの製造が可能となり、
大規模集積回路用マスクの高精度化を実現できる効果が
ある。
【0008】
【発明の実施の形態】図2(a)〜(f)に、本発明の
X線マスクの製造工程を示す。まず、直径4インチ、厚
さ2mmのSiウエハの表裏に、厚さ2μmのSiC膜
を減圧気相成長法により、メンブレンとなる薄膜22を
堆積した。その上に、下地材料層27として、RFスパ
ッタ法により、Crを0.02、0.05、0.1μm厚
に形成したもの、同じくRFスパッタ法で、Ruを0.
01、0.02、0.04μm厚に形成したもの、また、
電子サイクロトロン共鳴を利用したスパッタ法でTaN
を、0.01、0.02、0.04μm厚に形成したも
の、同じく電子サイクロトロン共鳴を利用したスパッタ
法で、TiNを0.01、0.02、0.04μm厚に形
成したものを準備した。 なお、比較のために、下地材
料層27を形成しない試料も準備した。これらの試料上
に、電子サイクロトロン共鳴を利用したスパッタ法によ
り、Xeガスを用いて400℃でTa膜を厚さ0.4μ
mに堆積し、吸収体となる薄膜21を形成した。この時
のTa膜は、結晶粒の大きさが約1μmで、±10MP
a以下の応力を持つα−Ta膜であった。さらに、その
上にSiO2(二酸化ケイ素)膜を電子サイクロトロン
共鳴を利用した気相成長法により、厚さ0.1μmに堆
積し、吸収体のエッチングマスクとなる薄膜23を形成
した〔図2(a)〕。その後、C26を用いたドライエ
ッチングで、裏面の28×28mmのSiC膜を除去
し、30%KOH(水酸化カリウム)溶液を用いて裏面
からSiを除去して、25×25mmのメンブレン22
a領域を作製した〔図2(b)〕。続いて、表面のSi
2膜である吸収体のエッチングマスクとなる薄膜23
上に、電子ビームレジスト(商品名 ZEP)を0.2μ
m厚に回転塗布し、電子ビーム露光法を用いて、図7
(A)と同じレジストパタンを形成した〔図2
(c)〕。その後、干渉式のパタン座標位置測定装置に
よって、レジストパタンの位置を測定した。次に、反応
性イオンエッチング装置に入れて、SiO2膜をエッチ
ングし、吸収体のエッチングマスク23aを形成した
〔図2(d)〕。さらに、電子サイクロトロン共鳴を利
用したイオン流エッチングで吸収体となる薄膜21であ
るTa膜をエッチングし、吸収体パタン21aを形成し
た〔図2(e)〕。なお、上記の図2(d)〜(e)の
工程におけるエッチング中においては裏面から冷却した
Heを吹き付けて温度上昇を防いだ。その後、希HF
(フッ化水素)酸を用いて表面のSiO2膜を除去した
後、1点接着法によりフレームを接着した〔図2
(e)〕。再び、パタン座標位置測定装置によって、吸
収体パタン21aの位置を測定し、エッチングによって
生じたパタン位置歪を計算した。この時、フレームを接
着によって歪が発生しないことを確認した。比較のため
に、下地材料層27を形成しなかった試料では、エッチ
ングによって0.32μmという大きなパタン最大位置
歪が発生した。下地材料層を形成した本発明の試料のエ
ッチングにおけるパタン最大位置歪(μm)と下地材料
層の厚さ(μm)については、図3にその結果を示す。
図から明らかなように、0.02μm厚のCr層の試料
は、下地材料層を形成しない試料と同程度のエッチング
によるパタン位置歪が発生しているが、Cr層の厚さが
増大すると共に、パタン位置歪は減少し、0.1μm厚
になると、パタン最大位置歪は0.03μm程度に小さ
くなった。一方、Ru、TiN、TaNについては、厚
さが0.01μmのとき比較的大きなパタン最大位置歪
が発生しているが、厚さが0.02μm以上になると、
歪は0.03μm以下となる。Ruについては最も効果
が大きく厚さが0.01μmのときでも、下地材料を用
いなかった場合の1/4以下のパタン最大位置歪となっ
ている。なお、パタン最大位置歪が約0.03μm以下
となる下地材料層の厚さは、Cr層では約0.10μm
以下、Ru層では約0.015μm以下、TiN層では
約0.018μm以下、TaN層では約0.022μm以
下であった。以上の結果から、吸収体材料の下地材料層
として、Cr、Ru、TiN、TaNの層を形成するこ
とによって、パタン形成時の位置歪を著しく抑制できる
ことは明らかである。また、下地材料層として、Cr、
Ru、TiN、TaNの層を2種以上、複数層用いる場
合においても適切な合計膜厚に設定すれば、上記のパタ
ン最大位置歪を小さくすることができる。なお、吸収体
エッチング後、ドライエッチングを用いて露出した部分
の下地材料層を除去したが、パタン位置精度には大きな
変化はなかった。吸収体パタン直下の下地材料層が重要
であると考えられる。
【0009】
【発明の効果】本発明のX線マスクを用いることによ
り、パタン幅、密度とは無関係に、Ta膜を吸収体パタ
ンとする高精度のX線マスクを作製することができる。
その結果、高密度で大容量の集積回路パタンを有する無
欠陥のX線マスクの製造が可能となり、大規模集積回路
用マスクの高精度化を実現できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態で例示したX線マスクの構
造一例を示す模式図。
【図2】本発明の実施の形態で例示したX線マスクの作
製過程を示す工程図。
【図3】本発明の実施の形態で例示したX線吸収体パタ
ンの下地材料層の厚さと最大位置歪の関係を示すグラ
フ。
【図4】従来のリソグラフィ技術を示す説明図。
【図5】従来のX線マスクの構造を示す模式図。
【図6】従来のX線マスクの作製過程を示す工程図。
【図7】従来技術において微細パタンが密集した時に生
じる位置歪(最大変位)を示す説明図。
【符号の説明】
11…吸収体パタン 12…メンブレン 13…シリコンウエハ 14…フレーム 15…下地材料層 21…吸収体となる薄膜 21a…吸収体パタン 22…メンブレンとなる薄膜 22a…メンブレン 23…吸収体のエッチングマスクとなる薄膜 23a…吸収体のエッチングマスク 24…シリコンウエハ 25…レジストパタン 26…フレーム 27…下地材料層 42…光 43…マスク 44…マスク基板 45…吸収体パタン 46…レジスト 47…LSI基板 51…吸収体パタン 52…メンブレン(薄膜) 53…シリコンウエハ 54…フレーム 61…吸収体となる薄膜 61a…吸収体パタン 62…メンブレンとなる薄膜 62a…メンブレン 63…吸収体のエッチングマスクとなる薄膜 63a…吸収体のエッチングマスク 64…シリコンウエハ 65…レジストパタン 66…フレーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土澤 泰 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 内山 真吾 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 芳賀 恒之 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 吉原 秀雄 東京都武蔵野市御殿山一丁目1番3号 エヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロ ジ株式会社内 (56)参考文献 特開 平10−161300(JP,A) 特開 平9−5985(JP,A) 特開 平7−122480(JP,A) 特開 平11−354407(JP,A) 特開 昭61−58233(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/027 G03F 1/00 - 1/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】X線を透過するマスク基板上に、X線を吸
    収する材料からなる吸収体パタンを載置した構造のX線
    マスクにおいて、上記吸収体パタンは、少なくともTa
    で構成されており、その下地材料層としてRu層を設け
    たことを特徴とするX線マスク。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のX線マスクにおいて、吸
    収体パタンのTaは、α構造のTaを主たる成分とする
    Ta合金であることを特徴とするX線マスク。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載のX線マス
    クを作製する方法において、少なくとも吸収体パタンの
    Taを電子サイクロトロン共鳴によるプラズマを用いた
    スパッタ法により形成する工程を含むことを特徴とする
    X線マスクの製造方法。
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